JP4460936B2 - 有線伝送システム及び有線伝送システム用機器 - Google Patents

Description

本発明は、有線伝送システム及び有線伝送システム用機器であり、特にＣＳＭＡ／ＣＤ（搬送波感知多重アクセス／衝突検出）方式、例えばイーサーネット（登録商標）接続によりＬＡＮを構成した有線伝送方式に関する。

従来、イーサーネット接続によりＬＡＮを構成し、必要に応じて外部のネットワーク（インターネット）に接続し種々の情報の送受信が行われている。これらの情報の中にはカメラで撮像した動画の情報もあるが、イーサーネットによる伝送帯域の制限により、リアルタイム表示で、かつ、なめらかに動く動画にならないことが多い。また、圧縮に伴う画質の劣化もある。例えば、カメラは６０枚／秒の動画像を出力しているが、これをイーサーネットで伝送するためのシリアルデジタル信号に変換すると、その伝送帯域の制限により、例えば圧縮を行っても１０枚／秒程度の画像になり、すなわちフレームレートが低下し、モニタ側の画像はなめらかに動く動画にならないことが多い。特許文献１に動画データ等のデータ量の大きな画像データのデジタル伝送路による伝送方式が提示されているが、この方式においてもコマ落としを行い、デジタル伝送路に適合させているものである。
特開平７−７５０８５号公報

背景技術で述べたように、イーサーネットで伝送すると、その伝送帯域の制限によりフレームレートの低下を招くが、定められた通信プロトコルに基づいて伝送を行う必要があるため、やむを得ない面がある。しかしながら、例えば、カメラとモニタというように伝送系がシステムとして固定されている場合は、すなわちこのカメラの撮像画像はこのモニタでしか見ないと決められている場合はカメラでの動画像をモニタでそのまま見たいという要求が出てくる。この場合、カメラとモニタはネットワークに接続され、認証等必要最小限のことは通常のイーサーネット接続における通信プロトコルに基づいて行うものである。

上記課題に対する解決策として、ネットワークに接続されたカメラとモニタについて、通常は定められたプロトコルに基づいた伝送を行い、必要な設定を行った後、実際のカメラからの画像をモニタに表示させる時のみ、カメラとモニタは共にイーサーネット接続によるネットワークから切り離され、そのイーサーネット接続のための物理的なコネクタとケーブルを用いてアナログの映像信号またはアナログ映像信号のＦＭ変調信号が伝送されるように構成する。映像ＦＭ変調信号を伝送してその周波数帯域が重ならないようにすれば、そのＦＭ変調信号の上に更にベースバンドのアナログ双方向音声信号やその他のアナログ信号を重畳することもできる。カメラ側とモニタ側は対になって、本来の（登録商標）接続のための端子をネットワークから切り離し、この端子を用いて上記のアナログ信号の伝送を行うように制御する。

すなわち、本発明は、複数の機器と、これらの機器を接続するケーブルとからなり、搬送波感知多重アクセス／衝突検出方式の本来伝送モードによる伝送を行う有線伝送システムであって、前記複数の機器のうちの少なくとも前記ケーブルで接続されている一対の機器は、それぞれ搬送波感知多重アクセス／衝突検出方式接続におけるコネクタと切替スイッチとを有し、前記切替スイッチの切替により送受信の端子を切替えて本来伝送モード、又は、本来伝送モードによる伝送システムから各機器内で切り離されたアナログ信号伝送モードが選択可能であり、本来伝送モードからアナログ信号伝送モードへの切替はコマンドの送受信により送信側機器と受信側機器とが対になって切替を行い、アナログ信号伝送モードから本来伝送モードへの切替はアナログ信号の断の検出によって送信側機器と受信側機器とが対になって切替を行う有線伝送システムである。

