JP4464482B2 - マッサージ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアーの給排気によって膨縮する複数のエアーバッグによって施療部をマッサージするようにするエアー式のマッサージ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
この種のエアー式のマッサージ装置は、コンプレッサーからのエアーの給排気を利用して、エアーバッグの膨張収縮を繰返し行わせるという原理から開発されたものであり、この原理を利用したものとしては、マット内部に利用したマット型のエアーマッサージ装置や、椅子の背凭れ部内部に利用した椅子型のエアーマッサージ装置等が一般的である。
【０００３】
すなわち、最も基本的な概念により当初に開発されたものは、マット本体内部に複数のエアーバッグを配設し、エアー給排気装置で各エアーバッグに順次エアーを給排気するようにしたマット型エアーマッサージ装置であり、また、椅子の背凭れ部内や座部にエアーバッグを配設する他、Ｗ字状に形成された足載台の両側にエアーバッグを配設し、エアー給排気装置で各エアーバッグに順次エアーを給排気するようにした椅子型エアーマッサージ装置であるが、これらは既に周知のものである。
【０００４】
ところで、これらのマッサージ装置は、従来の機械式マッサージ機に比べて、全体重量が軽量で、どのような形状のものにも内装できると共に、折り畳み可能で持ち運び容易で有り、しかも、首部・肩部・背中部・腰部の他、臀部・尻部・大腿部や足のふくらはぎ部等に亘る広域範囲を、これらに対応するよう任意に配設されたエアーバッグを適宜に膨縮させることで、施療部を快適にマッサージできるという利点がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種従来のエアーマッサージ装置にあっては、複数のエアーバッグを順次膨縮させて施療部をマッサージする場合に、最初のエアーバッグと最終のエアーバッグ間を順次膨縮を繰り返したり、施療を要するポイントのエアーバッグを繰り返し膨縮させる等の行程を行い、マッサージできるようにしているが、これらに使用されるエアーバッグは、椅子式のものもベッドタイプのものも何れもが縦一列に並設されているだけであるため、施療部の凹凸に対応できず、常時一定の押圧力でのマッサージしかできず、特に施療部が首部・肩部・背中部・腰部のように、左右の押圧力が異なるマッサージを行いたい場合には、対応できないという問題があった。
【０００６】
また施療部が首部・肩部・背中部・腰部である場合には、背骨を圧迫するという問題もあり、この圧迫は、骨粗しょう症になり易い老人や女性等の使用者にとっては、骨折等の問題もあり、無視できない現状である。
【０００７】
更に腰部や背部等の施療部に集中ポイントマッサージを行いたい場合等は、施療部に対する押圧力が不足しているという問題もある。
【０００８】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、快適な連続マッサージを行い得るエアー式のマッサージ装置を提供することを目的とするものである。
【０００９】
【問題を解決するための手段】
すなわち、本発明のマッサージ装置は、本体内部に配設され、エアー給排により膨縮する複数のエアーバッグを縦設して構成したエアーバッグ群と、このエアーバッグ群の各エアーバッグにエアーを給排するエアー給排気装置を備え、前記エアーバッグ群の隣接する各エアーバッグを各々重合状に配設するとともに、前記エアーバッグ群を少なくとも二列以上配設したエアー式のマッサージ装置であって、前記本体は人一人分の大きさを有し、かつ、前記各エアーバッグ群の各エアーバッグを１個の前記エアー給排気装置に連通させるとともに、順次波状に時差を設けて同調膨縮することを特徴とするものである。
【００１２】
【作用】
本発明のマッサージ装置は、上記のように構成することにより、以下のような作用をもたらすものである。すなわち、本発明のマッサージ装置は、人一人分の大きさを有する本体内部に配設されたエアーバッグ群の隣接する各エアーバッグを各々重合状に配設するとともに、エアーバッグ群を少なくとも二列以上配設し、かつ、前記各エアーバッグ群の各エアーバッグを順次波状に時差を設けて同調膨縮しているため、施療部への膨縮ピッチが細かくてエアーバッグの膨縮による施療部への押圧力を可及的に増加させるとともに、施療部の凝りに適応するよう左右に任意の異なる押圧マッサージが行え、快適な連続マッサージを行うことができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマッサージ装置を図面に示す一実施例に基づき、これを詳細に説明する。
