JP2002371527A - 管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法および装置 - Google Patents

管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法および装置

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JP2002371527A
JP2002371527A JP2001184613A JP2001184613A JP2002371527A JP 2002371527 A JP2002371527 A JP 2002371527A JP 2001184613 A JP2001184613 A JP 2001184613A JP 2001184613 A JP2001184613 A JP 2001184613A JP 2002371527 A JP2002371527 A JP 2002371527A
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英毅 尾角
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幸生 鈴木
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利彦 大家
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に対する影響を抑えて、より簡便で確実
な方法で水管内に水生生物が付着することを防止するレ
ーザ照射方法と装置を提供する。 【解決手段】 水生生物を殺さないで付着運動を抑制す
るようなパルスレーザを厚みを有する板状ビームに整形
し、管軸にほぼ垂直に管断面の全体に及ぶように照射
し、水管を通過する用水がレーザ照射を受けて水管内に
水生生物が付着成長しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、淡水あるいは海水
を取り込む水管中にレーザを照射して水生生物の付着を
防止する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所や原子力発電所その他の工場
で、用水を海や湖沼あるいは河川などから取り込むため
の水管は、ムラサキイガイやフジツボなどの水生生物が
管壁に付着して成長し繁殖して管路を狭窄させたり閉塞
させるため、水量が不足し操業に問題が生じることがあ
る。水管に付着して水路に障害を与える水生生物には種
々のものがあるが、ムラサキイガイやフジツボなど殻を
もって固着する生物は除去に手間が掛かるので、特に問
題となる。
【0003】付着した水生生物は次亜塩素酸などの薬品
で処理することで殺傷して除去することができる。しか
し、たとえば熱交換器内の死骸を処理して除去すること
にも大きな手間と時間が掛かり、保全上の問題となる。
さらに、これら薬品を毒性が残ったまま放出すると環境
に悪影響を与えるし、水生生物を殺傷することは生態に
影響を与えるので好ましくない。こうした水生生物は、
幼生段階で管路に侵入して固い殻を持った成体となって
管壁に定着する。そこで、毒性が残らない方法として、
強力なレーザ光を水管内に照射して幼生段階の水生生物
を殺傷して付着成長を防止する方法も提案されている。
【0004】たとえば、特開平6−81327には、高
速で回転する回転ミラーと凹弧面強を用いて流れに対し
て垂直の方向からレーザビームを走査させることにより
流水に漏れなく10−4Ws/mm以上(10−2
/cm以上)の光エネルギーを与えて用水に含まれる
水生生物を幼生段階で殺傷して管路に付着させない技術
が開示されている。しかし、強力なレーザ光で殺傷する
方法では、生物死骸や有機廃棄物量を減少させることは
できるがこれらを無くすことはできないため、天然の生
態系に対する干渉を避けることはできない。また、高出
力のレーザ発生装置と複雑な回転駆動装置を使用するた
め高価な設備と高度な保全作業が必要である。
【0005】ところで、幼生段階の水生生物にある程度
強い光を照射すると、死なないまでも一時的に付着行動
を停止することが分かっている。そこで、水生生物のこ
の特性を利用して、レーザ光を管路に照射することによ
り水生生物を殺さずに付着防止する方法が提案されてい
