しかしながら、上記デジタルTV放送信号受信装置では、ピクチャーインピクチャー(PinP)の形態で親画面と子画面とを表示する場合に、親画面に表示される字幕によって子画面の映像が遮られることがある。すなわち、デジタルTV放送信号受信装置においては、親画面の映像と子画面の映像とが合成されて合成画像が生成され、生成された合成画像上に字幕等のグラフィックスが描画されるため、グラフィックスの描画領域が子画面の領域と重なった場合には、子画面の映像が遮られるのである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することの可能な放送受信装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために請求項1に記載の放送受信装置は、1のテレビジョン放送を受信する第1受信手段と、他のテレビジョン放送を受信する第2受信手段と、前記第1受信手段によって受信された1のテレビジョン放送に対応する映像である第1映像を親画面としてモニタの予め設定された第1領域に表示すると共に、前記第2受信手段によって受信された他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を子画面としてモニタの前記第1領域内に予め設定された第2領域に表示する映像表示手段と、前記第1受信手段を介して、前記1のテレビジョン放送に対応する字幕の文字情報を取得すると共に、前記第1領域内に予め設定され、前記字幕を表示する領域である第3領域の位置及び大きさを規定する字幕座標情報を取得する字幕取得手段と、前記第2領域の位置及び大きさを規定する子画面座標情報、及び、前記字幕座標情報に基づいて、前記第3領域の少なくとも一部が前記第2領域と重なるか否かを判定する干渉判定手段と、前記干渉判定手段によって前記第3領域の少なくとも一部が前記第2領域と重なると判定された場合に、前記第3領域と前記第2領域との重なりを回避するべく前記第3領域の位置及び大きさの少なくとも一方を変更し、変更後の第3領域の位置及び大きさを規定する新字幕座標情報を生成する字幕位置変更手段と、前記字幕位置変更手段によって生成された新字幕座標情報に基づいて、前記字幕取得手段によって取得された文字情報をモニタに表示する字幕表示手段と、前記干渉判定手段によって前記第3領域の少なくとも一部が前記第2領域と重なると判定された場合に、前記第3領域の位置を、前記第2領域の周辺と隣接する位置であって、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、前記第3領域と前記第2領域との重なりを回避することができるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記第2領域の周辺と隣接する位置であって、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、前記第3領域の移動量が最小となる位置を、前記第3領域の移動先の位置として決定する移動先決定手段と、前記移動先決定手段によって決定された前記第3領域の移動先の位置において、前記第2領域との重なりを回避することが可能な前記第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率を求める倍率算出手段と、を備え、前記移動先決定手段が、前記第3領域の移動量として、移動前の第3領域の中心位置と、移動後の第3領域の内、前記第1領域内に表示される領域の中心位置との距離を求め、前記倍率算出手段が、前記第3領域の内、前記第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に基づいて、前記縮小倍率を求め、前記字幕位置変更手段が、前記第1判定手段によって重なりを回避することができると判定された場合に、前記第3領域の位置を、前記第2領域との重なりを回避することができる位置に変更するべく新字幕座標情報を生成すると共に、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記第3領域の大きさ及び位置を、それぞれ、前記倍率算出手段によって求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、前記移動先決定手段によって決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報を生成し、前記字幕表示手段が、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記字幕取得手段によって取得された文字情報を前記倍率算出手段によって求められた縮小倍率に縮小してモニタに表示することを特徴としている。
請求項2に記載の放送受信装置は、1のテレビジョン放送を受信する第1受信手段と、他のテレビジョン放送を受信する第2受信手段と、前記第1受信手段によって受信された1のテレビジョン放送に対応する映像である第1映像を親画面としてモニタの予め設定された第1領域に表示すると共に、前記第2受信手段によって受信された他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を子画面としてモニタの前記第1領域内に予め設定された第2領域に表示する映像表示手段と、前記第1受信手段を介して、前記1のテレビジョン放送に対応する字幕の文字情報を取得すると共に、前記第1領域内に予め設定され、前記字幕を表示する領域である第3領域の位置及び大きさを規定する字幕座標情報を取得する字幕取得手段と、前記第2領域の位置及び大きさを規定する子画面座標情報、及び、前記字幕座標情報に基づいて、前記第3領域の少なくとも一部が前記第2領域と重なるか否かを判定する干渉判定手段と、前記干渉判定手段によって前記第3領域の少なくとも一部が前記第2領域と重なると判定された場合に、前記第3領域と前記第2領域との重なりを回避するべく前記第3領域の位置及び大きさの少なくとも一方を変更し、変更後の第3領域の位置及び大きさを規定する新字幕座標情報を生成する字幕位置変更手段と、前記字幕位置変更手段によって生成された新字幕座標情報に基づいて、前記字幕取得手段によって取得された文字情報をモニタに表示する字幕表示手段と、前記干渉判定手段によって前記第3領域の少なくとも一部が前記第2領域と重なると判定された場合に、前記第3領域の位置を、前記第2領域の周辺と隣接する位置であって、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、前記第3領域と前記第2領域との重なりを回避することができるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記第3領域の大きさを予め設定された所定の倍率に縮小し、縮小された第3領域の位置を、前記第2領域の周辺と隣接する位置であって、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、縮小された第3領域と前記第2領域との重なりを回避することができるか否かを判定する第2判定手段と、を備え、前記字幕位置変更手段は、前記第2判定手段によって重なりを回避することができると判定された場合に、前記第3領域の位置及び大きさを、前記第2領域との重なりを回避することができる位置及び大きさに変更するべく新字幕座標情報を生成し、前記字幕表示手段は、前記字幕位置変更手段によって生成された新字幕座標情報に基づいて、前記字幕取得手段によって取得された文字情報を前記所定の倍率に縮小してモニタに表示することを特徴としている。
