本発明は有機膜、或いは無機膜等の薄膜の除去装置またはクリーニング装置に関し、特に角型のガラス基板の端面周辺部の除去装置またはクリーニング装置に関する。また、この装置を用いたトランジスタ、液晶パネル、並びに発光パネルの製造方法、および製造装置に関する。
フォトレジスト等の有機薄膜やシロキサンを含む無機薄膜を塗布法により形成した場合、スピナーで塗布しているため、膜厚に同心円状のむら(図6(A)に斜視図を示す)ができ、角型基板1000の4隅に盛り上がりができる。この盛り上がりは雰囲気制御の塗布カップを利用したスピナーでも発生する。また、図6(B)に断面図を示すように、スピナーでは基板の端面、および裏面の周縁部にも膜が形成される。
例えば、レジストを用いた場合、従来では、特許文献1に示す装置を用い、基板端面に重なる上下のノズルでリンス(シンナー等)を出し、基板周縁部のレジスト膜を除去している。その後、ベークおよび周辺露光を行っている。しかし、リンスによっても図6(C)に示すような盛り上がりが角型基板に残ってしまう。また、盛り上がりが残ってしまうため、周辺露光を行う時間も長くなってしまう。加えて、エッチング後にレジストを除去する際、盛り上がっている部分を除去するためにO2アッシングの時間が余計に必要とされてしまう。O2アッシングでは処理室内を真空とする手間がかかる。なお、O2アッシング後の基板断面図を図6(D)に示す。
また、パッド部周辺のレジストなどを除去するために特許文献2に示す装置を用い、大気圧近傍のプラズマで除去している。
また、特許文献3では、大気圧下で基板にプラズマガンでプラズマを照射してレジストを分解している。
特開2001−244169
特開2002−368389
特開2000−150475
基板の端面は、研磨されている表面に比べてレジストなどが形成されやすく、除去しにくい。また、リンスを行った場合、除去効率が低く大量のリンス及び処理時間が必要とされ、さらに基板端面にシンナー残りが発生するという問題が起こりやすく、次工程への悪影響の恐れがある。
また、膜の材料によっては、ベーク前に専用のある有機溶剤を使えば除去できるものがあるが、すべての材料に対応しているわけではない。
基板周縁部や端面の付着物を除去しない場合、搬送時または基板を保持する部材、例えばクランプによって付着物が剥がれてゴミが発生する恐れがある。
本発明は、角型基板周縁部および角型基板端面において形成されてしまう余分な膜や付着物を短時間に除去することを課題とする。
また、インクジェットなどの液滴吐出法を用いて配線を形成した場合、誤って基板周縁部に形成されてしまった付着物を短時間に除去することも課題とする。
本発明では、大気圧下で形成されたプラズマを基板上下(2方向)から吹き付けて基板周縁部の膜除去を行い、さらにバキュームを基板端面側から行う。また、基板端面の膜を除去するため、基板上下に加え、さらにもう一つのノズルを設けた3方向からプラズマを吹き付けてもよい。
特許文献2、および特許文献3に示す装置を用いた従来の大気圧下のプラズマによる膜除去では、除去後の膜片が飛び散って拡散し、雰囲気中に浮遊、或いは画素部などに付着する恐れがある。また、特許文献2、および特許文献3に示す装置を用いた従来の大気圧下のプラズマでは、裏面側の膜が除去できない。
また、インクジェットなどの液滴吐出法での材料層は、ウェットエッチングで行う場合、それぞれ溶媒が異なる可能性があるため、材料ごとにエッチャントを代える必要がある。また、ウェットエッチングは除去効率が低く、大量の溶媒及び処理時間が必要とされる。
プラズマであればほとんど材料に関係なく、必要のない箇所に形成された膜を短時間に除去できる。さらに膜の材料に合わせてプラズマガスを適宜、変えることも可能である。
本明細書で開示する発明の構成は、
大気圧が保たれた処理室内に、被処理膜が成膜された基板を保持する手段と、プラズマを反応容器の吹き出し口から吹き出すプラズマ発生手段と、排気手段とを備え、
基板の周縁部または端面に対して、プラズマを反応容器の吹き出し口から吹き出して前記基板の周縁部の膜、または端面の膜を除去しながら、基板近傍の雰囲気を排気手段により吸引することを特徴とする膜除去装置である。
また、上記各構成において、前記プラズマ発生手段、前記排気手段、または前記ブローノズルは、基板と相対的に移動することを特徴としている。少なくとも前記プラズマ発生手段は、基板の一辺に沿って相対的に移動することを特徴としている。
また、上記構成において、前記反応容器は、基板面に対して斜めにプラズマを吹きつける形状(一部折れ曲がった形状)であることを特徴としている。
また、他の発明の構成は、
大気圧が保たれた処理室内に、被処理膜が成膜された基板を保持する手段と、プラズマを第1の反応容器の吹き出し口から吹き出す第1のプラズマ発生手段と、プラズマを第2の反応容器の吹き出し口から吹き出す第2のプラズマ発生手段と、排気手段とを備え、
基板の表面周縁部または端面に対して、プラズマを第1の反応容器の吹き出し口から吹き出して前記基板の表面周縁部の膜を除去し、且つ、基板の裏面周縁部または端面に対して、プラズマを第2の反応容器の吹き出し口から吹き出して前記基板の裏面周縁部の膜を除去しながら、基板近傍の雰囲気を排気手段により吸引することを特徴とする膜除去装置である。
また、上記各構成において、前記第1のプラズマ発生手段と前記第2のプラズマ発生手段は、基板の一辺を挟んで設けられていることを特徴としている。
また、上記各構成において、キャリアガスを吹き出すブローノズルを有し、ブローノズルと排気手段の間にプラズマが吹き出されることを特徴としている。プラズマ照射により飛び散るパーティクルまたは気体をブローノズルからのキャリアガスによって基板中心部から基板端面の方向に吹き飛ばすことで、基板への再付着を防いでいる。
