JP4461567B2 - バックミラー装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明はバックミラー装置に関し、特に自動車事故を防止するためにバックミラーの角度を自動的に変更して運転者による歩行者などの障害物の見落としを減少させるバックミラー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の速度(以下車速)が速い時は、歩行者や2輪車は車両に近づくのを怖がるが、車速が遅い時はさほどの恐怖心を覚えず近づくことができる。従って、バックミラーの視認範囲としては車速が遅い時は車両のより近くを視認できることが望ましく、車速が速い時は車両の外側をより視認できることが望ましい。
【0003】
そこで本出願人は、特許願2000-47474号において、トレーラと共に連結車両を構成するトラクタの視認性を向上させる為に車速が遅い時にはバックミラーを内側に回動させることによりバックミラーに車両近傍を写し出し、運転者による障害物の見落としを減少させたバックミラー装置を提案している。
しかしながら、トラック、トラクタ、バスなどのキャブオーバ型車両では、運転席が高い位置にあり、それに伴ってバックミラーも高い位置に取り付けられているので、バックミラーを内側に回動するだけでは前輪の周辺の見え方は余り変化していないことをが本発明者の研究で分かった。
【0004】
そして、この部分に歩行者などが存在すると前進走行中に旋回した時、運転者の障害物の見落としなどによって車体と接触する危険性があり、また、後退しながら旋回する場合なども前輪で歩行者などを巻込んでしまう危険性が在る。
さらには、一部の車種には下側を視認するための補助ミラーを設置しているものもあるが、ミラー面積が小さいので十分な視界を得ることが出来ず、さらには、主ミラーに何か動く物体が写ると運転者の注目が主ミラーに集中してしまい、補助ミラーの視認がおろそかになるという問題もあった。
【0005】
一方、実開平2-86839号公報などにおいては、ギヤが後退位置になった時にミラーを下向きに制御することは多数提案されている。このような技術は、後退走行時に後輪の周囲を視認するのが目的であり、前輪近傍の障害物の見落としは減少させることができないという問題があった。
そこで本発明者は、特許願2000-76272号において、車速が低い時、又はギヤ位置が後退位置の時にはバックミラーを内向き且つ下向きになるように回動させ、以って車両の特に前輪近くの障害物の見え方を改善して事故の危険性を減少させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許願2000-76272号の場合には、例えば左側車線を低速で走行中、障害物等が前方に在る為、右側車線に移りたい時にも、バックミラーは内側と下側を向いたままなので、右側車線を広い範囲で視認することができず、危険を伴うという問題が在った。
【0007】
また、この特許願2000-76272号においては、車両が停止している時はバックミラーを標準位置に戻すようにしているので、停車している時、例えば路肩に停車しており、走行路本線に入るためにバックミラーで後方を見ている時などには、車両近傍だけでなく、より外側の方向も見えないと走行車線を走行して来る他の車両が視認できないので危険を伴うことになる。
【0008】
しかしながら、停車中は本来は車両近傍に歩行者等が近づき易いので、車両近傍の障害物の見落としが少ない方が望ましく、上記のような制御は自車と歩行者等との安全性の両立の点で満足できるものではなかった。
一方、特開平6-166358号公報においては、フラッシャの操作と舵角を検出し、フラッシャが操作された時にその舵角に応じて進路変更に係るバックミラーを外向きに回動する技術が開示されているが、この技術においては低速走行時にバックミラーを内向き制御は行っていないので、基本的な制御内容が異なっており、車両近傍の接触事故や巻込み事故を防止するという所期の目的を意図していない。
【0009】
