JP4461230B2 - 偽造防止印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、銀行券、株券、パスポート、有価証券、通行券、カード、商品タグ等の偽造、変造を防止する必要性のある貴重印刷物に適用される偽造防止印刷物及びその作製方法に関するものである。
従来、銀行券、株券、パスポート、有価証券、通行券、カード、商品タグ等の偽造、変造を防止する必要性のある貴重印刷物において、印刷物に対して垂直方向から傾けて観察することにより潜像画像の出現又は色彩の変化をさせて真偽判別を行う技術は公知であり、凹版印刷物の画線構成を利用して潜像画像を出現させるもの、光学的変化インキを利用して色彩を変化させるもの等が挙げられる。また、基材に対して垂直方向から徐々に水平方向に観察すると画像が連続的に変化する代表的な技術としてホログラムが挙げられる。
前記凹版印刷物の画線構成を利用し、潜像画像を出現させるもの、例えば、凹版印刷された万線に潜像画像となる画線部を高い画線で構成し、その他の凹版印刷画線の画線部を潜像画像となる画線部より低い画線で構成している。このことにより、印刷物の角度を変えて観察すると潜像画像が発現するものが開示されている。更に、画線の幅が均一で向きが異なることにより潜像画像を発現させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特公昭56−19273号公報(第1頁、第1−15図)
特定パターンをパール光沢インキを用いて印刷した多色印刷物であって、見る角度によって色が変わる干渉光を示す特定パターンを示し、更に、カラーコピー機による複写により前記パール光沢インキの色が目視でも識別可能な異なる色に再現されることを特徴とする印刷物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−240133号公報(第1−3頁、第1図)
しかしながら、特公昭56−19273号公報は凹版画線で構成した潜像を有する画像の下地に印刷絵柄を設けて印刷物を作成した場合に、前記印刷物に対して垂直方向から傾けて観察した場合に、潜像画像が視認しにくく、浅い角度では視認できない問題があった。更に、潜像画像は階調を有するものでないため出現される画像自体が単純であった。また、特開平9−240133号公報のように特定パターンをパール光沢インキで印刷しただけでは、材料を入手することによって容易に複製される。また、ある特定画像の色彩及び/又は明暗が徐々に変化することがなかった。また、基材に対して垂直方向から徐々に水平方向に観察すると画像が連続的に変化する代表的な技術としてホログラムが挙げられるが、ホログラムは高価であり、少量生産には不向きであった。
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的としたもので、基材に対して垂直方向から観察した場合に、特定画像は階調(濃度差)を有して視認できないが、垂直方向から徐々に水平方向に観察すると特定画像の色彩及び/又は明暗が徐々に変化し、特定画像が階調(濃度差)をもって視認でき、また、観察する角度が浅い角度において、特定画像が階調(濃度差)をもって視認でき、更に、印刷絵柄上に重ね刷りが可能であり、コストが低く、一度刷りで印刷可能な偽造防止効果の優れた印刷物を見出した。
更に、基材に万線画線によって特定画像を形成する印刷物の作製方法において、ディジタル画像データを、各濃度と各万線画線の配列方向が対応付けされた変換テーブルを基に、ディジタル画像データの濃度領域毎に配列方向が異なった万線画線に演算部によって変換することで、各万線画線と各濃度の対応が容易に図れ、容易に明瞭な階調画像が視認できる印刷物を作製できることを見出した。本発明は、上記記載の偽造防止印刷物及びその作製方法を提案するものである。
本発明は、基材に万線画線によって特定画像を形成する印刷物において、前記特定画像はN個(Nは3以上)の領域に区分けされ、前記N個に区分けされた各領域は第1の万線画線、第2の万線画線、・・・第nの万線画線(nは3以上)に振り分けられ、前記第1の万線画線、前記第2の万線画線、・・・前記第nの万線画線は、各万線画線毎に前記万線画線の配列方向の相違、前記万線画線の画線幅の相違、前記万線画線のピッチ幅の相違又はそれらの組合せにからなり、前記万線画線は光沢インキからなる盛り上がりのある画線で構成され、前記盛り上がりのある画線に対して、所定の角度から光を照射した際に、前記第1の万線画線、前記第2の万線画線及び前記第nの万線画線の反射光量は、前記第1の万線画線>前記第2の万線画線>・・・>前記第nの万線画線となることを特徴とする偽造防止印刷物である。
また、本発明は、基材に万線画線によって特定画像を形成する印刷物の作製方法において、画像入力部によって原画像のディジタル画像データを取得し、前記取得されたディジタル画像データを、各濃度と各万線画線の配列方向が対応付けされた変換テーブルを基に、前記ディジタル画像データの濃度領域毎に配列方向が異なった万線画線に演算部によって変換し、前記変換されたデータを出力部によって出力し、前記出力データから版面を作製し印刷機で印刷することを特徴とする偽造防止印刷物の作製方法である。