る。たとえば、特開平8−164382には、たとえ
ば、ムラサキイガイがレーザ照射後10〜30秒の間付
着行動を停止することに注目して、水生生物に付着行動
を停止させる程度の刺激は与えるが殺傷するには至らな
い程度の能力を持ったレーザビームを、水管の側部に等
間隔で複数設けられた窓からそれぞれ入射させて、水生
生物が付着行動を再開しない内に再びレーザ照射をする
ようにして、管壁への付着を防止する方法が開示されて
いる。
【0006】この方法では、水の流速が2m/sの場合
で20〜60m間隔でレーザ発生装置を設置することに
より、ムラサキイガイには損傷を与えないで付着を防止
するので、比較的安価な装置を用いて環境に優しい生物
付着防止ができるとしている。しかし、開示方法は、長
い水管には多数のレーザ照射装置を必要とし、設備費を
低く抑えることは難しい。また、窓の外側からレーザビ
ームを入射させているため、水管中をあまねく照射する
ことが難しい。また、窓は適正な掃除をしなければ時間
の経過に従って汚れていくため、光の透過量が減少す
る。窓の内側の掃除を行うためには、冷却水などの用水
の流れを止めなければならない、発電所などでは保全作
業による損失が無視できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、環境に対する影響を抑えた、より
簡便で確実な水管内の水生生物付着防止用レーザ照射方
法と装置を提供することであり、また窓の汚れによる影
響を抑えた水生生物付着防止用レーザ照射装置を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法
は、発明者等の新しい知見を利用して開発したもので、
水中を透過しやすいパルスレーザを厚みを有する板状ビ
ームに整形し、管軸にほぼ垂直に管断面の全体に及ぶよ
うに照射して、水生生物を殺さないで付着運動を抑制す
ることを特徴とする。
【0009】水生生物の幼生にフェムト秒もしくはピコ
秒の短いピークを有する強いパルスレーザを照射すると
幼生の活動に10分程度の休眠期間が現れ、休眠期間中
は管壁に付着する行動が見られない。幼生の休眠はレー
ザパルスのピーク出力が0.01J/cm以上でない
と生じないが、一方、ピーク出力が1000J/cm
以上では水生生物が殺傷されてしまい、死骸もしくは有
機廃棄物として環境中に流出することになる。そこで、
本発明では、高いピーク出力を持つ短いパルスからなる
パルスレーザを用い、これを厚みを有する板状のレーザ
ビームに変成して、流れに対して垂直に照射させること
により管断面の全体にレーザエネルギーが到達するよう
にしたものである。なお、照射するレーザ光は、500
〜600nmなど水をよく透過する波長帯のものが好ま
しい。たとえば、波長500nm付近の銅蒸気レーザや
532nmのYAG2倍波のレーザなどを利用すること
ができる。
【0010】本発明の管内の水生生物付着防止方法は、
光を利用するので、有害物質が環境に流出することがな
く、生物の殺傷を行わないので環境への影響が小さく、
ピーク出力は大きくても総出力が小さいパルスレーザを
使用するので経済的である。また、本発明によれば、パ
ルスレーザをビームとして走査するのではなく、厚みを
持った板状のビームに整形して管断面内を一挙に照射す
る。そこで、パルス周期を調整して流水が板状レーザビ
ームの厚みを通過する間に少なくとも1回レーザビーム
の照射を受けるようにすれば、流水中の水生生物幼生は
殆ど全てレーザ照射による休眠化をして、流下する間に
管壁に付着することなく、外界に流出してから覚醒して
通常の行動を取るようになるので、環境に大きな影響を
与えない。
【0011】本発明における板状ビームは、管内に設け
られた出射部から管断面の全体に照射するようにするこ
とが好ましい。管側に設けられる窓を介してレーザ照射
する代わりに、管路中に直接に板状レーザビーム出射装
置を設置することにより、窓の汚れを管理する必要がな
くなり、保全作業を軽減し作業中の営業休止による損失
を防ぐことができる。また、パルスレーザのパルスは、
板状ビームの厚みをレーザ照射位置における水の流速で
割った値より短い時間間隔より短い周期で発生させるこ
とが好ましい。このようなパルス周期を選択することに
より、流水が余すところなくレーザ処理を受けることに
なり、用水中の水生生物幼生を確実に休眠させることが
