JP4456438B2 - オリゴアルギニン脂質 - Google Patents
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Description
とするナノパーティクルまたはリポソームまたはミセル、および、それらを用いた遺伝子
導入法に関するものである。
されている。遺伝子治療を行うには、治療を目的として調製した遺伝子を細胞内に導入す
る必要がある。遺伝子を細胞内に導入する代表的な方法として、ウイルスを改良したベク
ターが用いられているが、免疫原性があること、安全性に問題があること等が指摘されて
いる。そこで、人工の遺伝子導入ベクターとして、ポリリジン、ポリエチレンイミン、D
EAE−デキストラン、ポリアミンデンドリマー等のカチオン性のポリマー、あるいは、
カチオン性の界面活性剤を含有するリポソームやミセル等の会合体が提案されている。し
かし、これらの人工の遺伝子導入ベクターにも、遺伝子導入効率が必ずしも高くないこと
、細胞毒性が高いこと等の問題点が指摘されており、さらなる改良が期待されている。(
例えば、非特許文献1参照)。
最近、塩基性ペプチドを用いた蛋白質等の細胞内導入法が注目されている。HIV−1
Tat蛋白質やショウジョウバエAntennapedia蛋白質由来の十数残基の塩基
性ペプチドを、導入しようとする蛋白質等に結合させ、細胞内に導入する方法である。こ
の方法を用いて、蛋白質ばかりでなく、オリゴ核酸、微小磁石、リポソーム等も細胞内に
導入できることが報告されている。さらに、塩基性ペプチドの配列は自由度が高いものの
、アルギニンのクラスターが重要であることが指摘されている。また、この塩基性ペプチ
ドによる細胞内導入のメカニズムは、これまでに報告されている人工遺伝子導入ベクター
の細胞内導入のメカニズムであるエンドサイトーシスとは異なった経路であることも知ら
れている(非特許文献2参照)。
しかし、HIV−1Tat由来ペプチドを表面に結合したリポソームを細胞内に導入し
た報告では、リポソームの形態を保ったままで細胞内に導入できたことが示されているだ
けで、遺伝子導入には用いられていない(非特許文献3参照)。また、アルギニンオリゴ
マーを1本の長鎖アルキル基を持つカルボン酸あるいはコレステロール等と結合させ、遺
伝子導入に用いた例が報告されている(非特許文献4参照)が、一般に、1本の長鎖アル
キル基を持つ脂質構造は、それ自体の水溶性が高い、会合体が不安定である等の問題を有
することが知られている。
ペプチド脂質が細胞培養等に利用できることを示してきた。(特許文献1、非特許文献5
参照)。また、エチレングリコールのオリゴマーまたはポリマーが結合した人工脂質が生
体適合性付与剤として利用できることを示した(特願2004−42011)。しかし、
遺伝子の細胞内導入に用いるためには、新たな化合物を合成する必要があった。
用いた遺伝子の細胞内導入法を提供することにある。
キル基を有する脂質に結合した化合物を合成し、まず、合成した化合物を有効成分とする
蛍光標識リポソーム調製して、そのリポソームが細胞内に導入されることを確認し、次に
、合成した化合物を有効成分とするナノパーティクルまたはミセルを調製し、そのナノパ
ーティクルまたはミセルがDNAと複合体を作ることを確認し、さらに、そのDNAとの
複合体が細胞内に導入され、蛋白質を発現することを、フローサイトメトリー、共焦点レ
ーザー顕微鏡解析、ルシフェラーゼ活性測定により確認して、本発明を完成するに至った
。
これらの化合物を有効成分とするナノパーティクル、リポソーム、または、ミセル、およ
び、これらを構成要素とする遺伝子導入ベクター、および、その遺伝子導入ベクターを用
いた細胞内への遺伝子導入法、および、この遺伝子導入法によって遺伝子導入された細胞
である。
(ただし、式中で、Aはアルギニンを連続して4残基以上含んだ20残基以下のペプチド
を表し、そのN端またはC端でBと結合しており、Bは2本以上の長鎖アルキル基を有す
る天然または人工の脂質構造、または、それらの脂質構造とAを結ぶリンカー構造を含んだ構造を表している。)
(ただし、式中で、LはX(CH2)yまたはXCH2(CH2OCH2)zCH2を、RはH
またはO(CH2)nCH3を、mは4から12の整数を、nは11から17の整数を表し
、XはN、OまたはSを、yは2から6までの整数を、zは1から100までの整数を表
す。)
遺伝子の細胞内導入のための新規化合物、および、それを用いた遺伝子導入法を与える。
式(1)で示される化合物のペプチド部分は、4残基以上のアルギニンが連続する配列
を含み、全体が20残基以下であれば、如何なる配列であっても構わないが、連続したア
ルギニン部分が必須であるので、経済的には4残基以上20残基以下のアルギニンオリゴ
マーが好ましく、6残基以上12残基以下のアルギニンオリゴマーがさらに好ましい。ペ
プチドの合成法には、一般的に用いられる手法(「ペプチド合成の基礎と実験」、泉屋他
著、丸善株式会社)を用いることができる。
式(1)で示される化合物の脂質部分は、天然由来の脂質でも、人工の脂質でも構わな
い。天然の脂質としては、例えば、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン
脂質、スフィンゴ糖脂質等の2本以上の長鎖アルキル基を持つ脂質が挙げられ、人工の脂
質としては、天然の脂質構造に類似した化合物を始めとして、2本以上の長鎖アルキル基
を有する疎水性の部分と親水性の部分を持った化合物一般を挙げることができる。また、
それらの脂質構造に、アルキル鎖、オリゴまたはポリエチレングリコール鎖等、ペプチド
部分との間に介在するリンカー構造を結合した構造であっても構わない。
式(1)で示される化合物のペプチド部分と脂質部分を結ぶ結合は、共有結合であれば
、如何なる結合であっても構わない。例えば、エステル結合、アミド結合、エーテル結合
、尿素結合、チオエステル結合、チオアミド結合、チオエーテル結合、チオ尿素結合、ジ
スルフィド結合等を挙げることができ、その生成には、それぞれの結合形成に通常使用さ
れる反応を用いることができる。
式(2)で示される化合物の合成手順は、如何なるものであっても構わない。例えば、
実施例に示すように、人工脂質を出発原料に、アミノ酸を1残基ずつ、逐次伸長すること
もできるし、ペプチド部分を予め合成してから脂質部分と結合させることもできるし、そ
れらを組合せた手法を用いることもできる。脂質部分の末端の官能基を、アミノ基、水酸
基、チオール基とすることで、ペプチド部分との結合を、それぞれ、アミド結合、エステ
ル結合、チオエステル結合とすることができる。
その組成の一部として本発明の化合物を含んでいれば、他の成分は如何なるものであって
も構わない。
ナノパーティクルは、ナノスケール(1〜1000nm)の微粒子を総称する用語であ
り、ナノスフェア等と称されることもある。また、その構成要素として、無機化合物、有
機化合物、あるいは無機−有機ハイブリッド化合物を含み、さらに、有機化合物としては
低分子からポリマーまで含んでいる(「Nanoparticles」、Vincent Rotello編、Kluwer A
cademic Publishers)。本発明のナノパーティクルは、本発明の化合物を有効成分として
含んでいれば、上記のナノパーティクルの如何なるものであっても構わない。
リポソームの調製には、多くの方法が知られ、また、その形状も一重膜、多重膜、巨大
リポソーム等が知られている(「ライフサイエンスにおけるリポソーム」、寺田弘、吉村
哲郎編、シュプリンガー・フェアラーク東京)が、本発明のリポソームは、本発明の化合
物を有効成分として含んでいれば、如何なる方法を用いて調製しても、如何なる形状をと
っていても構わない。
ミセルは、通常、限界ミセル濃度を越える濃度の化合物の水溶液中で形成されるが、化