また、上記各構成において、前記キャリアガスは、He、Ar、Xe、Kr、或いはOから選ばれるガスであることを特徴としている。また、前記キャリアガスとプラズマガスとを同一としてもよい。また、処理室は不活性雰囲気とすることが好ましく、キャリアガスと同一ガスで充填しておくことが好ましい。
また、上記各構成において、前記プラズマは、He、Ar、Xe、Kr、或いはOから選ばれるガスプラズマであることを特徴としている。有機樹脂膜を除去する場合には、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe等)、酸素、窒素、水素またはそれらを組み合わせた混合ガスを用いればよい。他にも金属膜を除去する場合には、塩素系ガス(Cl2、BCl3、SiCl4、CCl4など)プラズマ、シリコンを含む半導体膜や絶縁膜は、フッ素系ガス(CF4、SF6、NF3など)を用いることが好ましい。
また、上記各構成において、被処理膜が成膜された基板を保持する手段は、基板を水平に保持する、或いは、被処理膜が成膜された基板を保持する手段は、基板を水平面に垂直、或いは斜めに保持することを特徴としている。本発明は、従来のように溶液(リンス)を用いるために基板を水平に保持する必要は特になく、大気圧でのプラズマ照射であるので、基板を水平面に垂直、或いは斜めに保持することもヘッドの位置を基板に合わせれば膜除去処理を行うことができる。特に、大型基板は自重による撓みが生じやすいため、水平面に垂直、或いは斜めに設置できる膜除去装置を提供できることは有用である。
本発明により、多大なコストをかけて有機溶剤の廃液処理を行う必要がなく、かつ、環境汚染の問題もない。また、プラズマによれば、膜を容易に分解でき、処理時間が短縮できる。また、基板端面、基板裏面の膜除去によりパーティクルの問題も解決する。
加えて、大型基板にも対応でき、本発明の装置は、半導体装置を大量生産するに適している。
本発明の実施形態について、以下に説明する。
(実施の形態1)
図1に本発明の膜除去装置の概略図を示す。
図1(A)に示す図は、ブローノズル14a、14bと、プラズマが吹き出される反応容器15a、15bと、排気口13とを備えたヘッド12の拡大断面図である。なお、図1(B)は処理室内の斜視図を示している。
なお、処理室は外部から区画形成された密閉型になっているものの、内部はあくまで大気圧状態であり、真空雰囲気にはなっていない。また、本発明においては、パーティクルなどを除去するため排気を行うが、不活性ガスまたは空気を導入して一定の圧力、好ましくは大気圧近傍の圧力を保つように圧力調整をしてもよい。処理室内の圧力が変動すると、プラズマ強度やプラズマ照射の位置がバラツク恐れがある。処理室内における大気圧又は大気圧近傍の圧力は、1.30×101〜1.31×105Paとすれば良い。
基板の一辺を挟むように設けられた複数のプラズマ発生手段により、基板の表面周縁部と裏面周縁部とに形成されている被処理膜を短時間に除去することができる。また、プラズマ照射により飛び散るパーティクルまたは気体をブローノズルからのガスによって基板中心部から基板端面の方向に吹き飛ばすことで、基板への再付着を防いでいる。また、再付着を防ぐため短時間に排気させることが好ましく、ガス流量を同じ、もしくは反応容器のガス流量よりもブローノズルのガス流量が多くなるようにすることが望ましい。また、確実にプラズマ照射するため、反応容器15の吹き出し口は、ブローノズル14よりも基板に近い位置に設けられている。
また、除去されずに残った膜の端部は、ブローノズルからのガスによってテーパー状となる。
ここで、処理室に搬入する基板10上には被処理膜11が形成されている。被処理膜としてはスピナーで成膜されたレジストなどの有機樹脂膜やSOGなどの無機絶縁膜、蒸着法により成膜された有機化合物を含む膜、LPCVD法によって基板の両面に形成された半導体膜や無機絶縁膜などが挙げられる。
本発明の膜除去装置は、不要な箇所、例えば基板周縁部、端面、および裏面に形成された膜を短時間に除去するものである。また、本発明の膜除去装置は、液滴吐出法(代表的にはインクジェット、ディスペンサなど)で誤って不要な箇所に滴下されたものも除去可能である。また、本発明の膜除去装置は、被処理膜の除去以外にも、端子電極表面の洗浄や、接着部分となる箇所の表面改質などを行うことも可能である。
反応容器15a、15bの上面は反応ガス導入口、下面は吹き出し口となっている。反応容器の吹き出し口は、円形でも矩形でもよい。例えば、反応容器を扁平形状の角筒管とし、その反応容器の吹き出し口は、基板の一辺よりも長い辺を有する矩形としてもよい。反応容器は石英、アルミナ、セラミック材料などの絶縁材料で構成されている。図1では、反応容器15a、15bにおいて、吹き出し口から吹き出すガスが基板に沿うように流れやすくするため、一部折れ曲がっている。このように、方向づけのために反応容器15a、15bの形状を変更することは有用である。
また、反応容器の外周面にはプラズマを生成するための電極17a、17b、18a、18bが設けられている。また、電極電極17a、17b、18a、18bは冷却機構により冷却することが好ましい。
吹き出し口の上方において、電極17a、18aは上下に対向して配置され、それらの間に放電空間が形成される。この放電空間に形成される電気力線は、反応容器の内周面に沿って上下方向(電極17a、18aが並ぶ方向)に形成される。なお、電極17aと電極18aの間隔は2〜20mmとして、適宜設定すればよい。
ガス導入口から反応容器内にプラズマ生成用の反応ガスを供給するとともに電極間に電圧(高周波電圧または交流電圧)を印加することにより反応容器内に放電を生じさせて形成されたプラズマ19a、19bを吹き出し口から基板周縁部に向けて吹き出す。照射された部分の膜とプラズマが化学反応して分解される。分解生成物が気体となる場合もあれば、パーティクルとなる場合もある。電源16a、16bとして直流電源を用いる場合には、放電を安定化するために間欠的に電力を供給するものが好ましく、その周波数が50Hz〜100kHz、パルス持続時間が1〜1000μsecとすることが好ましい。
