JP4466513B2 - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒンジ機構によってカムプレートの傾動が案内されて該カムプレートが駆動軸に対する傾斜角度を変更することでピストンのシリンダボア内でのストロークが変更されて吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機に関する。
この種の可変容量型圧縮機において、図7に示すように、駆動軸80には、ラグプレート81が一体回転可能に固定されている。また、駆動軸80には、斜板82(カムプレート)が前記駆動軸80に対して傾動可能に支持されている。ラグプレート81と斜板82との間にはヒンジ機構83が介在されている(例えば、特許文献1参照。)。
シリンダボア内に往復動可能に収容されたピストン(図示せず)は、前記斜板82の外周部に係留されている。そして、駆動軸80の回転がラグプレート81及びヒンジ機構83を介して斜板82に伝達され、該斜板82が回転することで、ピストンがシリンダボア内で往復動されて冷媒ガスの圧縮が行われる。また、ヒンジ機構83の案内によって斜板82が傾斜角度を変更することで、ピストンのストロークが変更されて吐出容量を変更可能となっている。
次に、ヒンジ機構83について説明する。斜板82のラグプレート81側であって、駆動軸80よりも外周縁側には、支持部84がラグプレート81側に向かって突設されている。この支持部84には、リンクピン85の軸方向における中央部が圧入により固定されている。前記支持部84の両端面のうちの一方の端面(図7では右端面)から突出するリンクピン85の一端部(図7では右端部)は、ラグプレート81において斜板82側に設けられた第1カム部87のガイド溝87aに挿入されている。このガイド溝87aは、第1カム部87をリンクピン85の軸方向に沿って貫通した長溝状に形成されている。一方、支持部84の両端面のうちの他方の端面(図7では左端面)から突出するリンクピン85の他端部(図7では左端部)には、ローラ(転動体)86が回転可能に支持されている。このローラ86は、ラグプレート81において斜板82側に設けられた第2カム部88のカム面88aに当接した状態で支持されている。
そして、リンクピン85の一端部が前記ガイド溝87a内を該ガイド溝87aに沿って移動し、前記ローラ86がカム面88aを転動することで、斜板82の傾斜角度の変更はヒンジ機構83によって案内されるようになっている。また、ヒンジ機構83は、ローラ86及び第2カム部88を有することで、ピストンを介して斜板82に偏って作用する圧縮反力は、ローラ86を介した第2カム部88で受承される。このため、前記圧縮反力によって、斜板82が吐出容量の変更時とは異なる方向に傾いてしまうことを抑制することができ、加えて、ヒンジ機構83の摺動抵抗が低減されるようになっている。
特開2005−163772号公報
ところが、上記ヒンジ機構83において、前記リンクピン85は、斜板82の中央部よりも外周縁側に設けられた支持部84に支持されている。このため、斜板82にて中央部よりも外周縁側には、支持部84の重量に加え、リンクピン85の重量とローラ86の重量も加わり、斜板82の重心は該斜板82の中央部よりも外周縁側(支持部84側)へ偏っている。
その結果として、可変容量型圧縮機の運転中、特に駆動軸80の高速回転中では、斜板82は前記重心の偏りによって傾きやすくなっている。このため、例えば、吐出容量を下げるべく斜板82の傾斜角度を小さくする方向へ制御しても、前記重心の偏りによって、斜板82が傾斜角度を大きくする方向へ傾いてしまう虞があった。
本発明は、リンクピンとローラを備えるヒンジ機構において、カムプレートの重心の偏りに起因した不具合の発生を抑制することができる可変容量型圧縮機を提供することにある。
