JP4458681B2

JP4458681B2 - Writing instrument with excellent cap-off performance

Info

Publication number: JP4458681B2
Application number: JP2000589357A
Authority: JP
Inventors: 隆博長田; 一弘網
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date: 1998-12-18
Filing date: 1999-12-17
Publication date: 2010-04-28
Anticipated expiration: 2019-12-17
Also published as: KR100418235B1; WO2000037265A1; AU1688400A; AU742153B2; EP1145868A4; EP1145868A1; US6474893B1; KR20010086124A

Description

技術分野
この発明は、長期間、ペン先を大気中に放置しても良好な筆記性能を有するキャップオフ性能に優れた筆記具に関する。
背景技術
従来より、マーキングペン、サインペン、筆ペン等のように繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先にインキを浸透させて筆記するようにした筆記具が多用されている。
しかしながら、キャップを外してペン先部分を長時間大気中に放置した場合には、ペン先部分が乾燥して筆記不良が発生するという問題を有している。
従来において、キャップオフ性能に優れたマーキングペン、サインペン、筆ペン等の筆記具としては、例えば、インキ中に蒸発抑制を可能にする特定のポリグリセリンの高級脂肪酸エステル、特定の酸性リン酸高級アルコールエステル及びこれらの塩、特定の亜リン酸高級アルコールエステル、並びに、特定のデカグリセリンステアリン酸エステル等の添加剤を添加することによって実現されている（特公昭６２−３４３５２号公報、特開昭６１−２６１３８０号公報など）。
しかしながら、蒸発抑制効果の高い添加剤は、溶媒に対する溶解度が１０重量％以下のものが多く、溶解度が低い点に課題があり、特に、０℃での溶解度は５重量％以下であり、低温で保存したり、低高温の繰り返しによりインキ中で上記添加剤の沈殿を生じ、インキ流路内で目詰まりを起こして筆記性を低下させたり、キャップオフ性能が経時的に劣化してしまうなどの課題がある。
一方、特開平７−２４２０９４号公報には、筆記具を製造後、最初に筆記されるまでの期間における筆記部からのインキ溶媒の揮発を効果的に抑制して未使用状態での筆記不良が発生することを長期にわたって防止するために、多孔芯材による筆記芯の一端部が、溶媒に染料を溶解してなるインキを吸蔵したインキ吸蔵体に挿入され、他端部が筆記部に形成された筆記具において、前記筆記芯の筆記部にインキ溶媒のうち揮発速度が遅いベンジルアルコールなど高沸点溶媒を予め塗布または含浸させておくことを特徴とする筆記具の乾燥防止方法が開示されている。
しかしながら、この公報に開示の筆記具の乾燥防止方法は、筆記具の製造後から最初に筆記されるまでの期間における乾燥防止を目的とするものであり、また、インキ溶媒のうち揮発速度が遅いベンジルアルコールなど高沸点溶媒を対象とするものであるので、筆記した後の筆記部の乾燥防止を果たすものではなく、本発明とはその目的、作用及びその構成（技術思想）が異なるものである。また、上記筆記具の乾燥防止方法に用いるベンジルアルコールなどは、常温で液体であり、溶媒とは任意に混合するものであり、長期間放置すると溶液の拡散によりインキ吸蔵体中に取り込まれて効果が殆どなくなる点に課題があり、また、一度の筆記でベンジルアルコールなどが流出してしまうため、インキがなくなるまで効果を示すものでないものである。
従って、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先を有するマーキングペン、サインペン、筆ペン等の筆記具にあっては、低温での保存性が良く、キャップオフ性能が経時的に劣化しない筆記具が要望されており、しかも、キャップの装着忘れなどにより、ペン先などを長期間、大気中に放置した場合にも筆記カスレなどが生じず、優れた筆記性能が得られる筆記具が望まれているのが現状である。
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、低温での保存性が良好であり、インキ流路内で目詰まりなどもなく、長時間、大気中にペン先を放置しておいても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優れた筆記具を提供することを目的とする。

