JP4470658B2 - 超低溶融性及び超低収縮性の特に歯科用に適する金合金 - Google Patents

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本発明は、歯科鋳造用金合金から、一般装飾用金合金として使用するための、金合金に関するものである。
従来の歯科用金合金は、金を30〜80質量%を含むものであるが、その成分としては、比較的多量の銅を含み、かつ、脱酸剤として少量の亜鉛、鋳造性向上のために少量のインジウムを含むことを特徴としている。また後述する表1に示すように、従来の歯科鋳造用金合金としては、溶融店が高く収縮が大きく、また、埋没材の使用温度が高いので鋳型の変形(弧状変形)や埋没材の焼付きによる表面精度の低下は避けられず、歯科修復物の歯や顎への適合性が不十分である。
特開2003−293053
上記したような理由で、歯科用金合金として必要な諸物性をすべて有しながら、しかも超低溶融点化を図ることが、本発明が解決しようとしている課題である。
ここにおいて請求項1に記載の金合金は、金30〜80質量%、インジウムと亜鉛をそれぞれ5〜10質量%、銅1〜6質量%、スズ0.1〜3質量%、白金属元素0.01〜5質量%、コバルト0.01〜3質量%、残り銀よりなるものにおいて、インジウム及び亜鉛を同時にかつ多量に加えることで、歯科用金合金として具備すべき物性をすべて有し、低溶融化を図り、鋳込温度や鋳型温度の低減化を可能にした結果、鋳造体の鋳造収縮や変形を著しく少なくしたものである。
従来多用されている金30〜80質量%を含む金合金を、単に低溶融点にしただけでは、機械的性質、耐変色性、耐食性、操作性等が低下し、実用的には使用が不可能になるという関係を有していた。
本発明の金合金は、世界で唯一のものである。それらの用途に用いる時は、歯科用及び装飾品等に要求される諸性質を満足するのみならず、低溶融点、低収縮でミクロン単位の安定した超適合性が得られ、鋳造操作と器材のシンプル化は鋳造工程が極めて簡略化、短縮化され、大きな経済的効果を生むことが期待される。
すなわち、歯科治療においては、鋳造修復物の不適合が原因となって発生した二次う触の発生との再治療を必要とするケースが多い。その防止には口腔内の治療後の鋳造修復物の状態が、歯や顎に対してミクロン単位で適合していることが必要である。本発明の特色は合金の溶融点を著しく低下させ、従来品と比べて鋳造収縮や鋳型の変形が極めて少なく、また鋳肌の表面精度を向上させるなど、適合性を阻害する因子を除くことに成功したものである。
従来型の高溶融点金属は高温鋳造による地金の酸化や劣化や埋没材の焼付き、鋳型の硬化膨張や過熱膨張時に大きな変形を生じるが、本発明ではそのようなことがなくなり、鋳造工程が極めて簡略化、短縮化され、関連器材や技工作業も極めて簡易となり、大きな経済的効果が生ずるものである。う触を防止したり、歯周病の再発を防止する事ができる画期的な材料である。これらの効果から、本発明の金合金は、歯科のみならず一般装飾品用としても有用であると判断した。
本発明による金合金は上述したように、金、インジウム、亜鉛、白金族元素、スズ、コバルトの量を前述の範囲に限定することによって、歯科用合金としての必要な機械的性質を損なわずに、歯科用技工物における操作性、経済性を向上させ、適合性をミクロン単位でより向上させたものである。
本発明の第1の特徴は、従来型歯科金合金に比べて溶融点を大幅に低減したことである。
本発明の第2の特徴は、金合金の鋳造収縮を大幅に低減したことである。
かつ、鋳造用鋳型(埋没材)の変形(弧状変形)が極めて少ない温度範囲での鋳造を可能とし、また、埋没材との焼付きがなく大幅に表面精度も向上したことである。
上記に列挙した多くの特徴は、本発明の他の実施例すなわち一般装飾品としても共通の利点であることは言うまでもない。従来の歯科鋳造用金合金で、亜鉛は脱酸剤として、インジウムは鋳造性向上のために少量添加されるに過ぎない。また銅を多量に含む金合金は知られているが、本発明は少量の銅と、多量のインジウム、亜鉛を添加し、低溶融点で低構造収縮にしたことが、従来品とは大幅な相違点であることは明らかである。
以下具体例について説明する。
Figure 0004470658
上記表1は従来使用され、かつ現存する合金の成分例と、それらの溶融点と鋳造収縮率を示したものである。この表からも明らかなように、これまでの合金はいずれも、インジウム、亜鉛、その他の合計量が本発明と大幅に相違していること、すなわちこの量では溶融点がかなり高い。また、相当多量の銅を含んでいるが大幅に融点が下がっておらず、単に銅によって実用に適する機械的性質が得られているものの、鋳造収縮率が高く鋳肌あれも生じやすいものとなっている。
