JP4460185B2 - 防風装置、及び防風方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防風対象物の近傍に設置され防風対象物を風から防護する防風装置、及び防風方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道や道路などに沿って設置される防風柵や防雪柵は、風を遮り、防風対象物周辺に弱風域を作り出す施設であり、強風時の車両の走行安全性の確保や、吹き溜まりの発生の防止等を目的とした施設(以下、「風対策施設」という。)である。このような風対策施設の強度は、風圧により施設に作用する力(以下、「風荷重」という。)に基いて決定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した風荷重は、確率的に数十年以上の期間に1回生じるか否かといった稀有な強風、例えば風速50メートル/秒(m/s)を大きく上回る風等を想定して設定されている。また、一般に、風対策施設の強度を決める設計風速値は、防風対策が必要となり始める風速値よりも2倍以上高い値であることが多い。
【0004】
このため、例えば、図16に示すように、鉄道車両400を風W13から防護するため高架橋300の側端部301aに立設された防風柵200には、吹き付ける風W13の風圧に伴う合力F3により、その支持部である高架橋側端部301aに、曲げモーメントMなど、大きな力が作用することとなり、構造部材の材料強度として高強度のものが要求されるほか、構造部材の寸法が大型化する。したがって、防風柵の支持部の構築に当っては、材料費、施工費ともに高価なものとなる、という問題があった。
【0005】
また、吊り橋、長径間の橋梁等においては、暴風時の風荷重の値が非常に高く、防風柵を設置しようとすると、支持部にかかる設計荷重が大きくなり過ぎ、本体構造物の設計にも不利な影響が生じること、また、風が動的な不安定現象であるため、防風柵に作用する風圧が本体構造物に不測の影響を与えるおそれがあること等の理由から、防風柵の設置が困難になる、という問題もあった。
【0006】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、強風時に作用する風圧値を低減させることができる防風装置、及び防風方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の防風装置は、防風対象物の近傍に設置され前記防風対象物を風から防護する防風装置であって、前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を備え、前記遮風手段は前記駆動力発生手段を兼ね、前記遮風手段は互いに回転可能に接続された第1遮風板及び第2遮風板を有し、前記第1遮風板は前記支持手段に対して回転移動可能であり、前記第2遮風板は前記第1遮風板と連動して前記支持手段に対して前記第1遮風板とは逆方向へ回転移動可能であると共に前記支持手段に対して直線移動可能であり、前記風の風速が高い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を増大させることにより前記支持手段に作用する風荷重を低減させるとともに、前記風の風速が低い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を低減させることにより前記遮風手段の遮風性能を増加させることを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る第2の防風装置は、防風対象物の近傍に設置され前記防風対象物を風から防護する防風装置であって、前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を備え、前記遮風手段は、第1開口を有すると共に前記支持手段に固定される第1遮風部と、前記第1開口と重複可能な第2開口を有すると共に前記第1遮風部に対して移動可能な構成で取り付けられる第2遮風部を有し、前記風の風速が高い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を増大させることにより前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を増大させて前記支持手段に作用する風荷重を低減させるとともに、前記風の風速が低い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を低減させることにより前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を低減させて前記遮風手段の遮風性能を増加させることを特徴とする。
【0008】
上記第1又は第2の防風装置において、好ましくは、前記駆動力発生手段は、受風手段によって受けた風圧により回転駆動力又は直線的駆動力を発生する。
【0009】
また、上記第2の防風装置において、好ましくは、前記駆動手段は、回転駆動力を直線的駆動力に変換し、又は直線的駆動力を回転駆動力に変換し、又は前記駆動力発生手段の発生した駆動力の方向を異なる方向へ変換し、又は前記の変換を適宜組み合わせることにより前記遮風手段を駆動する。
【0012】
また、上記第1の防風装置において、好ましくは、前記付勢手段は弾性力を利用して前記第1遮風板及び第2遮風板を元の状態へ付勢する。
【0014】
また、上記第2の防風装置において、好ましくは、前記駆動手段は、前記風の風速が所定の駆動限界風速値未満の場合には前記遮風手段を移動させず、前記風の風速が所定の駆動限界風速値以上の場合に前記遮風手段を移動させる移動制御手段を備える。
【0015】
また、上記第2の防風装置において、好ましくは、前記第1開口の位置と前記第2開口の位置の間には、前記風の風速が所定の駆動限界風速値未満の場合には前記第1開口と前記第2開口の重複が発生せず、前記風の風速が所定の駆動限界風速値以上の場合に前記第1開口と前記第2開口の重複が開始されるような距離差が設定される。
【0016】
また、上記の防風装置において、好ましくは、前記遮風手段が元の状態へ移動する場合に前記遮風手段の移動速度を低減させる減速手段を備える。
【0017】
また、本発明に係る第1の防風方法は、防風対象物を風から防護する防風方法であって、前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を設け、前記遮風手段は前記駆動力発生手段を兼ね、前記遮風手段は互いに回転移動可能に接続された第1遮風板及び第2遮風板を有し、前記遮風手段は互いに回転移動可能に接続された第1遮風板及び第2遮風板を有し、前記支持手段に対して前記第1遮風板を回転移動させながら、前記第1遮風板と連動して前記支持手段に対して前記第2遮風板を前記第1遮風板とは逆方向へ回転移動させると共に前記支持手段に対して前記第2遮風板を直線移動させ、前記風の風速が高い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を増大させることにより前記支持手段に作用する風荷重を低減させるとともに、前記風の風速が低い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を低減させることにより前記遮風手段の遮風性能を増加させることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の防風方法は、防風対象物を風から防護する防風方法であって、前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を設け、前記遮風手段は、第1開口を有し前記支持手段に固定される第1遮風部と、前記第1開口と重複可能な第2開口を有し前記第1遮風部に対して移動可能な構成で取り付けられる第2遮風部を有し、前記第1遮風部に対して前記第2遮風部を移動させ、前記風の風速が高い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を増大させることにより、前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を増大させて前記支持手段に作用する風荷重を低減させ、前記風の風速が低い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を低減させることにより、前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を低減させて前記遮風手段の遮風性能を増加させることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明の原理を説明する。図1は、本発明の原理を説明する概念図である。図1に示すように、本発明の防風装置100は、防風対象物Tの近傍に設置され、防風対象物Tを風Wから防護する装置であり、駆動力発生手1と、駆動手段2と、遮風手段3と、支持手段4と、付勢手段5を備えて構成されている。
【0019】
上記の駆動力発生手段1は、風Wを受け、風Wの圧力を利用して駆動力F1を発生する。駆動力発生手段1は、板状などに形成され、風Wの力を受け止めやすい受風手段(図示せず)を有している。
【0020】
