JP4464630B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結鉱の製造方法に関し、特に焼結鉱の品質を低下させることなく高生産性を達成し得る焼結配合原料の添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、高炉用原料である焼結鉱は、概略以下の工程で製造される。
【0003】
まず、約10mm以下の粒度の鉄鉱石粉に、同程度の粒度の焼結返鉱と、約3mm以下の粒度の珪石、石灰石、蛇紋岩などの副原料と、コークス粉、石炭粉などの固体燃料と、生石灰、消石灰等の凝集剤とを混合し、配合水を添加して混練に引き続いて疑似粒子化(粗い粒子を核として、その表面に微細な粒子を水の表面張力により付着させて形成した粒子群)した混合原料を、焼結機のパレット上に充填し、層頂部の混合原料中の固体燃料に着火する。着火後、下方に向けて空気を吸引しながら固体燃料を燃焼させてこの燃焼熱により充填した混合原料を焼結させて焼結ケーキとする過程で、混合原料を乾燥後、1100〜1300℃へ加熱することにより、混合原料中の鉄鉱石と副原料とのスラグ反応により融液を生成させる。この融液により鉄鉱石粉の液相焼結が行われ、冷却後、この融液による鉄鉱石粉の結合により必要な焼結鉱の強度が得られる。
【0004】
近年の鉄鉱石資源の変化に起因する鉄鉱石粉の微粉化傾向やリモナイト質鉱石の比率増加により、焼結配合原料の造粒性が悪化して擬似粒子の強度が低下して崩壊しやすくなり(特に、焼結中の充填層下部の水分凝縮帯(湿潤帯)においては、上部からの荷重も大きく擬似粒子が崩壊しやすい)、混合原料の通気性が悪化して焼結に要する時間が長くなり、焼結鉱の生産能率が低下する傾向にある。生産能率を維持ないし上昇させるためには、生石灰、消石灰等の凝集剤の添加量を増加させて擬似粒子を強化する方法が知られているが、生石灰、消石灰等のコストが高いため、焼結鉱の製造コストが高くなる問題がある。
【0005】
生石灰、消石灰等を増量することなく安価に生産能率を維持ないし上昇する方法として、本発明者らは、鉄鉱石粉と焼結返鉱と副原料と固体燃料とからなる焼結配合原料に、有機繊維と、粘土質物質と、有機粘着材とを、例えば古紙スラッジにより添加混合して常法により焼結する方法を提案した(特許文献1参照)。
【0006】
この方法によれば、焼結配合原料に有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材を同時に添加し混合することにより、有機質繊維と粘土質物質は難水溶性であるが、有機粘着材は易水溶性であるので焼結混合原料の配合水に溶解し、有機質繊維と粘土質物質との接点に侵入してこれらを接合する。そして、この接合物が焼結配合原料の鉱石や石灰石等の粒子間に入って粒子間の摩擦を大きくするため湿潤帯においても擬似粒子の崩壊が防止される。その結果、充填層の通気性が著しく改善され、焼結鉱製造の生産性が飛躍的に向上する効果をもたらすものである。また、有機繊維と有機粘着材は焼結時に燃焼して燃料として利用されるのでコークスや石炭などの固体燃料の配合量をも低減でき、粘土質物質は鉄鉱石等とスラグ反応して融液を生成し、焼結反応を促進する効果も有するものである。
【0007】
そして、焼結配合原料に有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材を例えば古紙スラッジにより添加混合する方法として、(1)古紙スラッジをそのまま焼結配合原料に添加してドラムミキサーで混練する方法、(2)古紙スラッジを予め配合水の一部または全部に添加し攪拌してスラリー状にしたのちに焼結配合原料に添加し、ドラムミキサーで混練する方法、(3)古紙スラッジを脱水・乾燥後ボールミル等により粉砕して粉状で焼結配合原料に添加し、ドラムミキサーで混練する方法を提案した。
【0008】