本発明の可変容量型圧縮機は、ハウジングには駆動軸が回転可能に支持されているとともに、ハウジングにおける前記駆動軸の周囲にはシリンダボアが複数配設され、前記駆動軸にはラグプレートが一体回転可能に連結されているとともに、カムプレートが傾動可能に支持され、前記シリンダボア内には前記カムプレートに係留されたピストンが往復動可能に収容され、前記ラグプレートと前記カムプレートとの間にはヒンジ機構が介在されており、該ヒンジ機構によって前記カムプレートの傾動が案内されることで前記ピストンのシリンダボア内でのストロークが変更されて吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機において、前記ヒンジ機構は、前記ラグプレートにおける前記カムプレート側に突設された少なくとも2つの支持部と、軸方向における少なくとも両端部が前記支持部によって支持されたリンクピンと、前記リンクピンに回転可能に支持され、前記リンクピンの両端部を支持する支持部の間に配設されるローラと、前記カムプレートにおけるラグプレート側に突設され、前記リンクピンが挿通されるとともに、該リンクピンに対する接触によって前記カムプレートの傾動を案内する案内部が形成された突部と、前記カムプレートにおけるラグプレート側に設けられ、前記カムプレートの傾動の際に前記ローラに摺接する摺接部とからなる。
これによれば、ローラを支持したリンクピンを、カムプレートに設けられた支持部に支持させた構成に比して、ローラとリンクピンの重量分だけカムプレートを軽量化できる。さらに、カムプレートに加わっていたローラの重量とリンクピンの重量を、カムプレートから減らすことができるため、カムプレートの重心を、背景技術のようにローラとリンクピンが支持されていた外周縁側から駆動軸側(中央側)へと近づけることができる。したがって、カムプレートの重量バランスを取り易くすることができ、重心の偏りに起因した不具合(例えば、カムプレートの傾き)の発生を抑制することができる。
また、リンクピンは、軸方向における少なくとも両端部が支持部によって支持されている。そして、カムプレートを介してリンクピン(ローラ)に作用する圧縮反力に基づく荷重は、リンクピンを介した少なくとも2つの支持部で受承される。このため、例えば、リンクピンを1つの支持部のみで支持した構成に比して、各支持部が受承する荷重を低減させることができ、さらには、圧縮反力に基づく荷重によってリンクピンが傾くことを防止することができる。
また、前記リンクピンは、軸受け手段を介して前記支持部に回転可能に支持され、前記リンクピンと前記ローラとは互いに独立して回転可能であってもよい。
これによれば、リンクピンが軸受け手段により、支持部に対して回転可能に支持されることで、リンクピンが支持部に対して滑り接触することが防止される。その結果として、リンクピンと支持部との間での摩擦抵抗を低減させることができる。また、リンクピンとローラとが独立して回転可能となる。このため、例えば、カムプレートに圧縮反力が偏って作用することで、摺接部がローラに向かって当接する方向と、案内部がリンクピンに向かって当接する方向とが異なり、ローラとリンクピンが互いに逆方向へ回転しようとしても、ローラとリンクピンとを回転させることができる。その結果として、圧縮反力が偏って作用したときは、ローラは摺接部に対して転がり接触し、リンクピンも案内部に対して転がり接触して、ローラと摺接部との間、及びリンクピンと案内部との間の摩擦抵抗を低減させることができる。
また、前記軸受け手段は、前記支持部と前記リンクピンとの間に介在されるベアリングであってもよい。
これによれば、ベアリングによってリンクピンを確実に回転可能に支持することができ、支持部でのリンクピンの滑り接触を防止することができる。
また、前記案内部は長孔であってもよい。
これによれば、例えば、カムプレートの傾動を案内する案内部を突部の下方又は上方が開放された長溝によって形成した場合に比して、突部の強度を高めることができる。
本発明によれば、リンクピンとローラを備えるヒンジ機構において、カムプレートの重心の偏りに起因した不具合の発生を抑制することができる。
以下、本発明を可変容量型圧縮機に具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1は、可変容量型圧縮機(以下単に圧縮機とする)10の縦断面図を示す。なお、図1において左方を圧縮機10の前方とし、右方を圧縮機10の後方とする。図1に示すように、圧縮機10のハウジングは、シリンダブロック11と、該シリンダブロック11の前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを備えている。
圧縮機10のハウジング内において、前記シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、クランク室15が区画形成されている。また、シリンダブロック11とフロントハウジング12には、クランク室15内を挿通するようにして、駆動軸16が回転可能に支持されている。駆動軸16には、車両の走行駆動源である図示しないエンジンが作動連結されている。駆動軸16は、エンジンから動力の供給を受けて矢印R(図2参照)に示す方向に回転される。