また、支持手段4は、防風対象物Tの近傍に設置される。遮風手段3は、板状に構成され、支持手段4に対して移動可能に取り付けられ、風Wを遮り、防風対象物Tを風Wから防護する。
【0021】
駆動手段2は、伝動機構を有し、駆動力F1を利用することにより、遮風手段3を第1方向に移動させる。また、付勢手段5は、弾性材料等からなり、弾性力F2を利用することにより、遮風手段3を、第1方向とは逆の第2方向に付勢する。
【0022】
本発明は、上記のような各手段について、風Wの風速が高い場合には、遮風手段3の第1方向への移動量を増大するように構成し、遮風手段3の第1方向への移動量が大きな場合には支持手段4に作用する風荷重が小さくなるように構成する。逆に、風Wの風速が低い場合には、遮風手段3の第1方向への移動量が減少するように構成し、遮風手段3の第1方向への移動量が小さい場合には、遮風手段3の遮風性能を増加させるように構成する。
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(1)第1実施形態
図2は、本発明の第1実施形態である防風装置の全体構成を示す図である。図2において、図2(A)は鉄道線路の方向に見た正面図を、図2(B)は上方から見た平面図を、それぞれ示している。また、図3は、図2に示す防風装置のさらに詳細な構成を示す斜視図である。
【0025】
図2、3に示すように、第1実施形態の防風装置101は、鉄道車両400を防風対象物とする防風装置であり、複数の遮風板11と、支柱12と、回転軸13と、コイルバネ15を備えている。
【0026】
支柱12は、柱状に形成され、高架橋300の床版部301の側端部301aに、線路進行方向に沿って、所定の間隔で立設されている。支柱12の材料としては、鋼、アルミニウム等の金属、アルミニウム合金等の合金、繊維強化金属(FRM:Fiber Reinforced Metal)等を含む金属系材料などが用いられる。図2において、符号302は軌道スラブを、符号303はレールを、それぞれ示している。
【0027】
遮風板11は、板状に形成され、2つの支柱12、12の間に収容可能な寸法を有している。遮風板11の材料としては、鋼、アルミニウム等の金属、アルミニウム合金等の合金、繊維強化金属(FRM:Fiber Reinforced Metal)等を含む金属系材料、プラスチックス、繊維強化プラスチックス(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等を含む合成樹脂系材料、木材、木片集成材、木質チップ集成材等を含む木材系材料などが用いられる。
【0028】
遮風板11の両側部の上方には、円柱状の回転軸13が突出するように取り付けられている。一方、支柱12の側部の上方には、円柱状の凹部である回転軸孔12aが形成されている。そして、2つの支柱12、12の各々の回転軸孔12a、12aの中に、遮風板11の両側の回転軸13、13がそれぞれ挿入され嵌合している。回転軸孔12aの内径は、回転軸13の外径よりも大きな値に設定されている。このような構成により、遮風板11は、回転軸孔12a(又は回転軸13)の中心線を回転の中心軸として回転移動可能な構成となっている。
【0029】
また、遮風板11において、鉄道線路に対して外側となる側(図1(A)における左側)の下方の箇所11a(図2参照)には、コイルバネ15の一端が取り付けられている。また、支柱12には、バネ支持突起12cが設けられている。バネ支持突起12cの先端は円柱状となっており、円筒状の回転ヒンジ14が回転可能な状態で嵌合している。また、回転ヒンジ14には、コイルバネ15の他端が取り付けられている。コイルバネ15は、伸び変形を加えると縮む方向に弾性力を発生する、いわゆる引張バネである。コイルバネ15において、弾性力を、そのときの伸び変形で除した値を、「バネ定数」という。コイルバネ15の材料としては、バネ用鋼材等の金属材料、ガラス繊維強化プラスチックス(GFRP)、炭素繊維強化プラスチックス等の弾性材料が用いられる。
【0030】
また、支柱12には、ストッパー12bが取り付けられており、遮風板11のコイルバネ15が取り付けられている側の面を押さえ付け、係止可能な構成となっている。
【0031】
次に、図4を参照しつつ、上記した第1実施形態の防風装置101の作用について説明する。引張バネであるコイルバネ15は、図4(A)の状態では、所定の長さだけ伸ばした状態(所定の初期バネ力で引っ張った状態)となっている。したがって、風が吹いていない状態では、コイルバネ15が、遮風板11を図4(A)の左方向に引張った状態となっており、遮風板11は、ストッパー12bに押し付けられた状態となっている。
【0032】
次に、図4(B)に示すように、線路の外側となる図4(B)の左側(図1(A)における左側)から風W1が吹くと、風W1による風圧が遮風板11に加えられる。コイルバネ15は、図4(A)の状態では、初期バネ力で引っ張った状態となっており、回転軸13の中心13aに関する初期バネ力のモーメント(遮風板11を回転方向d1の逆方向へ回転させようとするモーメント。以下、「初期バネ力モーメント」という。)が、風W1の風圧による力の回転中心13aに関するモーメント(遮風板11を回転方向d1へ回転させようとするモーメント。以下、「風力モーメント」という。)より大きい期間中は、遮風板11は動かない。
【0033】
その後、風W1の風速が大きくなり、風圧が強くなると、ある風速値(以下、「移動開始風速値」という。)において、風力モーメントが初期バネ力モーメントと等しくなる。風W1の風速が移動開始風速値より大きくなると、遮風板11は、回転軸13の中心13aを回転の中心としてd1の方向に回転移動を開始し、これに伴い、コイルバネ15が遮風板11に引張られて伸び始める。コイルバネ15は、伸びに比例した弾性力F2Aを発生する。この弾性力F2Aは、コイルバネ15を縮ませる方向に働く。したがって、コイルバネ15は、遮風板11を、d1の逆方向に付勢していることになる。
【0034】
そして、回転軸13の中心13aに関する弾性力F2Aのモーメント(遮風板11を回転方向d1の逆方向へ回転させようとするモーメント。以下、「弾性力モーメント」という。)が、風力モーメントと等しくなった回転角α1で、遮風板11の回転は停止する。回転角α1の状態では、風W1の方向線a1に対する遮風板11の中心線a2のなす角度はθ(以下、「迎え角」という。)となっている。図4(B)において、α1+θ=90°となっている。
【0035】
第1実施形態の防風装置101においては、風W1の風速が上記より大きくなれば、風圧がさらに強くなり、遮風板11の回転角α1は大きくなり、α1の余角である迎え角θは小さくなる。その後、風がやむと、コイルバネ15の作用により、遮風板11は、d1の逆方向に回転して戻り、ストッパー12bに押し付けられて停止する。
【0036】
次に、図4(B)において、風W1の風圧が遮風板11に及ぼす力について説明する。図5(A)に示すように、空気の流れAに対して迎え角θとなるように配置された板Pの上面と下面には、図に示すような空気の圧力p1、p2が発生する。これにより、板Pの重心点Gには、板Pを鉛直上方に押し上げる力(以下、「揚力」という。)Lと、板Pを風下側に押す力(以下、「抗力」という。)Dが発生する。
【0037】
ここで、長さをm(メートル)とし、時間をs(秒)とし、空気の密度をρ(kg×s2/m4)とし、空気の流れAの速度をU(m/s)とし、板Pの面積をS(m2)とすると、上記の揚力L(kg)は、下式(1)
L=(1/2)×ρ×U2×S×CL ………(1)
で表される。
【0038】
また、抗力D(kg)は、下式(2)
L=(1/2)×ρ×U2×S×CD ………(2)
で表される。
【0039】
上式(1)、(2)において、板Pの面積Sは、水平面又は鉛直面への投影面積ではなく、実際の面積(板Pの上面又は下面に対して垂直に見た場合の面積)とする。また、CLは無次元量であり揚力係数と呼び、CDも無次元量であり抗力係数と呼ぶものとする。
【0040】
上記した揚力L又は抗力Dを、国際単位系(SI)で表す場合は、上式(1)で算出されるL又はDの値に9.80665を乗じる。この場合の揚力又は抗力の単位は、ニュートン(N)である。
【0041】
図5(B)におけるグラフ曲線C1は、迎え角θと揚力係数CLの関係を示したものである。揚力係数CLのグラフ曲線C1から、以下のことがわかる。まず、迎え角θが大きい場合、例えば図4(A)の場合(迎え角θ=90°)には、揚力係数CLは非常に小さく、零に近い。次に、迎え角θが90°から減少してくると、例えば図4(B)の場合(迎え角θ:0°<θ<90°)には、揚力係数CLは増大し、迎え角θが約17°の場合に最大となり、迎え角θが約17°よりも減少すると、揚力係数CLも減少していく。
【0042】
揚力Lは、図5(A)に示すように、鉛直上方へ向かう力である。この揚力Lが高架橋300の側端部301a(図2(A)参照)に与える効果は、遮風板11の自重により低減され、さらに支柱12の自重や高架橋300の側端部301aの自重によっても低減される。したがって、迎え角θの変化により揚力Lが若干増大したとしても、高架橋300に対し重大な影響を及ぼすことはない。
【0043】
