JP2001232466A - 金型の製造方法 - Google Patents

金型の製造方法

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JP2001232466A
JP2001232466A JP2000043717A JP2000043717A JP2001232466A JP 2001232466 A JP2001232466 A JP 2001232466A JP 2000043717 A JP2000043717 A JP 2000043717A JP 2000043717 A JP2000043717 A JP 2000043717A JP 2001232466 A JP2001232466 A JP 2001232466A
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Toshiyuki Usui
敏之 臼井
Toru Uchida
徹 内田
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅系溶加材を用いた下盛り溶接と、ニッケル
系溶加材を用いた上盛り溶接を、最適な条件で金型の開
先に施す。 【解決手段】 下盛りを交流TIG溶接としたことで、
酸化被膜を除去するクリーニング作用が働き、平滑な肉
盛りが可能になり、下盛りの母材への溶け込みを浅くす
ることができ、スパッタの発生を防止でき、一方、上盛
りを直流TIG溶接としたことで、溶け込みが深くなり
溶着性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブランク材や中間
品にドロー(絞り成形)、トリミング(裁断)、ベント
(曲げ成形)或いはピアス(孔打抜き)の各工程を施す
際に使用する金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディは、ブランク材をプレス
成形したり絞り成形或いはトリミング成形することで得
られる。斯かる成形を行う金型は一般に鋳鉄製や鋳鋼製
であり、剛性及び耐久性に優れるが、金型製作にかかる
費用が高く、補修も簡単に行うことができない。
【0003】一方最近では顧客のニーズも多様化し、多
品種少量生産の傾向にある。この傾向に適した金型とし
て、亜鉛合金を母材とした金型が特開平5−84591
号公報に提案されている。この先行技術にあっては、亜
鉛合金金型は硬度が不十分であるため、プレス成形時や
射出成形時に一部が摩耗するので、この摩耗する部分に
所定の硬度を持つ硬質亜鉛合金を肉盛りすることを提案
している。
【0004】亜鉛合金金型に関しては他にも先行技術が
あり、特開平5−195121号公報には、プレス金型
用の亜鉛合金として、アルミニウムが9.5〜30wt%、銅が
6.0〜20wt%、マグネシウムが0.01〜0.2wt%、残部を亜鉛
としたものが提案されている。また、特開平5−208
296号公報には、プラスチックの成形金型の母材とし
て亜鉛合金を用いることと、この金型の補修用の溶加材
としてSi等を含むアルミ合金が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術によれ
ば、金型の一部を硬化せしめたり金型全体を硬化するこ
とができるが、車体パネルのような鋼板をトリミングし
たり成形する金型の切り刃としては、硬度が不足する。
したがって、従来技術もプラスチック製品のプレス成形
や射出成形用の金型に限定されている。
【0006】一方、高硬度のニッケル合金を亜鉛合金金
型の一部に肉盛り溶接できれば、上記の問題は発生しな
いが、亜鉛合金に溶接できる材料としてはCu系かZn系
しかなく、Cu系かZn系の材料で切り刃等として使用す
るのに十分な硬度を有するものは存在しない。そこで、
本出願人は先に亜鉛合金金型の一部に高硬度材をめっき
によって成膜せしめる技術を提案した(特願平11−2
22918号)。
【0007】肉盛り溶接の代りに上記しためっき、或い
は蒸着やスパッタリングによっても高硬度被膜を母材表
面に形成することができる。しかしながら、何れの方法
によっても切り刃として十分な耐久性を発揮できる厚さ
まで形成するのは困難で、コストも高くなる。
【0008】そこで、本発明者らは鋭意研究の結果、銅
系材料であれば亜鉛合金とニッケル系材料の双方に対し
て溶接可能であり、銅系材料を下盛りとし、この下盛り
の上にニッケル系材料を上盛りすることで、切り刃等に
なる高硬度の肉盛りを行うことが可能になるという知見
