請求項1記載の発明は、レーザ光を発光して記録マークを形成し光ディスクに情報を記録する光ピックアップと、光ピックアップを発光させるレーザ駆動部と、記録マークを形成する発光パルス群を生成する記録パターン生成部と、発光パルス群の先頭に位置するトップパルスのパルス幅を選択後にトップパルスの立ち上がり部を選択し、その立ち上がり部を時間軸方向に変化させながらトップパルスのパルス幅を決定する制御部と、を備え、制御部は、記録マークを形成するために必要な発光量を確保できるパルス幅である発光限界パルス幅を記憶し、決定したトップパルスのパルス幅が発光限界パルス幅未満となる場合にはトップパルスのパルス幅を発光限界パルス幅以上の所定のパルス幅に変更することを特徴とするものである。これにより、トップパルスのパルス幅が光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量が最低限確保できる発光限界パルス幅未満にならないので、長さ2Tや3Tの短い記録マークを多用するブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスクに記録する場合であっても、発光パターンにおけるトップパルスのパルス幅が光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅未満になることを回避することができ、所望の長さの記録マークを正しく形成することが可能な光ディスク装置を実現することができる。
請求項2記載の発明は、レーザ光を発光して記録マークを形成しレーザ光により光ディスクに情報を記録する光ピックアップと、光ピックアップを発光させるレーザ駆動部と、記録マークを形成する発光パルス群を生成する記録パターン生成部と、発光パルス群の最後尾に位置し光ピックアップをピークパワーで発光させるラストパルスのパルス幅を選択後にラストパルスの立ち下がり部を選択し、その立ち下がり部を時間軸方向に変化させながらラストパルスのパルス幅を決定する制御部と、を備え、制御部は、記録マークを形成するために必要な発光量を確保できるパルス幅である発光限界パルス幅を記憶し、決定した前記ラストパルスのパルス幅が発光限界パルス幅未満となる場合にはラストパルスのパルス幅を発光限界パルス幅以上の所定のパルス幅に変更することを特徴とするものである。これにより、ラストパルスのパルス幅が光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅未満にならないので、長さ2Tや3Tの短い記録マークを多用するブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスクに記録する場合であっても、発光パターンにおけるラストパルスのパルス幅が光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅未満になることを回避することができ、所望の長さの記録マークを正しく形成することが可能な光ディスク装置を実現することができる。
請求項3記載の発明は、所定のパルス幅が、発光限界パルス幅であることを特徴とするものである。これにより、所望の長さの記録マークを確実に正しく形成することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について,図面を参照しながら説明する。
ここで、光ディスク装置の光ピックアップ制御部の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置のライトストラテジ制御系のブロック図である。図1において、1は光ディスク、2はピックアップモジュール、3はスピンドルモータ、4は光ピックアップ、5はキャリッジ、6はフィード部、7はフィードモータ、8はアナログ信号処理部、9はサーボ処理部、10はモータ駆動部、11はデジタル信号処理部、11aは記録パターン生成部、12はレーザ駆動部、13はコントローラである。
ピックアップモジュール2は、光ディスク1を回転させるスピンドルモータ3と、光ディスク1の情報信号を再生もしくは記録の少なくとも一方を行う光ピックアップ4と、光ピックアップ4が搭載されたキャリッジ5を光ディスクの半径方向に移動させるためのフィード部6とによって構成されたものである。アナログ信号処理部8はピックアップモジュール2の内部に設けられたキャリッジ5中の光ピックアップ4内部の光センサ(図示せず)からの信号出力を基に、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とを生成し、サーボ処理部9に出力する。
サーボ処理部9は対物レンズとキャリッジ5との相対的な位置関係を示すレンズ位置信号を生成し、モータ駆動部10に出力する。また、サーボ処理部9はON/OFF回路、演算回路、フィルタ回路、増幅回路等によって構成され、光ビームスポットが光ディスク1の情報トラックに追従するようにフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を基にモータ駆動部10を介して対物レンズをフォーカス/トラッキング制御し、対物レンズが概略中立位置を保持するようにフィード制御を行う。フィード部6はフィードモータ7、ギヤ(図示せず)、スクリューシャフト(図示せず)等から構成され、フィードモータ7を回転させることによってキャリッジ5が移動し、その際フィードモータ7よりフィードモータパルスが周期的に出力されるようになっている。