一方、図5(B)におけるグラフ曲線C2は、迎え角θと抗力係数CDの関係を示したものである。抗力係数CDのグラフ曲線C2から、以下のことがわかる。まず、迎え角θが大きい場合、例えば図4(A)の場合(迎え角θ=90°)には、抗力係数CDは値1.0(図示せず)となっている。次に、迎え角θが90°から減少してくると、例えば図4(B)の場合(迎え角θ:0°<θ<90°)には、グラフ曲線C2に示すように抗力係数CDは減少していく。
【0044】
抗力Dは、図5(A)に示すように、風の風下側へ向かう方向への力である。また、通常の防風柵のように、遮風板が支柱に固定されている場合には、迎え角θが一定であり、上式(2)より、風速値Uが増大すれば、風速値Uの二乗に比例して急激に増大する。したがって、従来の防風柵では、図16に示すように、風W13の風圧に伴う合力F3により、防風柵200の支持部である高架橋側端部301aに、大きな曲げモーメントMが作用し、高架橋300の設計上の問題点となっていた。
【0045】
しかし、本発明の第1実施形態の防風装置101においては、図4(B)に示すように、風力モーメントが初期バネ力モーメントを上回るような(移動開始風速値よりも大きな値の)風W1が吹けば、遮風板11はd1の方向に回転し、回転角がα1となるため、迎え角θは90°から減少していく。また、風W1の風速がさらに速くなれば、風圧がさらに強くなり、遮風板11はd1の方向にさらに大きく回転するため、回転角α1はさらに増大し迎え角θはさらに減少する。すなわち、本発明の第1実施形態の防風装置101においては、移動開始風速値を越えて風速値が高くなればなるほど回転角α1が増大し迎え角θが減少するように構成されている。
【0046】
このことと、図5(B)における抗力Dを示すグラフ曲線C2の「迎え角θが小さくなればなるほど抗力係数CDが減少する」という傾向から、本発明の第1実施形態の防風装置101においては、図6(A)に示すように、風速値Uが、移動開始風速値U1を越えて大きくなればなるほど抗力係数CDが減少するように構成されていることがわかる。
【0047】
したがって、本発明の第1実施形態の防風装置101においては、図6(B)のグラフ曲線C4に示すように、風速値Uが、移動開始風速値U1と等しくなるまでの期間中は、抗力Dは、風速値Uの二乗に比例して増大する従来の防風柵の場合の抗力曲線C3と同じ曲線上にある。しかし、風速値Uが、移動開始風速値U1を越えると、抗力曲線C4は従来の抗力曲線C3より下回るようになり、ある風速値U2からは、従来の抗力曲線C3から大きく離れて下回るようになる。
【0048】
このことは、本発明の第1実施形態の防風装置101においては、図16における風圧に伴う合力F3が、風速値の増大に伴って減少することを意味する。したがって、本発明の第1実施形態の防風装置101においては、風W1の風速が高い場合には、遮風板11の回転角α1が増大し迎え角θが減少するため、防風装置101の支柱12に作用する風荷重が低減され、防風装置101が設置される高架橋側端部301aに作用する曲げモーメントM等の力が減少することになる。
【0049】
一方、風W1が遮風板11に吹き付け、遮風板11が図4(B)に示すように傾斜すると、遮風板11の下端付近から、風W1が防風装置101から線路内に入り込み、鉄道車両400にも吹き付けることになる。このため、本発明の第1実施形態の防風装置101の抗力曲線C4が従来の防風柵等の抗力曲線C3より下回るということは、鉄道車両400を風から防護する性能(以下、「遮風性能」という。)が低下する、ということも意味する。
【0050】
しかし、鉄道や道路等の交通機関においては、風対策施設を設置しているものの、暴風時には、車両の浮上、脱線等のおそれがあるため、風速値に応じて車両の運転や走行に規制を設けている。例えば、鉄道会社においては、風速値が20〜25m/s以上となった場合には速度を制限して徐行させ、風速値が25〜30m/s以上となった場合には鉄道車両の運転自体を停止させること(以下、「運行規制」という。)を行うように規定されている。自動車道路(例えば高速自動車道路)の場合も、走行する自動車について同様な運行規制が行われている。
【0051】
したがって、風速が非常に高い暴風時で、かつ運行規制が実施される場合には、鉄道車両や自動車等の運転が停止されているので、遮風性能が若干低下しても、交通への問題は少ない、と考えられる。このことから、本発明の第1実施形態の防風装置101において、コイルバネ15の初期バネ力と、バネ定数を適宜に設定することにより、図6(B)において、風速値U2よりも低い風速値Uaが上記の運行規制風速値(例えば、風速値=25〜30m/s)となるように構成することができる。
【0052】
上記のように構成することにより、第1実施形態の防風装置101は、以下のような利点を有している。
【0053】
a)図6(B)において、風の風速値UがUaより大きい場合は、防風装置101の支柱12に作用する風荷重を従来よりも低減させることができるので、交通施設構造物等に与える影響を減少させ、材料費、施工費等のコストを抑制することができる。
【0054】
b)図6(B)において、風の風速値Uが零からUaまでの間は、従来とほぼ同等の遮風性能を発揮させることが可能となり、鉄道車両400を従来の防風柵等と同様に風から防護することができる。すなわち、風の風速値Uが零からUaまでの間は、風の風速値UがUaより大きい場合に比べ、遮風性能が増加している。
【0055】
c)各種の交通施設構造物等に防風装置を設置することが容易になる。
【0056】
上記した第1実施形態の防風装置101は、基本的な構成を同一とし、一部を変化させた変化例を構成することが可能である。
【0057】
上記した第1実施形態の防風装置101においては、遮風板11をd1の逆方向に付勢する部材として、コイルバネ15を用いたが、これは、他の部材を用いてもよい。例えば、図7(A)に示す防風装置101Aのように、コイルバネ15のかわりに、渦巻バネ15Aを用いてもよい。すなわち、支柱12にバネ支持突起12dを取り付け、バネ支持突起12dに渦巻バネ15Aの一端を取り付け、回転軸13に渦巻バネ15Aの他端を取り付ける。
【0058】
渦巻バネ15Aは、コイルバネ15と同様の材料からなり、側面形状が渦巻き型に形成されたバネであり、ゼンマイバネとも呼ばれ、例えば、細長い帯状の薄板から作製される。渦巻バネ15Aは、回転軸13を回転させた場合に、部材に曲げ変形が発生し、これに伴い、バネ全体を逆方向に回転させるような弾性力が発生することを利用したものである。この防風装置101Aの場合にも、第1実施形態の防風装置101と同様の作用、利点を発揮させることができる。
【0059】
また、上記した第1実施形態の防風装置101のように、回転軸孔12aの中に回転軸13を挿入し回転可能な状態とするかわりに、図7(B)及び図7(C)に示す動作緩和器16を支柱12に固定し、動作緩和器16の回転軸16bに回転軸13を取り付けるようにしてもよい。
【0060】
図7(B)は動作緩和器16の斜視図を、図7(C)は動作緩和器16の横断面図を、それぞれ示している。この動作緩和器16は、容器16aと、回転軸16bと、複数の羽根16cを有している。容器16aは、中空で両端が閉塞された円筒状に形成されている。また、回転軸16bは、円柱状に形成され、容器16a内に挿入されるとともに、中心線の周りに回転可能な構成となっている。また、容器16aの内部の回転軸16bには、その外周部に複数の羽根16cが取り付けられている。羽根16cは、図7(C)に示すように、湾曲している。また、容器16a内には、シリコーンオイル等の粘性を有する流体(図示せず)が収容されている。
【0061】
上記のような構成により、回転軸16bを回転させる場合には、羽根16cが内部の粘性流体をかき回すため、粘性流体からの抵抗を受け、回転軸16bの回転速度が緩和され、回転軸16bはゆっくりと回転する。その場合、図7(C)に示す方向d2に回転させる場合には、粘性流体に対する抵抗が小さいため比較的速く回転するが、図7(C)に示す方向d3に回転させる場合には、粘性流体に対する抵抗が大きいため、方向d2の場合よりも遅く回転することになる。
【0062】
したがって、図4(B)において、遮風板11が風W1によって移動する方向d1を、図7に示す方向d2と合致させ、遮風板11がコイルバネ15によって戻る方向(d1の反対方向)を、図7に示す方向d3と合致させておけば、図4(B)における風W1が微小時間だけ弱まっても、遮風板11が即座に元の方向に戻ることがないため、遮風板11のバタツキ等を防止することができる。
【0063】
上記した第1実施形態の防風装置101、101A等において、鉄道車両400は、防風対象物に相当している。また、支柱12は、支持手段に相当している。また、遮風板11は、遮風手段に相当するとともに、駆動力発生手段を兼ねている。また、遮風板11は、受風手段にも相当している。また、回転軸13と回転軸孔12aは、駆動手段に相当している。また、方向d1は、第1方向に相当している。また、方向d1の逆方向は、第2方向に相当している。また、風力モーメントは、回転駆動力に相当している。また、コイルバネ15、又は渦巻バネ15Aは、付勢手段に相当している。また、遮風板11の回転角α1は、遮風手段の移動量に相当している。また、動作緩和器16は、減速手段に相当している。
【0064】
(2)第2実施形態
