JP4471089B2 - めっき方法 - Google Patents

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Description

本発明はめっき方法に関し、より詳しくは、通常、表面が触媒活性を有さないとされるセラミック等の被めっき物に無電解めっきを施して該被めっき物にめっき皮膜を形成するめっき方法に関する。
従来より、還元剤を含有しためっき液に被めっき物を浸漬し、金属皮膜を析出させるめっき方法は、無電解めっき法として広く知られている。
この種の無電解めっき法では、還元剤の酸化反応に対して触媒活性な表面上でめっき反応が生じ、被めっき物表面に金属を析出させることにより被めっき物の表面に金属を析出させることができる。
したがって、表面が触媒活性を有さないセラミックや樹脂等の物品を被めっき物として無電解めっきを施す場合は、めっき反応を開始させるためにPdやPt等の触媒金属を被めっき物表面に吸着させ、これにより被めっき物表面を予め触媒活性化させている(例えば、非特許文献1)。
図4は、従来から行なわれている無電解めっきの処理手順を示すめっき工程図である。
まず、脱脂工程101で汚れを落として水濡れ性を良好にし、洗浄工程102で純水洗浄した後、エッチング工程103で密着強度を確保するために表面を粗化する。次いで、洗浄工程104で純水洗浄し、続くコンディショナ工程105で触媒金属イオンの吸着性を良くするために下地処理を施し、洗浄工程106で純水洗浄した後、触媒付与工程107に進む。
触媒付与工程107は、キャタリスト工程107aと洗浄工程107bとアクセラレータ工程107cとを備えている。そして、キャタリスト工程107aでは、混合触媒溶液(例えば、Sn−Pd混合溶液)に被めっき物を浸漬し、めっき皮膜形成の核となる触媒金属イオンを錯塩状態にして被めっき物の表面に吸着させる。続く洗浄工程107bで純水洗浄し、吸着錯塩を加水分解して金属塩を沈殿させ、その後アクセラレータ工程107cでは錯塩状態を解かれた触媒金属塩と金属塩との間で生じる酸化還元反応によって触媒金属イオンを金属に還元し、これにより被めっき物の表面に触媒を付与する。
次に、洗浄工程108で純水洗浄した後、無電解めっき工程109で被めっき物を無電解めっき液に浸漬し、これにより触媒活性化された被めっき物の表面で還元剤の酸化反応が進行し、めっき金属の析出が開始する。そして、一旦めっき金属が析出すると、析出しためっき金属自身が核となって、該めっき金属の析出が継続し所望膜厚の金属皮膜が形成される。
そしてこの後、洗浄工程110で純水洗浄し、熱処理工程111で熱処理を行ない、めっき処理を終了している。
すなわち、上記エッチング工程103で、エッチング処理を行なって表面を粗化し、これにより被めっき物と金属皮膜との密着強度向上を図っているが、めっき直後の金属皮膜は脆く、所謂アンカー部でめっき皮膜が切断状態となり易い。
そこで、熱処理工程111で熱処理を行ない、金属皮膜の強度を向上させている。
岡村寿郎、川岸重光、神戸徳蔵、鷹野修共著「無電解めっきの応用」槙書店、1991年12月15日初版発行、p.49及びp.71
しかしながら、上記従来の無電解めっき方法では、上述したように、還元剤の酸化反応に対し被めっき物が触媒活性を有さない場合、触媒付与工程107で予め被めっき物表面に触媒を付与しなければならず、このため以下のような問題点があった。すなわち、
(1)触媒付与工程107が必要となるため、めっき工程が煩雑なものとなり、時間的にも処理時間が長くなる
(2)触媒付与後の廃液処理工程が別途必要となる
(3)触媒金属として、通常、PdやPt等の高価な金属を使用することが多く、材料費が高い
(4)触媒金属がめっき膜に混入して該めっき膜の純度低下を招き易い
(5)アクセラレータ工程107cでは、アクセラレータ(促進液)として硫酸や塩酸等の強酸性水溶液、或いは水酸化ナトリウム等の強アルカリ性水溶液が使用されることが多く、このような強酸性溶液や強アルカリ性溶液を使用した場合、被めっき物がダメージを受けて腐食してしまうおそれがあり、特にセラミックを被めっき物とした場合にこのような腐食が顕著に生じる