本発明の偽造防止印刷物は、基材に対して垂直方向から観察した場合に、特定画像は階調(濃度差)を有して視認できないが、垂直方向から徐々に水平方向に観察すると特定画像の色彩及び/又は明暗が徐々に変化し、特定画像が階調(濃度差)をもって視認できる。また、垂直方向から水平方向に観察する角度が浅い角度で特定画像が階調をもって視認される。更に、一度刷りで印刷できるためコストが低く、印刷絵柄上に重ね刷りが可能であるため、製品への汎用性が高い。また、本発明の印刷物を複写機で複写した場合に盛り上がりのある画線は再現されることなく、更に、本発明の印刷物は、光沢インキで領域ごとに配列方向の異なる万線画線を形成しているため、ある領域の万線画線の配列方向と複写機等の走査線との違いが生じ、複写機等で複写した場合に本発明の印刷物とは異なる複写物となるため複写防止効果が得られる。このようなことから、本発明は真偽判別、複写防止に優れているため、銀行券、株券、パスポート、有価証券、通行券、カード、商品タグ等の偽造、変造を防止する必要性のある貴重印刷物に適用できる。また、ホログラムのように高価でなく、少量生産にも向いている。
また、本発明の印刷物は下地に印刷絵柄上に設けても効果を奏することができ、また、下地を光を吸収する色彩にすることによって、本発明の印刷物の色彩及び/又は明度の変化量が向上する。特定画像自体にインキの盛りを有するため指感性を有した印刷物となる。また、ディジタル画像データを、各濃度と各万線画線の配列方向が対応付けされた変換テーブルを基に、ディジタル画像データの濃度領域毎に配列方向が異なった万線画線に演算部によって変換することで、各万線画線と各濃度の対応が容易に図れ、容易に明瞭な階調画像が視認できる印刷物を作製できる。
本発明に係る偽造防止印刷物及びその作製方法の発明を実施するための最良の形態を基づいて図面を参照して説明する。本発明は発明を実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が考えられる。
図1は特定画像Aを形成するパーツ毎及び特定画像Aを形成する色彩の明度毎に13個の領域(1)に分割された図を示す。13個の領域に分割された各領域は、第1の万線画線、第2の万線画線、第3の万線画線又は第4の万線画線に振り分けられ、第1の万線画線、第2の万線画線、第3の万線画線及び第4の万線画線は、各万線画線毎に万線画線の配列方向の相違、万線画線の画線幅の相違、万線画線のピッチ幅の相違又はそれらの組合せからなり、万線画線は光沢インキからなる盛り上がりのある画線で構成する。この場合の盛り上がりのある画線に対して、所定の角度から光を照射した際に、第1の万線画線、第2の万線画線、第3の万線画線及び第4の万線画線の反射光量は、第1の万線画線>第2の万線画線>第3の万線画線>第4の万線画線となる。例えば、所定の角度から光を照射した際に、第1の万線画線、第2の万線画線、第3の万線画線及び第4の万線画線の反射光量は、第1の万線画線>第2の万線画線>第3の万線画線>第4の万線画線となり、各万線画線の領域毎に濃度が異なる。つまり、第1の万線画線は高濃度領域となり、第2の万線画線は第1の中間領域となり、第3の万線画線は第2の中間領域となり、第4の万線画線は低濃度領域となる。
この場合、特定画像は13個に区分けしているが、13個に限定されるものではなくN個(Nは正の整数)に区分けすることができる。また、13個の領域を第1の万線画線、第2の万線画線、第3の万線画線及び第4の万線画線に振り分けているが、これに限定されるものではなく第nの万線画線(nは正の整数)に振り分けることができる。特定画像を得る場合、写真等の画像を取り込んでも、作成者自身が作成しても良い。
図1で示した13個の領域(1)に区分けされた特定画像(A)を、図2で示すように13個の各領域(1)に対して、高濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域及び低濃度領域に振り分けられる。図2で示した高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けられた各領域に対して図3に示すように光沢インキからなる盛り上がりのある配列方向が異なった万線画線(3)を施す。これが、本発明の偽造防止印刷物(Q1)の一例となる。また、図3に示すX−X’断面図によって、各万線画線は盛り上がり(W)を有していることがわかる。この場合、高濃度領域(2a)の万線画線(3a)の配列方向を0度とした場合、第1の中間領域(2b1)の万線画線(3b1)の配列方向を30度又は150度とし、第2の中間領域(2b2)の万線画線(3b2)の配列方向を60度又は120度とし、低濃度領域(2c)の万線画線(3c)の配列方向を90度又は270度としている。低濃度領域の万線画線の配列方向の角度を0度とした場合に、低濃度領域から高濃度領域に濃度が濃くなるに従い徐々に万線の配列が90度又は270度に近づいて配列する必要がある。また、万線画線のピッチ幅が、60μmから2000μmの範囲で、万線画線の画線幅が、30μmから1000μmの範囲である必要がある。
図2で示した高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(3c)に振り分けられた各領域に対して図4に示すように光沢インキからなる盛り上がりのある画線幅が異なった万線画線を施す。これが、本発明の偽造防止印刷物(Q2)の一例となる。また、図4に示すX−X’断面図によって、各万線画線は盛り上がり(W)を有していることがわかる。この場合、高濃度領域(2a)の万線画線(3a)の各画線幅を300μmとした場合、第1の中間領域(2b1)の万線画線(3b1)の各画線幅を200μmとし、第2の中間領域(2b2)の万線画線(3b2)の各画線幅を100μmとし、低濃度領域(3c)の万線画線(3c)の各画線幅を50μmとしている。つまり、図4では高濃度領域の万線画線の各画線幅>第1の中間領域の万線画線の各画線幅>第2の中間領域の万線画線の各画線幅>低濃度領域の万線画線の各画線幅が成り立つ。この場合、各画線幅のピッチは一定としているがそれぞれのピッチ幅は異ならせても良い。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、高濃度領域の万線画線の各画線幅>少なくとも一つ以上の中間領域の万線画線の各画線幅>低濃度領域の万線画線の各画線幅、又は、高濃度領域の万線画線の各画線幅<少なくとも一つ以上の中間領域の万線画線の各画線幅<低濃度領域の万線画線の各画線幅が成り立つ。ただし、万線画線のピッチ幅が、60μmから2000μmの範囲で、万線画線の画線幅が、30μmから1000μmの範囲である必要がある。
