JP4464790B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配線基板の製造方法に関し、例えば、樹脂絶縁層を挟んで形成される複数の配線用の導体層と、樹脂絶縁層を貫通し複数の配線用の導体層を互いに導通するビア導体とを有する配線基板の製造方法に関する。
一般に、導体層間に例えば感光性樹脂からなる樹脂絶縁層を介在させた多層配線基板11の製造方法の製造方法を以下に示す。まず、図5(a)に示すように、樹脂絶縁層12の上面に形成した導体層14の上に感光性樹脂からなる樹脂絶縁層13を形成し、次に、この樹脂絶縁層13を半硬化させる。その後、フォトマスクを用いて、樹脂絶縁層13に対して露光し、導体層14の上面を露出させるビアホール15を現像により形成する。この後、樹脂絶縁層13の上面に無電解銅メッキ、電解銅メッキ等を施し、不要部分をエッチングにより除去することにより、所望のパターンの導体層18、および導体層18と導体層14とを導通するビア導体17を形成する(図5(b)参照)。
特願平10−163627号公報
しかしながら、現像等のフォトリソグラフィー技術により多数のビアホールを配線基板の全面にわたり均一に形成することは難しい。すなわち、配線基板内でも一部ではビアホール15が精度よく形成されても、他部では、現像速度が遅く、ビアホールの底に除去すべき樹脂が残存し、ビアホールが樹脂絶縁層の途中までしか形成されないことがある。また、ビアホール15を形成するための現像工程においては、現像液によって一旦溶け出した樹脂が形成途中のビアホール15の底に溜まることもある。この溶け出した樹脂がビアホール15の底部に溜まると、形成途中のビアホール15の底に新たな現像液が供給されにくくなり、深さ方向への現像が阻害される。この結果、形成されたビアホール15の底部に樹脂が残存し、現像不足により、底面15Aが形成されてしまうことがある。図5(c)に示すように、樹脂が残存した配線基板は、そのままメッキをしても、導体層14と導体層18とはビア導体17によって接続されない。
さらに、この後、ビアホール15の底面15Aを構成する残存樹脂を除去すべく、過マンガン酸カリウム溶液等の樹脂エッチング液で、この残存樹脂をエッチング(溶解除去)することも可能であるが、それでもこの残存樹脂が完全には除去できずに、ビアホール15の底15Aに樹脂が点在して残ることがあった。
また、上記したフォトリソグラフィー技術に限らず、レーザを用いてビアホールを穿孔する場合においても、レーザ条件等によりビアホールが不完全にしか形成されない場合の樹脂残存物や、レーザ加工時に発生する炭化物等のカスがビアホールの底に点在したり、膜状に残ることがあった。
この残存樹脂(樹脂残渣)を完全に除去するために、樹脂エッチングを強化することも考えられるが、この樹脂エッチング液により、樹脂絶縁層の表面等も樹脂エッチングされるため、樹脂絶縁層の表面が過度に荒らされて、上層の導体層18との密着強度が低下してしまう等の不具合が生じる。
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、フォトリソグラフィー技術またはレーザ技術により形成されたビアホールの底の樹脂残りを無くし、ビアホールの底に露出した下層の導体層と、上層の導体層との導通を確実にした配線基板の製造方法を提供することを第1の目的とし、さらには、半導体素子等の電子部品との導通を確実にすることができる配線基板の製造方法を提供することを第2の目的とする。
前記目的を達成するための配線基板の製造方法により製造される配線基板は、導体層と、該導体層上に積層された樹脂絶縁層と、該樹脂絶縁層を貫通するビアホールと、を有し、前記導体層は、その表面のうち前記ビアホールの底面にあたる部分に凹部を備えているものとすることができるこのように、導体層の表面のうちのビアホールの底面にあたる部分に凹部が形成されている、ビアホールの底面には樹脂絶縁層の残存物やレーザ加工時に発生するカス等はなく、例えばビアホール内に形成されるビア導体と導体層との電気的接続を良好なものとすることができる。
なお、ビアホールの形成方法については、露光工程および現像工程などからなる公知のフォトリソグラフィー技術に限らず、レーザを用いた手法でもよい。また、レーザの種類は、加工すべき樹脂絶縁層の材質に応じて選定すればよく、例えば、COレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ等を好適に用いることができる。
さらには、前記凹部は前記導体層の表面をエッチングにより形成するとよい。 このようにすれば、導体層の表面近傍をエッチングにより除去する際に、その表面に付着した樹脂残存物も一緒に除去されるため、ビアホールの底には導体層が完全に露出することになり、良好な接続が可能となる。また、ビアホール内に形成されるビア導体と導体層との接続は、凹部において行われるため、両者間に十分な密着強度が得られる。
さらに、前記凹部の深さは、前記導体層の厚みの5〜30%とするとよい。導体層の厚みの5%以上にすると、ビアホール底の樹脂残存物の下にまで十分にエッチング液がまわり込み、樹脂残存物が完全に除去された凹部とすることができるからである。さらには、十分に深く凹部が形成されるため、ビア導体と導体層との接触部分が増大して、密着強度を増すことができる。この反面、凹部の深さが導体層の厚みの30%を超えるまでエッチングすると、樹脂絶縁層の下にまでエッチング液が回り込んで導体層をエッチングするため、ビア導体の形成が困難となる。前記凹部は前記ビアホールの底面部とほぼ一致して形成されているのが特に好ましい。