プラズマ生成用の反応ガスとしては、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe等)、酸素、窒素、水素またはそれらを組み合わせた混合ガスを用いればよい。シリコンなどの半導体膜を除去する目的においては、四フッ化炭素(CF4)、三フッ化窒素(NF3)、六フッ化硫黄(SF6)、その他のフッ化物気体と、酸素(O2)などを適宜組み合わせて使用すれば良い。また、放電を安定的に持続させるために、これらのフッ化物気体を、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスで希釈して用いても良い。ガス流量は、反応容器の吹き出し口における開口面積や除去しようとする膜の膜厚、材料によって適宜設定すればよい。
また、ガス種を切り替えることで、2段階のプラズマ処理を連続して行ってもよい。
ブローノズル14a、14bは、プラズマにより除去された分解物(膜片または気体)を排気口方向に吹き飛ばし、排気するために設けられている。ブローノズルから吹き出されるガスとしては希ガス(Ar、Heなど)、酸素、窒素、または空気などを用いる。また、反応容器の吹き出し口よりもプラズマ照射領域は広がるが、ブローノズルからのガス気流により、基板中心部への広がりを抑えることができる。また、ブローノズルからのガス気流により、基板の端面に廻り込ませてプラズマが照射されるようにしている。
また、処理室に基板加熱手段を設けてもよい。
また、図1(B)では処理室内に4つのヘッド12を設け、基板の4辺それぞれに対してヘッドが移動する例を示したが特に限定されない。例えば、基板を保持するステージ(図示しない)は、基板をノズルに対して相対的に移動させる機構を持たせてもよい。
また、基板を保持するステージに代えて搬送ロボットを用いてもよい。処理室の搬送ロボットを用いる場合、搬送室にヘッド12を設けることができる。基板の搬送路に沿って2つのヘッドを平行に対向して固定し、2つのヘッドの間隔(基板1枚分の間隔)に基板をロボット搬送することで基板の2辺を処理する。搬送室を通過させることで2辺を処理することができる。この場合、残りの2辺を処理するために、基板を90°回転させて同様に2つのヘッドが設けられた第2の搬送室に搬送する。もしくは、2辺を処理した後、基板を90°回転させて再度同じ搬送室内で残りの2辺を処理してもよい。
また、本発明は、従来のように溶液(リンス)を用いるために基板を水平に保持する必要はなく、大気圧でのプラズマ照射であるので、基板を水平面に垂直、或いは斜めに設置していてもヘッドの位置を基板に合わせれば膜除去処理を行うことができる。特に、大型基板は自重による撓みが生じやすいため、水平面に垂直、或いは斜めに設置できる膜除去装置を提供することは有用である。
本発明は、大気圧でのプラズマ照射であるので、溶液(リンス)を用いるよりも短時間で処理を行うことができる。また、本発明は、リンスを行わないため、廃液処理を行う必要がなく、さらに処理後の液残りや、盛り上がりも生じることなく、基板周縁部の膜を短時間に除去することができる。
また、本発明は、大気圧でのプラズマ照射であるので、O2アッシング処理のように処理室内を真空引きする手間は必要なく、大型基板を用いた大量生産に適している。また、真空引きする手間は必要なく、本発明のヘッドを搬送室に設置することもできる。
(実施の形態2)
ここでは、図1とは異なる膜除去装置の一例を図2に示す。また、簡略化のため、図1に示す装置と異なっている部分を重点的に説明する。なお、図2において図1と同一の部分には同じ符号を用いる。
図2(A)に示す図は、ブローノズル314a、314bと、プラズマが吹き出される反応容器315と、排気口313とを備えたヘッド312の拡大断面図である。なお、図2(B)は上面からみた模式図を示している。
なお、処理室は外部から区画形成された密閉型になっているものの、内部はあくまで大気圧状態であり、真空雰囲気にはなっていない。処理室内における大気圧又は大気圧近傍の圧力は、1.30×101〜1.31×105Paとすれば良い。
図2に示す膜除去装置は、反応容器315が共通となっており、一つの反応容器315に2つのプラズマ発生手段が設けられ、2つの方向から同じガス流量の反応ガスが導入されている。なお、反応容器315には、基板の端部を差し込む開口部と、排気を行う開口部とが設けられており、この二つの開口部が吹き出し口となっている。
また、図2(B)に示すように、ブローノズル314aは、反応容器315よりも幅の大きなものを用いており、反応容器の外側を回り込むガスの流れと、反応容器を通過するガスの流れとを形成することによって排気口313に効率よく排気を行って、基板への再付着を防いでいる。また、効率よく排気させるため、反応容器のガス流量よりもブローノズルのガス流量が多くなるようにすることが好ましい。また、確実にプラズマ照射するため、反応容器315の吹き出し口は、ブローノズル314aよりも基板に近い位置に設けられている。また、ヘッド312の形状もプラズマにより除去された分解物(膜片または気体)を排気口方向に吹き飛ばし、排気するのに効果的である。
図2に示す膜除去装置は、基板10の端面に形成された膜を短時間に除去することができる。
また、基板を保持するステージ(図示しない)は、基板をノズルに対して相対的に移動させる機構を持たせてもよい。また、基板をステージで固定し、ヘッドを移動させる機構としてもよい。また、基板加熱手段を設けてもよい。
