JP4465223B2 - 濾過体及びその製造方法並びに流体フィルタ - Google Patents

濾過体及びその製造方法並びに流体フィルタ Download PDF

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Description

本発明は、濾過体及びその製造方法並びに流体フィルタに関し、さらに詳しくは、加工性に優れると共に、耐熱性及び耐久性に優れた高強度な濾過体及びその製造方法並びに流体フィルタに関する。
従来一般に、流体フィルタに用いられる濾過体として、菊花型エレメントの軸方向の両端部に、熱溶融型接着剤によりシール部材を取着してなるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
しかし、上記特許文献1では、菊花型エレメントの折曲げ工程上でビードを形成する必要があるが、生産性の観点から菊花型エレメントの軸方向の両端部を冶具で挟圧すると、ビードが形成されないことがある。また、再活性を有するポリアミド等の熱溶融型接着剤を用いる場合、高温放置による変形の問題がある。また、熱溶融型接着剤は活性時及び再活性時に高温にて保持する必要があり、複雑・高価な製造設備が必要である。さらに、熱溶融型接着剤は硬化するまでに比較的時間がかかる等の問題があった。
そこで、上記問題を解決する従来の濾過体として、筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなるものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。このような構成により、加熱工程を設けたり、シール部材を別途組付けたりする必要がなく、製造工程及び部品点数を低減できる等の利点を有する。
しかし、上記特許文献2では、光硬化性樹脂として、アクリル樹脂等の熱可塑性高分子材料を用いた場合、その材料の強度面における温度依存性により、例えば、自動車エンジンの潤滑油等のように極めて高温環境下となり得る用途に適用した場合、シール部の強度面の問題により使用可能となる温度環境が限られていた。
特開平10−57716号 特開2003−181212号
以上より本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、加工性に優れると共に、耐熱性及び耐久性に優れた高強度な濾過体を提供することを目的とする。
また、本発明は、その濾過体の好適な製造方法、並びのその濾過体を用いた好適な流体フィルタを提供することを他の目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、
前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられており、
前記補強部材が合成樹脂よりなり、該補強部材の光透過率(T1)と、前記光硬化性樹脂の光透過率(T2)との比(T1/T2)が0.7〜1.3であることを特徴とする濾過体。
2.筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、
前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられており、
前記補強部材の厚さ(t)と、前記菊花型エレメントの軸方向の端面から前記シール部のシール面までの高さ(h)との比(t/h)が0.1〜0.8であることを特徴とする濾過体。
3.筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、
前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられており、
前記補強部材の外周縁が、前記シール部の外周縁より内側に位置しており、該補強部材の外周縁と該シール部材の外周縁との間隔(a)が3mm以下であることを特徴とする濾過体。
4.前記補強部材が、メッシュ構造を有する補強シートである上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の濾過体。
5.前記多数の空隙部が、1インチ平方当たりに30〜250である上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の濾過体。
6.前記補強部材の一方の表面が、前記菊花型エレメントの軸方向の端面に接触している上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の濾過体。
7.筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられている濾過体の製造方法であって、
透明な成形型の内部に、多数の空隙部を有するリング状の補強部材及び光硬化性樹脂を配設する工程と、
前記成形型を、筒状の菊花型エレメントの軸方向の端面にあてた状態で、前記光硬化性樹脂を光硬化させて該菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部を形成する工程と、を備え、
前記配設する工程は、前記成形型の内部に、前記補強部材を配設し、その後、前記光硬化性樹脂を配設する工程であり、
前記形成する工程は、前記成形型を、その軸心が上下方向を向いた前記菊花型エレメントの軸方向の下端面にあてた状態で、該菊花型エレメントの上下方向を反転させ、その後、前記光硬化性樹脂を光硬化させる工程であることを特徴とする濾過体の製造方法
8.上記1.乃至6.のいずれか一項に記載の濾過体の製造方法であって、
筒状の菊花型エレメントの軸方向の端面に、多数の空隙部を有するリング状の補強部材を配設する工程と、
その配設された前記補強部材の表面に光硬化性樹脂を配設する工程と、
その配設された前記光硬化性樹脂に透明な成形型をあてた状態で、前記光硬化性樹脂を光硬化させて前記菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部を形成する工程と、