本発明によれば、イーサーネット接続における物理的なコネクタとケーブルを用いて、本来のイーサーネット伝送のために設けられた送受信の端子を必要時に切替えることにより、通常のイーサーネット接続における通信プロトコルに基づいたイーサーネット信号の伝送以外にも何らかのアナログ信号を伝送することが可能となる。特にイーサーネットにおけるシリアルデジタル信号伝送における通信帯域制限により、その伝送速度を上げられない場合には、アナログ信号伝送に切替えることに情報の高速化が図れる。画像等のデータで必要時以外は保存する必要もなく、また、少々データに欠陥があってもよいデータの場合はわざわざシリアルデジタル信号で送受信する必要もなく、シリアルデジタル化したために、伝送速度が低下することもなくリアルタイム送信が可能となる。

本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の有線伝送システム及び有線伝送システム用機器の実施例について、図１、２を用いて説明する。図１は本発明に基づくイーサーネットによりネットワークに接続されたカメラＡ、モニタＢ、ハブＣ、及びパソコンＤ他で構成されるシステムの例である。ここでモニタＢはカメラＡの撮像画像を表示させるものであり、パソコンであっても構わない。すなわち、パソコンとしての機能の一部としての表示機能を有するものであっても構わない。ただ、このモニタＢはカメラＡからのイーサーネットによる伝送を中継する機能とカメラＡ−モニタＢ間のアナログ伝送を切替える機能を有する。また、図１に示された接続はイーサーネットで定められたコネクタとケーブルを用いての接続となる。

図２は、本発明に基づくイーサーネットによりネットワークに接続されたカメラＡ、モニタＢの内部ブロック図である。カメラＡは、制御部１、イーサーネットコンローラー１＿２、パルストランス１＿３、ＣＣＤ２、撮像回路３、ＦＭ変調回路４、切替ＳＷ５及びコネクタ６を有する。モニタＢは、コネクタ７、切替ＳＷ８、ＦＭ変調回路９、表示回路（タイミング生成／ＲＧＢ変換）１０、ＬＣＤ１１、コネクタ１２、パルストランス１３、イーサーネットコントローラ１４及び制御部１５を有する。

通常のイーサーネット接続による本来伝送モード時は、カメラＡとモニタＢのそれぞれの切替ＳＷ５と切替ＳＷ６はａ側に接続されている。この時はカメラＡとモニタＢは共にイーサネットで定められたプロトコルに基づいての伝送を行う。このプロトコルに基づく伝送の制御は、カメラＡにおいては制御部１が、また、モニタＢにおいては制御部１５が担当する。

カメラＡとハブＣとのイーサーネット接続時は、イーサーネット信号の本来伝送モードであり、制御部１→イーサーネットコンローラー１＿２→パルストランス１＿３→切替ＳＷ５：ａ側→コネクタ６→イーサーネットケーブルａ→コネクタ７→切替ＳＷ８：ａ側→コネクタ１２→イーサーネットケーブルｂ→ハブＣの経路により信号の伝送が行われる。

また、モニタＢとハブＣとのイーサーネット接続時は、制御部１５→イーサーネットコンローラー１４→パルストランス１３→コネクタ１２→イーサーネットケーブルｂ→ハブＣの経路により信号の伝送が行われる。

イーサーネットに接続されたパソコン等からカメラＡ及びモニタＢへの制御の指示により、カメラＡは撮像動作を、モニタＢはカメラＡの撮像画像の表示動作を開始する。この時、制御部１と制御部１５は、カメラＡとモニタＢのそれぞれの切替ＳＷ５と切替ＳＷ８をｂ側に切り替える。切替ＳＷ５と切替ＳＷ８がｂ側に切り替わると、アナログ信号伝送モードになり、ＣＣＤ２→撮像回路３→ＦＭ変調回路４→切替ＳＷ５：ｂ側→コネクタ６→イーサーネットケーブルａ→コネクタ７→切替ＳＷ８：ｂ側→ＦＭ復調回路９→表示回路（タイミング生成／ＲＧＢ変換）１０→ＬＣＤ１１の経路により信号の伝送が行われる。具体的にはＣＣＤ２に入力された光信号はＣＣＤ２で電気信号に変換されて、撮像回路３に入力される。その電気信号は撮像回路３にてアナログの複合映像信号の形に変換されて、ＦＭ変調回路４に入力される。ＦＭ変調回路４にて複合映像信号はＦＭ変調されるが、ＦＭ変調することにより必要な周波数帯域が変わり、例えばこのＦＭ映像（ＦＭ変調された複合映像信号）とベースバンド音声を重畳して伝送することが可能になる。