本発明は、他の構成によっても実現可能である。次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。図8は、鉄道線路の方向に見た正面図である。また、図9及び図10は、図8に示す防風装置のさらに詳細な構成を示した部分拡大図である。
【0065】
図8に示すように、第2実施形態の防風装置102は、支柱22と、遮風板21a及び21b及び21c及び21dと、コイルバネ25を備えて構成されている。
【0066】
支柱22は、柱状に形成され、高架橋300の床版部301の側端部301aに、線路進行方向に沿って、所定の間隔で立設されている。支柱22の材料は、支柱12の場合と同様である。
【0067】
遮風板21a及び21b及び21c及び21dは、板状に形成され、2つの支柱22、22の間に収容可能な寸法を有している。遮風板21a及び21b及び21c及び21dの材料は、遮風板11の場合と同様である。
【0068】
また、図9に示すように、最下部の遮風板21aの両側部の上方には、円柱状の固定回転軸23aが突出するように取り付けられている。一方、支柱22の側部の下方には、円柱状の凹部である回転軸孔22a1が形成されている。そして、2つの支柱22、22の各々の回転軸孔22a1、22a1の中に、遮風板21aの両側の固定回転軸23a、23aがそれぞれ挿入され嵌合している。回転軸孔22a1の内径は、固定回転軸23aの外径よりも大きな値に設定されている。このような構成により、遮風板21aは、回転軸孔22a1(又は固定回転軸23a)の中心線を回転の中心軸として回転移動可能な構成となっている。
【0069】
また、図9に示すように、下から2番目の遮風板21bの両側部の下方には、円柱状のスライド回転軸23cが突出するように取り付けられている。一方、支柱22の側部の中段下方には、鉛直方向に延びる直線状の凹部であるスライド溝22a3が形成されている。そして、2つの支柱22、22の各々のスライド溝22a3、22a3の中に、遮風板21aの両側のスライド回転軸23c、23cがそれぞれ挿入され嵌合している。スライド溝22a3の溝幅は、スライド回転軸23cの外径よりも大きな値に設定されている。このような構成により、遮風板21bは、スライド回転軸23cの中心線を回転の中心軸として回転移動可能であるとともに、スライド回転軸23cは、スライド溝22a3に沿って鉛直上方又は鉛直下方へ直線的に移動可能な構成となっている。
【0070】
また、図9に示すように、最下部の遮風板21aの上端と、下から2番目の遮風板21bの下端は、回転ヒンジ24aによって接続されている。このような構成により、遮風板21aと21bは、回転ヒンジ24aの中心線を回転の中心軸として相互に回転移動可能な構成となっている。
【0071】
また、図10に示すように、最上部の遮風板21dの両側部の下方には、円柱状の固定回転軸23bが突出するように取り付けられている。一方、支柱22の側部の上方には、円柱状の凹部である回転軸孔22a2が形成されている。そして、2つの支柱22、22の各々の回転軸孔22a2、22a2の中に、遮風板21dの両側の固定回転軸23b、23bがそれぞれ挿入され嵌合している。回転軸孔22a2の内径は、固定回転軸23bの外径よりも大きな値に設定されている。このような構成により、遮風板21dは、回転軸孔22a2(又は固定回転軸23b)の中心線を回転の中心軸として回転移動可能な構成となっている。
【0072】
また、図10に示すように、上から2番目の遮風板21cの両側部の上方には、円柱状のスライド回転軸23dが突出するように取り付けられている。一方、支柱22の側部の中段上方には、鉛直方向に延びる直線状の凹部であるスライド溝22a4が形成されている。そして、2つの支柱22、22の各々のスライド溝22a4、22a4の中に、遮風板21cの両側のスライド回転軸23d、23dがそれぞれ挿入され嵌合している。スライド溝22a4の溝幅は、スライド回転軸23dの外径よりも大きな値に設定されている。このような構成により、遮風板21cは、スライド回転軸23dの中心線を回転の中心軸として回転移動可能であるとともに、スライド回転軸23dは、スライド溝22a4に沿って鉛直上方又は鉛直下方へ直線的に移動可能な構成となっている。
【0073】
また、図10に示すように、最上部の遮風板21dの下端と、上から2番目の遮風板21cの上端は、回転ヒンジ24bによって接続されている。このような構成により、遮風板21dと21cは、回転ヒンジ24bの中心線を回転の中心軸として相互に回転移動可能な構成となっている。
【0074】
また、遮風板21bにおいて、鉄道線路に対して内側となる側(図8(A)における右側)の適宜箇所にはバネ支持突起26aが設けられ、このバネ支持突起26aには、コイルバネ25の一端が取り付けられている。また、遮風板21cにおいて、鉄道線路に対して内側となる側(図8(A)における右側)の適宜箇所にはバネ支持突起26bが設けられ、このバネ支持突起26bには、コイルバネ25の他端が取り付けられている。
【0075】
コイルバネ25は、伸び変形を加えると縮む方向に弾性力を発生する、いわゆる引張バネである。コイルバネ25において、弾性力を、そのときの伸び変形で除した値を、「バネ定数」という。コイルバネ25の材料は、コイルバネ15の場合と同様である。
【0076】
次に、図8を参照しつつ、上記した第2実施形態の防風装置102の作用について説明する。引張バネであるコイルバネ25は、風が吹いていない状態では、所定の長さだけ伸ばした状態(所定の初期バネ力で引っ張った状態)となっている。したがって、風が吹いていない状態では、コイルバネ25は、遮風板21bの裏のバネ支持突起26aと、遮風板21cの裏のバネ支持突起26bを、初期バネ力により、図8(A)の上下方向に引張った状態となっている。これにより、遮風板21a、21b、21c、21dは、図8(A)に示すように、風に対して垂直な状態を維持し、動かない。
【0077】
次に、図8(A)に示すように、線路の外側となる図8(B)の左側から、風W2が吹くと、風W2による風圧が遮風板21a〜21dに加えられる。コイルバネ25は、図8(A)の状態では、初期バネ力の1/2の力(以下、「初期設定力」という。)でバネ支持突起26aを引っ張った状態となっており、スライド回転軸23cの中心に関する初期設定力のモーメント(遮風板21bを回転方向d4の逆方向へ回転させようとするモーメント。以下、「初期設定力モーメント」という。)が、風W2の風圧による力のスライド回転軸23cの中心に関するモーメント(遮風板21bを回転方向d4へ回転させようとするモーメント。以下、「風力モーメント」という。)より大きい期間中は、遮風板21bは動かない。
【0078】
同様に、コイルバネ25は、図8(A)の状態では、初期バネ力の1/2の力(以下、「初期設定力」という。)でバネ支持突起26bを引っ張った状態となっており、スライド回転軸23dの中心に関する初期設定力のモーメント(遮風板21cを回転方向d6の逆方向へ回転させようとするモーメント。以下、「初期設定力モーメント」という。)が、風W2の風圧による力のスライド回転軸23dの中心に関するモーメント(遮風板21cを回転方向d6へ回転させようとするモーメント。以下、「風力モーメント」という。)より大きい期間中は、遮風板21cは動かない。
【0079】
その後、風W3に示すように、風速が大きくなり、風圧が強くなると、ある風速値(以下、「移動開始風速値」という。)において、風力モーメントが初期設定力モーメントと等しくなる。その後、風W3の風速が移動開始風速値より大きくなり、風力モーメントが初期設定力モーメントより大きくなると、遮風板21bは、スライド回転軸23cの中心を回転の中心としてd4の方向に回転移動を開始するとともに、スライド溝22a3に沿って鉛直下方へ向かう直線的移動を開始する。また、この際、同時に、遮風板21aも、不動回転軸23aの中心を回転の中心としてd5の方向に回転移動を開始する。
【0080】
同様にして、風W3の風速が移動開始風速値より大きくなり、風力モーメントが初期設定力モーメントより大きくなると、遮風板21cは、スライド回転軸23dの中心を回転の中心としてd6の方向に回転移動を開始するとともに、スライド溝22a4に沿って鉛直上方へ向かう直線的移動を開始する。また、この際、同時に、遮風板21dも、不動回転軸23bの中心を回転の中心としてd7の方向に回転移動を開始する。
【0081】
これらの動きに伴い、コイルバネ25が遮風板21bと遮風板21cに引張られて伸び始める。コイルバネ25は、伸びに比例した弾性力を発生する。この弾性力は、コイルバネ25を縮ませる方向に働く。
【0082】
また、遮風板21aと遮風板21bは、回転ヒンジ24aとスライド回転軸23cとスライド溝22a3により互いに連動するように構成されており、遮風板21bがd4の方向に回転移動すると、遮風板21aはd5の方向に回転移動するようになっている。また、この場合、回転移動方向d4とd5は逆方向となっている。
【0083】
また、遮風板21cと遮風板21dは、回転ヒンジ24bとスライド回転軸23dとスライド溝22a4により互いに連動するように構成されており、遮風板21cがd6の方向に回転移動すると、遮風板21dはd7の方向に回転移動するようになっている。また、この場合、回転移動方向d6とd7は逆方向となっている。
【0084】