を備えることを特徴とする濾過体の製造方法。
9.上記1.乃至6.のいずれか一項に記載の濾過体の製造方法であって、
透明な成形型の内部に、多数の空隙部を有するリング状の補強部材及び光硬化性樹脂を配設する工程と、
前記成形型を、筒状の菊花型エレメントの軸方向の端面にあてた状態で、前記光硬化性樹脂を光硬化させて該菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部を形成する工程と、
を備えることを特徴とする濾過体の製造方法。
10.前記配設する工程は、前記成形型の内部に、前記補強部材を配設し、その後、前記光硬化性樹脂を配設する工程であり、
前記形成する工程は、前記成形型を、その軸心が上下方向を向いた前記菊花型エレメントの軸方向の下端面にあてた状態で、該菊花型エレメントの上下方向を反転させ、その後、前記光硬化性樹脂を光硬化させる工程である上記9.記載の濾過体の製造方法。
11.前記光硬化性樹脂の粘度が10000〜100000mPa・sである上記8.乃至10.のいずれか一項に記載の濾過体の製造方法。
12.上記1.乃至6.のいずれか一項に記載の濾過体と、該濾過体を収納する収納体と、該収納体に設けられ且つ該濾過体を上下方向から支持する上方支持部及び下方支持部と、を備え、
前記シール部が、前記菊花型エレメントの軸方向の両端面と、前記上方支持部及び前記下方支持部との間をシールしていることを特徴とする流体フィルタ。
本発明の濾過体によれば、シール部(光硬化性樹脂)の内部に高強度な補強部材が一体に設けられているので、流体フィルタの使用時に、シール部において菊花型エレメントの軸方向の端面の外周側で発生する強い引張力に対する優れた耐久性及び耐熱性を発揮でき、シール部の劣化が抑制される。
また、前記補強部材が、メッシュ構造を有する補強シートである場合は、補強部材に対して光硬化性樹脂を透過させ易く、シール部の加工性を向上させることができる。また、光透過性に優れる。
また、前記補強部材が合成樹脂よりなり、該補強部材の光透過率と、前記光硬化性樹脂の光透過率との比が0.7〜1.3である場合は、補強部材の光透過率と光硬化性樹脂の光透過率が略同じ値となるので、シール部の加工性をさらに向上させることができる。
また、前記補強部材の厚さと、前記菊花型エレメントの軸方向の端面から前記シール部のシール面までの高さとの比が0.1〜0.8である場合は、シール部自体の適度な強度・弾性を確保しつつ、補強部材による十分な補強効果を発揮できる。
また、前記多数の空隙部が、1インチ平方当たりに30〜250である場合は、補強部材に対して光硬化性樹脂を透過させ易く、シール部の加工性をさらに向上させることができる。また、光透過性に優れる。
また、前記補強部材の一方の表面が、前記菊花型エレメントの軸方向の端面に接触している場合は、補強部材によるさらに強力な補強効果を発揮できる。
また、前記補強部材の外周縁が、前記シール部の外周縁より内側に位置しており、該補強部材の外周縁と該シール部材の外周縁との間隔が3mm以下である場合は、補強部材によるさらに強力な補強強化を発揮できる。
本発明の濾過体の製造方法によれば、先ず、菊花型エレメントの軸方向の端面に補強部材が配設され、次に、その配置された補強部材の表面に光硬化性樹脂が配設され、次いで、その配設された光硬化性樹脂に透明な成形型をあてた状態で、この光硬化性樹脂を光硬化させて菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部が形成される。従って、加熱工程やシール部材を別途設ける必要がなく、製造工程及び部品点数を低減できる。
他の本発明の濾過体の製造方法によれば、先ず、透明な成形型の内部に補強部材及び光硬化性樹脂が配設され、次いで、その成形型を、菊花型エレメントの軸方向の端面にあてた状態で、光硬化性樹脂を光硬化させて菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部が形成される。従って、加熱工程やシール部材を別途設ける必要がなく、製造工程及び部品点数を低減できる。
また、前記配設する工程は、前記成形型の内部に、前記補強部材を配設し、その後、前記光硬化性樹脂を配設する工程であり、前記形成する工程は、該菊花型エレメントの上下方向を反転させ、その後、前記光硬化性樹脂を光硬化させる工程である場合は、光硬化性樹脂の硬化条件(例えば、粘度、温度、光照射時間、強さ等)をより容易に管理することができる。
また、前記光硬化性樹脂の粘度が10000〜100000mPa・sである場合は、光硬化性樹脂の硬化条件をさらに容易に管理することができる。また、菊花型エレメントの端部において、この光硬化性樹脂を浅すぎず深すぎず適度な深さまで浸入させることができる。また、菊花型エレメントを反転させる場合、光硬化性樹脂の中で補強部材を好適に下降させることができる。
本発明の流体フィルタによれば、シール部によって、菊花型エレメントの軸方向の両端面と、上方支持部及び下方支持部との間がシールされる。そして、シール部(光硬化性樹脂)の内部に高強度な補強部材が一体に設けられているので、流体フィルタの使用時に、シール部において菊花型エレメントの軸方向の端面の外周側で発生する強い引張力に対する優れた耐久性及び耐熱性を発揮でき、シール部の劣化が抑制される。
1.濾過体
本発明に係る濾過体は、以下に述べる菊花型エレメント、シール部、及び補強部材を備えて構成される。この濾過体は、例えば、プロテクタ部材を更に備えることができる。このプロテクタ部材は、通常、筒状であり、その周面に多数の貫通孔が形成されている。
上記「菊花型エレメント」は、筒状である限り、その材質、大きさ、形状等は特に問わない。この菊花型エレメントは、通常、多数のひだを有し、お互いに隣り合うひだの軸方向の両端部及び/又は両端部近傍が接着剤により接着されている。この接着剤の材質としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を挙げることができる。この接着剤が光硬化性樹脂である場合、後述するシール部を形成すると同時に、隣り合うひだを接着することができる。また、上記菊花型エレメントとしては、例えば、不織布、織物、濾紙等を挙げることができる。