記録パターン生成部11aは、光ディスク1の記録面上に所望の長さの記録マークが形成できるように、記録パターン生成部11aで発光パターンを生成する。
コントローラ13は本発明の制御部を構成し、アナログ信号処理部8、サーボ処理部9、モータ駆動部10、デジタル信号処理部11、レーザ駆動部12の各部から送られる信号が入力され、これらの信号の演算処理等を行い、この演算処理の結果(信号)を各部に送出し、各部にて駆動、処理を実行させ、各部の制御を行うものである。なお、詳細な説明や図示は省略するが、コントローラ13は、少なくとも、演算機能を備えたCPU、MPU等の演算処理装置や、ROM、RAM等の記憶装置を備える。
ここで、本発明における光ディスク装置の信号の流れについて説明する。
本発明の光ディスク装置の記録時における信号の流れは、コントローラ13の記録指令に基づき、デジタル信号処理部11、レーザ駆動部12を介して光ピックアップ4を動作させ、光ディスク1に情報の記録を行う。また、本発明の光ディスク装置の再生時における信号の流れは、光ディスク1に記録された情報を光ピックアップ4で読み取り、アナログ信号処理部8、デジタル信号処理部11を介して、コントローラ13が情報の入手を行う。そのため、記録と再生を繰り返し行うことでライトストラテジの最適化処理を行う本発明の光ディスク装置では、上述の信号の流れが繰り返し行われることでライトストラテジの最適化処理が行われる。
次に、本発明の記録マーク形成方法として、記録マークの長さが5Tでトップパルスのパルス幅を変化させる場合の動作について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置のライトストラテジの最適化処理を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置の発光パターンと記録マークの関係を示す図であり、発光パターンのトップパルスのパルス幅を変化させた様子とそれに基づき形成される記録マークの長さを示したものである。図3(a)、図3(b)は長さ5Tの記録マークを形成する場合の発光パターンを示したものであり、図3(c)は長さ5Tの記録マークを形成しようとして長さ4Tの記録マークが形成される場合の発光パターンを示したものであり、図3(d)は光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できるトップパルスの発光限界パルス幅を示したものである。図4は、本発明の実施の形態1におけるトップパルスエッジ移動時のエッジ移動順番とエッジ位置の関係を示す図である。図3において、横軸は時間、縦軸はレーザパワーであり、51はトップパルス、51aは立ち上がり部、51b,51c,51dはパルス幅、52は発光限界パルス幅、53は発光パルス群、54a,54b,54cは記録マークである。
光ディスク1が光ディスク装置に装着されると、スピンドルモータ3を回転させ、光ピックアップ4のレーザを発光させ、フォーカスサーボ、トラッキングサーボをかけ、ライトストラテジの最適化処理を開始する(S1)。
本発明のライトストラテジの最適化処理では、まず、コントローラ13が、記録パターン生成部11aで生成する1つの記録マークを形成するための発光パルス群53のうち、その発光パルス群53の先頭に位置するトップパルス51を選択する。そして、選択されたトップパルス51から更にトップパルス51の立ち上がり部51aを選択する(S2)。
その後、コントローラ13はトップパルス51の立ち上がり部51aを時間軸方向に変化させるエッジ移動量をコントローラ13に備えられたROMから読み込み設定する(S3)。ここで、読み込まれるエッジ移動量は、図4に示すものである。左側の列はエッジ移動順番を示しており、本実施の形態1においては1、2、3、4、5の順番にエッジ移動が行われるが、これに限定されるものではない。また、右側の列はエッジ位置を示したものであり、本実施の形態1においては基準位置aを中心にその前後にそれぞれ−2b、−b、+b、+2b移動するものとしたが、これに限定されるものではない。
次に、コントローラ13は読み込まれたエッジ移動量に基づきトップパルス51の立ち上がり部51aが移動して形成されるパルスのパルス幅を決定する(S4)。そして、コントローラ13は決定されたトップパルスのパルス幅が光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅未満であるかの確認を行う(S5)。このとき、トップパルス51のパルス幅が、図3(a)、図3(b)に示すパルス幅51bやパルス幅51cのように、図3(d)に示す光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅52未満でない場合には、そのままステップ7(S7)へ進む。また、トップパルス51のパルス幅が、図3(c)に示すパルス幅51dのように図3(d)に示す光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅52未満の場合には、ステップ6(S6)へ進み、トップパルスのパルス幅を所定のパルス幅に変更する(S6)。例えば、本実施の形態1においては、パルス幅が図3(c)に示すパルス幅51dのトップパルスである場合には、パルス幅が図3(d)に示す発光限界パルス幅52のトップパルスに変更する。このようにすることで、トップパルス51を光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅52以上にすることができ、所望の長さの記録マークを確実に正しく形成することができる。なお、変更されるトップパルスのパルス幅は発光限界パルス幅52に限定されるものではない。