発明の開示
本発明者らは、上記従来技術の課題等について鋭意検討を重ねた結果、キャップオフ性能の優れたマーキングペン、サインペン、筆ペンなどの筆記具を実現するために、これらの筆記具に使用される、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先において、溶媒中に溶解しにくい蒸発抑制作用を有する添加剤をペン先にコーティングすることなどにより、上記目的の筆記具が得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明のキャップオフ性能に優れた筆記具は、次の（１）〜（８）に存する。
（１）繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先を有する筆記具において、上記ペン先に、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％以下となると共に、ペン先に常時再生し、筆記時には破れる再生被膜を形成する物質がコーティングされていることを特徴とするキャップオフ性能に優れた筆記具。
（２）コーティング物質の融点が４０〜９５℃である上記（１）記載のキャップオフ性能に優れた筆記具。
（３）コーティング物質がグリセリン誘導体、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンロウ、ペンタエリスリトール誘導体、レシチンから選択される少なくとも１種である上記（１）又は（２）記載のキャップオフ性能に優れた筆記具。
（４）コーティング量がペン先に対して、重量比で０．０１〜２０重量％である上記（１）〜（３）の何れか一つに記載のキャップオフ性能に優れた筆記具。
（５）筆記具のインキ中にキャップオフ性を付与する物質の中で常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で０．０１〜１０％となる物質が、インキ全量に対して、０．０１〜１０重量％添加されている上記（１）〜（４）の何れか一つに記載のキャップオフ性能に優れた筆記具。
（６）インキ中に添加されるキャップオフ性を付与する物質がグリセリン誘導体、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンロウ、ペンタエリスリトール誘導体、レシチンから選択される少なくとも１種である上記（１）〜（５）の何れか一つに記載のキャップオフ性能に優れた筆記具。
（７）上記（１）〜（６）の何れか一つに記載の筆記具が、インキを直接貯溜する軸体となるインキタンク部を有すると共に、一時的にインキを保溜するコレクター部材を有し、インキタンク部からペン先へのインキの導出が直接又は中継芯を介して行われる直液筆記具からなるキャップオフ性能に優れた筆記具。
（８）上記（１）〜（６）の何れか一つに記載の筆記具が、軸体内にインキを吸蔵したインキ吸蔵体を有し、該インキ吸蔵体からペン先へのインキ導出が直接又は中継芯を介して行われる筆記具からなるキャップオフ性能に優れた筆記具。
（９）上記（１）〜（７）の何れか一つに記載の筆記具が、軸体内にインキを吸蔵したインキ吸蔵体を有し、該インキ吸蔵体からペン先へのインキ導出が直接又は中継芯を介して行われる筆記具からなるキャップオフ性能に優れた筆記具。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に詳述するために、添付の図面などを参照してこれを説明する。
本発明の第１実施形態のキャップオフ性能に優れた筆記具は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先を有する筆記具において、上記ペン先に、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％以下となると共に、ペン先に常時再生し、筆記時には破れる再生被膜を形成する物質がコーティングされていることを特徴とするものである。
また、第２実施形態のキャップオフ性能に優れた筆記具は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先を有する筆記具において、上記ペン先に、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で融点（ｍｐ）が４０〜９５℃であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％以下となる上記特性の物質がコーティングされていることを特徴とするものである。
更に、第３実施形態のキャップオフ性能に優れた筆記具は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先を有する筆記具において、上記ペン先に、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で常温で固体、好ましくは、融点（ｍｐ）が４０〜９５℃であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％以下となる上記特性の物質がコーティングされており、さらに上記筆記具のインキ中にキャップオフ性を付与する物質の中で常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で０．０１〜１０％となる物質が添加されていることを特徴とするものである。
本発明の第１〜第３実施形態（以下、これらの三つの実施形態を単に「実施形態」という）に用いるコーティング物質は、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で常温（２５℃、以下同様）で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％以下、好ましくは、５％以下、更に好ましくは、１％以下となるものであり、これらの溶解度の下限値は、０％を含むものであるが、好ましくは、０．０１％以上、更に好ましくは０．１％以上である。
ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で常温で液体のもの、または、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％を越えるものでは、溶解、拡散作用によってインキ溶媒中に溶出してしまい、長期間の保存により効果が低下したり、ペンを使用してインキが減少するにしたがって効果が無くなり、本発明の効果を達成できるものではない。
なお、上記インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％以下とは、コーティング物質が本発明に使用するインキ溶媒（後述するインキ成分となる有機溶剤からなる溶媒）に対して、その溶解度が常温で１０％以下であることを意味するものである。
更に好ましいコーティング物質は、上記特性を有するものであって、かつ、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で融点（ｍｐ）が４０〜９５℃、好ましくは、５０〜８５℃、更に好ましくは６０〜７５℃であるものが望ましい。
融点が４０〜９５℃のコーティング物質を用いることにより、すなわち、第２実施形態の筆記具では、インキ中に必要以上のキャップオフ性を付与する物質が溶け出さないためガラス等の非吸収面に筆記した際の筆記描線の乾燥時間が早くなることとなる。
本発明の実施形態に用いるコーティング物質は、上記特性、すなわち、常温で固体であること、好ましくは融点が４０〜９５℃であること、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％以下となる特性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、上記特性を有するジグリセリンモノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリルトリステアレート、ヘキサグリセリルトリステアレート、デカグリセリンジステアレートなどのグリセリン誘導体、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステルなどのアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビットヘキサステアレートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレートなどのペンタエリスリトール誘導体、レシチン、ショ糖エステル、ポリオレフィンロウ、アスコルビン酸ステアレート、ソルビタン酸ステアレートなどから選択される１種又は２種以上の混合物が挙げられる。
好ましくは、常温で固体（更に好ましくは、融点が４０〜９５℃）であること、かつ、溶媒に対する溶解度が常温では１０％以下であり、更に筆記によるペン先へ物理的摩擦やインキの流出などによるキャップオフ性能を付与する物質の脱離し難くする面から、より硬い性状であり溶解性もより低い方が耐久性や効果も向上することから、ジグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリルトリステアレート、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル、レシチン、パラッフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンロウが望ましい。
なお、上記特性を有する各種コーティング物質の具体例を上述の如く（ジグリセリンモノステアレートからソルビタン酸ステアレートまで）例示したが、これらの各種コーティング物質において、更に第２実施形態では、これらの中から融点（ｍｐ）が４０〜９５℃の範囲内に入るものが選択されることとなる。
本発明の実施形態において、ペン先へのキャップオフ性を付与する上記特性を有する物質のコーティング方法は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先に本発明の効果を発揮せしめる必要量のコーティングがなされていれば、特に限定されるものではなく、例えば、上記特性を有する物質を溶解する溶媒に溶解せしめ、これをペン先にディッピング処理又は噴霧処理した後、加温又は室温にて乾燥させることにより行うことができる。また、溶解度が極端に低い場合には、加温溶解液にディッピングし、冷却によりコーティングすることもできる。
これらのコーティング方法は、手軽で安価な方法として優れたものである。
また、上記特性を有する物質を溶解する溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール（ｉ−プロピルアルコール）などのアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類、クロロホルム、メチレンクロライドなどの塩素化合物などが挙げられる。
上記特性を有する物質のペン先へのコーティング量は、ペン先に対して、重量比で０．０１〜２０重量％、好ましくは、０．１〜１０重量％、更に好ましくは、０．３〜５重量％である。
コーティング量が０．０１重量％未満であると、本発明の効果を達成することができず、また、２０重量％を越えると、ペン先のインキ流路の確保ができず、インキが出難くなり、カスレを生じたり、好ましくない。
本発明の実施形態において、使用するペン先の材質、構造、製法等は、特に限定されるものではなく、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエー
テル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの１種又は２種以上の組み合わせからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、上記各種のプラスチック材の軸方向にインキ溝を形成したプラスチック芯、上記各種のプラスチック粉末などを融結したポーラス体などからなるペン先が挙げられ、その形態も板状体、繊維集束体、焼結体、発泡体等任意である。
使用する繊維芯からなるペン先の具体的な形状としては、例えば、第１図（ａ）〜（ｎ）に示されるものなどが挙げられる。また、上記各種のプラスチック材の軸方向にインキ溝を形成した第２図（ａ）のプラスチック芯からなるペン先のインキ溝の態様としては、例えば、第２図（ｂ）〜（ｊ）に示される構成のものなどが挙げられる。
上記特性の物質をペン先にコーティングをして、目的のキャップオフ性能に優れた筆記具を得るために、ペン先として繊維芯を使用した場合は、好ましくは、気孔率で３０〜７５％、スリット径で概ね１〜２０μｍのものが望ましく、また、ペン先としてプラスチック芯を使用した場合は、好ましく、平均スリット径で２０〜４０μｍのものが望ましい。なお、上記気孔率及びスリット径は、上記特性の物質をペン先にコーティングすることにより、本発明の目的を達成できるものであれば、上記数値範囲に限定されるものではない。
更に、上記スリット径は、下記式により算出したものである。
スリット径＝気孔率×糸の半径／（１−気孔率）
本発明の実施形態における筆記具に用いるインキとしては、通常、マーキングペン、サインペン、筆ペンなどに用いる油性インキ成分であれば、特に限定されるものではなく、例えば、着色剤、有機溶剤、該有機溶剤に可溶な樹脂、その他筆記具用添加剤などを使用することができる。
着色剤としては、油溶性染料及び顔料等があり、油溶性染料としては、有機溶剤に可溶な一般の油溶性染料であればほとんど使用可能である。例えば、染料としては、オラゾールエロー２ＧＬＮ、オラゾールレッド３ＧＬ、オラゾールブルー２ＧＬＮ、ネオンザポンブルーＦＬＥ、スピリットブラックＳＰ、パリファストレッド１３０８、オイルブルーＢＡ、オイルエロー１８５、オイルレッドＴＲ７１、オイルブラックＳ、ＶｉｃｔｏｒｉａＢｌｕｅ、Ｒｈｏｄａｍｉｎｅ６ＪＨＳＡ、ＦｌｅｘＹｅｌｌｏｗ１０５等、また、顔料としては、特に限定されることなく、例えば、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、金属錯塩顔料、チオインジゴ顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等の有機顔料及びカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料が挙げられ、更に、表面を樹脂コーティングで加工した加工顔料、例えば、マイクロリスＡタイプ各種、ＡＳブラック、ＡＳブルー、ＩＫレッド等も使用することができる。これらの染料及び／又は顔料は、単独又は２種以上混合して使用することもでき、その使用量は着色剤の種類や他のインキ成分により異なるが、インキ全量に対して、１〜３０重量％、好ましくは、２〜１５重量％が望ましい。
有機溶剤としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールや、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の低級脂肪族ケトンや、酢酸エチル、酢酸ブチル等の低級脂肪酸の低級アルコールエステルや、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪酸炭化水素や、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素やグリコールのアルキルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル等が挙げられ、これらは単独又は２種以上混合して使用することが可能であり、その使用量は、インキ全量に対して、５０〜９０重量％、好ましくは、７０〜８５重量％が望ましい。