を得た。上記の2段階の肉盛りは極めて有効であるが、
溶接効率については改善の余地が残されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題、即ち、亜鉛合
金に銅系材料を下盛りし、この下盛りの上にニッケル系
材料を上盛りする際の溶接効率を高めるため、本発明に
係る金型の製造方法は、アルミニウム・銅系亜鉛合金を
母材とした金型に開先を形成し、開先上に銅系溶加材を
用いて下盛り溶接を施し、この下盛り上にニッケル系溶
加材を用いて上盛り溶接を施し、この後、下盛り及び上
盛りからなる肉盛り溶接部を所定の形状に研削加工する
金型の製造方法であって、前記下盛り溶接は交流TIG
溶接にて行い、前記上盛り溶接は直流TIG溶接にて行
うようにした。
【0010】本発明においてTIG溶接を選定したの
は、ミグ溶接やアーク溶接に比べ、ブローホールが発生
しにくいことによる。
【0011】また、下盛りを交流TIG溶接としたこと
で、酸化被膜を除去するクリーニング作用が働き、平滑
な肉盛りが可能になる。即ち、アルミニウム・銅系亜鉛
合金は酸化被膜が形成されやすく、この酸化被膜は溶接
不良の原因となるが、交流TIG溶接では、マイナス極
点が母材表面の酸化物存在部に形成されやすく、酸化物
を高熱によって除去し、更にマイナス極点は次の酸化物
を求めて移動し、同様にして除去すると考えられる。
【0012】また、下盛りを交流TIG溶接とすると、
下盛りの母材への溶け込みを浅くすることができ、母材
を構成する亜鉛合金成分が下盛りの表面あるいは表面近
くまで巻き上がるのを阻止し、スパッタの発生を防止す
ることができる。逆に下盛りを直流TIG溶接すると、
アルミニウム・銅系亜鉛合金は融点が低いため、溶接棒
が溶ける前に母材が溶け、穴があき溶着不良となる場合
がある。
【0013】一方、上盛りを直流TIG溶接としたこと
で、溶着性が向上する。即ち、下盛りは熱伝導が良い銅
系材料からなるため、溶融点に達しにくいが、直流TI
G溶接は電流容量が多く、溶け込みが深いため下盛りを
溶かすことができ、溶着性を向上することができる。
【0014】また、前記交流TIG溶接及び直流TIG
溶接のいずれもヘリウム若しくはヘリウムとアルゴンと
の混合ガスをシールドガスとして用いることが好まし
い。ヘリウムはアルゴンに比べ熱を拡散させないで集中
させるため、亜鉛合金のように熱伝導性の高い材料のT
IG溶接にはヘリウム若しくはヘリウムとアルゴンとの
混合ガスが好ましい。
【0015】また、下盛り及び上盛りを行う前に母材全
体若しくは肉盛りする部分を予熱しておくことで溶着性
を高めることができる。前記下盛り溶接の前に行う予熱
温度としては約200℃が好ましく、上盛り溶接の前に
行う予熱温度としては約250℃が好ましい。
【0016】前記亜鉛合金に溶接可能な銅系材料として
は、純銅、アルミ青銅、シリコン青銅等が挙げられる
が、溶接性ではシリコン青銅が最も好ましい結果が得ら
れた。また、シリコン青銅の具体的な成分割合として
は、Si(珪素)が1.0〜8.0wt%、Mn(マンガン)が0.3
〜4.0wt%、Pb(鉛)が0.03〜4.5wt%、Al(アルミニウ
ム)が0.03〜11.0wt%、Ni(ニッケル)が0.03〜7.0wt
%、Fe(鉄)が0.03〜6.0wt%、Cu(銅)が残部である
ことが好ましい。
【0017】Si(珪素)は脱酸に必要な元素であり、
同時に硬度上昇元素でもある。Siが1.0wt%未満では脱
酸不足でブローホールが発生しやすくなり、8.0wt%を超
えると一相組織ではなく多くの相が析出し脆化する。M
n(マンガン)は脱酸及び脱硫に必要な元素である。Mn
が0.3wt%未満では添加の効果が現れず、4.0wt%を超えて
添加してもそれ以上の効果は得られない。Pb(鉛)は
切削向上元素である。Pbが0.03wt%未満では添加の効果
が殆どなく、4.5wt%を超えると過剰となり、溶接割れが
発生しやすくなる。Al(アルミニウム)は着色剤であ
り、Alが増加すると銅赤色から黄金色になり、また硬
度上昇元素でもある。Alが0.03wt%未満では添加の効果
が殆どなく、11.0wt%を超えると硬度伸び共に低下す
る。Ni(ニッケル)は硬度上昇に有効な元素である。
Niが0.03wt%未満では添加の効果が殆どなく、7.0wt%を
超えると過剰になって硬度が低下する。Fe(鉄)は結
晶粒を微細化し硬度を増加する元素である。Feが0.03w
t%未満では添加の効果が殆どなく、6.0wt%を超えても過
剰になって添加の効果がない。