合物を水に分散させるために、撹拌、加熱、超音波処理等の手段が必要な場合があるし、
必要に応じて、化合物の有機溶媒溶液を水に加えた後、有機溶媒を蒸発させることにより
調製される場合もある。本発明のミセルは、本発明の化合物を有効成分として含んでいれ
ば、如何なる方法によって調製しても構わない。
本発明の化合物、あるいは、本発明の化合物を有効成分とするナノパーティクル、リポソーム、または、ミセルを構成要素とする遺伝子導入ベクターの調製は如何なる方法によっても構わない。例えば、実施例に示す様に、導入遺伝子と本発明のナノパーティクル、リポソーム、または、ミセルを混合して複合体を形成することによって調製できる。また、ナノパーティクル、リポソーム、または、ミセルに、導入遺伝子を含む成分を内包させることによって調製することもできる。
本発明の遺伝子導入ベクターを用いた細胞内への遺伝子導入法は、遺伝子導入ベクター
と遺伝子を導入したい細胞が直接接触することができれば、如何なる方法によっても構わ
ない。また、この遺伝子導入法により、目的遺伝子が導入された細胞を調製することがで
きる。
なお、DMFはジメチルホルムアミド、Argはアルギニン、Fmocは9-fluorenylmethoxycarbonyl、Pmcは2,2,5,7,8-pentamethylchroman-6-sulfonyl、Pbfは2,2,4,6,7-pentamethyldihydrobenzofuran-5-sulfonyl、PyBOPはbenzotriazol-1-yl-oxy-tris-pyrrolidino-phosphonium hexafluorophosphate、HBTUは2-(1H-benzotriazol-1-yl)-1,1,3,3-tetramethyluronium hexafluorophosphate、PEG1000、PEG2000は、それぞれ、東京化成から購入した平均分子量1000、2000のポリエチレングリコールまたはその末端誘導体、EPCは卵由来フォスファチジルコリン、Cholはコレステロール、DSPEはdistearoylphosphoethanolamine、DiIは1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyamine、FITCはfluorescein isothiocyanate、PBSはリン酸緩衝塩溶液、MEMは最小必須培地、GFPはgreen fluorescent proteinの略号である。
ミド(配列番号1)の合成)
Fmoc−Arg(Pmc)−OH(1.02g, 1.54mmol)、HBTU(584mg, 1.54mmol
)、ジメチルアミノピリジン(20.0mg, 0.164mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹
拌した後、N−(6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(
600mg, 1.02mmol)を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え
、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを
ろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をSephadex LH−20(ジクロロメタン
:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Fmoc−Arg(Pmc))−6−ア
ミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.20g, 0.969mmol, 95%
)を得た。
N−(N−(Fmoc−Arg(Pmc))−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(
ドデシロキシ)ベンズアミド(1.15g, 0.933mmol)をジクロロメタン(2 ml)に溶解し、
ピペリジン(1 ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex
LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−Arg(Pm
c)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(905mg, 0.8
96mmol, 95%)を得た。
)、ジメチルアミノピリジン(15.0mg, 0.123mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹
拌した後、N−(N−Arg(Pmc)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシ
ロキシ)ベンズアミド(700mg, 0.693mmol)を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了
後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥
させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(
クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−(Arg(P
mc))2)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.0
6g, 0.638mmol, 92%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))2)−6−アミノヘキシル)−3,5−
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.00g, 0.604mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶
解し、ピペリジン(1ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephad
ex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Ar
g(Pmc))2−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド
(860mg, 0.600mmol, 99%)を得た。
ol)、ジメチルアミノピリジン(15.0 mg, 0.123 mmol)をDMFに溶解し、室温で1時
間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))2−6−アミノヘキシル)−3,5−ビ
ス(ドデシロキシ)ベンズアミド(750mg, 0.523mmol)を加え、更に室温で一夜撹拌した
。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN
60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−(Ar
g(Pmc))3)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミ
ド(1.03g, 0.496mmol, 95%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))3)−6−アミノヘキシル)−3,5−