図2で示した高濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域及び低濃度領域に振り分けられた各領域に対して図5に示すように光沢インキからなる盛り上がりのある画線幅が一定でピッチ幅が異なった万線画線を施す。つまりこの場合は、非画線部の幅が異なる。これが、本発明の偽造防止印刷物(Q3)の一例となる。また、図5に示すX−X’断面図によって、各万線画線は盛り上がり(W)を有していることがわかる。この場合、高濃度領域(2a)の万線画線(3a)の各画線幅を50μm、ピッチ幅100μmとした場合、第1の中間領域(2b1)の万線画線(3b1)の各画線幅を50μm、ピッチ幅150μmとし、第1の中間領域(2b2)の万線画線(3b2)の各画線幅を50μm、ピッチ幅200μmとし、低濃度領域(2c)の万線画線(3c)の各画線幅を50μm、ピッチ幅250μmとしている。つまり、図5では各画線幅が高濃度領域の万線画線のピッチ幅>第1の中間領域の万線画線のピッチ幅>第2の中間領域の万線画線のピッチ幅>低濃度領域の万線画線の各ピッチ幅が成り立つ。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、高濃度領域の万線画線のピッチ幅>少なくとも一つ以上の中間領域の万線画線のピッチ幅>低濃度領域の万線画線のピッチ幅、又は、高濃度領域の万線画線のピッチ幅<少なくとも一つ以上の中間領域の万線画線のピッチ幅<低濃度領域の万線画線のピッチ幅が成り立つ。ただし、万線画線のピッチ幅が、60μmから2000μmの範囲で、万線画線の画線幅が、30μmから1000μmの範囲である必要がある。
図3は万線画線の配列方向が相違によって低濃度領域から高濃度領域を表し、図4は万線画線の画線幅の相違によって低濃度領域から高濃度領域を表し、図5は万線画線の間隔の相違によって低濃度領域から高濃度領域を表しているが、これらを組み合わせて低濃度領域から高濃度領域を表現しても良い。また、各領域内の画線幅は、一定の幅で形成しているが、図6に示すように各領域内の画線幅を連続的に変化させることによって下記に示す本発明の効果が向上する。
また、各領域の外郭形状(P)は図3、図4及び図5に示すように画線で形成してもよく、図7に示すように、外郭形状(P)は画線を形成しなくともよい。
図8(a)は、図3の印刷物(Q1)を垂直方向から観察した場合の図を示す。印刷物を垂直方向から観察した場合に、特定画像(A)を形成する13個の領域(1)は、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(3c)に振り分けられ、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(3c)毎に万線画線の配列方向の角度がそれぞれ異なっているが、万線画線のピッチ幅が、60μmから2000μmの範囲で形成され、万線画線を形成する画線幅が、30μmから1000μmの範囲で、微細な画線幅で形成されているため、反射光量よりも拡散光の影響を受けるため、13個の領域(1)は区分けし難い状態で視認され、ベタに近い領域と認識される。
図8(b)は、図4の印刷物(Q2)を垂直方向から観察した場合の図を示す。印刷物を垂直方向から観察した場合に、特定画像(A)を形成する13個の領域(1)は、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(3c)に振り分けられ、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(3c)毎に万線画線の画線幅が異なっているが、万線画線のピッチ幅が、60μmから2000μmの範囲で形成され、万線画線を形成する画線幅が、30μmから1000μmの範囲で、微細な画線幅で形成されているため、反射光量よりも拡散光の影響を受けるため、13個の領域(1)は区分けし難い状態で視認され、ベタに近い領域と認識される。
図8(c)は、図6の印刷物(Q3)を垂直方向から観察した場合の図を示す。印刷物を垂直方向から観察した場合に、特定画像(A)を形成する13個の領域(1)は、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(3c)に振り分けられ、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(3c)毎毎に万線画線のピッチ幅が異なっているが、万線画線のピッチ幅が、60μmから2000μmの範囲で形成され、万線画線を形成する画線幅が、30μmから1000μmの範囲で、微細な画線幅で形成されているため、反射光量よりも拡散光の影響を受けるため、13個の領域(1)は区分けし難い状態で視認され、ベタに近い領域と認識される。