請求項3に記載の放送受信装置は、請求項2に記載の放送受信装置であって、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記第2領域との重なりを回避することが可能な前記第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率を求める倍率算出手段と、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、予め設定されたルールに従って、前記第3領域の移動先の位置を、前記第2領域の周辺と隣接する位置であって、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に決定する移動先決定手段と、備え、前記字幕位置変更手段が、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記第3領域の大きさ及び位置を、それぞれ、前記倍率算出手段によって求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、前記移動先決定手段によって決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報を生成し、前記字幕表示手段が、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記字幕取得手段によって取得された文字情報を前記倍率算出手段によって求められた縮小倍率に縮小してモニタに表示することを特徴としている。
請求項4に記載の放送受信装置は、請求項3に記載の放送受信装置であって、前記移動先決定手段が、前記第2領域の周辺と隣接する位置であって、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、前記第3領域の移動量が最小となる位置を、前記第3領域の移動先の位置として決定し、前記倍率算出手段が、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記移動先決定手段によって決定された位置において、前記第2領域との重なりを回避することが可能な前記第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率を求め、前記字幕位置変更手段が、前記第3領域の大きさ及び位置を、それぞれ、前記倍率算出手段によって求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、前記移動先決定手段によって決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報を生成することを特徴としている。
請求項5に記載の放送受信装置は、請求項4に記載の放送受信装置であって、前記移動先決定手段が、前記第3領域の移動量として、移動前の第3領域の中心位置と、移動後の第3領域の内、前記第1領域内に表示される領域の中心位置との距離を求めることを特徴としている。
請求項6に記載の放送受信装置は、請求項3に記載の放送受信装置であって、前記倍率算出手段が、前記第3領域の位置を、前記第2領域の周辺と隣接する位置であって、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の各位置に移動させた場合に、前記第2領域との重なりを回避することが可能な前記第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率をそれぞれ求め、前記移動先決定手段が、前記倍率算出手段によって求められた4つの縮小倍率の内、最大の縮小倍率に対応する前記第3領域の位置を前記第3領域の移動先の位置として決定し、前記字幕位置変更手段が、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記第3領域の大きさを、前記倍率算出手段によって求められた4つの縮小倍率の内、最大の縮小倍率により規定される大きさに変更するべく新字幕座標情報を生成し、前記字幕表示手段は、前記第1判定手段によって重なりを回避することができないと判定された場合に、前記字幕取得手段によって取得された文字情報を前記倍率算出手段によって求められた4つの縮小倍率の内、最大の縮小倍率に縮小してモニタに表示することを特徴としている。
請求項7に記載の放送受信装置は、請求項3〜請求項6のいずれかに記載の放送受信装置であって、前記倍率算出手段が、前記第3領域の位置を、前記第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置であって、前記第2領域の周辺と隣接する位置に移動させた場合に、前記第3領域の内、前記第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に基づいて、前記縮小倍率を求めることを特徴としている。
本願に記載の放送受信装置によれば、親画面の字幕を表示する領域である第3領域の少なくとも一部が、他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を子画面として表示する領域である第2領域と重なるか否かが判定される。そして、第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域と前記第2領域との重なりを回避するべく第3領域の位置及び大きさの少なくとも一方が変更され、変更後の第3領域の位置及び大きさを規定する新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報がモニタに表示されるため、子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
また、第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、第3領域と第2領域との重なりを回避することができるか否かが判定され、重なりを回避することができると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域との重なりを回避することができる位置に変更するべく新字幕座標情報が生成されるため、簡素な構成で子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、第3領域と第2領域との重なりを回避することができるため、第3領域の表示位置を移動するだけで重なりを回避することができるので、簡素な構成で子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができるのである。
更に、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合に、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められると共に、予め設定されたルールに従って、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に決定される。そして、第3領域の大きさ及び位置が、それぞれ、求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報が、求められた縮小倍率に縮小されてモニタに表示されるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合であっても、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができるのである。