前記クランク室15内において、駆動軸16には、ラグプレート17が一体回転可能に固定(連結)されている。また、クランク室15内において、駆動軸16には、カムプレートとしての斜板18が取着されている。斜板18は、その中央部に穿設された軸孔18aに駆動軸16が挿通されている。ラグプレート17と斜板18とは、駆動軸16の軸M方向に沿って並設されている。
ラグプレート17と斜板18との間には、ヒンジ機構19が介在されている。そして、前記斜板18は、ヒンジ機構19を介したラグプレート17との間でのヒンジ連結、及び軸孔18aを介した駆動軸16による支持により、ラグプレート17及び駆動軸16と同期回転可能であるとともに、駆動軸16に対して傾動可能となっている。
前記シリンダブロック11において駆動軸16の周囲には、複数のシリンダボア27(図1では1つのシリンダボア27のみ示す)が等角度間隔で前後方向に貫通形成(配設)されている。片頭型のピストン28は、各シリンダボア27内に前後方向へ移動可能に収容されている。シリンダボア27の前後開口は、弁・ポート形成体13の前端面及びピストン28によって閉塞されており、このシリンダボア27内にはピストン28の前後方向への移動に応じて容積変化する圧縮室29が区画されている。そして、ピストン28が圧縮室29の容積を最小とする位置を上死点位置とし、圧縮室29の容積を最大とする位置を下死点位置とする。なお、斜板18において、ピストン28を前記上死点位置に位置させる部位を上死点対応位置Tとする(図2参照)。
前記ピストン28は、一対のシュー30を介して斜板18の外周部に係留されている。ハウジング内において弁・ポート形成体13とリヤハウジング14との間には、吸入室31及び吐出室40がそれぞれ区画形成されている。弁・ポート形成体13には、圧縮室29と吸入室31との間に位置するように、吸入ポート32及び吸入弁33がそれぞれ形成されている。弁・ポート形成体13には、圧縮室29と吐出室40との間に位置するように、吐出ポート34及び吐出弁35がそれぞれ形成されている。
前記吸入室31内の冷媒ガスは、各ピストン28の上死点位置から下死点位置側への移動により、吸入ポート32及び吸入弁33を介して圧縮室29へと吸入される。圧縮室29に吸入された冷媒ガスは、ピストン28の下死点位置から上死点位置側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート34及び吐出弁35を介して吐出室40へと吐出される。
前記圧縮機10のハウジング内には、抽気通路36及び給気通路37並びに制御弁38が設けられている。抽気通路36は、クランク室15と吸入室31とを接続する。給気通路37は、吐出室40とクランク室15とを接続する。給気通路37の途中には、電磁弁よりなる周知の制御弁38が配設されている。
前記制御弁38の開度を調節することで、給気通路37を介したクランク室15への高圧な吐出ガスの導入量と、抽気通路36を介したクランク室15からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室15の内圧が決定される。クランク室15の内圧の変更に応じて、クランク室15の内圧と圧縮室29の内圧とのピストン28を介した差が変更され、斜板18の傾斜角度(駆動軸16の軸Mと直交する平面との間でなす角度)が変更される結果、ピストン28のストロークが変更されて圧縮機10の吐出容量が変更される。
例えば、前記クランク室15の内圧が低下されると斜板18の傾斜角度が増大し、ピストン28のストロークが増大して圧縮機10の吐出容量が増大される。逆に、クランク室15の内圧が上昇されると斜板18の傾斜角度が減少し、ピストン28のストロークが減少して圧縮機10の吐出容量が減少される。
次に、前記ヒンジ機構19について説明する。
図2〜図5に示すように、前記ラグプレート17において斜板18側の端面17aには、第1支持部20と第2支持部21(2つの支持部)が斜板18に向けて突設されている。第1支持部20と第2支持部21は、前記上死点対応位置Tに対して駆動軸16の回転方向の先行側と後行側にずれて配置されている。