上記「シール部」は、上記菊花型エレメントの軸方向の両端部に設けられ且つ光硬化性樹脂を硬化させてなる限り、その形状、大きさ、配置形態等は特に問わない。このシール部は、通常、リング状を有している。また、このシール部は、その硬さがJIS K 7215(デュメール硬さ)において、10〜100、より35〜90、特に60〜80であることが好ましい。
上記シール部は、例えば、上記菊花型エレメントの端面より軸方向外側に位置する主シール部位と、菊花型エレメントの端面より軸方向内側に位置する接着部位とを有していることができる(図4参照)。これにより、シール部が、シール性確保のための所定の弾性を有すると共に、シール部と菊花型エレメントとの接着性を向上させることができる。この接着部位は、例えば、菊花型エレメント(例えば、不織布製)に浸透していることができる。これにより、更に接着性を向上させることができる。また、上記シール部は、例えば、上記菊花型エレメントの内周面より求心方向に延びていることができる。これにより、菊花型エレメント及び上記プロテクタ部材の軸方向の両端部を好適にシールできる。
なお、上記シール部は、通常、後述する補強部材の多数の空隙部に充填される部位を有している。
また、上記シール部は、例えば、上記菊花型エレメントの外周縁に向って遠心方向に延びていることができる。これにより、この菊花型エレメントのひだを予め接着剤により接着する工程を無くすことができる。この場合、シール部の形成形態としては、例えば、菊花型エレメントの軸方向の両端面の全域(隣接するひだ間の端面も含む領域)に延びている形態(図14及び15参照)、菊花型エレメントの軸方向の両端面のひだに沿って延びている形態(図16及び17参照)等を挙げることができる。
上記光硬化性樹脂は、通常、硬化性重合体(未硬化の重合体、オリゴマー等)に、光重合開始剤が配合された組成物であり、可視光、紫外光、電子線、中性子線等により光重合されるものである。この光硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂(シリコーンポリエステル型、アクリロイル基を有するアクリルシリコーン、メルカプト−ビニル付加重合型等)、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、グアナミン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂等を用いることができる。この樹脂は無溶剤型であっても、溶剤型であってもよい。
上記「補強部材」は、上記シール部の内部に設けられ且つ多数の空隙部を有するリング状である限り、その構造、材質、形状等は特に問わない。この補強部材の構造としては、例えば、メッシュ構造、多孔質構造、発泡構造等を挙げることができる。光硬化性樹脂の透過性及び光透過性といった観点から、この補強部材がメッシュ構造を有する補強シートであることが好ましい。
上記補強部材の材質としては、例えば、合成樹脂、ゴム、金属、セラミック、ガラス等を挙げることができる。これらのうち合成樹脂が好ましい。この合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等を挙げることができる。また、この合成樹脂としては、波長100〜600nmの間のいずれかの波長において、透光性を有するものが好ましい。この場合、補強部材の光透過率T1と、上記光硬化性樹脂の光透過率T2との比(T1/T2)が、0.7〜1.3、より0.8〜1.2、特に0.9〜1.1であることが好ましい。補強部材及び光硬化性樹脂の光透過率が同等となり、この補強部材の表面側及び裏面側に位置する光硬化性樹脂を均一に硬化させることができるためである。また、この合成樹脂の熱軟化点としては、JIS K 7207(荷重たわみ温度)において、140℃、より160℃、特に180℃以上であることが好ましい。
ここで、図4に示すように、上記補強部材の厚さtと、上記菊花型エレメントの軸方向の端面からシール部のシール面までの高さhとの比(t/h)が、0.1〜0.8、より0.15〜0.6、特に0.2〜0.5であることが好ましい。シール部自体の適度な強度・弾性を確保しつつ、補強部材による十分な補強効果を発揮できるためである。
上記補強部材の厚さtは、菊花型エレメントやシール部のサイズ等に応じて適宜選択することができるが、菊花型エレメントが車両用である場合、補強部材の厚さtが、0.05〜1.0mm、より0.07〜0.7mm、特に0.1〜0.5mmであることが好ましい。また、上記シール部の高さhは、菊花型エレメントのサイズ等に応じて適宜選択することができるが、菊花型エレメントが車両用である場合、シール部の高さhが、0.5〜2.0mm、より0.6〜1.8mm、特に0.7〜1.6mmであることが好ましい。
上記空隙部の個数、形状、大きさ等は特に問わないが、上記多数の空隙部が、1インチ平方当たりに30〜250、より50〜200、特に70〜150であることが好ましい。光硬化性樹脂の透過性及び光透過性に優れ、また、補強部材の外周縁でのばり(もつれ)の発生がなく、さらに優れた平面性及び加工性を示すためである。また、上記多数の空隙部が、実質的に同じ形状・大きさに形成されていることが好ましい。さらに、上記多数の空隙部には、通常、上記シール部を構成する部位が充填されている。
上記補強部材は、例えば、その一方の表面が、上記菊花型エレメントの軸方向の端面に接触しないように配置されていることができる。ただし、流体フィルタの使用時に、シール部において菊花型エレメントの軸方向の端面の外周側で強い引張力がかかる。従って、より強力な補強効果を発揮できるといった観点から、上記補強部材は、その一方の表面が、上記菊花型エレメントの軸方向の端面に接触するように配置されていることが好ましい。なお、上記補強部材の他方の表面は、通常、上記シール部のシール面から露出していない。シール部のシール性が損なわれるためである。また、上記「接触」とは、必ずしも全面で接触している必要はなく、補強部材の表面積の80%(好ましくは90%)以上で接触している状態を意味する。