また、本発明は、従来のように溶液(リンス)を用いるために基板を水平に保持する必要はなく、大気圧でのプラズマ照射であるので、基板を水平面に垂直、或いは斜めに設置していてもヘッドの位置を基板に合わせれば膜除去処理を行うことができる。特に、大型基板は自重による撓みが生じやすいため、水平面に垂直、或いは斜めに設置できる膜除去装置を提供することは有用である。
また、本発明は、大気圧でのプラズマ照射であるので、O2アッシング処理のように処理室内を真空引きする手間は必要なく、大型基板を用いた大量生産に適している。
また、本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
本実施例では、スピナーで塗布した後、基板周縁部のレジスト膜を除去する例を示す。
フォトレジストをスピナーで塗布した基板を図1に示す装置が設置された処理室に搬入する。スピナー処理室と図1に示す装置が設置された処理室とを連結させた製造装置としてもよい。
スピナーで塗布した場合、レジスト膜は、基板表面全体、基板の端面、および裏面周縁部に形成される。また、同心円状の膜厚ムラも残っている。
基板周縁部のレジスト膜を除去するため、基板の一辺を挟むように設けられた複数のノズル15a、15bにより、基板周縁部に対してプラズマ照射(O2ガスプラズマまたはArガスプラズマ)を行う。プラズマ照射により飛び散るパーティクルまたは気体をブローノズルからのガスによって、基板中心部から基板端面の方向に吹き飛ばすことで、基板への再付着を防いでいる。複数のノズルが設けられたヘッドは4つあり、基板の各一辺に沿って移動させることによって、基板周縁部のレジスト膜を除去する。
図1に示す装置によって、基板周縁部だけでなく、基板端面や基板の裏面に付着しているレジストを除去することができる。結果的に搬送時におけるレジスト剥がれに起因するゴミの発生を抑えることができる。
また、本実施例は実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
本実施例では塗布法によって得られるアルキル基を含むSiOx膜を形成した後、基板周縁部のSiOx膜を除去する例を示す。
SiOx膜からなる絶縁膜としては、例えばシリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどを用いて形成された絶縁膜を用いることができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS-5PHが挙げられる。
まず、被処理基板の純水洗浄を行う。メガソニック洗浄を行ってもよい。次いで140℃のデハイドロベークを110秒行った後、水冷プレートによって120秒クーリングして基板温度の一定化を行う。次いで、スピン式の塗布装置に搬送して基板をセットする。
スピン式の塗布装置は、ノズルからは塗布材料液が滴下される機構となっており、塗布カップ内に基板が水平に収納され、塗布カップごと全体が回転する機構となっている。また、塗布カップ内の雰囲気は圧力制御することができる機構となっている。
次いで、濡れ性を向上させるためにシンナー(芳香族炭化水素(トルエンなど)、アルコール類、酢酸エステル類などを配合した揮発性の混合溶剤)などの有機溶剤によるプリウェット塗布を行う。シンナーを70ml滴下しながら基板をスピン(回転数100rpm)させてシンナーを遠心力で万遍なく広げた後、高速度でスピン(回転数450rpm)させてシンナーを振り切る。
次いで、シロキサン系ポリマーを溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル(分子式:CH3OCH2CH(OH)CH3))に溶解させた液状原料に用いた塗布材料液をノズル1001から滴下しながら徐々にスピン(回転数0rpm→1000rpm)させて塗布材料液を遠心力で万遍なく広げる。シロキサンの構造により、例えば、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどに分類することができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS-5PHが挙げられる。次いで、約30秒保持した後、再び徐々にスピン(回転数0rpm→1400rpm)させて塗布膜をレべリングする。
次いで、排気して塗布カップ内を減圧にし、減圧乾燥を1分以内で行う。
次いで、スピン式の塗布装置から被処理基板を搬送して、図1に示す装置が設置された処理室に搬入する。
次いで、4つのヘッドにそれぞれ設けられた複数のプラズマ発生手段によって、エッジ除去処理を行う。O2ガスプラズマまたはフッ素系ガス(CF4、SF6、NF3など)プラズマなどのプラズマ照射により飛び散るパーティクルまたは気体をブローノズルからのガスによって、基板中心部から基板端面の方向に吹き飛ばすことで、基板への再付着を防いでいる。
図1に示す装置によって、基板周縁部だけでなく、基板端面や基板の裏面に付着している塗布膜(アルキル基を含むSiOx膜)を除去することができる。
次いで、110℃のベークを170秒行ってプリベークを行う。
次いで、図1に示す装置が設置された処理室から基板を搬出して冷却した後、さらに270℃、1時間の焼成を行う。
以上の工程で基板上に平坦な絶縁膜を形成することができる。
また、本実施例は実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
本実施例では基板端面の洗浄、例えばインクジェット装置の配線形成の際、誤って基板周縁部に滴下された場合のクリーニングなどを行う例を示す。
まず、被処理基板上にインクジェット装置により配線形成を行う。この時、誤って基板周縁部に滴下された場合を想定する。後の工程または搬送時に、誤って滴下された金属パターン部分と基板保持部が接触すると、付着または剥がれによるゴミが生じてしまう恐れがある。
