JP4469968B2 - 管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法および装置 - Google Patents

管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、淡水あるいは海水を取り込む水管中にレーザを照射して水生生物の付着を防止する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電所や原子力発電所その他の工場で、用水を海や湖沼あるいは河川などから取り込むための水管は、ムラサキイガイやフジツボなどの水生生物が管壁に付着して成長し繁殖して管路を狭窄させたり閉塞させるため、水量が不足し操業に問題が生じることがある。
水管に付着して水路に障害を与える水生生物には種々のものがあるが、ムラサキイガイやフジツボなど殻をもって固着する生物は除去に手間が掛かるので、特に問題となる。
【0003】
付着した水生生物は次亜塩素酸などの薬品で処理することで殺傷して除去することができる。しかし、たとえば熱交換器内の死骸を処理して除去することにも大きな手間と時間が掛かり、保全上の問題となる。
さらに、これら薬品を毒性が残ったまま放出すると環境に悪影響を与えるし、水生生物を殺傷することは生態に影響を与えるので好ましくない。
こうした水生生物は、幼生段階で管路に侵入して固い殻を持った成体となって管壁に定着する。そこで、毒性が残らない方法として、強力なレーザ光を水管内に照射して幼生段階の水生生物を殺傷して付着成長を防止する方法も提案されている。
【0004】
たとえば、特開平6−81327には、高速で回転する回転ミラーと凹弧面強を用いて流れに対して垂直の方向からレーザビームを走査させることにより流水に漏れなく10−4Ws/mm以上(10−2J/cm以上)の光エネルギーを与えて用水に含まれる水生生物を幼生段階で殺傷して管路に付着させない技術が開示されている。
しかし、強力なレーザ光で殺傷する方法では、生物死骸や有機廃棄物量を減少させることはできるがこれらを無くすことはできないため、天然の生態系に対する干渉を避けることはできない。また、高出力のレーザ発生装置と複雑な回転駆動装置を使用するため高価な設備と高度な保全作業が必要である。
【0005】
ところで、幼生段階の水生生物にある程度強い光を照射すると、死なないまでも一時的に付着行動を停止することが分かっている。
そこで、水生生物のこの特性を利用して、レーザ光を管路に照射することにより水生生物を殺さずに付着防止する方法が提案されている。
たとえば、特開平8−164382には、たとえば、ムラサキイガイがレーザ照射後10〜30秒の間付着行動を停止することに注目して、水生生物に付着行動を停止させる程度の刺激は与えるが殺傷するには至らない程度の能力を持ったレーザビームを、水管の側部に等間隔で複数設けられた窓からそれぞれ入射させて、水生生物が付着行動を再開しない内に再びレーザ照射をするようにして、管壁への付着を防止する方法が開示されている。
【0006】
この方法では、水の流速が2m/sの場合で20〜60m間隔でレーザ発生装置を設置することにより、ムラサキイガイには損傷を与えないで付着を防止するので、比較的安価な装置を用いて環境に優しい生物付着防止ができるとしている。
しかし、開示方法は、長い水管には多数のレーザ照射装置を必要とし、設備費を低く抑えることは難しい。また、窓の外側からレーザビームを入射させているため、水管中をあまねく照射することが難しい。また、窓は適正な掃除をしなければ時間の経過に従って汚れていくため、光の透過量が減少する。窓の内側の掃除を行うためには、冷却水などの用水の流れを止めなければならない、発電所などでは保全作業による損失が無視できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、環境に対する影響を抑えた、より簡便で確実な水管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法と装置を提供することであり、また窓の汚れによる影響を抑えた水生生物付着防止用レーザ照射装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法は、発明者等の新しい知見を利用して開発したもので、水中を透過しやすいパルスレーザを厚みを有する板状ビームに整形し、管軸にほぼ垂直に管断面の全体に及ぶように照射して、水生生物を殺さないで付着運動を抑制することを特徴とする。
【0009】