このように導体層の表面にエッチングにより形成された凹部を備えた配線基板は、ビアホールの底に樹脂残存物がなく、ビアホール内にはビア導体が形成すると、ビア導体は前記導体層と前記凹部において良好に接続することができる。
また、前記導体層をそのまま接続端子として用いる場合には、例えば、凹部の表面にニッケルメッキ層および金メッキ層等のメッキ層を形成するとよい。凹部上には樹脂残存物がないので、導体層に所望のメッキ層を施し、接続信頼性に優れた接続端子とすることができる。
さらに、前記ビアホール内に、ハンダバンプが形成して、それを接続端子として用いてもよい。凹部上には樹脂残存物がないので、導体層とハンダバンプとの接続信頼性に優れたハンダバンプ(接続端子)を得ることができる。
また、前記導体層を配線基板内の異なる絶縁層上にそれぞれ設けた配線基板とすることができる。凹部を備えた導体層は多層の配線基板のうち、片面または両面の任意の部位に配置すればよい。具体的には、以下の3つのグループのうち、少なくとも2つのグループを備えた配線基板とすることができる。すなわち、第1下層導体層と、該第1下層導体層に形成された第1凹部と、該第1凹部に対応した位置に開口する第1ビアホールを有する第1樹脂絶縁層と、第1樹脂絶縁層上に形成された第1上層導体層と、前記第1ビアホールの内周面および前記第1凹部上に形成され、前記第1下層導体層と前記第1上層導体層とを導通するビア導体と、からなる第1のグループと、第2導体層と、該第2導体層に形成された第2凹部と、該第2凹部に対応した位置に開口する第2ビアホールを有する第2樹脂絶縁層と、前記第2凹部上に形成され、前記第2樹脂絶縁層上面から突出するハンダバンプと、からなる第2のグループと、第3導体層と、該第3導体層に形成された第3凹部と、該第3凹部に対応した位置に開口する第3ビアホールを有する第3樹脂絶縁層と、前記第3凹部上に形成された金属層と、からなる第3のグループである。
前記第1のグループは、第1下層導体層と第1上層導体層と両者を相互に接続する第1ビア導体により良好に接続できる構造を提供することができる。また、前記第2のグループは、ICチップ等の電子部品と良好に接続でき、かつICチップ等の電子部品を強固に固着することができる構造を提供することができる。さらに、第3のグループは、第3ビアホールから露出する第3凹部に例えばニッケルメッキ層や金メッキ層などの金属層を設けたものであり、接続信頼性に優れた接続端子として用いることができる構造を提供するものである。これらの構造は1つのみでなく、配線基板内に2つのグループ、さらには3つのグループを組み合わせて適用するとより一層接続信頼性に優れた配線基板を得ることができる。
そして、本発明においてビアホールをフォトリソグラフィー技術により形成する場合の配線基板の製造方法は、導体層の上に感光性樹脂からなる樹脂絶縁層を形成する工程と、前記樹脂絶縁層に対し露光と現像を行うことにより、該樹脂絶縁層にビアホールを形成するビアホール形成工程と、前記樹脂絶縁層の表面および前記ビアホールの内周面をエッチングするとともに、前記ビアホールの底面に残存した樹脂をエッチングすることにより前記導体層の一部を露出させる樹脂エッチング工程と、前記ビアホールの底面に露出した導体層の表面をエッチングするとともに、前記ビアホールの外側における前記樹脂絶縁層の下側をエッチングすることにより庇部分を形成する導体層エッチング工程と、水を吹き付けることにより前記庇部分を切除する工程と、を含むことを要旨とする。
また、本発明においてビアホールをレーザにより形成する場合の配線基板の製造方法は、導体層の上に樹脂絶縁層(例えば、感光性を有しない熱硬化性樹脂等)を形成する工程と、前記樹脂絶縁層に対しレーザ光を照射することにより、該樹脂絶縁層にビアホールを形成するビアホール形成工程と、前記樹脂絶縁層の表面および前記ビアホールの内周面をエッチングするとともに、前記ビアホールの底面に残存した樹脂をエッチングすることにより前記導体層の一部を露出させる樹脂エッチング工程と、前記ビアホールの底面に露出した導体層の表面をエッチングするとともに、前記ビアホールの外側における前記樹脂絶縁層の下側をエッチングすることにより庇部分を形成する導体層エッチング工程と、水を吹き付けることにより前記庇部分を切除する工程と、を含むことを要旨とする。この場合、導体層エッチング工程によって、導体層に付着した樹脂のみならず、導体層に付着した炭化物等のカスを除去することができる。
本発明によれば、フォトリソグラフィー技術またはレーザ技術により、ビアホール形成工程後、樹脂エッチング工程を行い、樹脂絶縁層の表面およびビアホールの内周面を樹脂エッチングにより粗化処理するとともに、ビアホール底面に残った樹脂等をある程度除去する。この樹脂エッチングにより導体層の表面の少なくとも一部を露出させる。その後、ビアホールの底面に露出した導体層の表面をエッチングすることにより、ビアホールの底に点在する樹脂を、その樹脂が固着する導体層ごと除去することができる。したがって、ビアホールの底の残存樹脂を容易に除去できる。本発明の配線基板によれば、前記導体層を下層導体層とし、このビアホールおよび樹脂絶縁層にメッキ等を施した場合、上層の導体層と確実に導通をとることができる。また、前記導体層を他の電子部品や配線基板等の接続端子と直接接続するためのボンディングパッドとした場合には、半導体素子の接続端子等との導通を確実にできる。