したがって、コイルバネ25は、遮風板21bをd4の逆方向に付勢するとともに、遮風板21aをd5の逆方向に付勢していることになる。同様にして、コイルバネ25は、遮風板21cをd6の逆方向に付勢するとともに、遮風板21dをd7の逆方向に付勢していることになる。
【0085】
そして、スライド回転軸23cの中心に関するコイルバネ25の弾性力のモーメント(遮風板21bを回転方向d4の逆方向へ回転させようとするモーメント。以下、「弾性力モーメント」という。)が、風力モーメントと等しくなった回転角α2の位置で、遮風板21bの回転は停止する。この動きに連動して、遮風板21aの回転も、回転角α2の位置で停止する。
【0086】
同様にして、スライド回転軸23dの中心に関するコイルバネ25の弾性力のモーメント(遮風板21cを回転方向d6の逆方向へ回転させようとするモーメント。以下、「弾性力モーメント」という。)が、風力モーメントと等しくなった回転角α3の位置で、遮風板21cの回転は停止する。この動きに連動して、遮風板21dの回転も、回転角α3の位置で停止する。ここに、回転角α2とα3の絶対値は、等しい角度となる。
【0087】
したがって、遮風板21aと遮風板21cの迎え角は(90°−α2)となり正の値となるが、遮風板21bと遮風板21dの迎え角は(α2−90°)となり負の値となる。
【0088】
第2実施形態の防風装置102においては、風の風速が上記より大きくなってW4のようになれば、風圧がさらに強くなり、遮風板21a等の回転角α2は大きくなり、α2の余角である迎え角は小さくなる。その後、風がやむと、コイルバネ25の作用により、遮風板21a等は、それぞれ逆方向に回転して戻り、図8(A)の状態となって停止する。
【0089】
上記のように構成することにより、第2実施形態の防風装置102は、第1実施形態の場合と同様に、風の風速が高い場合には遮風板21a等の移動量を増大させることにより支柱22に作用する風荷重を低減させるとともに、風の風速が低い場合には遮風板21a等の移動量を低減させることにより遮風板21a等の遮風性能を増加させることができる、という利点を有している。また、さらに、下記の利点を有している。
【0090】
d)遮風板21bの迎え角は、遮風板21aの迎え角と絶対値が等しく正負の極性が逆であり、遮風板21cの迎え角は、遮風板21dの迎え角と絶対値が等しく正負の極性が逆である。このため、遮風板21aに発生する上向きの揚力は、遮風板21bに発生する下向きの揚力(負の揚力)によって相殺され、遮風板21cに発生する上向きの揚力は、遮風板21dに発生する下向きの揚力(負の揚力)によって相殺される。したがって、風が不安定に大きく変化しても、支柱22には鉛直上下方向の力は作用せず、支柱22の基礎部である高架橋側端部301aに、不測の大きな上下方向力が作用することはない。
【0091】
なお、上記した第2実施形態の防風装置102に、第1実施形態におけるストッパー12bと同様の機能を有する部材を設けてもよい。このように構成すれば、遮風板21a等が図8に示す状態とは逆の方向に移動してコイルバネ25に不測の変形等を与え破損等の事態が発生するといったおそれをなくすことができる。
【0092】
上記した第2実施形態の防風装置102において、鉄道車両(図示せず)は、防風対象物に相当している。また、支柱22は、支持手段に相当している。また、遮風板21a〜21dは、遮風手段に相当するとともに、駆動力発生手段を兼ねている。また、遮風板21a〜21dは、受風手段にも相当している。また、遮風板21a〜21dは、第1遮風板、又は第2遮風板に相当している。また、不動回転軸23aと回転軸孔22a1、不動回転軸23bと回転軸孔22a2、スライド回転軸23cとスライド溝22a3、スライド回転軸23dとスライド溝22a4は、それぞれ駆動手段に相当している。
【0093】
また、方向d4は第1方向に相当し、方向d4の逆方向は第2方向に相当している。また、方向d5は第1方向に相当し、方向d5の逆方向は第2方向に相当している。また、方向d6は第1方向に相当し、方向d6の逆方向は第2方向に相当している。また、方向d7は第1方向に相当し、方向d7の逆方向は第2方向に相当している。また、方向d4は、第3方向に相当し、方向d5は第4方向に相当している。あるいは、方向d5は、第3方向に相当し、方向d4は第4方向に相当している。また、方向d6は、第3方向に相当し、方向d7は第4方向に相当している。あるいは、方向d7は、第3方向に相当し、方向d6は第4方向に相当している。
【0094】
また、風力モーメントは、回転駆動力に相当している。また、コイルバネ25は、付勢手段に相当している。また、遮風板21a等の回転角α2は、遮風手段の移動量に相当している。
【0095】
(3)第3実施形態
本発明は、さらに他の構成によっても実現可能である。次に、本発明の第3実施形態について説明する。図11は、本発明の第3実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。図11において、図11(A)は一部の斜視図を、図11(B)〜図11(D)は第3実施形態の防風装置の作用を、それぞれ示している。また、図12は、図11の防風装置における駆動力発生部及び駆動部の構成及び作用を示す図である。
【0096】
図11、12に示すように、この防風装置103は、第1遮風部30aと、第2遮風部30bと、支柱32a及び32bと、駆動力発生部33と、駆動部34と、コイルバネ35を備えて構成されている。
【0097】
第1遮風部30aは、第1開口31aを有し、支柱32a及び32bに固定されている。また、第2遮風部30bは、第2開口31bを有している。第2開口31bは、第1開口31aと重複可能な形状、寸法を有している。第1遮風部30a及び第2遮風部30bの材料は、遮風板11の場合と同様である。
【0098】
支柱32a及び32bは、図示はしていないが、柱状に形成され、高架橋300の床版部301の側端部301aに、線路進行方向に沿って、所定の間隔で立設されている。支柱32a及び32bの材料は、支柱12の場合と同様である。
【0099】
また、支柱32aはストッパー32cを有しており、ストッパー32cは、第2遮風部30bの背後の一端付近を支持している。また、支柱32bはストッパー32dを有しており、ストッパー32dは、第2遮風部30bの背後の他端付近を支持している。また、第2遮風部30bは、固定された第1遮風部30aに対し、図11(B)〜(D)の左右方向にスライド移動(直線的移動)可能な状態で取り付けられている。また、第2遮風部30bの一端には、後述する駆動部34の駆動ロッド34cが取り付けられている。
【0100】
また、図12(A)に示すように、駆動力発生部33は、受風板33aと回転軸33bを有している。回転軸33bは、円柱状に形成され、中心線の周りに回転可能な状態で支持されている。また、回転軸33bには、その外周部に複数の受風板33aが放射状に取り付けられている。
【0101】
また、図12(A)に示すように、駆動部34は、ピニオンギヤ34aと、ラック部材34bと、駆動ロッド34cと、支持部材34dと、コロ34eと、ストッパー34fと、バネ取付部34gを有している。ピニオンギヤ34aは、回転軸33bに固定され、回転軸33bとともに回転可能な構成となっている。また、ラック部材34bは、支持部材34dの上にコロ34eを介して設置されており、ピニオンギヤ34aと噛み合っている。ラック部材34bの一端には、駆動ロッド34cが取り付けられている。
【0102】
また、ラック部材34bの他端には、コイルバネ35の一端が取り付けられており、コイルバネ35の他端は、バネ取付部34gに取り付けられている。コイルバネ35は、伸び変形を加えると縮む方向に弾性力を発生する、いわゆる引張バネである。コイルバネ35において、弾性力を、そのときの伸び変形で除した値を、「バネ定数」という。コイルバネ35の材料は、コイルバネ15の場合と同様である。
【0103】
また、ラック部材34bの他端は、ストッパー34fによって係止されるようになっている。また、ストッパー34fとバネ取付部34gは、支持部材34dに固定されている。
【0104】
次に、図11及び図12(A)を参照しつつ、上記した第3実施形態の防風装置103の作用について説明する。引張バネであるコイルバネ35は、風が吹いていない状態では、所定の長さだけ伸ばした状態(所定の初期バネ力で引っ張った状態)となっている。したがって、風が吹いていない状態では、コイルバネ35は、ラック部材34bを初期バネ力により図12(A)の右方向に引張った状態となっており駆動ロッド34cは動かない。これにより、第2遮風部30bは、図11(B)に示すように、第1開口31aを塞いでおり、風W5は遮断された状態となっている。
【0105】
次に、図12(A)に示すように、風W8が受風板33aに当り、風力が初期バネ力を上回ると、回転軸33bがd9の方向に回転移動する。なお、ストッパー34fがラック部材34bを押さえているため、回転軸33bがd9の逆方向に回転することはない。回転軸がd9の方向に回転すると、この動きに伴いピニオンギヤ34aが同方向に回転し、ピニオンギヤ34aと噛み合っているラック部材34bがd8の方向にスライド移動(直線的移動)する。
【0106】
