JP4458887B2 - ボルナ病ウイルス検出抗原及び試薬 - Google Patents

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本発明は、抗BDV抗体測定用ポリペプチド及び抗BDV抗体測定方法に関する。
ボルナ病ウイルス(Borna Disease Virus,以下「BDV」という。)を原因ウイルスとする免疫関与神経症候群であるボルナ病についてはいまだ解明されていないことも多い。ボルナ病は、ドイツ及びその周辺諸国で、四季を通じて馬に発生するウイルス性脳脊髄である。脳性麻痺や情動傷害等の症状を呈し、急性経過をたどると致死的である。ラットに実験的に感染させると、多動、常同行動、運動障害及び失調症を特徴とする多相性症候群を発症する(O. Narayanら, Science, 220:1401-1403(1983))。
BDVは、自然宿主であるウマに対する病原性が知られており、1985年に精神疾患の血清中にBDVと反応する抗体が存在することが指摘され、ヒトに対しても病原性をもつ可能性が示唆されてきた。BDVの感染疫学的研究は、精神疾患の理解に多大な貢献をすることになる。最近、BDV遺伝子が精神疾患遺伝子群の血球にある頻度で認められている。
BDVは低い力価でしか増殖しないので、分析のために精製することは困難である。BDV感染の診断は、この疾患に共通する臨床症状の出現、及び間接免疫蛍光検査(IFT)(G. Pauliら、Zbl. Vet. Med.[B], 31:552-557 (1984))、ウエスタンブロット又は免疫沈澱等により、感染細胞中のウイルス蛋白質を検出する血清抗体を検出することにより行っている。これらの方法は取り扱いが難しく、ヒトや家畜集団の大量調査で用いるのは困難である。
BDVの配列は既に解明され、抗BDV抗体をエライザ法(ELISA)で測定する方法が報告されており、ここではp23、recp23、p40及びrecp40抗原を使用している(特許文献1)。また、血漿中のBDV特異的な循環免疫複合体(CIC)を決定する事を含む試験方法も報告されており、ここではp40及びp24抗原が使用されている(特許文献2)。さらに、p40及びp24の領域から選択される具体的なアミノ酸配列を含む抗原ポリペプチドを用いた磁気ビーズによる抗体検出方法も報告されている(特許文献3)。
しかしながら、BDVの性質については、未だ十分に解明されているとはいえず、BDVに対する抗体の出現の時期や正確な抗体の検出方法については不明な点が多く残されており、より正確な抗体検出方法の開発が望まれている。
特開2002−190288号公報 特表2002−500363号公報 特開平11−180998号公報
本発明の課題は、BDVに対する抗体検査をより正確に実施するための抗原ポリペプチド及び該ポリペプチドを用いた抗BDV抗体測定方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、BDVを構成する蛋白質のうち、p10領域から選択された抗原を単独あるいはp24領域及び/又はp40領域から選択される抗原ポリペプチドと組み合わせて使用することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下からなる。
1.ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp10領域から選択された配列番号:5、6又は8に記載のアミノ酸配列を含み20以下のアミノ酸から構成される合成抗原ポリペプチドを含む抗BDV抗体検出試薬。
2.さらに、ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp24領域及び/又はp40領域から選択された合成抗原ポリペプチドを含む前項1に記載の抗BDV抗体検出試薬。
3.p24領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:1又は2に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなり、p40領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:3又は4に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなる前項2に記載の抗BDV抗体検出試薬。
4.ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp10領域から選択された配列番号:5、6又は8に記載のアミノ酸配列を含み20以下のアミノ酸から構成される合成抗原ポリペプチドを用いる抗BDV抗体の検出方法。