ここで、樹脂エッチング工程を行う理由としては、これを行うことにより、ビアホールの底に確実に導体層の一部を露出させるためである。ビアホールの底に均一に樹脂膜が残存している場合、後の導体層エッチング工程を実施しても、エッチング液が導体層にまで達しないので、導体層の表面の金属とともに樹脂残渣を除去することができなくなってしまうからである。
さらに、上記したフォトリソグラフィー技術による配線基板の製造方法は、前記ビアホール形成工程における現像は、配線基板を略水平に保持した状態で行い、現像の途中で配線基板の上下面を上下反転させて、配線基板の両面にビアホール形成することとよい。
現像工程の際に配線基板を図2に示すように略水平に保持した状態で配線基板の両面に同時にビアホールを形成する場合には、配線基板1の上面と下面とで現像速度に差が生じる。すなわち、配線基板の上面側では、現像液Sが溜り易く、また、形成途中のビアホールの底に溶出した樹脂が溜まりやすい。こうした樹脂残渣があると、形成途中のビアホールの底に新たな現像液が供給されにくく、ビアホールの深さ方向への現像速度が比較的遅くなる。
これに対して、配線基板の下面側では、溶出した樹脂(樹脂残渣)や古い現像液は、新しい現像液により排除されるので、形成途中のビアホールの底には常に新しい現像液が供給される。したがって、ビアホールの深さ方向への現像速度が比較的速くなる。
本発明の配線基板の製造方法によれば、現像工程の途中で配線基板の上下面を上下反転させるので、配線基板の上下両面に同時にビアホールを形成する場合であっても、配線基板の上下面での現像速度のバラツキを防止できる。したがって、ビアホール底に残る樹脂の量、厚さ等も、配線基板の上下面でほぼ同程度となる。したがって、後の樹脂エッチング工程や、導体層エッチング工程においても、配線基板の上下面で樹脂エッチング量や導体層エッチング量のバラツキが生じない。
ここで、配線基板としては、樹脂絶縁層と導体層とを有するものであればよく、例えば、金属基板または絶縁基板からなるコア基板の片面あるいは両面に樹脂絶縁層と導体層とを交互に複数層積層した多層配線基板等が挙げられる。
なお、導体層エッチング工程の後には、導体層の表面のうち、ビアホールに対応する部分に凹部が形成されるまでエッチングするとビアホールの底の残存樹脂の除去がより確実になる。凹部の表面は微細な凹凸のある面にするのが好ましいが、本発明によれば、最初に導体層が露出していた部分はエッチングが進むにつれて微細凹部となり、他方、最初に残存樹脂が付着していた部分はエッチングが遅く微細凸部となり、凹部表面に微細な凹凸を容易に形成できる。このような微細凹部があると、その上に形成されるビア導体、ハンダバンプ、メッキ層等との密着強度を向上することができる。
さらに、本発明の配線基板の製造方法は、前記導体層エッチング工程では、ビアホールの底面に露出した導体層の表面に対し、導体層の厚みの5〜30%をエッチングにより除去するとよい。導体層のエッチング量が、導体層の厚みの5%未満であると、樹脂5Bが付着した導体層4をエッチングするのに不十分である場合がある(図4(b)参照)。つまり、付着した樹脂5Bから露出した導体層4の表面4A近傍は、エッチングにより溶出するが、樹脂5Bの下に隠れた導体層4を溶出するには不十分となる場合がある。
また、導体層の厚みの30%より多くエッチングすると、ビアの底の樹脂は完全に除去できるが、エッチング液が樹脂絶縁層の下までまわり込んでしまう(図4(c)参照)。この際に形成される庇部分5cには、後工程においてこのビアホール5にビア導体をメッキにより形成しようとした場合、メッキ液がまわり込み難く、良好なビア導体が形成されず、ビア導体と導体層との接続が不良となってしまう恐れがある。
なお、感光性樹脂を基板表面に配置する方法としては、感光性樹脂をスクリーン印刷やスピンコート等により塗布する方法や、感光性樹脂からなる感光性フィルムを貼り付ける方法が採用できる。
また、前記導体層の種類としては、銅、ニッケル、金、銀等の導電性を有する金属からなる導体層が挙げられるので、無電解メッキ層や電解メッキ層は、これらの配線に用いられる金属から構成されている。また、導体層の形成方法としては、公知のサブトラクティブ法やアディティブ法を採用できる。
また、本発明の配線基板の製造方法は、前記樹脂絶縁層を形成する工程の前に、第二銅錯体と有機酸とを含有する粗化液により、前記導体層の表面をエッチングして表面粗化する工程を含むものとするとよい。導体層の表面粗化の方法としては、針状メッキまたは黒化処理等を施す方法が知られているが、これらの方法によれば、針状メッキ層または黒化処理層といった異種材料(合金等)が形成される。しかし、本発明によれば、導体層の表面を金属の粒界を溶解することにより表面粗化しているため、異種材料の層を生成することがなく、後の導体層エッチング工程を良好に行うことができる。
また、前記無電解メッキを行う場合には、その前処理として、無電解メッキ層を形成する場所に対して、無電解メッキの成長核(Pd、Au等)を付着させておく方法が採用できる。
まず、本発明の配線基板の製造方法の第1の実施形態の例(実施例)について、図1〜図3を参照して、順次説明する。
まず、樹脂絶縁層2の上面に公知のセミアディティブ法にて銅メッキにより形成し、さらにその表面を第二銅錯体と有機酸とを含有する粗化エッチング液を用いることにより0.1〜10μmの最大粗度(Rmax)となるように表面処理(粗化)した厚さ17μmの導体層4の上に、予めフィルム状に形成したエポキシ樹脂を主成分とし、シリカフィラーを含有する感光性樹脂シートを貼付け、樹脂絶縁層3を形成する(図1(a)参照)。