水生生物の幼生にフェムト秒もしくはピコ秒の短いピークを有する強いパルスレーザを照射すると幼生の活動に10分程度の休眠期間が現れ、休眠期間中は管壁に付着する行動が見られない。幼生の休眠はレーザパルスのパルス当たりのエネルギー密度が0.01J/cm2以上でないと生じないが、一方、パルス当たりのエネルギー密度が1000J/cm2以上では水生生物が殺傷されてしまい、死骸もしくは有機廃棄物として環境中に流出することになる。
そこで、本発明では、高いピーク出力を持つ短いパルスからなるパルスレーザを用い、これを厚みを有する板状のレーザビームに変成して、流れに対して垂直に照射させることにより管断面の全体にレーザエネルギーが到達するようにしたものである。なお、照射するレーザ光は、500〜600nmなど水をよく透過する波長帯のものが好ましい。たとえば、波長500nm付近の銅蒸気レーザや532nmのYAG2倍波のレーザなどを利用することができる。
【0010】
本発明の管内の水生生物付着防止方法は、光を利用するので、有害物質が環境に流出することがなく、生物の殺傷を行わないので環境への影響が小さく、ピーク出力は大きくても総出力が小さいパルスレーザを使用するので経済的である。
また、本発明によれば、パルスレーザをビームとして走査するのではなく、厚みを持った板状のビームに整形して管断面内を一挙に照射する。そこで、パルス周期を調整して流水が板状レーザビームの厚みを通過する間に少なくとも1回レーザビームの照射を受けるようにすれば、流水中の水生生物幼生は殆ど全てレーザ照射による休眠化をして、流下する間に管壁に付着することなく、外界に流出してから覚醒して通常の行動を取るようになるので、環境に大きな影響を与えない。
【0011】
本発明における板状ビームは、管内に設けられた出射部から管断面の全体に照射するようにすることが好ましい。管側に設けられる窓を介してレーザ照射する代わりに、管路中に直接に板状レーザビーム出射装置を設置することにより、窓の汚れを管理する必要がなくなり、保全作業を軽減し作業中の営業休止による損失を防ぐことができる。
また、パルスレーザのパルスは、板状ビームの厚みをレーザ照射位置における水の流速で割った値より短い時間間隔より短い周期で発生させることが好ましい。このようなパルス周期を選択することにより、流水が余すところなくレーザ処理を受けることになり、用水中の水生生物幼生を確実に休眠させることができる。
さらに、パルスレーザのパルス当たりのエネルギー密度は、管断面内で0.01J/cm2ないし1000J/cm2の範囲にあることが好ましい。この範囲の出力を与えることにより水生生物を殺傷することなく、管内への付着を防止することができる。
【0012】
また、本発明第1の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、水管中に円錐ミラーとレーザ拡幅光学系を備え、パルスレーザ発生器から導いたピーク出力の大きい短パルスレーザをそのレーザ拡幅光学系で広げて円錐ミラーに射入させて厚さを有する板状レーザビームに整形して水管内の管断面全体にレーザが照射するようにしたことを特徴とする。
なお、円錐ミラーを保護する筐体に超音波振動発生器を取り付けて、筐体を振動させることにより特に上流側における水生生物の付着を防止することが好ましい。
【0013】
本発明の水生生物付着防止用レーザ照射装置を用いれば、外界から取り込んだ用水に含まれる水生生物の幼生を用水路の出口から放出されるまでの暫くの間休眠させることができるので、水管中に付着して成長することを防止することができる。しかも水生生物を殺傷しないで環境内に放出するので、自然環境を破壊しない。
また、レーザ発生装置を水管の外に配置し、水管内にコンパクトに一体化した光学装置を配置すればよいので、装置構成が簡単で設置が容易である。
【0014】
さらに、本発明第2の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、水管壁に水管断面全体を見通せる窓を設け、窓の外にシリンドリカルレンズとパルスレーザを発生するレーザ発生装置を備えて、このシリンドリカルレンズがレーザ発生装置から導かれたピーク出力の大きい短パルスレーザを水管の軸に対して垂直な方向に広げて板状レーザビームに整形し窓を介して水管内に入射させて、板状レーザビームが水管断面全体に照射するようにしたことを特徴とする。
本装置は、水管に窓を設けて、外部に光学系とレーザ発生装置を設備し、レーザ発生装置で発生したレーザビームを板状に整形して水管中に導き水管内に複雑な光学装置を設置しないので、保全が容易である。
【0015】
