JP4457950B2 - 半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法および評価用容器ならびに樹脂材料の評価方法 - Google Patents

半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法および評価用容器ならびに樹脂材料の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料の評価方法および評価用容器に関し、特には、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に用いる材料の評価方法および評価用容器に関する。
シリコン単結晶等の半導体インゴットから切り出した半導体基板を用いてデバイスを作製する場合、半導体基板の加工プロセスから素子の形成プロセスまで多数の工程が介在する。近年のデバイスの微細化に伴い、達成すべきデバイス特性がますます厳しくなり、半導体ウェーハに対しても更なる結晶品質の完全性と表面の清浄化が要求されており、半導体ウェーハの汚染物質として、従来着目されていた微粒子や金属元素・ハロゲン元素等だけでなく、有機物もチェックされ始めている。例えば、ウェーハ上に有機物が付着すると酸化膜の異常成長が生じる等の問題が発生するからである。
シリコン等の半導体ウェーハを収納する収納容器は、例えば、すべての構成部品を単独樹脂で成型した場合には、勘合がうまくいかず、半導体ウェーハを適切に収納して保持することはできない。そのため、成型後の収縮等を計算することにより、複数の各構成部品はそれぞれ異なる材質が選択されて成型されるが、このような既存の収納容器であっても、樹脂に含まれる揮発性成分が、収納される半導体ウェーハの汚染原因となり、近年の半導体ウェーハの品質要求を満たす保管機能を有するには、不十分である。
このような既存の収納容器は、例えば、ポリプロピレンを主原料とするものが多用されており、かかる容器のシリコンウェーハへの有害性は、所定時間熱処理した後、シリコンウェーハを収容して所定時間常温で保持した後、シリコンウェーハの表面変質層の有無を目視確認するという簡単な方法で、検査するものがある(特許文献1)。
また、このような既存の収納容器にシリコンウェーハを保持した後に、ウェーハ表面に付着した揮発性成分(イオン系汚染、有機物汚染など)を分析することにより、シリコンウェーハ収容容器が、シリコンウェーハ品質に与える影響を調べることができる(特許文献2)。
しかし、かかる樹脂製のシリコンウェーハ収納容器は、上述のように材質が異なる複数の部品を組み立てたものであるため、上述のような方法で検出されたシリコンウェーハ表面の変質層や揮発性成分のデータだけでは、シリコンウェーハ表面に汚染があった場合、その付着成分がどの樹脂に起因するのかを特定することができないため、近年のシリコンウェーハの品質要求を満たす保管機能を有するシリコンウェーハ収納容器の開発、特にその材料選択に必要なデータとしては不十分である。
特開平5−259254号公報 特開2004−340685号公報
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、特に、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に保存した場合の半導体ウェーハの表面に付着する成分が、どの樹脂に起因するのかを判定することができ、高品質の半導体ウェーハ収納容器の開発に有効なデータを確実に得ることができる半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法およびこれに用いられる評価用容器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明によれば、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に用いる材料の評価方法であって、前記半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される樹脂の一つを用い、材質が該樹脂だけからなる評価用容器を作製した後、該評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持して所定時間経過後、前記半導体ウェーハを取り出して表面に付着した成分を分析することにより、前記樹脂が前記半導体ウェーハ収納容器用材料に適しているか否かを判定することを特徴とする半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法が提供される(請求項1)。
このように、材質が評価する樹脂だけからなる評価用容器を作製した後、その中に半導体ウェーハを保持して所定時間経過後、ウェーハ表面に付着した成分を分析することによって、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に保存した場合の半導体ウェーハ表面に付着する成分が、どの樹脂に起因するのかを判定することができ、高品質の半導体ウェーハ収納容器の開発における材料選択に有効なデータを得ることができる。
このとき、前記半導体ウェーハ収納容器用材料として、シリコンウェーハ収納容器用材料を評価することが好ましい(請求項2)。
このように、前記半導体ウェーハ収納容器用材料として、シリコンウェーハ収納容器用材料を評価することにより、近年のシリコンウェーハの品質要求を満たす十分な保管機能を有するシリコンウェーハ収納容器の開発に有効なデータを得ることである。
また、前記評価用容器として、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状のものを用いて、前記保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持することが好ましい(請求項3)。
