JP4458604B2 - 金型および金型の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブランク材を所望の形状に曲げ成形するプレス成形金型或いはブランク材を絞り成形しその周縁を縁切りするトリミング金型などの金型および係る金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のボディは、ブランク材をプレス成形したり絞り成形或いはトリミング成形することで得られる。斯かる成形を行う金型は一般に鋳鉄製や鋳鋼製であり、剛性が高く数十万ショットにも耐えられるが、金型製作にかかる費用が高くなる。
【0003】
そこで、多品種少量生産に向く金型として、亜鉛合金を母材とした金型が、特開平5−84591号公報、特開平5−195121号公報および特開平5−208296号公報に開示されている。
【0004】
即ち、特開平5−84591号公報には、アルミニウムと銅を含む亜鉛合金に、マグネシウムとアルミニウムを含むビッカース硬度150以上の亜鉛合金を肉盛り溶接することが開示されている。
また特開平5−195121号公報には、プレス金型用の亜鉛合金として、アルミニウムが9.5〜30wt%、銅が6.0〜20wt%、マグネシウムが0.01〜0.2wt%、残部を亜鉛としたものが提案されている。
また特開平5−208296号公報には、プラスチックの成形金型の母材として亜鉛合金を用いることと、この金型の補修用の溶加材としてSi等を含むアルミ合金が提案されている。
【0005】
上記亜鉛合金は加工性等に優れるが柔らかいため、切り刃等を設けるには異種金属を特定部位に設けなければならない。この手段としてめっき、蒸着、スパッタリング等が考えられるが形成される異種金属膜の厚みが薄く耐久性に劣り、コスト的にも不利である。
【0006】
尚、特許第2838657号公報に開示されるように、金型のエッジ部に開先を形成し、この開先に高硬度の溶加材を用いて肉盛り溶接を行い、この後グラインダにて研削する手段も考えられる。しかしながら、亜鉛合金に直接溶接できる材料としてはCu系かZn系しかない。一方、Cu系かZn系の材料で切り刃等として使用するのに十分な硬度を有するものは存在しない。そこで、本出願人は本出願と並行して、肉盛り溶接を下盛りと上盛りとに分け、下盛り用の溶加材として亜鉛合金に溶接可能な銅系材料を用い、上盛り用の溶加材として十分な硬度を有するとともに銅系材料(下盛り)に溶接可能なニッケル系材料を用いる提案を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図4(a)は特許第2838657号公報に示された開先の形状であり、同図(b)は同じく従来の開先の形状を示すものである。
これら従来の開先形状であると、図5(a)及び(b)に示すように母材の開先100に下盛り101を形成する際に、下盛り101が滑って落下する不利がある。
【0008】
上記の肉盛り材の落下を防止する手段として、特開平6−297055号公報に開示されるものがある。この公報では、金型に溝を形成し、この溝に肉盛り材を溶接した後、金型側面を肉盛り材が露出するまで研削することが開示されている。しかしながら、金型側面を研削するのは、極めて大掛かりな装置が必要となり、且つ時間もかかる。
【0009】
また、従来にあっては開先の幅は、溶接の1ビード分がのれば十分であったため狭く、ニッケル系材料を用いて上盛り溶接しようとすると、母材と上盛りとが接触し、接触箇所でスパッタが飛び溶接不良となることがある。また、開先の幅が十分でないと上盛りを形成する際に多量に発生するガスの逃げ場がなく、このガスを巻き込んでブローホールが形成されてしまう。
【0010】