Figure 0004470658
上記の表2は本発明の合金の実施例であって、原料はそれぞれ十度純度99.99質量%以上の金と、インジウム、白金族元素及びJIS−H2107・H2141にそれぞれ定められている純度の銅、亜鉛、スズ、銀、コバルトとを使用した。
このようにして得られた金、白金族元素、インジウム、銅、亜鉛、スズ、銀、コバルトからなる合金は、均一な固溶を形成し、各元素の僅かな変動では平衡状態を失わない、安定性を有する。これらの実施例合金の成分と特性は表2に見られるとおりである。これによって明らかなように、インジウムと亜鉛の合計量を大幅に増やしたにもかかわらず。本発明の合金の理工学的諸性質は、鋳造のままでも歯冠修復用及び有床材料としての所要性質を充分に満足したものである。
本発明の金合金の各種成分の範囲限定は次ぎの通りである。金と白金族元素との関係は、本発明の目的である従来型金合金の改良という観点から、現在市場に広く流通して用いられている金合金と同様の範囲、すなわち前述した金30〜80質量%をもととし、白金族元素0.01〜5質量%とした。
なおまた、これらの金と白金族元素の範囲は、金合金において、用途にt歴史タ諸特性が得られる必要な範囲のものである、例えば、歯科用合金にあっては、これらの範囲の元素の添加により、JIS規格に合格するように理工学的、審美的特性及び最低限の耐変色性、耐色性の保証が困難になる。
添加範囲の上限以上では、硬く脆くなりすぎたり、逆に軟らかくなったり、また溶融点が上昇して低溶融点の特色が失われる。しかも経済性も失われてくる。
2元素合計で多量に添加した、インジウムと亜鉛は、金合金の融解温度を下げる効果が大である。
しかし過度の添加は合金を脆くし、好ましい靱性が失われてくるとともに、審美性も損なわれてくる。添加量が不足の場合は、耐変色性、耐食性の向上が余り認められなくなり、溶融温度の低下も生じなくなってくる。このような理由から超低融点の有効な添加範囲としてインジウムと亜鉛の合計で10〜20質量%とした。
亜鉛はこの種の合金の脱酸剤として有効なことがこれまでよく知られており、これに加えて、合金の硬さや耐食性の向上にも役立つことが知られているが、本合金はインジウム5〜10質量%にさらに亜鉛を多量に加えることにより本合金の溶融点は800℃前後に下がり、従来型の溶融点が950℃前後である歯科用金合金に比べて大幅に収縮が減少し、修復物の適合性を著しく高めることができる。その有効な範囲は、亜鉛は5〜10質量%とした。下限以下では低融化としての効果が余り認められず、また上限以上を添加すると、合金の靱性を失う傾向が著しくなり、いずれも実用には不適当である。
コバルトは合金の強さを向上させる効果が大きく、鋳造組織も微細化し、安定した物性が得られる。コバルトの有価な添加範囲としては0.01〜3質量%とした。下限以下では強度の向上は認められず、組織の微細化も認められない。上限以上で融点の上昇と靱性の低下が大きく不適当である。
銅は金との間で規則格子を作り合金を強化するが、多量の添加は鋳造体表面に厚い酸化膜層を生成しない範囲として銅を1〜6質量%とした。
スズは脱酸剤と合金の強化として有効であるが0.1質量%以下の添加ではその効果はなく、3質量%以上の添加では靱性の低下が認められるため、スズは0.1〜3質量%とした。
上記元素の添加による合金の特性変傾向をこれら各元素の相互作用を含めて勘案検討し、そのデータをもとに歯科鋳造用合金として要求される諸特性、なかんずく適合性、操作性と理工学的性質、靱性ならびに経済性等の釣合いから、各成分の限界値を定めたものであって、実用上許容される範囲のものである。
上述の諸事項にわたる説明は、主として歯科鋳造用合金についてのべたものであるが、この状況は一般装飾品用金合金等についても同様である。

Claims (1)

  1. 金30〜80質量%、インジウムと亜鉛をそれぞれ5〜10質量%、銅1〜6質量%、スズ0.1〜3質量%、白金族元素0.01〜5質量%、コバルト0.01〜3質量%、残り銀よりなるものにおいて、インジウムと亜鉛の合計を10〜20質量%に増やして低融点にし、鋳造収縮や鋳型の変形を少なくし、また鋳肌の表面精度を向上したことにより鋳造物の適合精度を向上させた、超低溶融性及び超低収縮性の特に歯科用に適する金合金。
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