この動きに伴い、コイルバネ35がラック部材34bに引張られて伸び始める。コイルバネ35は、伸びに比例した弾性力を発生する。この弾性力は、コイルバネ35を縮ませる方向に働く。
【0107】
また、ラック部材34bのスライド移動は、駆動ロッド34cによって第2遮風部30b(図11(B)参照)に伝達される。これにより、第2遮風部30bは、図11(C)に示す方向d8にスライド移動する。この動きにより、第1開口31aと第2開口31bは連通するようになり、第2遮風部30bのスライド移動前は吹き抜けられなかった風W5(図11(B)参照)が、図11(C)のW6のように吹き抜けられるようになる。
【0108】
受風板33aに当る風W8の風速がさらに大きくなり、回転軸33bの回転角度がさらに大きくなると、第2遮風部30bの方向d8への移動量も増大し、図11(D)に示すように、第1開口31aと第2開口31bは完全に重複し、風W7が吹きぬけるようになる。
【0109】
その後、風がやむと、コイルバネ35の作用により、第2遮風部30bは、d8の逆方向に直線的に移動して戻り、図11(B)の状態となって停止する。したがって、コイルバネ35は、第2遮風部30bをd8の逆方向に付勢していることになる。
【0110】
上記のような構成により、第3実施形態の防風装置103は、第1実施形態の場合と同様に、風の風速が高い場合には第2遮風部30bの移動量を増大させることにより支柱32a及び32bに作用する風荷重を低減させるとともに、風の風速が低い場合には第2遮風部30bの移動量を低減させることにより第1遮風部30a及び第2遮風部30bの遮風性能を増加させることができる、という利点を有している。
【0111】
上記した第3実施形態の防風装置103は、基本的な構成を同一とし、一部を変化させた変化例を構成することが可能である。
【0112】
例えば、上記した第3実施形態の防風装置103において、ラック部材34bの他端の箇所とストッパー34fの間に、図12(B)及び図12(C)に示す動作緩和器36を設置するようにしてもよい。
【0113】
図12(B)は動作緩和器36の斜視図を、図12(C)は動作緩和器36の縦断面図を、それぞれ示している。この動作緩和器36は、容器36aと、ピストン36bと、ロッド36cを有している。容器36aは、中空で両端が閉塞された円筒状に形成されている。また、ピストン36bは、略円錐状に形成され、容器36a内に挿入されるとともに、ロッド36cの中心軸線に沿って往復移動可能な構成となっている。また、容器36a内には、シリコーンオイル等の粘性を有する流体(図示せず)が収容されている。
【0114】
上記のような構成により、ロッド36cを直線移動させる場合には、ピストン36bが内部の粘性流体を動かすため、粘性流体からの抵抗を受け、ロッド36cの直線移動速度が緩和され、ロッド36cはゆっくりと移動する。その場合、図12(B)及び図12(C)に示す方向d8へ移動させる場合には、粘性流体に対する抵抗が小さいため比較的速く移動するが、図12(B)及び図12(C)に示す方向d8の逆方向に移動させる場合には、粘性流体に対する抵抗が大きいため、方向d8の場合よりも遅く移動することになる。したがって、図12(A)における風W8が微小時間だけ弱まっても、コイルバネ35が即座に元の方向に戻ることがないため、第2遮風部30bの動きを円滑にすることができる。
【0115】
上記した第3実施形態の防風装置103において、鉄道車両(図示せず)は、防風対象物に相当している。また、支柱32a及び32bは、支持手段に相当している。また、第1遮風部30a及び第2遮風部30bは、遮風手段に相当している。また、駆動力発生部33は、駆動力発生手段に相当している。また、受風板33aは、受風手段にも相当している。また、駆動部34は、駆動手段に相当している。また、方向d8は第1方向に相当し、方向d8の逆方向は第2方向に相当している。また、回転軸33bの回転モーメントは、回転駆動力に相当している。また、コイルバネ35は、付勢手段に相当している。また、第2遮風部30bの方向d8への直線的移動量は、遮風手段の移動量に相当している。また、動作緩和器36は、減速手段に相当している。
【0116】
(4)第4実施形態
本発明は、さらに他の構成によっても実現可能である。次に、本発明の第4実施形態について説明する。図13は、本発明の第4実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。
【0117】
図13に示すように、この防風装置104は、第3実施形態の防風装置103において、ピニオンギヤ34aのかわりに間欠ピニオンギヤ44を配置した点が異なっている。図13に示すように、間欠ピニオンギヤ44は、平歯車の一部の歯を除去して欠歯部44aを構成したものである。
【0118】
次に、図13(A)〜図13(C)を参照しつつ、第4実施形態の防風装置104の作用について説明する。
【0119】
上記した第3実施形態の防風装置103と同様に、風W8(図12(A)参照)が受風板33a(図12(A)参照)に当り、風力が初期バネ力を上回ると、図13(A)に示すように、回転軸33bがd9´の方向に回転移動する。しかし、風W8の風速が低く所定の駆動限界風速値未満の場合には、図13(A)に示す状態となっており、間欠ピニオンギヤ44の欠歯部44aがラック部材34bの歯と対向しているため、両者の歯の噛み合いは起こらず、回転軸33bの回転駆動力は、ラック部材34bには伝達されない。
【0120】
次に、風W8の風速が所定の駆動限界風速値以上となった場合には、図13(B)に示す状態から図13(C)に示す状態となり、間欠ピニオンギヤ44の歯44b、44c等がラック部材34bの歯と噛み合いを開始する。このため、回転軸33bのd9´方向への回転駆動力により、ラック部材34bがd8´の方向にスライド移動(直線的移動)する。
【0121】
したがって、上記の駆動限界風速値として、鉄道や道路等の運行規制風速値(例えば、風速値=25〜30m/s)を採用すれば、風速が鉄道等の運行規制風速値以上となった場合にのみ、第2遮風部30b(図11参照)をd8の方向にスライド移動させ、支柱32a及び32bに作用する風荷重を低減させるように構成することができる。
【0122】
上記した第4実施形態の防風装置104において、間欠ピニオンギヤ44は、移動制御手段に相当している。
【0123】
(5)第5実施形態
本発明は、さらに他の構成によっても実現可能である。次に、本発明の第5実施形態について説明する。図14は、本発明の第5実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。
【0124】
図14に示すように、この防風装置105は、第3実施形態の防風装置103において、第1遮風部30aのかわりに第1遮風部50aを配置し、かつ第2遮風部30bのかわりに第2遮風部50bを配置した点が異なっている。
【0125】
図14に示すように、第1遮風部50aは、第1開口51aを有し、第2遮風部50bは、第2開口51bを有している。また、第1開口51aと第2開口51bの間には、距離差δが設定されている。すなわち、方向d10に対し、ある第1開口51aの後方となる第2開口51bと、前方の第1開口51aとの間には、距離差δが配されている。一方、方向d10に対し、ある第1開口51aの前方となる第2開口51bと、後方の第1開口51aとの間には、距離差はない。
【0126】
また、第5実施形態の防風装置105は、上記した第3実施形態の場合と同様な構成と作用を持つ支柱32a及び32bと、駆動力発生手段33と、駆動手段34を有している。
【0127】
次に、図14(A)〜(E)を参照しつつ、上記した第5実施形態の防風装置105の作用について説明する。風が吹いていない場合は、図14(A)に示す状態となっており、風W9は第1遮風部50a及び第2遮風部50bにより遮断される。
【0128】
次に、第3実施形態103の場合と同様に、風W8(図示せず。図12(A)参照。)が受風板33a(図示せず。図12(A)参照。)に当り、風力が初期バネ力を上回ると、回転軸33b(図示せず。図12(A)参照。)がd9(図示せず。図12(A)参照。)の方向に回転移動し、ピニオンギヤ34a(図示せず。図12(A)参照。)が同方向に回転し、ピニオンギヤ34aと噛み合っているラック部材34b(図示せず。図12(A)参照。)がd8(図示せず。図12(A)参照。)の方向にスライド移動(直線的移動)する。
【0129】
また、ラック部材34bのスライド移動は、駆動ロッド34cによって第2遮風部50bに伝達される。これにより、第2遮風部50bは、図11(B)に示す方向d8″にスライド移動する。しかし、図14(B)及び図14(C)に示すように、風の風速が所定の駆動限界風速値未満の場合には、第1開口51aと第2開口50bとの間に設定された距離差δのため、第1開口51aと第2開口51bの重複は発生せず、風W9は第1遮風部50a及び第2遮風部50bにより遮断される。
【0130】
しかし、受風板33aに当る風の風速が所定の駆動限界風速値より大きくなると、回転軸33bの回転角度がある値より大きくなるため、駆動ロッド34cの移動量がある値よりも大きくなり、図14(D)に示すように、第2遮風部50bの移動量が距離差δを上回るため、第1開口51aと第2開口51bの重複が始まるようになり、風は、W10のように吹き抜けられるようになる。
【0131】