本発明の印刷物を垂直方向から観察すると、ベタな印刷物のように認識されるためには、万線画線の各画線のピッチ幅が、60μmから2000μmの範囲で、万線画線の各画線幅が、30μmから1000μmの範囲がある必要があり、好ましくは万線画線の各画線のピッチ幅が、120μmから800μmの範囲で、万線画線の各画線幅が、60μmから400μmの範囲があることが好ましい。画線幅が30μmより小さいと作成上困難となり、1000μmより大きいと本発明の効果が得られ難くなる。また、それぞれの万線画線の各画線幅と各非画線幅の割合は1:1が好ましい。
図9(a)は、図3の印刷物(Q1)を垂直方向から傾けて観察した場合の図を示す。特定画像(A)を形成する13個の領域(1)は、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けられ、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)毎に万線画線の配列方向の角度がそれぞれ異なっているため、ある特定角度では、特定画像(A)を形成する13個の領域(1)の内、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域は最も反射光量が低いため、明度が低く視認され、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域は、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認され、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域は、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認され、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域は、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認される。観察方向又は観察角度によっては、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域は最も明度が高く視認され、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域は、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認され、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域は、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認され、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域は、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認される。これは、ある観察角度では高濃度領域(2a)に振り分けられた領域(0度に配列)は最も光の反射の影響を受けにくく、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域(90度に配列)は最も光の反射の影響を受けるため、明度差が生じる。よって特定画像Aは高濃度領域(2c)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けられた各領域(1)毎に明度差が生じ、階調を有して特定画像(A)が視認される。二色性パールインキ等を用いた場合は明度及び色相が領域ごとに差が生じる。
図9(b)は、図4の印刷物(Q2)を垂直方向から傾けて観察した場合の図を示す。特定画像(A)を形成する13個の領域(1)は、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けられ、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)毎に万線画線の画線幅がそれぞれ異なっているため、ある特定角度では、特定画像(A)を形成する13個の領域(1)の内、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域は最も反射光量が低いため、明度が低く視認され、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域は、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認され、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域は、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認され、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域は、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認される。観察方向又は観察角度によっては、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域は最も明度が高く視認され、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域は、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認され、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域は、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認され、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域は、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認される。