複数のシリンダボア27のうち、ある1つのシリンダボア27を基準のシリンダボア27としたとき、駆動軸16の回転中、第1支持部20は、駆動軸16の回転方向において、前記上死点対応位置Tよりも先に前記基準のシリンダボア27の前側を通過するようになっている(先行側)。一方、第2支持部21は、駆動軸16の回転方向において、前記上死点対応位置Tよりも後に前記基準のシリンダボア27の前側を通過するようになっている(後行側)。
図5に示すように、前記第1支持部20には、駆動軸16の軸M方向に対して直交する方向へ第1支持部20を貫通して挿通孔20aが形成され、第2支持部21には、駆動軸16の軸M方向に対して直交する方向へ第2支持部21を貫通して挿通孔21aが形成されている。第1支持部20の挿通孔20aには、リンクピン23の軸N方向における一方の端部たる第1端部(図5では左端部)23aが挿通され、該第1端部23aの周面と挿通孔20aの周面との間には、軸受け手段としての第1ベアリング24が介在されている。また、第2支持部21の挿通孔21aには、リンクピン23の軸N方向における他方の端部たる第2端部(図5では右端部)23bが挿通され、該第2端部23bの周面と挿通孔21aの周面との間には、軸受け手段としての第2ベアリング25が介在されている。
そして、リンクピン23は、第1及び第2ベアリング24,25を介して第1及び第2支持部20,21に回転可能に支持されている。すなわち、リンクピン23は、ラグプレート17に対して相対回転可能に支持されている。第1支持部20と第2支持部21において、挿通孔20a,21aがリンクピン23の軸N方向へ第1及び第2支持部20,21を貫通する方向への長さ、すなわち、第1支持部20において、リンクピン23の軸N方向に沿った厚みD1と、第2支持部21において、リンクピン23の軸N方向に沿った厚みD2は同じである。このため、挿通孔20a,21aに配設された第1ベアリング24と第2ベアリング25は同じサイズのものが使用されている。
リンクピン23の軸N方向における両端部を支持する第1支持部20と第2支持部21との間であり、リンクピン23の軸N方向におけるリンクピン23の第1支持部20側には、円筒状をなすローラ26が回転可能に支持されている。リンクピン23の周面とローラ26の内周面との間には、軸受け手段としてのローラ用ベアリング22が介在されている。したがって、ローラ26は、リンクピン23に対して相対回転可能であり、リンクピン23とは独立して回転可能になっている。
また、ローラ26は、斜板18の上死点対応位置Tよりも回転方向における先行側に配置されている。なお、圧縮機10の運転中、冷媒ガスの圧縮に伴い発生し、ピストン28を介して斜板18に作用する圧縮反力は、図2の矢印Xに示すように上死点対応位置Tよりも回転方向の先行側に偏って作用する。
図2に示すように、前記斜板18において、ラグプレート17側の端面18bであり、前記上死点対応位置Tよりも回転方向における後行側には、突部50がラグプレート17に向けて突設されている。突部50は、前記第2支持部21よりもリンクピン23の軸N方向の中央側に配設されている。図3に示すように、突部50は細腕状に形成され、該突部50には、リンクピン23に対する接触(摺接)によって斜板18の傾動を案内する案内部としてのガイド孔50aが形成されている。このガイド孔50aは、リンクピン23の軸N方向へ突部50を貫通して形成されている。
ガイド孔50aは長孔状をなし、その長さ方向に沿って駆動軸16に近づくに連れて、ラグプレート17から離間するように傾斜されている。すなわち、ガイド孔50aは、その長さ方向における一端(図3では上端)から、前記長さ方向における他端(図3では下端)となる駆動軸16側に向かうに従い、ラグプレート17側から斜板18側へ向かって下り傾斜する斜状に形成されている。
そして、前記ガイド孔50aは、リンクピン23に対する摺接により、前記リンクピン23を介した斜板18の傾斜角度の変更をガイドするようになっている。なお、ガイド孔50aがリンクピン23に摺接する際、リンクピン23は回転するようになっている。
リンクピン23にガイド孔50aが接触(摺接)しながら、ガイド孔50aの長さ方向における前記一端(図3では上端)にリンクピン23が位置するまで、斜板18が移動した状態では、斜板18の傾斜角度は零ではない最小となる。一方、リンクピン23にガイド孔50aが接触(摺接)しながら、ガイド孔50aの長さ方向における前記他端(図3では下端)にリンクピン23が位置するまで、斜板18が移動した状態では、斜板18の傾斜角度は最大となっている。そして、ガイド孔50aの長さの範囲内で斜板18が移動することで、斜板18の傾斜角度が変更される。なお、図3は、斜板18の傾斜角度が最大となった状態を表している。