5.さらに、ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp24領域及び/又はp40領域から選択された合成抗原ポリペプチドを用いることを特徴とする前項4に記載の抗BDV抗体の検出方法。
6.24領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:1又は2に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなる前項5に記載の抗BDV抗体の検出方法。
7.40領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:3又は4に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなる前項5に記載の抗BDV抗体の検出方法。
本発明の抗原ポリペプチドを用いて測定すると、BDVに関連する抗原そのものを検出することができないような場合であっても、IgM抗体の出現を見逃すことなく検出することができ、感染の有無を判定することが可能となる。さらに、例示するCIA法は、人蓄共通感染症の起因となるBDVを、ウマやヒト等について同一の試薬を用いて検出することができる。
(抗原ポリペプチド)
BDVの感染の診断を行うために、本発明の抗原ポリペプチド、すなわち以下に示すいずれかの抗原ポリペプチドを用いることができる。具体的には、次の1)〜4)のいずれかに記載の抗原ポリペプチドを使用することができる。
1)BDV蛋白質のp10領域から選択された抗原ポリペプチドであって、該ポリペプチド単独で、若しくは他の抗原ペプチドと組み合わせて用いることにより抗BDV抗体検出能を有することを特徴とする抗原ポリペプチド。
2)上記1)に記載の選択された抗原ポリペプチドが、少なくとも8個のアミノ酸から構成されることを特徴とする抗原ポリペプチド。
2)上記1)に記載の選択された抗原ポリペプチドが、8〜20のアミノ酸から構成されることを特徴とする抗原ポリペプチド。
3)配列番号:5、6、7又は8に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
4)上記1)〜3)のいずれか1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、該ペプチド単独で、若しくは他の抗原ペプチドと組み合わせて用いることにより抗BDV抗体検出能を有する抗原ポリペプチド。
上記の抗原ポリペプチドは、1若しくは複数種選択することができる。また、他の公知の抗原及び/又は抗原ポリペプチドと組み合わせて使用することができる。例えば、BDV蛋白質のp24領域及び/又はp40領域から選択される抗原ポリペプチドを組み合わせて使用することができる。具体的には、
1)配列番号:1〜6のいずれかに記載されたアミノ酸配列を含む抗原ポリペプチド、
2)上記1)に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、該ペプチド単独で、若しくは他の抗原ペプチドと組み合わせて用いることにより抗BDV抗体検出能を有する抗原ポリペプチドと組み合わせて使用することができる。また、一のポリペプチドに、少なくとも配列番号:5、6、7、8に記載のアミノ酸配列を1又は2以上含有したポリペプチドを用いて、BDV抗体を検出しても良い。また、この配列番号:5、6、7、8に示されるポリペプチドは、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであっても良い。
本発明で使用する抗原ポリペプチドは、配列情報に基づいて、通常の手法で合成により調製することができる。また、抗原ポリペプチドを固相担体や、蛋白質等に効率良く結合させる目的で、1若しくは複数個のアミノ酸をスペーサとして抗原ポリペプチドのN末端側に付加することができる。スペーサとして機能しうるアミノ酸の例としては、グリシン、リジンが挙げられるが、好ましくはグリシンである。
特に具体的に例示されるBDV抗原ポリペプチドの配列として、以下のものが挙げられる。各配列の最左部に示す1又は2のグリシンは、スペーサを表す。
p24 P1: 41-55 GG-QPVDQLLKDLRKNPS (配列番号:1)
P2: 59-77 GG-DPDQRTGREQLSNDELI (配列番号:2)
p40 P3: 3-20 GG-PKRRLVDDADAMEDQDLY (配列番号:3)
P4:338-358 GG-RYRRREISRGEDGAELSGE(配列番号:4)
p10 (No/98)
P5: 18-36 G-GNTTVESGRLSGGRRRSPD (配列番号:5)
P6: 43-57 G-GLTKTKEDSKECTDP (配列番号:6)
p10 (Control)
P7: 18-36 G-GNATIESGRLPGGRRRSPD (配列番号:7)