樹脂は、被膜形成剤、被塗布面への付着剤、インキの粘度調整剤、更に、着色剤の分散剤として使用するものであり、従来より使用されている各種の天然樹脂、合成樹脂が使用でき、例えば、ロジン、エステルガム、マレイン酸変成ロジン、フェノール変成ロジン等のロジン系樹脂、エチルセルローズ、ニトロセルローズ等のセルローズ系樹脂、ポリビニルブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等のビニル系樹脂、石油系樹脂、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、アルデヒドと尿素の縮合物、マレイン酸樹脂等が挙げられ、これらは単独又は２種以上混合して使用することが可能であり、その使用量は、インキ全量に対して、０．１〜３０重量％、好ましくは、１〜２０重量％が望ましい。
その他の筆記具用添加剤としては、例えば、アニオン系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、潤滑剤、ｐＨ調製剤などが挙げられる。
本発明の第３実施形態に用いるキャップオフ性を付与するインキ添加物質は、上述のコーティング物質と基本的に同じものを使用することができ、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で０．０１〜１０％、好ましくは、０．０１〜５％、更に好ましくは、０．１〜４％、更にまた好ましくは、０．１〜３％となるものである。
ペン先のキャップオフ性を付与するインキ添加物質の中で常温で液体のもの、または、インキ溶媒に対する溶解度が常温で１０％を越えるものでは、溶解、拡散作用によってインキ溶媒中に溶出してしまい、長期間の保存により更なる効果が低下したり、ペンを使用してインキが減少するにしたがって更なる効果が無くなることとなり、好ましくない。
なお、上記インキ溶媒に対する溶解度が常温で０．０１〜１０％とは、インキ添加物質が本発明の第３実施形態に使用するインキ溶媒（上述のインキ成分となる有機溶剤からなる溶媒）に対して、その溶解度が常温で０．０１〜１０％であることを意味するものである。
更に好ましいインキ添加物質としては、ペン先のキャップオフ性を付与するインキ添加物質の中で融点（ｍｐ）が４０〜９５℃、好ましくは、５０〜８５℃、更に好ましくは６０〜７５℃であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で０．０１〜１０％、好ましくは、０．０１〜５％、更に好ましくは、０．１〜４％、更にまた好ましくは、０．１〜３％となるものが望ましい。
本発明の第３実施形態に用いるインキ添加物質は、上記特性、すなわち、常温で固体であること、好ましくは融点が４０〜９５℃であること、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で０．０１〜１０％となる特性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、上記特性を有するジグリセリンモノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリルトリステアレート、ヘキサグリセリルトリステアレート、デカグリセリンジステアレートなどのグリセリン誘導体、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステルなどのアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビットヘキサステアレートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレートなどのペンタエリスリトール誘導体、レシチン、ショ糖エステル、ポリオレフィンロウ、アスコルビン酸ステアレート、ソルビタン酸ステアレートなどから選択される１種又は２種以上の混合物が挙げられる。
好ましくは、常温で固体（更に好ましくは、融点が４０〜９５℃）であること、かつ、溶媒に対する溶解度が常温では０．０１〜１０％であることから、ジグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリルトリステアレート、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル、レシチンが望ましい。
上記特性を有するインキ添加物質のインキへの添加量は、インキ全量に対して、重量比で０．０１〜１０重量％、好ましくは、０．０５〜５重量％、更に好ましくは、０．１〜１重量％である。
インキへの添加量が０．０１重量％未満であると、本発明の更なる効果を達成することができず、また、１０重量％を越えると、筆記描線の乾燥時間が遅くなったり、長期間の保存や低高温の繰り返しによりインキ中で沈殿を生じ、インキ流路内で目詰まりを起こして筆記性を低下させたりし、好ましくない。
本発明の第３実施形態の筆記具では、ペン先のキャップオフ性を付与するコーティング物質をコーティングすると共に、更にインキ中にペン先のキャップオフ性を付与するインキ添加物質を添加することとなるので、第１実施形態又は第２実施形態の筆記具に較べ、更に本発明の効果を発揮せしめることができることとなる。
本発明の実施形態の筆記具の構造は、通常、マーキングペン、サインペン、筆ペンなどに用いる繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先を有する構造等であれば、特に限定されるものではなく、筆記具用キャップを有する筆記具又は筆記具用キャップを有しない筆記具にも適用できるものである。
本発明の実施形態では、長時間、大気中にペン先を放置しておいても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優れた筆記具を達成できるものであり、例えば、従来における第３図〜第７図に示される筆記具用キャップを有する筆記具などの構造、または、簡単なシール機構を備えたマーキングペン、サインペン、筆ペンなどの構造、並びに、第８図に示される筆記具用キャップが不要となるノック式のサインペン、マーキングペン、筆ペンなどの構造が挙げられる。
第３図は、直液式筆記具であり、該直液式筆記具１０は、インキを中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となるインキタンク部１１を有し、また、インキタンク部１１の前部には、インキタンク部１１内の空気が温度上昇等によって膨張した場合にインキタンクから押し出されるインキをペン先や空気孔からボタ落ちさせないために一時的に保溜するインキ保溜体（コレクター部材）１２が内蔵され、コレクター部材１２の先端部には繊維芯からなるペン先１３が設けられた構成となっている。インキタンク部１１からペン先１３へのインキ導出は、コレクター部材１２の中心孔１２ａに付設されたインキ流路を設けた中継芯１４を介してインキタンク部１１からインキをペン先１３に導出することにより行われる。
なお、第３図中の１５はホルダー部材であり、１６はインキタンク部１１の後部に固着される後部軸体であり、１７はキャップである。また、中継芯１４を介在させることなく、ペン先１３の後部をインキタンク部１１内に直接配置してインキの導出を行ってもよい。
第４図の筆記具２０は、撹拌ボールとなる硬球２１を内蔵したバルブ弁式筆記具であり、インキを中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となるインキタンク部２２を有し、バルブ弁機構２３を介在して繊維芯からなるペン先２４へインキが供給される構成となっている。なお、第４図中の２５はホルダー部材であり、２６は弁機構２３とホルダー部材２５間に介在し、ペン先２４の後部を保持する保持部材であり、２７はキャップである。
第５図及び第６図は、共にインキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させたタイプの筆記具である。該各々の筆記具３０ａ，３０ｂは、軸体となる軸本体３１ａ，３１ｂ内にインキを中綿等の繊維体に吸蔵したインキ吸蔵体３２ａ，３２ｂを有し、インキ吸蔵体３２ａ，３２ｂの前部には繊維芯からなるペン先３３ａ，３３ｂの後端部３４ａ，３４ｂが当接されることにより、インキ吸蔵体３２ａ，３２ｂのインキがペン先３４ａ，３４ｂへ供給される構成となっている。３５ａ，３５ｂは、軸本体３１ａ，３１ｂの後端部に固着された尾栓であり、３６ａ，３６ｂは、キャップである。なお、第５図及び第６図の相違点は、軸本体３１ａ，３１ｂ、ペン先３３ａ，３３ｂの形状及び尾栓３５ａ，３５ｂの構造が若干相違するものである。
第７図は、上記第５図と同様に、インキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させたサインペンタイプの筆記具である。該筆記具４０は、軸体となる軸本体４１内にインキを中綿等の繊維体に吸蔵したインキ吸蔵体４２を有し、インキ吸蔵体４２の前部にはプラスチック芯からなるペン先４３の後端部４３ａが当接されることにより、インキ吸蔵体４２のインキがペン先４３へ供給される構成となっている。４４は、軸本体４１の後端部に固着された尾栓であり、４５はホルダー部材であり、４６はキャップである。
第８図は、インキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させたサインペンタイプのキャップ不要となるノック式筆記具である。該筆記具５０は、軸体５１内にインキを中綿等の繊維体に吸蔵したインキ吸蔵体５２を有する内軸５３を備え、インキ吸蔵体５２の前部には繊維芯からなるペン先５４の後端部５４ａが当接されることにより、インキ吸蔵体５２のインキがペン先５４へ供給される構成となっている。５５は、軸本体５１の後端部に取り付けられたノック部であり、該ノック部５５を前方へ押し出すことによりペン先５４が軸体５１外に出て筆記状態となり、解除釦５５ａを操作することによりペン先５４が軸体５１内に収容される構造となっている。
このように構成される本発明となる実施形態の筆記具は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先に、ペン先のキャップオフ性を付与する物質の中で常温で固体、好ましくは融点が４０〜９５℃であり、かつ、溶媒に対する溶解度が常温では１０％以下となる上記各々の物質をコーティングすることにより、ペン先の表面部に非常に脆い被膜を形成でき、この被膜によりインキ成分に含まれる揮発成分となる溶剤などの蒸発が防止され、また、該被膜は筆記時の筆圧によって破れ、筆記が可能となるものであり、しかも、該被膜の形成は上記コーティング量により若干相違もあるが、ペン先にコーティングしたキャップオフ性を付与する物質が再度必要量だけインキ中に溶け出し、次にペン先が空気中にさらされたとき、インキ溶媒との相互作用でペン先表面に新たな被膜を形成し、この被膜形成→筆記→被膜形成→筆記……は何回も繰り返し効果を示すものである。
従って、本発明となる実施形態の筆記具は、長時間、大気中にペン先を放置しておいても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優れたものとなり、また、インキ成分にキャップオフ性能を付与する成分を含まないので、低温での保存性が良好であり、インキ流路内で目詰まりなども起こすことがないものとなる。
また、第２実施形態の筆記具では、更にインキ中に必要以上のキャップオフ性を付与する物質が溶け出さないため、ガラス等の非吸収面に筆記した際の筆記描線の乾燥時間が早くなる。
更に、第３実施形態の筆記具では、ペン先のキャップオフ性を付与するコーティング物質をコーティングすると共に、更にインキ中にペン先のキャップオフ性を付与するインキ添加物質を筆記性能等を劣化させない添加量で添加しているので、第１実施形態又は第２実施形態の筆記具の効果を、更に相乗せしめる相乗効果、すなわち、長時間、大気中にペン先を放置しておいても更なる良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に更に優れたものとなる（これらの点については、更に実施例等で詳述する）。
本発明の筆記具は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更できることはいうまでもない。
例えば、本発明の筆記具は、上記実施形態のインキを中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する直液筆記具、バルブ機構を備えた筆記具、インキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させたタイプの筆記具に限定されるものでなく、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先に上記特性の各種の物質がコーティングされているもの、更に、インキ中にキャップオフ性能付与インキ添加物質を添加したものであれば、特に限定されるものでなく、例えば、筆ペン、カートリッジ式ペン、化粧品等の塗布具などにも適用できるものである。
特に、本発明では、長時間、キャップを取り外した状態で大気中にペン先を放置しておいても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優れた筆記具を達成できるものであるので、筆記具用キャップのいらないノック式のマーキングペン、サインペン、筆ペンなどの構造の筆記具に好適に用いることができる。
実施例
次に、本発明を実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例１〜１４及び比較例１〜４、６〜１１〕
ペン先として、第９図に示すペン先を使用した。このペン先を第５図に組み込んだマーキングペン（インキ量４．５ｇ）を使用した。
ペン先は、アクリル繊維のスライバーからなる繊維芯であり、重量０．１９ｇ、長さ３７ｍｍ、直径４．０ｍｍ（気孔率約６０％）のものを使用した。
コーティング物質（剤）として、▲１▼ヘキサグリセリルトリステアレート（融点５７℃）、▲２▼ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート（融点５３℃）、▲３▼ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル（融点５６℃）、▲４▼マイクロクリスタリンワックス（融点６７℃、日本精蝋社製「Ｈｉ−Ｍｉｃ−２０４５」）、▲５▼パラフィンワックス（融点６１℃、日本精蝋社製「パラフィンワックス１４０）を使用した。
また、インキ溶媒（エチルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、ｉ−プロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルからなる溶媒）に対する上記▲１▼〜▲５▼の溶解度は常温で▲１▼は０．４％、▲２▼は９％、▲３▼は０．１％、▲４▼は０．１％以下、▲５▼は０．１％以下であった。
コーティング方法は、上記所定量となるコーティング物質を溶媒となるメチレンクロライドに溶解し、該調製液に上記繊維芯からなるペン先を浸漬せしめ、５０℃で１時間加温した後、室温で一晩冷却し、メシュ状容器にあけて溶媒を取り除いた。次いで、室温で１時間、次いで、５０℃で３時間、更に室温で３時間乾燥したペン先をサンプルとし、該ペン先を第５図に組み込んだマーキングペン（インキ量４．５ｇ）を組み立てた。このマーキングペンについて、下記試験を行った。
なお、コーティング量は、上記▲１▼〜▲５▼のコーティング剤のペン先への付着量を処理前後のペン先の重量差でとらえ、処理前のペン先重量に対する重量％で示した。実施例等には、上記処理率で１％、２％及び３％のものを使用した。
また、インキは、下記表１に示される組成からなるインキ（１）〜（１０）を使用した。
〔比較例５〕
使用部材となるペン先、マーキングペンなどは、上記実施例１〜１４及び比較例１〜４、６〜１１と同じものを使用した。
ペン先の処理などは、ベンジルアルコール（融点−１５．５℃）に上記繊維芯からなるペン先を浸漬した後、ベンジルアルコールが乾燥しないように直ちに該ペン先を第５図に組み込んだマーキングペン（インキ量４．５ｇ）を組み立てた。浸漬量は、ベンジルアルコールの乾燥やペン先の形状バラツキのためにバラツキがあるが、約０．２ｇであった。この組み立てたマーキングペンを室温で１日放置後、下記試験を行った。
【表１】