次いで、被処理基板を搬送して、図1に示す装置が設置された処理室に搬入する。
次いで、4つのヘッドにそれぞれ設けられた複数のプラズマ発生手段によって、エッジクリーニング処理を行う。塩素系ガス(Cl2、BCl3、SiCl4、CCl4など)プラズマやフッ素系ガス(CF4、SF6、NF3など)やO2ガスプラズマなどのプラズマ照射により飛び散るパーティクルまたは気体をブローノズルからのガスによって、基板中心部から基板端面の方向に吹き飛ばすことで、基板への再付着を防いでいる。
図1に示す装置によって、基板周縁部に付着したゴミまたは金属パターンを除去することができる。
また、本実施例は実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、液晶表示装置の作製方法に本発明を用いた例を示す。図3に液晶表示装置の断面図を示す。
最初に、透光性有する基板600を用いてアクティブマトリクス基板を作製する。基板サイズとしては、600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mm、1500mm×1800mm、1800mm×2000mm、2000mm×2100mm、2200mm×2600mm、または2600mm×3100mmのような大面積基板を用い、製造コストを削減することが好ましい。用いることのできる基板として、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いることができる。更に他の基板として、石英基板、プラスチック基板などの透光性基板を用いることもできる。
まず、スパッタ法を用いて絶縁表面を有する基板600上に導電層を基板全面に形成した後、第1のフォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングにより不要な部分を除去して配線及び電極(ゲート電極、保持容量配線、及び端子など)を形成する。なお、必要があれば、基板600上に下地絶縁膜を形成する。
このレジストマスクの形成前に、実施例1に従って、基板周縁部のレジストを除去した後、露光および現像を行えばよい。
上記の配線及び電極の材料としては、Ti、Ta、W、Mo、Cr、Ndから選ばれた元素、前記元素を成分とする合金、または前記元素を成分とする窒化物またはそれらの積層で形成する。
また、画面サイズが大画面化するとそれぞれの配線の長さが増加して、配線抵抗が高くなる問題が発生し、消費電力の増大を引き起こす。よって、配線抵抗を下げ、低消費電力を実現するために、上記の配線及び電極の材料としては、Cu、Al、Ag、Au、Cr、Fe、Ni、Ptまたはこれらの合金を用いることもできる。また、Ag、Au、Cu、またはPdなどの金属からなる超微粒子(粒径5〜10nm)を凝集させずに高濃度で分散した独立分散超微粒子分散液を用い、インクジェット法で上記の配線及び電極を形成してもよい。
次に、PCVD法によりゲート絶縁膜を全面に成膜する。ゲート絶縁膜は窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層を用い、膜厚を50〜200nmとし、好ましくは150nmの厚さで形成する。尚、ゲート絶縁膜は積層に限定されるものではなく酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化タンタル膜などの絶縁膜を用いることもできる。
次に、ゲート絶縁膜上に、50〜200nm好ましくは100〜150nmの膜厚で第1の非晶質半導体膜を、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で全面に成膜する。代表的には非晶質シリコン(a−Si)膜を100nmの膜厚で成膜する。なお、大面積基板に成膜する際、チャンバーも大型化するためチャンバー内を真空にすると処理時間がかかり、成膜ガスも大量に必要となるため、大気圧で線状のプラズマCVD装置を用いて非晶質シリコン(a−Si)膜の成膜を行ってさらなる低コスト化を図ってもよい。
次に、一導電型(n型またはp型)の不純物元素を含有する第2の非晶質半導体膜を20〜80nmの厚さで成膜する。一導電型(n型またはp型)を付与する不純物元素を含む第2の非晶質半導体膜は、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で全面に成膜する。本実施例ではリンが添加されたシリコンターゲットを用いてn型の不純物元素を含有する第2の非晶質半導体膜を成膜する。
次に、第2のフォトリソグラフィー工程によりレジストマスクを形成し、エッチングにより不要な部分を除去して島状の第1の非晶質半導体膜、および島状の第2の非晶質半導体膜を形成する。この際のエッチング方法としてウエットエッチングまたはドライエッチングを用いる。
次に、島状の第2の非晶質半導体膜を覆う導電層をスパッタ法で形成した後、第3のフォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングにより不要な部分を除去して配線及び電極(ソース配線、ドレイン電極、保持容量電極など)を形成する。上記の配線及び電極の材料としては、Al、Ti、Ta、W、Mo、Cr、Nd、Cu、Ag、Au、Cr、Fe、Ni、Ptから選ばれた元素、または前記元素を成分とする合金で形成する。また、Ag、Au、Cu、またはPdなどの金属からなる超微粒子(粒径5〜10nm)を凝集させずに高濃度で分散した独立分散超微粒子分散液を用い、インクジェット法で上記の配線及び電極を形成してもよい。インクジェット法で上記の配線及び電極を形成すれば、フォトリソグラフィー工程が不要となり、さらなる低コスト化が実現できる。