なお、導体層4の表面処理としては、針メッキ処理や黒化処理といった公知の手法を代わりに用いることも可能であるが、これらの手法は異種材料(合金)層を界面に介在させることになってしまい、後の導体層エッチング工程の障害になることがある。これに対し、本実施形態の粗化エッチングの場合には、異種材料(合金)層が介在することがなく、単に導体層の金属の粒界を溶解させて粗化するだけであるので、後の導体層エッチング工程が容易となる。
次に、この樹脂絶縁層3を80℃で15分加熱処理して半硬化させた後、図示しないフォトマスクを用いて、樹脂絶縁層3に対して露光し、樹脂絶縁層3の表面の所定部位に光硬化層を形成する。この後、さらに80℃で45分の加熱処理をし、後の現像工程に耐えうる硬度まで樹脂絶縁層3を半硬化させる。その後、ビアホール5を現像により形成する。この際、ビアホール5の底部5Aには、樹脂絶縁層3の一部が膜状に残存しており、いわゆるインコンプリートビアホールとなっている(図1(b)参照)。
なお、この現像工程は、図2に示すように、配線基板1を水平に保持した状態で行う。水平に保持することにより、ビアホールが配線基板表面に対して垂直方向(深さ方向)に形成されるためである。ただし、このように水平方向に保持した場合、配線基板1の上面と下面とでは現像速度にバラツキが生じるため、現像工程の途中で配線基板1の上下面を反転させる。上下面を反転させることにより、配線基板1の上下面での現像速度のバラツキをなくすことができる。したがって、ビアホール5の底部5Aに残存する樹脂の厚さも上下面でほぼ同等とすることができる。
また、現像した後では、図1(b)に示すように、ビアホール5の上端には、アンダーカット部3Aが形成されるため、このアンダーカット部3Aをウォータジェット(高圧水洗)により切除する(図1(c)参照)。なお、このウォータージェット処理は、ビアホール底に溜まった溶解物等の樹脂残渣を一部除去する効果もある。
次いで、樹脂絶縁層3の表面および前記ビアホール5の内周面の樹脂を過マンガン酸カリウム溶液を用いてエッチングする。この樹脂エッチング工程により、ビアホール5の底部5Aに残存した樹脂がエッチングされ、導体層4の上面4Aの一部が露出する。しかし、樹脂エッチング工程を経ても、なお、導体層4の上面4Aには残存樹脂5Bが点在している(図3(a)参照)。
次に、硫酸ナトリウム溶液を用いて、導体層4の表面を約1.5μmエッチングし、導体層4表面の金属(銅)とともに残存樹脂5Bを除去する(導体層エッチング工程)。こうしてビアホール5の底には導体層4が完全に露出したビア底5Cが形成される。ビア底5Cには、導体層4の厚みに比べて、厚みの小さい凹部6Aが導体層4に形成される(図3(b))。
この後、樹脂絶縁層3の上面に無電解銅メッキ、電解銅メッキ等を施し、導体層8を形成する。同時に、図3(c)に示すように、導体層4(凹部6A)の上面、及びビアホール5の内壁に導体層8と導体層4とを導通するビア導体7が形成される(第1のグループ)。
ここで、前記導体層エッチング工程について、図4を参照しつつ、説明する。前記実施例の導体層エッチング工程では、導体層4の厚さ17μm対し、露出した表面を導体層4厚の約9%である約1.5μmエッチングした。この場合は、図4(a)に示すように、露出した導体層4の表面4Aがエッチングされるとともに、残存樹脂5B(ここでは破線で示す)の下側の導体層4の表面もエッチングされるので、残存樹脂5Bが除去される。
なお、図3(b)では簡略化して示したが、より詳細には、以下のように、導体層エッチング工程で凹部6A表面に微細な凹凸が形成されるのが望ましい。すなわち、残存樹脂5Bが付着していた部分ではエッチングが遅くなるため、微細凸部が形成される。他方、残存樹脂5Bがなく導体層4が露出していた部分ではエッチングが速く進行するため微細凹部が形成される。この結果、凹部6Aの表面には微細な凹凸が形成される。このような微細な凹凸によりこの上に形成されるビア導体、ハンダバンプ、メッキ層等との良好な密着強度が得られる。
これに対し、導体層4厚の5%未満(例えば、0.5μm:約2.9%)の厚さ分エッチングした場合は、露出した導体層4の表面4Aがエッチングされるものの、残存樹脂5Bの下側の導体層4の表面をエッチングするには至らず、その結果、残存樹脂5Bは除去できなかった(図4(b)参照)。
また、導体層4の30%を超える厚さ(例えば、7μm:約41%)エッチングした場合は、残存樹脂5Bを完全に除去できるものの、導体層4の表面がビアホールの外側の樹脂絶縁層3の下側までエッチングされ、大きな庇部分(オーバーハング部)5cが形成される(図4(c)参照)。この庇部分5cが大きくなると、後工程においてこのビアホール5にビア導体7をメッキにより形成しようとした場合、メッキ液がまわり込み難く、ビア導体7と導体層4との間が導通不良となってしまう。このような導通不良を防止するためには、庇部分5cの最大長さを5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下にするとよい。すなわち、ビアホール5の径と凹部6Aの径とをほぼ一致させるのが好ましい。
これに対し、導体層4の30%以下、より好ましくは25%以下の厚さ分のエッチングを行った場合には、庇部分が若干形成されることがあっても、導通不良には至らないので問題がない。すなわち、導体層エッチング工程により形成される凹部の深さは(下層)導体層の厚さの5〜30%、より好ましくは5〜25%が好ましい。
次に、上記した第1の実施の形態の配線基板の製造方法とは一部異なる実施形態(第2の実施形態)について、図6〜11を参照しつつ説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分については、省略するか簡略化して記載するものとする。