【0018】また、上盛りとなるニッケル系材料の具体
的な成分割合としては、B(ホウ素)が1.0〜6.0wt%、
Cr(クロム)が5.0〜20.0wt%、Si(珪素)が1.0〜7.0
wt%、Fe(鉄)が0.03〜4.0wt%、Cu(銅)が0.5〜6.0w
t%、Ni(ニッケル)を残部とするのが好ましい。
【0019】B(ホウ素)は結晶粒を微細化し硬度を高
める元素である。Bが1.0wt%未満では添加の効果が極め
て小さく、6.0wt%を超えると過剰になって溶接割れが発
生しやすくなる。Cr(クロム)は硬度上昇及び高温に
おける耐酸化性を向上する元素である。Crが5.0wt%未
満では添加の効果が小さく、20.0wt%を超えると過剰に
なって加工性が低下する。Si(珪素)は脱酸性元素で
あり、湯流れを向上する元素である。Siが1.0wt%未満
では湯流れに対する添加効果が小さく、7.0wt%を超える
と過剰になって溶接割れが発生しやすくなる。Fe
(鉄)は結晶粒を微細化し硬度を増加する元素である。
Feが0.03wt%未満では添加効果が殆どなく、4.0wt%を超
えても過剰になって添加効果がない。Cu(銅)は靱性
向上に有効な元素である。Cuが0.5wt%未満では添加効
果が殆どなく、6.0wt%を超えると過剰になって靱性が低
下し溶接割れが発生しやすい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る金型の製
造方法を工程順に示したブロック図、図2(a)乃至
(f)は本発明に係る金型の製造方法を切り刃の肉盛り
溶接に適用した例を示す図、図3(a)は切り刃の部分
の金属組織を示す写真(1倍)、(b)は(a)のB部
を拡大(100倍)した写真、(c)は(a)のC部を
拡大(100倍)した写真である。
【0021】先ず、図2(a)に示すように、母材(金
型)の上端外周部に開先をグラインダ等で形成する。こ
の開先の形状は、上下方向寸法(t1)が溶接ビードのほ
ぼ1パス(p)分、幅方向寸法(t2)が溶接ビードのほ
ぼ2パス分とされ、更に幅方向外側に溶接ビードのほぼ
1パス分の平坦部が設けられている。
【0022】ここで、上下方向寸法(t1)を溶接ビード
のほぼ1パス(p)分としたのは、(t1)をあまり小さ
くすると、溶接の際に開先から下盛り材が落下し、(t
1)をあまり大きくすると下盛り溶接の回数が増え、後
の機械作業が面倒になるからであり、正確に1パス
(p)分でなくとも、前後10%であれば差し支えな
い。また、幅方向寸法(t2)を溶接ビードのほぼ2パス
分としたのは、上盛り溶接の際のガス排出通路を形成す
るとともに上盛り材と母材と上盛り材との接触を回避す
るためであり、(t2)をあまり小さくするとガス排出通
路の開口が不十分となり、あまり大きくすると前記同
様、下盛り溶接の回数が増える不利がある。したがっ
て、正確に2パス(p)分でなくとも、前後10%であ
れば差し支えない。更に、平坦部の幅を溶接ビードのほ
ぼ1パス分としたのは、後述する第1の下盛り溶接で堰
を形成するためであり、正確に1パス(p)分でなくと
も、前後10%であれば差し支えない。
【0023】次いで、開先の部分をバーナで予熱するか
金型全体を予熱する。予熱温度は約200℃とする。予
熱温度が低くいと溶着不良を生じ、また200℃をあま
り大きく超えると母材が溶解するため、予熱温度は20
0℃近辺が好ましい。
【0024】この後、開先に沿ってグラインダやNC工
作機械で加工して、酸化被膜を削り取った後、図2
(b)に示すように、平坦部上に第1の下盛り溶接を施
し、この下盛り溶接を堰とし開先に溝部を形成し、次い
で、図2(c)に示すように、この溝部内に第2の下盛
り溶接を施す。実施例では第1,第2の下盛り溶接とし
たが、溝部の容積に応じて第3,第4の下盛り溶接を行
ってもよい。
【0025】ここで、下盛り溶接の条件は、シールドガ
スにヘリウムまたはアルゴンを用い、120〜150AM
Pの交流TIG溶接とし、下盛り溶接の溶加材として銅
合金を用いる。本実施例では銅合金として、Mn(マン
ガン)0.84wt%、Si(珪素)3.7wt%、残部をCu(銅)
としたものを用いた。
【0026】下盛り溶接を交流TIG溶接としたこと
で、前記したように、酸化被膜を除去するクリーニング
作用が働き、図3(a)、(b)に示すように、下盛り
の母材への溶け込みを浅くすることができる。そして、
母材への溶け込みを浅くすることで、母材を構成する亜
鉛合金成分が下盛りの表面あるいは表面近くまで巻き上
がるのを防止することができる。因みに亜鉛合金成分が