次に、第4のフォトリソグラフィー工程によりレジストマスクを形成し、エッチングにより不要な部分を除去してソース配線、ドレイン電極、容量電極を形成する。この際のエッチング方法としてウエットエッチングまたはドライエッチングを用いる。この段階でゲート絶縁膜と同一材料からなる絶縁膜を誘電体とする保持容量が形成される。そして、ソース配線、ドレイン電極をマスクとして自己整合的に第2の非晶質半導体膜の一部を除去し、さらに第1の非晶質半導体膜の一部を薄膜化する。薄膜化された領域はTFTのチャネル形成領域となる。
次に、プラズマCVD法により150nm厚の窒化シリコン膜からなる第1の保護膜と、150nm厚の酸化窒化シリコン膜から成る第1の層間絶縁膜を全面に成膜する。なお、平坦化を図るため、第1の層間絶縁膜として、シロキサン系ポリマーを用いた塗布法により得られるアルキル基を含むSiOx膜を形成してもよい。アルキル基を含むSiOx膜を形成する際に、実施例2に従って、基板周縁部のSiOx膜を除去してもよい。
この後、水素化を行い、チャネルエッチ型のTFTが作製される。
なお、本実施例ではTFT構造としてチャネルエッチ型とした例を示したが、TFT構造は特に限定されず、チャネルストッパー型のTFT、トップゲート型のTFT、或いは順スタガ型のTFTとしてもよい。
次いで、RFスパッタ法で第2の保護膜619を形成する。この第2の保護膜619は、緻密な窒化珪素膜であり、ナトリウム、リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属がTFTを汚染してしきい値電圧の変動等を効果的に防ぎ、且つ、水分や酸素に対して極めて高いブロッキング効果を有する。また、ブロッキング効果を高めるために、窒化珪素膜中における酸素及び水素含有量は10原子%以下、好ましくは1原子%以下とすることが望ましい。
次に、第5のフォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスクを形成して、その後ドライエッチング工程により、ドレイン電極や保持容量電極に達するコンタクトホールを形成する。また、同時にゲート配線と端子部を電気的に接続するためのコンタクトホール(図示しない)を端子部分に形成し、ゲート配線と端子部を電気的に接続する金属配線(図示しない)を形成してもよい。また、同時にソース配線に達するコンタクトホール(図示しない)を形成し、ソース配線から引き出すための金属配線を形成してもよい。これらの金属配線を形成した後にITO等の画素電極を形成してもよいし、ITO等の画素電極を形成した後にこれらの金属配線を形成してもよい。
次に、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明電極膜を110nmの厚さで成膜する。その後、第6のフォトリソグラフィー工程とエッチング工程を行うことにより、画素電極601を形成する。
以上、画素部においては、6回のフォトリソグラフィー工程により、ソース配線と、逆スタガ型の画素部のTFT及び保持容量と、端子部で構成されたアクティブマトリクス基板を作製することができる。
次いで、アクティブマトリクス基板上に配向膜623を形成しラビング処理を行う。なお、本実施例では配向膜623を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサ602を所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
次いで、対向基板を用意する。この対向基板には、着色層、遮光層が各画素に対応して配置されたカラーフィルタ620が設けられている。また、このカラーフィルタと遮光層とを覆う平坦化膜を設けている。次いで、平坦化膜上に透明導電膜からなる対向電極621を画素部と重なる位置に形成し、対向基板の全面に配向膜622を形成し、ラビング処理を施す。
そして、アクティブマトリクス基板の画素部を囲むようにシール材を描画した後、減圧下でシール材に囲まれた領域に液晶ディスペンサ装置で液晶を滴下する。次いで、大気にふれることなく、減圧下でアクティブマトリクス基板と対向基板とをシール材607で貼り合わせる。シール材607にはフィラー(図示しない)が混入されていて、このフィラーと柱状スペーサ602によって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。液晶を滴下する方法を用いることによって作製プロセスで使用する液晶の量を削減することができ、特に、大面積基板を用いる場合に大幅なコスト低減を実現することができる。
このようにしてアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。そして、必要があれば、アクティブマトリクス基板または対向基板を所望の形状に分断する。さらに、公知の技術を用いて偏光板603やカラーフィルタ等の光学フィルムを適宜設ける。そして、公知の技術を用いてFPCを貼りつける。
FPCを貼り付ける前にプラズマ照射による洗浄を図1に示す装置で行ってもよい。この場合、基板の一辺に配置されている端子電極の表面のみを洗浄すればよいので、複数のノズルが設けられたヘッドは一つでよい。プラズマ照射による洗浄によって、FPCの接着強度が向上する。
以上の工程によって得られた液晶モジュールに、バックライト604、導光板605を設け、カバー606で覆えば、図3にその断面図の一部を示したようなアクティブマトリクス型液晶表示装置(透過型)が完成する。なお、カバーと液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて固定する。また、透過型であるので偏光板603は、アクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付ける。