できる。さらに、パルスレーザのピークパワーは、管断
面内で0.01J/cmないし1000J/cm
範囲にあることが好ましい。この範囲の出力を与えるこ
とにより水生生物を殺傷することなく、管内への付着を
防止することができる。
【0012】また、本発明第1の管内の水生生物付着防
止用レーザ照射装置は、水管中に円錐ミラーとレーザ拡
幅光学系を備え、パルスレーザ発生器から導いたピーク
出力の大きい短パルスレーザをそのレーザ拡幅光学系で
広げて円錐ミラーに射入させて厚さを有する板状レーザ
ビームに整形して水管内の管断面全体にレーザが照射す
るようにしたことを特徴とする。なお、円錐ミラーを保
護する筐体に超音波振動発生器を取り付けて、筐体を振
動させることにより特に上流側における水生生物の付着
を防止することが好ましい。
【0013】本発明の水生生物付着防止用レーザ照射装
置を用いれば、外界から取り込んだ用水に含まれる水生
生物の幼生を用水路の出口から放出されるまでの暫くの
間休眠させることができるので、水管中に付着して成長
することを防止することができる。しかも水生生物を殺
傷しないで環境内に放出するので、自然環境を破壊しな
い。また、レーザ発生装置を水管の外に配置し、水管内
にコンパクトに一体化した光学装置を配置すればよいの
で、装置構成が簡単で設置が容易である。
【0014】さらに、本発明第2の管内の水生生物付着
防止用レーザ照射装置は、水管壁に水管断面全体を見通
せる窓を設け、窓の外にシリンドリカルレンズとパルス
レーザを発生するレーザ発生装置を備えて、このシリン
ドリカルレンズがレーザ発生装置から導かれたピーク出
力の大きい短パルスレーザを水管の軸に対して垂直な方
向に広げて板状レーザビームに整形し窓を介して水管内
に入射させて、板状レーザビームが水管断面全体に照射
するようにしたことを特徴とする。本装置は、水管に窓
を設けて、外部に光学系とレーザ発生装置を設備し、レ
ーザ発生装置で発生したレーザビームを板状に整形して
水管中に導き水管内に複雑な光学装置を設置しないの
で、保全が容易である。
【0015】また、本発明第3の管内の水生生物付着防
止用レーザ照射装置は、パルスレーザを発生するレーザ
発生器と、末端からレーザビームを導入し先端から円周
方向に放射状レーザビームとして放光するように構成し
た光ファイバを備え、光ファイバの先端を水管中に配設
し、末端からレーザ発生器から導いたピーク出力の大き
い短パルスレーザを入射させて、水管内の管断面全体に
レーザが照射するようにしたことを特徴とする。本装置
は、外部のレーザ発生装置から光ファイバ束によりレー
ザビームを水管中に導いて先端から放出するものである
から、水管内に複雑な光学装置を挿入する必要がなく保
全が容易である。また、水管中に光ファイバの先端を投
入すればよいので、既存の用水路にそのまま適用するこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下実施例を用いて本発明を詳細
に説明する。図1は、本発明第1実施例の管内の水生生
物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す側面図、図2
は本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装置の要部
を拡大して示す断面図、図3は本発明第2実施例の管内
の水生生物付着防止用レーザ照射装置の概念を表す断面
図、図4は本発明第3実施例の管内の水生生物付着防止
用レーザ照射装置の概念を表す正面断面図、図5は本実
施例の側面断面図である。
【0017】
【実施例1】本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射
装置は、水管の軸付近に設けたレーザ放射装置から幅を
有する円盤状の短パルスレーザビームを照射するように
したものである。図1および図2に示すように、水管1
のほぼ中心軸上にレーザ放出光学系2を備え、水管2の
外部にパルスレーザ発生器31を設けて、パルスレーザ
発生器31からレーザ導入管4を通してレーザビーム3
2をレーザ放出光学系2まで導き、レーザ放出光学系2
で幅を持った板状レーザビーム34に変成させて水管の
軸にほぼ垂直に放出させることにより、水管1の管断面
を通過する用水全体にレーザが照射する。
【0018】レーザ放出光学系2は、反射鏡21とレー