上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状の、材質が評価する樹脂だけからなる評価用容器は、評価樹脂を一組の金型を用いて射出成型するだけで製造ができるため簡便であり、この保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、評価用容器の中での半導体ウェーハの簡便な保持が可能となり、実質上1種類のみの部品を用いて容器を構成できるので、低コストで効率的な評価を行うことができる。さらに、この評価用容器を使用する場合、異なる樹脂を評価する場合であっても、成型する樹脂の収縮率が問題とならず、同じ金型を使用することができるため、非常に経済的である。
さらに、前記半導体ウェーハ表面に付着した成分の分析を、ガスクロマトグラフィ、ガスクロマトグラフ質量分析またはイオンクロマトグラフィで行うことが好ましい(請求項4)。
このように、前記半導体ウェーハ表面に付着した成分の分析を、ガスクロマトグラフィ、ガスクロマトグラフ質量分析またはイオンクロマトグラフィで行うことにより、成分の解析を高精度に行うことができ、解析対象の評価樹脂が半導体ウェーハ収納容器用材料に適しているか否かの判定を的確に行うことができる。
また、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持する所定時間を6時間以上とすることが好ましい(請求項5)。
このように6時間以上、評価用容器の中に半導体ウェーハを保持することにより、評価用容器を構成する樹脂の揮発性成分が、評価用容器内で十分に揮発し、かつ、ウェーハ表面に付着して検出可能になることが期待できる。
さらに、本発明によれば、半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される樹脂を評価するための評価用容器であって、材質が前記評価する樹脂だけからなり、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状のものであり、前記保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持するものであることを特徴とする評価用容器が提供される(請求項6)。
このように、材質が、半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される評価対象の樹脂だけからなり、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状の評価用容器は、評価する樹脂を一組の金型により射出成型できるため、簡便に製造することができ、さらに、異なる樹脂を評価する場合であっても、成型する樹脂の収縮率が問題とならず、同じ金型を使用することができるため、非常に経済的である。この評価用容器の保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、評価用容器の中での半導体ウェーハの簡便な保持が可能となり、実質上1種類のみの部品を用いて容器を構成できるので、低コストで効率的な評価を行うことができる容器となる。
また、本発明によれば、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料の評価方法であって、前記樹脂材料の一つを用い、材質が該樹脂だけからなる評価用容器を作製した後、該評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持して所定時間経過後、前記半導体ウェーハを取り出して表面に付着した成分を分析することにより、前記樹脂が半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料に適しているか否かを判定することを特徴とする樹脂材料の評価方法が提供される(請求項7)。
このように、本発明の評価方法は、半導体ウェーハ収納容器用材料に限定されず、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料の評価に適用することができる。材質が半導体ウェーハを取り扱うのに用いる評価対象となる樹脂だけからなる評価用容器を作製した後、その中に半導体ウェーハを保持して所定時間経過後、ウェーハ表面に付着した成分を分析することによって、当該樹脂材料の揮発成分が半導体ウェーハを取り扱うのに許容できるものであるか否かを判定することができ、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料の選択に有効なデータを得ることができる。
さらに、本発明によれば、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料を評価するための評価用容器であって、材質が前記評価する樹脂だけからなり、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状のものであり、前記保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持するものであることを特徴とする評価用容器が提供される(請求項8)。
このように、本発明の評価対象は、半導体ウェーハ収納容器用材料に限定されず、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料も評価対象とされる。材質が、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる評価対象となる樹脂だけからなり、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状の評価用容器は、評価する樹脂を一組の金型により射出成型できるため、簡便に製造することができ、さらに、異なる樹脂を評価する場合であっても、成型する樹脂の収縮率が問題とならず、同じ金型を使用することができるため、非常に経済的である。この評価用容器の保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、評価用容器の中での半導体ウェーハの簡便な保持が可能となり、実質上1種類のみの部品を用いて容器を構成できるので、低コストで効率的な評価を行うことができる。