等の問題点があった。
また、従来の無電解めっき方法では、上述したようにめっき金属の強度を向上させるためにめっき皮膜形成後に熱処理を行なっており、このためめっき工程が煩雑であり、めっき処理に長時間を要するという問題点もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、工程を簡素化すると共に、良好なめっき特性を有する製品を低コストで容易に得ることができるめっき方法を提供することを目的とする。
一般に、還元剤を使用した無電解めっきでは、めっき反応は化学反応式(A)に示すように進行する。
n++R→M+Rn+ …(A)
ここで、Mはめっき析出する金属、Rは還元剤である。
この化学反応式(A)で化学エネルギに着目すると、左辺が高エネルギの準安定状態、右辺が低エネルギの安定状態である。
そして、触媒が存在しない場所ではエネルギ障壁が高く、化学反応式(A)で示す化学反応の進行は抑制された状態にあるが、触媒が存在する場所ではエネルギ障壁が低下してめっき反応が進行し、一旦めっき反応が開始すると析出しためっき金属自体が核となってめっき反応が継続し、金属皮膜を形成する。
したがって、触媒活性化されていない被めっき物を無電解めっき液に投入してもエネルギ障壁が高いため、通常はめっき反応は開始しないが、前記エネルギ障壁を超える熱量を無電解めっき液に付与すると、エネルギ障壁が低下し触媒活性化されていない被めっき物であっても表面が活性化してめっき反応が開始する。
しかしながら、無電解めっき液を直接加熱して大熱量を無電解めっき液に付与した場合は、めっき反応は開始するものの、該めっき反応が過度に促進されて無電解めっき液中の至る所でめっき金属が析出し、浴分解が生じる。
そこで、本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、表面が触媒活性を有さない被めっき物を加熱し、高熱状態の被めっき物を無電解めっき液に浸漬することにより、前記被めっき物の表面でめっき反応が開始して該被めっき物表面に金属皮膜が析出し、一旦金属皮膜の析出が開始すると、該金属皮膜を核として自己触媒的に金属皮膜の析出が継続するという知見を得た。
そして、本発明者らが更に鋭意研究を行なったところ、被めっき物の表面積に対して放熱量が0.73J(ジュール)/mm を超える場合は、被めっき物表面が触媒活性を有していなくともめっき反応の進行を促進することができるということが分かった。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係るめっき方法は、表面が触媒活性を有さない被めっき物に加熱処理を施し、該被めっき物を高熱状態とする加熱工程と、前記高熱状態の前記被めっき物を還元剤が含有されためっき液に浸漬し、無電解めっきを施して前記被めっき物の表面に金属皮膜を析出させる析出工程とを含み、前記加熱工程は、前記析出工程で前記高熱状態の前記被めっき物を前記めっき液に浸漬したときに、前記被めっき物は少なくとも0.73ジュール/mm 以上の熱量を前記無電解めっき液に放熱するように、放熱量を制御することを特徴としている。
また、本発明のめっき方法は、前記被めっき物が、セラミックを主成分とすることを特徴としている。
さらに、本発明のめっき方法は、前記無電解めっき液は、Cu及びNiのうちの少なくとも1種の金属成分を含有していることを特徴としている。
上記めっき方法によれば、表面が触媒活性を有さない被めっき物に加熱処理を施し、被めっき物を高熱状態にしてから無電解めっき液に浸漬しているので、該無電解めっき液は高熱状態の被めっき物表面でのエネルギ障壁が低下して活性化し、被めっき物の表面でめっき反応が開始し、被めっき物の表面にめっき金属を析出させることが可能となる。しかも、前記高熱状態の前記被めっき物を前記めっき液に浸漬する際に、前記被めっき物が少なくとも0.73J/mm を超える熱量を放熱するように、放熱量を制御することにより、被めっき物表面が触媒活性を有さなくとも容易にめっき反応が進行する。