ザ拡幅レンズ22とレーザ収束レンズ23と円錐ミラー
24を備える。レーザ導入管4で導かれる線状あるいは
棒状のレーザビーム32を反射鏡21で管軸方向に反射
しレーザ拡幅レンズ22に入射して拡幅する。拡幅され
たレーザビームをさらにレーザ集束レンズ23でほぼ平
行光33にして、円錐ミラー24の頂点方向から入射さ
せる。円錐ミラー24は45度の傾斜を持った円錐表面
を持つので、入射したレーザビーム33は表面で反射し
て幅Xの板状レーザビーム34に変成され、鏡軸に垂直
の方向に放射状に放出される。
【0019】レーザ発生装置は、パルス波のレーザビー
ムを発生する。レーザの波長は水による減衰の少ない5
00〜600nmの範囲のものを選択することが好まし
い。たとえば、SHG−YAGレーザ(波長約530n
m)や波長500nm付近の銅蒸気レーザなどを使用す
ることができる。レーザビームのパルスはピコ秒あるい
はフェムト秒水準の短い時間幅を持ち、数MW程度の強
いピークエネルギを持つようにすることが好ましい。ピ
ークのエネルギーが極めて高い短いパルスレーザを照射
すると、水生生物の幼生を殺すことなく休眠させること
ができる。ただし、幼生に照射するレーザの強度が弱す
ぎると休眠させることができないし、強すぎると損傷を
与えて正常に復活させることができず環境に影響を与え
る。あまり強すぎれば殺傷に至り死骸の処理に困難が生
じることにもなる。
【0020】休眠させるために適当なレーザエネルギー
密度は、0.01J/cmないし1000J/cm
の範囲であることが分かっている。したがって、管内の
水生生物幼生が、レーザ光の最も弱い位置で0.01J
/cm以上、最も強い位置で1000J/cm以下
のエネルギを受けるようにセットする。レーザ発生装置
のレーザ出力は、水管中のレーザ放出端の位置、水管の
レーザビームの広がり、水による吸収などを考慮して決
定される。
【0021】また、レーザビームには幅Xがあるので、
流速Vで流れる用水の全部にレーザを照射するには、パ
ルスの周期をX/V以下(周波数ではV/X以上)にす
ればよい。たとえば流速2m/sの流水に幅10mmの
レーザビームを照射するときには、周期5ms以下周波
数200Hz以上のパルスを発生させれば、用水中に含
まれる水生生物の幼生が1度はパルスレーザの照射を受
けて10分間程度休眠するので、水管を通過する間付着
運動を行わないため管壁に付着しない。本実施例のレー
ザ発生装置は、ピーク出力が大きいがパルス幅が小さい
パルスレーザを発生するものであるため、総体的な出力
容量は小さくて済むので経済的である。
【0022】なお、水生生物は、レーザ放出光学系2で
レーザ照射を受ける前は活性を保持し周囲の固体表面に
付着するので、レーザ放出光学系2は最も上流の部分に
レーザビームの放出口が来るように設置して、レーザ照
射により休眠状態になる前の幼生が触れる部材をできる
だけ少なくして水生生物の付着を抑制する。しかし、こ
のままではレーザ放出光学系2の上流側では水生生物の
付着を免れることができない。そこで、本実施例ではさ
らにレーザ放出光学系2を保護する筐体25に超音波振
動発生器4を取り付けている。筐体25を超音波振動さ
せると水生物の付着を抑制することができるので、超音
波振動発生器5を設けて装置の局部を震動させることに
よりレーザ放出光学系2に水生生物が付着しないように
して、保全作業の頻度を抑えることができる。
【0023】
【実施例2】本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射
装置は、水管に挿入した光ファイバ先端から短パルスレ
ーザビームを照射するようにしたもので、その他の構成
は実施例1に記載したものと同様である。図3に示すよ
うに、水管1の底に光ファイバ6の先端が据えられてい
る。光ファイバの先端は光ファイバで導かれた光が光フ
ァイバの軸に対してほぼ垂直な方向に放出されるように
なっている。たとえば、先端に円錐鏡を備えてファイバ
から放出されるレーザ光を垂直方向に反射させる構造と
する。また、光ファイバケーブルの先端部で円周状に被
覆を剥ぎ取ったような簡便な構造も使用することができ
る。さらに、光を光ファイバ束で導光するようにして、
ファイバ束の先端部を円周方向に展開して固定し放射状
に放光するように構成することもできる。
【0024】水管1の外部には図示しないレーザ発生装