まず、図6は平面視略矩形状で略板形状をなす配線基板20の部分拡大断面図である。配線基板20はコア基板21の図中上面に樹脂絶縁層26a、36a、40a、下面に樹脂絶縁層26b、36b、40bを備え、最外層である樹脂絶縁層40a、40bはソルダーレジスト層としての機能も有している。また、各絶縁層の層間には、導体層24a、34a、44a、24b、34b、44bが形成されている。
また、各導体層は、樹脂絶縁層26a、36a、40a、26b、36b、40bを貫通するビア導体29、39、および、コア基板21を貫通するスルーホール導体23、30を介して接続されている。なお、スルーホール導体30は、スルーホール導体23とは絶縁された状態で、その内側に同軸状に配置されている。
なお、各ビア導体はそれぞれ樹脂絶縁層を貫通するビアホール内をメッキ金属を充填して形成され、それぞれの下層の導体層に設けられた凹部で接続されている。ビア導体と下層の導体層との間には樹脂残渣がないため、両者の接続信頼性は極めて高くなっている。この点につき、図6に示した配線基板20のうち、破線20p、20qで囲んだ部分を拡大してそれぞれ図7(a)および(b)に示す。まず、図7(a)に示した通り、導体層24a、34aにはそれぞれの表面に凹部24e、34eが形成されており、さらに凹部24e、34eに対応した位置に開口するビアホールを備えた樹脂絶縁層が積層されている。ビア導体29、39は、ビアホール内に形成されて導体層24e、24eと凹部24a、34aにて接続している(第1のグループ)。なお、ビア導体29、39はそれぞれメッキ金属により充填され、ビア導体39はビア導体29の真上に形成され、さらには、ハンダバンプ41はビア導体39の真上に形成されている。
同様に、図7(a)に示した通り、配線基板20の上面側に形成されたハンダバンプ41は、その下層の導体層44a(厚さ17μm)に形成された凹部44e(深さ1.7μm)に対応した位置に開口するビアホール内に形成され、凹部44eと固着している(第2のグループ)。ハンダバンプ41と導体層44aとの間には樹脂残渣はなく、両者は良好に接続している。
さらに、図7(b)に示した通り、配線基板20は、その下面側に、導体層44bに設けられた凹部44eの表面にメッキ層45形成してなるLGAパッド42を有している。樹脂絶縁層40bには凹部44eに対応する位置に開口するビアホール43bが形成されており、ビアホール43bからLGAパッド42が露出している(第3のグループ)。このLGAパッド42は主として配線基板20を他の配線基板と接続するための外部接続端子として用いられる。なお、メッキ層45は、ニッケルメッキ、金メッキの2層からなる。
以上のように、配線基板20は、配線基板内部のビア導体の他、表面のハンダバンプ、LGAパッドもそれぞれ下層の導体層の凹部と接続しているため、配線基板全体にわたり良好な接続信頼性が得られる。
次に、この配線基板20の製造方法について、図8〜図11を参照しつつ、説明する。
まず、厚み800μmのビスマレイミド−トリアジン樹脂製のコア基板21の両面に銅箔が貼付けられた両面銅張り基板を用意し、ドリルによりスルーホール22を穿孔した後、スルーホール22の内周面および両面の銅箔上に無電解および電解銅メッキを施し、外側スルーホール導体23を含むメッキ層24を形成する(図8(a)参照)。なお、メッキ層24の表面は、第二銅錯体と有機酸とを含有する粗化エッチング液を用い、市販のエッチング処理装置(メック社製 CZ処理装置)により0.1〜10μmの最大粗度(Rmax)となるように表面処理しておく。
次に、スルーホール導体23が形成されたスルーホール22内に樹脂ペーストを印刷・充填した後、これを硬化し、さらにその上下面を研磨により平坦化し、外側樹脂充填体25を形成する。その後、所定パターンのエッチングレジストを形成し、メッキ層24のうち、不要部分をエッチング除去して、表面側および裏面側にそれぞれ導体層24a、24bを形成する(図8(b)参照)。導体層24a、24bの表面は、第二銅錯体と有機酸とを含有する粗化エッチング液を用いることにより0.1〜10μmの最大粗度(Rmax)となるように表面処理しておく。
次に、コア基板21の表面側および裏面側にそれぞれ予めフィルム状とした感光性樹脂を貼付けて、樹脂絶縁層26a、26bを80℃で15分間加熱処理して半硬化させた後、図示しないフォトマスクを用いて、半硬化した樹脂絶縁層26a、26bを露光する。露光後、さらに80℃で45分間の加熱処理を施し、後の現像工程に耐えうる硬度にまで樹脂絶縁層26a、26bを半硬化させる。次に、配線基板を水平に保持した状態で上下から同時に現像液を吹き付けることにより、ビアホール28を形成する(現像工程)。なお、上下での現像速度のバラツキを防止するために、現像工程の途中で配線基板は上下反転される。ビアホール28の底部には樹脂絶縁層26a,26bの一部が膜状に残っており、いわゆるインコンプリートビアホールとなっている。
ビアホール28を現像により形成した後、レーザを照射してスルーホール27を形成する。スルーホール7はスルーホール2のほぼ中心軸に沿って穿孔されており、外側樹脂充填体5はスルーホール導体3の内周面にほぼ均一の厚みで残存している。次いで、ウォータージェット(高圧水洗)により、配線基板の上下面を洗浄した後、樹脂絶縁層26a、26bの表面およびビアホールの内周面を過マンガン酸カリウム溶液を用いて樹脂エッチングする。この樹脂エッチング工程により、ビアホール28の底に残った樹脂がエッチングされ、下層の導体層24a、24bの上面の一部が露出する。なお、もともと下層の導体層24a、24bが露出していた場合には、樹脂エッチング工程により、下層の導体層24a、24bの露出面積を増すことができる。しかし、樹脂エッチング工程を経ても、なお、導体層24a、24bの上面には残存樹脂が点在している。