次に、コントローラ13は、ステップ5(S5)、ステップ6(S6)で決定したトップパルスを含む発光パルス群53を光ピックアップ4の発光パターンとしてデジタル信号処理部11に設定し、試し書き記録を開始する(S7)。試し書き記録では、レーザ駆動部12がデジタル信号処理部11に設定された発光パターンを基に光ピックアップ4を駆動する。そして、光ピックアップ4は、光ディスク1上の試し書き領域にライトストラテジの最適化処理に必要な記録を行う。
所定のセクタまでの記録が終了すると、デジタル信号処理部11は記録を停止する。そして、デジタル信号処理部11は、試し書き記録が行われた光ディスク1上の複数のセクタに対して、光ピックアップ4、アナログ信号処理部8を介してRF信号の測定をして、記録品質の確認を行う(S8)。コントローラ13は、デジタル信号処理部11の測定結果に基づき、最適発光パターンの決定を行う(S9)。
これら一連のライトストラテジの最適化処理が終了すると、記録待機状態となる(S10)。
なお、図3においては記録マークの長さが5Tの場合の動作について説明したが、用いる光ディスクがDVDの場合には記録マーク長さが3T〜11T,14Tの全てのトップパルス51に対して上述の動作を行うことが好ましい。また、用いる光ディスクがブルーレイディスクの場合には、記録マーク長さが2T〜8T,9Tの全てのトップパルス51に対して上述の動作を行うことが好ましい。
以上の内容により、1つの記録マークを形成するための発光パルス群53のうち、発光パルス群53の先頭に位置するトップパルス51のパルス幅を決定するライトストラテジの最適化処理において、決定されたトップパルス51のパルス幅が、光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅52未満であるとき、トップパルス51のパルス幅が所定のパルス幅に変更されることによって、トップパルスのパルス幅が光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅未満になることを防止することができる。
そのため、長さ2Tや3Tの短い記録マークを多用するブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスク1に記録する場合であっても、発光パターンにおけるトップパルス51のパルス幅51bが光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅52未満になることを回避することができ、所望の長さの記録マークを正しく形成することが可能な光ディスク装置の記録方法および光ディスク装置を実現することができる。
なお、本実施の形態1においては、記録マークの長さが5Tの場合について説明したが、記録マークの長さは5Tの場合に限定されるものではなく、4Tや6Tの場合でも良い。光ピックアップ4がブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスクに対応するものであり、ブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスクに用いられる長さ2Tや3Tの短い記録マークを形成するための発光パターンに適用することで、特に顕著な効果を得ることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について,図面を参照しながら説明する。
実施の形態2では、本発明の記録マーク形成方法として、記録マークの長さが5Tでラストパルスのパルス幅を変化させる場合の動作について説明する。本実施の形態2における光ディスク装置全体の構成は図1に示す実施の形態1と同様である。
図5は、本発明の実施の形態2における光ディスク装置のライトストラテジの最適化処理を示すフローチャートである。図6は、本発明の実施の形態2における光ディスク装置の発光パターンと記録マークの関係を示す図であり、発光パターンのラストパルスのパルス幅を変化させた様子とそれに基づき形成される記録マークの長さを示したものである。図6(a)、図6(b)は長さ5Tの記録マークを形成する場合の発光パターンを示したものであり、図6(c)は長さ5Tの記録マークを形成しようとして長さ4Tの記録マークが形成される場合の発光パターンを示したものであり、図6(d)は光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できるラストパルスの発光限界パルス幅を示したものである。図7は、本発明の実施の形態2におけるラストパルスエッジ移動時のエッジ移動順番とエッジ位置の関係を示す図である。図6において、横軸は時間、縦軸はレーザパワーであり、61はラストパルス、61aは立ち下がり部、61b,61c,61dはパルス幅、62は発光限界パルス幅、63は発光パルス群、64a,64b,64cは記録マークである。