イーサーネットケーブルａとコネクタ６とコネクタ７（コネクタ６とコネクタ７とコネクタ１２はイーサネットケーブル接続用のコネクタである）には、このＦＭ映像が載せられて伝送される。ベースバンド音声を重畳する場合は、イーサーネットケーブルａにはＦＭ映像とベースバンド音声が載せられる。ＦＭ映像は、ＦＭ復調回路９にて元の複合映像信号の形に復調される。この複合映像信号は、表示回路（タイミング生成／ＲＧＢ変換）１０にてＲＧＢ変換され、更にＬＣＤ表示のタイミングに合わせて、ＬＣＤ１１に送られ、ＬＣＤ１１にて画像として表示される。このＣＣＤ２→撮像回路３→ＦＭ変調回路４→ＦＭ復調回路９→表示回路（タイミング生成／ＲＧＢ変換）１０→ＬＣＤ１１の経路による伝送はリアルタイム伝送であり、ＬＣＤ１１に表示される画像は３０フレーム／秒のリアルタイム動画像である。

上記イーサーネット信号の伝送モードからアナログ信号の伝送モードの切替は、イーサーネットで当該切替を行うように指示するコマンドをカメラＡとモニタＢへ送信することによってカメラＡとモニタＢが対になってその切替を行う。具体的にはそれぞれの制御部１と制御部１５がそれぞれの切替ＳＷ５と切替ＳＷ８をｂ側に切替える。アナログ信号伝送モードからイーサーネット信号の本来伝送モードへの切替は、アナログ信号伝送におけるコマンド送受信またはアナログ信号の断を検出することによってカメラＡとモニタＢが対になってその切替を行う。具体的にはそれぞれの制御部１と制御部１５がそれぞれの切替ＳＷ５と切替ＳＷ８をａ側に切替える。

以上実施例で説明したように、本発明によれば、複数の機器と、これらの機器を接続するケーブルとからなり、搬送波感知多重アクセス／衝突検出方式の本来伝送モードによる伝送を行う有線伝送システムにおいて、複数の機器のうちの少なくとも一対の機器は、搬送波感知多重アクセス／衝突検出方式接続におけるコネクタと切替スイッチとを有しており、送受信の端子を切替えて本来伝送モード又はアナログ信号伝送モードを選択することができる。

実施例の有線伝送システムの説明図。 実施例の有線伝送システムを構成するカメラＡ、モニタＢの内部ブロックの説明図。

符号の説明

１、１５ 制御部
２ ＣＣＤ
３ 撮像回路
４、９ ＦＭ変調回路
５、８ 切替スイッチ
６、７、１２ コネクタ
１０ 表示回路
１１ ＬＣＤ
１３ パルストランス
１４ イーサネットコントローラ

Claims (1)

1. 複数の機器と、これらの機器を接続するケーブルとからなり、搬送波感知多重アクセス／衝突検出方式の本来伝送モードによる伝送を行う有線伝送システムであって、
   前記複数の機器のうちの少なくとも前記ケーブルで接続されている一対の機器は、それぞれ搬送波感知多重アクセス／衝突検出方式接続におけるコネクタと切替スイッチとを有し、前記切替スイッチの切替により送受信の端子を切替えて本来伝送モード、又は、本来伝送モードによる伝送システムから各機器内で切り離されたアナログ信号伝送モードが選択可能であり、
   本来伝送モードからアナログ信号伝送モードへの切替はコマンドの送受信により送信側機器と受信側機器とが対になって切替を行い、アナログ信号伝送モードから本来伝送モードへの切替はアナログ信号の断の検出によって送信側機器と受信側機器とが対になって切替を行うことを特徴とする有線伝送システム。

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