上記の問題は単に開先の幅を大きくすれば解決できる問題ではない。即ち単に開先の幅を大きくすると、開先の中央部で上盛りと母材とが接触しやすくなり、また肉盛り部が全体的に大きくなるので後加工も面倒になる。更に、単に開先を大きくしても下盛りの落下を有効に防止することにはならない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明に係る金型は、アルミニウム・銅系亜鉛合金を母材とした上型及び下型からなり、これら上型及び下型のエッジ部に形成された開先に肉盛り溶接にて切り刃等の硬化部が形成され、更に、前記開先の形状は、上下方向寸法が溶接ビードのほぼ1パス分、幅方向寸法が溶接ビードのほぼ2パス分とされ、更に幅方向外側に溶接ビードのほぼ1パス分の平坦部が設けられ、また前記肉盛り溶接は開先全体を覆う銅系材料からなる下盛り溶接と、型本体に非接触となるように下盛り溶接の上に形成されるニッケル系材料からなる上盛り溶接とで構成した。
【0012】
銅系材料であれば亜鉛合金とニッケル系材料の双方に対して溶接可能であり、銅系材料を下盛りとし、この下盛りの上にニッケル系材料を上盛りすることで、高硬度の肉盛りを行うことが可能になる。そして、特に開先の形状として、上記の形状とすることで、下盛りの落下、母材と上盛りとの接触によるスパッタの発生およびブローホールの発生を防止することができる。
【0013】
前記亜鉛合金に溶接可能な銅系材料としては、純銅、アルミ青銅、シリコン青銅等が挙げられるが、溶接性ではシリコン青銅が最も好ましい結果が得られた。また、シリコン青銅の具体的な成分割合としては、Si(珪素)が1.0〜8.0wt%、Mn(マンガン)が0.3〜4.0wt%、Pb(鉛)が0.03〜4.5wt%、Al(アルミニウム)が0.03〜11.0wt%、Ni(ニッケル)が0.03〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜6.0wt%、Cu(銅)が残部であることが好ましい。
【0014】
Si(珪素)は脱酸に必要な元素であり、同時に硬度上昇元素でもある。Siが1.0wt%未満では脱酸不足でブローホールが発生しやすくなり、8.0wt%を超えると一相組織ではなく多くの相が析出し脆化する。
Mn(マンガン)は脱酸及び脱硫に必要な元素である。Mnが0.3wt%未満では添加の効果が現れず、4.0wt%を超えて添加してもそれ以上の効果は得られない。
Pb(鉛)は切削向上元素である。Pbが0.03wt%未満では添加の効果が殆どなく、4.5wt%を超えると過剰となり、溶接割れが発生しやすくなる。
Al(アルミニウム)は着色剤であり、Alが増加すると銅赤色から黄金色になり、また硬度上昇元素でもある。Alが0.03wt%未満では添加の効果が殆どなく、11.0wt%を超えると硬度伸び共に低下する。
Ni(ニッケル)は硬度上昇に有効な元素である。Niが0.03wt%未満では添加の効果が殆どなく、7.0wt%を超えると過剰になって硬度が低下する。
Fe(鉄)は結晶粒を微細化し硬度を増加する元素である。Feが0.03wt%未満では添加の効果が殆どなく、6.0wt%を超えても過剰になって添加の効果がない。
【0015】
また、上盛りとなるニッケル系材料の具体的な成分割合としては、B(ホウ素)が1.0〜6.0wt%、Cr(クロム)が5.0〜20.0wt%、Si(珪素)が1.0〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜4.0wt%、Cu(銅)が0.5〜6.0wt%、Ni(ニッケル)が残部とするのが好ましい。
【0016】
B(ホウ素)は結晶粒を微細化し硬度を高める元素である。Bが1.0wt%未満では添加の効果が極めて小さく、6.0wt%を超えると過剰になって溶接割れが発生しやすくなる。
Cr(クロム)は硬度上昇及び高温における耐酸化性を向上する元素である。Crが5.0wt%未満では添加の効果が小さく、20.0wt%を超えると過剰になって加工性が低下する。
Si(珪素)は脱酸性元素であり、湯流れを向上する元素である。Siが1.0wt%未満では湯流れに対する添加効果が小さく、7.0wt%を超えると過剰になって溶接割れが発生しやすくなる。
Fe(鉄)は結晶粒を微細化し硬度を増加する元素である。Feが0.03wt%未満では添加効果が殆どなく、4.0wt%を超えても過剰になって添加効果がない。
Cu(銅)は靱性向上に有効な元素である。Cuが0.5wt%未満では添加効果が殆どなく、6.0wt%を超えると過剰になって靱性が低下し溶接割れが発生しやすい。
【0017】