これは、ある観察角度では高濃度領域(2a)に振り分けられた領域(画線幅を300μm)は最も光の反射の影響を受けにくく、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域(画線幅を50μm)は最も光の反射の影響を受けるため、明度差が生じる。よって特定画像Aは高濃度領域(2c)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けられた各領域(1)毎に明度差が生じ、階調を有して特定画像(A)が視認される。二色性パールインキ等を用いた場合は明度及び色相が領域ごとに差が生じる。
図9(c)は、図5の印刷物(Q3)を垂直方向から傾けて観察した場合の図を示す。特定画像(A)を形成する13個の領域(1)は、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けられ、高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)毎に万線画線の画線と非画線部からなるピッチ幅がそれぞれ異なっているため、ある特定角度では、特定画像(A)を形成する13個の領域(1)の内、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域は最も反射光量が低いため、明度が低く視認され、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域は、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認され、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域は、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認され、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域は、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域よりも反射光量が高いため、明度が高く視認される。観察方向又は観察角度によっては、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域は最も明度が高く視認され、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域は、高濃度領域(2a)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認され、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域は、第1の中間領域(2b1)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認され、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域は、第2の中間領域(2b2)に振り分けられた領域よりも明度が低く視認される。これは、ある観察角度では高濃度領域(2a)に振り分けられた領域(各画線幅50μm、ピッチ幅100μm)は最も光の反射の影響を受けにくく、低濃度領域(2c)に振り分けられた領域(画線幅50μm、ピッチ幅250μm)は最も光の反射の影響を受けるため、明度差が生じる。よって特定画像Aは高濃度領域(2c)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けられた各領域(1)毎に明度差が生じ、階調を有して特定画像(A)が視認される。二色性パールインキ等を用いた場合は明度及び色相が領域ごとに差が生じる。
図3、図4及び図5の印刷物に対して垂直方向から徐々に水平方向に観察すると、色彩及び/又は明暗が連続的に徐々に変化するため、特定画像が濃度差、色彩及び/又は明暗が明瞭に徐々に変化し、階調を有して特定画像が視認できる。このように垂直方向から徐々に水平方向に観察すると、各領域の万線画線の配列方向、画線幅又はピッチ幅が異なっているため各領域を形成する万線画線の反射光量に差が生じるためである。更に、印刷物を傾けなくとも、スポット光等の入射光の角度を連続的に変化させることによって本発明の効果を奏することができる。また、本発明の印刷物は、複写機、画像入力装置等の複写防止効果を有する。これは、光沢インキで印刷されていること、及び、万線画線の配列方向と複写機等の走査線との関係によって複写防止効果が生じる。また、特定画像の周辺に画線を形成し、周辺に形成された画線群を背景画像部とし、特定画像部を潜像画像部として印刷物を形成しても良い。
図3の印刷物の原理を図10を使用して説明すると、光沢インキを使用した盛り上がりのある画線を有する印刷物に、例えばDの方向から光を照射すると、dの部分からの光の反射量に対しe、fの部分の光の反射量が少ないため、明度差が生じることによりdの部分が顕在化し、光の照射角度を変化させるとfの部分からの光の反射量がdの部分の光の反射量を上回りfの部分が顕在化する。このように、鏡面のある光沢インキを使用して盛り上がりのある画線を作製し、その画線の角度を変化させることで視認できるタイミングを変化させることができるようになる。図4及び図5の印刷物は、画線幅、ピッチ幅が異なっているため高濃度領域、少なくとも一つ以上の中間領域、低濃度領域に振り分けれた各領域の光の反射量は画線幅、ピッチ幅に起因して異なる。