従って本発明は、進路変更時又は停車時において車両近傍の障害物の見落としをできるだけ減少させたバックミラー装置を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るバックミラー装置は、車両の左右のバックミラーを上下左右に独立して回動させる回動部と、車速を検出する車速検出部と、進路変更操作を検出する進路変更操作検出部と、車両発進操作を検出する車両発進操作検出部と、該車速が一定値以下の時には、両バックミラーを標準位置から所定回動量だけ内向き且つ下向きに回動させるよう該回動部を制御すると共に、この制御状態において、該進路変更操作が検出された場合には、その進路変更に係る側の該バックミラーのみ該標準位置に戻るように該回動部を制御する一方、該車両の停車状態且つ該車両発進操作が検出された場合には、該両バックミラーを該標準位置に戻すように該回動部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
すなわち本発明においては、図1に原理的に示すように、車両(トラクタ1とトレーラ2の連結車両として図示されているが、通常のトラック等でもよい。)のバックミラー3の上下(垂直)視野角βを制御できる構造とし、車速検出部によって検出された車速が一定値を越える通常走行時には、該進路変更操作が検出された時でも両バックミラーを標準位置として回動させないように制御する。そして該車速が該一定値以下の低速走行時には制御部が回動部を介してバックミラー3を、同図(1)に示す標準位置から所定回動量だけ、内向き且つ下向きに回動させて同図(2)に示す位置になる。
【0012】
これと同時に、バックミラー3の左右(水平)視野角αも制御できる構造とし、図2に原理的に示すように、上記の低速走行時にはバックミラー3を、同図(1)に示す標準位置から所定回動量だけ内向きに回動させて同図(2)に示す位置になる。
【0013】
従って、低速走行時にはバックミラー3の下向き回動と内向き回動を同時に行っている。
これにより、低速走行時の車両近傍の障害物OBSに対する接触事故や巻込み事故を未然に防ぐことが可能となる。
【0014】
ここまでは上記の特許願2000-76272号と同様であるが、本発明においては、さらに進路変更操作検出部によって進路変更操作が検出された時には、制御部が、その進路変更に係る側のバックミラーのみ標準位置に戻るように回動部を制御する。
【0015】
従って、図1の上下方向に関しては、同図(2)における下向き回動位置から、同図(1)の標準ミラー位置に戻されることになる。また、水平方向に関しては、進路変更に係る側のバックミラー、例えば左側のバックミラー3のみが同図(2)の回動位置から同図(1)に示す標準ミラー位置に戻されることになる。
【0016】
さらに本発明においては、上記の構成に加えて、車両発進操作検出部を備え、該制御部は、車速が停車状態を示している時にも該バックミラーを標準位置から所定回動量だけ内向き且つ下向きに回動させると共にこの状態から該車両発進操作が検出された時のみ、該バックミラーが該標準位置に戻るように該回動部を制御する。
【0017】
すなわち、停車中はバックミラーが、内向き且つ下向きになるので車両近傍の障害物の見落としを減少させると共に、この停車状態から車両が発進する時にはバックミラーを標準位置に戻すので発進時の車両外側においては、より広い範囲を視認することができるので安全性が向上することになる。
【0018】
ここで、車両が牽引車両としてのトラクタと被牽引車両としてのトレーラの連結車両である場合には、図1及び図2に示したように、バックミラー3をトラクタ1に設けると共に、該連結車両の連結角検出手段を設け、該連結角に応じてバックミラー3の標準位置を変化させ、車速が一定値以下のとき、この標準位置から所定回動量だけバックミラー3を内向き且つ下向きに回動させるとともに車速が一定値を越えたらバックミラー3を該標準位置に戻すように該制御部が該回動部を制御するようにしてもよい。
【0019】
あるいは、バックミラー3をトラクタ1に設けると共に、バックミラー3と一緒に回動するように取り付けられてトレーラ2の後側面を撮影するカメラを儲け、該制御部は、該カメラの出力画像を処理してトレーラ2の後側面の後端位置2aを検出し、該後端位置2aが該カメラの画像の所定位置に来るように該回動部を制御した時の該所定位置をバックミラー3の標準位置とするようにしてもよい。
【0020】