また、本発明第3の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、パルスレーザを発生するレーザ発生器と、末端からレーザビームを導入し先端から円周方向に放射状レーザビームとして放光するように構成した光ファイバを備え、光ファイバの先端を水管中に配設し、末端からレーザ発生器から導いたピーク出力の大きい短パルスレーザを入射させて、水管内の管断面全体にレーザが照射するようにしたことを特徴とする。
本装置は、外部のレーザ発生装置から光ファイバ束によりレーザビームを水管中に導いて先端から放出するものであるから、水管内に複雑な光学装置を挿入する必要がなく保全が容易である。また、水管中に光ファイバの先端を投入すればよいので、既存の用水路にそのまま適用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明第1実施例の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す側面図、図2は本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置の要部を拡大して示す断面図、図3は本発明第2実施例の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す断面図、図4は本発明第3実施例の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す正面断面図、図5は本実施例の側面断面図である。
【0017】
【実施例1】
本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、水管の軸付近に設けたレーザ放射装置から幅を有する円盤状の短パルスレーザビームを照射するようにしたものである。
図1および図2に示すように、水管1のほぼ中心軸上にレーザ放出光学系2を備え、水管2の外部にパルスレーザ発生器31を設けて、パルスレーザ発生器31からレーザ導入管4を通してレーザビーム32をレーザ放出光学系2まで導き、レーザ放出光学系2で幅を持った板状レーザビーム34に変成させて水管の軸にほぼ垂直に放出させることにより、水管1の管断面を通過する用水全体にレーザが照射する。
【0018】
レーザ放出光学系2は、反射鏡21とレーザ拡幅レンズ22とレーザ収束レンズ23と円錐ミラー24を備える。レーザ導入管4で導かれる線状あるいは棒状のレーザビーム32を反射鏡21で管軸方向に反射しレーザ拡幅レンズ22に入射して拡幅する。拡幅されたレーザビームをさらにレーザ集束レンズ23でほぼ平行光33にして、円錐ミラー24の頂点方向から入射させる。円錐ミラー24は45度の傾斜を持った円錐表面を持つので、入射したレーザビーム33は表面で反射して幅Xの板状レーザビーム34に変成され、鏡軸に垂直の方向に放射状に放出される。
【0019】
レーザ発生装置は、パルス波のレーザビームを発生する。レーザの波長は水による減衰の少ない500〜600nmの範囲のものを選択することが好ましい。たとえば、SHG−YAGレーザ(波長約530nm)や波長500nm付近の銅蒸気レーザなどを使用することができる。
レーザビームのパルスはピコ秒あるいはフェムト秒水準の短い時間幅を持ち、数MW程度以上の強いピークパワーを持つようにすることが好ましい。ピークのパワーが極めて高い短いパルスレーザを照射すると、水生生物の幼生を殺すことなく休眠させることができる。ただし、幼生に照射するレーザの強度すなわちパルス当たりのエネルギー強度が弱すぎると休眠させることができないし、強すぎると損傷を与えて正常に復活させることができず環境に影響を与える。あまり強すぎれば殺傷に至り死骸の処理に困難が生じることにもなる。
【0020】
休眠させるために適当なレーザエネルギー密度は、0.01J/cmないし1000J/cmの範囲であることが分かっている。したがって、管内の水生生物幼生が、レーザ光の最も弱い位置で0.01J/cm以上、最も強い位置で1000J/cm以下のエネルギを受けるようにセットする。
レーザ発生装置のレーザ出力は、水管中のレーザ放出端の位置、水管のレーザビームの広がり、水による吸収などを考慮して決定される。
【0021】
また、レーザビームには幅Xがあるので、流速Vで流れる用水の全部にレーザを照射するには、パルスの周期をX/V以下(周波数ではV/X以上)にすればよい。たとえば流速2m/sの流水に幅10mmのレーザビームを照射するときには、周期5ms以下周波数200Hz以上のパルスを発生させれば、用水中に含まれる水生生物の幼生が1度はパルスレーザの照射を受けて10分間程度休眠するので、水管を通過する間付着運動を行わないため管壁に付着しない。