置を設け、ピーク出力の高い短いパルスのパルスレーザ
ビームを光ファイバの末端6から導入して、先端6から
放射状レーザビーム61を水管1内部に放射状に放出し
て、通過する用水中に存在する水生生物の幼生を休眠さ
せる。放射状レーザビーム61は実施例1に述べたもの
と同様の性能を有する。本実施例の水生生物付着防止用
レーザ照射装置は、光ファイバケーブルを水管1中に挿
入しその先端を水管1の軸方向に向けて固定するだけで
よい。したがって、既存の水管においても管壁に光ファ
イバケーブルを通すノズルを設けるだけで適用できる。
本実施例の装置は、外部のレーザ発生装置から光ファイ
バによりレーザビームを水管中に導いて放出するもの
で、装置全体が経済的に構成できる上、水管内に複雑な
光学装置を挿入する必要がなく保全が容易である。
【0025】
【実施例3】本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射
装置は、窓の外にシリンドリカルレンズとパルスレーザ
発生装置を備えて、レーザ発生装置から導かれたパルス
レーザを板状レーザビームに整形した上で、水管壁に設
けた水管断面全体を見通せる窓から水管内に入射させる
ことにより、板状レーザビームが水管断面全体に照射す
るようにしたものである。その他の構成は実施例1に記
載したものと同様である。
【0026】図4および図5に示すように、水管1に
は、外径に接し端部に透明窓72を持ったノズル73が
設けられている。レーザ発生装置31が水管1の外に設
けられていて、ピーク出力の高い短いパルスの棒状ある
いは線状のパルスレーザビームを発生する。棒状レーザ
ビームは、シリンドリカルレンズ71でレンズの軸に垂
直な方向に拡幅され、シート状あるいは板状の幅を有す
るレーザビーム74に整形される。幅を有する板状レー
ザビーム74は透明窓72から水管1に入射して、水管
1の断面内を隈無く照射する。パルス間隔を適当に選択
して、水生生物付着防止用レーザ照射装置のある部分を
通過する水生生物の幼生は必ずレーザ照射を受けて水管
から放出されるまで休眠するようにする。
【0027】本実施例の水生生物付着防止用レーザ照射
装置は、水管内に複雑な光学装置を設置しないので、保
全が容易である。なお、ノズルや透明窓のレーザ照射し
ない部分に水生生物が付着するのを防止するため、超音
波振動発生器を設けてもよい。また、長大な水管におい
て流下する間に水生生物が目覚めないようにするため、
あるいはより効果を高めるため、本発明のレーザ照射装
置を回路中に直列に複数設けるようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の管内の水生生物付着防止用レー
ザ照射方法または装置によれば、比較的安価な装置を利
用して、水生生物を含む水を用水として供給する水管中
に水生生物が付着しないようにして発電所などの設備の
保全作業を軽減するとともに、水生生物の活性を奪って
休眠させるだけで殺傷に至らないようにして環境中に返
して環境に影響を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の管内の水生生物付着防止用
レーザ照射装置の概念を表す側面図である。
【図2】第1実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装
置の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明第2実施例の管内の水生生物付着防止用
レーザ照射装置の概念を表す断面図である。
【図4】本発明第3実施例の管内の水生生物付着防止用
レーザ照射装置の概念を表す正面断面図である。
【図5】第3実施例の水生生物付着防止用レーザ照射装
置の側面断面図である。
【符号の説明】