従って、トラクタ1及びトレーラ2から成る連結車両において、トレーラ2の連結角やトレーラ後端位置2aを、画像方式やレーダ方式、或いは機械方式などにより検出し、トレーラ2が屈曲した場合もバックミラー3の所定の位置(標準位置)にトレーラ2の後端が常に写るようにバックミラー3の上下左右角度を上記と同様に制御することが可能となる。
【0021】
これを、図3により水平方向の場合について説明すると、同図(1)に示すようにほぼ直進状態で走行する場合、バックミラー3の位置も上記の図1(1)及び図2(1)に示したように標準位置を示すが、図3(2)に示すように、トラクタ1とトレーラ2との間に屈曲角が発生してバックミラー3がこれに追従する制御を行った場合、同図(3)に示すように、車速が一定値以下となった場合には、追従している角度を基準としてバックミラーが内側に回動させられるが、この状態で進路変更操作が検出された場合には、バックミラーは同図(2)に示す状態に戻されることになる。
【0022】
一方、停車時の制御については、連結車両が屈曲しながら停車しており、且つ発進操作がない時は、同図(3)に示すようにミラーは内向きに回動されているので車両近傍の障害物OBSが視認できているが、車両発進操作が行われた時には、この内向き回動状態から、同図(2)に示すような標準ミラー位置に戻され、以って車両の外側が良好に視認できるようになる。
【0023】
なお、上下方向については図示していないが同様の制御を行えばよい
【0024】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明に係るバックミラー装置の電気的な回路例(1)を示したものである。この回路例では、制御部としての演算部11が、フラッシャ信号やハンドル操舵角信号などの進路変更操作信号に対する検出部12及び車速検出部としての車速センサ13からの出力信号を入力するように接続されている。
【0025】
また、この演算部11は、上下回動用モーターの駆動回路14及び左右回動用モーター駆動回路15に出力信号を与え、上下回動用モーター駆動回路14が上下回動用モーター駆動回路16を介してバックミラー3を上下方向に回動させると共に、左右回動用モーター駆動回路15が左右回動用モーター駆動回路17を介してバックミラー3を左右方向に回動させるように接続されている。
【0026】
また、演算部11には発進操作検出部18が接続されている。
なお、この車両発進操作検出部18としては次のような従来からよく知られた状態を示す信号を発生するものを使用することができる。
▲1▼非常停止点滅灯の停止
▲2▼右側フラッシャの作動開始
▲3▼駐車ブレーキの解除
▲4▼ギヤ位置が中立位置から走行位置になった時(自動変速機の場合)
▲5▼クラッチ踏込あり(手動変速機の場合)
▲6▼クラッチ踏込あり+ギヤ走行位置にシフトされた時(手動変速機の場合)
なお、駆動回路14及び15並びにモーター16及び17で回動部を構成している。
【0027】
図5は、図4に示した回路例における演算部11に格納され且つ実行される制御プログラムのフローチャートを示したものである。
以下、このフローチャートに沿って、図3の実施例の動作を説明する。
ステップ S1:
まず演算部11は、車速センサ13の出力信号に基づき、車両が停止しているか否かを判定する。この結果、停車状態であればステップS3へ進み、停車状態でなければステップS2へ進む。
【0028】
ステップ S2:
ステップS1で検出した車速が8km/h以下か否かを判定する。8km/h以下の時は低速走行時であると判定してステップS4へ進み、それ以外の場合にはステップS9へ進む。
【0029】
ステップ S3:
ステップS1で停車中であることが分かった場合はさらに発進操作検出部18の出力信号に基づき、車両発進操作が在ったか否かを判定する。この結果、発進操作が在った場合にはステップS9へ進み、そうでなければステップS2へ進む。
【0030】
ステップ S4:
車両の左側への進路変更があるか否かを判定する。この結果、進路変更があった場合にはステップS6へ進み、そうでなければステップS5へ進む。
ステップ S5:
車両の右側への進路変更操作が在ったか否かを進路変更操作検出部12の出力信号から判定する。この結果、右側への進路変更操作が在った場合にはステップS7へ進み、そうでなければステップS8へ進む。