加えて、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、第3領域の移動量が最小となる位置に決定され、決定された位置において、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められる。そして、第3領域の大きさ及び位置が、それぞれ、求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報が最大の縮小倍率に縮小されてモニタに表示されるため、親画面に表示される番組の制作者の意図した位置に近い位置に字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、第3領域の移動量が最小となる位置に決定されるため、親画面に表示される番組の制作者の意図した位置(=親画面の映像の視認に適した位置)に近い位置に字幕を表示することができるのである。
また、第3領域の移動量として、移動前の第3領域の中心位置と、移動後の第3領域の内、第1領域内に表示される領域の中心位置との距離が求められるため、正確に且つ容易に第3領域の移動量を求めることができる。
更に、第3領域の位置を、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置であって、前記第2領域の周辺と隣接する位置に移動させた場合に、第3領域の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に基づいて、縮小倍率が求められるため、適正な縮小倍率を容易に求めることができる。
すなわち、例えば、縮小倍率を、第3領域の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に略一致させることによって、第2領域との重なりを回避することができ、且つ、可能な限り大きな縮小倍率が求められるため、適正な縮小倍率を容易に求めることができるのである。
また、本願に記載の放送受信装置によれば、親画面の字幕を表示する領域である第3領域の少なくとも一部が、他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を子画面として表示する領域である第2領域と重なるか否かが判定される。そして、第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域と前記第2領域との重なりを回避するべく第3領域の位置及び大きさの少なくとも一方が変更され、変更後の第3領域の位置及び大きさを規定する新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報がモニタに表示されるため、子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
また、第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、第3領域と第2領域との重なりを回避することができるか否かが判定され、重なりを回避することができると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域との重なりを回避することができる位置に変更するべく新字幕座標情報が生成されるため、簡素な構成で子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、第3領域と第2領域との重なりを回避することができるため、第3領域の表示位置を移動するだけで重なりを回避することができるので、簡素な構成で子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができるのである。
さらに、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合に、第3領域の大きさを予め設定された所定の倍率に縮小し、縮小された第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、縮小された第3領域と第2領域との重なりを回避することができるか否かが判定される。そして、重なりを回避することができると判定された場合に、第3領域の位置及び大きさを、第2領域との重なりを回避することができる位置及び大きさに変更するべく新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報が所定の倍率に縮小されてモニタに表示されるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合であっても、第3領域の大きさを適正な倍率に縮小する(=第3領域の大きさを縮小する倍率を適正に設定する)ことによって第2領域との重なりを回避することができるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができるのである。
また、本願に記載の放送受信装置によれば、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合に、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められると共に、予め設定されたルールに従って、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に決定される。そして、第3領域の大きさ及び位置が、それぞれ、求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報が、求められた縮小倍率に縮小されてモニタに表示されるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合であっても、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができるのである。
また、予め設定されたルールに従って、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に決定されるため、例えば、縮小倍率を最大とする位置に決定する場合(=予め設定されたルールが、縮小倍率を最大とする位置に決定するものである場合)には、親画面の字幕を大きく表示することができる。また、例えば、第3領域の移動量が最小となる位置に決定する場合(=予め設定されたルールが、第3領域の移動量が最小となる位置に決定するものである場合)には、親画面に表示される番組の制作者の意図した位置に近い位置に字幕を表示することができる。
さらに、本願に記載の放送受信装置によれば、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、第3領域の移動量が最小となる位置に決定され、決定された位置において、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められる。そして、第3領域の大きさ及び位置が、それぞれ、求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報が最大の縮小倍率に縮小されてモニタに表示されるため、親画面に表示される番組の制作者の意図した位置に近い位置に字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、第3領域の移動量が最小となる位置に決定されるため、親画面に表示される番組の制作者の意図した位置(=親画面の映像の視認に適した位置)に近い位置に字幕を表示することができるのである。
また、本願に記載の放送受信装置によれば、第3領域の移動量として、移動前の第3領域の中心位置と、移動後の第3領域の内、第1領域内に表示される領域の中心位置との距離が求められるため、正確に且つ容易に第3領域の移動量を求めることができる。