P8: 43-57 G-GVTKTTEDPKECTDP (配列番号:8)
(抗体測定用試料)
本発明の抗体測定用試料は、生体内の抗体が測定することができれば良く、特に限定されないが、ヒトや動物の全血、血漿、血清、骨髄、バフィーコート、尿、体液、唾液、鼻汁、涙液、糞便由来物等が例示される。
(抗体測定方法)
本発明の抗体測定方法は、本発明の抗原ポリペプチドを用いて測定する方法であれば良く、特に限定されない。例えば酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法、凝集法、ウエスタンブロット法、化学発光免疫測定法、など常用されている方法のいずれも適用することができる。特に好ましい測定方法として、免疫凝集法が挙げられる。
例えば、凝集法の一種であるカウンティングインムノアッセイ法(Counting Immunoassay法:以下「CIA法」という。)による測定は、Sysmex Journal Vol.20 No.1, 77-86(1997)に記載の方法により行うことができる。
抗原ペプチド感作用担体の例として、有機高分子粉末、無機物質粉末、微生物、血球及び細胞膜片などが挙げられる。有機高分子粉末としては、不溶性アガロース、セルロース、不溶性デキストランなどが例示でき、好ましくはラテックス粒子が広く利用される。ラテックスとしては、例えばポリスチレン、ポリスチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、アクリルニトリル−ブタジエンスチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニルアクリレート等が挙げられる。
使用するラテックス粒子の素材及び粒子径は、免疫グロブリンの抗原抗体反応によりラテックス粒子が凝集塊を形成しうるものであれば良く、特に限定されない。ラテックスの平均粒径は、測定対象物の検出濃度あるいは測定機器により0.05〜1.0μm、好ましくは0.3〜0.85μmのものが適宜選択される。無機物質粉末としては、シリカ、アルミナ、あるいは金、チタン、鉄、ニッケル等の金属片などが例示される。
抗原ペプチド感作用担体、具体的に抗原(抗体)結合ラテックス粒子と試料に含まれる抗体(抗原)が反応すると、抗体の量に応じてラテックス粒子が凝集する。カウンティングイムノアッセイでは凝集した粒子ひとつひとつの大きさの違いを弁別してカウントして測定を行う。例えば、凝集していない単独のラテックス粒子のカウント数をM(Monomer)、2個以上のラテックス粒子が凝集したもののカウント数をP(Polymer)、MとPの和をT(Total)としたとき、P/Tを凝集度として算出することができる。
担体への抗原感作は、抗原を直接ラテックス粒子に感作させても良く、例えば血清アルブミン等のようなリガンドを目的抗原に結合させて、ラテックス粒子に感作させるなど効率の良い方法を選択することができる。抗原感作量は、担体1mgあたり100μgまでの範囲で必要に応じて自由に設定することができる。好ましくは、上記抗原ペプチド及び/又はコンジュゲートBDV抗原ペプチドと非特異反応抑制のためのブロッキング剤として使用する蛋白質とあわせて合計100μgまでの範囲で設定することができる。ブロッキング剤は、抗原を感作した後又は抗原と同時に担体に固定することができる。
CIA法をはじめとする凝集法によると、ラテックス粒子に固定した抗原に対し、検体試料中の抗体が反応することにより、ラテックス粒子とラテックス粒子が抗体により架橋され、凝集を形成することになる。この場合に、IgMクラスの抗体であっても、IgGクラスの抗体であっても、ラテックスと反応すれば架橋を形成しうるので、IgM及びIgGが混入している検体試料において、IgM及びIgGを同時に測定することが可能となる。さらに、本方法は目的とする抗体が抗原ポリペプチドを感作した不溶性担体と結合することにより検出され、目的抗体をさらに蛍光物質等を感作した抗原や抗体等との反応を必要としない。即ち、本方法によると、ヒト及びヒト以外の哺乳動物の試料についても試薬を変更することなく同様にBDV抗体を検出することができる。BDVは、ウマ等の哺乳動物及びヒトにも感染しうる人畜共通感染症にかかわるものであるため、ここで例示したCIA法を採用することは有用である。
測定方法は公知の方法に従い、用いられる不溶性担体の大きさもしくは濃度、反応時間を設定することにより、散乱光強度、吸光度又は透過光強度の増加もしくは減少を測定することにより行うことができ、これらの方法を2種以上併用してもよい。
本発明は、上記抗原ポリペプチドを含む試薬及び試薬キットにも及ぶ。
以下、本発明の内容を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
(実施例1)抗BDV抗体の検出