【0031】
ステップ S6:
右側バックミラーの回動段数を下向き1段且つ内向き1段に決定すると共に、左側バックミラーの回動段数を下向き且つ内向き共に0段、すなわち標準位置に決定する。
【0032】
ステップ S7:
左側バックミラーの回動段数を下向き1段且つ内向き1段に決定すると共に、右側バックミラーの回動段数を下向き且つ内向き共に0段、すなわち標準位置に決定する。
【0033】
ステップ S8:
左右両側バックミラーの回動段数を下向き1段且つ内向き1段に決定する。
ステップ S9:
左右両側バックミラーの回動段数を下向き0段且つ内向き0段、すなわち標準位置に決定する。
【0034】
ステップ S10:
バックミラー3の内向き回動段数が、ステップS6〜S9で決定された段数になるように、演算部11は左右回動用モーター駆動回路15を介して左右回動用モーター17に対して制御信号を与えることにより、バックミラー3を内向き若しくは外向き方向に回動するか、又は現在位置を保持してステップS11へ進む。
【0035】
ステップ S11:
バックミラー3の下向き方向回動段数が、ステップS6〜S9で決定された段数になるように、演算部11は、上下回動用モーター駆動回路14を介して上下回動用モーター16に制御信号を与えることにより、バックミラー3を下向き若しくは上向き方向に回動するか、又は現在位置を保持する。
【0036】
ここで、図4及び図5に示した実施例においては、図1及び図2に示したように、車両がトラック、又は屈曲状態にない連結車両に適用されるような実施例について説明したが、実際には、トラクタ1とトレーラ2は何らかの屈曲角を持って走行することが多いので、このような状況に対応するため、図6及び図7に示した実施例が用いられる。
【0037】
すなわち、図6の回路例(2)に示すように、連結角検出装置19を用い、この出力信号を演算部11に与える点が図4に示した回路例(1)と異なっている。また、図7に示したフローチャートにおいては、図5に示したフローチャートのステップS1の前に、ステップS0を設けた点が異なっている。
【0038】
このようなステップS0においては、連結角検出装置19においてトラクタ1とトレーラ2との連結角を検出した時、これを受けた演算部11はこの連結角に対応してバックミラー3の標準位置を決定する。
そして、ステップS1〜S9は図5の実施例と同様に実施されるが、ステップS10においては、ステップS0で決定されたバックミラーの左右角度を標準位置として、決定された段数に相当する角度だけ左右にバックミラーを回動させることになる。
【0039】
従って、ステップS11は図5と同様に実行される。
なお、連結角によるミラー制御は、例えば特開平10-81174号公報に示された公知技術を用いればよい。
上記の実施例におけるステップS0では、トラクタとトレーラの連結角を検出してバックミラーの角度を標準位置に制御しているが、本発明者に係る特許願20000-3351号に記載の如く、連結角を検出することなくバックミラーの角度を標準位置に制御する方法も可能である。
【0040】
すなわち、この実施例においては、カメラを用い、その出力画像を処理してトレーラの後端位置を検出すると共に、この後端位置が常にカメラの画像の所定位置に来るようにトラクタのバックミラーを回動させている。
カメラはトレーラの後側面を撮影するようにバックミラーと一緒に取り付けられているので、バックミラーが回動することにより、カメラも回動してその画像の所定位置にトレーラの後端位置が来るようになる。
【0041】
これを図8に示した原理図により具体的に説明する。
まず、連結車両が同図(1)に示すような屈曲ゼロ(直進走行)の状態の場合、カメラ4の視野角αとミラー3の視野角βとが図示のような関係にあるとする。
このような状態から、同図(2)に示すような屈曲角θで旋回するような場合、制御部(図示せず)は、カメラ4の出力画像からトレーラ2の後端位置2aを検出し、この後端位置2aが画像内の所定位置に来るように回動部(図示せず)を制御してバックミラー3を回動させる。
【0042】
バックミラー3が回動するとカメラ4一緒に回動するのでカメラ4の画像中のトレーラ2の後端位置2aは所定位置(図9に示す追従ラインL1)=標準位置に一致する。