また、本実施例は透過型の例を示したが、特に限定されず、反射型や半透過型の液晶表示装置も作製することができる。反射型の液晶表示装置を得る場合は、画素電極として光反射率の高い金属膜、代表的にはアルミニウムまたは銀を主成分とする材料膜、またはそれらの積層膜等を用いればよい。
また、本実施例は実施の形態1、実施の形態2、または、実施例1乃至3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、発光装置の作製方法に本発明を用いた例を示す。
図4(A)に、画素の回路図の一形態を示し、図4(B)に、画素部に用いられるTFTの断面図を示す。201は画素へのビデオ信号の入力を制御するためのスイッチング用TFTに相当し、202は発光素子203への電流の供給を制御するための駆動用TFTに相当する。具体的には、スイッチング用TFT201を介して画素に入力されたビデオ信号の電位に従って、駆動用TFT202のドレイン電流が制御され、該ドレイン電流が発光素子203に供給される。なお204は、スイッチング用TFT201がオフのときに駆動用TFTのゲート・ソース間電圧(以下、ゲート電圧とする)を保持するための容量素子に相当し、必ずしも設ける必要はない。
図4(A)において、具体的には、スイッチング用TFT201のゲート電極が走査線Gに接続されており、ソース領域とドレイン領域の一方は信号線Sに接続され、他方は駆動用TFT202のゲートに接続されている。また駆動用TFT202のソース領域とドレイン領域は、一方が電源線Vに接続され、他方が発光素子203の画素電極205に接続されている。容量素子204が有する2つの電極は、一方が駆動用TFT202のゲート電極に接続され、他方が電源線Vに接続されている。
なお図4(A)、図4(B)では、スイッチング用TFT201が、直列に接続され、なおかつゲート電極が接続された複数のTFTが、第1の半導体膜を共有しているような構成を有する、マルチゲート構造となっている。マルチゲート構造とすることで、スイッチング用TFT201のオフ電流を低減させることができる。具体的に図4(A)、図4(B)ではスイッチング用TFT201が2つのTFTが直列に接続されたような構成を有しているが、3つ以上のTFTが直列に接続され、なおかつゲート電極が接続されたようなマルチゲート構造であっても良い。また、スイッチング用TFTは必ずしもマルチゲート構造である必要はなく、ゲート電極とチャネル形成領域が単数である通常のシングルゲート構造のTFTであっても良い。
TFT201、202は逆スタガ型(ボトムゲート型)である。TFTの活性層はアモルファス半導体、またはセミアモルファス半導体を用いる。なお、TFTの活性層をセミアモルファス半導体とすれば、画素部だけでなく駆動回路も同一基板上に作ることができ、p型よりもn型の方が、移動度が高いので駆動回路に適しているが、各TFTはn型であってもp型であってもどちらでも良い。いずれの極性のTFTを用いる場合でも、同一の基板上に形成するTFTを全て同じ極性にそろえておくことが、工程数を抑えるためにも望ましい。
画素部の駆動用TFT202においては、基板200上に形成されたゲート電極220と、ゲート電極220を覆っているゲート絶縁膜211と、ゲート絶縁膜211を間に挟んでゲート電極220と重なっているセミアモルファス半導体膜で形成された第1の半導体膜222と、を有している。さらにTFT202は、ソース領域またはドレイン領域として機能する一対の第2の半導体膜223と、第1の半導体膜222と第2の半導体膜223の間に設けられた第3の半導体膜224とを有している。
また第2の半導体膜223は、非晶質半導体膜またはセミアモルファス半導体膜で形成されており、該半導体膜に一導電型を付与する不純物が添加されている。そして一対の第2の半導体膜223は、第1の半導体膜222におけるチャネル形成領域を間に挟んで、向かい合って設けられている。
また第3の半導体膜224は、非晶質半導体膜またはセミアモルファス半導体膜で形成されており、第2の半導体膜223と同じ導電型を有し、なおかつ第2の半導体膜223よりも導電性が低くなるような特性を有している。第3の半導体膜224はLDD領域として機能するので、ドレイン領域として機能する第2の半導体膜223の端部に集中する電界を緩和し、ホットキャリア効果を防ぐことができる。第3の半導体膜224は必ずしも設ける必要はないが、設けることでTFTの耐圧性を高め、信頼性を向上させることができる。なお、TFT202がn型である場合、第3の半導体膜224を形成する際に特にn型を付与する不純物を添加せずとも、n型の導電型が得られる。よって、TFT202がn型の場合、必ずしも第3の半導体膜224にn型の不純物を添加する必要はない。ただし、チャネルが形成される第1の半導体膜には、p型の導電性を付与する不純物を添加し、極力I型に近づくようにその導電型を制御しておく。
また、一対の第3の半導体膜224に接するように、配線225が形成されている。
また、TFT201、202及び配線225を覆うように、絶縁膜からなる第1のパッシベーション膜240、第2のパッシベーション膜241が形成されている。TFT201、202を覆うパッシベーション膜は2層に限らず、単層であっても良いし、3層以上であっても良い。例えば第1のパッシベーション膜240を窒化珪素、第2のパッシベーション膜241を酸化珪素で形成することができる。窒化珪素または窒化酸化珪素でパッシベーション膜を形成することで、TFT201、202が水分や酸素などの影響により、劣化するのを防ぐことができる。
