JP4470525B2 - 容器識別装置及び容器識別機能を有する液体吐出装置 - Google Patents
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Description
このようなインクタンク識別装置における識別方法には、大きく分けて、機械的な識別方法と、電気的な識別方法との2種類がある。そして、機械的な識別方法については、例えばインクタンクに設けられた識別用の溝と、プリンタ側のヘッドカートリッジに設けられた突起とが合うか合わないかにより、インクタンクの誤装着の防止を図るという単純な機構が知られている。
図10に示す技術は、インクタンク11の前面に回路基板61を装着するものであり、インクタンク11内のインクの種類ごとに、異なる位置となるように回路基板61を取り付ける。そして、回路基板61とインクタンクホルダ(図示せず)との電気的な接続関係を検出することにより、インクタンク11の誤装着を防止している(例えば、特許文献2参照)。
図11に示す技術は、インクタンク11内に、電極パッド1、電極パッド2、電極パッド3の3つの電極パッドを設けるもので、図11に示す例では、電極パッド1と電極パッド2は通電可能な状態となっているが、電極パッド3は絶縁状態(×印)となっている。そして、この状態を通常のインクが収容されているインクタンク11とすれば、これらの電極パッドに通電することで、このインクタンク11であるか、他の種類のインクを収容したインクタンクであるかを識別することができる(例えば、特許文献3参照)。
そこで、別の色のインクを収容しているインクタンクは、例えば電極パッド3を通電可能な状態としておく。すると、このインクタンクは、通常のインクタンク11に対して異なることが識別できる。
その理由としては、第1に、インクタンクの外見からインク残量を目視により判別することは困難だからである。また、第2に、インクが完全に無くなるまでインクの吐出動作を行うと、インク吐出部を劣化させてしまうおそれがあるからである。さらにまた、第3に、大判の印画紙に印画を行う場合、精度良くインク残量を検出することができないと、印画中にインクが無くなり、それまでの印画が無駄になってしまう場合があり得るからである。
また、その液体容器の内部に収容されている液体の有無を識別できるようにすることも要求される。
一方、電気的な識別方法である上記の特許文献1の技術では、ICチップを使うことによってコストアップとなり、経済性の面で問題がある。また、上記の特許文献2及び特許文献3には、インクタンク11の種類の識別手段については開示されているものの、インクの有無の識別手段については何ら開示されていない。そのため、インクの有無まで識別しようとすると、別回路のインク識別手段が必要となり、経済性の面で問題が生ずる。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、導電性を有する液体を内部に収容するとともに、少なくとも初期状態において、液体検知電極と基準電極とが液体に接して通電可能状態となっている液体容器の容器識別装置であって、前記液体容器を着脱自在に収容する容器収容部を備え、前記容器収容部は、前記液体検知電極と対応する検出電極と、前記基準電極と対応する共通電極と、識別電極とを有しており、前記容器収容部に、前記識別電極と対応し、かつ液体と接することなく前記液体検知電極と導通する容器検知電極を有する一の液体容器と、前記容器検知電極を有しない他の液体容器とを収容し、電圧を印加した際に、前記検出電極に電流が流れたか否かに基づいて、前記液体検知電極の位置における液体の有無を識別し、前記識別電極に電流が流れたか否かに基づいて、前記液体容器の異同を識別することを特徴とする。
一方、液体検知電極が液体容器内の液体に接していない場合には、そこで通電が妨げられることとなる。
一方、使用に伴って液体が消費されると、液体検知電極が液体に接しない状態となり、電圧を印加しても通電しなくなるので、液体検知電極の位置に液体が存在しないことが識別でき、使用済みの液体容器であることが判別できる。
一方、液体容器に容器検知電極がない場合には、そこで通電が妨げられることとなる。
しかも、液体容器内の液体の有無、及び液体容器の種類の2つの識別について、構成要素を共通化することができるので、構成が簡易で、低廉化を図ることが可能となる。
本発明における容器識別装置は、下記実施形態では、インクを収容したインクタンクの識別装置に相当し、本発明における液体吐出装置は、下記実施形態では、インクタンク識別装置を備えたインクジェットプリンタに相当する。すなわち、導電性を有する液体は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)等のインクであり、これらのインクを内部に収容したインクタンクをインクジェットプリンタのインクタンクホルダ(本発明の容器収容部に相当)に装着し、インクタンク内のインクを外部に吐出して印画するものである。
図1に示すように、インクタンク11の上部には、大気連通口12が設けられ、その下部には、ゴムパッキンを備えるインク取出し口13が設けられている。また、インクタンクホルダ31には、インク取出し口13に対応する位置に、インク供給針32が設けられている。
さらに、インクタンク11の側面の最上位置には、インクと接することなく液体検知電極21cと導通する容器検知電極23が配置されている。
図2に示すように、インクタンク11aを積載し、検出電極41a〜41cと識別電極43とが配置された端子ホルダを図2の右方向に向けてスライドさせることにより、液体検知電極21a〜21cと検出電極41a〜41cとが接触し、かつ容器検知電極23と識別電極43とが接触して、インクタンク11aの装着が完了することとなる。
図3に示すインクタンク11bには、識別電極43と対応する位置にダミー電極24が配置されているが、このダミー電極24は、液体検知電極21cと導通していない。そのため、図3に示すインクタンク11bは、図2に示すインクタンク11aのような容器検知電極23を有していないこととなる。