このように、本発明により、例えば材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に保存した半導体ウェーハ表面に付着する成分が、どの樹脂に起因するのかを判定することができ、高品質の半導体ウェーハ収納容器の開発、特に材料選択に有効なデータを得ることが可能となった。しかも、低コストで評価できる。
また、本発明は、半導体ウェーハ収納容器用材料に限定されず、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料の評価にも用いることができ、半導体製造工程等におけるクリーン度の上昇に貢献することが期待できる。
近年のシリコンウェーハをはじめとした半導体ウェーハの品質要求を満たす保管機能を有する半導体ウェーハ収納容器の開発における問題点に関して、材質が異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に半導体ウェーハを保持した後にウェーハ表面を分析するだけでは、ウェーハの表面に付着する成分がどの樹脂に起因するのかを特定することができなかった。
そこで、本発明者等は、鋭意研究を重ね、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に用いる材料の評価方法であって、前記半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される樹脂の一つを用い、材質が該樹脂だけからなる評価用容器を作製した後、該評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持して所定時間経過後、前記半導体ウェーハを取り出して表面に付着した成分を分析することにより、前記樹脂が前記半導体ウェーハ収納容器用材料に適しているか否かを判定することによって、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に保存した場合の半導体ウェーハ表面に付着する成分が、どの樹脂に起因するのかを判定することができ、高品質の半導体ウェーハ収納容器の開発に有効なデータを得ることができることを見出した。
以下、本発明の実施の形態について表および図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明では、例えば次の表1や図3に示すような材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に用いる材料の評価を行う。
表1は、市販されている半導体ウェーハ収納容器の部品と材料の一例(商品名:MW300F、MW300G)を示している。
Figure 0004457950
一方、図3は、半導体ウェーハ収容容器の一例を示しており、本体部のボディ15に半導体ウェーハを収納するインサート部のボディ13を挿入し、ガスケット14、フロントリテーナー12を装着して、ドア11を閉めることによって、半導体ウェーハを保管する等の方法で使用され、通常、その各部品の材料は表1のようにその組成が異なるものが用いられる。
また、ポリプロピレン(PP)製の容器では、例えば、本体にポリプロピレンを使用する一方で、蓋(ドア)にポリカーボネート(PC)、ウェーハ押さえにポリブチルテレフタレート製(PBT)、ガスケット(パッキン)にシリコーンゴム、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーが使用される場合がある。しかも、同じポリカーボネート等であっても、配合や重合度等が異なる場合もある。
以上のように、部品材料の成型後の収縮等を考慮すると、すべての構成部品を単独樹脂で成型した場合には、勘合がうまくいかないため、成型後の収縮等を計算することにより、各構成部品のそれぞれに複数の異なる材質が選択されて成型される。また、それぞれの部品には、それぞれの使用目的があり、全く同じ材質で全ての目的を達成するように容器を構成することは、実質上不可能である。例えば、シールを目的とするパッキンは、柔軟性が要求され、インサートのボディは、ウェーハを傷つけないとともに支える必要があり、ある程度の強度と適度な柔らかさが要求される。一方、本体のボディは、外部からの衝撃に耐える強度が要求される。
そこで、本発明では、半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される樹脂のそれぞれが、収納する半導体ウェーハへ与える影響を評価するために、まず、評価するそれぞれの樹脂について単独の材料のみからなる評価用容器を作製する。この評価用容器は、その樹脂の揮発成分の分析に用いるものであるから、評価対象とする樹脂のみからなることが重要であり、ウェーハの保管や搬送を目的とするものではないから、その形状は、実際に使用される容器と同じにする必要はなく、より簡単な形状でよい。
図2に示すように、本発明で作製する評価用容器1は、材質が評価する樹脂だけからなり、上部に半導体ウェーハを保持する保持部2を有し、下部が開放された逆椀形状のものである。このような形状であれば、射出成型により、一組の金型で複数個、容易に作製することができる上に、その保持部2に半導体ウェーハWを保持した後、該半導体ウェーハWの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、評価用容器の逆椀形状の側部3および逆椀形状の天井部4により囲うことができ、単一の材質からなる、実質上1種類の形状のみの部品を用いて、容器を構成することができるため非常に好ましい。さらにこの場合、複数の異なる樹脂を評価する場合であっても、成型する樹脂の収縮率が問題とならず、同じ金型を使用することができるため、非常に経済的である。
ここで、保持部2は、図2(A)のようにリング状に半導体ウェーハWの周辺部を支持できる構造であれば密封度が高くなるのでよいが、半導体ウェーハWを3点支持する構造であってもよく、安定に半導体ウェーハWを支持することができる構造であれば、どのような構造であってもよい。