上記補強部材の外周縁は、例えば、上記シール部の外周縁より外側に位置していることができる。製品の美観といった観点から、上記補強部材の外周縁が、上記シール部の外周縁より内側に位置していることが好ましい。この場合、補強部材の外周縁とシール部材の外周縁との間隔a(図4参照)は、例えば、3mmを超える値に設定されていることができる。ただし、上述のように、流体フィルタの使用時に、シール部において菊花型エレメントの軸方向の端面の外周側で強い引張力がかかる。従って、より強力な補強効果を発揮できるといった観点から、上記間隔aが、3mm、より2mm、特に1mm以下であることが好ましい。
2.濾過体の製造方法[1]
本発明に係る濾過体の製造方法は、上述の濾過体の製造方法であって、上記菊花型エレメントの軸方向の端面に、上記補強部材を配設する工程(a)と、その配設された補強部材の表面に上記光硬化性樹脂を配設(例えば、塗布等)する工程(b)と、その配設された光硬化性樹脂に透明な成形型をあてた状態で、この光硬化性樹脂を光硬化させて菊花型エレメントの軸方向の端部に上記シール部を形成する工程(c)と、を備えることを特徴とする。
上記工程(a)では、例えば、上記菊花型エレメントは、その軸方向が上下方向を向くように配置されており、この菊花型エレメントの軸方向の上端面に補強部材が配設されることができる。
上記工程(b)において、光硬化性樹脂の粘度が、10000〜100000mPa・s、より25000〜80000mPa・s、特に40000〜60000mPa・sであることが好ましい。光硬化性樹脂の硬化条件をより容易に管理でき加工性に優れるためである。また、菊花型エレメントに対して、この光硬化性樹脂を浅すぎず深すぎず適度な深さまで浸入させ、両者の接着性を向上させることができる。
上記工程(c)において、可視光、紫外光等の照射時間は、通常、25〜35秒程度である。
尚、上記「成形型」は、通常、成形する上記シール部の形状に応じた成形部(溝)を有している。また、上記「透明」とは、光を透過させ得ることを意味し、必ずしも無色透明である必要はない。これらは、以下の発明においても同様に適用されるものとする。
3.濾過体の製造方法[2]
他の本発明に係る濾過体の製造方法は、上述の濾過体の製造方法であって、透明な成形型の内部に、上記補強部材及び上記光硬化性樹脂を配設する工程(a)と、前記成形型を、上記菊花型エレメントの軸方向の端面にあてた状態で、この光硬化性樹脂を光硬化させて菊花型エレメントの軸方向の端部に上記シール部を形成する工程(b)と、を備えることを特徴とする。
上記工程(a)において、補強部材及び光硬化性樹脂を配設する順序、タイミング等は特に問わないが、上記工程(a)では、成形型の内部に、補強部材を配設し、その後、光硬化性樹脂を配設(例えば、充填等)することが好ましい。この場合、上記工程(b)では、成形型を、その軸心が上下方向を向いた菊花型エレメントの軸方向の下端面にあてた状態で、この菊花型エレメントの上下方向を反転させ、その後、光硬化性樹脂を光硬化させることが好ましい。光硬化性樹脂の硬化条件をより容易に管理でき加工性に優れるためである。
なお、上記菊花型エレメントを反転させると、成形型も反転され、液状の光硬化性樹脂の中を補強部材が沈下することとなる。従って、光硬化性樹脂の粘度や光照射時間等を適宜管理することによって、シール部に対する補強部材の高さ位置を調整することができる。
上記工程(a)において、光硬化性樹脂の粘度が、10000〜100000mPa・s、より25000〜80000mPa・s、特に40000〜60000mPa・sであることが好ましい。光硬化性樹脂の硬化条件をより容易に管理でき加工性に優れるためである。また、菊花型エレメントに対して、この光硬化性樹脂を浅すぎず深すぎず適度な深さまで浸入させ、両者の接着性を向上させることができる。また、菊花型エレメントを反転させる際、光硬化性樹脂の中で補強部材を好適に下降させることができる。
上記工程(b)において、可視光、紫外光等の照射時間は、通常、25〜35秒程度である。
4.流体フィルタ
本発明に係る流体フィルタは、上述の濾過体と、この濾過体を収納する収納体と、この収納体に設けられ且つ濾過体を上下方向から支持する上方支持部及び下方支持部と、を備え、上記シール部が、上記菊花型エレメントの軸方向の両端面と、上方支持部及び下方支持部との間をシールしていることを特徴とする。
以下、図面に基づいて実施例により本発明を具体的に説明する。
本発明を具体化した実施例について、いわゆる「スピンオン型」のオイルフィルタを例として図面に基づいて説明する。
尚、本実施例では、本発明に係る「流体フィルタ」として、スピンオン型のオイルフィルタを例示する。このオイルフィルタは、自動車等の車両のエンジン潤滑系回路の途中に適宜固定手段を介して設置され、エンジンオイル中に混入する塵埃(ダスト)、金属磨耗片やスラッジなどの異物を濾過し得るものである。
〔実施例1〕
(1)オイルフィルタの構成
本実施例1に係るオイルフィルタ1は、図1に示すように、ケーシング2(本発明に係る「収納体」として例示する)と、このケーシング2内に収納される濾過体10と、この濾過体10を上下方向から狭持するリリーフバルブ4(本発明に係る「上方支持部」として例示する。)及びチェックバルブ5(本発明に係る「下方支持部」として例示する。)と、を備えている。
上記ケーシング2は、濾過体10を収納するための筒状のケース部材2aと、ケース部材2aの下部に形成された開放部を閉鎖するボトムプレート2bとからなる。このボトムプレート2bには、その中央部に1つのオイル流出口6が形成されると共に、このオイル流出口6の周囲に円周方向に沿って所定間隔で複数のオイル流入口7が形成されている。そして、この濾過体10を構成する後述のシール部によって、ケーシング2内の空間は、オイル流入口7に連なり濾過体10の上流側となる油路8aと、オイル流出口6に連なり濾過体10の下流側となる油路8bとに分割されている。