図8(2)の状態から更に屈曲角が増して同図(3)の状態(屈曲角θ')に変化した場合も同様にしてカメラ4の出力画像に基づきバックミラー3が回動させられることによりカメラ4も回動させられる結果、図9に示すようにトレーラ2の後端位置2aが追従ラインL2に一致制御されることとなる。
【0043】
このようにして、トレーラ2に構成部品を取り付けることなく、トレーラ2の後端位置2aが常にカメラ画像のウィンドウ、すなわちバックミラーの所定位置に来るように制御することが可能となる。
また、この場合では、該カメラ画像の所定位置を、該画像の横軸座標の中央とすることができる(図9の例)。
【0044】
これにより、例えばバックミラー3とカメラ4の視野角が同じであれば、運転席からはトレーラ2の後端位置2aが常にバックミラー3の中央に見えることとなる。なお、この中央位置は、左右にオフセットさせてもよい。
図10は、図8及び図9の原理を実現するバックミラー装置の電気的な回路例(3)を示したものであり、この回路例ではカメラとしてCCDカメラを用い、このCCDカメラ4の出力画像を画像メモリ6aに記憶し、この画像メモリ6aに記憶したデータに基づいて画像処理部6bが微分処理、エッジ処理、二値化処理などを行ってこの処理結果を演算部6cに与える。
【0045】
演算部6cでは、後述するようにトレーラの後側面の形状を判定すると共に、その後端位置の座標を検出し、この後端位置と所定の位置との関係を判定してその結果をステップモーター駆動回路7aに与える。ステップ駆動回路7aはステップモーター7bを回動させ、これによってカメラ4及びミラー3が一緒に回動することとなる。
【0046】
なお、図10における画像メモリ6aと画像処理部6bと演算部6cとで制御部を構成し、ステップモーター駆動回路7aとステップモーター7bとで回動部を構成している。
図11は、図10に示した演算部6cで実行される演算処理の実施例(1)を示したフローチャートであり、以下、このフローチャートを参照して図10の回路例の動作を説明する。
【0047】
まず演算部6cは、画像処理部6bで微分処理、エッジ抽出及び二値化処理などを行って出力されたカメラ4の画像からトレーラ2の後側面を検出しているか否かを判定する(ステップS21)。
このトレーラ2の後側面検出に関しては、特開平5-313736号公報、同8-320999号公報、同9-16782号公報、及び同10-97699号公報等を参照することができる。
【0048】
すなわち、カメラ画像からエッジ検出を行い、図12に示すようにエッジ検出した形状を、予め記憶しておいた口の開いたコの字型の形状と比較する。
この比較の結果、両者が一致していると判定した時には、トレーラ2aの後側面2bを検出したと判断すると共に、その内の垂直エッジのX軸座標Xtを後端位置2aとして検出する(ステップS22)。
【0049】
この後、座標Xtが予め設定されている-XaとXaとの間にあるか否かを判定する(ステップS23)。
すなわち、図12に示すように、この実施例では、垂直エッジである後端位置2aを画像の中央位置(標準位置)であるX軸座標“0”に来るように制御するものであるが、ステップモーター7bの頻繁な回動を防ぐため、中央座標“0”に対して上記のように-Xa〜Xaの許容範囲を設け、座標Xtがこの範囲内にあるときはカメラ4を回動させないようにしている。なお、この-Xa 〜Xaは±5°に設定することができる。
【0050】
ステップS23において、座標Xtが上記の範囲内にある時はこのフローチャートを出るが、座標Xtがその範囲内にない時はステップS24に進む。
ステップS24では、座標Xtの位置がプラス側(外向き)に外れているのか、マイナス側(内向き)に外れているのかを判定する。
【0051】
この結果、プラス側に外れている時(Xt>Xa)は、ステップS25においてステップモーター7bを1ステップだけ外側に回動させてステップS26へ進む。
ステップS26では、カメラ画像内での座標Xtを検出し、ステップS27に進む。
ステップS27では、座標Xtが“0”になったか否かを判定する。この場合、Xt=0になっていない時はステップS25へ戻り、Xt=0になるまでステップS25〜S27を繰り返す。一方、Xt=0になったら、このフローチャートから出る。