図2に示すように、前記斜板18において、ラグプレート17側の端面18bであり、前記ローラ26に対向する位置には、前記ローラ26に摺接する摺接面51aを有する摺接部51が設けられている。摺接部51は、前記第1支持部20よりもリンクピン23の軸N方向の中央側に配設されている。図4に示すように、前記摺接面51aは、斜板18が傾斜角度を変更する際に、ローラ26に摺接し、ローラ26は回転するようになっている。
そして、図2及び図5に示すように、前記突部50よりもリンクピン23の軸N方向外側には、前記第2支持部21が配設され、摺接部51よりもリンクピン23の軸N方向外側には、前記第1支持部20が配設されている。すなわち、第1支持部20と、第2支持部21との間に、前記突部50と摺接部51が配設されている。また、突部50と第2支持部21との間、及び摺接部51と第1支持部20との間には、極僅かな隙間(図示せず)が形成されている。この隙間は、斜板18の傾動を許容しながらも、第1支持部20と第2支持部21の間での斜板18のリンクピン23の軸N方向への過度のがたつきを防止可能とする隙間に設定されている。
次に、上記ヒンジ機構19の作用について説明する。
さて、圧縮機10の運転中、駆動軸16の回転は、ラグプレート17の第1支持部20と第2支持部21とに支持されたリンクピン23を介して突部50へと伝達され、斜板18が回転される。図2及び図5に示すように、ローラ26、及び該ローラ26を支持するリンクピン23は、斜板18ではなくラグプレート17の第1支持部20と第2支持部21とに支持されている。すなわち、ローラ26の重量とリンクピン23の重量は、ラグプレート17に加わっており、斜板18の重心は、斜板18にリンクピン23及びローラ26を支持させた構成に比して斜板18の中央側(駆動軸16側)に近い位置となっている。このため、斜板18にリンクピン23及びローラ26を支持させ、斜板18の重心が斜板18の外周縁側に偏っている構成に比して、前記重心の偏りに起因した斜板18の傾きが抑制されている。
また、圧縮機10の運転中、圧縮反力(矢印Xで示す)はピストン28を介して斜板18に偏作用し、該圧縮反力に基づく荷重は、主として斜板18の摺接面51aを介してローラ26(リンクピン23)に作用する。ここで、ローラ26は、軸N方向の両端部が第1支持部20と第2支持部21とに支持されたリンクピン23に支持されている。このため、ローラ26に作用する圧縮反力に基づく荷重は、リンクピン23を介した第1支持部20と第2支持部21の2箇所に分散して受承される。
また、前記圧縮機10の吐出容量の増大変更時、リンクピン23にガイド孔50aが接触(摺接)し、ガイド孔50aの長さ方向における他端(駆動軸16側)にリンクピン23が位置するように斜板18が移動することで(図3及び図4参照)、斜板18はガイド孔50aによって傾斜角度を大きくする方向へ案内される。一方、前記圧縮機10の吐出容量の減少変更時、リンクピン23にガイド孔50aが接触(摺接)し、ガイド孔50aの長さ方向における一端にリンクピン23が位置するように斜板18が移動することで、斜板18はガイド孔50aによって傾斜角度を小さくする方向へ傾動するように案内される。そして、圧縮機10の吐出容量の変更時(増大又は減少)、摺接面51aがローラ26に摺接するとともに、ローラ26は摺接面51aが移動する方向へ回転する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ローラ26を支持したリンクピン23は、その軸N方向の両端部がラグプレート17に突設された第1支持部20と第2支持部21とによって支持されている。このため、例えば、ローラ26を回転可能に支持したリンクピン23を、斜板18に支持させた構成に比して斜板18を軽量化でき、斜板18の重心を、該斜板18の外周縁側から駆動軸16側(中央側)に近づけることができる。したがって、ローラ26を支持したリンクピン23を斜板18に支持させた構成に比して、斜板18の重心の偏りに起因した不具合(例えば、斜板18の傾き)の発生を抑制することができる。その結果として、例えば、吐出容量を下げるべく斜板18の傾斜角度を小さくする方向へ制御しても、前記重心の偏りによって、斜板18が傾斜角度を大きくする方向へ傾くことを抑制でき、圧縮機10の容量制御性を向上させることができる。