上記実施例１〜１４及び比較例１〜１１で得られたマーキングペンについて、下記評価法により、筆記性能評価、低温保存後のキャップオフテスト、筆記後のキャップオフテスト、描線乾燥性テスト及びこれらの総合評価を行った。
これらの結果を下記表２及び表３に示す。
〔キャップオフテスト〕
各マーキングペンのキャップを取り外し、キャップオフ時間の経時的変化（１時間〜１ケ月）に基づく２５℃における筆記性能を下記評価基準により測定した。なお、１日以上経過、好ましくは３日以上経過しても◎である場合はキャップオフ性能に優れていることを示すものとなる。評価基準：
◎：掠れずに書ける
○：書き出しに僅かに掠れる
△：一行目が掠れる
▲：二行目が掠れる
×：筆記できない
〔低温保存後のキャップオフテスト〕
各マーキングペンを０℃で２４時間放置後、１日かけてゆっくり室温にもどし、上記筆記性能評価法と同様にキャップを取り外し、キャップオフ時間の経時的変化に基づく筆記性能を上記２５℃での評価結果と比較し、下記評価基準で評価した。
◎：低温保存前の２５℃でのキャップオフ性能と同等である。
○：低温保存前の２５℃でのキャップオフ性能と比較し、キャ
ップオフ性能がやや低下する。
×：低温保存前の２５℃でのキャップオフ性能と比較し、キャ
ップオフ性能が著しく低下する。
〔筆記後のキャップオフテスト〕
各マーキングペンを２５℃の環境下で１００ｍ筆記を行った後、上記キャップオフテストと同様にキャップを取り外し、キャップオフ時間の経時的変化に基づく筆記性能を上記２５℃での評価結果と比較し、下記評価基準で評価した。
◎：筆記前（２５℃でのキャップオフ性能）と同等である。
○：筆記前（２５℃でのキャップオフ性能）と比較し、キャッ
プオフ性能がやや低下する。
×：筆記前（２５℃でのキャップオフ性能）と比較し、キャッ
プオフ性能が著しく低下する。
〔描線乾燥性テスト〕
各マーキングペンを２５℃の環境下でガラス（２０×２０×０．５ｃｍ）に対し筆記し、筆記描線が完全に乾燥するまでの時間を指触により測定した。
なお、描線乾燥性は、３０秒以下が良好（○）、更に１０秒以下がきわめて良好（◎）を意味し、３０秒を越えるものは描線乾燥性が悪くなるもの（×）である。
〔総合評価〕
上記キャップオフテスト、低温保存後のキャップオフテスト、筆記後のキャップオフテスト及び描線乾燥性テストを総合的に勘案して下記評価基準により、総合評価した。
総合評価基準：
◎：すべての項目を満足している。
○：筆記後のキャップオフテストはやや満足できないが、
それ以外の項目は満足する。
△：キャップオフ性能、描線乾燥性は満足できるが、それ
以外の項目は満足できない。
×：キャップオフ性能、描線乾燥性を満足できない。
【表２】