光ディスク1が光ディスク装置に装着されると、スピンドルモータ3を回転させ、光ピックアップ4のレーザを発光させ、フォーカスサーボ、トラッキングサーボをかけ、ライトストラテジの最適化処理を開始する(S11)。ライトストラテジに用いられる1つの記録マークを形成するための発光パルス群は、少なくともピークパワーで発光する第1の発光レベルと、ボトムパワーで発光する第2の発光レベルで構成されている。
本発明のライトストラテジの最適化処理では、まず、コントローラ13が、第1の発光レベルで発光する発光パルス群のうち、最後尾に位置するラストパルス61を選択する。そして、選択されたラストパルス61から更にラストパルス61の立ち下がり部61aを選択する(S12)。
その後、コントローラ13はラストパルス61の立ち下がり部61aを時間軸方向に変化させるエッジ移動量をコントローラ13に備えられたROMから読み込み設定する(S13)。ここで、読み込まれるエッジ移動量は、図7に示すものである。左側の列はエッジ移動順番を示しており、本実施の形態2においては1、2、3、4、5の順番にエッジ移動が行われるが、これに限定されるものではない。また、右側の列はエッジ位置を示したものであり、本実施の形態1においては基準位置cを中心にその前後にそれぞれ−2d、−d、+d、+2d移動するものとしたが、これに限定されるものではない。
次に、コントローラ13は読み込まれたエッジ移動量に基づきラストパルス61の立ち下がり部61aが移動して形成されるパルスのパルス幅を決定する(S14)。そして、コントローラ13は決定されたラストパルス61のパルス幅が光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅未満であるかの確認を行う(S15)。このとき、ラストパルス61のパルス幅が、図6(a)、図6(b)に示すパルス幅61bやパルス幅61cのように、図6(d)に示す光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅62未満でない場合には、そのままステップ17(S17)へ進む。また、ラストパルス61のパルス幅が、図6(c)に示すパルス幅61dのように図6(d)に示す光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅62未満の場合には、ステップ16(S16)へ進み、ラストパルス61のパルス幅を所定のパルス幅に変更する(S16)。例えば、本実施の形態2においては、パルス幅が図6(c)に示すパルス幅61dのラストパルス61である場合には、パルス幅が図6(d)に示す発光限界パルス幅62のラストパルス61に変更する。このようにすることで、ラストパルス61を光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅62以上にすることができ、所望の長さの記録マークを確実に正しく形成することができる。なお、変更されるラストパルス61のパルス幅は発光限界パルス幅62に限定されるものではない。
次に、コントローラ13は、ステップ15(S15)、ステップ16(S16)で決定したラストパルス61を含む発光パルス群63を光ピックアップ4の発光パターンとしてデジタル信号処理部11に設定し、試し書き記録を開始する(S17)。試し書き記録では、レーザ駆動部12がデジタル信号処理部11に設定された発光パターンを基に光ピックアップ4を駆動する。そして、光ピックアップ4は、光ディスク1上の試し書き領域にライトストラテジの最適化処理に必要な記録を行う。
所定のセクタまでの記録が終了すると、デジタル信号処理部11は記録を停止する。そして、デジタル信号処理部11は、試し書き記録が行われた光ディスク1上の複数のセクタに対して、光ピックアップ4、アナログ信号処理部8を介してRF信号の測定をして、記録品質の確認を行う(S18)。コントローラ13は、デジタル信号処理部11の測定結果に基づき、最適発光パターンの決定を行う(S19)。
これら一連のライトストラテジの最適化処理が終了すると、記録待機状態となる(S20)。
なお、図6においては記録マークの長さが5Tの場合の動作について説明したが、用いる光ディスクがDVDの場合には記録マーク長さが3T〜11T,14Tの全てのトップパルス51に対して上述の動作を行うことが好ましい。また、用いる光ディスクがブルーレイディスクの場合には、記録マーク長さが2T〜8T,9Tの全てのトップパルス51に対して上述の動作を行うことが好ましい。
以上の内容により、1つの記録マークを形成するための発光パルス群63が、少なくともピークパワーで発光する第1の発光レベルと、ボトムパワーで発光する第2の発光レベルで構成され、第1の発光レベルで発光する発光パルス群のうち、最後尾に位置するラストパルス61のパルス幅を決定するライトストラテジの最適化処理において、決定されたラストパルス61のパルス幅が、光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅未満であるとき、ラストパルス61のパルス幅が所定のパルス幅に変更されることによって、ラストパルス61のパルス幅が光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅62未満になることを防止することができる。