(2)濾過体の構成
本実施例1に係る濾過体10は、図2及び図3に示すように、筒状の菊花型エレメント11と、この菊花型エレメント11の上端部12a及び下端部12bに設けられるリング状のシール部14,15と、を備えている。
上記菊花型エレメント11は、不織布からなる濾材を折曲げて菊花状に形成され、多数のひだ16を有している。また、お互いに隣り合うひだ16の内面の上端部近傍13a及び下端部近傍13bが接着層17(熱可塑性樹脂層等)により接着されている。
尚、本実施例1では、菊花型エレメント11の上端部近傍13aの上側(即ち上端部12a)及び下端部近傍13bの下側(即ち下端部12b)には、接着層17が形成されていない。
上記シール部14,15は、光硬化性樹脂(アクリル系樹脂等)より形成されている。これらのシール部14,15は、所定の弾性力を有するものであり、その硬さが、JIS K 7215で約70である。そして、上記濾過体10をケーシング2内に収納した状態で、シール部14によって、濾過体10の上面部とリリーフバルブ4との間がシールされていると共に、シール部15によって、濾過体10の下面部とチェックバルブ5との間がシールされている(図1参照)。
なお、液状の上記光硬化性樹脂は、波長400nmにて透光性を有している。また、各シール部14,15は、上下対称の同じ構造であるため、以下の説明では、シール部14についてのみ詳説し、シール部15については詳説を省略する。
上記シール部14は、図4に示すように、菊花型エレメント11の上端面より軸方向外側に位置する主シール部位14aと、菊花型エレメント11の上端面より軸方向内側に位置する接着部位14bとを有している。また、このシール部14は、菊花型エレメント11の内周面より求心方向に延びて形成されている。また、菊花型エレメント11の上端面からシール部14のシール面までの高さ、即ち、主シール部位14aの軸方向高さhは、約0.5mmに設定されている。
また、上記シール部14の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強シート18(本発明に係る「補強部材」として例示する。)が設けられている。上記補強シート18は、ポリエステル樹脂より形成され、波長400nmにて透光性を有している。そして、この補強シート18の光透過性T1と、上記光硬化性樹脂の光透過性T2との比(T1/T2)が約1.0となっている。また、この補強シート18の熱軟化点は、JIS K 7207(荷重たわみ温度)において、240℃である。
また、上記補強シート18は、図5に示すように、メッシュ構造を有している。このメッシュ構造において、多数の空隙部は、1インチ平方当たりに100に設定されている。また、多数の空隙部は、実質的に同じ形状・大きさに形成されている。さらに、多数の空隙部には、上記シール部14の一部が充填されている。
ここで、図4に示すように、上記補強シート18の厚さtは0.2mmに設定されている。従って、この補強シート18の厚さt(0.2mm)と、主シール部位14aの高さh(0.5mm)との比(t/h)が0.4となっている。
また、上記補強シート18の一方の表面が、菊花型エレメント11の軸方向の端面に接触するように配置されている。また、この補強シート18の他方の表面は、シール部14のシール面から露出していない。また、上記補強シート18の外周縁は、シール部14(主シール部14a)の外周縁より内側に位置している。そして、この補強シート18の外周縁とシール部14の外周縁との間隔aは、約0.3mmに設定されている。
(3)濾過体の製造方法
次に、本実施例1に係る濾過体10の製造方法について説明する。
先ず、上述のように、多数のひだ16を有し、隣り合うひだ16の上端部近傍13a及び下端部近傍13bが接着層17で接着された菊花型エレメント11(図6及び7参照)を用意する。次に、その軸方向が垂直方向を向いた状態の菊花型エレメント11の上端面の内周側に、上記補強シート18を載置し、次いで、その載置された補強シート18を覆うように上記光硬化性樹脂を塗布する(図8及び9参照)。この塗布される光硬化性樹脂の粘度は、温度約25℃で、48000±5000mPa・sである。
その後、菊花型エレメント11の上方から、その塗布された光硬化性樹脂に向って透明な成形型100(図9参照)が押し当てられる。すると、光硬化性樹脂が菊花型エレメント11の上端部12aの内部まで圧入され、この状態より、所定時間(約30秒)でもって可視光、紫外光等の照射が行われる(図10参照)。その結果、菊花型エレメント11の上端部12aにシール部14が形成される。このシール部14において、主シール部位14aが、菊花型エレメント11の上端面から露出する一方、接着部位14bが、菊花型エレメント11の隣接するひだ16間に浸入し、更に菊花型エレメント11(不織布)中の樹脂に浸透している。
なお、上述のように得られた濾過体10において、菊花型エレメント11の内周面には、多数の貫通孔を有する筒状で金属製のプロテクタ部材9(図1参照)が装着される。そして、その濾過体10が、ケース部材2aに収納され、このケース部材2aにボトムプレート2bが装着されて、上述のオイルフィルタ1が得られることとなる。
(4)濾過体の他の製造方法
次に、本実施例1に係る濾過体10の他の製造方法について説明する。
先ず、上述のように、多数のひだ16を有し、隣り合うひだ16の上端部近傍13a及び下端部近傍13bが接着層17で接着された菊花型エレメント11(図6及び7参照)を用意する。次に、透明な成形型100の内部に、先ず、上記補強シート18を載置し、その後、その載置された補強シート18を覆うように上記光硬化性樹脂を充填する(図11参照)。この充填される光硬化性樹脂の粘度は、温度約25℃で、48000±5000mPa・sである。
