JP4457443B2 - β−シクロゲラニルアリールスルホンの製造方法 - Google Patents

β−シクロゲラニルアリールスルホンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、飼料添加物、食品添加物の分野などで重要なビタミンA誘導体や種々のカロテノイドの原料化合物として有用なβ−シクロゲラニルアリールスルホンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シクロゲラニルアリールスルホンの最も簡便な合成法としては、ゲラニルアリールスルホンの酸による閉環反応が知られている。
この閉環反応では下記の三つの異性体が生成する可能性があり、例えばChem. Lett.479(1975)には三フッ化ホウ素エ−テル錯体を用いてα/β=6/1、酢酸中、硫酸を用いてα/β=1/4の異性体比率でシクロゲラニルアリールスルホンが得られることが報告されている。またTetrahedron 54, 11925(1998)にはフルオロ硫酸を用いてα/β/g=46/15/39、Bull. Chem. Soc. Jpn. 58, 1859(1985)には電解反応条件でα/β/g=86/9/5、日本特許第2553075号にはヘキサン中、硫酸を用いてα/β=23/77の異性体比率で得られることが報告されている。
Figure 0004457443
これらの従来法のうち、β体を選択的に得る方法としては少なくとも約20%のα体の副生を伴う方法しか知られていない。特公平8−22845号公報および特公平8−22846号公報には閉環反応により得られたα/β=23/77のシクロゲラニルアリールスルホンから晶析操作によりβ体を取り出し、α体を優位に含有するろ液を酸触媒でβ体に異性化する方法および該ろ液を閉環反応にリサイクルする方法が報告されている。しかしながらα体を約20%含むことからβ体の晶析による回収率が低く、晶析ろ液の異性化においても異性化後の比率は変わらない(α/β=29/71)ため2工程でのβ体の通算収率は約80%程度でしかない。ろ液を閉環反応へリサイクルする場合でも同様であり、さらにろ液のリサイクルを繰り返すとその他の不純物の蓄積が顕著になり、実用的ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況に鑑み、本発明者らは、ゲラニルアリールスルホンの酸による閉環反応においてβ−シクロゲラニルアリールスルホンを優位に製造する方法を開発するべく鋭意検討した結果、生成したβ−シクロゲラニルアリールスルホンを結晶として析出させながら閉環反応を行なうことによりα/β比が約10/90まで向上することを見出し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、一般式(1)
Figure 0004457443
(式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
で示されるゲラニルアリールスルホンに酸を作用させ、生成物を結晶として析出させながら反応を行うことを特徴とする一般式(2)
Figure 0004457443
(式中、Arは前記と同じ意味を表わす。)
で示されるβ−シクロゲラニルアリールスルホンの製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるゲラニルアリールスルホンの置換基Arは置換基を有していてもよいアリール基を示し、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、その置換基としては、C1からC6のアルキル基、C1からC6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。具体的には、例えばフェニル、ナフチル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−ヨ−ドフェニル、m−ヨ−ドフェニル、p−ヨ−ドフェニル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等が挙げられるが、p−トリルなどの結晶性がよい誘導体が好ましい。
【0006】
上記反応に用いられる酸としては、例えば硫酸、塩酸、酢酸、ぎ酸などが挙げられ特に、硫酸および酢酸の混合酸が好ましい。かかる酸の使用量はゲラニルアリールスルホン(1)に対して通常、0.5〜20モル倍、好ましくは1〜10モル倍程度である。
【0007】
上記反応には通常溶媒が用いられ、かかる溶媒としては、生成するβ−シクロゲラニルアリールスルホンの結晶が、適当な温度で析出することができる溶媒が好ましく、かかる溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒が挙げられる。
【0008】
反応温度は、通常、−30℃から溶媒の沸点の範囲であり、好ましく-20〜40℃程度の範囲である。なお、結晶が析出しない場合には、温度を低下させるなどの操作により結晶を析出させればよい。
また、反応時間は、通常1時間から24時間程度の範囲である。
反応後、得られたβ−シクロゲラニルアリールスルホン(2)は、洗浄、抽出後、晶析操作により容易に単離することができる。
【0009】
本発明は反応中に生成物であるβ−シクロゲラニルアリールスルホンを結晶として析出させることに特徴を有し、そのことによってβ体選択率を向上させることができる。原料化合物や溶媒種、温度条件にもよるが、例えばゲラニルp−トリルスルホンの場合、25℃での反応において5分から1時間以内で結晶が析出し始める。結晶析出前のα/β比率は、従来法により知られている如く20〜30/70〜80であるが、結晶析出後は約10/90まで向上する。かかるβ体選択率の向上により、一回の晶析操作で純度の良いβ−シクロゲラニルアリールスルホンを好収率で単離することが可能となった。
【0010】
【発明の効果】
本発明の製造方法を用いることにより、医薬、飼料添加物、食品添加物の分野などで重要なビタミンA誘導体や種々のカロテノイドの原料化合物として有用なβ−シクロゲラニルアリールスルホンを容易に収率よく工業的有利に製造することができる。
【0011】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(実施例1)
酢酸270mg(4.5mmol)および96%硫酸460mg(4.5mmol)をn−ヘキサン2mlに溶解し、そこへ、ゲラニルp−トリルスルホン880mg(3mmol)のn−ヘキサン1.5ml溶液を滴下した。その後、25℃にて30分撹拌すると結晶が析出しはじめた。同温度でそのまま4時間撹拌した後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、溶媒を部分濃縮し、生成物をガスクロ分析したところβ−シクロゲラニルp−トリルスルホンの収率は84.3%、α−シクロゲラニルp−トリルスルホンの収率は9.5%であり、α/β=10/90であった。溶媒を留去後、得られた粗結晶をn−ヘキサンを用いて晶析することにより純度96%以上のβ−シクロゲラニルp−トリルスルホンを収率79.0%で単離した。
【0012】
(実施例2〜4)
反応溶媒であるn−ヘキサンを下表に示す溶媒に代える以外は実施例1と同様に反応を行い、下表に示す結果を得た。
【表1】
Figure 0004457443
1)25℃で4時間撹拌後、さらに0℃で4時間撹拌した。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004457443
    (式中、Arはp−トリル基を示す。)
    で示されるゲラニルアリールスルホンに硫酸と酢酸の混合酸を作用させ、該混合酸の存在下で生成物を結晶として析出させながら反応を行うことを特徴とする一般式(2)
    Figure 0004457443
    (式中、Arは前記と同じ意味を表わす。)
    で示されるβ−シクロゲラニルアリールスルホンの製造方法。
  2. 反応溶媒として飽和炭化水素溶媒を用いる請求項に記載の製造方法。
  3. 飽和炭化水素溶媒がn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタン、シクロヘキサンから選ばれる少なくとも一つである請求項に記載のβ−シクロゲラニルアリールスルホンの製造方法。
  4. −20℃から40℃の温度の範囲で実施する請求項1〜のいずれかに記載のβ−シクロゲラニルアリールスルホンの製造方法。
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