JP4458985B2 - X線分析装置及びx線分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)、波長分散形X線分光器(WDS)やエネルギー分散形X線分光器(EDS)を装備した走査電子顕微鏡など、特性X線を用いて元素分析を行う電子プローブX線分析装置に係わり、特に試料の組成を求める分析技術に関する。
図1は本発明に係わる代表的な装置である電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)の概略構成を示す。電子銃1から発生した電子線は、集束レンズ2と対物レンズ3によって細く絞られ、分析試料11に照射される。 前記電子線は電子線走査コイル4によって偏向され、分析試料11の照射位置を選択できる。また、分析試料11をX、Y、Zに移動するための試料ステージ12およびステージ制御ユニット13によっても電子線照射位置を選択することができる。
電子像信号検出器6で検出された二次電子、反射電子等は電子像信号処理系7を経て電子像信号制御装置8へ送られ電子像を表示する。WDS/EDS等のX線分光器9で検出されたX線信号は、X線分光器制御装置10を経てEPMA装置の制御演算処理装置14に送られ分析データが作成される。
電子線通路には照射電流検出器18が設けられており、照射電流値の計測時は電子線を捕捉して、微少電流測定回路19に送る。微少電流測定回路19は、分析中は分析試料から取り出される試料吸収電流の測定に切り替わるように制御される。上記の装置制御および各種検出器から送られた信号の演算処理を制御演算処理装置14が統括するシステムとなっている。
EPMAにおいて定性分析や定量分析などの元素分析をWDSを用いて行う場合、先ずX線分光器9に装備された分光素子を走査し、得られた特性X線スペクトルにおいて出現したピークに特性X線種を割り当てる。この結果から元素の同定が行える。また各ピークのX線強度は近似的にその元素の質量濃度に比例するため標準試料との比較によりその元素の定量が行える。
定性分析や定量分析を行う時のX線強度は、加速電圧、照射電流値、計数時間などの分析条件により決まる。定量分析を行う場合は、標準試料と被験試料とで正確に同じ分析条件でX線強度の測定を行うことが原則である。ただし、照射電流値、計数時間については、異なった条件で得られたX線強度を同じ条件になるように正規化することで実現させることがある。 定性分析で得られたスペクトルから検出されたピークのX線強度をそのまま定量値として用いる(スタンダードレス定量分析などと称される)場合も有るので、定性分析時にも照射電流値等の分析条件が正しく設定されることは重要である。 そのため照射電流検出器などを用いて分析時の条件を厳密に設定し、X線分析データと共に分析条件を記録するようにしている。
特開2000−208084号 特開2000−214111号
試料は元々電気的に中性であるため、分析に用いるX線を発生させるために電子線を試料に照射する場合、試料が電気的中性を保てるように試料に電荷が溜まらないようにする必要がある。このため分析試料を載置するホルダは通常金属で作られ、電気的にアースされる構造をとっている。しかし実際の分析においては、様々な理由で試料とホルダの間でうまく導通が保たれず電が溜まる場合がある。例えば、酸化物試料に導電性物質を蒸着した場合、蒸着膜の厚さが不十分であるとか、ホルダと蒸着膜との間に間隙が生じる場合などが考えられる。
溜まった電荷により試料が負に帯電すると、試料に入射する電子線のエネルギーが実質的に減少する。 特性X線の発生効率は加速電圧に依存するため、試料から発生する特性X線の発生量も電荷がたまらない場合に比べて減少するが、減少の度合いは臨界励起電圧が高い特性X線ほど大きい。すなわち帯電の影響による特性X線強度の低下割合が元素毎に異なるため、分析後の結果を正規化するなどしても組成割合が真値と異なってしまう。そのためいくら正確に装置の分析条件を設定しても、帯電が生じていると正確な分析結果を得ることができない。
帯電が生じると試料への吸収電流が減少し、反対に電子像信号検出器で検出/観察する二次電子像において帯電領域が白く輝いて見えるので分析者が異常を認識できる場合もある。試料の吸収電流信号の強度に応じて電子像信号検出器からの検出器信号の強度を調整する手段を設ける技術が特開2000-208084号に開示されている。 しかしX線の計測時は通常電子線照射位置を固定するためこれらの電子線走査像の観察は行えない。そのため帯電を生じることなく測定が行われているか分析中や分析後に確認する方法が必要となる。