【表３】

上記表２及び表３の結果から明らかなように、本発明となる実施例１〜１４のペン先に蒸発抑制剤をコーティングしてなるマーキングペンは、本発明範囲外となる比較例１〜１１のペン先に蒸発抑制剤をコーティングしないマーキングペンなどに較べ、長期間、ペン先を大気中に晒しても良好な筆記性能を有すると共に、低温保存後のキャップオフテストも良好であることが判明した。
具体的に実施例をみると、実施例１〜９は、ペン先に融点が相違する蒸発抑制剤をコーティングしてなるマーキングペンであり、実施例１０〜１４は、ペン先にペン先のキャップオフ性を付与するコーティング物質をコーティングすると共に、更にインキ中にペン先のキャップオフ性を付与するインキ添加物質を添加してなる筆記具である。
特に、実施例１０〜１４のペン先にキャップオフ性を付与するコーティング物質をコーティングすると共に、更にインキ中にペン先のキャップオフ性を付与するインキ添加物質を添加してなる筆記具では、実施例１〜９に較べ、長時間、大気中にペン先を放置しておいても更なる良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に更に優れたものとなることが判った。
これに対し、比較例１〜１１をみると、比較例１及び３は、ペン先に蒸発抑制剤をコーティングせず、かつ、インキ成分も通常の成分を使用したもであり、これらの場合は、それぞれキャップオフ２時間後、８時間後には筆記できないものであることが判る。
また、比較例２及び４、並びに、比較例６〜１１は、ペン先に蒸発抑制剤をコーティングせずに、インキ成分中に蒸発抑制剤を溶解させたものであり、比較例１及び３に較べ、キャップオフ性能は若干良好となったが、低温保存後及び筆記後のキャップオフテストは共に性能が低下するものであり、更に比較例４又は９では描線乾燥性も悪くなるものであることが判った。
更に、比較例５は、従来における高沸点溶媒（ベンジルアルコール）浸漬処理をしたペン先を使用したものであり、この場合もキャップオフ性能はよくなく、低温保存後及び筆記後のキャップオフテストは性能が低下し、描線乾燥性も悪くなるものであることが判った。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明にかかる筆記具は、長期間、ペン先を大気中に放置しても優れた筆記性を有すると共に、経時的にも安定な品質を有するキャップオフ性能に優れたたものとなる。
また、ペン先に融点が４０〜９５℃のペン先のキャップオフ性を付与するコーティング物質をコーティングした筆記具では、更にインキ中に必要以上のキャップオフ性を付与する物質が溶け出さないため、ガラス等の非吸収面に筆記した際の筆記描線の乾燥時間が早くなる。
更に、ペン先にペン先のキャップオフ性を付与するコーティング物質をコーティングすると共に、更にインキ中にペン先のキャップオフ性を付与するインキ添加物質を添加してなる筆記具では、長時間、大気中にペン先を放置しておいても更なる良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に更に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第１図（ａ）〜（ｎ）は、本発明の繊維芯からなるペン先の構成を説明する説明図であり、第２図（ａ）〜（ｊ）は、本発明のプラスチック芯からなるペン先の構成を説明する説明図である。
第３図は、本発明の筆記具を直液式筆記具に適用した一例を断面態様で示す説明図であり、第４図は、本発明の筆記具をバルブ機構を備えた筆記具に適用した一例を断面態様で示す説明図である。
第５図及び第６図は、夫々本発明の筆記具をインキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させたタイプの例を断面態様で示す説明図であり、第７図は、本発明の筆記具をインキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させたタイプの他例を断面態様で示す説明図である。
第８図は、本発明の筆記具をノック式の筆記具に適用した一例を断面態様で示す説明図である。
第９図は、本発明の実施例及び比較例に使用したペン先構成を説明する説明図である。Technical field
The present invention relates to a writing instrument excellent in cap-off performance that has good writing performance even when the nib is left in the atmosphere for a long period of time.
Background art
2. Description of the Related Art Conventionally, writing instruments such as a marking pen, a sign pen, a brush pen, and the like that are written by penetrating ink into a pen tip made of a fiber core or a plastic core are widely used.
However, when the cap is removed and the nib portion is left in the atmosphere for a long time, there is a problem that the nib portion dries and writing failure occurs.
Conventionally, as a writing instrument such as a marking pen, a sign pen, and a brush pen with excellent cap-off performance, for example, a specific polyglycerin higher fatty acid ester and a specific acid phosphate higher alcohol ester that enable evaporation to be suppressed in ink And an additive such as a salt thereof, a specific higher phosphorous acid ester of phosphorous acid, and a specific decaglycerin stearic acid ester (Japanese Patent Publication No. 62-34352, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-61). No. 261380).
However, many additives having a high evaporation inhibiting effect have a solubility in a solvent of 10% by weight or less, and have a problem in that the solubility is low. In particular, the solubility at 0 ° C. is 5% by weight or less, and at low temperatures. Preservation or precipitation of the above additives in the ink due to repeated low and high temperatures, causing clogging in the ink flow path and reducing writability, etc. There are challenges.
On the other hand, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-242094, after the writing instrument is manufactured, the volatilization of the ink solvent from the writing part in the period until the first writing is effectively suppressed, and writing defects in the unused state occur. In order to prevent this from happening for a long time, one end of the writing core made of the porous core material was inserted into an ink occlusion body storing ink prepared by dissolving a dye in a solvent, and the other end was formed in the writing section. In the writing instrument, a method for preventing drying of the writing instrument is disclosed, wherein a high boiling point solvent such as benzyl alcohol having a low volatilization rate is previously applied or impregnated in the writing part of the writing core.
However, the method for preventing drying of a writing instrument disclosed in this publication is intended to prevent drying in the period from the manufacture of the writing instrument to the first writing, and is a benzyl alcohol having a slow volatilization rate among ink solvents. Therefore, it does not serve to prevent drying of the writing part after writing, and is different from the present invention in its purpose, action, and configuration (technical idea). In addition, benzyl alcohol used in the method for preventing drying of the writing instrument is a liquid at room temperature and is arbitrarily mixed with a solvent, and if left for a long period of time, it is taken into the ink occlusion body by the diffusion of the solution and has an effect. There is a problem in that it is almost lost, and benzyl alcohol and the like will flow out with a single writing, so the effect is not shown until the ink runs out.
Accordingly, for writing instruments such as marking pens, sign pens, and brush pens having a nib made of a fiber core or a plastic core, there is a demand for a writing instrument that has good storage stability at low temperatures and whose cap-off performance does not deteriorate over time. In addition, due to forgetting to wear the cap, etc., there is a need for a writing instrument that does not cause writing damage even when the pen tip is left in the atmosphere for a long period of time and can obtain excellent writing performance. is there.
The present invention is to solve this problem in view of the above-mentioned prior art, has a good storage stability at a low temperature, is not clogged in the ink flow path, and is kept in the atmosphere for a long time. It is an object of the present invention to provide a writing instrument with excellent cap-off performance that realizes good writing performance even when the pen tip is left unattended.