(2)ローラ26を支持したリンクピン23は、第1支持部20と第2支持部21とによって軸N方向における両端部が支持されている。そして、斜板18(摺接部51)を介してローラ26(リンクピン23)に作用する圧縮反力に基づく荷重は、リンクピン23を介した第1支持部20と第2支持部21の2箇所で受承される。このため、例えば、リンクピン23が、その軸N方向の一端部のみが支持部によって片持ち支持され、該1つの支持部で前記荷重を受承する構成に比して、各支持部20,21が受承する荷重を低減させることができる。したがって、第1及び第2支持部20,21の強度を、リンクピン23を片持ち支持する構成ほど高める必要がなく、第1及び第2支持部20,21の大型化を招くことを抑制し、ひいては圧縮機10の小型化も図ることができる。
(3)斜板18に偏作用した圧縮反力による斜板18の傾きに伴い、摺接部51がローラ26に当接し、ガイド孔50aにおけるラグプレート17側の周面がリンクピン23の第2端部23b側の周面に当接する。すなわち、斜板18に圧縮反力が偏作用したとき、摺接部51がローラ26に当接する方向と、ガイド孔50aの周面がリンクピン23に当接する方向とが異なり、リンクピン23とローラ26とは互いに逆方向へ回転しようとする。
このとき、リンクピン23は、第1及び第2ベアリング24,25を介して第1及び第2支持部20,21(ラグプレート17)に回転可能に支持され、リンクピン23とローラ26とは独立して回転可能になっている。このため、ローラ26とリンクピン23の逆方向への回転を可能とすることができる。したがって、斜板18に圧縮反力が偏作用したとき、ローラ26は摺接面51aに対して転がり接触となるとともに、リンクピン23(第2端部23b側)もガイド孔50aの周面に対し転がり接触となり、リンクピン23及びローラ26における滑り接触が防止される。その結果として、リンクピン23とガイド孔50aとの摩擦抵抗、及びローラ26と摺接面51aとの摩擦抵抗を低減させることができる。
(4)斜板18のラグプレート17側に突部50を設け、該突部50のガイド孔50a内にリンクピン23を挿通した。このため、斜板18は、ラグプレート17に常に係合しており、例えば、クランク室15内での急激な圧力上昇が発生しても、斜板18がラグプレート17から離間することが防止できる。その結果として、斜板18が上死点対応位置Tにあるとき、斜板18がラグプレート17から離間することでピストン28が弁・ポート形成体13に接触すること(所謂、トップ当たり)を防止して、トップ当たりに起因した騒音発生を防止することができる。
(5)リンクピン23の軸N方向の両端部は、第1及び第2ベアリング24,25を介して第1及び第2支持部20,21に支持されている。このため、第1及び第2ベアリング24,25によってリンクピン23を確実に回転させることができ、第1及び第2支持部20,21の挿通孔20a,21aでのリンクピン23の滑り接触を防止することができる。その結果とし、リンクピン23と挿通孔20a,21aとの摩擦抵抗を低減させることができる。
(6)斜板18の傾動を案内する案内部としてのガイド孔50aは、突部50を貫通して形成された長孔である。このため、例えば、斜板18の傾動を案内する案内部を突部50の下方又は上方が開放された長溝によって形成した場合に比して、突部50の強度を高めることができる。
(7)第1支持部20において、リンクピン23の軸N方向に沿った厚みD1と、第2支持部21において、リンクピン23の軸N方向に沿った厚みD2は同じである。このため、挿通孔20a,21aに配設された第1ベアリング24と第2ベアリング25は同じサイズのものが使用されている。したがって、例えば、第1支持部20と第2支持部21の厚みD1,D2が異なり、挿通孔20a,21aにサイズの異なるベアリングを用いて可変容量型圧縮機10を組み立てる場合に比して、可変容量型圧縮機10の組立作業を容易とすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 突部50において、案内部を突部50の下方又は上方が開放した長溝状に形成してもよい。