図7に示すように、試料が十分厚い時、照射電流値をIp、試料吸収電流値をIa、反射電子、二次電子として試料外に放出される電子に相当する電流値をそれぞれIb、Isとすると、
Ip = Ia + Ib + Is ……(1)
と表される。
Ibは試料を構成する物質の平均原子番号Zavが増加するに従い単調に増加し、IaはIbとは逆に単調に減少することが知られている。
Isは、Ibに見られるような原子番号の依存性が無い。むしろ試料の表面状態により若干放出量が異なるが、IaやIbの変化量に比べてその寄与する割合は僅かであると考えられている。
一般に照射電流値に対する試料吸収電流値の割合Ia/Ipは、試料を構成する物質の平均原子番号Zavに依存することが知られている。Zavは構成元素の各原子番号を組成比で按分した合計値で与えられ、下記の(2)式で表される。
Zav=Sum(Zi×Ci) ……(2)
ここに、Zi、Ciはそれぞれi番目の構成元素の原子番号、質量濃度である。
しかし試料に帯電が生じると、試料に入射する電子線のエネルギーが実質的に減少し試料に吸収される電流量が通常より大きく減少するため、照射電流値に対する試料吸収電流値の割合が低下する。本発明は、この現象に基づいて分析中や分析後に帯電が生じているか否かの判定を行うものである。
この目的を達成するために、本発明は、試料に電子線を照射して発生する特性X線を検出しX線強度を計測する手段と、試料に照射される照射電流値Ipを計測する手段と、前記X線強度の計測中に試料の吸収電流値Iaを測定する手段とを備える電子プローブX線分析装置において、分析により得られる組成情報から当該試料の平均原子番号Zavを求める手段と、求められた平均原子番号Zavに基づいて吸収電流値Ia/照射電流値Ipのしきい値として「K×F(Zav)」(ここで、「K」は定数若しくはZavの1次関数を示し、「F(Zav)」はZavの関数である回帰曲線を示す)を出力するしきい値設定手段と、出力されたしきい値を分析の際に前記照射電流値計測手段及び吸収電流値測定手段により求めた吸収電流値Ia/照射電流値Ipと比較し、試料の帯電の有無を判定する判定手段を備えたことを特徴とする。また、本発明は、試料に電子線を照射して発生する特性X線を検出するX線分析方法において、分析により得られる組成情報から当該試料の平均原子番号Zavを求める工程と、求められた平均原子番号Zavに基づいて吸収電流値Ia/照射電流値Ipのしきい値として「K×F(Zav)」(ここで、「K」は定数若しくはZavの1次関数を示し、「F(Zav)」はZavの関数である回帰曲線を示す)を出力する工程と、出力されたしきい値を分析の際に吸収電流値Ia/照射電流値Ipと比較し、試料の帯電の有無を判定する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明においては、分析により得られる組成情報から当該試料の平均原子番号を求め、求められた平均原子番号に基づいて吸収電流値/照射電流値のしきい値を出力し、出力されたしきい値を分析の際に求まる吸収電流値/照射電流値と比較し、帯電の有無を判定するので、帯電が原因となる分析の誤りを分析中または分析終了後直ちに知ることができるとともに、必要に応じて再測定が可能となったことで分析の信頼性を高めることができる
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明は、照射電流値に対する試料吸収電流値の割合Ia/Ipと平均原子番号Zavとの相関関係が帯電により変化する現象を利用するものであるが、前述のごとく、Ib/Ipも平均原子番号Zavに対して、Ia/Ipとは逆の傾向であるが依存性を有する。しかるに、本発明で帯電の判定手段としてIb/IpではなくIa /Ipを用いる理由は以下の通りである。
Iaを測定する機能はEPMAでは標準的に装備されていることが多い。これに対し、Ibは反射電子像として観察するのみで、絶対強度を測定する機構は組込まれておらず、実験的に測定することは不可能ではないが容易ではない。すなわちIa /Ipは分析を行う際に簡単に求めることができるからである。
次に吸収電流値と照射電流値との比の値の平均原子番号による変化量の関係をあらわすデータについて説明する。
図2は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)の代表的な装置を用いて、
平均原子番号Zavに対するIa/Ipの値を測定した結果をプロットしたグラフを示す。前記実測値を基に、Zavの単純多項式による4次関数で近似した回帰曲線F(Zav)を実線で図2に重ねて示してある。 近似に用いる回帰曲線は必ずしもZav の4次関数である必要はないが、少なくとも2次以上の高次関数を用いる必要がある。Zavの単純多項式を用いる近似式以外にも、指数関数や対数関数またはそれらの変形式によっても、同様の近似式が得られることは明らかである。