したがって、表面が触媒活性を有していない被めっき物の無電解めっき処理には必要不可欠とされていた触媒付与工程が不要となり、めっき工程の簡素化や時間的な短縮化を行なうことが可能となり、また触媒廃液を別途処理する工程も不要となる。しかも、触媒付与工程が不要となることから、触媒金属であるPdやPt等の高価な金属を調達する必要もなくなり、材料費を節減することができる。さらに、触媒金属を使用しないので、該触媒金属がめっき皮膜中に混入することもなくなり、したがってめっき皮膜の純度が向上し、良好な皮膜特性を得ることができる。また、触媒付与工程が不要となった結果、強酸性溶液や強アルカリ性溶液を使用することがなくなるので、被めっき物の腐食等を回避することができる。
また、被めっき物に加熱処理を行なうことにより、めっき処理と同時に熱処理も行なわれることとなるため、別途エッチング工程や熱処理工程を設けなくとも、めっき金属の密着強度を向上させることもできる。しかも加熱工程が脱脂工程を兼用することにもなるので、従来の多工程を大幅に簡素化ることができ、短時間で所望のめっき処理を行なうことができる。
また、前記被めっき物は、セラミックを主成分とするので、セラミックを主成分とした共振器や圧電部品等の各種セラミック電子部品やセラミック粒子の金属被覆に好適なめっき方法を実現することができる。
さらに、前記無電解めっき液は、Cu及びNiのうちの少なくとも1種の金属成分を含有しているので、触媒活性を有しない被めっき物に対しても、容易にCu皮膜やNi皮膜を形成することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1は本発明に係るめっき方法の一実施の形態を示すめっき工程図である。
加熱工程1では、表面が触媒活性を有さない被めっき物を用意し、該被めっき物をセラミックヒータ等で所定温度に加熱する。
ここで、「表面が触媒活性を有さない被めっき物」とは、加熱処理前における被めっき物の表面温度が、無電解めっき液の浴温に対して+5℃以内の場合に、該めっき物を無電解めっき液に投入し5分間経過してもめっき析出が生じない当該被めっき物をいう。
そして、このような被めっき物としては、セラミック製物品や樹脂製物品があり、セラミック製物品としては、BaTiO系セラミックコンデンサ用のセラミック素体やPZT系圧電部品用のセラミック素体が挙げられ、セラミック粒子自体も被めっき物として使用することができる。また、樹脂製物品としては、樹脂基板に使用されるエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリイミド等の熱可塑性樹脂で形成された各種物品が挙げられる。
また、前記所定温度は、被めっき物を無電解めっき液に投入したときに、放熱量Qが少なくとも0.73J/mmを超えるように設定する。
すなわち、放熱量Qは、数式(1)で表される。
Q=G・Cp・ΔT =G′・Cp′・ΔT′…(1)
ここで、G、G′はそれぞれ無電解めっき液及び被めっき物の質量、ΔT(=T1−T0)は無電解めっき液の被めっき物投入前後の温度差、ΔT′(=T1′−T0′)は被めっき物の温度差を示す。また、Cp、Cp′は無電解めっき液、及び被めっき物の平均定圧比熱であって、数式(2)及び(3)でそれぞれ表わされる。
Figure 0004471089
Figure 0004471089
ここで、Cp0(T)は温度Tにおける無電解めっき液の定圧比熱であり、Cp0(T′)は温度T′における被めっき物の定圧比熱である。
したがって、無電解めっき液と被めっき物との温度差ΔTを測定することにより、放熱量Qを算出することができ、この放熱量が、被めっき物の表面積に対し0.73J/mmを超えるような温度差ΔT′が得られる所定温度T1′に被めっき物を加熱する。