次に、硫酸ナトリウム溶液を用いて、ビアホール28の底面に露出した導体層24a、24bの表面をエッチングし、導体層24a、24bの表面の金属(銅)とともに残存樹脂を除去する(導体層エッチング工程)。こうして、導体層24a、24bがビアホール28の底において完全に露出するとともに、凹部24eが形成される(図8(c)参照)。なお、凹部24eの深さは約1.7μmであり、導体層の24a、24bの厚さ17μmの約10%である。
さらに、導体層エッチング工程の後に、ウォータージェット装置を用い、高圧の純水を用いて、ビアホールを洗浄すると、導体層24a、24bをビアホール28の底面からより完全に露出させることができる。また、樹脂絶縁層下へのエッチング液のまわり込みにより、図4(c)に示すような庇部分(オーバーハング部)が生じている場合には、高圧の純水を吹き付けることにより、これを折り取ると、導通不良の発生を低減することができる。
次に、スルーホール27の内周面、樹脂絶縁層26a、26bの上面、およびビアホール28の内部に無電解および電解銅メッキを施し、スルーホール導体30およびビア導体29を含むメッキ層31を形成する。なお、ビア導体29は、ビアホール28の内部にメッキ金属が充填されて形成されている(図9(a)参照)。このメッキ層形成工程で用いるメッキ液の条件としては、Cu濃度18g/l、HSO180g/l、Clイオン48mg/l、レベラー(抑制剤)0.3mg/l、電流密度1A/dmとする。
なお、本実施形態においては、スルーホール27は一つのみ図示しているがスルーホール27およびビアホール28は多数形成されているものとする。
各スルーホール7に対応した孔埋め用の開口32hが複数形成されたステンレス製の印刷マスク32(厚さ100μm)を用意する。そして、図9(b)に示すように、樹脂充填工程において、配線基板の上に印刷マスク32を載置し、その上から樹脂ペースト33pを印刷し、スルーホール27を孔埋め充填する。なお、樹脂ペースト33pとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂に無機フィラー(銅またはシリカ)とイミダゾール系硬化剤を添加して混練し、22〜23℃における粘度が500Pa・S以上となるように調製されたものを用いる。
樹脂充填工程の後、メタルマスク32を剥がすと、スルーホール27に樹脂ペースト33pが、その一部がメッキ層31の表面から突出するように充填されている。次に、樹脂硬化工程において、配線基板を120℃にて20分間加熱して、樹脂ペースト33pを半硬化させる。樹脂ペースト33pは、この加熱時に、一旦流動化して配線基板の表面に沿って濡れ拡がろうとする。しかし、本実施形態では、ビアホール28が予めビア導体29により充填されているため、ビアホール8内に樹脂ペースト33pが流れ込んで、スルーホール内での樹脂ペースト33pの不足を引き起こすことがない。また、ビアホール28に流れ込んだ樹脂ペースト33pに含まれるボイドがクラック等の不具合を引き起こすことがない。
樹脂ペースト33pを半硬化させた後、配線基板の表面および裏面をベルトサンダー(粗研磨)を用いて研磨した後、バフ研磨(仕上げ研磨)して平坦化する。次いで、半硬化された樹脂ペースト33pを、150℃にて20分間加熱して硬化させ、樹脂充填体33を形成し、樹脂ペーストの硬化工程を完了する(図10(a)参照)。
次に、配線基板の表面および裏面に無電解および電解銅メッキを施し、メッキ層34を形成する(図10(b)参照)。その後、メッキ層31およびメッキ層34のうち、不要部分をエッチングにより除去する。この際、樹脂充填体33の上には蓋導体層35が形成され、また、ビア導体29の上方にもメッキ層31およびメッキ層34の一部が残され、導体層34a、34bが形成される(図11(a)参照)。蓋導体層35を形成することで、後工程において樹脂充填体33の軸線上にビア導体39pが形成可能となる。なお蓋導体層35および導体層34a、34bの表面は、その表面を第二銅錯体と有機酸とを含有する粗化エッチング液を用いることにより0.1〜10μmの最大粗度(Rmax)となるように表面処理しておくとよい。
その後、表面および裏面にさらに樹脂絶縁層36a、36bを形成する。ビアホール28はビア導体29により充填され、また、スルーホール27は樹脂充填体33により充填され、且つ蓋導体層35で被覆されているので、樹脂絶縁層36a、36bはその表面にうねりがほとんどなく平坦に形成できる。したがって、後工程でのビアホール形成工程を位置精度よく行うことができる。
次に、ビアホール28と同様の方法により露光・現像によりビアホール38を形成する。次に、上記した樹脂エッチング工程および導体層エッチング工程を経た後、無電解および電解銅メッキにより、ビア導体39を含むメッキ層を形成する。次いで、メッキ層の不要部分をエッチング除去し、ビア導体39v、39pを含むビア導体39、およびを導体層44を形成する。なお、導体層エッチング工程において、導体層34a、34bおよび蓋導体層35の表面がエッチングされてビアホールに対応する凹部34e、35eが形成される(図11(b)参照)。