図１乃至図７は、本発明のマッサージ装置がマット型である場合の例を示した説明図であり、図８及び図９は、本発明のマッサージ装置がマット型である場合の内部機構を示す概略説明図である。
【００１７】
本発明のマッサージ装置は、マット型に形成される本体１と、該本体１内部或いは外部からエアー供給するエアー給排気装置４（図面では外部に設置する場合を例示した。）と、該エアー給排気装置４からのエアーの給排により膨縮するよう配設した複数（図面では１６個を配置した例を示した。）のエアーバッグ２１，２２，・・・２ｎと、これらエアー給排気装置４と複数のエアーバッグとが連通するよう介設したエアーホース３とを具備するエアー式のマッサージ装置であって、前記エアーバッグ２１，２２，・・・２ｎを順次縦設してエアーバッグ群２を構成し、該エアーバッグ群２を左右に二列配設して構成されている。
【００１８】
前記本体１は、図１乃至図９に示したようにマット型に形成され、その長手方向両側に複数のエアーバッグ２１、２２、・・・２ｎの離脱を防ぐエアーバッグ離脱防止用ガード部１１・１１を配備しており、一側には頭部を載置させる枕部１２が設けられており、他側には足部をリラックスさせる為に稍盛り上り部１３を形成している。
【００１９】
尚、前記本体１に設けられたエアーバッグ離脱防止用ガード部１１や枕部１２及び盛り上り部１３は、必ずしも具備させる必要があるものではなく、その選択は任意である。
【００２０】
エアーバッグ群２は、前記本体１内部の左右に二列配設されており、各エアーバッグ群２は、前述したように複数のエアーバッグ２１、２２、・・・２ｎで構成されており、各隣接するエアーバッグ２１とエアーバッグ２２、エアーバッグ２２とエアーバッグ２３、・・・エアーバッグ２ｎ−１とエアーバッグ２ｎは、各々重合状に配設されている。
【００２１】
両エアーバッグ群２・２間には、図８及び図９に示したような間隙５が設けられており、該間隙５により施療者の中央である背骨部分を保護し、各エアーバッグ２１、２２、・・・２ｎの膨縮による圧迫を防止するようにしている。
【００２２】
また、前記間隙５には、図９に示したように前記エアーホース３を配設しても良く、このようにする事で、本体１の内部を可及的有効に利用する事ができるのである。
【００２３】
前記各エアーバッグ２１、２２・・・２ｎは、ポリプロピレン製繊維やポリウレタンと６ナイロンの合成繊維によるものを袋状に溶着（或いはブロー成形）し、その一側には、止着部を備えた舌状止着片２Ａが設けられており、各エアーバッグ２１、２２・・・２ｎを、首部・肩部・背中部・腰部・臀部・大腿部・ふくらはぎ部、及び足首部の各部に対応するよう順次重合状に配設し、各施療部に対する膨縮ピッチを細かくすることができるようにすると共に、重合状に配設された下部側のエアーバッグ２２、２３・・・２ｎが上部側のエアーバッグ２１、２２・・・２ｎを押し上げるように膨張する為、膨縮による高さを高くすることができ、押圧力を増加させることができる。
【００２４】
尚、前記舌状止着片２Ａの止着部は、どのような形態のものであっても良く、その止着手段につても任意である。
【００２５】
前記エアーホース３は、前記本体１の内部で各エアーバッグ２１、２２、・・・２ｎに連通するよう配設されており、例えば図８に示したように、外部からのエアー給排気装置４からのエアーを供給すべく本体１内部両側に配備しても、図９に示したように本体１内部の間隙５に配備しても良い。
【００２６】
尚、前記エアー給排気装置４は、エアーコンプレッサーと、該エアーコンプレッサーから供給されるエアーを、前記エアーホース３を介して前記各エアーバッグ２１、２１、・・・２ｎに所定の順序で分配して供給するロータリーバルブよりなる分配器とで構成されており、その制御等はマイクロコンピューターで行うようにしている。
【００２７】