逆椀形状の側部3および天井部4は、保持する半導体ウェーハWを完全に密封できる構造であれば、効率的に揮発性成分を半導体ウェーハWに付着させることができるため好ましいが、必ずしも完全に密封する構造でなくても、評価用容器1が半導体ウェーハWと近接する部分が多い構造であればよい。
また、評価用容器は、複数の別体の部材、例えば、ウェーハを保持して収容する部材と蓋である部材をそれぞれ別体として成型して組み合せたものであっても、これらの材質が評価する樹脂だけからなるものであればよい。但し、この場合は、複数種の金型が必要となるし、評価する樹脂ごとに金型を作製する必要が生じる可能性もある。
評価する樹脂だけからなる評価用容器の成型は、ペレットと呼ばれる樹脂原料を加熱して流動体とし、加圧して金型に注入して行う射出成型が好ましい。
なぜなら、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器は、それぞれの部材が、一般に射出成型により成型されるものであるからであり、また、ペレットである樹脂原料が起因となってウェーハ表面に付着する成分と、射出成型された樹脂が起因となってウェーハ表面に付着する成分とは、同一樹脂によっても異なる場合があるため、射出成型後の樹脂について評価する方が、より実際の使用状態に近いために正確なデータを得ることができるからである。
保持する半導体ウェーハは、評価対象の半導体ウェーハ収納容器用材料を使用する半導体ウェーハ収納容器に収納するものと同一のものが好ましい。前記半導体ウェーハ収納容器用材料として、シリコンウェーハ収納容器用材料を評価する場合は、同一のシリコンウェーハを保持するのが好ましい。
作製した評価用容器の一つで、半導体ウェーハの保持部に洗浄した半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同じ評価用容器を重ね合せることにより、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持する。
このようにして、6時間以上、評価用容器の中に半導体ウェーハを保持することにより、評価用容器を構成する樹脂の揮発性成分が、評価用容器内で十分に揮発し、かつ、ウェーハ表面に付着することが期待できる。3日以上保持するのがより好ましく、10日以内であれば、時間およびコストが小さく、さらに好ましい。
その後、半導体ウェーハを取り出して表面に付着した成分を分析することにより、前記樹脂が半導体ウェーハ収納容器用材料に適しているか否かを判定する。
半導体ウェーハ表面に付着した成分の分析は、ガスクロマトグラフィ又はガスクロマトグラフ質量分析により、高精度に行うことができるため好ましく、これにより、解析対象である評価樹脂が半導体ウェーハ収納容器用材料に適しているか否かの判定を的確に行うことができる。特に、熱を加えて発生するガス成分を質量分析で測定する加熱脱離ガスクロマトグラフ質量分析(TD−GC−MS)装置で評価することがさらに好ましく、これにより得られたスペクトルパターンから、付着成分の違いや付着量の差が分かり、樹脂の種類ごとに、半導体ウェーハに与える影響の特性を把握することができる。なお、半導体ウェーハの表面に付着した成分を分析できる手法であれば、イオンクロマトグラフィ等の他の手法を用いてもよい。
以上のような本発明の方法により、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に保存する場合の半導体ウェーハ表面に付着する成分が、どの樹脂に起因するかを判定することができ、さらに、複数の樹脂に関して同一条件で本発明の分析を行って結果の相対的な比較をすることによっても、高品質の半導体ウェーハ収納容器の開発、特にその材料選択において大きな貢献が期待できる。
また、これまで半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される樹脂について説明してきたが、本発明の評価方法および評価用容器は、これに限定されることなく、半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料の評価にも適用できる。例えば、ウェーハを載置するボート等の冶具、ウェーハをハンドリングするロボット等のウェーハを保持する部材等、ウェーハと直接接触する部材、あるいは、ウェーハ製造工程におけるクリーンルーム内で用いられるすべての樹脂材料についての評価に適用できる。すなわち、これらの評価対象となる樹脂だけからなる評価用容器を作製し、その容器の中に半導体ウェーハを保持し、表面付着成分を分析すればよい。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
評価する樹脂として、3種類のポリプロピレン(PP−A、PP−B、PP−C)を用意した。PP−Aは、半導体ウェーハ収納容器用材料として現行で使用されているポリプロピレンであり、PP−Bは、PP−Aの添加剤の配合変更をおこなった改良型のポリプロピレンであり、PP−Cは、別のメーカー製のポリプロピレンである。
まず、3種類のポリプロピレンのそれぞれについて、材質がそのポリプロピレン樹脂だけからなるように、図2に示すように、上部に半導体ウェーハを保持する保持部2を有し、下部が開放された逆椀形状の評価用容器1を、射出成型により4個ずつ(各2セット(1セット2個)、合計6セット)作製した。
成型した各組の評価用容器の中に、洗浄後のシリコンウェーハ(各2セット、合計6セット)を一週間保持し、その後シリコンウェーハ表面の付着成分を加熱脱離ガスクロマトグラフ質量分析(TD−GC−MS)装置で評価した。そのGCスペクトルを図1に示す。上からPP−A、PP−B、PP−Cのスペクトルパターン(各2セット)を表しており、各ピークの1本1本が有機物種を表し、ピーク強度がその付着量を表している。なお、予め洗浄直後にシリコンウェーハ表面を加熱脱離ガスクロマトグラフ質量分析装置で評価したが全てのシリコンウェーハでピークは全く検出されなかった。