本発明の印刷物は、光沢インキで印刷する必要がある。ここで言う、光沢インキは表面に鏡面光沢があればよく、画線自体に盛り上がりがあれば透明、半透明のインキでも良い。本発明の図9の効果を向上させるためには光沢インキに光学的変化顔料を含有する必要があり、パール顔料、鱗片状顔料、金属粉顔料、ガラスフレーク又はコレステリック液晶顔料等をインキに配合する必要がある。本発明はパール顔料を配合したインキが最も本発明の効果を奏することができる。光学的変化顔料はパール顔料、鱗片状顔料、金属粉顔料、ガラスフレーク顔料又はコレステリック液晶顔料等が挙げられる。しかしながら、光学的変化顔料の屈折率、形状、厚さ、大きさ、インキ皮膜中の粒子分布等によって干渉光が異なることとなる。図11に光学的変化顔料を含有したインキで印刷した印刷物を斜めから観察した場合の図を示す。図11に示すように入射光(X)がインキ皮膜上で反射され、反射された反射光(Y)は、光学的変化顔料の影響を受け、光学的変化顔料の垂直方向から観察した場合と異なった光の色が生じて干渉光となり視認される。
更に、上記記載の光学的変化顔料は平面配向性を有することが好ましい。図12に平面配向性を有することのない顔料を含有したインキで印刷したインキ皮膜の拡大図を示し、図13に平面配向性を有する光学的変化顔料を含有したインキで印刷したインキ皮膜の拡大図を示す。平面配向性を有することのない顔料を含有したインキで印刷した場合は、画線のインキ皮膜中の顔料の配向状態は、図12に示すようにインキ皮膜中の全体にランダムに配向していることがわかる。平面配向性を有する光学的変化顔料を含有したインキで印刷した場合は、画線のインキ皮膜中の顔料の配向状態は、図13に示すようにインキ皮膜中の表面に整然と配向していることがわかる。ここでの平面配向性(リーフィング効果)を施した顔料とは、撥水、撥油性処理を行った顔料のことであり、顔料に撥水、撥油性を持たせているため、顔料がインキ皮膜の下部に沈降しにくいためインキ皮膜中の表面に整然と配向する。しかしながら、撥水、撥油性処理を行っていない顔料、つまり、平面配向性を有することのない顔料は、顔料が配向する前にインキが乾燥するため顔料がインキ皮膜中の表面に整然と配向しないため、撥水、撥油性を持たせた顔料に比べ本発明の効果が劣ることになる。
本発明の偽造防止印刷物に対して垂直方向から徐々に水平方向に観察した場合に、色相又は明暗が連続的に徐々に変化するためには、盛り上がりのある画線にする必要があり、画線の高さが、5μmから150μmの範囲であることが好ましい。インキの盛りが5μm未満であると、本発明の効果が確認しにくい状況となり、150μmを超えると作製上困難となる。
本発明の万線画線の形状は、直万線パターン、曲万線パターン等で形成することができ、特に限定されるものではない。更に、万線画線の各画線は、実線を用いることが好ましいが、点線、破線等を用いても良い。更に、実線、破線、点線等を微小文字によって形成しても良い。
ここで使用されるパール顔料は虹彩色パール顔料でも2色性パール顔料でもその他の鱗片状顔料でも構わない。パール顔料は粒子径1μm〜150μmのものを用い、好ましくは5μm〜50μmで、平均粒径が10μm〜25μm程度が好ましい。ただし、盛り上がっている画線の表面で顔料が配向するように表面処理(例として特開2001−106937号公報参照に示されるような撥水、撥油性処理)を行った顔料を使用することで配向性(リーフィング効果)を向上させることができ、図13に示すように印刷物表面で顔料が配向して本発明の効果を向上することができる。この場合、盛り上がりのある画線は速硬化性を有する必要があるため、UV硬化型インキ、電子線硬化型インキ又は紫外線硬化及び酸化重合機能を併せ持つインキ(特許2113880号参照)に上記記載のような表面処理(撥水、撥油性処理)を行った顔料を配合させたインキにより印刷し、印刷後に紫外線照射装置等の活性エネルギー線を照射する必要がある。よって盛り上がりのある画線を用いても顔料が沈降せず、図13に示すように印刷物表面で顔料が配向して本発明の効果を向上することができる。撥水、撥油性処理を施していない場合は鱗片状顔料が配向する前にインキが硬化するために、パール効果が発生しないか、あるいはパール効果が発生したとしても撥水、撥油性処理を施した顔料と比較して効果が劣るものとなる。
本発明の特定画像は、酸化重合型インキ、UV硬化型インキ、電子線硬化型インキ、紫外線硬化及び酸化重合機能を併せ持つインキ(特許2113880号参照)、又は2液混合型インキを使用するのが好ましい。印刷方式は特に限定されることはないが、凹版印刷方式又はスクリーン印刷方式が好ましい。
また、本発明は、特定画像が、光吸収層を設けた領域上に重ねて印刷することによって、図3乃至図5の効果が向上する。ここで言う、光吸収層とは光反射率の低い、つまり、濃度の高い印刷の色彩及び/又は基材の色彩によって形成され、最も黒色系が効果がある。また、光吸収層を設けた領域が赤外線吸収材料又は磁性材料を含有したインキで印刷することによって偽造防止効果が向上する。特定画像を下塗りする印刷方式は、特に限定されるものではないが、オフセット印刷技法が好ましい。特定画像の印刷方式は、特に限定されるものではないが、凹版印刷技法、スクリーン印刷技法を用いることが好ましい。特定画像の印刷に用いるインキ粘度は、0.5P・S〜20P・S程度で、印刷後、乾燥までの間に、表面に平面配向性を有する光学的変化顔料、表面に配向された光学的変化顔料の下部に平面配向性を有することのない顔料に分離できる程度の粘度が好ましい。また、印刷機の調整においては特別な調整は不要であり、一般的な設定で印刷することが可能である。