さらに、本願に記載の放送受信装置によれば、第3領域の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の各位置に移動させた場合に、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率がそれぞれ求められる。そして、求められた4つの縮小倍率の内、最大の縮小倍率に対応する第3領域の位置が第3領域の移動先の位置として決定される。また、第3領域の大きさ及び位置が、それぞれ、求められた4つの縮小倍率の内、最大の縮小倍率により規定される大きさ、及び、決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報が生成され、字幕の文字情報が最大の縮小倍率に縮小されてモニタに表示されるため、親画面の字幕を大きく表示することができる。
すなわち、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の各位置に移動させた場合に、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率がそれぞれ求められ、求められた4つの縮小倍率の内、最大の縮小倍率に字幕の文字情報が縮小されてモニタに表示されるため、親画面の字幕を大きく表示することができるのである。
また、本願に記載の放送受信装置によれば、第3領域の位置を、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置であって、前記第2領域の周辺と隣接する位置に移動させた場合に、第3領域の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に基づいて、縮小倍率が求められるため、適正な縮小倍率を容易に求めることができる。
すなわち、例えば、縮小倍率を、第3領域の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に略一致させることによって、第2領域との重なりを回避することができ、且つ、可能な限り大きな縮小倍率が求められるため、適正な縮小倍率を容易に求めることができるのである。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るデジタル放送受信装置の構成の一例を示すブロック図である。デジタル放送受信機1(放送受信装置に相当する)は、テレビジョン放送を受信し、後述するディスプレイ183及びスピーカ163に出力するものであって、MPU11、RAM12、ROM13、操作部14、受信部15、音声出力部16、MPEG2デコード部17、画像出力部18、及び、画像合成部19を備えている。
MPU(Micro Processing Unit)11は、デジタル放送受信機1全体の動作を制御するものである。RAM(Random Access Memory)12は、音声情報、動画像情報等の情報を読み書き自在に格納するものである。ROM(Read Only Memory)13は、MPU11を動作させる制御プログラム等を格納するものである。
操作部14は、電源のON、OFF操作、選局等の各種操作を受け付けるものである。受信部15は、テレビジョン放送を受信して復調するものであって、1のテレビジョン放送を受信する第1受信部15A(第1受信手段に相当する)と、他のテレビジョン放送を受信する第2受信部15B(第2受信手段に相当する)と、を備えている。第1受信部15Aと第2受信部15Bとは、略同一の構成を有するため、以下の説明においては、特に必要な場合を除いて、両者を区別することなく受信部15と総称する。受信部15は、アンテナ部151、チューナ部152、A/D変換部153、復調部154、及び、TSデマルチプレクサ155を備えている。
アンテナ部151は、テレビジョン放送波を受信するものである。チューナ部152は、アンテナ部151で受信されたテレビジョン放送波から、予め設定されたチャンネルの放送を選局するものである。A/D変換部153は、チューナ部152からの出力信号(=アナログ信号)をデジタル情報に変換するものである。復調部154は、A/D変換部153からの出力情報を復調するものである。TS(Transport Stream)デマルチプレクサ155は、復調部154によって復調された出力情報を種別毎に分離して出力するものである。
音声出力部16は、受信部15によって受信された1のテレビジョン放送(又は他のテレビジョン放送)に対応する音声を出力するものであって、D/A変換部161、音声信号出力部162、及び、スピーカ163を備えている。D/A変換部161は、TSデマルチプレクサ155から出力された音声情報(=デジタル情報)をアナログ信号に変換するものである。音声信号出力部162は、D/A変換部161によってアナログ信号に変換された音声信号を出力するものである。スピーカ163は、音声信号出力部162から出力された音声信号に対応する音声を出力するものである。
MPEG(Motion Picture Experts Group)2デコード部17は、TSデマルチプレクサ155から出力された動画像情報を圧縮前の動画像情報に復号化するものである。
画像出力部18は、MPEG2デコード部17によって復号化された動画像情報を出力するものであって、NTSCエンコード部181、映像信号出力部182、及び、ディスプレイ183を備えている。NTSC(National Television Standards Committee)エンコード部181は、MPEG2デコード部17によって復号化された動画像情報をNTSC方式のテレビジョン信号に変換するものである。映像信号出力部182は、NTSCエンコード部181から出力されたNTSC方式のテレビジョン信号をディスプレイ183に対して出力するものである。ディスプレイ183(モニタに相当する)は、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)等からなり、映像信号出力部182から出力されたテレビジョン信号に対応する動画像を表示するものである。
画像合成部19(映像表示手段の一部、及び、字幕表示手段の一部に相当する)は、第1受信部15Aによって受信された1のテレビジョン放送に対応する映像である第1映像を親画面としてディスプレイ183に表示すると共に、第2受信部15Bによって受信された他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を子画面としてディスプレイ183に表示するべく、画像合成処理を行うものである。すなわち、画像合成部19は、第1受信部15Aによって受信された1のテレビジョン放送に対応する映像である第1映像をディスプレイ183の表示領域全体(第1領域に相当する)に表示する親画面とし、第2受信部15Bによって受信された他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を親画面の一部分の領域(第2領域に相当する)に(例えば、親画面の右部に)表示する子画面として合成して、合成画像を生成するものである(図3参照)。また、画像合成部19は、第1映像と第2映像とが合成された合成画像に、第1受信部15Aによって受信された1のテレビジョン放送に対応する字幕を描画するものである(図3参照)。
次に、デジタル放送受信機1が放送を受信する場合の動作について説明する。まず、送信されてきたデジタル放送波がアンテナ部151で受信される。操作部14を介して選局操作が受け付けられた場合には、チューナ部152によって受信するトランスポンダ(Transponder)の切換が行われる。受信されたデジタル放送波は、A/D変換部153によりデジタル情報に変換され、復調部154によって復調される。
なお、デジタル放送波は、送信側(送信局)からTS(Transport Stream)パケットとして送信される。このTSパケットは、動画像情報、音声情報、字幕情報、制御情報等からなり、これらの情報がTSデマルチプレクサ155によって、分離して出力され、RAM12に格納される。そして、RAM12から読み出された1のテレビジョン放送(又は他のテレビジョン放送)に対応する音声情報がD/A変換部161によってアナログ信号に変換され、音声信号出力部162を介してスピーカ163から音声が出力される。