下盛り中に巻き上がっていると、後述する上盛り溶接の
際にスパッタが発生する。
【0027】また、シールドガスとしてはアルゴン等も
使用可能であるが、ヘリウムはアルゴンに比べ熱を拡散
させないで集中させるため、亜鉛合金のように熱伝導性
の高い材料のTIG溶接にはヘリウムまたはヘリウムと
アルゴンとの混合ガスが好ましい。
【0028】銅系材料としては上記の組成のものに限ら
ず、前記した範囲、即ち、Si(珪素)が1.0〜8.0wt%、
Mn(マンガン)が0.3〜4.0wt%、Pb(鉛)が0.03〜4.5
wt%、Al(アルミニウム)が0.03〜11.0wt%、Ni(ニッ
ケル)が0.03〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜6.0wt%、Cu
(銅)を残部としたものが好ましい。
【0029】以上の手順で、開先全体を覆うように下盛
りを形成したならば、図2(d)に示すように、下盛り
の厚みをグラインダやNC工作機械等で2mm程度に調
整する。尚、下盛りの厚み調整は行わなくてもよい。
【0030】次いで、前記同様に少なくとも下盛り及び
その周縁若しくは金型全体を約250℃まで加熱し、再
びグラインダやNC工作機械を用いて酸化膜を除去した
後、図2(e)に示すように、下盛りの上に直流TIG
溶接にて上盛りを母材に接触しないように形成する。
【0031】ここで、上盛りは下盛りの一部にのみ重ね
て形成され、上面のうち前記溝部に相当する部分は下盛
りのみが露出し、この下盛りは上盛り溶接の熱によって
溶融状態に近くなっている。一方、上盛り溶接の際には
ガスが発生する。従来であれば、このガスの逃げ場がな
いのであるが、本発明では上面に下盛りのみが露出する
部分があるので、上盛り溶接の際に発生したガスは下盛
りを通り当該露出する部分から外部に排出される。
【0032】上盛り溶接の条件は、シールドガスにヘリ
ウムまたはアルゴンを用い、130AMPの直流TIG溶
接とし、上盛り溶接の溶加材としてニッケル合金を用い
る。本実施例ではニッケル合金としてB(ホウ素)2.3w
t%、Si3.2wt%、残部をNi(ニッケル)としたものを用
いた。
【0033】ニッケル合金としては上記の組成のものに
限らず、前記した範囲、即ち、B(ホウ素)が1.0〜6.0
wt%、Cr(クロム)が5.0〜20.0wt%、Si(珪素)が1.0
〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03〜4.0wt%、Cu(銅)が0.5
〜6.0wt%、Ni(ニッケル)を残部としたものが好まし
い。
【0034】シールドガスとしてヘリウムを用いたのは
前記と同様の理由であり、また上盛り溶接を直流TIG
溶接としたので、図3(a)、(c)に示すように、上
盛りの下盛りへの溶け込みを深くすることができ、刃先
の剥離強度を高めることができる。
【0035】次いで、上盛りを形成した後、グラインダ
にて研磨することで、図2(f)に示す切り刃を得た。
この切り刃の刃先の硬度は41.1(HRC)、刃中心
の硬度は37.6(HRC)、下盛りと上盛りの境界部
の硬度は18.9(HRC)、母材と下盛りの境界部の
硬度は80.9(HRB)であり、ハンマーでの打壊テ
ストで割れ、ひびの発生はなかった。
【0036】図4(a)及び(b)は開先の形状に関す
る別実施例を示す図であり、図4(a)に示す開先は、
面取り部と延長部とからなり、面取り部の長さは例えば
5mm、延長部10bの長さは8mm、深さは0.5m
m程度とする。尚、面取り部はC面取りでもR面取りの
いずれでもよい。このように、延長部を設けることで、
剥離強度が高まるとともに、上盛り溶接の際のガスの逃
げ口を確保することができる。
【0037】また図4(b)に示す開先は、上面部に沿
った延長部だけでなく、立壁に沿った延長部を設けてい
る。このように面取り部を挟んで両側に延長部を設ける
ことで、切り刃の剥離強度が更に向上する。
【0038】次に上記によって得られた切り刃を適用し
たトリミング金型装置の構成と作用について、図5
(a)及び(b)に基づいて説明する。トリミング金型
装置は上型1と下型2を備え、上型1は昇降プレート3
に上端部が取り付けられ、下型2はベースプレート4上
に固定される。上型1内には押えパッド5が昇降自在に
支持され、この押えパッド5と昇降プレート3との間に
はスプリング6が配置されている。
【0039】押えパッド5には成形用の凹部5aが形成
され、下型2にはワークWを載置する凸部2aが形成さ