【0052】
ステップS24において、内側に外れていることが分かった時(Xt<-Xa)には、ステップS25〜S27と同様にステップS28〜S30を実行することにより、ステップモーター7bを今度は内向きに回動させる。
ステップS21に戻って、トレーラ2の後側面2bが検出されていないことが分かった時には、ステップS31に進みステップモーター7bを最も外向きの最大ステップ位置に回動させてステップS32に進む。
【0053】
ステップS32ではステップモーター7bを1ステップだけ内向きに回動させてステップS33に進む。
ステップS33ではカメラ4がトレーラ2の後側面2bを検出したか否かを判定し、ステップS21と同様にトレーラ2の後側面2bが検出されていればステップS22に進むが、検出されなければステップS34に進む。
【0054】
ステップS34ではステップモーター7bが最も内向きの位置(ステップ数ゼロ)に達したか否かを判定し、まだ最も内側の位置でなければステップS32に戻り、ステップモーター7bをさらに1ステップだけ内向きに回動させる。
このようにして、トレーラ2の後側面2bが検出されるまでステップS32〜S34を繰り返し、トレーラ2の後側面2bが検出された時点でステップS22に進む。
【0055】
ステップS34において、ステップモーター7bが最も内向きの位置に達したと判定された時はステップS35に進む。
ステップS35では、ステップモーター7bを最も内向きの位置に保持させてステップS36へ進む。なお、この最も内向きの位置は、バックミラー3の回動制御を行わない通常のミラー調整位置(図8(1)参照)である。
【0056】
ステップS36では、トラクタ1の反対側にバックミラー3及び回動部と共に設置したカメラ(図示せず)がトレーラ2の後側面2bを検出しているか否かを判定し、検出していればトレーラ2が反対側に屈曲していることになり異常ではないのでこのフローチャートを出るが、そうでない時は装置に異常に発生したと判断してステップS37で故障ウォーニングを発生する。
【0057】
このようにして、図9に示したように、トレーラ2の後端位置2aが追従ラインとしての中央線L1に制御されることになる。
なお、上記のステップS36で、反対側に設けたカメラにより後側面2bが検出されたときには、ステップS21〜 S30を同様に実行すればよい。
【0058】
本実施例では、このようにして、図7のステップS0の変形例を実行した後、同様のステップS1〜S12を実行することになる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るバックミラー装置によれば、回動部が車両の左右のバックミラーを上下左右に独立して回動できるようにしており、車速が一定値以下の時、バックミラーを標準位置から所定回動量だけ内向き且つ下向きに回動させるが、この時に進路変更操作が検出された時には、その進路変更に係る側のバックミラーのみを標準位置に戻すように構成したので、低速走行中及びその状態からの車線変更や右折または左折時の安全性が向上することになる。また、停車状態で且つ車両発進操作が検出された時には、バックミラーを標準位置に戻すように構成できるので、この場合には車両停止中の車両近傍の見落としが減少し、安全性が向上すると共に発進時には車両外側の広い範囲を視認することができるので安全性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバックミラー装置の動作原理を説明するための側面図である。
【図2】本発明に係るバックミラー装置の動作原理を説明するための平面図である。
【図3】本発明に係るバックミラー装置において、連結車両を用いた場合の動作原理を説明するための平面図である。
【図4】本発明に係るバックミラー装置の電気的な回路例(1)を示したブロック図である。
【図5】図4に示した回路例における演算部に格納され且つ実行される制御プログラムのフローチャート図である。
【図6】本発明に係るバックミラー装置の別の実施例に用いる電気的な回路例(2)を示したブロック図である。
【図7】図6に示した回路例における演算部に格納され且つ実行される制御プログラムのフローチャート図である。