Disclosure of the invention
As a result of intensive studies on the above-mentioned problems of the prior art, the present inventors have used a writing instrument such as a marking pen, a sign pen, and a writing pen with excellent cap-off performance. The present invention is completed by finding that the above-mentioned writing instrument can be obtained by, for example, coating the nib with an additive having an evaporation-inhibiting action that hardly dissolves in a solvent in a nib composed of a fiber core or a plastic core. It came to.
That is, the writing instrument excellent in the cap-off performance of the present invention exists in the following (1) to (8).
(1) In a writing instrument having a nib made of a fiber core or a plastic core, the pen nib is solid at room temperature among substances that impart cap-off properties of the nib and has solubility in an ink solvent at room temperature. A writing instrument excellent in cap-off performance, characterized in that it is 10% or less and is coated with a substance that regenerates constantly at the tip of the pen and forms a regenerated film that is torn during writing.
(2) The writing instrument excellent in cap-off performance as described in (1) above, wherein the coating substance has a melting point of 40 to 95 ° C.
(3) At least one coating material selected from glycerin derivatives, alkyl phosphate esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, polyoxyethylene sorbit fatty acid esters, paraffin wax, microcrystalline wax, polyolefin wax, pentaerythritol derivatives, and lecithin A writing instrument excellent in cap-off performance according to the above (1) or (2).
(4) The writing instrument excellent in cap-off performance according to any one of (1) to (3), wherein the coating amount is 0.01 to 20% by weight with respect to the pen tip.
(5) Among the substances that impart cap-off properties in the ink of the writing instrument, the substance that is solid at room temperature and has a solubility in the ink solvent of 0.01 to 10% at room temperature is based on the total amount of ink. A writing instrument excellent in cap-off performance according to any one of (1) to (4), wherein 0.01 to 10% by weight is added.
(6) Glycerin derivatives, alkyl phosphate esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, polyoxyethylene sorbite fatty acid esters, paraffin wax, microcrystalline wax, polyolefin wax, pentamer are added to the ink and impart cap-off properties. The writing instrument excellent in cap-off performance according to any one of (1) to (5), which is at least one selected from an erythritol derivative and lecithin.
(7) The writing instrument according to any one of the above (1) to (6) includes an ink tank portion that serves as a shaft body that directly stores ink, and a collector member that temporarily stores ink. A writing instrument excellent in cap-off performance, which is composed of a direct liquid writing instrument in which the ink is led out from the ink tank portion to the nib directly or via a relay core.
(8) The writing instrument according to any one of the above (1) to (6) has an ink occlusion body in which ink is occluded in a shaft body, and ink derivation from the ink occlusion body to the pen tip is performed directly or A writing instrument with excellent cap-off performance, consisting of a writing instrument that runs through a relay core.
(9) The writing instrument according to any one of the above (1) to (7) has an ink occlusion body in which ink is occluded in a shaft body, and the ink derivation from the ink occlusion body to the pen tip is directly or A writing instrument with excellent cap-off performance, consisting of a writing instrument that runs through a relay core.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In order to describe the present invention in more detail, this will be described with reference to the accompanying drawings.
The writing instrument excellent in cap-off performance according to the first embodiment of the present invention is a writing instrument having a nib made of a fiber core or a plastic core, and is a room temperature among substances that impart cap-off property of the nib to the nib. It is characterized in that it is solid and has a solubility in an ink solvent of 10% or less at room temperature, and is coated with a substance that forms a regenerated film that is always regenerated on the pen tip and broken at the time of writing. .
Moreover, the writing instrument excellent in the cap-off performance of the second embodiment is a writing instrument having a nib made of a fiber core or a plastic core, and the melting point ( mp) is 40 to 95 [deg.] C., and a substance having the above-mentioned characteristics that has a solubility in an ink solvent of 10% or less at room temperature is coated.
Furthermore, the writing instrument excellent in the cap-off performance of the third embodiment is a writing instrument having a nib made of a fiber core or a plastic core, and at room temperature among substances that impart cap-off property of the nib to the nib. A solid, preferably having a melting point (mp) of 40 to 95 ° C. and coated with a substance having the above-mentioned properties that has a solubility in an ink solvent of 10% or less at room temperature, and is further capped off in the ink of the writing instrument. Among these substances, a substance that is solid at room temperature and has a solubility in an ink solvent of 0.01 to 10% at room temperature is added.
The coating material used in the first to third embodiments of the present invention (hereinafter, these three embodiments are simply referred to as “embodiments”) is a room temperature (25 ° C.) among materials that impart cap-off properties of the nib. , The same shall apply hereinafter) and the solubility in the ink solvent at room temperature is 10% or less, preferably 5% or less, more preferably 1% or less. The lower limit of these solubility values is: Although it contains 0%, it is preferably 0.01% or more, more preferably 0.1% or more.
Among substances that give cap-off properties of the nib, those that are liquid at room temperature or those that have a solubility in the ink solvent of more than 10% at room temperature will be dissolved into the ink solvent due to dissolution and diffusion action. The effect is reduced by storing the period, or the effect is lost as the ink is reduced by using the pen, and the effect of the present invention cannot be achieved.
The solubility in the ink solvent is 10% or less at room temperature. The solubility of the coating material is 10% at room temperature with respect to the ink solvent used in the present invention (a solvent composed of an organic solvent serving as an ink component described later). It means the following.
A more preferable coating material has the above-mentioned characteristics and has a melting point (mp) of 40 to 95 ° C., preferably 50 to 85 ° C., more preferably among materials imparting cap-off properties of the nib. Is preferably 60 to 75 ° C.
By using a coating material having a melting point of 40 to 95 ° C., that is, in the writing instrument of the second embodiment, since a substance that imparts cap-off properties more than necessary does not dissolve in the ink, it is written on a non-absorbing surface such as glass. When this is done, the drying time of the writing lines will be shortened.
The coating substance used in the embodiment of the present invention has the above characteristics, that is, a solid at room temperature, preferably a melting point of 40 to 95 ° C., and a solubility in an ink solvent of 10% or less at room temperature. For example, diglycerin monostearate, triglycerin monostearate, pentaglyceryl tristearate, hexaglyceryl tristearate, decaglycerin distearate having the above characteristics. Glycerin derivatives such as, alkyl phosphate esters such as polyoxyethylene stearyl phosphate, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters such as polyoxyethylene sorbitan monostearate, polyoxyethylene sorbitan tristearate, polyoxyethylene Polyoxyethylene sorbite fatty acid esters such as sorbitol hexastearate, paraffin wax, microcrystalline wax, pentaerythritol monostearate, pentaerythritol distearate and other pentaerythritol derivatives, lecithin, sucrose ester, polyolefin wax, ascorbic acid stear 1 type, or 2 or more types of mixtures selected from a rate, sorbitan acid stearate, etc. are mentioned.
Preferably, it is solid at room temperature (more preferably, the melting point is 40 to 95 ° C.), and the solubility in a solvent is 10% or less at room temperature. Further, physical friction and ink outflow to the pen tip by writing, etc. From the aspect of making it difficult for the substance that gives the cap-off performance to be released, the harder properties and the lower solubility improve the durability and effect, so diglycerin monostearate, pentaglyceryl tristearate, Polyoxyethylene stearyl phosphate, lecithin, paraffin wax, microcrystalline wax, and polyolefin wax are desirable.
Specific examples of various coating materials having the above characteristics are exemplified as described above (from diglycerin monostearate to sorbitan acid stearate). In these various coating materials, in the second embodiment, among these, In this case, a material having a melting point (mp) within the range of 40 to 95 ° C. is selected.
In the embodiment of the present invention, the coating method of the substance having the above-described properties that imparts cap-off properties to the nib is performed by coating the nib made of a fiber core or a plastic core with a necessary amount to exert the effect of the present invention. If it is, it is not particularly limited, for example, by dissolving in a solvent that dissolves the substance having the above characteristics, dipping or spraying the pen tip, and then drying at warming or room temperature It can be carried out. When the solubility is extremely low, it can be dipped in a warm solution and coated by cooling.
These coating methods are excellent as simple and inexpensive methods.
Examples of the solvent that dissolves the substance having the above characteristics include alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, and isopropyl alcohol (i-propyl alcohol), ethylene glycol monomethyl ether, and ethylene glycol monoethyl ether. , Glycols such as propylene glycol monomethyl ether, ketones such as acetone and methyl ethyl ketone, esters such as methyl acetate, ethyl acetate, butyl acetate, ethylene glycol monomethyl ether acetate and propylene glycol monoethyl ether acetate, dimethyl ether and diethyl ether Ethers, hydrocarbons such as hexane, heptane and methylcyclohexane, chlorine such as chloroform and methylene chloride Such compounds, and the like.
The coating amount of the substance having the above properties on the nib is 0.01 to 20% by weight, preferably 0.1 to 10% by weight, more preferably 0.3 to 0% by weight with respect to the nib. 5% by weight.
If the coating amount is less than 0.01% by weight, the effect of the present invention cannot be achieved. If the coating amount exceeds 20% by weight, the ink flow path of the pen tip cannot be secured and ink is difficult to be produced. This is not preferable because it causes blurring.
In the embodiment of the present invention, the material, structure, manufacturing method, and the like of the nib used are not particularly limited. For example, natural fiber, animal hair fiber, polyacetal resin, acrylic resin, polyester resin, polyamide Resin, polyurethane resin, polyolefin resin, polyvinyl resin, polycarbonate resin, polyester
Parallel fiber bundles made of one or more combinations of tellurium resin, polyphenylene resin, etc., fiber bundles such as felt, or fiber cores obtained by resin processing of these fiber bundles, axial directions of the above various plastic materials Examples include a nib made of a plastic core having ink grooves formed thereon, a porous body fused with the above-mentioned various plastic powders, etc. is there.
Specific examples of the nib made of a fiber core to be used include those shown in FIGS. 1 (a) to (n). Moreover, as an aspect of the ink groove of the nib which consists of the plastic core of FIG. 2 (a) which formed the ink groove in the axial direction of the above-mentioned various plastic materials, for example, FIG. 2 (b) to (j) The thing of the structure shown is mentioned.
When a fiber core is used as the nib in order to obtain a writing instrument with excellent cap-off performance by coating the nib with a substance having the above characteristics, preferably a porosity of 30 to 75% and a slit A diameter of approximately 1 to 20 μm is desirable, and when a plastic core is used as the nib, it is preferable, and an average slit diameter of 20 to 40 μm is desirable. The porosity and the slit diameter are not limited to the above numerical ranges as long as the object of the present invention can be achieved by coating the pen tip with a substance having the above characteristics.
Furthermore, the slit diameter is calculated by the following formula.
Slit diameter = porosity x thread radius / (1-porosity)
The ink used for the writing instrument in the embodiment of the present invention is not particularly limited as long as it is an oil-based ink component that is usually used for a marking pen, a sign pen, a brush pen, etc. For example, a colorant, an organic solvent, the organic Resins soluble in solvents, other additives for writing instruments, and the like can be used.
Examples of the colorant include oil-soluble dyes and pigments, and any oil-soluble dye can be used as long as it is a general oil-soluble dye soluble in an organic solvent. For example, as dyes, Orazo Yellow 2GLN, Orazo Red 3GL, Orazo Blue 2GLN, Neon Zapon Blue FLE, Spirit Black SP, Paris Fast Red 1308, Oil Blue BA, Oil Yellow 185, Oil Red TR71, Oil Black S, Victoria Blue, Rhodamine 6JHSA, Flex Yellow 105 and the like, and the pigment is not particularly limited, and examples thereof include azo pigments, condensed polyazo pigments, phthalocyanine pigments, metal complex pigments, thioindigo pigments, dye lakes. Examples include pigments, organic pigments such as fluorescent pigments, and inorganic pigments such as carbon black and titanium oxide. Further, processed pigments whose surfaces are processed with a resin coating, for example, various types of microlith A type, AS black AS blue, IK red, etc. can also be used. These dyes and / or pigments can be used alone or in admixture of two or more, and the amount used varies depending on the type of colorant and other ink components, but is 1-30 wt. %, Preferably 2 to 15% by weight.
Examples of organic solvents include lower alcohols such as ethyl alcohol, propyl alcohol, and isopropyl alcohol, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, lower aliphatic ketones such as methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone, and ethyl acetate and butyl acetate. Examples include lower alcohol esters of lower fatty acids, fatty acid hydrocarbons such as hexane and heptane, alicyclic hydrocarbons such as cyclohexane and ethylcyclohexane, alkyl alcohols of glycol, glycol ethers such as propylene glycol monomethyl ether, and the like. It can be used alone or in combination of two or more, and the amount used is 50 to 90% by weight, preferably 70 to 85% by weight, based on the total amount of ink.
The resin is used as a film-forming agent, an adhesive to the coated surface, an ink viscosity modifier, and a colorant dispersant. Various conventional and synthetic resins are used. For example, rosin resins such as rosin, ester gum, maleic acid modified rosin and phenol modified rosin, cellulose resins such as ethyl cellulose and nitrocellulose, vinyl resins such as polyvinyl butyral and vinyl chloride-vinyl acetate copolymer resin , Petroleum resin, ketone resin, acrylic resin, aldehyde and urea condensate, maleic acid resin, etc., and these can be used alone or in combination of two or more, and the amount used is , 0.1 to 30% by weight, preferably 1 to 20% by weight, based on the total amount of ink.
Examples of other writing instrument additives include anionic, nonionic and cationic surfactants, preservatives, antifungal agents, rust preventives, lubricants, pH adjusters, and the like.
The ink additive substance that imparts the cap-off property used in the third embodiment of the present invention can be basically the same as the above-mentioned coating substance, and among the substances that impart the cap-off property of the nib. It is solid at normal temperature and has a solubility in an ink solvent of 0.01 to 10% at normal temperature, preferably 0.01 to 5%, more preferably 0.1 to 4%, and still more preferably 0.00. 1 to 3%.
Among ink additives that provide pen-tip cap-off properties, those that are liquid at room temperature or those that have a solubility in the ink solvent of more than 10% at room temperature will elute into the ink solvent due to dissolution and diffusion. Further, it is not preferable because the further effect is lowered by long-term storage or the further effect is lost as the ink is reduced by using a pen.
In addition, the solubility with respect to the said ink solvent is 0.01-10% at normal temperature with respect to the ink solvent (solvent which consists of the organic solvent used as the above-mentioned ink component) for an ink additive substance to 3rd Embodiment of this invention. The solubility means 0.01 to 10% at normal temperature.
As a more preferable ink additive substance, the melting point (mp) is 40 to 95 ° C., preferably 50 to 85 ° C., more preferably 60 to 75 ° C. among the ink additive substances that impart cap-off property of the nib. In addition, the solubility in an ink solvent is 0.01 to 10% at normal temperature, preferably 0.01 to 5%, more preferably 0.1 to 4%, and still more preferably 0.1 to 3%. Is desirable.
The ink additive used in the third embodiment of the present invention has the above characteristics, that is, it is solid at room temperature, preferably has a melting point of 40 to 95 ° C., and has a solubility in an ink solvent of 0.01 at room temperature. It is not particularly limited as long as it has a property of 10%, for example, diglycerin monostearate, triglyceryl monostearate, pentaglyceryl tristearate, hexaglyceryl tristearate having the above properties. Glycerin derivatives such as decaglycerin distearate, alkyl phosphates such as polyoxyethylene stearyl phosphate, polyoxyethylene sorbitan monostearate, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters such as polyoxyethylene sorbitan tristearate, Polyoxyethylene sorbite fatty acid esters such as ciethylene sorbite hexastearate, paraffin wax, microcrystalline wax, pentaerythritol derivatives such as pentaerythritol monostearate, pentaerythritol distearate, lecithin, sucrose ester, polyolefin wax, ascorbic acid One kind or a mixture of two or more kinds selected from stearate, sorbitan acid stearate and the like can be mentioned.
Preferably, since it is solid at room temperature (more preferably, the melting point is 40 to 95 ° C.) and the solubility in a solvent is 0.01 to 10% at room temperature, diglycerin monostearate, pentaglyceryl tri Stearate, polyoxyethylene stearyl phosphate, and lecithin are desirable.
The amount of the ink additive substance having the above characteristics added to the ink is 0.01 to 10% by weight, preferably 0.05 to 5% by weight, and more preferably 0.1% by weight with respect to the total amount of the ink. ˜1% by weight.
If the amount added to the ink is less than 0.01% by weight, the further effect of the present invention cannot be achieved, and if it exceeds 10% by weight, the writing line drying time becomes slow or long. Precipitation occurs in the ink due to storage for a period of time or repetition of low and high temperatures, which causes clogging in the ink flow path and decreases writing performance, which is not preferable.
In the writing instrument according to the third embodiment of the present invention, the coating substance that imparts the cap-off property of the nib is coated, and the ink additive substance that imparts the cap-off characteristic of the nib is further added to the ink. As compared with the writing instrument of the first embodiment or the second embodiment, the effect of the present invention can be further exhibited.
The structure of the writing instrument of the embodiment of the present invention is not particularly limited as long as it is a structure having a nib made of a fiber core or a plastic core that is usually used for a marking pen, a sign pen, a brush pen, etc. The present invention can also be applied to a writing instrument having a cap or a writing instrument not having a writing instrument cap.
In the embodiment of the present invention, it is possible to achieve a writing instrument with excellent cap-off performance that realizes good writing performance even if the pen tip is left in the atmosphere for a long time. For example, FIG. ~ Structure of writing instrument with writing instrument cap shown in Fig. 7, or structure of marking pen, sign pen, brush pen with simple sealing mechanism, and writing instrument cap shown in Fig. 8 are not required The structure of knock type sign pen, marking pen, brush pen, and so on.
FIG. 3 shows a direct liquid type writing instrument. The direct liquid type writing instrument 10 has an ink tank portion 11 that serves as a shaft body that directly stores ink without being occluded by a filling or the like. In the front part, when the air in the ink tank 11 expands due to a temperature rise or the like, an ink reservoir (temporarily retaining the ink pushed out from the ink tank so as not to drop from the pen tip or the air hole) Collector member) 12 is built in, and the tip of the collector member 12 is provided with a pen tip 13 made of a fiber core. Ink derivation from the ink tank unit 11 to the pen point 13 is performed by deriving ink from the ink tank unit 11 to the pen point 13 via a relay core 14 provided with an ink flow path attached to the central hole 12a of the collector member 12. Is done.
In FIG. 3, 15 is a holder member, 16 is a rear shaft fixed to the rear portion of the