しかし、図3に示すインクタンク11bには容器検知電極がない(ダミー電極24には電気的な導通がない)ので、識別電極43と共通電極42との間に電圧を印加したとしても、識別電極43が通電状態になることはない。
したがって、インクタンク11a又はインクタンク11bの装着時に、識別電極43のON・OFFを検知して区別すれば、インクタンク11a(淡い黒のインクタンク)とインクタンク11b(カラーインクタンク)との識別が可能となる。
したがって、検出電極41aのON・OFFを検知して区別すれば、インクが半分より多く残っている(100%≧液位>50%)か否かの識別が可能となる。
さらに同様に、10%≧液位>0%の場合は、検出電極41cがONであるが、インクがなくなったり、空のインクタンクを装着したりすると、検出電極41cがOFFに変わるので、検出電極41cのON・OFFを検知して区別すれば、インクが多少なりとも残っている(10%≧液位>0%)か否かの識別が可能となる。
したがって、インクが多少なりとも残っていれば、インクタンクの種類の識別が可能である。
しかし、この場合には、インクタンクを交換することとなり、新しいインクタンクを装着すれば、再びインクタンクの種類の識別が行われるので、何ら問題は生じない。
しかし、図5から図8に示すインクタンクホルダ31bには、2つの識別電極43a及び43bが配置されており、4種類のインクタンク11c〜11fをそれぞれ識別できるようになっている。
また、図6に示すインクタンク11dの場合は、液位が同じ範囲内で、識別電極43aがON、識別電極43bがOFFとなり(図9(b)参照)、図7に示すインクタンク11eの場合は、識別電極43aがOFF、識別電極43bがONとなり(図9(c)参照)、図8に示すインクタンク11fの場合は、識別電極43aがON、識別電極43bもONとなる(図9(d)参照)。
(1)容器検知電極23,23a,23bは、インクと接しないものなので、配置位置に制限はなく、ダミー電極24,24a,24bは、導通がないものなので、省略することもできる。
また、生体試料を検出するためのDNA含有溶液を吐出する液体吐出装置等に適用することも可能である。
11(11a〜11f) インクタンク(液体容器)
21(21a〜21c) 液体検知電極
22 基準電極
23(23a,23b) 容器検知電極
24(24a,24b) ダミー電極
31(31a,31b) インクタンクホルダ(容器収容部)
41(41a〜41c) 検出電極
42 共通電極
43(43a,43b) 識別電極
51 識別回路(電圧印加手段を含む)
Claims (6)
- 導電性を有する液体を内部に収容するとともに、少なくとも初期状態において、液体検知電極と基準電極とが液体に接して通電可能状態となっている液体容器の容器識別装置であって、
前記液体容器を着脱自在に収容する容器収容部を備え、
前記容器収容部は、前記液体検知電極と対応する検出電極と、前記基準電極と対応する共通電極と、識別電極とを有しており、
前記容器収容部に、前記識別電極と対応し、かつ液体と接することなく前記液体検知電極と導通する容器検知電極を有する一の液体容器と、前記容器検知電極を有しない他の液体容器とを収容し、電圧を印加した際に、前記検出電極に電流が流れたか否かに基づいて、前記液体検知電極の位置における液体の有無を識別し、前記識別電極に電流が流れたか否かに基づいて、前記液体容器の異同を識別する
ことを特徴とする容器識別装置。 - 請求項1に記載の容器識別装置において、
前記液体検知電極及び前記検出電極は、前記液体容器内の液体の減少に伴う液面の低下方向における複数位置に配置され、
前記容器検知電極は、最も低い位置に配置された前記液体検知電極と導通する
ことを特徴とする容器識別装置。 - 請求項1に記載の容器識別装置において、
前記容器検知電極及び前記識別電極は、複数位置に配置され、
各前記容器検知電極は、前記液体検知電極と1対1、又は多対1で導通する
ことを特徴とする容器識別装置。 - 導電性を有する液体を内部に収容するとともに、少なくとも初期状態において、液体検知電極と基準電極とが液体に接して通電可能状態となっている液体容器と、
前記液体容器を着脱自在に収容し、前記液体検知電極と対応する検出電極と、前記基準電極と対応する共通電極とを有する容器収容部と、
前記検出電極と前記共通電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と
を備え、
前記検出電極に電流が流れたか否かに基づいて、前記液体検知電極の位置における液体の有無を識別可能としつつ、前記液体容器内の液体を外部に吐出する液体吐出装置であって、
前記容器収容部は、前記電圧印加手段によって前記共通電極との間に電圧が印加される識別電極を有しており、
前記容器収容部に、前記識別電極と対応し、かつ液体と接することなく前記液体検知電極と導通する容器検知電極を有する一の液体容器と、前記容器検知電極を有しない他の液体容器とを収容し、電圧を印加した際に、前記識別電極に電流が流れたか否かに基づいて、前記液体容器の異同を識別する
ことを特徴とする容器識別機能を有する液体吐出装置。 - 請求項4に記載の液体吐出装置において、
前記液体検知電極及び前記検出電極は、前記液体容器内の液体の減少に伴う液面の低下方向における複数位置に配置され、
前記容器検知電極は、最も低い位置に配置された前記液体検知電極と導通する
ことを特徴とする容器識別機能を有する液体吐出装置。 - 請求項4に記載の液体吐出装置において、
前記容器検知電極及び前記識別電極は、複数位置に配置され、
各前記容器検知電極は、前記液体検知電極と1対1、又は多対1で導通する
ことを特徴とする容器識別機能を有する液体吐出装置。
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