○ 軸受け手段として、リンクピン23の第1及び第2端部23a,23bの周面又は挿通孔20a,21aの周面に複数の凹部を形成し(例えば、ポーラス処理等)、第1及び第2端部23a,23bの周面と挿通孔20a,21aの周面との間に潤滑油を注入した構成としてもよい。このように構成すると、複数の凹部に潤滑油が保持され、第1及び第2端部23a,23bの周面と挿通孔20a,21aの周面との間の潤滑が維持される。その結果として、第1及び第2端部23a,23bの周面と挿通孔20a,21aの周面の間の摩擦抵抗を低減させ、リンクピン23を第1及び第2支持部20,21に円滑に回転可能に支持することができる。
○ 軸受け手段として、リンクピン23の第1及び第2端部23a,23bの周面、及び挿通孔20a,21aの周面の少なくとも一方をメッキ処理又は樹脂コーティングした構成としてもよい。
○ 図6に示すように、第1及び第2ベアリング24,25を削除するとともに、リンクピン23の第1及び第2端部23a,23bを、第1及び第2支持部20,21の挿通孔20a,21aに圧入し、リンクピン23を回転不能に第1及び第2支持部20,21に支持させてもよい。
○ ラグプレート17における斜板18側の端面17aにおいて、第1支持部20と第2支持部21の間であり、突部50と摺接部51との間となる位置に3つ目、さらには4つ目の支持部を突設してもよい。そして、第1支持部20と第2支持部21により、リンクピン23の軸N方向における両端部を支持し、3つ目及び4つ目の支持部によってリンクピン23の軸N方向における中央部を支持してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記少なくとも2つの支持部において、リンクピンの軸方向に沿った厚みは同じである請求項3に記載の可変容量型圧縮機。
実施形態の可変容量型圧縮機を示す縦断面図。 ヒンジ機構付近を示す平面図。 ヒンジ機構付近を示す図2の3−3線断面図。 ヒンジ機構付近を示す一部破断側面図。 ヒンジ機構付近を示す図4の5−5線断面図。 別例のヒンジ機構付近を示す平断面図。 背景技術のヒンジ機構付近を示す平断面図。
符号の説明
10…可変容量型圧縮機、11…ハウジングを構成するシリンダブロック、12…ハウジングを構成するフロントハウジング、14…ハウジングを構成するリヤハウジング、16…駆動軸、17…ラグプレート、18…カムプレートとしての斜板、19…ヒンジ機構、20…支持部としての第1支持部、21…支持部としての第2支持部、23…リンクピン、24,25…軸受け手段としての第1及び第2ベアリング、26…ローラ、27…シリンダボア、28…ピストン、50…突部、50a…案内部としてのガイド孔、51…摺接部。

Claims (4)

  1. ハウジングには駆動軸が回転可能に支持されているとともに、ハウジングにおける前記駆動軸の周囲にはシリンダボアが複数配設され、前記駆動軸にはラグプレートが一体回転可能に連結されているとともに、カムプレートが傾動可能に支持され、前記シリンダボア内には前記カムプレートに係留されたピストンが往復動可能に収容され、前記ラグプレートと前記カムプレートとの間にはヒンジ機構が介在されており、該ヒンジ機構によって前記カムプレートの傾動が案内されることで前記ピストンのシリンダボア内でのストロークが変更されて吐出容量を変更可能とする可変容量型圧縮機において、
    前記ヒンジ機構は、前記ラグプレートにおける前記カムプレート側に突設された少なくとも2つの支持部と、
    軸方向における少なくとも両端部が前記支持部によって支持されたリンクピンと、
    前記リンクピンに回転可能に支持され、前記リンクピンの両端部を支持する支持部の間に配設されるローラと、
    前記カムプレートにおけるラグプレート側に突設され、前記リンクピンが挿通されるとともに、該リンクピンに対する接触によって前記カムプレートの傾動を案内する案内部が形成された突部と、
    前記カムプレートにおけるラグプレート側に設けられ、前記カムプレートの傾動の際に前記ローラに摺接する摺接部とからなることを特徴とする可変容量型圧縮機。
  2. 前記リンクピンは、軸受け手段を介して前記支持部に回転可能に支持され、前記リンクピンと前記ローラとは互いに独立して回転可能である請求項1に記載の可変容量型圧縮機。
  3. 前記軸受け手段は、前記支持部と前記リンクピンとの間に介在されるベアリングである請求項2に記載の可変容量型圧縮機。
  4. 前記案内部は長孔である請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の可変容量型圧縮機。
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