一方、本発明に係る金型の製造方法は、アルミニウム・銅系亜鉛合金を母材とした金型のエッジ部に、上下方向寸法が溶接ビードの1パス分以上、幅方向寸法が溶接ビードの2パス分以上で幅方向外側に溶接ビードの1パス分以上の平坦部を有する開先を形成し、前記平坦部に銅系溶加材を用いて第1の下盛り溶接を施し、この第1の下盛り溶接を堰として、開先の残りの凹部に銅系溶加材を用いて第2以降の下盛り溶接を施し、次いで前記下盛り溶接の上に型本体に非接触となるようにニッケル系溶加材を用いて上盛り溶接を施すようにした。
このように、先ず平坦部に第1の下盛り溶接にて堰を形成することで、これ以後に下盛りする材料が開先から流れ落ちることがなくなる。
【0018】
また、前記銅系溶加材としては、シリコン青銅からなるものが好ましく、このシリコン青銅の成分割合としては、Si(珪素)が1.0〜8.0wt%、Mn(マンガン)が0.3〜4.0wt%、Pb(鉛)が0.03〜4.5wt%、Al(アルミニウム)が0.03〜11.0wt%、Ni(ニッケル)が0.03〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜6.0wt%、Cu(銅)を残部としたものが好ましいのは前記した通りである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1(a)及び(b)は本発明を適用したトリミング金型装置の切断の前後を説明した図、図2(a)乃至(f)は同トリミング金型の切り刃の形成過程を説明した要部拡大図である。
【0020】
トリミング金型装置は上型1と下型2を備え、上型1は昇降プレート3に上端部が取り付けられ、下型2はベースプレート4上に固定される。上型1内には押えパッド5が昇降自在に支持され、この押えパッド5と昇降プレート3との間にはスプリング6が配置されている。
【0021】
押えパッド5には成形用の凹部5aが形成され、下型2にはワークWを載置する凸部2aが形成されている。また、上型1の下端内周部には切り刃7が設けられ、同じく下型2の上端外周部には切り刃8が設けられている。
【0022】
而して、図1(a)に示すように、ワークWを下型2の凸部2a上に載置した後、昇降プレート3とともに上型1及び押えパッド5を下降せしめる。すると押えパッド5の下端が上型1の下端よりも若干下に出ているので、押えパッド5によりワークWの周縁を下型2の上端外周部に押え付ける。この状態から更に上型1を下降せしめることで、図1(b)に示すように、切り刃7,8によってワークWの周縁を切断する。
【0023】
次に、切り刃の形成方法について図2に基づいて説明する。尚、切り刃7,8の何れも形成方法は同様であるので、下型2の切り刃8についてのみ説明する。先ず、図2(a)に示すように、下型2の上端外周部に開先10をグラインダ等で形成する。この開先10の形状は、上下方向寸法(t1)が溶接ビードのほぼ1パス(p)分、幅方向寸法(t2)が溶接ビードのほぼ2パス分とされ、更に幅方向外側に溶接ビードのほぼ1パス分の平坦部10aが設けられている。
【0024】
ここで、上下方向寸法(t1)を溶接ビードのほぼ1パス(p)分としたのは、(t1)をあまり小さくすると、溶接の際に開先から下盛り材が落下し、(t1)をあまり大きくすると下盛り溶接の回数が増え、後の研削作業が面倒になるからであり、正確に1パス(p)分でなくとも、前後10%であれば差し支えない。
また、幅方向寸法(t2)を溶接ビードのほぼ2パス分としたのは、上盛り溶接の際のガス排出通路を形成するとともに上盛り材と母材と上盛り材との接触を回避するためであり、(t2)をあまり小さくするとガス排出通路の開口が不十分となり、あまり大きくすると前記同様、下盛り溶接の回数が増える不利がある。したがって、正確に2パス(p)分でなくとも、前後10%であれば差し支えない。
更に、平坦部10aの幅を溶接ビードのほぼ1パス分としたのは、後述する第1の下盛り溶接で堰を形成するためであり、正確に1パス(p)分でなくとも、前後10%であれば差し支えない。
【0025】
次いで下型2を予熱して下盛り溶接に備える。予熱温度は最大200℃とする。また予熱方法は下型2全体を熱してもよいが、バーナ等で開先10に沿った部分のみを局所的に加熱してもよい。
【0026】