本発明の基材は紙葉類、プラスチックフィルム、金属、布等を用いることができる。
本発明の好ましい作製方法を図14に示す。図14に示すようにSTEP1で画像入力部によって原画像のディジタル画像データを取得し、STEP1で取得されたディジタル画像データを、STEP2で各濃度と各万線画線の配列方向が対応付けされた変換テーブルを基に、ディジタル画像データの濃度領域毎に配列方向が異なった万線画線に演算部によって変換し、STEP2で変換されたデータをSTEP3で出力部によって出力し、STEP3で得られた出力データからSTEP4で版面を作製し、STEP5で印刷機で印刷し印刷物を得る。ここでは、スクリーン版面又は凹版版面を作製する。STEP4で作製された版面をもとに、STEP5で光沢のあるインキを用いて印刷機で印刷する。ここでは、スクリーン印刷機、凹版印刷機を用いる。
本発明の印刷物の画像データ作成装置を図15に示す。図15に示すように画像データ作成装置(11)は、画像入力部(12)、演算部(13)、変換テーブル(14)、出力部(15)からなり、画像入力部(12)では、原画像のディジタル画像データを取得し、演算部(13)と変換テーブル(14)では、変換テーブル(14)に予め登録されている濃度と配列方向が異なった万線画線が対応づけられ保存されているデータを用いて演算部(13)によってディジタル画像データの濃度領域毎に配列方向が異なった万線画線に演算部によって変換する。出力部(15)は変換されたデータを出力する。得られた出力データから版面を作製し印刷機で印刷し印刷物を得る。画像入力部(12)は一般的なスキャナ等を用いることができ、変換テーブル(14)はデータベースソフトで予め登録され、出力部はフィルム出力等できるプリンタを用いることができる。
変換テーブル(14)の一例を図16に示す。例えば、濃度レベルが0〜9の10段階に分割している場合、万線画線の配列方向は、0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度となっている。360度で換算した場合、濃度レベルが0の場合、0、180又は360度となり、濃度レベルが1の場合、10又は170、190、350度となり、濃度レベルが2の場合、20又は160、200、340度となり、濃度レベルが3の場合、30又は150、210、330度となり、濃度レベルが4の場合、40又は140、220、320度となり、濃度レベルが5の場合、50又は130、230、310度となり、濃度レベルが6の場合、60又は120、240、300度となり、濃度レベルが7の場合、70又は110、250、290度となり、濃度レベルが8の場合、80又は100、260、280度となり、濃度レベルが9の場合、90、270度となる。濃度レベルは256階調を0〜9に区分けしている。変換テーブルのデータは一例であり、本発明はこれに限定されるわけではない。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1)
特定画像をパーツ及び濃度毎に20段階に区分けし、区分けされた20段階の領域を、更に低濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域、第3の中間領域、第4の中間領域、高濃度領域の6段階に区分けし、低濃度領域の万線画線の配列方向を0度にしたときに、第1の中間領域を15度、第2の中間領域を30度、第3の中間領域を45度、第4の中間領域を60度、高濃度領域4を85度とした。各領域における万線画線は、ピッチ幅200μm、画線幅100μmで形成し、特定画像を得た。
得られた特定画像Cをもとに、スクリーン版面を作製し、下記の配合割合でインキを作製した。
スクリーン印刷用インキの組成
鱗片状顔料 20重量部
(メルク・ジャパン製高配向性パール顔料)
ウレタンアクリレート 40重量部
(日本化薬製UX−4101)
モノマー 30重量部
(日本化薬製PEG−400DA)
開始剤 9重量部
(チバスペシャルティーケミカルズ製イルガキュア819)
禁止剤 0.5重量部
(東京化成工業製メチルヒドロキノン)
消泡剤 0.5重量部
(東レ・ダウコーニングシリコン製SC5540)
得られたスクリーン版面、スクリーンインキを用い、スクリーン印刷機で印刷を行い実施例1の印刷物を得た。
実施例1の印刷物を垂直方向から観察すると、特定画像は全体的に一様なベタに近い印刷領域として認識され、低濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域、第3の中間領域、第4の中間領域、高濃度領域の6段階に区分けしにくい状態にある。
実施例1の印刷物を浅い角度で斜めから観察した場合、特定画像が、低濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域、第3の中間領域、第4の中間領域、高濃度領域の6段階に区分けさて、階調画像として視認できた。実施例1の印刷物を深い角度で斜めから観察した場合、浅い角度で斜めから観察した場合に視認された階調画像とネガポジが反転されて、階調画像として視認できた。
(実施例2)
実施例1と同様な版面を用い、下記の配合割合でインキを作製した。