ところが、その後の本発明者らによる検討の結果、上記(1)の方法では、古紙スラッジが通常、水分を80〜120質量%(乾量基準)程度含み紙粘土状になっていることから、古紙スラッジをそのまま焼結配合原料に添加して従来用いられているドラムミキサーで混練しても古紙スラッジはほとんど解砕されずに焼結配合原料中に偏在するため、却って焼結配合原料の擬似粒子化を阻害し、上記擬似粒子の強化による充填層の通気性改善効果が得られないことがわかった。
【0009】
また、上記(2)の方法では、古紙スラッジを完全にスラリー化するためには極めて長時間の攪拌を要するため実用的でなく、また、実用性を考慮してスラリー化が不完全な状態で使用すると、スラリー中に極端に粘度の高い部分が存在して、これが焼結配合原料中に偏在するため、この場合も上記擬似粒子の強化による充填層の通気性改善効果が十分に得られないことがわかった。
【0010】
さらに、上記(3)の方法では、古紙スラッジ中に高濃度に含まれる水分を造粒に有効に利用できない上に、わざわざ乾燥除去のために余分の燃料を必要とし、好ましい方法とはいえない。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−285251号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、簡易かつ確実に焼結配合原料中に古紙スラッジを均一に分散することにより擬似粒子の強度を高めて、生産性を維持ないし向上しつつ高価な生石灰等を低減してコストダウンを図ることができる焼結鉱の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、焼結配合原料の一部に古紙スラッジを添加して高速攪拌混合機(「高速攪拌羽根を内蔵した混合機」を意味する。)で混合造粒した後、前記焼結配合原料の残部を添加して、再度混合造粒し焼結することにより、焼結鉱を製造する方法であって、前記焼結配合原料100質量部(乾量基準)に対する前記古紙スラッジの添加量を0.01〜1.0質量部(乾量基準)とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
【0014】
古紙スラッジは、古紙リサイクル工程において、アルカリ剤等を含む溶液を加えて古紙を離解した古紙懸濁液スラリーからパルプを取出した後の廃液中に含まれる浮遊物を分離回収したものである。したがって、古紙スラッジには、比較的短い有機繊維であるセルロース木質繊維が相当量含有され、古紙の無機充填剤および無機顔料であるベントナイト、タルク、石灰石、ドロマイト等由来の粘土質物質が濃縮され、さらに有機粘着材であるリグニンが含まれているので、これを用いることにより、下記の効果を得ることができる。
すなわち、高速攪拌混合機を用いることにより、高速攪拌混合機に備えられた高速攪拌羽根の強力な攪拌力によって、添加物である、有機繊維、粘土質物質および有機粘着材が解砕され、焼結配合原料中に均一に分散される。これらの添加物が焼結配合原料中に均一に分散されると、有機質繊維と粘土質物質は難水溶性であるが、有機粘着材は易水溶性であるので焼結配合原料の配合水に溶解し、有機質繊維と粘土質物質との接点に侵入してこれらを接合する。この接合物が焼結配合原料の鉱石や石灰石等の粒子間に入って粒子間の摩擦を大きくするため湿潤帯においても擬似粒子の崩壊が防止される。その結果、充填層の通気性が著しく改善され、焼結鉱製造の生産性が飛躍的に向上する。なお、有機繊維と有機粘着材は焼結時に燃焼して燃料として利用されるのでコークスや石炭などの固体燃料の配合量をも低減でき、粘土質物質は鉄鉱石等とスラグ反応して融液を生成し、焼結反応を促進する。
さらに、従来、古紙スラッジの大部分は、脱水又は乾燥して埋め立て処分や焼却処分されており、その処分に多大な経費を要していたが、大量に生産される焼結鉱の添加剤として用いることにより、資源およびエネルギーとして有効利用できるのみならず、環境汚染の防止にも寄与するものである。なお、焼結配合原料に古紙そのものを裁断して添加する方法が開示されているが(特開平7−18344号公報参照)、古紙が古紙スラッジとは異なり比較的長い繊維で構成されていることに加え、焼結配合原料に添加する際に繊維が離解されていないこと、粘土質物質の量が繊維の量に比べて非常に少ないこと等の理由から本発明の効果を奏し得ないものである。