また、RAM12から読み出された1のテレビジョン放送及び他のテレビジョン放送に対応する動画像情報がMPEG2デコード部17によって圧縮前の動画像情報に復号化され、画像合成部19によって画像合成されて合成画像が生成され、生成された合成画像に1のテレビジョン放送に対応する字幕が描画された後、NTSCエンコード部181によってNTSC方式のテレビジョン信号に変換されて、映像信号出力部182を介してディスプレイ183に動画像(=1のテレビジョン放送及び他のテレビジョン放送に対応する動画像情報がそれぞれ親画面及び子画面として合成された合成動画像)と、1のテレビジョン放送に対応する字幕とが表示される。
図2は、本発明に係るデジタル放送受信機1における主要部の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すデジタル放送受信機1のMPU11は、機能的に、映像表示部111、字幕取得部112、干渉判定部113、第1判定部114、移動先決定部115、倍率算出部116、字幕位置変更部117、及び、字幕表示部118を備えている。
ここでは、MPU11が、図1に示すROM13等に予め格納された制御プログラムを読み出して実行することにより、映像表示部111、字幕取得部112、干渉判定部113、第1判定部114、移動先決定部115、倍率算出部116、字幕位置変更部117、字幕表示部118等の機能部として機能するものである。
また、図1に示すRAM12、ROM13に格納された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に格納され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、半導体メモリ等である。
映像表示部111(映像表示手段の一部に相当する)は、画像合成部19を介して、第1受信部15Aによって受信された1のテレビジョン放送に対応する映像である第1映像を親画面としてディスプレイ183の予め設定された第1領域(ここでは、ディスプレイ183の表示領域全体)に表示すると共に、第2受信部15Bによって受信された他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を子画面としてディスプレイ183の第1領域内に予め設定された第2領域(ここでは、親画面の右部の領域)に表示するものである。
字幕取得部112(字幕取得手段に相当する)は、第1受信部15Aを介して、1のテレビジョン放送に対応する字幕の文字情報を取得すると共に、第1領域(ここでは、ディスプレイ183の表示領域全体)内に予め設定され、字幕を表示する領域である第3領域の位置及び大きさを規定する字幕座標情報を取得するものである。
干渉判定部113(干渉判定手段に相当する)は、子画面を表示する領域である第2領域の位置及び大きさを規定する子画面座標情報、及び、字幕取得部112によって取得された字幕座標情報に基づいて、字幕を表示する領域である第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なるか否か(=干渉が発生するか否か)を判定するものである。
図3は、干渉判定部113による干渉の判定方法の一例を説明する画面図である。ディスプレイ183に表示される画面200には、親画面201、子画面202、及び、字幕領域203が表示されている。親画面201は、第1受信部15Aによって受信された1のテレビジョン放送に対応する映像である第1映像を表示する画面である。子画面202は、第2受信部15Bによって受信された他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を表示する画面である。字幕領域203は、親画面201に対応する(=第1受信部15Aによって受信された1のテレビジョン放送に対応する)字幕を表示するものである。ここでは、字幕領域203の右上部が、子画面202の左下部と重なり(干渉しており)、子画面202の一部が字幕によって遮られる領域である干渉領域204が発生している。
画面200の左上端を基準(=原点)として、右向きにX座標をとり、下向きにY座標をとり、親画面201の左上端(=原点)の座標を(Xmin、Ymin)、親画面201の右下端の座標を(Xmax、Ymax)とする。また、子画面202の左上端の座標を(Xsl、Yst)、子画面202の右下端の座標を(Xsr、Ysb)とする。そして、字幕領域203の左上端の座標を(Xcl、Yct)、字幕領域203の右下端の座標を(Xcr、Ycb)とする。この場合に、子画面202の一部が字幕によって遮られる領域が発生するか否かを、干渉判定部113は、次の(1)式を満たすか否かによって判定するものである。
(((Xsl<Xcl<Xsr)OR(Xsl<Xcr<Xsr)OR(Xcl<Xsl<Xcr)OR(Xcl<Xsr<Xcr)) AND ((Yst<Yct<Ysb)OR(Yst<Ycb<Ysb)OR(Yct<Yst<Ycb)OR(Yct<Ysb<Ycb))) (1)
すなわち、干渉判定部113は、(1)式を満たす場合に、子画面202の一部が字幕によって遮られる領域が発生すると判定するものである。
再び、図2に戻って、MPU11の機能構成について説明する。第1判定部114(第1判定手段に相当する)は、干渉判定部113によって第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、第3領域が画面からはみ出すことなく第3領域と第2領域との重なりを回避することができるか否かを判定するものである。なお、ここでは、「第3領域が画面からはみ出すことなく第3領域と第2領域との重なりを回避することができる」ことを、便宜上、「第3領域と第2領域との重なりを回避することができる」と記載している。
図4、図5は、第1判定部114による干渉の判定方法の一例を説明する画面図である。図4(a)は、第3領域(=字幕領域)の位置を、第2領域(=子画面)の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側の位置に移動させた場合の画面図210である。図4(b)は、第3領域(=字幕領域)の位置を、第2領域(=子画面)の周辺と隣接する位置であって、第2領域の下方側の位置に移動させた場合の画面図220である。図5(a)は、第3領域(=字幕領域)の位置を、第2領域(=子画面)の周辺と隣接する位置であって、第2領域の左方側の位置に移動させた場合の画面図230である。図5(b)は、第3領域(=字幕領域)の位置を、第2領域(=子画面)の周辺と隣接する位置であって、第2領域の右方側の位置に移動させた場合の画面図240である。図4、図5に示すように、ここでは、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれの位置に移動させた場合であっても、第3領域が画面からはみ出すことなく第3領域と第2領域との重なりを回避することができない。
図4、図5に示す画面図210〜240には、それぞれ、親画面211〜241、子画面212〜242、字幕領域213〜243、及び、はみ出し領域214〜244が表示されている。はみ出し領域214〜244は、ぞれぞれ、字幕領域213〜243の内、親画面211〜214からはみ出した領域である。
図4(a)に示す画面図210における字幕領域213の左上端の座標(Xcl1、Yct1)、右下端の座標(Xcr1、Ycb1)は、次の(2)〜(5)式で求められる。
Xcl1=Xcl (2)
Yct1=Yct−d1 (3)
Xcr1=Xcr (4)
Ycb1=Ycb−d1 (5)