受風板33aに当る風の風速がさらに大きくなり、回転軸33bの回転角度がさらに大きくなると、第2遮風部50bの方向d8″への移動量も増大し、図14(E)に示すように、第1開口51aと第2開口51bは完全に重複し、風W11が吹きぬけるようになる。
【0132】
その後、風がやむと、コイルバネ35(図示せず。図12(A)参照。)の作用により、第2遮風部50bは、d8″の逆方向に直線的に移動して戻り、図14(A)の状態となって停止する。
【0133】
上記のような構成により、第5実施形態の防風装置105は、第1実施形態の場合と同様に、風の風速が高い場合には第2遮風部50bの移動量を増大させることにより支柱に作用する風荷重を低減させるとともに、風の風速が低い場合には第2遮風部50bの移動量を低減させることにより第1遮風部50a及び第2遮風部50bの遮風性能を増加させることができる、という利点を有している。
【0134】
上記した第3〜5実施形態の防風装置103〜105は、基本的な構成を同一とし、一部を変化させた実施形態を構成することが可能である。
【0135】
例えば、図15に示す第6実施形態の防風装置106のように、第1遮風部60aと、第2遮風部60bと、支柱62a及び62bと、駆動力発生部63と、駆動軸64と、渦巻バネ65と、動作緩和器66を設けて構成してもよい。
【0136】
図15(A)及び(B)に示すように、上記した第1遮風部60aは、円板状に形成され、同心円の円周に沿って配置される第1開口61aを有し、支柱62a及び62bに固定されている。また、第2遮風部60bは、円板状に形成され、同心円の円周に沿って配置される第2開口(図示せず)を有している。第2開口は、第1開口61aと重複可能な形状、寸法を有している。第1遮風部60a及び第2遮風部60bの材料は、遮風板11の場合と同様である。
【0137】
支柱62a及び62bは、柱状に形成され、高架橋300の床版部301の側端部301aに、線路進行方向に沿って、所定の間隔で立設されている。支柱62a及び62bの材料は、支柱12の場合と同様である。
【0138】
また、支柱62a、62bは図示しないストッパーを有しており、ストッパーは、第2遮風部60bの背後を支持している。また、第2遮風部60bの中心には、駆動軸64が取り付けられており、第2遮風部60bは、固定された第1遮風部60aに対し、駆動軸64の中心の周りに回転移動可能な状態で取り付けられている。
【0139】
また、図15(C)に示すように、駆動力発生部63は、プロペラ63aと回転軸63bを有している。回転軸63bは、円柱状に形成され、中心線の周りに回転可能な状態で支持されている。また、回転軸63bには、その先端部にプロペラ63aが取り付けられ、その後端部に動作緩和器66を介して駆動軸64が取り付けられている。また、駆動軸64には、渦巻バネ65の一端が取り付けられており、渦巻バネ65の他端は、固定部63cに取り付けられている。渦巻バネ65の材料、構成、及び作用は、渦巻バネ15Aの場合と同様である。また、動作緩和器66の構成及び作用は、動作緩和器16の場合と同様である。
【0140】
上記のような構成により、第6実施形態の防風装置106は、第1実施形態の場合と同様に、風W12の風速が高い場合には第2遮風部60bの移動量を増大させることにより支柱62a及び62bに作用する風荷重を低減させるとともに、風W12の風速が低い場合には第2遮風部60bの移動量を低減させることにより第1遮風部60a及び第2遮風部60bの遮風性能を確保することができる、という利点を有している。
【0141】
上記した第6実施形態の防風装置106において、鉄道車両(図示せず)は、防風対象物に相当している。また、支柱62a及び62bは、支持手段に相当している。また、第1遮風部60a及び第2遮風部60bは、遮風手段に相当している。また、駆動力発生部63は、駆動力発生手段に相当している。また、プロペラ63aは、受風手段にも相当している。また、駆動軸64は、駆動手段に相当している。また、回転軸63bの回転モーメントは、回転駆動力に相当している。また、渦巻バネ65は、付勢手段に相当している。また、第2遮風部60bの回転移動量は、遮風手段の移動量に相当している。また、動作緩和器66は、減速手段に相当している。
【0142】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0143】
例えば、上記各実施形態においては、防風対象物として鉄道車両400を例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の防風対象物、例えば、新交通システム車両、自動車道路における4輪又は2輪の自動車、その他の交通機関の車両、スキーリフト、あるいはロープウェイ等でもよい。要は、防風対象物は、ある駆動限界値(通行規制値)以上の風速の場合に、その運行等が停止されるようなものであれば、どのようなものであってもよいのである。
【0144】
また、上記した第1、2実施形態においては、回転軸13、23a等は、遮風板11、21a等に固定され、支柱12、22の側に回転軸孔12aが設けられる例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成、例えば、上記とは逆に、回転軸13等は支柱12等に固定され、遮風板11の側に回転軸孔が形成されるように構成してもよい。
【0145】
また、上記した第3実施形態においては、駆動力発生部33を駆動力発生手段とし、駆動部34を駆動手段とする例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成、例えば、駆動力発生部33と駆動部34(駆動ロッド34cを除く)を合体した機構を駆動力発生手段とし、駆動ロッド34cを駆動手段とするように構成してもよい。このように構成する場合には、風圧によって駆動力発生手段が発生する駆動力は、直線的駆動力となる。
【0146】
また、駆動力発生手段としては、上記した機構のほか、水平型又は鉛直型等の各種の風車、鉛直方向に展開される板状部材に吹き付ける風から板状部材が受ける略水平方向の力をピストン等により取り出す形式の機構などが採用可能である。
【0147】
また、支持手段としては、柱状部材のほか、壁状部材、梁状部材、骨組状部材等が採用可能である。
【0148】
また、駆動手段は、上記した第3実施形態における駆動部34、第6実施形態における駆動軸64の構成には限定されない。本発明における駆動手段は、回転駆動力を直線的駆動力に変換し、又は直線的駆動力を回転駆動力に変換し、又は駆動力発生手段の発生した駆動力の方向を異なる方向へ変換し、又は前記の変換を適宜組み合わせることにより遮風手段を駆動するような機構であれば、どのようなものであってもよく、公知の機構、例えば、歯車機構、リンク機構、カム機構、巻き掛け伝動機構、及びこれらを組み合わせたもの等が含まれる。
【0149】
また、付勢手段としては、引張りバネとして用いるコイルバネ、渦巻バネのほか、圧縮バネとして用いるコイルバネ、板バネ、皿バネ、竹の子状バネ等が採用可能である。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、支持手段に対し移動可能に取り付けられて風を遮る遮風手段と、駆動力により遮風手段を移動させる駆動手段と、弾性力を利用して遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を備えて防風装置を構成したので、風の風速が高い場合には遮風手段の移動量を増大させることにより支持手段に作用する風荷重を低減させることができ、風の風速が低い場合には遮風手段の移動量を低減させることにより遮風手段の遮風性能を増加させることができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態である防風装置の全体構成を示す図である。
【図3】図2に示す防風装置のさらに詳細な構成を示す斜視図である。
【図4】図2に示す防風装置の作用を説明する図である。
【図5】抗力及び抗力係数を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施形態の防風装置における風速と抗力係数及び抗力の関係を説明する図である。
【図7】本発明の第1実施形態の防風装置の変化例の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。
【図9】図8に示す防風装置のさらに詳細な構成を示す第1の部分拡大図である。
【図10】図8に示す防風装置のさらに詳細な構成を示す第2の部部拡大図である。
【図11】本発明の第3実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。
【図12】図11の防風装置における駆動力発生部及び駆動部の構成及び作用を示す図である。
【図13】本発明の第4実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。
【図14】本発明の第5実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。
【図15】本発明の第6実施形態である防風装置の構成及び作用を示す図である。