そのため、長さ2Tや3Tの短い記録マークを多用するブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスク1に記録する場合であっても、発光パターンにおけるラストパルス61のパルス幅が光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅62未満になることを回避することができ、所望の長さの記録マークを正しく形成することが可能な光ディスク装置の記録方法および光ディスク装置を実現することができる。
なお、本実施の形態2においては、記録マークの長さが5Tの場合について説明したが、記録マークの長さは5Tの場合に限定されるものではなく、4Tや6Tの場合でも良い。光ピックアップ4がブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスク1に対応するものであり、ブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスクに用いられる長さ2Tや3Tの短い記録マークを形成するための発光パターンに適用することで、特に顕著な効果を得ることができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について,図面を参照しながら説明する。
実施の形態3では、本発明の記録マーク形成方法として、記録マークの長さが5Tでクーリングパルスの幅を変化させる場合の動作について説明する。本実施の形態3における光ディスク装置全体の構成は図1に示す実施の形態1と同様である。
図8は、本発明の実施の形態3における光ディスク装置のライトストラテジの最適化処理を示すフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態3における光ディスク装置の発光パターンと記録マークの関係を示す図であり、発光パターンのクーリングパルスのパルス幅を変化させた様子とそれに基づき形成される記録マークの長さを示したものである。図9(a)、図9(b)は長さ5Tの記録マークを形成する場合の発光パターンを示したものであり、図9(c)は長さ5Tの記録マークを形成しようとして長さ4Tの記録マークが形成される場合の発光パターンを示したものであり、図9(d)は光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できるクーリングパルスの発光限界パルス幅を示したものである。図10は、本発明の実施の形態3におけるクーリングパルスエッジ移動時のエッジ移動順番とエッジ位置の関係を示す図である。図9において、横軸は時間、縦軸はレーザパワーであり、71はクーリングパルス、71aは立ち上がり部、71b,71c,71dはパルス幅、72は発光限界パルス幅、73は発光パルス群、74a,74b,74cは記録マークである。
光ディスク1が光ディスク装置に装着されると、スピンドルモータ3を回転させ、光ピックアップ4のレーザを発光させ、フォーカスサーボ、トラッキングサーボをかけ、ライトストラテジの最適化処理を開始する(S21)。ライトストラテジに用いられる1つの記録マークを形成するための発光パルス群は、少なくともピークパワーで発光する第1の発光レベルと、ボトムパワーで発光する第2の発光レベルで構成されている。
本発明のライトストラテジの最適化処理では、まず、コントローラ13が、第2の発光レベルで発光する発光パルス群のうち、最後尾に位置するクーリングパルス71を選択する。そして、選択されたクーリングパルス71から更にクーリングパルス71の立ち上がり部71aを選択する(S22)。
その後、コントローラ13はクーリングパルス71の立ち上がり部71aを時間軸方向に変化させるエッジ移動量をコントローラ13に備えられたROMから読み込み設定する(S23)。ここで、読み込まれるエッジ移動量は、図10に示すものである。左側の列はエッジ移動順番を示しており、本実施の形態3においては1、2、3、4、5の順番にエッジ移動が行われるが、これに限定されるものではない。また、右側の列はエッジ位置を示したものであり、本実施の形態1においては基準位置eを中心にその前後にそれぞれ−2f、−f、+f、+2f移動するものとしたが、これに限定されるものではない。
次に、コントローラ13は読み込まれたエッジ移動量に基づきクーリングパルス71の立ち上がり部61aが移動して形成されるパルスのパルス幅を決定する(S24)。そして、コントローラ13は決定されたクーリングパルスのパルス幅が光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅未満であるかの確認を行う(S25)。このとき、クーリングパルス71のパルス幅が、図9(a)、図9(b)に示すパルス幅71bやパルス幅71cのように、図9(d)に示す光ピックアップで記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅62未満でない場合には、そのままステップ27(S27)へ進む。また、クーリングパルス71のパルス幅が、図9(c)に示すパルス幅71dのように図9(d)に示す光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅72未満の場合には、ステップ26(S26)へ進み、クーリングパルスのパルス幅を所定のパルス幅に変更する(S26)。例えば、本実施の形態3においては、パルス幅が図9(c)に示すパルス幅71dのクーリングパルスである場合には、パルス幅が図9(d)に示すパルス幅72のクーリングパルスに変更する。このようにすることで、クーリングパルス71を光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を確保できる発光限界パルス幅72以上にすることができ、所望の長さの記録マークを確実に正しく形成することができる。なお、変更されるクーリングパルスのパルス幅はパルス幅72に限定されるものではない。