また、前記制御は、これに接続されたリモートコンロール（図示せず）によってコントロールできるようにしており、該リモートコンロールにより、エアー給排気装置４の給排速度や給排量及び各エアーバッグ２１、２２、・・・２ｎを選択特定或いは指定して、エアー給排気装置４に接続された各エアーバッグ２１、２２、・・・２ｎの給排稼動位置や稼働範囲、或いは給排休止範囲を任意に設定できるようにしており、図１及び図２に示したように、両エアーバッグ群２・２全体のエアーバッグ２１、２２、・・・２ｎを一時に反復して膨張、収縮させる給排稼動や、図３及び図４に示したように両エアーバッグ群２・２の足下のエアーバッグ２ｎ・２ｎから頭部側のエアーバッグ２１・２１に順次膨縮を繰り返し行わせるようにする給排稼動を行わせる事ができる。
【００２８】
また図５は、両エアーバッグ群２・２の各エアーバッグ２１、２２、・・・２ｎを順次波状に同調して膨縮させる給排稼動を例示しており、図６は、両エアーバッグ群２・２の各エアーバッグ２１、２２、・・・２ｎを順次波状に時差を設けて同調膨縮させる給排稼動を例示しており、図７は両エアーバッグ群２・２の各エアーバッグ２１、２２、・・・２ｎを時差を設けて順次波状に同調して膨縮させる給排稼動を例示したものであり、制御装置により任意に設定できる。
【００２９】
尚、図示例では、両エアーバッグ群２・２を同調させるものを表したが、必ずしも同調させる必要はなく、変調、同調、反復、アトランダムを任意に設定しても良い事は言及する迄もない。
【００３０】
【発明の効果】
よって、本発明によれば、人一人分の大きさを有し人一人が仰臥し得る大きさを有する本体内部に配設されたエアーバッグ群の隣接する各エアーバッグを各々重合状に配設するとともに、エアーバッグ群を少なくとも二列以上配設し、かつ、前記各エアーバッグ群の各エアーバッグを順次波状に時差を設けて同調膨縮することエアーバッグ群の各エアーバッグを他のエアーバッグ群の各エアーバッグに対して時差を設けて順次波状に膨縮しているため、単にエアーバッグを縦設した押圧力の弱い従来のマッサージ装置とは異なり施療部に対する膨縮ピッチが細かく押圧力の強い押圧マッサージが行えるとともに、施療部の凝りに適応するよう左右に任意の異なる押圧マッサージが行え、快適な連続マッサージを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の説明図である。
【図２】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の説明図である。
【図３】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の説明図である。
【図４】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の説明図である。
【図５】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の説明図である。
【図６】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の説明図である。
【図７】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の説明図である。
【図８】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の内部機構を示す概略説明図である。
【図９】本発明のマッサージ装置がマット型である場合の内部機構を示す概略説明図である。
【符号の説明】
１ 本体
２ エアーバッグ群
２１、２２、・・・２ｎ エアーバッグ
４ エアー給排気装置
５ 間隙

Claims (1)

1. 本体内部に配設され、エアー給排により膨縮する複数のエアーバッグを縦設して構成したエアーバッグ群と、
   このエアーバッグ群の各エアーバッグにエアーを給排するエアー給排気装置を備え、
   前記エアーバッグ群の隣接する各エアーバッグを各々重合状に配設するとともに、
   前記エアーバッグ群を少なくとも二列以上配設したエアー式のマッサージ装置であって、
   前記本体は人一人分の大きさを有し、前記各エアーバッグ群の各エアーバッグを順次波状に時差を設けて同調膨縮することを特徴とするマッサージ装置。

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