スクリーン印刷用インキの組成
顔料 10重量部
(SiO シリカ粉)
ウレタンアクリレート 50重量部
(日本化薬製UX−4101)
モノマー 30重量部
(日本化薬製PEG−400DA)
開始剤 9重量部
(チバスペシャルティーケミカルズ製イルガキュア819)
禁止剤 0.5重量部
(東京化成工業製メチルヒドロキノン)
消泡剤 0.5重量部
(東レ・ダウコーニングシリコン製SC5540)
得られたスクリーン版面、スクリーンインキを用い、スクリーン印刷機で印刷を行い実施例2の印刷物を得た。
実施例2の印刷物は、実施例1の印刷物よりも効果が劣るが近い効果の印刷物が作製できた。
(実施例3)
特定画像をパーツ及び濃度毎に20段階に区分けし、区分けされた20段階の領域を、更に低濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域、高濃度領域の4段階に区分けし、低濃度領域の万線画線の配列方向を0度にしたときに、第1の中間領域を30度、第2の中間領域を60度、高濃度領域を90度とした。各領域における万線画線は、ピッチ幅200μm、画線幅100μmで形成し、特定画像を得た。低濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域及び高濃度領域の各領域において、0度、10度、20度、30度、40度の角度から光を照射して45度での反射光量を変角分光光度計で計測した。図17に万線画線の配列方向と反射光量の関係を示す。図17に示すように15度程度以上の入射光を照射した場合に各領域毎に反射光量の差が生じて特定画像が階調(明暗)を有して視認できた。また、低濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域及び高濃度領域の各領域において、反射光量が異なっていることがわかった。
以上、本発明の実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が考えられる。
特定画像Aを形成するパーツ毎及び特定画像Aを形成する色彩の明度毎に13個の領域(1)に分割された図である。 13個の各領域(1)を高濃度領域(2a)、第1の中間領域(2b1)、第2の中間領域(2b2)及び低濃度領域(2c)に振り分けた図である。 高濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域及び低濃度領域に振り分けられた各領域に対して光沢インキからなる盛り上がりのある配列方向が異なった万線画線(3)を施した図及びそのX−X’断面図である。 高濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域及び低濃度領域に振り分けられた各領域に対して光沢インキからなる盛り上がりのある画線幅が異なった万線画線を施した図及びそのX−X’断面図である。 高濃度領域、第1の中間領域、第2の中間領域及び低濃度領域に振り分けられた各領域に対して光沢インキからなる盛り上がりのあるピッチ幅が異なった万線画線を施した図及びそのX−X’断面図である。 各領域内の画線幅を連続的に変化させた場合の図である。 外郭形状(P)を画線によって形成しない場合の図である。 本発明の印刷物を垂直方向から観察した場合の図である。 本発明の印刷物を垂直方向から傾けて観察した場合の図である。 図3の印刷物の原理を説明する図である。 光学的変化顔料を含有したインキで印刷した印刷物を斜めから観察した場合の図である。 平面配向性を有することのない顔料を含有したインキで印刷したインキ皮膜の拡大図を示す図である。 平面配向性を有する光学的変化顔料を含有したインキで印刷したインキ皮膜の拡大図を示す図である。 本発明の偽造防止印刷物の作製方法を示す図である。 画像データ作成を示す図である。 変換テーブルを示す図である。 万線画線の配列方向と反射光量の関係を示す図である。
符号の説明
1 領域
2a 高濃度領域
2b1 第1の中間領域
2b2 第2の中間領域
2c 低濃度領域
3 万線画線
3a 高濃度領域の万線画線
3b1 第1の中間領域の万線画線
3b2 第2の中間領域の万線画線
3c 低濃度領域の万線画線
11 画像データ作成装置
12 画像入力部
13 演算部
14 変換テーブル
15 出力部
W 万線画線の盛り上がり
Q1、Q2、Q3 偽造防止印刷物
X 入射光
Y 反射光

Claims (1)

  1. 基材に万線画線によって特定画像を形成する印刷物において、
    前記特定画像は、前記特定画像の濃度毎にN個(Nは3以上)の領域に区分けされ、
    前記N個に区分けされた各領域は、前記特定画像の濃度にあわせて、画線部及び非画線部から成る第1の万線画線、第2の万線画線、・・・第nの万線画線(nは3以上)に振り分けられ、
    前記第1の万線画線、前記第2の万線画線、・・・前記第nの万線画線は、各万線画線毎に前記万線画線の配列方向の相違、前記万線画線の画線幅の相違、前記万線画線のピッチ幅の相違又はそれらの組合せからなり、
    前記万線画線は光沢インキからなる盛り上がりのある画線で構成され、
    前記盛り上がりのある画線に対して、所定の角度から光を照射した際に、前記第1の万線画線、前記第2の万線画線及び前記第nの万線画線の反射光量は、前記第1の万線画線>前記第2の万線画線>・・・>前記第nの万線画線となることで特定画像が階調を有して確認できることを特徴とする偽造防止印刷物。
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