ここで、移動量d1は、字幕領域を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、上辺)と隣接する位置であって、第2領域の上方側の位置に移動させた場合の移動量であって、次の(6)式で求められる。
d1=Ycb−Yst (6)
図4(b)に示す画面図220における字幕領域223の左上端の座標(Xcl2、Yct2)、右下端の座標(Xcr2、Ycb2)は、次の(7)〜(10)式で求められる。
Xcl2=Xcl (7)
Yct2=Yct+d2 (8)
Xcr2=Xcr (9)
Ycb2=Ycb+d2 (10)
ここで、移動量d2は、字幕領域を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、下辺)と隣接する位置であって、第2領域の下方側の位置に移動させた場合の移動量であって、次の(11)式で求められる。
d2=Ysb−Yct (11)
図5(a)に示す画面図230における字幕領域233の左上端の座標(Xcl3、Yct3)、右下端の座標(Xcr3、Ycb3)は、次の(12)〜(15)式で求められる。
Xcl3=Xcl−d3 (12)
Yct3=Yct (13)
Xcr3=Xcr−d3 (14)
Ycb3=Ycb (15)
ここで、移動量d3は、字幕領域を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、左辺)と隣接する位置であって、第2領域の左方側の位置に移動させた場合の移動量であって、次の(16)式で求められる。
d3=Xcr−Xsl (16)
図5(b)に示す画面図240における字幕領域243の左上端の座標(Xcl4、Yct4)、右下端の座標(Xcr4、Ycb4)は、次の(17)〜(20)式で求められる。
Xcl4=Xcl+d4 (17)
Yct4=Yct (18)
Xcr4=Xcr+d4 (19)
Ycb4=Ycb (20)
ここで、移動量d4は、字幕領域を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、左辺)と隣接する位置であって、第2領域の左方側の位置に移動させた場合の移動量であって、次の(21)式で求められる。
d4=Xsr−Xcl (21)
第1判定部114は、上述のようにして求められた字幕領域213〜243の左上端及び右下端の座標が次の(22)式を満たすか否かに基づいて第3領域と第2領域との重なりを回避することができるか否かを判定するものである。
((Xcl’ < Xmin) OR (Xcr’ > Xmax) OR (Yct’ < Ymin) OR (Ycb’ > Ymax)) (22)
ここで、Xcl’、Xcr’、Yct’及びYcb’は、それぞれ、Xcl1〜Xcl4、Xcr1〜Xcr4、Yct1〜Yct4、及び、Ycb1〜Ycb4のいずれか1である。すなわち、第1判定部114は、(22)式を満たす場合には、第3領域が画面からはみ出す(=第3領域と第2領域との重なりを回避することができない)と判定するものである。
再び、図2に戻って、MPU11の機能構成について説明する。移動先決定部115(移動先決定手段に相当する)は、第1判定部114によって重なりを回避することができないと判定された場合に、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、第3領域の移動量が最小となる位置を、第3領域の移動先の位置として決定するものである。ここで、移動先決定部115は、第3領域の移動量として、移動前の第3領域の中心位置と、移動後の第3領域の内、第1領域内に表示される領域の中心位置との距離を求めるものである。
図6は、移動先決定部115による移動量の算出方法の一例を説明する説明図である。(a)は、第3領域(=字幕領域)を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、下辺)と隣接する位置であって、第2領域の下方の位置に移動させた場合を示している。(b)は、第3領域(=字幕領域)を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、左辺)と隣接する位置であって、第2領域の左方の位置に移動させた場合を示している。(c)は、第3領域(=字幕領域)を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、右辺)と隣接する位置であって、第2領域の右方の位置に移動させた場合を示している。(d)は、第3領域(=字幕領域)を第2領域(=子画面)の周辺(ここでは、上辺)と隣接する位置であって、第2領域の上方の位置に移動させた場合を示している。
図6(a)〜(d)において、位置P0は、移動前の第3領域(=字幕領域)の中心位置であって、位置P1〜P4は、それぞれ、移動後の第3領域(=字幕領域)の内、第1領域(親画面)内に表示される領域の中心位置である。移動先決定部115は、位置P0と、位置P1〜P4との距離を、それぞれ、移動量D1〜D4として求めるものである。ここでは、移動量D1〜D4の内、移動量D1が最も小さいため、移動先決定部115は、第3領域の移動先の位置として、図6(a)に示す位置に決定する。
再び、図2に戻って、MPU11の機能構成について説明する。倍率算出部116(倍率算出手段に相当する)は、移動先決定部115によって決定された第3領域の移動先の位置において、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率を求めるものである。具体的には、倍率算出部116は、縮小倍率を、第3領域(=字幕領域)の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率と一致させることによって求めるものである。
図7は、倍率算出部116による縮小倍率の算出方法の一例を説明する画面図である。図7(a)は、図4(b)と同一の画面図であって、第3領域(=字幕領域)の位置を、第2領域(=子画面)の周辺と隣接する位置であって、第2領域の下方側の位置に移動させた場合の画面図250である。図7(b)は、倍率算出部116により求められた縮小倍率を用いて字幕表示部118によって表示された字幕を含む画面の画面図260である。
画面図250には、親画面251、子画面252、字幕領域253、及び、はみ出し領域254が表示されている。はみ出し領域254は、字幕領域253の内、親画面251からはみ出した領域である。また、図7(a)には、字幕領域253の高さH0と、字幕領域253の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の高さH1と、を示している。倍率算出部116は、高さH1の高さH0に対する比率(=H1/H0)を縮小倍率として求める。
画面図260には、親画面261、子画面262、及び、字幕領域263が表示されている。字幕領域263は、図7(a)に示す字幕領域253を、倍率算出部116によって求められた縮小倍率(=H1/H0)に縮小したものである。また、字幕領域263に表示されている文字情報は、字幕表示部118によって、倍率算出部116により求められた縮小倍率(=H1/H0)に縮小されたものである。図7(b)に示すように、字幕領域を縮小倍率(=H1/H0)に縮小することによって字幕領域が画面からはみ出すことなく字幕領域と子画面との重なりを回避することができる。
再び、図2に戻って、MPU11の機能構成について説明する。字幕位置変更部117(字幕位置変更手段に相当する)は、干渉判定部113によって第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域と第2領域との重なりを回避するべく第3領域の位置及び大きさの少なくとも一方を変更し、変更後の第3領域の位置及び大きさを規定する新字幕座標情報を生成するものである。