Ia/Ipの平均原子番号Zavによる変化量を、各元素の原子番号に対するIa/Ipの値としてテーブル形式で持つことも可能である。しかし、平均原子番号Zavは一般には整数とはならないため、ZavからIa/Ipを求める場合に、テーブル形式でデータを持っていると補完法を使う必要がある。 近似関数のデータとして備えておけば簡単に平均原子番号ZavからIa/Ipを求めることができる。
Ipに対するIaの実測値は装置により若干異なる。これは一旦試料外に放出された二次電子や反射電子が再び試料に吸収されることが有り、その割合が試料の置かれる近傍の機械的構造により僅かに異なるためである。しかし元々の物理的な割合は一定なので、精度を高める必要が有れば前記近似関数を利用して装置毎に簡単な校正を行うことで解決できる。
次に帯電が生じているか否かの判定条件について説明する。
図2のグラフは、平均原子番号Zavがいくつであっても、すなわち試料の組成にかかわらずIa/Ipが0.5を下回ることは無いことを示している。従って、試料の組成が不明な場合であっても、Ia/Ipが0.5以下の時はそれだけで帯電が起きている可能性を疑う十分な根拠となる。それ故、帯電の生じているか否かの判定条件を、少なくとも「吸収電流値/照射電流値<0.5以下の定数」とすることができる。
次に試料の組成が推定可能な場合の判定条件について説明する。
図2のグラフは、平均原子番号Zavが減少するにつれてIa/Ipが増加し、Ia/Ip=1に近づいていくことを示している。 従って、何らかの手段で分析点の平均原子番号Zavを知ることができれば、帯電現象が生じたと判定する条件を、平均原子番号Zavに依存して持つことができる。すなわち、
Ia/Ip<K×F(Zav) …(3)
とおくことができる。ここでKは例えばK=0.8のように定数としても良いし、上式の右辺がZavが0番で0.8、100番で0.5となる値となるように、例えば
K=0.002×Zav+0.8 ……(4)
のような関数としても良い。図3にKとして(4)式を用いたときの吸収電流値/照射電流値のしきい値をあらわす曲線を重ねて示す。
次に試料の組成の推定方法について説明する。
定量分析、定性分析データを用いる簡易定量分析(スタンダードレス定量分析などと称されることがある)を行った定量分析結果から平均原子番号Zavを計算で求めることができる。前記Zavを(3)式に代入すればIa/Ipが0.5以上の値であっても帯電が生じているか否かを判定できることになる。 もちろん帯電が生じていると、その影響で定量値または簡易定量値の精度も低下する。しかし図2のグラフから分かるように、元々平均原子番号Zavから決まるIa/Ipは最大1割程度のばらつきが有る。従って帯電によって定量分析結果が真値と異なり、(4)式に代入する平均原子番号Zavの値がずれて(4)式から求められる帯電の判定条件に誤差が生じたとしても、その大きさは図2に示す実測値のグラフのばらつき程度である。
ここでGa-Al-As化合物の定量分析を例にとり、帯電によるF(Za)の変化を見積もってみる。Ga-Al-As化合物は(Ga x,Al1−x)Asで表され、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いた典型的な定量分析例としてxを求めることが行われる。もしx=0.6であるべき定量が、帯電によりx=0.4になってしまったと仮定する。実際にはもっと影響が小さくても定量値としてはまったく意味をなさないが、あくまでもF(Zav)に与える違いを見積もるための例として仮定している。x=0.6、x=0.4に対するF(Zav)はそれぞれ約0.710、0.722と求められ、両者の差は充分ばらつきの範囲内といえる。

次に本発明の実施の形態について説明する。
図4に、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を例にとり、本発明を実施する場合の概略構成を示す。図1に示した従来装置の構成に、吸収電流値 Iaと照射電流値Ipとの比の値の平均原子番号による変化量の関係をあらわすデータや帯電の可能性を判定する際に用いる条件設定のためのパラメータ等を格納したデータベース20が加わっている。図4に示した構成の装置を用いて定性分析や定量分析を行う際に、帯電が生じているか否かを判定する手順を組み込んだ実施形態について説明する。