次に、コントローラ13は、ステップ25(S25)、ステップ26(S26)で決定したクーリングパルスを含む発光パルス群73を光ピックアップ4の発光パターンとしてデジタル信号処理部11に設定し、試し書き記録を開始する(S27)。試し書き記録では、レーザ駆動部12がデジタル信号処理部11に設定された発光パターンを基に光ピックアップ4を駆動する。そして、光ピックアップ4は、光ディスク1上の試し書き領域にライトストラテジの最適化処理に必要な記録を行う(S27)。
所定のセクタまでの記録が終了すると、デジタル信号処理部11は記録を停止する。そして、デジタル信号処理部11は、試し書き記録が行われた光ディスク1上の複数のセクタに対して、光ピックアップ4、アナログ信号処理部8を介してRF信号の測定をして、記録品質の確認を行う(S28)。コントローラ13は、デジタル信号処理部11の測定結果に基づき、最適発光パターンの決定を行う(S29)。
これら一連のライトストラテジの最適化処理が終了すると、記録待機状態となる(S30)。
なお、図9においては記録マークの長さが5Tの場合の動作について説明したが、用いる光ディスクがDVDの場合には記録マーク長さが3T〜11T,14Tの全てのトップパルス51に対して上述の動作を行うことが好ましい。また、用いる光ディスクがブルーレイディスクの場合には、記録マーク長さが2T〜8T,9Tの全てのトップパルス51に対して上述の動作を行うことが好ましい。
以上の内容により、1つの記録マークを形成するための発光パルス群73が、少なくともピークパワーで発光する第1の発光レベルと、ボトムパワーで発光する第2の発光レベルで構成され、第2の発光レベルで発光する発光パルス群のうち、最後尾に位置するクーリングパルス71のパルス幅を決定するライトストラテジの最適化処理において、決定されたクーリングパルス71のパルス幅が、光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅72未満であるとき、クーリングパルス71のパルス幅が所定のパルス幅に変更されることによって、クーリングパルス71のパルス幅が光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅72未満になることを防止することができる。
そのため、長さ2Tや3Tの短い記録マークを多用するブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスクに記録する場合であっても、発光パターンにおけるクーリングパルス71のパルス幅が光ピックアップ4で記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅72未満になることを回避することができ、所望の長さの記録マークを正しく形成することが可能な光ディスク装置の記録方法および光ディスク装置を実現することができる。
なお、本実施の形態3においては、記録マークの長さが5Tの場合について説明したが、記録マークの長さは5Tの場合に限定されるものではなく、4Tや6Tの場合でも良い。光ピックアップ4がブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスク1に対応するものであり、ブルーレイ用ディスクなどの高密度記録対応光ディスクに用いられる長さ2Tや3Tの短い記録マークを形成するための発光パターンに適用することで、特に顕著な効果を得ることができる。
以上のように、1つの記録マークを形成するパルス群のうち、トップパルスまたはラストパルスまたはクーリングパルス、それぞれのパルス幅に着目し、実施の形態1ではトップパルス、実施の形態2ではラストパルス、実施の形態3ではクーリングパルスの場合について個別に説明してきたが、実施の形態1〜実施の形態3を組み合わせて使用することで、更に所望の長さの記録マークを正しく形成することが可能な光ディスク装置の記録方法および光ディスク装置を実現することができる。
この場合、図2、図5、図8のフローチャートに示す処理が1つのステップの中で同時に行うことが最も好ましい。例えば、図2に示すステップ5(S5)と図5に示すステップ15(S15)と図8に示すステップ25(S25)を1まとまりのステップとして、また図2に示すステップ6(S6)と図5に示すステップ16(S16)と図8に示すステップ26(S26)を1まとまりのステップとして、図2、図5、図8に示す処理を同時に行うことが好ましい。
なお、本発明の実施の形態1〜3における記録マークを形成するために必要な発光量を最低限確保できる発光限界パルス幅とは、光ディスク1に到達するレーザパワーが目標とするパワーに到達するのに必要な最低限のパルス幅のことである。ここでは、目標とするパワーは、レーザパワーのピークパワーまたはボトムパワーとなる。