具体的には、字幕位置変更部117は、第1判定部114によって重なりを回避することができると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域との重なりを回避することができる位置に変更するべく新字幕座標情報を生成するものである。また、字幕位置変更部117は、第1判定部114によって重なりを回避することができないと判定された場合に、第3領域の大きさ及び位置を、それぞれ、倍率算出部116によって求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、移動先決定部115によって決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報を生成するものである。
字幕表示部118(字幕表示手段の一部に相当する)は、字幕取得部112によって取得された字幕座標情報又は字幕位置変更部117によって生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕取得部112によって取得された文字情報をディスプレイ183に表示するものである。また、字幕表示部118は、第1判定部114によって重なりを回避することができないと判定された場合に、字幕取得部112によって取得された文字情報を倍率算出部116によって求められた縮小倍率に縮小してディスプレイ183に表示するものである。
図8は、デジタル放送受信機1(主にMPU11)の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、便宜上、予め、映像表示部111によって、画像合成部19を介して、第1受信部15Aによって受信された1のテレビジョン放送に対応する映像である第1映像(=親画面)と、第2受信部15Bによって受信された他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像(=子画面)とが合成されて合成画像が生成されており、字幕取得部112によって、第1受信部15Aを介して、1のテレビジョン放送に対応する字幕の文字情報、及び、字幕を表示する領域である第3領域の位置及び大きさを規定する字幕座標情報が取得されている場合について説明する。
まず、干渉判定部113によって、第3領域(=字幕領域)の少なくとも一部が第2領域と重なるか否か(=干渉が発生するか否か)が判定される(S101)。干渉が発生しないと判定された場合(S101でNO)には、処理がステップS115に進められる。干渉が発生すると判定された場合(S101でYES)には、第1判定部114によって、第3領域の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動され(S103)、第3領域が画面からはみ出すことなく第3領域と第2領域との重なりを回避することができるか否かが判定される(S105)。重なりを回避することができると判定された場合(S105でYES)には、処理がステップS113に進められる。
重なりを回避することができないと判定された場合(S105でYES)には、移動先決定部115によって、第2領域(=子画面)の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置に移動した場合の移動量D1〜D4が算出される(S107)。そして、移動先決定部115によって、第3領域(=字幕領域)の移動量D1〜D4が最小となる位置が、第3領域の移動先の位置として決定される(S109)。次いで、倍率算出部116によって、ステップS109において決定された第3領域の移動先の位置において、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められる(S111)。
ステップS111が終了した場合、又は、ステップS105でYESの場合には、字幕位置変更部117によって、第3領域の位置(及び大きさ)を、第2領域との重なりを回避することができる位置(及び大きさ)に変更するべく新字幕座標情報が生成される(S113)。ステップS113が終了した場合、又は、ステップS101でYESの場合には、字幕取得部112によって取得された字幕座標情報又はステップ113において生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕取得部112によって取得された文字情報がディスプレイ183に表示され(S115)、処理が終了される。
図9は、図8に示すフローチャートのステップS111における倍率算出処理の一例を示す詳細フローチャートである。なお、以下の処理は全て、倍率算出部116によって行われる。まず、図8に示すフローチャートのステップS109において決定された位置に字幕領域が移動される(S201)。そして、幅方向に干渉しているか否か(=字幕領域の右端又は左端が親画面の表示領域である第1領域からはみ出しているか否か)の判定が行われる(S203)。幅方向には干渉していないと判定された場合(S203でNO)には、ステップS211に処理が進められる。
幅方向に干渉していると判定された場合(S203でYES)には、字幕領域の幅B0が算出される(S205)。そして、親画面の表示領域である第1領域内に表示されている字幕領域の幅B1が算出される(S207)。次いで、幅方向の縮小倍率αが、次の(23)式により求められる(S209)。
α=B1/B0 (23)
ステップS209の処理が終了した場合、又は、ステップS203でNOの場合には、高さ方向に干渉しているか否か(=字幕領域の上端又は下端が親画面の表示領域である第1領域からはみ出しているか否か)の判定が行われる(S211)。高さ方向には干渉していないと判定された場合(S211でNO)には、ステップS2191に処理が進められる。字幕領域の高さH0が算出される(S213)。そして、親画面の表示領域である第1領域内に表示されている字幕領域の高さH1が算出される(S215)。次いで、高さ方向の縮小倍率βが、次の(24)式により求められる(S217)。
β=H1/H0 (24)
ステップS217の処理が終了した場合、又は、ステップS211でNOの場合には、ステップS209及びステップS217で算出された幅方向の縮小倍率α及び高さ方向の縮小倍率βの内、少なくとも一方を用いて縮小倍率が求められ(S219)、処理がリターンされる。ここで、幅方向の縮小倍率α及び高さ方向の縮小倍率βが算出されている場合には、幅方向の縮小倍率α及び高さ方向の縮小倍率βの内、小さい方が縮小倍率として求められる。
このようにして、親画面の字幕を表示する領域である第3領域の少なくとも一部が、他のテレビジョン放送に対応する映像である第2映像を子画面として表示する領域である第2領域と重なるか否かが判定される。そして、第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域と前記第2領域との重なりを回避するべく第3領域の位置及び大きさの少なくとも一方が変更され、変更後の第3領域の位置及び大きさを規定する新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報がディスプレイ183に表示されるため、子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
また、第3領域の少なくとも一部が第2領域と重なると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、第3領域と第2領域との重なりを回避することができるか否かが判定され、重なりを回避することができると判定された場合に、第3領域の位置を、第2領域との重なりを回避することができる位置に変更するべく新字幕座標情報が生成されるため、簡素な構成で子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、第3領域と第2領域との重なりを回避することができるため、第3領域の表示位置を移動するだけで重なりを回避することができるので、簡素な構成で子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができるのである。