次いで、その軸方向が垂直方向を向いた状態の菊花型エレメント11の下方から、上記成形型100を押し当てる。すると、成形型100内の光硬化性樹脂が菊花型エレメント11の下端部12bの内部まで圧入される(図12参照)。その後、成形型100を押し当てたままで、菊花型エレメント11の上下方向を反転させ、その状態より、所定時間(約30秒)でもって可視光、紫外光等の照射が行われる(図13参照)。この反転の際に、補強シート18は、液状の光硬化性樹脂の中を沈下して、その一方の表面が菊花型エレメント11の上端面に接触する位置に配置される。その結果、菊花型エレメント11の上端部12aにシール部14が形成される。このシール部14において、主シール部位14aが、菊花型エレメント11の上端面から露出する一方、接着部位14bが、菊花型エレメント11の隣接するひだ16間に浸入し、更に菊花型エレメント11(不織布)中の樹脂に浸透している。
(5)実施例1の効果
本実施例1では、菊花型エレメント11の上端部12a及び下端部12bに、光硬化性樹脂よりなるシール部14,15を一体的に設けたので、従来のように、熱溶融型接着剤によりシール部材を接着させるものに比べて、別途シール部材を用いる必要がなく、部品点数を低減できる。また、高温放置による変形の問題がほぼなく、また高温加熱工程を必要とせず、また簡易・安価な製造設備で製造でき、さらに硬化を比較的短時間で行うことがきる。
また、本実施例1では、シール部14,15の内部に、メッシュ構造を有するリング状の補強シート18を設けたので、オイルフィルタ1の使用時に、シール部14,15において菊花型エレメント11の軸方向の端面の外周側で発生する強い引張力に対する優れた耐久性及び耐熱性を発揮でき、シール部14,15の劣化が抑制される。また、シール部14,15を成形する際に、補強シート18に対して光硬化性樹脂を透過させ易く、さらに所定の光透過率を有しているので、シール部14,15の加工性を向上させることができる。
また、本実施例1では、補強シート18における多数の空隙部が、1インチ平方当たりに100に設定されているので、補強シート18に対して光硬化性樹脂を透過させ易く、シール部の加工性をさらに向上させることができる。
また、本実施例1では、ポリエステル製の補強シート18の光透過率T1と、光硬化性樹脂(アクリル系樹脂)の光透過率T2との比(T1/T2)が約1.0に設定されているので、補強シート18及び光硬化性樹脂の光透過率が略同じとなり、シール部14,15の加工性をさらに向上させることができる。
また、本実施例1では、補強シート18の厚さtと、主シール部14bの高さhとの比(t/h)が0.4に設定されているので、シール部14,15自体の適度な強度・弾性を確保しつつ、補強シート18による必要十分な補強効果を発揮できる。
また、本実施例1では、補強シート18の一方の表面が、菊花型エレメント11の軸方向の端面に接触していると共に、補強シート18の外周縁が、シール部14,15(主シール部位14a,15a)の外周縁より内側に位置しており、この補強シート18の外周縁とシール部材14,15の外周縁との間隔aが0.3mmに設定されているので、オイルフィルタ1の使用時に、シール部14,15において菊花型エレメント11の軸方向の端面の外周側で発生する強い引張力に対して、極めて強力な補強効果を発揮することができる。
また、本実施例1の濾過体の製造方法では、先ず、菊花型エレメント11の軸方向の端面に補強シート18が配設され、次に、その配設された補強シート18の表面に、粘度48000±5000mPa・sの光硬化性樹脂が配設され、次いで、その配設された光硬化性樹脂に成形型100をあてた状態で、この光硬化性樹脂を光硬化させて菊花型エレメント11の軸方向の端部にシール部14,15が形成されるようにしたので、製造工程及び部品点数を必要最小限とすることができると共に、光硬化性樹脂の硬化条件(例えば、粘度、温度、光照射時間、強さ等)をより容易に管理でき加工性を向上させることができる。また、菊花型エレメント11の上端部12a及び下端部12bにおいて、光硬化性樹脂を浅すぎず深すぎず適度な深さまで浸入させ、菊花型エレメント11に対するシール部14,15の接着強度を向上させることができる。
また、本実施例1の濾過体の他の製造方法では、先ず、成形型100の内部に補強シート18を配置してから、粘度48000±5000mPa・sの光硬化性樹脂が充填され、次いで、その成形型100を、菊花型エレメント11の軸方向の端面にあてた状態で、菊花型エレメント11の上下方向を反転させ、その後、光硬化性樹脂を光硬化させて菊花型エレメント11の軸方向の端部にシール部14,15が形成されるようにしたので、製造工程及び部品点数を必要最小限とすることができると共に、光硬化性樹脂の硬化条件(例えば、粘度、温度、光照射時間、強さ等)をより容易に管理でき加工性を向上させることができる。また、菊花型エレメント11の上端部12a及び下端部12bにおいて、光硬化性樹脂を浅すぎず深すぎず適度な深さまで浸入させ、菊花型エレメント11に対するシール部14,15の接着強度を向上させることができる。さらに、菊花型エレメント11を反転させた際に、光硬化性樹脂の中で補強シート18を下降させて、補強シート18の一方の表面を菊花型エレメント11の端面に好適に接触させることができる。
〔実施例2〕
次に、本実施例2に係る濾過体20について説明する。
上記濾過体20は、図14及15に示すように、菊花型エレメント21と、この菊花型エレメント21の上端部22a及び下端部22bに設けられる円盤リング状のシール部24,25と、を備えている。
上記菊花型エレメント21は、上記実施例1と同様にして、不織布からなる濾材を折曲げて菊花状に形成され、多数のひだ26を有している。ここで、上記実施例1では、菊花型エレメント11の隣り合うひだ16が接着層17(熱可塑性接着剤)により接着されていたが、本実施例2では、菊花型エレメント21の隣り合うひだ26は、接着層(熱可塑性接着剤)により接着されていない。
上記シール部24,25は、この菊花型エレメント21の軸方向の両端面の全域(隣接するひだ間の端面も含む領域)にわたって延びている。
なお、このシール部24,25は、上記実施例1と同様にして、光硬化性樹脂(例えば、アクリル系樹脂等)より形成されており、実施例1のシール部14,15と略同じ機能・性質等を示すものとする。