本実施例のレーザ発生装置は、ピーク出力が大きいがパルス幅が小さいパルスレーザを発生するものであるため、総体的な出力容量は小さくて済むので経済的である。
【0022】
なお、水生生物は、レーザ放出光学系2でレーザ照射を受ける前は活性を保持し周囲の固体表面に付着するので、レーザ放出光学系2は最も上流の部分にレーザビームの放出口が来るように設置して、レーザ照射により休眠状態になる前の幼生が触れる部材をできるだけ少なくして水生生物の付着を抑制する。
しかし、このままではレーザ放出光学系2の上流側では水生生物の付着を免れることができない。そこで、本実施例ではさらにレーザ放出光学系2を保護する筐体25に超音波振動発生器4を取り付けている。筐体25を超音波振動させると水生物の付着を抑制することができるので、超音波振動発生器5を設けて装置の局部を震動させることによりレーザ放出光学系2に水生生物が付着しないようにして、保全作業の頻度を抑えることができる。
【0023】
【実施例2】
本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、水管に挿入した光ファイバ先端から短パルスレーザビームを照射するようにしたもので、その他の構成は実施例1に記載したものと同様である。
図3に示すように、水管1の底に光ファイバ6の先端が据えられている。光ファイバの先端は光ファイバで導かれた光が光ファイバの軸に対してほぼ垂直な方向に放出されるようになっている。たとえば、先端に円錐鏡を備えてファイバから放出されるレーザ光を垂直方向に反射させる構造とする。また、光ファイバケーブルの先端部で円周状に被覆を剥ぎ取ったような簡便な構造も使用することができる。さらに、光を光ファイバ束で導光するようにして、ファイバ束の先端部を円周方向に展開して固定し放射状に放光するように構成することもできる。
【0024】
水管1の外部には図示しないレーザ発生装置を設け、ピーク出力の高い短いパルスのパルスレーザビームを光ファイバの末端6から導入して、先端6から放射状レーザビーム61を水管1内部に放射状に放出して、通過する用水中に存在する水生生物の幼生を休眠させる。
放射状レーザビーム61は実施例1に述べたものと同様の性能を有する。
本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、光ファイバケーブルを水管1中に挿入しその先端を水管1の軸方向に向けて固定するだけでよい。したがって、既存の水管においても管壁に光ファイバケーブルを通すノズルを設けるだけで適用できる。
本実施例の装置は、外部のレーザ発生装置から光ファイバによりレーザビームを水管中に導いて放出するもので、装置全体が経済的に構成できる上、水管内に複雑な光学装置を挿入する必要がなく保全が容易である。
【0025】
【実施例3】
本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、窓の外にシリンドリカルレンズとパルスレーザ発生装置を備えて、レーザ発生装置から導かれたパルスレーザを板状レーザビームに整形した上で、水管壁に設けた水管断面全体を見通せる窓から水管内に入射させることにより、板状レーザビームが水管断面全体に照射するようにしたものである。その他の構成は実施例1に記載したものと同様である。
【0026】
図4および図5に示すように、水管1には、外径に接し端部に透明窓72を持ったノズル73が設けられている。レーザ発生装置31が水管1の外に設けられていて、ピーク出力の高い短いパルスの棒状あるいは線状のパルスレーザビームを発生する。棒状レーザビームは、シリンドリカルレンズ71でレンズの軸に垂直な方向に拡幅され、シート状あるいは板状の幅を有するレーザビーム74に整形される。
幅を有する板状レーザビーム74は透明窓72から水管1に入射して、水管1の断面内を隈無く照射する。
パルス間隔を適当に選択して、水生生物付着防止用レーザ照射装置のある部分を通過する水生生物の幼生は必ずレーザ照射を受けて水管から放出されるまで休眠するようにする。
【0027】
本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置は、水管内に複雑な光学装置を設置しないので、保全が容易である。
なお、ノズルや透明窓のレーザ照射しない部分に水生生物が付着するのを防止するため、超音波振動発生器を設けてもよい。