ここで、このように放熱量Qを少なくとも0.73J/mmを超えるようにしたのは、放熱量が0.73J/mm以下の場合は、めっき反応が開始するだけの熱量が被めっき物と接触する無電解めっき液に付与されず、したがってめっき反応を開始させることが困難となり、被めっき物の表面に所望のめっき皮膜を形成することができなくなるおそれがあるからである。
尚、放熱量の上限は、加熱により被めっき物がダメージ(被めっき物がセラミックの場合は割れ、樹脂の場合は溶融)を受けず、まためっき液が沸騰するとめっき皮膜が粗くなることから該めっき液が沸騰しない値とする必要がある。
次に、無電解めっき工程(析出工程)2では、上述のように少なくとも0.73J/mmを超える放熱量を有するように加熱された被めっき物を還元剤が含有された無電解めっき液に浸漬する。そしてこれにより、無電解めっき液は被めっき物から大量の熱を受容し、その結果被めっき物表面でのエネルギ障壁が低下してめっき反応が開始し、被めっき物の表面へのめっき皮膜の析出が開始する。このようにして金属皮膜が一旦析出すると、この析出しためっき皮膜を核として該めっき皮膜が自己触媒的に析出を継続し、所望膜厚に達した時点でめっき処理は終了する。
ここで、還元剤としては、ホスフィン酸、ホスフィン酸ナトリウム、ホスフィン酸カリウム、ジメチルアミンボラン、水酸化ホウ素、ヒドラジン、チオ尿素、ホルムアルデヒド、Ti3+を含有したチタン化合物等をめっき析出する金属種に応じて適宜使用することができる。
尚、無電解ニッケルめっき液には、上記還元剤の他、めっき金属を析出させるための金属塩、錯化剤等、pH緩衝剤が含有されている。
ここで、金属塩に含有される金属成分としては、Cu、Ni、Co、Ag、Au、W、Pd、Fe、及びSnの群から選択された少なくとも1種を使用することができ、金属塩の形態としては、例えば銅塩の場合は硫酸銅、塩化銅、水酸化銅を使用することができ、ニッケル塩の場合は硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等を使用することができる。
また、錯化剤は、めっき析出する金属成分(金属イオン)との間で錯体を形成し、金属塩として沈殿するのを防止するために添加されるが、斯かる錯化剤としては、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸等のオキシカルボン酸、マロン酸、マイレン酸、コハク酸、グルタミン酸等のジカルボン酸、酢酸、グリシン等のモノカルボン酸や、これらの塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を適宜使用することができる。
また、無電解ニッケルめっき液中での水素イオン指数pHが大幅に低下してめっき速度が低下するのを防止する観点から、必要に応じてpH緩衝剤を添加するのも好ましい。尚、pH緩衝剤としては、例えばホウ酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、アンモニウム塩等を適宜使用することができる。
そして、洗浄工程3でめっき皮膜の形成された被めっき物を純水洗浄し、めっき製品を乾燥して全めっき工程を終了する。
このように本実施の形態では、表面が触媒活性を有さない被めっき物を予め加熱して高熱状態とし、少なくとも0.73J/mmを超える放熱量を有するように加熱処理された被めっき物を直接めっき液に浸漬しているので、無電解めっき液の被めっき物と接する表面にはエネルギ障壁を超えるだけの熱量が付与される。したがって表面が触媒活性を有さないとされる被めっき物の場合であっても、被めっき物表面が活性化されてめっき反応が開始し、被めっき物にめっき皮膜を析出させることができる。そしてこれにより触媒付与工程が不要となり、めっき工程の簡素化や時間的短縮化が可能となり、また触媒廃液を別途処理する工程も不要となる。しかも、触媒付与工程が不要となることから、触媒金属であるPdやPt等の高価な金属を調達する必要もなくなり、材料費を節減することができる。さらに、触媒金属を使用していないので、該触媒金属がめっき皮膜中に混入することもなく、めっき皮膜の純度が向上し、良好な皮膜特性を得ることができる。また、触媒付与工程が不要となった結果、強酸性溶液や強アルカリ性溶液を使用することがなくなるので、被めっき物の腐食等を回避することができる。