本実施例は、宮崎県都井岬で管理されているウマ47頭について、BDVの感染の有無を調べた。測定は、1998年に採取した血清について行った。
(ウマ血しょうの処理方法)
ヘパリン採血による採血後、氷冷し、当日中に処理し、血しょうサンプルを得た。
(抗原ペプチド)
配列番号:1(P24(P1))、配列番号:3(P40(P3))、配列番号:4(P40(P4))、配列番号:7(P10(P7))及び配列番号:8(P10(P8))の抗原ペプチドを用いた。
(抗原ペプチドの感作)
1)抗原ペプチドp24(P1):5mg/mLウシ血清アルブミン24μL(120μg相当)にペプチド300μgとグルタールアルデヒド120μgを加え、30℃で30分間静置し、コンジュゲートさせたもの、
2)抗原ペプチドp40(P3):5mg/mLウシ血清アルブミン24μL(120μg相当)にペプチド300μgとグルタールアルデヒド120μgを加え、30℃で30分間静置し、コンジュゲートさせたもの、
3)抗原ペプチドp40(P4):5mg/mLウシ血清アルブミン24μL(120μg相当)にペプチド300μgとグルタールアルデヒド120μgを加え、30℃で30分間静置し、コンジュゲートさせたもの、
4)抗原ペプチドp10(P7):5mg/mLウシ血清アルブミン24μL(120μg相当)にペプチド300μgとグルタールアルデヒド120μgを加え、30℃で30分間静置し、コンジュゲートさせたもの、
5)抗原ペプチドp10(P8):5mg/mLウシ血清アルブミン24μL(120μg相当)にペプチド300μgとグルタールアルデヒド120μgを加え、30℃で30分間静置し、コンジュゲートさせたもの、
上記1)〜5)のBDV抗原コンジュゲート全量を、粒径0.8μmのラテックス粒子懸濁液(5mgのラテックス担体を含む)1mLに加え、37℃で1時間静置した。その後、ラテックス粒子を洗浄し、各抗原の感作ラテックス液を調製した。また同様にウシ血清アルブミン(BSA)120μgを粒径0.8μmのラテックス粒子懸濁液(5mgのラテックス担体を含む)1mLに加え、37℃で1時間静置した。その後、ラテックス粒子を洗浄し、未感作ラテックス液を調製した。
(測定)
シスメックス社製測定装置(PAMIA-50)を用いて抗BDV抗体を測定した。
反応プレートのウェルに、ラテックス凝集反応用緩衝液を80μL、各ウマ血清試料を10μL及び上記調製したラテックス粒子を含む溶液を10μLを添加し、45℃で反応させた。
反応を開始して約15分後に19μLの反応混合物を装置のチャンバ内の950μLのシース液に加えて51倍に稀釈した。稀釈により、凝集反応を停止させ、その後、凝集度を光学検出部で検出した。
予め測定しておいた検量線(陰性コントロールP/T%及びカットオフコントロールP/T%)より数1に従い、検体のカットオフインデックス(COI)値を求めた。検体のCOI値により、以下のとおり判定した。
陽性:COI≧1
陰性:COI<1
Figure 0004458887
(測定結果)
上記の測定結果を表1に示した。その結果、全てのウマ血清についてBDV陽性を示した。
(比較例1)
実施例1に記載のウマ47頭について、以下に説明するECLIA法を従来法として用い、従来法により1998年に採取した血清について測定を行った。ウマ血清の処理方法は実施例1と同様に行った。
1.測定原理:
ECLIA法は、BDV抗原を結合したマイクロビーズを固相とし、電気化学変化で発光するRu錯体を標識した抗ヒトIgGモノクロナール抗体を用いたサンドイッチ法を原理としている。
各反応について以下に説明する。
・第一反応
抗原結合ビーズと検体を反応させると、検体中の抗体がビーズ上の抗原と結合する。
・第二反応
ビーズに結合した抗体にルチニウム標識抗ヒトIgGモノクロナール抗体を反応させ、サンドイッチ状に結合する。
・第三反応
電極上にビーズを集めて電気エネルギーを加えると、抗体を介してビーズに結合したルチニウム標識抗IgGモノクロナール抗体量に応じてRu錯体が発光する。この発光量を計測することにより、検体中の抗体を検出する。
2.測定方法:
以下の手順で測定を実施した。
(1)反応管に反応液200μL、被検検体20μL、抗原結合ビーズ液を25μL注入し、30℃で9分間の反応を行った。(第一反応)
(2)反応管に磁石を接近させ、反応管壁にビーズを集めた後、反応管の液を吸引除去し、さらに洗浄液を注入し、振盪攪拌した。
(3)反応管に磁石を接近させ、反応管壁にビーズを集めた後、反応管の液を除去した。
(4)反応管にルチニウム標識抗IgGモノクロナール抗体液を200μL注入し、30℃で9分間の反応を行った。(第二反応)
(5)反応管に磁石を接近させ、反応管壁にビーズを集めた後、反応管の液を除去し、さらに洗浄液を注入し、振盪攪拌した。