また、上記シール部24,25の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強シート28(本発明に係る「補強部材」として例示する。)が設けられている。この補強シート28及びシール部24,25の表面積は略一致している。
なお、この補強シート28は、上記実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂より形成されており、実施例1の補強シート18と略同じ機能・性質等を示すものとする。
本実施例2によれば、上記実施例1の作用・効果に加えて、シール部24,25が、菊花型エレメント21の隣接するひだ26間に浸入し、更に菊花型エレメント21(不織布)中の樹脂に浸透しているので、接着層(熱可塑性樹脂等)により接着された菊花型エレメント11を用いる必要がなく、製造コストの低減及び製造時間の短縮化を図ることができる。
なお、本実施例2の濾過体20は、上記実施例1と同様の製造方法を適用して得ることができる。
〔実施例3〕
次に、本実施例3に係る濾過体30について説明する。
上記濾過体30は、図16及17に示すように、菊花型エレメント31と、この菊花型エレメント31の上端部32a及び下端部32bに設けられる放射リング状のシール部34,35と、を備えている。
上記菊花型エレメント31は、上記実施例2と同様にして、隣り合うひだ36は接着層(熱可塑性接着剤)により接着されていない。
上記シール部34,35は、菊花型エレメント31の軸方向の両端面のひだ36に沿って延びている。
なお、このシール部34,35は、上記実施例1と同様にして、光硬化性樹脂(例えば、アクリル系樹脂等)より形成されており、実施例1のシール部14,15と略同じ機能・性質等を示すものとする。
また、上記シール部34,35の内部には、内周側の所定部位に、多数の空隙部を有するリング状の補強シート38(本発明に係る「補強部材」として例示する。)が設けられている。
なお、この補強シート38は、上記実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂より形成されており、実施例1の補強シート18と略同じ機能・性質等を示すものとする。
本実施例3によれば、上記実施例2の作用・効果に加えて、使用する光硬化性樹脂の量を必要最小限とすることができ、更なる製造コストの低減及び製造時間の短縮化を図ることができる。
なお、本実施例3の濾過体30は、上記実施例1と同様の製造方法を適用して得ることができる。
尚、本発明においては、上記実施例1〜3に限られず、目的、用途に基づいて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例1〜3では、補強シート18、28、38の一方の表面を、菊花型エレメント11、21、31の端面に接触させるようにしたが、これに限定されず、例えば、図18に示すように、補強シート18の一方の表面を、菊花型エレメント11の端面に接触させず、即ち、補強シート18を、主シール部14aの中間部に位置するように配置してもよい。
また、上記実施例1〜3では、補強シート18、28.38の外周縁を、シール部14(15)、24(25)、34(35)の外周縁より内側に位置させるようにしたが、これに限定されず、例えば、図19に示すように、補強シート18の外周縁を、シート部14(15)の外周縁より外側に位置させるようにしてもよい。
また、上記実施例1では、菊花型エレメント11に対して成形型100を押し当てるようにしたが、これに限定されず、例えば、成形型100に対して菊花型エレメント11を押し当てたり、両者を相対的に接近させたりするようにしてもよい。
また、実施例1では、お互いに隣り合っているひだ16の内部の上端部(下端部)近傍を接着するための接着剤として、非光硬化性樹脂を使用しているが、この接着剤として、光硬化性樹脂を用いることができる。これにより、ひだ16の内面のうちお互いに隣り合っている上端部及び下端部及びその近傍の接着時間を短縮することができる。また、本実施例1では、お互いに隣り合っているひだ16の内部の上端部近傍13a及び下端部近傍13bのみを接着しているが、これに限定されず、上端部近傍13a及び下端部近傍13bに加えて、更にお互いに隣り合っているひだ16の内部の上端部12a及び下端部12bを接着したり、お互いに隣り合っているひだ16の内部の上端部12a及び下端部12bのみを接着したりするようにしてもよい。
流体を濾過する技術として利用される。特に、車両に用いられるオイル、エア、燃料等を濾過する技術として好適に利用される。
実施例1に係るオイルフィルタの片側断面とした側面図である。 実施例1に係る濾過体の平面図である。 実施例1に係る濾過体の片側断面とした側面図である。 図3のA部の拡大図である。 実施例1に係る補強シートの要部平面図である。 実施例1に係る濾過体の製造方法を説明するための説明図であり、光硬化性樹脂が塗布される前の菊花型エレメントの平面図を示す。 実施例1に係る濾過体の製造方法を説明するための説明図であり、光硬化性樹脂が塗布される前の菊花型エレメントの片側断面とした側面図を示す。 実施例1に係る濾過体の製造方法を説明するための説明図であり、光硬化性樹脂が塗布された後の菊花型エレメントの平面図を示す。 実施例1に係る濾過体の製造方法を説明するための説明図であり、光硬化性樹脂が塗布された後の菊花型エレメントの片側断面とした側面図を示す。 実施例1に係る濾過体の製造方法を説明するための説明図であり、菊花型エレメントの上端面に成形型があてられた状態を示す。 実施例1に係る濾過体の他の製造方法を説明するための説明図であり、成形型に補強シート及び光硬化性樹脂が配設された状態を示す。 実施例1に係る濾過体の他の製造方法を説明するための説明図であり、菊花型エレメントの下端面に成形型があてられた状態を示す。 実施例1に係る濾過体の他の製造方法を説明するための説明図であり、菊花型エレメントを反転させた状態を示す。 実施例2に係る濾過体の平面図である。 実施例2に係る濾過体の片側断面とした側面図である。 実施例3に係る濾過体の平面図である。 実施例3に係る濾過体の片側断面とした側面図である。 補強シートの他の配置形態を説明するための説明図である。 補強シートのさらに他の配置形態を説明するための説明図である。