この後、開先10に沿ってグラインダをかけ、酸化被膜を削り取った後、図2(b)に示すように、平坦部10a上に第1の下盛り溶接11aを施し、この下盛り溶接11aを堰とし開先10に溝部10bを形成し、次いで、図2(c)に示すように、前記溝部10b内に第2の下盛り溶接11bを施す。実施例では下盛り溶接11は第1の下盛り溶接11aと第2の下盛り溶接11bとしたが、溝部10bの容積に応じて第3,第4の下盛り溶接を行ってもよい。
【0027】
ここで、下盛り溶接の条件は、シールドガスにヘリウムまたはアルゴンを用い、120〜150AMPの交流TIG溶接とし、下盛り溶接の溶加材として銅合金を用いる。本実施例では銅合金として、Mn(マンガン)0.84wt%、Si(珪素)3.7wt%、残部をCu(銅)としたものを用いた。
【0028】
ここで、交流TIG溶接としたことで、酸化膜を除去するクリーニング作用が働き、図3(a)、(b)に示すように、下盛りの母材への溶け込みを浅くすることができる。そして、母材への溶け込みを浅くすることで、母材を構成する亜鉛合金成分が下盛りの表面あるいは表面近くまで巻き上がるのを防止することができる。因みに亜鉛合金成分が下盛り中に巻き上がっていると、後述する上盛り溶接の際にスパッタが発生する。
【0029】
銅系材料としては上記の組成のものに限らず、前記した範囲、即ち、Si(珪素)が1.0〜8.0wt%、Mn(マンガン)が0.3〜4.0wt%、Pb(鉛)が0.03〜4.5wt%、Al(アルミニウム)が0.03〜11.0wt%、Ni(ニッケル)が0.03〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜6.0wt%、Cu(銅)が残部としたものが好ましい。
【0030】
以上の手順で、開先10全体を覆うように下盛り11を形成したならば、図2(d)に示すように、下盛り11の厚みをグラインダやNC工作機械にて2mm程度に調整する。
【0031】
次いで、前記同様に少なくとも下盛り11及びその周縁を最大250℃まで加熱し、再びグラインダやNC工作機械を用いて酸化膜を除去した後、図2(e)に示すように、下盛り11の上にTIG溶接にて上盛り12を形成する。この上盛り12は母材に接触しないように形成する。
【0032】
また、上盛り12は下盛り11の一部にのみ重ねて形成され、上面のうち前記溝部10bに相当する部分は下盛り11のみが露出し、この下盛り11は上盛り溶接の熱によって溶融状態に近くなっている。一方、上盛り溶接の際にはガスが発生する。従来であれば、このガスの逃げ場がないのであるが、本発明では上面に下盛り11のみが露出する部分があるので、上盛り溶接の際に発生したガスは下盛り11を通り当該露出する部分から外部に排出される。
【0033】
上盛り溶接の条件は、シールドガスにヘリウムまたはアルゴンを用い、130AMPの直流TIG溶接とし、上盛り溶接の溶加材としてニッケル合金を用いる。本実施例ではニッケル合金としてB(ホウ素)2.3wt%、Si3.2wt%、残部をNi(ニッケル)としたものを用いた。
【0034】
ニッケル合金としては上記の組成のものに限らず、前記した範囲、即ち、B(ホウ素)が1.0〜6.0wt%、Cr(クロム)が5.0〜20.0wt%、Si(珪素)が1.0〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜4.0wt%、Cu(銅)が0.5〜6.0wt%、Ni(ニッケル)を残部としたものが好ましい。
【0035】
ここで、上盛り溶接を直流TIG溶接としたことで、図3(a)、(c)に示すように、上盛り12の下盛り11への溶け込みを深くすることができ、刃先の剥離強度を高めることができる。
【0036】