【図8】本発明に係るバックミラー装置のさらに別の実施例の原理を説明するための平面図である。
【図9】図8に示す実施例によって制御された最終的なカメラ画像におけるトレーラの後側面を示した図である。
【図10】本発明に係るバックミラー装置の電気的な回路例(3)を示したブロック図である。
【図11】図10に示す回路例における演算部に格納され且つ実行される制御プログラムのフローチャート図である。
【図12】図10に示す回路例におけるカメラ画像とトレーラ後側面との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 トラクタ
2 トレーラ
2a 後端位置
2b トレーラ後側面
3 バックミラー
4 カメラ
5 運転席
6a 画像メモリ
6b 画像処理部
6c 演算部
7a ステップモーター駆動回路
7b ステップモーター
11 演算部
12 進路変更操作検出部
13 車速センサ
14 上下回動用モーター駆動回路
15 左右回動用モーター駆動回路
16 上下回動用モーター
17 左右回動用モーター
18 車両発進操作検出部
19 連結角検出装置
OBS 障害物
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (4)
- 車両の左右のバックミラーを上下左右に独立して回動させる回動部と、
車速を検出する車速検出部と、
進路変更操作を検出する進路変更操作検出部と、
車両発進操作を検出する車両発進操作検出部と、
該車速が一定値以下の時には、両バックミラーを標準位置から所定回動量だけ内向き且つ下向きに回動させるよう該回動部を制御すると共に、この制御状態において、該進路変更操作が検出された場合には、その進路変更に係る側の該バックミラーのみ該標準位置に戻るように該回動部を制御する一方、該車両の停車状態且つ該車両発進操作が検出された場合には、該両バックミラーを該標準位置に戻すように該回動部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするバックミラー装置。 - 牽引車両と被牽引車両で構成された連結車両から成る車両であり、
該牽引車両にバックミラーを設けると共に、左右のバックミラーを上下左右に独立して回動させる回動部と、
車速を検出する車速検出部と、
進路変更操作を検出する進路変更操作検出部と、
該車両の連結角を検出する連結角検出装置と、
両バックミラーの標準位置を該連結角に応じて決定し、該車速が一定値以下の時、該バックミラーを該連結角に応じて決定した該標準位置から所定回動量だけ内向き且つ下向きに回動させると共に該車速が該一定値以下であり且つ該進路変更操作が検出された時は、その進路変更に係る側の該バックミラーのみを該連結角に応じて決定した該標準位置に戻すように該回動部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするバックミラー装置。 - 車両の左右のバックミラーを上下左右に独立して回動させる回動部と、
車速を検出する車速検出部と、
進路変更操作を検出する進路変更操作検出部と、
該車速が一定値以下の時、両バックミラーを標準位置から所定回動量だけ内向き且つ下向きに回動させると共に該進路変更操作が検出された時には、その進路変更に係る側の該バックミラーのみが該標準位置に戻るように該回動部を制御する制御部とを備え、
該車両が牽引車両と被牽引車両で構成された連結車両であり、該バックミラーを該牽引車両に設けると共に該バックミラーと一緒に回動するように取り付けられて該被牽引車両の後側面を撮影するカメラを設け、
該制御部は、該カメラの出力画像を処理して該被牽引車両の該後側面の後端位置を検出し、該後端位置が該カメラの画像の所定位置に来るように該回動部を制御した時の該所定位置を該バックミラーの該標準位置とすることを特徴としたバックミラー装置。 - 請求項2又は3において、
車両発進操作を検出する車両発進操作検出部を更に備え、
該制御部は、該車両の停車状態且つ該車両発進操作が検出された場合には、該両バックミラーを該標準位置に戻すように該回動部を制御することを特徴としたバックミラー装置。
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