ここで、ビア導体39vは、下層のビア導体29の直上に形成され、導体層34a、34bとその表面の凹部34eで接続している。また、ビア導体39pは、スルーホール導体30の軸線上に形成され、蓋導体層35とその表面の凹部35eで接続している。このようにビア導体39pとスルーホール導体30とを配線基板の厚さ方向の一直線上に配した構造とすることにより、配線のさらなる高密度化が可能となる。
次いで、ソルダーレジスト層40aおよび40bを表面および裏面にそれぞれ形成した後、露光・現像によりビアホール43a、43bを形成する。その後、上記した樹脂エッチング工程および導体層エッチング工程を行い、ビアホール43a、43bの底の樹脂残渣を除去する。この導体層エッチング工程において、ビアホール43a、43bに対応した導体層44の表面に凹部44eが形成される。
次に、ビアホール43a、43bから露出した導体層44にニッケルメッキおよび金メッキを施す。その後、表面側のソルダーレジスト40aのビアホール43a内にハンダペーストを印刷・リフローを行い、ハンダバンプ41を形成して、配線基板20の製造を完了する(図6、図7参照)。
このハンダバンプ41は、例えば、配線基板20に搭載されるICチップ(図示しない)とフリップチップ接続するために用いられる。また、裏面側のソルダーレジスト層40bのビアホール43bから露出した導体層は、そのままLGAパッド42として、他のプリント配線板(図示しない)との接続用端子として用いられる。なお、このLGAパッド42には、たとえば、ハンダボールやピン等を固着すれば、配線基板20をBGA(ボール・グリッド・アレイ)やPGA(ピン・グリッド・アレイ)とすることができる。LGAパッド42は、予め樹脂エッチング工程、導体層エッチング工程を施し、樹脂残渣のない凹部44eとした後、メッキ層45を形成した(図7(b)参照)ので、極めて良好な接続信頼性を得ることができる。
また、配線基板20において、同軸構造をなす(内側)スルーホール導体30と外側スルーホール導体23とは、例えば、いずれか一方を電源電位とし、他方をグランド電位とすると、インダクタンスを低減でき、電気特性を向上することができる。また、(内側)スルーホール導体30を信号配線とし、外側スルーホール導体23をグランド電位とすると、信号配線間のノイズを低減できる。
上記第1および第2実施形態においては、フォトリソグラフィー技術により、ビアホールを形成した例を示したが、レーザ技術によりビアホールを形成してもよい。レーザ技術を用いた本発明の実施形態(第3の実施形態)について、図12〜13を参照しつつ、説明する。
まず、樹脂絶縁層52の上面に導体層54を公知のセミアディティブ法にて銅メッキにより形成する。なお、導体層54は、その表面を第二銅錯体と有機酸とを含有する粗化エッチング液を用い、0.1〜10μmの最大粗度(Rmax)となるように表面処理(粗化)しておく。導体層54の上に予めフィルム状に形成したエポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂シートを貼付け、樹脂絶縁層53を形成する(図12(a)参照)。
次に、この樹脂絶縁層53を所定条件により加熱処理して硬化させた後、樹脂絶縁層53に所定パターンのマスクを介してCOレーザを照射し、ビアホール55を穿孔する。ビアホール55の開口部周辺、内周面および底面には、レーザによる樹脂の融解物や炭化物などのカス等の樹脂残渣55vが付着または残存している(図12(b)参照)。続いて、樹脂絶縁層53の表面およびビアホール55の内周面、および底面の樹脂残渣を過マンガン酸カリウム溶液を用いてエッチングする。この樹脂エッチング工程により、樹脂絶縁層53の表面が化学的にエッチングされるので、樹脂絶縁層53に付着する樹脂残渣55vも樹脂絶縁層53とともに除去される。しかし、樹脂エッチング工程を経ても、なお、図12(c)に示すように、導体層54に樹脂残渣55vが残存している場合がある。
次に、硫酸ナトリウム溶液を用いて、露出した導体層54の表面を約1.7μmエッチングし、導体層54表面の金属(銅)とともに樹脂残渣55vを除去する(導体層エッチング工程)。こうしてビアホール55の底には導体層54が完全に露出するとともに、凹部56が形成される(図13(a))。
この後、樹脂絶縁層53の上面およびビアホール55内に無電解銅メッキ、電解銅メッキ等を施した後、不要部分をエッチング除去し、図13(b)に示すように導体層58および導体層58と導体層54とを導通するビア導体57が形成される。次に、樹脂絶縁層59を形成し、さらに、ビアホール55と同様にビアホール60をCOレーザにより穿孔する。この後、上記した樹脂エッチング工程および導体層エッチング工程を施し、ビアホール61に対応した位置に凹部61を形成する。さらに、導体層62、および導体層62と導体層58とを接続するビア導体63を公知の方法により形成する(図13(c)参照)。
本実施形態によれば、レーザによりビアホール55、60を形成した後、樹脂エッチング工程により樹脂絶縁層とともにその表面に付着した樹脂残渣を除去し、さらに、導体層エッチング工程により導体層とともにその表面に付着した樹脂残渣を除去する。したがって、レーザ加工時に発生するカス等の樹脂残渣を完全に除去でき、さらには、ビア導体57と導体層54、およびビア導体63と導体層58との接続を良好に行うことができる。