そして、古紙スラッジの添加量が少なすぎると上記の効果が十分得られない一方、これらの添加量が多すぎると粘土質物質の添加量が多くなりすぎて高炉のスラグ量が増加するので上記範囲の添加量とすることが好ましい。
【0015】
ちなみに、高速攪拌混合機を焼結配合原料の造粒に用いた従来技術として、粒径0.5mm以下の粒子を30重量%以上含み、かつ焼結鉱のSiO2濃度が3.0〜4.7重量%となるように配合した焼結配合原料を一括して高速攪拌羽根を内蔵した混合機(高速攪拌混合機)で混合した後に焼結する方法が開示されている(特許第2953308号公報参照)。この従来技術では、高速攪拌混合機を使用することにより、原料全体に水分を浸透させ、粒子径に関係なく、全ての粒子の表面に水膜を形成させて粒子の可塑性を上昇させ、造粒の際に付着粉として機能する微粉の付着力が高められて、擬似粒子を構成する粒子間の結合力が上昇するというものである。
【0016】
これに対し、本発明では、上記従来技術の作用効果は勿論のこと、高速攪拌混合機による強力な攪拌力を用いて上記添加物を解砕し原料中に均一に分散させることによる新たな作用効果が加わるので、上記従来技術では得られない格段に優れた擬似粒子の強化が可能となる。(なお、本発明者らは、別途、高速攪拌混合機内に上記添加物としての古紙スラッジを単独で装入して解砕を試みたが、高速攪拌羽根により古紙スラッジがほぐされる際に内部に存在する大量の水分が表面に浸み出し、古紙スラッジの表面がスラリー状となるため解砕はほとんど不可能であることがわかった。これに対し、本発明では、焼結配合原料の一部とともに装入することにより、古紙スラッジの表面に浸み出してきた水分が焼結配合原料を構成する粒子によって順次除去されるため、解砕が可能になるものと考えられる。)
【0017】
また、上記添加剤を焼結配合原料の一部に添加するのは、焼結配合原料の全部に添加すると、上記添加物の量に比して焼結配合原料の量が過剰になり、均一に分散させることが却って困難になることに加え、ドラムミキサーに比べて高価な高速攪拌混合機の設備が過大となり、大幅なコストアップとなるからである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の一形態を以下に示す。
【0029】
焼結配合原料Aは、通常、10mm以下の鉄鉱石粉(T.Fe:57〜68質量%、付着水分:約3〜5質量%(外数))60〜70質量部(乾量基準)と、焼結返鉱17〜21質量部と、副原料として石灰石または生石灰(若しくは消石灰)9〜11質量部と、必要により珪石少量と、固体燃料としてコークス粉または無煙炭粉3〜5質量部とからなる。この焼結配合原料を第1系列の「焼結配合原料の一部B」と第2系列の「焼結配合原料の残部C」との2系列に振り分ける。この際、造粒性の劣る鉱石に重点的に古紙スラッジを添加することによって、より大きな造粒性の改善効果が得られるように、造粒性の劣る鉱石は第1系列側、造粒性の良い鉱石は第2系列側に振り分けると良い。そして、第1系列側である「焼結配合原料の一部B」に、添加剤として古紙スラッジD(CaO+MgO:約10〜30質量%、SiO2+Al2O3:約20〜30質量%、繊維分:約40〜60質量%、リグニン:約1〜10質量%)を焼結配合原料A(乾量基準)に対して0.02〜0.05質量部(乾量基準)を添加し、適量の配合水を追加し「焼結配合原料の一部B」(乾量基準)に対する合計水分量を6〜10質量部として、高速攪拌混合機で混練し疑似粒子化して造粒物Eとする。
【0030】
そして、この造粒物Eを第2系列側の「焼結配合原料の残部C」とともに、例えばドラムミキサーに投入し、適量の配合水を追加し焼結配合原料A(乾量基準)に対する合計水分量を6〜10質量部として、再度混合造粒を行い、混合原料Fとする。なお、第2系列側の「焼結配合原料の残部C」は、造粒物Eに添加する前に別のドラムミキサー等で単に混合または混合造粒しておいてもよい。
【0031】