ink tank

11, and 17 is a cap. Further, the ink may be led out by arranging the rear portion of the pen tip 13 directly in the ink tank portion 11 without the intermediary core 14 interposed.
The writing instrument 20 in FIG. 4 is a valve-valve type writing instrument having a hard ball 21 serving as a stirring ball, and has an ink tank portion 22 serving as a shaft body that directly stores ink without being occluded in the batting or the like, and has a valve valve mechanism. Ink is supplied to the nib 24 made of a fiber core through the interposition 23. In FIG. 4, 25 is a holder member, 26 is a holding member that is interposed between the valve mechanism 23 and the holder member 25 and holds the rear portion of the

pen point

24, and 27 is a cap.
5 and 6 show a writing instrument of the type in which ink is occluded in an ink occlusion body such as batting. Each of the writing tools 30a and 30b has ink occlusion bodies 32a and 32b in which ink is occluded in a fiber body such as batting in shaft main bodies 31a and 31b which are shaft bodies, and at the front part of the ink occlusion bodies 32a and 32b. Is configured such that the ink of the ink occlusion bodies 32a and 32b is supplied to the pen nibs 34a and 34b by contacting the rear ends 34a and 34b of the nibs 33a and 33b made of fiber cores. 35a and 35b are tail plugs fixed to the rear ends of the

shaft bodies

31a and 31b, and 36a and 36b are caps. The difference between FIGS. 5 and 6 is that the shapes of the shaft bodies 31a and 31b and the pen tips 33a and 33b and the structures of the tail plugs 35a and 35b are slightly different.
FIG. 7 shows a sign pen type writing instrument in which ink is occluded in an ink occlusion body such as batting as in FIG. The writing instrument 40 has an ink occlusion body 42 in which ink is occluded in a fiber body such as batting in a shaft main body 41 serving as a shaft body, and a front end of the ink occlusion body 42 is behind a pen tip 43 made of a plastic core. The ink of the ink occlusion body 42 is supplied to the pen tip 43 by contacting the end 43a. 44 is a tail plug fixed to the rear end of the

shaft body

41, 45 is a holder member, and 46 is a cap.
FIG. 8 shows a knock-type writing instrument in which ink is occluded by an ink occlusion body such as batting, which eliminates the need for a sign pen type cap. The writing instrument 50 includes an inner shaft 53 having an ink occlusion body 52 in which ink is occluded in a fiber body such as batting in a shaft body 51, and a front end of the ink occlusion body 52 is provided behind a nib 54 made of a fiber core. The ink of the ink occlusion body 52 is supplied to the pen tip 54 by contacting the end 54a. Reference numeral 55 denotes a knock portion attached to the rear end portion of the shaft main body 51. By pushing the knock portion 55 forward, the pen tip 54 comes out of the shaft body 51 and enters a writing state, and the release button 55a is operated. Accordingly, the pen tip 54 is accommodated in the shaft body 51.
The writing instrument according to an embodiment of the present invention configured as described above is a solid at room temperature among substances that impart cap-off properties of the nib to the nib made of a fiber core or a plastic core, and preferably has a melting point of 40 to A very brittle film can be formed on the surface of the pen nib by coating each of the above substances that is 95 ° C. and has a solubility in a solvent of 10% or less at room temperature, and this film is included in the ink component. Evaporation of the solvent as a volatile component is prevented, and the film is broken by writing pressure at the time of writing, and writing is possible, and the formation of the film is slightly different depending on the coating amount. When the pen tip coating-off substance is dissolved again in the ink in the required amount and then the pen tip is exposed to the air, it is compatible with the ink solvent. To form a new coating to the pen tip surface by the action, this film-forming → writing → film forming → writing ...... is intended to show the effect repeated many times.
Therefore, the writing instrument according to the embodiment of the present invention has excellent cap-off performance that realizes good writing performance even when the pen tip is left in the atmosphere for a long time, and cap-off is also applied to the ink component. Since it does not contain a component that imparts performance, it has good storage stability at low temperatures and does not cause clogging in the ink flow path.
Moreover, in the writing instrument of 2nd Embodiment, since the substance which provides cap-off property more than necessary in an ink does not melt | dissolve, the drying time of the writing line at the time of writing on non-absorbing surfaces, such as glass, becomes early.
Further, in the writing instrument of the third embodiment, a coating substance that imparts cap-off property of the nib is coated, and an ink additive substance that imparts cap-off property of the nib is added to the ink so as not to deteriorate the writing performance. Since it is added in an amount, a synergistic effect that further synergizes the effects of the writing instrument of the first embodiment or the second embodiment, that is, even better if the pen tip is left in the atmosphere for a long time. The cap-off performance for realizing the writing performance is further improved (these points will be further described in Examples and the like).
Needless to say, the writing instrument of the present invention is not limited to the above embodiment, and can be changed to various forms without departing from the scope of the present invention.
For example, the writing instrument of the present invention is a direct liquid writing instrument that directly stores the ink of the above embodiment without occluding the filling, a writing instrument that includes a valve mechanism, and a writing instrument that has the ink stored in an ink occluding body such as filling. It is not limited, if the nib consisting of a fiber core or a plastic core is coated with various substances of the above characteristics, and further, if the ink additive substance added cap-off performance is added to the ink, It is not particularly limited, and can be applied to applicators such as brush pens, cartridge pens, and cosmetics.
In particular, in the present invention, it is possible to achieve a writing instrument with excellent cap-off performance that achieves good writing performance even when the pen tip is left in the atmosphere with the cap removed for a long time. It can be suitably used for a writing instrument having a structure such as a knock type marking pen, a sign pen, and a brush pen that does not require a cap.
Example
EXAMPLES Next, although this invention is demonstrated in detail based on an Example and a comparative example, this invention is not limited to the following Example.
[Examples 1 to 14 and Comparative Examples 1 to 4 and 6 to 11]
As the nib, the nib shown in FIG. 9 was used. A marking pen (ink amount: 4.5 g) in which this nib is incorporated in FIG. 5 was used.
The nib was a fiber core made of acrylic fiber sliver, and used a weight of 0.19 g, a length of 37 mm, and a diameter of 4.0 mm (porosity of about 60%).
(1) Hexaglyceryl tristearate (melting point 57 ° C), (2) Polyoxyethylene sorbitan monostearate (melting point 53 ° C), (3) Polyoxyethylene stearyl phosphate (melting point 56) ° C), (4) microcrystalline wax (melting point 67 ° C, "Hi-Mic-2045" manufactured by Nippon Seiwa Co., Ltd.), (5) paraffin wax (melting point 61 ° C, "paraffin wax 140" manufactured by Nippon Seiwa Co., Ltd.) did.
Further, the solubility of the above (1) to (5) in ink solvents (solvents consisting of ethyl alcohol, n-propyl alcohol, i-propyl alcohol, propylene glycol monomethyl ether) is room temperature at room temperature, and (1) is 0.4%. 2) was 9%, (3) was 0.1%, (4) was 0.1% or less, and (5) was 0.1% or less.
The coating method involves dissolving the above-mentioned predetermined amount of the coating substance in methylene chloride as a solvent, immersing the nib composed of the fiber core in the preparation solution, heating at 50 ° C. for 1 hour, and then overnight at room temperature. It was cooled and opened in a mesh container to remove the solvent. Next, a pen was dried at room temperature for 1 hour, then at 50 ° C. for 3 hours, and further at room temperature for 3 hours, and a marking pen (ink amount 4.5 g) incorporating the pen point in FIG. 5 was assembled. . The following test was performed on this marking pen.
The coating amount was expressed by the weight percentage with respect to the pen tip weight before the treatment, taking the adhesion amount of the coating agent of the above (1) to (5) on the pen tip as a weight difference of the pen tip before and after the treatment. In Examples and the like, those having the above treatment rates of 1%, 2% and 3% were used.
Moreover, ink (1)-(10) which consists of a composition shown by following Table 1 was used for the ink.
[Comparative Example 5]
The same nib, marking pen, etc. as used members were used in Examples 1 to 14 and Comparative Examples 1 to 4 and 6 to 11.
The pen tip is treated by marking the pen tip in FIG. 5 immediately after immersing the tip of the fiber core in benzyl alcohol (melting point −15.5 ° C.) so that the benzyl alcohol does not dry. (Ink amount 4.5 g) was assembled. The amount of immersion was about 0.2 g although there was variation due to drying of benzyl alcohol and variation in the shape of the nib. The assembled marking pen was left at room temperature for 1 day, and then subjected to the following test.
[Table 1]