【図16】従来の防風柵の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 駆動力発生手段
2 駆動手段
3 遮風手段
4 支持手段
5 付勢手段
11 遮風板
11a バネ取付箇所
12 支柱
12a 回転軸孔
12b ストッパー
12c バネ支持突起
12d バネ支持突起
13 回転軸
13a 回転軸の中心
14 回転ヒンジ
15 コイルバネ
15A 渦巻バネ
16 動作緩和器
16a 容器
16b 回転軸
16c 羽根
21a〜21c 遮風板
22 支柱
22a1、22a2 回転軸孔
22a3、22a4 スライド溝
23a、23b 固定回転軸
23c、23d スライド回転軸
24a、24b 回転ヒンジ
25 コイルバネ
26a、26b バネ支持突起
30a 第1遮風部
30b 第2遮風部
31a 第1開口
31b 第2開口
32a、32b 支柱
32c3、32d ストッパー
33 駆動力発生部
33a 受風板
33b 回転軸
34 駆動部
34a ピニオンギヤ
34b ラック部材
34c 駆動ロッド
34d 支持部材
34e コロ
34f ストッパー
34g バネ取付部
35 コイルバネ
36 動作緩和器
36a 容器
36b ピストン
36c ロッド
44 間欠ピニオンギヤ
44a 欠歯部
44b、44c 歯
50a 第1遮風部
50b 第2遮風部
51a 第1開口
51b 第2開口
60a 第1遮風部
60b 第2遮風部
61a 第1開口
62a、62b 支柱
63 駆動力発生部
63a プロペラ
63b 回転軸
63c 固定部
64 駆動軸
65 渦巻バネ
66 動作緩和器
100〜106 防風装置
200 防風柵
300 高架橋
301 床版部
301a 側端部
302 軌道スラブ
303 レール
400 鉄道車両
A 空気の流れ
a1 風の方向を示す線
a2 遮風板の中心線
C1 揚力係数を示すグラフの曲線
C2 抗力係数を示すグラフの曲線
C3 従来の防風柵の抗力を示すグラフの曲線
C4 第1実施形態の防風装置の抗力を示すグラフの曲線
D 抗力
d1〜d7 回転移動方向
d8、d8´、d8″ 直線移動方向
d9、d9´ 回転移動方向
F1 駆動力
F2 弾性力
F2A 弾性力
F3 合力
F 合力
G 重心点
L 揚力
M 曲げモーメント
P 板
p1、p2 圧力
T 防風対象物
U1 移動開始風速値
U2 風速値
Ua 運行規制風速値
W、W1〜W13 風
α1〜α3 遮風板の回転角
δ 距離差
θ 迎え角
Claims (10)
- 防風対象物の近傍に設置され前記防風対象物を風から防護する防風装置であって、
前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、
板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、
前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、
弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を備え、
前記遮風手段は前記駆動力発生手段を兼ね、
前記遮風手段は互いに回転可能に接続された第1遮風板及び第2遮風板を有し、
前記第1遮風板は前記支持手段に対して回転移動可能であり、
前記第2遮風板は前記第1遮風板と連動して前記支持手段に対して前記第1遮風板とは逆方向へ回転移動可能であると共に前記支持手段に対して直線移動可能であり、
前記風の風速が高い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を増大させることにより前記支持手段に作用する風荷重を低減させるとともに、前記風の風速が低い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を低減させることにより前記遮風手段の遮風性能を増加させる
ことを特徴とする防風装置。 - 防風対象物の近傍に設置され前記防風対象物を風から防護する防風装置であって、
前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、
板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、
前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、
弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を備え、
前記遮風手段は、第1開口を有すると共に前記支持手段に固定される第1遮風部と、前記第1開口と重複可能な第2開口を有すると共に前記第1遮風部に対して移動可能な構成で取り付けられる第2遮風部を有し、
前記風の風速が高い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を増大させることにより前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を増大させて前記支持手段に作用する風荷重を低減させるとともに、前記風の風速が低い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を低減させることにより前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を低減させて前記遮風手段の遮風性能を増加させる
ことを特徴とする防風装置。 - 請求項1又は請求項2記載の防風装置において、前記駆動力発生手段は、受風手段によって受けた風圧により回転駆動力又は直線的駆動力を発生することを特徴とする防風装置。
- 請求項2記載の防風装置において、前記駆動手段は、回転駆動力を直線的駆動力に変換し、又は直線的駆動力を回転駆動力に変換し、又は前記駆動力発生手段の発生した駆動力の方向を異なる方向へ変換し、又は前記の変換を適宜組み合わせることにより前記遮風手段を駆動することを特徴とする防風装置。
- 請求項1記載の防風装置において、前記付勢手段は弾性力を利用して第1遮風板及び第2遮風板を元の状態へ付勢することを特徴とする防風装置。
- 請求項2記載の防風装置において、前記駆動手段は、前記風の風速が所定の駆動限界風速値未満の場合には前記遮風手段を移動させず、前記風の風速が所定の駆動限界風速値以上の場合に前記遮風手段を移動させる移動制御手段を備えることを特徴とする防風装置。
- 請求項2記載の防風装置において、前記第1開口の位置と前記第2開口の位置の間には、前記風の風速が所定の駆動限界風速値未満の場合には前記第1開口と前記第2開口の重複が発生せず、前記風の風速が所定の駆動限界風速値以上の場合に前記第1開口と前記第2開口の重複が開始されるような距離差が設定されることを特徴とする防風装置。
- 請求項1又は請求項2記載の防風装置において、前記遮風手段が元の状態へ移動する場合に前記遮風手段の移動速度を低減させる減速手段を備えることを特徴とする防風装置。
- 防風対象物を風から防護する防風方法であって、前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を設け、
前記遮風手段は前記駆動力発生手段を兼ね、
前記遮風手段は互いに回転移動可能に接続された第1遮風板及び第2遮風板を有し、
前記支持手段に対して前記第1遮風板を回転移動させながら、前記第1遮風板と連動して前記支持手段に対して前記第2遮風板を前記第1遮風板とは逆方向へ回転移動させると共に前記支持手段に対して前記第2遮風板を直線移動させ、
前記風の風速が高い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を増大させることにより前記支持手段に作用する風荷重を低減させるとともに、前記風の風速が低い場合には前記第1遮風板および第2遮風板の回転移動量を低減させることにより前記遮風手段の遮風性能を増加させる
ことを特徴とする防風方法。 - 防風対象物を風から防護する防風方法であって、前記風を受け前記風の圧力を利用して駆動力を発生する駆動力発生手段と、板状に構成されるとともに、前記防風対象物の近傍に設置される支持手段に対し移動可能に取り付けられて前記風を遮る遮風手段と、前記駆動力により前記遮風手段を移動させる駆動手段と、弾性力を利用して前記遮風手段を元の状態へ付勢する付勢手段を設け、
前記遮風手段は、第1開口を有し前記支持手段に固定される第1遮風部と、前記第1開口と重複可能な第2開口を有し前記第1遮風部に対して移動可能な構成で取り付けられる第2遮風部を有し、
前記第1遮風部に対して前記第2遮風部を移動させ、
前記風の風速が高い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を増大させることにより、前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を増大させて前記支持手段に作用する風荷重を低減させ、
前記風の風速が低い場合には前記第1遮風部に対する前記第2遮風部の移動量を低減させることにより、前記第1開口及び前記第2開口の重複する範囲を低減させて前記遮風手段の遮風性能を増加させる
ことを特徴とする防風方法。
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