また、長大な水管において流下する間に水生生物が目覚めないようにするため、あるいはより効果を高めるため、本発明のレーザ照射装置を回路中に直列に複数設けるようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明の管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法または装置によれば、比較的安価な装置を利用して、水生生物を含む水を用水として供給する水管中に水生生物が付着しないようにして発電所などの設備の保全作業を軽減するとともに、水生生物の活性を奪って休眠させるだけで殺傷に至らないようにして環境中に返して環境に影響を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す側面図である。
【図2】第1実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明第2実施例の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す断面図である。
【図4】本発明第3実施例の管内の水生生物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す正面断面図である。
【図5】第3実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置の側面断面図である。
【符号の説明】
1 水管
2 レーザ放出光学系
21 反射鏡
22 レーザ拡幅レンズ
23 レーザ収束レンズ
24 円錐ミラー
31 パルスレーザ発生器
32 パルスレーザ
34 板状レーザビーム
4 レーザ導入管
5 超音波振動発生器
6 光ファイバ
61 放射状レーザビーム
71 シリンドリカルレンズ
72 透明窓
73 ノズル
74 板状レーザビーム

Claims (7)

  1. フェムト秒ないしピコ秒のピークを有し水中を透過しやすいパルスレーザを厚みを有する板状ビームに整形し、管軸にほぼ垂直に管断面の全体に及び、パルス当たりのエネルギー密度が管断面内で0.01J/cm2ないし1000J/cm2の範囲にあるように照射して、水生生物を殺さないで付着運動を抑制することを特徴とする管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法。
  2. 前記板状ビームは管内に設けた出射部から照射されることを特徴とする請求項1記載の管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法。
  3. 前記パルスレーザのパルスは、前記板状ビームの厚みをレーザ照射位置における水の流速で割った値より短い時間間隔より短い周期で発生することを特徴とする請求項1記載の管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法。
  4. 水管中に円錐ミラーとレーザ拡幅光学系を備え、レーザ発生器から導いたフェムト秒ないしピコ秒のピークを有するパルスレーザを前記レーザ拡幅光学系で広げて前記円錐ミラーに射入させて厚さを有する板状レーザビームに整形して水管内の管断面全体にパルス当たりのエネルギー密度が管断面内で0.01J/cm2ないし1000J/cm2の範囲にあるように前記パルスレーザが照射するようにした水生生物付着防止用レーザ照射装置。
  5. 前記円錐ミラーの筐体に超音波振動発生器を備えることを特徴とする請求項4記載の水生生物付着防止用レーザ照射装置。
  6. 水管壁に水管断面全体を見通せる窓を設け、該窓の外にシリンドリカルレンズと、フェムト秒ないしピコ秒のピークを有するパルスレーザを発生するレーザ発生装置を備えて、前記シリンドリカルレンズが該レーザ発生装置から導かれたパルスレーザを前記水管の軸に対して垂直な方向に広げて板状レーザビームに整形し前記窓から水管内に入射させて、該板状レーザビームのパルス当たりのエネルギー密度が管断面内で0.01J/cm2ないし1000J/cm2の範囲にあるように前記管断面全体に照射するようにした水生生物付着防止用レーザ照射装置。
  7. フェムト秒ないしピコ秒のピークを有するパルスレーザを発生するレーザ発生器と、末端からレーザビームを導入し先端から円周方向に放射状レーザビームとして放光するように構成した光ファイバを備え、前記先端を水管中に前記放射状レーザビームが該水管を横断するように配設し、前記末端から前記レーザ発生器から導いたパルスレーザを入射させて、該板状レーザビームのパルス当たりのエネルギー密度が管断面内で0.01J/cm2ないし1000J/cm2の範囲にあるように水管内の管断面全体にレーザが照射するようにした水生生物付着防止用レーザ照射装置。
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