符号の説明
1;オイルフィルタ、2;ケーシング、4;リリーフバルブ、5;チェックバルブ、10,20,30;濾過体、11,21,31;菊花型エレメント、12a,22a,32a;上端部、12b,22b,32b;下端部、14,15,24,25,34,35;シール部、18,28,38;補強シート、100;成形型。

Claims (12)

  1. 筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、
    前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられており、
    前記補強部材が合成樹脂よりなり、該補強部材の光透過率(T1)と、前記光硬化性樹脂の光透過率(T2)との比(T1/T2)が0.7〜1.3であることを特徴とする濾過体。
  2. 筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、
    前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられており、
    前記補強部材の厚さ(t)と、前記菊花型エレメントの軸方向の端面から前記シール部のシール面までの高さ(h)との比(t/h)が0.1〜0.8であることを特徴とする濾過体。
  3. 筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、
    前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられており、
    前記補強部材の外周縁が、前記シール部の外周縁より内側に位置しており、該補強部材の外周縁と該シール部材の外周縁との間隔(a)が3mm以下であることを特徴とする濾過体。
  4. 前記補強部材が、メッシュ構造を有する補強シートである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の濾過体。
  5. 前記多数の空隙部が、1インチ平方当たりに30〜250である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の濾過体。
  6. 前記補強部材の一方の表面が、前記菊花型エレメントの軸方向の端面に接触している請求項1乃至5のいずれか一項に記載の濾過体。
  7. 筒状の菊花型エレメントの軸方向の両端部に、光硬化性樹脂よりなるシール部を設けてなる濾過体において、前記シール部の内部には、多数の空隙部を有するリング状の補強部材が設けられている濾過体の製造方法であって、
    透明な成形型の内部に、多数の空隙部を有するリング状の補強部材及び光硬化性樹脂を配設する工程と、
    前記成形型を、筒状の菊花型エレメントの軸方向の端面にあてた状態で、前記光硬化性樹脂を光硬化させて該菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部を形成する工程と、を備え、
    前記配設する工程は、前記成形型の内部に、前記補強部材を配設し、その後、前記光硬化性樹脂を配設する工程であり、
    前記形成する工程は、前記成形型を、その軸心が上下方向を向いた前記菊花型エレメントの軸方向の下端面にあてた状態で、該菊花型エレメントの上下方向を反転させ、その後、前記光硬化性樹脂を光硬化させる工程であることを特徴とする濾過体の製造方法
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の濾過体の製造方法であって、
    筒状の菊花型エレメントの軸方向の端面に、多数の空隙部を有するリング状の補強部材を配設する工程と、
    その配設された前記補強部材の表面に光硬化性樹脂を配設する工程と、
    その配設された前記光硬化性樹脂に透明な成形型をあてた状態で、前記光硬化性樹脂を光硬化させて前記菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする濾過体の製造方法。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の濾過体の製造方法であって、
    透明な成形型の内部に、多数の空隙部を有するリング状の補強部材及び光硬化性樹脂を配設する工程と、
    前記成形型を、筒状の菊花型エレメントの軸方向の端面にあてた状態で、前記光硬化性樹脂を光硬化させて該菊花型エレメントの軸方向の端部にシール部を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする濾過体の製造方法。
  10. 前記配設する工程は、前記成形型の内部に、前記補強部材を配設し、その後、前記光硬化性樹脂を配設する工程であり、
    前記形成する工程は、前記成形型を、その軸心が上下方向を向いた前記菊花型エレメントの軸方向の下端面にあてた状態で、該菊花型エレメントの上下方向を反転させ、その後、前記光硬化性樹脂を光硬化させる工程である請求項9記載の濾過体の製造方法。
  11. 前記光硬化性樹脂の粘度が10000〜100000mPa・sである請求項8乃至10のいずれか一項に記載の濾過体の製造方法。
  12. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の濾過体と、該濾過体を収納する収納体と、該収納体に設けられ且つ該濾過体を上下方向から支持する上方支持部及び下方支持部と、を備え、
    前記シール部が、前記菊花型エレメントの軸方向の両端面と、前記上方支持部及び前記下方支持部との間をシールしていることを特徴とする流体フィルタ。
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