まず、これらの結果を、材質の異なる複数の部品を組み立てた実際に使用されている既存のポリプロピレン製容器のスペクトルパターンと比較することにより、ポリプロピレンに起因するシリコンウェーハに付着する有機物種を特定することができた。
次に、図1に示した、PP−AとPP−BとPP−Cのスペクトルパターンを比較すると、現行のPP−Aや別のメーカー製のPP−Cに現れているピーク(例えば、矢印で示すピーク)は、改良型のPP−Bにおいては、現れていないか、または、非常に小さいことがわかる。
このことから、改良型のPP−Bが、現行のPP−Aや別のメーカー製のPP−Cより、シリコンウェーハ収納容器用材料として適していると判断することができた。
なお、PP−A、PP−B、PP−Cのそれぞれ同じ樹脂で成型したA−1とA−2、B−1とB−2、C−1とC−2が、それぞれ同じ結果が得られており、本法が再現性のある方法であることが確認できた。
以上のように、本発明により、材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に保存した場合の半導体ウェーハ表面に付着する成分が、どの樹脂に起因するのかを判定することができ、高品質の半導体ウェーハ収納容器の開発、特に材料選択に有効なデータを得ることができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
3種類のポリプロピレン(PP−A、PP−B、PP−C、各2セット)を、本発明の評価方法で評価したときのGCスペクトルを示した図である。 本発明の評価用容器の一例とその使用方法を示した概略図である。(A)評価用容器の一例の概略平面図である。(B)評価用容器の一例の概略断面図である。(C)評価用容器の使用方法の一例を示す概略断面図である。 既存の半導体ウェーハ収容容器の一例である。(A)容器を少し開いた場合の斜視図である。(B)容器を開いて構成部品を取り出した場合の斜視図である。
符号の説明
1…評価用容器、 2…保持部、 3…逆椀形状の側部、 4…逆椀形状の天井部、
10…半導体ウェーハ収納容器、 11…ドア、 12…フロントリテーナー、
13…インサート部のボディ、 14…ガスケット、 15…本体部のボディ、
W…半導体ウェーハ。

Claims (8)

  1. 材質の異なる複数の部品を組み立てた樹脂製の半導体ウェーハ収納容器に用いる材料の評価方法であって、前記半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される樹脂の一つを用い、材質が該樹脂だけからなる評価用容器を作製した後、該評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持して所定時間経過後、前記半導体ウェーハを取り出して表面に付着した成分を分析することにより、前記樹脂が前記半導体ウェーハ収納容器用材料に適しているか否かを判定することを特徴とする半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法。
  2. 前記半導体ウェーハ収納容器用材料として、シリコンウェーハ収納容器用材料を評価することを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法。
  3. 前記評価用容器として、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状のものを用いて、前記保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法。
  4. 前記半導体ウェーハ表面に付着した成分の分析を、ガスクロマトグラフィ、ガスクロマトグラフ質量分析またはイオンクロマトグラフィで行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法。
  5. 前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持する所定時間を6時間以上とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の半導体ウェーハ収納容器用材料の評価方法。
  6. 半導体ウェーハ収納容器用材料として使用される樹脂を評価するための評価用容器であって、材質が前記評価する樹脂だけからなり、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状のものであり、前記保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持するものであることを特徴とする評価用容器。
  7. 半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料の評価方法であって、前記樹脂材料の一つを用い、材質が該樹脂だけからなる評価用容器を作製した後、該評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持して所定時間経過後、前記半導体ウェーハを取り出して表面に付着した成分を分析することにより、前記樹脂が半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料に適しているか否かを判定することを特徴とする樹脂材料の評価方法。
  8. 半導体ウェーハを取り扱うのに用いる樹脂材料を評価するための評価用容器であって、材質が前記評価する樹脂だけからなり、上部に半導体ウェーハを保持する保持部を有し、下部が開放された逆椀形状のものであり、前記保持部に半導体ウェーハを保持した後、該半導体ウェーハの上部からもう1つの同一形状の前記評価用容器を重ね合せることにより、前記評価用容器の中に前記半導体ウェーハを保持するものであることを特徴とする評価用容器。
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