上盛り12を形成した後、グラインダやNC工作機械で加工することで、図2(f)に示すように、切り刃8を得る。この切り刃8は数万ショットのトリミング成形を行うことができた。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、切り刃等を肉盛り溶接する開先の形状として、上下方向寸法が溶接ビードのほぼ1パス分、幅方向寸法が溶接ビードのほぼ2パス分とされ、更に幅方向外側に溶接ビードのほぼ1パス分の平坦部が設けられた形状としたので、金型母材を亜鉛合金とし、且つ肉盛りを銅系材料からなる下盛り溶接とニッケル系材料からなる上盛り溶接としても、下盛り材が溶接の際に落下することがなく、また、上盛り溶接の際に発生するガスを下盛りを介して排出することができるので、ブローホール等の溶接欠陥が生じにくく、剥離強度に優れた切り刃などを肉盛り溶接で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明を適用したトリミング金型装置の切断の前後を説明した図。
【図2】(a)乃至(f)は同トリミング金型の切り刃の形成過程を説明した要部拡大図。
【図3】(a)は切り刃の部分の金属組織を示す写真(1倍)、(b)は(a)のB部を拡大(100倍)した写真、(c)は(a)のC部を拡大(100倍)した写真。
【図4】(a)及び(b)は従来の開先の形状を示す図。
【図5】(a)及び(b)は従来の問題点を指摘した図。
【符号の説明】
1…上型、2…下型、2a…凸部、3…昇降プレート、4…ベースプレート、5…押えパッド、5a…凹部、6…スプリング、7,8…切り刃、10…開先、11…下盛り、12…上盛り。
Claims (2)
- アルミニウム・銅系亜鉛合金を母材とした上型及び下型からなり、これら上型及び下型のエッジ部に形成された開先に肉盛り溶接部にて切り刃等の硬化部が形成された金型において、
前記開先(10)の形状は、上下方向寸法が溶接ビードの1パス分、幅方向寸法が溶接ビードの2パス分とされ、更に幅方向外側に溶接ビードの1パス分の平坦部が設けられ、また前記肉盛り溶接部として、開先全体を覆うSi(珪素)が1.0〜8.0wt%、Mn(マンガン)が0.3〜4.0wt%、Pb(鉛)が0.03〜4.5wt%、Al(アルミニウム)が0.03〜11.0wt%、Ni(ニッケル)が0.03〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜6.0wt%、Cu(銅)を残部とする銅系材料からなる下盛り溶接部と型本体に非接触となるように下盛り溶接部の上に形成されるB(ホウ素)が1.0〜6.0wt%、Cr(クロム)が5.0〜20.0wt%、Si(珪素)が1.0〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜4.0wt%、Cu(銅)が0.5〜6.0wt%、Ni(ニッケル)を残部とするニッケル系材料からなる上盛り溶接部が施され、前記下盛り溶接部(11)は第1の下盛り溶接部(11a)とこの下盛り溶接部(11a)によって開先(10)に形成される溝部(10b)を埋める第2の下盛り溶接部(11a)からなり、前記下盛り溶接部(11)における溝部(10b)に相当する部分が露出するように構成されることを特徴とする金型。 - アルミニウム・銅系亜鉛合金を母材とした金型のエッジ部に、上下方向寸法が溶接ビードの1パス分、幅方向寸法が溶接ビードの2パス分で幅方向外側に溶接ビードの1パス分の平坦部(10a)を有する開先(10)を形成し、前記平坦部にSi(珪素)が1.0〜8.0wt%、Mn(マンガン)が0.3〜4.0wt%、Pb(鉛)が0.03〜4.5wt%、Al(アルミニウム)が0.03〜11.0wt%、Ni(ニッケル)が0.03〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜6.0wt%、Cu(銅)を残部とする銅系溶加材を用いて第1の下盛り溶接(11a)を施し、この第1の下盛り溶接を堰として、開先の残りの凹部に前記銅系溶加材を用いて第2の下盛り溶接(11b)を施し、次いで第2の下盛り溶接部のみが露出するようにB(ホウ素)が1.0〜6.0wt%、Cr(クロム)が5.0〜20.0wt%、Si(珪素)が1.0〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜4.0wt%、Cu(銅)が0.5〜6.0wt%、Ni(ニッケル)を残部とするニッケル系溶加材を用いて上盛り溶接を施すことを特徴とする金型の製造方法。
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