For the marking pens obtained in Examples 1 to 14 and Comparative Examples 1 to 11, the following evaluation methods were used for writing performance evaluation, cap-off test after low-temperature storage, cap-off test after writing, drawn line dryness test, and these. An overall evaluation was conducted.
These results are shown in Tables 2 and 3 below.
[Cap off test]
The cap of each marking pen was removed, and the writing performance at 25 ° C. based on the change with time of cap-off time (1 hour to 1 month) was measured according to the following evaluation criteria. In addition, when it is ◎ even after 1 day or more, preferably 3 days or more, it indicates that the cap-off performance is excellent. Evaluation criteria:
◎: Can be written without drowning
○: Slightly drown in writing
Δ: The first line is drowning
▲: 2nd line drowns
×: Cannot be written
[Cap-off test after low-temperature storage]
Each marking pen is allowed to stand at 0 ° C. for 24 hours and then slowly returned to room temperature over 1 day. The cap is removed in the same manner as the above-mentioned writing performance evaluation method, and the writing performance based on the change in cap-off time with time is measured at 25 ° C. In comparison with the evaluation results, the evaluation was made according to the following evaluation criteria.
(Double-circle): It is equivalent to the cap-off performance in 25 degreeC before low-temperature storage.
○: Compared with the cap-off performance at 25 ° C before storage at low temperature,
Pop-off performance is slightly reduced.
×: Compared to the cap-off performance at 25 ° C. before storage at low temperature,
Pop-off performance is significantly reduced.
[Cap-off test after writing]
After writing 100m in each marking pen in an environment of 25 ° C, the cap was removed in the same manner as the cap-off test, and the writing performance based on the change over time of the cap-off time was compared with the evaluation result at 25 ° C. Evaluation was performed according to the following evaluation criteria.
A: Equivalent to before writing (cap-off performance at 25 ° C.).
○: Compared to before writing (cap-off performance at 25 ° C)
Poof performance is slightly reduced.
×: Compared to before writing (cap-off performance at 25 ° C)
Puoff performance is significantly reduced.
[Drawing line dryness test]
Each marking pen was written on glass (20 × 20 × 0.5 cm) in an environment of 25 ° C., and the time until the writing line was completely dried was measured by finger touch.
The drawn line drying property is good (◯) for 30 seconds or less, and extremely good (◎) for 10 seconds or less, and those exceeding 30 seconds are bad (x).
〔Comprehensive evaluation〕
The overall evaluation was performed according to the following evaluation criteria by comprehensively considering the cap-off test, the cap-off test after low-temperature storage, the cap-off test after writing, and the drawn line dryness test.
Overall evaluation criteria:
A: All items are satisfied.
○: The cap-off test after writing is somewhat unsatisfactory,
Other items are satisfactory.
Δ: Cap-off performance and drawn line dryness are satisfactory, but
Items other than are not satisfactory.
X: Cap-off performance and drawn line dryness cannot be satisfied.
[Table 2]

[Table 3]

As is clear from the results of Tables 2 and 3, the marking pens obtained by coating the tip of Examples 1 to 14 with an evaporation inhibitor are Comparative Examples 1 to 11 that are outside the scope of the present invention. Compared with marking pens that do not coat the tip of the pen with an evaporation inhibitor, it has been found that it has good writing performance even if the pen tip is exposed to the atmosphere for a long period of time, and the cap-off test after low-temperature storage is also good. did.
Specifically, Examples 1 to 9 are marking pens obtained by coating the pen tip with an evaporation inhibitor having a different melting point. Examples 10 to 14 are pen tip caps on the pen tip. It is a writing instrument formed by coating a coating substance that imparts off properties and further adding an ink additive material that imparts cap-off properties of the nib to the ink.
In particular, in the writing instrument formed by coating the nib of Examples 10 to 14 with a coating substance that imparts cap-off properties and further adding an ink additive substance that imparts cap-off characteristics of the nib to the ink. Compared to 1-9, it was found that even when the pen tip was left in the atmosphere for a long time, the cap-off performance for realizing better writing performance was further improved.
On the other hand, in Comparative Examples 1 to 11, Comparative Examples 1 and 3 do not coat the pen tip with the evaporation inhibitor, and the ink component is also a normal component. In these cases, It can be seen that 2 hours after the cap-off and 8 hours after that, it is impossible to write.
Further, Comparative Examples 2 and 4 and Comparative Examples 6 to 11 were obtained by dissolving the evaporation inhibitor in the ink component without coating the tip of the evaporation with the evaporation inhibitor. In comparison, the cap-off performance was slightly better, but the cap-off test after low-temperature storage and after writing was both inferior in performance, and in Comparative Example 4 or 9, the drawn line dryness also deteriorated. I understood.
Furthermore, the comparative example 5 uses the pen tip which carried out the conventional high boiling-point solvent (benzyl alcohol) immersion treatment, The cap-off performance is not good also in this case, The cap-off test after low-temperature storage and after writing is It was found that the performance was lowered and the drawn line dryness was also deteriorated.
Industrial applicability
As described above, the writing instrument according to the present invention has excellent writing properties even when the nib is left in the atmosphere for a long period of time, and has excellent cap-off performance with stable quality over time. It becomes.
In addition, in a writing instrument in which a coating material that imparts cap-off property of a nib with a melting point of 40 to 95 ° C. is coated on the nib, since a substance that imparts cap-off property more than necessary does not dissolve in the ink, glass When writing on a non-absorbing surface, etc., the writing time of the drawn lines becomes faster.
Furthermore, in the writing instrument in which the pen tip is coated with a coating material that imparts the cap-off property of the pen tip and the ink additive material that imparts the cap-off property of the pen tip is added to the ink, Even if the pen tip is left unattended, the cap-off performance that achieves better writing performance is further improved.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1 (a) to (n) are explanatory views for explaining the structure of a nib made of the fiber core of the present invention, and FIGS. 2 (a) to (j) are made of the plastic core of the present invention. It is explanatory drawing explaining the structure of a nib.
FIG. 3 is an explanatory view showing an example in which the writing instrument of the present invention is applied to a direct liquid writing instrument in a cross-sectional form, and FIG. 4 is a sectional view of an example in which the writing instrument of the present invention is applied to a writing instrument having a valve mechanism. It is explanatory drawing shown in an aspect.
FIG. 5 and FIG. 6 are explanatory views showing examples of the type in which the writing instrument of the present invention is occluded in an ink occlusion body such as batting in a cross-sectional form, and FIG. 7 shows the writing instrument of the present invention. It is explanatory drawing which shows other examples of the type which made ink occluded bodies, such as batting, occlude in a cross-sectional aspect.
FIG. 8 is an explanatory view showing an example in which the writing instrument of the present invention is applied to a knock-type writing instrument in a cross-sectional form.
FIG. 9 is an explanatory diagram for explaining the pen tip configuration used in the examples and comparative examples of the present invention.

Claims

In fiber維芯or writing instrument having a pen tip made of plastic core, to the pen tip, which is solid at room temperature in a material which imparts a nib of the cap-off property, and 10% solubility in the ink solvent at room temperature A writing instrument with excellent cap-off performance, which is coated with a substance that regenerates the nib at all times and forms a regenerated film that is torn during writing.

The writing instrument according to claim 1, wherein the coating material has a melting point of 40 to 95 ° C.

The coating material is at least one selected from glycerin derivatives, alkyl phosphate esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, polyoxyethylene sorbit fatty acid esters, paraffin wax, microcrystalline wax, polyolefin wax, pentaerythritol derivatives, and lecithin. Item 3. A writing instrument excellent in cap-off performance according to item 1 or 2 .

The writing instrument according to any one of claims 1 to 3 , wherein the coating amount is 0.01 to 20% by weight with respect to the pen tip.

Is solid at ambient temperature in a material which imparts cap off property in the ink of the brush Kigu and substance solubility in ink solvent is 0.01% to 10% at normal temperature, respect to the total amount of the ink, 0 The writing instrument excellent in cap-off performance according to any one of claims 1 to 4 , wherein 0.01 to 10% by weight is added.

Substances imparting cap-off properties added to the ink are glycerin derivatives, alkyl phosphate esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, polyoxyethylene sorbit fatty acid esters, paraffin wax, microcrystalline wax, polyolefin wax, pentaerythritol derivatives, The writing instrument excellent in cap-off performance according to any one of claims 1 to 5 , wherein the writing instrument is at least one selected from lecithin.

The writing instrument as claimed in any one of invoiced claim 1-6, which has an ink tank portion as a shaft for reserving the ink directly, temporarily has a collector member for Hotamari the ink, an ink tank portion A writing instrument excellent in cap-off performance comprising a direct liquid writing instrument in which the ink is led out directly from the nozzle to the pen tip or via a relay core.

The writing instrument as claimed in any one of invoiced claim 1-6, having an ink occlusion body that occludes ink to the shaft body, the ink derived to the pen tip from the ink occlusion body directly or via a wick A writing instrument with excellent cap-off performance made of writing instruments.