また、被めっき物に加熱処理を行なうことにより、めっき処理と同時に熱処理も行なわれることとなり、めっき金属の密着強度を向上させることもでき、したがって従来のようにエッチング工程やめっき後の熱処理工程を設ける必要もない。しかも加熱工程が脱脂工程を兼用することにもなるので、従来の多工程が大幅に簡素化されためっき方法を実現することができる。
図2は、本発明のめっき方法を使用して製造された共振器の一実施の形態を示す斜視図であって、該共振器4は、空洞5を有するセラミック素体6の表面には一端面7を除き他の面にはCu等の金属皮膜8が形成されている。
図3は、上記共振器4のめっき処理過程における図である。
すなわち、まず、図3(a)に示すように空洞5が形成された筐体状のセラミック素体6を用意し、該セラミック素体6を、めっき液への放熱量が少なくとも0.73J/mmを超えるようにセラミックヒータ等で加熱し、次いで、セラミック素体6を無電解めっき液に浸漬して無電解めっきを施し、図3(b)に示すように、セラミック素体6の全表面に金属皮膜8を形成する。そしてその後、一端面7に研磨加工を施し、これにより、図2に示すような共振器4が製造される。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。図2〜図3では、被めっき物として共振器を例に説明したが、セラミック粒子やPZT系の各種圧電部品についても同様であるのはいうまでもない。
また、上記実施の形態では、被めっき物として通常触媒活性を有さないとされる物品を使用したが、触媒活性を有する物品であっても本発明を適用することもでき、この場合はめっき皮膜の形成をより促進することができ、またPdやPt等の高価な金属触媒の使用量を節減することができる。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
幅3mm、長さ6mm、高さ3mm、空洞径1mmのチタン酸バリウムを主成分とした誘電体共振器用セラミック素体(表面積:100mm)を用意し、該セラミック素体をセラミックヒータで500℃まで加熱した。
次に、この加熱されたセラミック素体を、下記めっき組成を有する5.0×10−4(質量0.51kg)の無電解Cuめっき液(浴温60℃)に20分間浸漬し、無電解めっき液1m当り5.0×10−4/minの流量でエアレーションを行い、無電解Cuめっきを施した。
〔めっき組成〕
硫酸銅5水和物 30kg/m
EDTA 50kg/m
水酸化ナトリウム 50kg/m
ホルムアルデヒド(37重量%) 60mL/L
尚、放熱量は、被めっき物を水に投入したときの熱量から算出したところ、1J/mmであった。
そしてこの後、セラミック素体を無電解めっき液から引き上げて純水洗浄を行い、乾燥し、実施例の試料を作製した。
また、従来の工程(図4)に従ってめっき処理を行ない、比較例の試料を作製した。
すなわち、まず、脱脂液として奥野製薬社製「エースクリーン」を使用してセラミック素体に脱脂処理を行ない、純水洗浄した後、フッ酸−硝酸溶液を使用して該セラミック素体にエッチング処理を行なって表面形状を微調整すると共に、スマットを除去し、この後純水洗浄した。
次に、Pdイオンの吸着を良好なものとすべく界面活性剤で下地処理を行なった後、純水洗浄し、この後、キャタリストとしての第1スズ塩−塩化パラジウムの混合溶液(パラジウム濃度:300ppm)に6分間浸漬し、純水洗浄した後、塩酸(アクセラレータ)に浸漬し、これによりセラミック素体の表面にパラジウム触媒を付与した。
次いで、純水洗浄した後、上述と同様の方法・手順で無電解Cuめっきを施し、純水洗浄した後、熱処理を施し、これにより比較例の試料を作製した。
次に、実施例及び比較例におけるCu皮膜の膜厚、密着強度、無負荷Qを測定した。
密着強度は、実施例及び比較例の各試験片の表面を2mm□に切り出し、銅皮膜にリード線をはんだ付けして引っ張り、銅皮膜が剥離したときの強度を測定した。