れている。また、上型1の下端内周部には切り刃7が設
けられ、同じく下型2の上端外周部には切り刃8が設け
られている。
【0040】而して、図5(a)に示すように、ワーク
Wを下型2の凸部2a上に載置した後、昇降プレート3
とともに上型1及び押えパッド5を下降せしめる。する
と押えパッド5の下端が上型1の下端よりも若干下に出
ているので、押えパッド5によりワークWの周縁を下型
2の上端外周部に押え付ける。この状態から更に上型1
を下降せしめることで、図5(b)に示すように、切り
刃7,8によってワークWの周縁を切断する。
【0041】尚、実施例にあっては本発明を切り刃に適
用した例を示したが、切り刃以外の硬度を要求される部
位にも本発明を適用することができる。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
アルミニウム・銅系亜鉛合金を母材とした金型に、肉盛
り溶接で切り刃などの硬化部を形成するにあたり、銅系
溶加材を用いて下盛り溶接を施し、この下盛り上にニッ
ケル系溶加材を用いて上盛り溶接し、更に前記下盛り溶
接を交流TIG溶接にて行い、前記上盛り溶接は直流T
IG溶接にて行うようにしたので、剥離強度に優れた硬
化部を効率よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金型の製造方法を工程順に示した
ブロック図。
【図2】(a)乃至(f)は本発明に係る金型の製造方
法を切り刃の肉盛り溶接に適用した例を示す図。
【図3】(a)は切り刃の部分の金属組織を示す写真
(1倍)、(b)は(a)のB部を拡大(100倍)し
た写真、(c)は(a)のC部を拡大(100倍)した
写真。
【図4】(a)及び(b)は開先の形状に関する別実施
例を示す図。
【図5】(a)及び(b)は本発明によって製造された
金型の作用を説明した図。
【符号の説明】
1…上型、2…下型、2a…凸部、3…昇降プレート、
4…ベースプレート、5…押えパッド、5a…凹部、6
…スプリング、7,8…切り刃、10…開先、11…下
盛り、12…上盛り。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 103:10 B23K 103:10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム・銅系亜鉛合金を母材とし
    た金型に開先を形成し、開先上に銅系溶加材を用いて下
    盛り溶接を施し、この下盛り上にニッケル系溶加材を用
    いて上盛り溶接を施し、この後、下盛り及び上盛りから
    なる肉盛り溶接部を所定の形状に機械加工する金型の製
    造方法であって、前記下盛り溶接は交流TIG(tungst
    en inert gas)溶接にて行い、前記上盛り溶接は直流T
    IG溶接にて行うことを特徴とする金型の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の金型の製造方法におい
    て、前記交流TIG溶接及び直流TIG溶接のいずれも
    ヘリウム若しくはヘリウムとアルゴンとの混合ガスをシ
    ールドガスとして用いることを特徴とする金型の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の金型の製造方法におい
    て、前記下盛り溶接の前に溶接下地の温度が約200℃
    となる予熱を行い、前記上盛り溶接の前に溶接下地の温
    度が約250℃となる予熱を行うことを特徴とする金型
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の金型の製造方法におい
    て、前記下盛り溶接用の銅系溶加材はシリコン青銅であ
    ることを特徴とする金型の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の金型の製造方法におい
    て、前記シリコン青銅の成分割合は、Si(珪素)が1.0
    〜8.0wt%、Mn(マンガン)が0.3〜4.0wt%、Pb(鉛)
    が0.03〜4.5wt%、Al(アルミニウム)が0.03〜11.0wt
    %、Ni(ニッケル)が0.03〜7.0wt%、Fe(鉄)が0.03
    〜6.0wt%、Cu(銅)が残部であることを特徴とする金
    型の製造方法。
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