なお、上記した第1〜第3の実施形態は本発明の実施形態の一例を示したに過ぎず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用することができる。また、従来公知の配線基板の製造技術等も適宜適用することが可能である。例えば、上記実施形態では、説明を省略したが、導体層(配線層、スルーホール導体など)および樹脂絶縁層(樹脂充填体などを含む)等の表面は所望の化学処理等により適度に粗化し、隣接する他の導体層または樹脂絶縁層との密着強度を高めることができる。
(発明の効果)
以上、詳述したように、本発明においては、現像またはレーザ光によりビアホールを形成した後、樹脂エッチング工程と導体層エッチング工程を行うので、ビアホールの底に樹脂が残らず、導体層とビア導体との導通を確実に行うことができる。
また、導体層エッチング工程のエッチング量(厚さ)を(下層)導体層の厚さの5〜30%としたので、残存樹脂を確実に除去でき、さらに導体層とビアホールとの導通を損なうこともない。
さらに、現像工程を、配線基板を水平に保持した状態で行い、且つ、現像工程の途中で配線基板の上下面を反転させるので、配線基板の上下面での現像バラツキをなくすことができる。したがって、後工程の樹脂エッチング工程や導体層エッチング工程の際に、配線基板の上下面で効果にバラツキがなく、配線基板の上面および下面の両方で、導体層とビア導体との良好な導通を得ることができる。
実施例の配線基板の製造方法を示す説明図である。 配線基板を水平に保持した状態での現像工程を示す説明図である。 実施例の配線基板の製造方法を示す説明図である。 導体層エッチング工程後の状態を示す説明図である。 従来の配線基板の製造方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係り、配線基板の部分拡大断面図。 図6に示した配線基板のさらに一部を拡大した部分拡大断面図。 本発明の第2の実施形態に係り、配線基板の製造工程のうちビアホール形成工程までを工程順に説明する部分拡大断面図。 本発明の第2の実施形態に係り、配線基板の製造工程のうち図7の続きの工程を示しスルーホール充填工程までを工程順に説明する部分拡大断面図。。 本発明の第2の実施形態に係り、配線基板の製造工程のうち図8の続きの工程を示し蓋導体層形成工程までを工程順に説明する部分拡大断面図。 本発明の第2の実施形態に係り、配線基板の製造工程のうち図9の続きの工程を示し積層工程を工程順に説明する部分拡大断面図。 本発明の第3の実施形態に係り、レーザを用いた配線基板の製造工程を工程順に説明する部分拡大断面図。 本発明の第3の実施形態に係り、レーザを用いた配線基板の製造工程のうち、図12に示した工程の後の工程を、工程順に説明する部分拡大断面図。
符号の説明
1、20:配線基板
2、3、26a、36a、40a:樹脂絶縁層
4、8、24a、34a、44a:導体層
5、28、:ビアホール
5B:残存樹脂
7、29、39:ビア導体
23:外側スルーホール導体
27:スルーホール
30:(内側)スルーホール導体
33:樹脂充填体
33p:樹脂ペースト
35:蓋導体層

Claims (5)

  1. 導体層の上に感光性樹脂からなる樹脂絶縁層を形成する工程と、
    前記樹脂絶縁層に対し露光と現像を行うことにより、該樹脂絶縁層にビアホールを形成するビアホール形成工程と、
    前記樹脂絶縁層の表面および前記ビアホールの内周面をエッチングするとともに、前記ビアホールの底面に残存した樹脂をエッチングすることにより前記導体層の一部を露出させる樹脂エッチング工程と、
    前記ビアホールの底面に露出した導体層の表面をエッチングするとともに、前記ビアホールの外側における前記樹脂絶縁層の下側をエッチングすることにより庇部分を形成する導体層エッチング工程と、
    水を吹き付けることにより前記庇部分を切除する工程と、
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記ビアホール形成工程における現像は、配線基板を略水平に保持した状態で行い、現像の途中で配線基板の上下面を上下反転させることにより、配線基板の両面にビアホール形成することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 導体層の上に樹脂絶縁層を形成する工程と、
    前記樹脂絶縁層に対しレーザ光を照射することにより、該樹脂絶縁層にビアホールを形成するビアホール形成工程と、
    前記樹脂絶縁層の表面および前記ビアホールの内周面をエッチングするとともに、前記ビアホールの底面に残存した樹脂をエッチングすることにより前記導体層の一部を露出させる樹脂エッチング工程と、
    前記ビアホールの底面に露出した導体層の表面をエッチングするとともに、前記ビアホールの外側における前記樹脂絶縁層の下側をエッチングすることにより庇部分を形成する導体層エッチング工程と、
    水を吹き付けることにより前記庇部分を切除する工程と、
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  4. 前記導体層エッチング工程では、ビアホールの底面に露出した導体層の表面に対し、導体層の厚みの5〜30%をエッチングにより除去することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  5. 前記樹脂絶縁層を形成する工程の前に、第二銅錯体と有機酸とを含有する粗化液により、前記導体層の表面をエッチングして表面粗化する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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