そして、TFT201、202および配線225は、平坦な層間絶縁膜205で覆う。平坦な層間絶縁膜205は、PCVD法による絶縁膜に対して平坦化処理を行った膜でもよいし、シロキサン系ポリマーを用いた塗布法により得られるアルキル基を含むSiOx膜を用いてもよい。アルキル基を含むSiOx膜を形成する際に、実施例2に従って、基板周縁部のSiOx膜を除去してもよい。
そして、配線225に達するコンタクトホールを形成し、配線225の一方に電気的に接続する画素電極230を形成する。
そして、画素電極230の端部を覆う絶縁物229(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)を形成する。絶縁物229としては、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはこれらの積層などを用いることができるが、ここでは窒化シリコン膜で覆われた感光性の有機樹脂を用いる。例えば、有機樹脂の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物の上端部のみに曲率半径を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。また、絶縁物229にもシロキサン系ポリマーを用いた塗布法により得られるアルキル基を含むSiOx膜を適用してもよい。
この感光性の有機樹脂のパターニング形成前に、実施例1に従って、基板周縁部の有機樹脂膜を除去した後、露光および現像を行えばよい。
そして、発光素子203の画素電極230上に接するように、電界発光層231を形成する。
そして、電界発光層231に接するように対向電極232が形成されている。なお発光素子203は陽極と陰極とを有しているが、いずれか一方を画素電極、他方を対向電極として用いる。
また、画素電極230として透明導電膜を用いた場合、電界発光層231からの発光は、基板200を通過して図中、矢印の方向に出射される。
本実施例では、チャネル形成領域を含んでいる第3の半導体膜が、セミアモルファス半導体で形成されているので、非晶質半導体膜を用いたTFTに比べて高い移動度のTFTを得ることができ、よって駆動回路と画素部を同一の基板に形成することができる。
また、チャネル形成領域を含んでいる第3の半導体膜を、非晶質半導体膜で形成する場合には、画素部のみを基板上に形成し、駆動回路はICチップ等を貼り付けて作製すればよい。
また、本実施例は実施の形態1、実施の形態2、または、実施例1乃至3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
本発明の液晶表示装置、発光装置、及び電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、大型画面を有する大型テレビ等に本発明を用いることが望ましい。それら電子機器の具体例を図5に示す。
図5(A)は22インチ〜50インチの大画面を有する大型の表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、ビデオ入力端子2005等を含む。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、双方向TV用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。本発明により、1辺が1000mmを超える第5世代以降のガラス基板を用いても、比較的安価な大型表示装置を実現できる。
図5(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明により、比較的安価なノート型パーソナルコンピュータを実現できる。
図5(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明により、比較的安価な画像再生装置を実現できる。
図5(D)は、ワイヤレスでディスプレイのみを持ち運び可能なTVである。筐体2602にはバッテリー及び信号受信器が内蔵されており、そのバッテリーで表示部2604やスピーカ部2607を駆動させる。バッテリーは充電器2600で繰り返し充電が可能となっている。また、充電器2600は映像信号を送受信することが可能で、その映像信号をディスプレイの信号受信器に送信することでができる。筐体2602は操作キー2606によって制御する。また、図5(D)に示す装置は、操作キー2606を操作することによって、筐体2602から充電器2600に信号を送ることも可能であるため映像音声双方向通信装置とも言える。また、操作キー2606を操作することによって、筐体2602から充電器2600に信号を送り、さらに充電器2600が送信できる信号を他の電子機器に受信させることによって、他の電子機器の通信制御も可能であり、汎用遠隔制御装置とも言える。本発明により、比較的大型(22インチ〜50インチ)の持ち運び可能なTVを安価な製造プロセスで提供できる。
以上の様に、本発明を実施して得た液晶表示装置や発光装置は、あらゆる電子機器の表示部として用いても良い。
また、本実施例は、実施の形態、実施例1乃至5のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
本発明により、シンナーなどのリンス液を用いることなく、基板周縁部、基板端面、または基板裏面の膜除去または洗浄が短時間でできる。
加えて、大型基板にも対応でき、本発明の装置は、半導体装置を大量生産するに適している。
本発明の装置の一例を示す図。(実施の形態1)
本発明の装置の一例を示す図。(実施の形態2)
アクティブマトリクス型液晶表示装置の断面構造図。
アクティブマトリクス型EL表示装置の回路図および断面構造図。
電子機器の一例を示す図。
基板の膜厚ムラを示す斜視図および断面図。(比較例)
符号の説明
10:基板
11:被膜
12:ヘッド
13:排気口