なお、「焼結配合原料の一部B」は、必ずしも焼結配合原料Aを構成する鉄鉱石粉、焼結返鉱、副原料および固体燃料のすべてを含む必要はなく、その一部の構成物のみであってもよい。したがって、例えば鉄鉱石粉を銘柄ごとに2系列に分けてその第1系列側にのみ古紙スラッジDを添加するようにしてもよい。また、「焼結配合原料の一部B」の焼結配合原料A全体に対する質量割合(乾量基準)は、焼結鉱の生産規模、焼結配合原料中の鉱石銘柄の構成、設置する高速攪拌混合機の規模等を総合的に判断して適宜決定しうるものであるが、5〜50%、さらには10〜30%、特に15〜25%の範囲とすることが好ましい。
【0032】
副原料として添加する石灰石または生石灰(もしくは消石灰)の配合量については、混合原料F中におけるCaO成分の総質量を一定(例えば、混合原料100質量部に対して8質量部)に維持しつつ、古紙スラッジDの添加量を多くするにしたがい生石灰(もしくは消石灰)の配合量を減少し、代わりに石灰石の配合量を増加してもよい。すなわち、古紙スラッジDの添加量の増大により擬似粒子が強化されるのでバインダーとしての生石灰(もしくは消石灰)の添加量を削減できる。また古紙スラッジDを用いない従来法においては、単に生石灰(もしくは消石灰)を減少して石灰石の配合量を増加すると焼結時に石灰石が分解吸熱(CaCO3→CaO+CO2)して熱不足となり焼結鉱強度が低下するため、固体燃料配合量を増加させる必要があったが、本発明によれば、この石灰石の分解吸熱分を古紙スラッジ中の有機繊維と有機粘着材の燃焼発熱分(後述)で補うことができるのでこのような問題は生じない。
【0033】
このようにして作製した混合原料Fを、焼結機のパレット上に充填し、表層部の混合原料中のコークス粉または無煙炭粉に着火する。着火後、15〜25分間下方に向けて空気を吸引することによりコークス粉または無煙炭粉を燃焼させてこの燃焼熱により充填した混合原料を焼結させて焼結ケーキとする。
【0034】
この着火から焼結ケーキ製造までの過程で蒸発した水分は充填層下部で凝縮して湿潤層を形成するが、古紙スラッジDの添加により擬似粒子が強化されているので擬似粒子の崩壊は起らず通気を阻害しない。すなわち、古紙スラッジD中の繊維の長さは、その約80質量%以上が10〜500μm程度であり、この繊維と粘土質物質が有機粘着材であるリグニンで接合され、この接合物が混合原料の粒子間に配置されて粒子間の摩擦力を高めて滑りにくくすることにより、擬似粒子の崩壊が防止される。これにより、充填層の通気が確保され焼結鉱の生産能率が維持ないし向上する。
【0035】
また、焼結反応に際し少なくとも900℃以上(最高1250〜1300℃)の高温の状態が2〜4分間維持される間に、古紙スラッジD中の有機繊維であるセルロース木質繊維と、有機粘着材であるリグニンとは容易に燃焼消失するので焼結反応を阻害することはなく、むしろこれらの燃焼による燃焼熱と、古紙スラッジD中の粘土質物質が鉄鉱石等とスラグ反応して融液を生成することにより焼結反応が促進され、焼結鉱の強度が上昇する。また、これら有機物の燃焼熱が有効利用できるので固体燃料を節減することができる。あるいは、前述したように、生石灰(もしくは消石灰)使用量を削減するため石灰石配合量を増大した場合にも熱不足になることはなく、固体燃料を増加させる必要はない。
【0036】
古紙スラッジDの添加量は、あまり少なすぎては効果が十分得られず、逆に多すぎると粘土質物質の量が増えて高炉のスラグ量が増加することに加え、古紙スラッジD中にはZn、Cl、Na、K等の低融点化合物を生成する成分が含有されている(表1参照)ため高炉内で付着物を形成する等の問題が生じるので、焼結配合原料A:100質量部(乾量基準)に対して、古紙スラッジDの添加量は、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.02〜0.2質量部、さらに好ましくは0.03〜0.1質量部、特に好ましくは0.03〜0.05質量部とする。
【0037】