更に、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合に、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められると共に、予め設定されたルール(ここでは、「第3領域の移動先の位置を、移動量が最小となる位置に決定する」とのルール)に従って、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に決定される。そして、第3領域の大きさ及び位置が、それぞれ、求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報が、求められた縮小倍率に縮小されてディスプレイ183に表示されるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の表示位置を移動するだけでは重なりを回避することができないと判定された場合であっても、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められるため、更に確実に子画面の映像を遮ることなく親画面の字幕を表示することができるのである。
加えて、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、第3領域の移動量が最小となる位置(図6参照)に決定され、決定された位置において、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率が求められる。そして、第3領域の大きさ及び位置が、それぞれ、求められた縮小倍率により規定される大きさ、及び、決定された移動先の位置、に変更するべく新字幕座標情報が生成され、生成された新字幕座標情報に基づいて、字幕の文字情報が最大の縮小倍率に縮小されてディスプレイ183に表示されるため、親画面に表示される番組の制作者の意図した位置に近い位置に字幕を表示することができる。
すなわち、第3領域の移動先の位置が、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の4つの位置の内、第3領域の移動量が最小となる位置に決定されるため、親画面に表示される番組の制作者の意図した位置(=親画面の映像の視認に適した位置)に近い位置に字幕を表示することができるのである。
また、第3領域の移動量として、移動前の第3領域の中心位置と、移動後の第3領域の内、第1領域内に表示される領域の中心位置との距離が求められるため、正確に且つ容易に第3領域の移動量を求めることができる。
更に、第3領域の位置を、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置であって、前記第2領域の周辺と隣接する位置に移動させた場合に、第3領域の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に基づいて、縮小倍率が求められる(図7参照)ため、適正な縮小倍率を容易に求めることができる。
すなわち、縮小倍率を、第3領域の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に一致させることによって、第2領域との重なりを回避することができ、且つ、可能な限り大きな縮小倍率が求められるため、適正な縮小倍率を容易に求めることができるのである。
なお、本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、モニタが、デジタル放送受信機1に配設されたディスプレイ183である場合について説明したが、モニタが、デジタル放送受信機1とは別の装置として構成されている形態でもよい。例えば、モニタが、パーソナルコンピュータ等に配設されたモニタである形態でもよい。
(B)本実施形態では、第1判定部114によって重なりを回避することができないと判定された場合に、移動先決定部115が第3領域の移動先の位置を決定し、倍率算出部116が縮小倍率を求める場合について説明したが、第1判定部114によって重なりを回避することができないと判定された場合に、第3領域の大きさを予め設定された所定の倍率(例えば、0.7倍)に縮小し、縮小された第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側のいずれか1の位置に移動させることによって、縮小された第3領域と前記第2領域との重なりを回避することができるか否かを判定する第2判定部(第2判定手段に相当する)を備える形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。
(C)本実施形態では、移動先決定部115が、第3領域の移動量が最小となる位置を、第3領域の移動先の位置として決定する場合について説明したが、移動先決定部115が、第3領域の縮小倍率が最大となる位置を、第3領域の移動先の位置として決定する形態でもよい。この場合には、倍率算出部116が、第3領域の位置を、第2領域の周辺と隣接する位置であって、第2領域の上方側、下方側、右方側、及び、左方側の各位置に移動させた場合に、第2領域との重なりを回避することが可能な第3領域の大きさを縮小する倍率である縮小倍率をそれぞれ求める必要がある。また、この場合には、求められた4つの縮小倍率の内、最大の縮小倍率に字幕の文字情報が縮小されてディスプレイ183に表示されるため、親画面の字幕を大きく表示することができる。
(D)本実施形態では、移動先決定部115が、第3領域の移動量として、移動前の第3領域の中心位置と、移動後の第3領域の内、第1領域内に表示される領域の中心位置との距離を求める場合について説明したが、その他の方法で第3領域の移動量を求める形態でもよい。例えば、移動後の第3領域の4つの端点(上左端、上右端、下左端、下右端の4つの端点)の内、第1領域内に表示される端点の移動量を求める形態でもよい。この場合には、中心位置を求める処理が不要となり、処理が簡略化される。
(E)本実施形態では、倍率算出部116が、第3領域の内、親画面の表示領域である第1領域内に表示される領域の全体領域に対する比率に基づいて、縮小倍率を求める場合について説明したが、その他の方法で縮小倍率を求める形態でもよい。例えば、倍率算出部116が、予め設定された複数の縮小倍率の中から、第2領域との重なりを回避することが可能な縮小倍率を選定する形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。
(F)本実施形態では、干渉判定部113が、字幕取得部112によって、字幕情報が取得される度に、干渉の発生有無を判定する場合について説明したが、干渉判定部113が、字幕取得部112によって取得された字幕座標情報が変更される度に(=字幕の表示位置又は大きさが変更される度に)、干渉の発生有無を判定する形態でもよい。この場合には、処理の負荷が軽減される。
(G)本実施形態では、映像表示部111が、予め設定された第2領域に子画面を表示する場合について説明したが、映像表示部111が、外部からの操作入力を受け付けて、受け付けられた操作入力に基づいて子画面の位置及び大きさを設定する形態でもよい。この場合には、干渉判定部113は、映像表示部111によって子画面の位置及び大きさが変更される度に、干渉の発生有無を判定する必要がある。また、この場合には、ユーザが所望する位置及び大きさに子画面を表示することができるため、利便性が向上する。