(6)反応管に磁石を接近させ、反応管壁にビーズを集めた後、反応管の液を除去し、発光電解液300μL注入し、ビーズをフローセル電極に導き、発光量を測定した。(第三反応)
3.使用抗原:
下記2種類の抗原を使用
・BDV p24リコンビナント抗原
・BDV p40リコンビナント抗原
4.結果
その結果、検体No.1〜23については、1998年の結果を比較すると従来法では陰性であったが、本発明の測定方法では陽性であった(表1)。
一方、検体No.24〜36については従来法と本発明の測定結果ともに陽性であり、一致した(表2)。また、検体No.37〜47ついては従来法と本発明の測定結果ともに陰性であり、一致した(表3)。
不一致の検体については、従来法で陰性であったにもかかわらず、本発明の抗原ペプチドを用いて測定を行った系では陽性と判断され、感度よくBDV抗体の検出が可能となった。検体No.11、12、14、15及び18についてはp10(P7)又はp10(P8)で抗BDV抗体を検出することができた。また、複数の抗原ポリペプチドを組み合わせることにより、抗BDV抗体検出能をより高めることが可能である。
Figure 0004458887
Figure 0004458887
Figure 0004458887
(実施例2)
宮崎県都井岬で管理されている82頭のウマについて、1998年に採取した血清を、本発明の抗原ポリペプチドを用いて実施例1に記載の方法で測定した結果及び従来法である比較例の方法で測定した結果、各測定法によりBDV抗体陽性及び陰性と判断された群について5年間の生存率を調べた。その結果、表4に示すように、本発明の方法で測定した場合には抗体陽性の場合の死亡率が66.7%であり、抗体陰性の場合には死亡率が28.3%であった。一方、従来法による場合には抗体が陽性の場合の死亡率は52.4%であったが、抗体が陰性の場合でも死亡率は42.6%であった。本発明の抗原ポリペプチドを用いて測定した場合は抗体陽性の死亡率が高くあらわれ、測定結果が死亡率に反映し、より正確なBDV感染の検査を行うことが可能となった。
Figure 0004458887
以上説明したように本発明の抗原ポリペプチドを用いて測定した結果、BDVに関連する抗原そのものを検出することができないような場合であっても、IgM抗体の出現を見逃すことなく検出することにより、感染の有無を判定することが可能となり有用である。さらに、例示するCIA法は、人蓄共通感染症の起因となるBDVを、ウマやヒト等について同一の試薬を用いて検出することができ、極めて有用である。

Claims (7)

  1. ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp10領域から選択された配列番号:5、6又は8に記載のアミノ酸配列を含み20以下のアミノ酸から構成される合成抗原ポリペプチドを含む抗BDV抗体検出試薬。
  2. さらに、ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp24領域及び/又はp40領域から選択された合成抗原ポリペプチドを含む請求項1に記載の抗BDV抗体検出試薬。
  3. p24領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:1又は2に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなり、p40領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:3又は4に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなる請求項2に記載の抗BDV抗体検出試薬。
  4. ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp10領域から選択された配列番号:5、6又は8に記載のアミノ酸配列を含み20以下のアミノ酸から構成される合成抗原ポリペプチドを用いる抗BDV抗体の検出方法。
  5. さらに、ボルナ病ウイルス(BDV)蛋白質のp24領域及び/又はp40領域から選択された合成抗原ポリペプチドを用いることを特徴とする請求項4に記載の抗BDV抗体の検出方法。
  6. 24領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:1又は2に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなる請求項5に記載の抗BDV抗体の検出方法。
  7. 40領域から選択された合成抗原ポリペプチドが、配列番号:3又は4に記載のアミノ酸配列を含む合成抗原ポリペプチドからなる請求項5に記載の抗BDV抗体の検出方法。
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