無負荷Qは、実施例試験片及び比較例試験片の一面のCu皮膜を除去して無負荷Q測定用の専用治具に装着し、ネットワークアナライザ(ヒューレット・パッカード社製4291A)を使用し、共振周波数2GHzで測定した。
表1は、実施例及び比較例の各試料のめっき膜厚、処理時間、密着強度、無負荷Qを示している。
Figure 0004471089
この表1から明らかなようにめっき膜厚は、実施例及び比較例共、3.0μmであり、セラミック素体に加熱処理を施すことにより、セラミック素体にPd触媒を施した場合と同様の膜厚を有するCu皮膜を得ることができた。
また、比較例は脱脂工程、エッチング工程、コンディショナ工程、及びこれら工程に付随する洗浄工程が必要となるため、全めっき工程に100分を費やしたのに対し、実施例は加熱工程、無電解めっき工程、洗浄工程の3工程でめっき工程を終えることができ、全めっき工程に要する時間が40分で済み、めっき処理時間を大幅に短縮できることが分かった。
さらに、セラミック素体とCu皮膜との密着強度も比較例が5N/mmであるのに対し、実施例は10N/mmとなり、大幅に向上し、また無負荷Qも比較例が380であるのに対し、実施例は420であり、約10%向上した。
チタン酸バリウムを主成分とする直径3.5mmの球状セラミック素体(表面積:38.5mm)をセラミックヒータで100℃〜700℃に加熱し、その後、〔実施例1〕と同様、20分間無電解Cuめっきを施した後、浴温90℃に調製された市販の無電解Niめっき液(上村工業社製NPR−4)に被めっき物を20分間浸漬し、その後純水洗浄し、さらに乾燥処理を施し、試料番号1〜7の試料を作製した。
次いで、試料番号1〜7のめっき被覆率を写真のコントラストで測定した。
表2は加熱温度、めっき浴の浴温及び放熱量とめっき被覆率との関係を示している。尚、表2中、×印はめっき被覆率が10%未満、△印はめっき被覆率が10%以上90%未満、○印は90%以上を示している。尚、放熱量は、〔実施例1〕と同様、被めっき物を水に投入したときの熱量から算出した。
Figure 0004471089
この表2から明らかなように加熱温度300℃未満では放熱量が33.3J/個未満(0.73J/mm未満)であり、めっき被覆率がCu被覆及びNi被覆共90%未満であるが、加熱温度が400℃以上になると放熱量が48.8(>33)J以上(1.08J/mm以上)となり、Cu皮膜のめっき被覆率は90%以上となり、加熱温度が500℃以上になると放熱量も66J以上となって、Ni皮膜のめっき被覆率が90%以上となり、良好なめっき被覆率を得ることのできることが分った。
本発明に係るめっき方法の一実施の形態を示す工程図である。 本発明のめっき方法を使用して製造されて共振器の一例を示す斜視図である。 本発明のめっき方法に供される被めっき物としてのセラミック素体の一例を示す斜視図である。 従来のめっき方法の工程図である。
符号の説明
1 加熱工程
2 無電解めっき工程(析出工程)

Claims (3)

  1. 表面が触媒活性を有さない被めっき物に加熱処理を施し、該被めっき物を高熱状態とする加熱工程と、前記高熱状態の前記被めっき物を還元剤が含有されためっき液に浸漬し、無電解めっきを施して前記被めっき物の表面に金属皮膜を析出させる析出工程とを含み、
    前記加熱工程は、前記析出工程で前記高熱状態の前記被めっき物を前記めっき液に浸漬したときに、前記被めっき物は少なくとも0.73ジュール/mm 以上の熱量を前記めっき液に放熱するように、放熱量を制御することを特徴とするめっき方法。
  2. 前記被めっき物が、セラミックを主成分とすることを特徴とする請求項1記載のめっき方法。
  3. 前記めっき液が、Cu及びNiのうちの少なくとも1種の金属成分を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のめっき方法。
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