(実施形態1の説明)図5の流れ図に示した実施形態1は、分析点を1点ずつ指定して分析し、帯電の有無の判定も1点ずつ行う方法である。
手順1においては、分析目的元素と特性X線種、加速電圧、集束レンズや電子線走査条件、X線強度の測定時間など定量分析を行う際に必要な測定条件を、マウス/キーボード17から入力する。演算処理装置14は、入力された条件を基に、質量吸収係数など必要なパラメータをデータベース15から読み出して準備する。手順2では、電子像信号検出器6を通して得られる二次電子像や反射電子像を用いたり、図4に図示しない光学顕微鏡等を用い、分析試料11を試料ステージ12で移動させ、所望の分析場所を一箇所のみ選択する。分析点を決める際に、電子線走査コイルを制御して電子線を所望の位置に設定する場合もある。
手順3において、試料に電子線を照射して分析を開始する前に照射電流検出器18を作動させ照射電流値Ipを測定する。 前記照射電流値Ipは微小電流計19を経てデジタル化されたデータとして演算処理装置14に取り込まれる。
手順4において、分析が開始されると微小電流計19は分析試料7に吸収された電流を測定する動作に切り替わる。分析中は常に微小電流計19からデジタル化された吸収電流値Iaが演算処理装置14に送られる。演算処理装置14で保持されるべき吸収電流値Iaのデータとしては、分析中に複数回サンプリングされた値の平均値または分析開始直後の測定値または分析終了直前の測定値のうちの少なくともひとつで良い。このとき演算処理装置14に保持されるべきデータは、吸収電流値 Iaそのものでも良いし、前記照射電流値Ipに対する前記吸収電流値 Iaの割合Ia/Ipでも良い。手順5においては、分析結果が表示装置16に表示される。ここで分析結果とともに前記Ia/Ipが表示されても良いが必ずしも必要ではない。
手順6において、前記分析結果を基に平均原子番号Zavを算出できるか否かを判断する。もしZavを算出できない場合は、例えばIa/Ip<0.5のようにIa/Ipが予め設定されている定数以下であるか否かの条件により手順7の帯電の判定に進む。 Zavを算出する場合は手順8に進み、分析により得られた構成元素の質量濃度からZavを算出し手順9へ進む。手順9においては、データベース20から必要なパラメータを読み出して、(3)式に従い帯電の有無を判定する。手順10においては、手順7または手順9でなされた帯電の有無の判定結果を表示装置16に表示する。手順11において、操作者は手順11で示された帯電の判定結果を見て、次の分析位置に進むか否かを判断する。帯電が認められなければ手順2へ戻り次の分析位置を指定する。帯電が認められ再測定の必要ありと判断すれば手順1に戻り、帯電に影響を与える測定条件、例えば加速電圧や照射電流値などを変更し再測定が可能となる。
(実施形態2の説明)図6の流れ図に示した実施形態1は、分析開始前に複数の分析点を指定して分析し、全ての分析が終了した後に分析結果と帯電の判定結果がまとめて表示される方法である。
手順1においては実施形態1と同様に、分析目的元素と特性X線種、加速電圧、集束レンズや電子線走査条件、X線強度の測定時間など定量分析を行う際に必要な測定条件を、マウス/キーボード17から入力する。演算処理装置14は、入力された条件を基に、質量吸収係数など必要なパラメータをデータベース15から読み出して準備する。手順2では、電子像信号検出器6を通して得られる二次電子像や反射電子像を用いたり、図4に図示されていない光学顕微鏡等を用い、分析試料11を試料ステージ12で移動させ、所望の分析場所を複数点選択する。選択された分析点の試料ステージ上のX、Y、Z座標は、分析順番に従い演算処理装置14に記憶される。分析点を決める際に、電子線走査コイル4を制御して電子線を所望の位置に設定する場合もある。その場合はデジタル化された電子線走査コイル4の制御位置もX、Y、Z座標とともに演算処理装置14に記憶される。
手順3においては、試料に電子線を照射して分析を開始する前に、照射電流検出器18を作動させ照射電流値Ipを測定する。 前記照射電流値Ipは微小電流計19を経てデジタル化されたデータとして演算処理装置14に取り込まれる。
手順4において、分析が開始されると微小電流計19は分析試料7に吸収された電流を測定する動作に切り替わる。分析中は常に微小電流計19からデジタル化された吸収電流値Ipが演算処理装置14に送られる。
このとき演算処理装置14に保持されるべきデータは、吸収電流値Iaそのものでも良いし、前記照射電流値Ipに対する前記吸収電流値Iaの割合 Ia/Ipでも良い。
手順5においては、手順2で指定された複数の分析点が全て分析を終了したか否かの判定が行われ、全ての分析点の測定が終了するまでは手順3に戻る。