添加剤として、古紙スラッジDを添加する代わりに、有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材をそれぞれ所定量ずつ混合して用いてもよい。これらの添加量は、あまり少なすぎては効果が十分得られず、逆に多すぎると焼結鉱の製造コストが高くなりすぎることに加え、粘土質物質の添加量が多すぎると高炉のスラグ量が増加するので、焼結配合原料A:100質量部(乾量基準)に対して、有機繊維の添加量は、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.01〜0.2質量部、さらに好ましくは0.01〜0.07質量部、特に好ましくは0.02〜0.05質量部とし、粘土質物質の添加量は、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.01〜0.2質量部、さらに好ましくは0.01〜0.07質量部、特に好ましくは0.02〜0.05質量部とし、有機粘着材の添加量は、好ましくは0.0005〜0.1質量部、より好ましくは0.001〜0.02質量部、さらに好ましくは0.002〜0.01質量部、特に好ましくは0.003〜0.005質量部とする。
【0038】
有機繊維としては、例えば、古紙を解砕したセルロース木質繊維を用いてもよいし、布染色工程から発生する織物繊維を含有する布染色スラッジを用いてもよいし、これらを混合して用いてもよい。粘土質物質としては、例えば、粘土、ベントナイト、カオリン、タルク等を単独又は2種以上混合して用いてもよい。有機粘着材としては、リグニンの他に、例えば、澱粉、デキストリン、糖蜜等を単独又は2種以上混合して用いてもよい。あるいは、古紙スラッジにこれらのものを適宜追加して有機繊維、粘土質物質、および有機粘着材の割合を調整して用いてもよい。
【0039】
【実施例】
本発明による擬似粒子の強度上昇効果を確認するため、以下の実施例および比較例1,2により混合原料を作製し、各混合原料中の擬似粒子の強度の比較を行った。
【0040】
(実施例)
焼結配合原料は、第1系列側の「焼結配合原料の一部」のものとして、ウェストアンジェラス鉱:15.0質量%、ヤンディ鉱:5.0質量%を用い、第2系列側の「焼結配合原料の残部」のものとして、カラジャス鉱:21.7質量%、リオドセ鉱:6.0質量%、ローブリバー鉱石:5.0質量%、ハマスレー鉱:10.8質量%、ウェストアンジェラス鉱:10.0質量%、ヤンディ鉱:10.0質量%、珪石:0.9質量%、石灰石:12.9質量%、生石灰:2.0質量%、蛇紋岩:0.7質量%、返鉱:20.0質量%、粉コークス:5.5質量%を用いた。(なお、上記第1系列側および第2系列側の各原料の質量%は、返鉱と粉コークスとを除く部分を新原料として、その合計が100質量%となるように表示したものである。したがって、返鉱および粉コークスの質量%は、新原料に対する外数である。)
【0041】
第1系列側に対して、新原料(乾量基準)に対する外数で0.1質量%(乾量基準)の古紙スラッジ[焼結配合原料A100質量部(乾量基準)に対して0.08質量部(乾量基準)に相当]と、第1系列の「焼結配合原料の一部」(乾量基準)に対して9.0質量%の水分とを添加し、高速攪拌混合機で混合造粒を行った。ここに、古紙スラッジとしては、表1に示す成分のもので、−10mmの塊状のものを用いた。また、高速攪拌混合機としては、高速攪拌羽根(アジテータ)を内蔵したアイリッヒミキサー(処理量:3〜5L/バッチ、パン回転数:47rpm、アジテータ回転数:891rpm、滞留時間:45s)を用いた。
【0042】
【表1】
【0043】
一方、第2系列側の「焼結配合原料の残部」には水分を添加せずにドラムミキサー(処理量:5〜7kg/バッチ、ドラム回転数:37rpm、滞留時間:10min)を用いて単に混合を行った。
【0044】
その後、第1系列側の造粒物と第2系列側の混合物とを合わせて、上記ドラムミキサーにて、水分を追加して焼結配合原料A(乾量基準)に対して外数で7.0質量%の配合水とし、さらに8分間混合造粒を行って混合原料を作製した。
【0045】
(比較例1)