1 水管 2 レーザ放出光学系 21 反射鏡 22 レーザ拡幅レンズ 23 レーザ収束レンズ 24 円錐ミラー 31 パルスレーザ発生器 32 パルスレーザ 34 板状レーザビーム 4 レーザ導入管 5 超音波振動発生器 6 光ファイバ 61 放射状レーザビーム 71 シリンドリカルレンズ 72 透明窓 73 ノズル 74 板状レーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/00 H01S 3/00 A (72)発明者 尾角 英毅 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内 (72)発明者 鈴木 幸生 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内 (72)発明者 大家 利彦 香川県高松市林町2217番14号 独立行政法 人産業技術総合研究所 四国センター内 Fターム(参考) 4D037 AA06 AB18 BA16 4G075 AA01 AA52 CA36 EB21 EB31 EB33 EB34 EB50 FC04 5F072 AA03 AB01 KK05 MM08 QQ02 RR03 SS06 YY20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中を透過しやすいパルスレーザを厚み
    を有する板状ビームに整形し、管軸にほぼ垂直に管断面
    の全体に及ぶように照射して、水生生物を殺さないで付
    着運動を抑制することを特徴とする管内の水生生物付着
    防止用レーザ照射方法。
  2. 【請求項2】 前記板状ビームは管内に設けた出射部か
    ら照射されることを特徴とする請求項1記載の管内の水
    生生物付着防止用レーザ照射方法。
  3. 【請求項3】 前記パルスレーザのパルスは、前記板状
    ビームの厚みをレーザ照射位置における水の流速で割っ
    た値より短い時間間隔より短い周期で発生することを特
    徴とする請求項1記載の管内の水生生物付着防止用レー
    ザ照射方法。
  4. 【請求項4】 前記パルスレーザのピークパワーは、管
    断面内で0.01J/cmないし1000J/cm
    の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の
    管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法。
  5. 【請求項5】 水管中に円錐ミラーとレーザ拡幅光学系
    を備え、レーザ発生器から導いたパルスレーザを前記レ
    ーザ拡幅光学系で広げて前記円錐ミラーに射入させて厚
    さを有する板状レーザビームに整形して水管内の管断面
    全体にレーザが照射するようにした水生生物付着防止用
    レーザ照射装置。
  6. 【請求項6】 前記円錐ミラーの筐体に超音波振動発生
    器を備えることを特徴とする請求項4記載の水生生物付
    着防止用レーザ照射装置。
  7. 【請求項7】 水管壁に水管断面全体を見通せる窓を設
    け、該窓の外にシリンドリカルレンズとパルスレーザを
    発生するレーザ発生装置を備えて、前記シリンドリカル
    レンズが該レーザ発生装置から導かれたパルスレーザを
    前記水管の軸に対して垂直な方向に広げて板状レーザビ
    ームに整形し前記窓から水管内に入射させて、該板状レ
    ーザビームが前記管断面全体に照射するようにした水生
    生物付着防止用レーザ照射装置。
  8. 【請求項8】 パルスレーザを発生するレーザ発生器
    と、末端からレーザビームを導入し先端から円周方向に
    放射状レーザビームとして放光するように構成した光フ
    ァイバを備え、前記先端を水管中に前記放射状レーザビ
    ームが該水管を横断するように配設し、前記末端から前
    記レーザ発生器から導いたパルスレーザを入射させて、
    水管内の管断面全体にレーザが照射するようにした水生
    生物付着防止用レーザ照射装置。
JP2001184613A 2001-06-19 2001-06-19 管内の水生生物付着防止用レーザ照射方法および装置 Expired - Lifetime JP4469968B2 (ja)

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WO2015145527A1 (ja) * 2014-03-24 2015-10-01 中国電力株式会社 光照射によって翼形類およびフジツボ類を殺す方法
WO2015145526A1 (ja) * 2014-03-24 2015-10-01 中国電力株式会社 付着期幼生の遊泳または匍匐停止方法

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