手順6において、前記分析結果を基に平均原子番号Zavを算出するか否かを判断する。もしZavを算出しない場合は、例えばIa/Ip<0.5のようにIa/Ipが予め設定されている定数以下であるか否かの条件により手順7の帯電の判定に進む。 Zavを算出する場合は手順8に進み、分析により得られた構成元素の質量濃度からZavを算出し手順9へ進む。手順9においては、データベース20から必要なパラメータを読み出して、(3)式に従い帯電の有無を判定する。
手順10においては、手順7または手順9でなされた帯電の有無の判定が全ての分析点について終了したか否かを判定が行われ、全ての分析点の判定が終了するまでは手順6に戻る。
全ての分析点の判定が終了すると手順11において分析結果と帯電の判定結果を表示装置16に表示する。手順12において操作者は手順11で示された帯電の判定結果を見て、再測定の必要の有無を判断する。帯電が認められなければ分析を終了し、帯電が認められ再測定の必要ありと判断すれば手順1に戻り、帯電に影響を与える測定条件、例えば加速電圧や照射電流値などを変更し再測定が可能となる。
従来の電子プローブマイクロアナライザの概略構成例を示す図。 吸収電流値を照射電流値で除した値の平均原子番号による変化量の関係をあらわすデータ。 図2のグラフに、帯電の判定を行うためのしきい値をあらわす曲線を追加した図。 本発明に基づく電子プローブマイクロアナライザの概略構成例を示す図。 実施の形態1の流れを示す図。 実施の形態2の流れを示す図。 Ip,Ia,Ib,Isの関係を説明する原理図。
符号の説明
(図1の符号の説明)
1:電子銃 2:集束レンズ 3:対物レンズ 4:電子線走査コイル 5:電子線発生/制御回路 6:電子像信号検出器(二次電子、反射電子等) 7:電子像信号処理系 8:電子像信号制御装置 9:X線分光器(WDS/EDS等) 10:X線分光器制御装置 11:分析試料 12:試料ステージ 13:試料ステージ制御ユニット 14:制御演算処理装置(CPU) 15:定量補正計算等に必要なパラメータのデータベース 16:制御演算処理装置の表示装置 17:制御演算処理装置の入力機器(マウス、キーボード等) 18:照射電流検出器 19:微少電流測定回路
(図4の符号の説明)
1〜19は図1に同じ
20:吸収電流値を照射電流値で除した値の平均原子番号による変化量等のデータベース

Claims (6)

  1. 試料に電子線を照射して発生する特性X線を検出しX線強度を計測する手段と、試料に照射される照射電流値Ipを計測する手段と、前記X線強度の計測中に試料の吸収電流値Iaを測定する手段とを備える電子プローブX線分析装置において、分析により得られる組成情報から当該試料の平均原子番号Zavを求める手段と、求められた平均原子番号Zavに基づいて吸収電流値Ia/照射電流値Ipのしきい値として「K×F(Zav)」(ここで、「K」は定数若しくはZavの1次関数を示し、「F(Zav)」はZavの関数である回帰曲線を示す)を出力するしきい値設定手段と、出力されたしきい値を分析の際に前記照射電流値計測手段及び吸収電流値測定手段により求めた吸収電流値Ia/照射電流値Ipと比較し、試料の帯電の有無を判定する判定手段を備えた電子プローブX線分析装置。
  2. 前記回帰曲線F(Zav)は、Zavの単純多項式による2次以上の高次関数で近似した回帰曲線であること特徴とする請求項1記載の電子プローブX線分析装置。
  3. 前記回帰曲線F(Zav)は、Zavの単純多項式による4次関数で近似した回帰曲線であることを特徴とする請求項1記載の電子プローブX線分析装置。
  4. 試料に電子線を照射して発生する特性X線を検出するX線分析方法において、分析により得られる組成情報から当該試料の平均原子番号Zavを求める工程と、求められた平均原子番号Zavに基づいて吸収電流値Ia/照射電流値Ipのしきい値として「K×F(Zav)」(ここで、「K」は定数若しくはZavの1次関数を示し、「F(Zav)」はZavの関数である回帰曲線を示す)を出力する工程と、出力されたしきい値を分析の際に吸収電流値Ia/照射電流値Ipと比較し、試料の帯電の有無を判定する工程とを備えたX線分析方法。
  5. 前記回帰曲線F(Zav)は、Zavの単純多項式による2次以上の高次関数で近似した回帰曲線であること特徴とする請求項4記載のX線分析方法。
  6. 前記回帰曲線F(Zav)は、Zavの単純多項式による4次関数で近似した回帰曲線であることを特徴とする請求項4記載のX線分析方法。
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