上記焼結配合原料の第1系列側についても、古紙スラッジを添加せず、かつ高速攪拌混合機を用いずに上記ドラムミキサーを用いて混合造粒を行った。すなわち、第1系列側の「焼結配合原料の一部」を上記ドラムミキサーに装入し、水分を添加せずに10分間単に混合したのち、第1系列側の「焼結配合原料の一部」(乾量基準)に対する外数で9.0質量%の水分を添加して7分間造粒を行った。一方、第2系列側の「焼結配合原料の残部」を別途、上記ドラムミキサーに装入し、水分を添加せずに10分間単に混合したのち、第2系列側の「焼結配合原料の残部」(乾量基準)に対する外数で7.0質量%の水分を添加して7分間造粒を行った。そして、両系列の造粒物を合わせて、上記ドラムミキサーにて、水分を添加せずに1分間単に混合して混合原料を作製した。
【0046】
(比較例2)
上記焼結配合原料の第1系列側については、古紙スラッジを添加したが、高速攪拌混合機を用いずに上記ドラムミキサーを用いて混合造粒を行った。すなわち、第1系列側の「焼結配合原料の一部」を上記ドラムミキサーに装入し、水分を添加せずに10分間単に混合したのち、新原料(乾量基準)に対する外数で0.1質量%(乾量基準)の古紙スラッジ[焼結配合原料A100質量部(乾量基準)に対して0.08質量部(乾量基準)に相当]と、第1系列の「焼結配合原料の一部」(乾量基準)に対して9.0質量%の水分を添加して7分間造粒を行った。一方、第2系列側の「焼結配合原料の残部」を別途、上記ドラムミキサーに装入し、水分を添加せずに10分間単に混合したのち、第2系列側の「焼結配合原料の残部」(乾量基準)に対する外数で7.0質量%の水分を添加して7分間造粒を行った。そして、両系列の造粒物を合わせて、上記ドラムミキサーにて、水分を添加せずに1分間単に混合して混合原料を作製した。
【0047】
(混合原料中の擬似粒子の強度の比較)
上記実施例および比較例1,2で作製した混合原料中の擬似粒子の強度の評価は、以下のようにして行った。
【0048】
混合原料を乾式篩いで篩って3.0〜5.0mmの擬似粒子を選別し、この擬似粒子を0.5mm篩目の篩いを用いて流水下で水洗して付着粉を除去し、水洗前後の擬似粒子の重量変化から、擬似粒子を構成する付着粉の割合を求めた。この付着粉の割合の大きいものほど擬似粒子化が進み、擬似粒子の強度が大きいものと評価した。
【0049】
表2に、上記実施例および比較例1,2で作製した混合原料について、擬似粒を構成する付着粉の割合を示す。
【0050】
【表2】
【0051】
上記表2に示すように、従来の古紙スラッジを添加しないでドラムミキサーにより造粒する方法(比較例1)に、単に古紙スラッジを添加しても(比較例2)、擬似粒を構成する付着粉の割合は減少しており、却って擬似粒子の強度が低下することがわかる。
【0052】
これに対し、古紙スラッジを添加した上、高速攪拌混合機で造粒することによって(実施例)、従来の古紙スラッジを添加しないでドラムミキサーで造粒する方法(従来例1)より擬似粒を構成する付着粉の割合が増加しており、擬似粒子の強度が向上することがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上より、本発明に係る焼結鉱の製造方法によれば、簡易かつ確実に焼結配合原料中に古紙スラッジを均一に分散することができ、擬似粒子の強度を高めることができるので、生産性を維持ないし向上しつつ高価な生石灰等を低減してコストダウンを図ることができる。
Claims (1)
- 焼結配合原料の一部に古紙スラッジを添加して高速攪拌混合機(「高速攪拌羽根を内蔵した混合機」を意味する。)で混合造粒した後、前記焼結配合原料の残部を添加して、再度混合造粒し焼結することにより、焼結鉱を製造する方法であって、
前記焼結配合原料100質量部(乾量基準)に対する前記古紙スラッジの添加量を0.01〜1.0質量部(乾量基準)とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
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