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.00g, 0.481mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶
解し、ピペリジン(1ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephad
ex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Ar
g(Pmc))3−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド
(899 mg, 0.484 mmol, quant)を得た。
ol)、ジメチルアミノピリジン(15.0 mg, 0.123 mmol)をDMFに溶解し、室温で1時
間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))3−6−アミノヘキシル)−3,5−ビ
ス(ドデシロキシ)ベンズアミド(840mg, 0.452mmol)を加え、更に室温で一夜撹拌した
。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をSeph
adex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(
Fmoc−(Arg(Pmc))4)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロ
キシ)ベンズアミド(1.08g, 0.433mmol, 96%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))4)−6−アミノヘキシル)−3,5−
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.00g, 0.400mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶
解し、ピペリジン(1ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephad
ex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Ar
g(Pmc))4−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド
(909mg, 0.399mmol, quant)を得た。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) 2280.24 ([M+H]+)。
キシ)ベンズアミド(88.0mg, 0.0386mmol)にトリフルオロ酢酸:水=9:1(1 ml)を
加えて、3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、ジメチルスルホキシドを加え
て溶解し、さらにメタノールを加えた。生じた白色沈澱をろ取し、メタノールで洗浄して
、N−(N−Arg4−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズア
ミド(55.0mg, 0.0455mmol, 86%)を得た(配列番号1)。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) 1214.99 ([M+H]+)。
ミド(配列番号2)の合成)
Fmoc−Arg(Pmc)−OH(387mg, 0.584mmol)、HBTU(221mg, 0.584mm
ol)、ジメチルアミノピリジン(15.0mg, 0.123mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間
撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))4−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミド(887 mg, 0.389 mmol)を加え、更に室温で一夜撹拌した
。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲ
ルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−(
Arg(Pmc))5)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズ
アミド(1.08g, 0.371mmol, 95%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))5)−6−アミノヘキシル)−3,5−
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.00g, 0.342mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶
解し、ピペリジン(1ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephad
ex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Ar
g(Pmc))5−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド
(903mg, 0.334mmol, 98%)を得た。
ol)、ジメチルアミノピリジン(15.0mg, 0.123mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間
撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))5−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミド(882mg, 0.326mmol)を加え、更に室温で3時間撹拌した
。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲ
ルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−(
Arg(Pmc))6)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズ
アミド(1.04g, 0.311mmol, 95%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))6)−6−アミノヘキシル)−3,5−
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.00g, 0.299mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶
解し、ピペリジン(1ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephad
ex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Ar
g(Pmc))6−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド
(906mg, 0.290mmol, 97%)を得た。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) 2123.75 ([M+H]+)。
キシ)ベンズアミド(500mg, 0.160mmol)にトリフルオロ酢酸:水=9:1(1ml)を加
えて、3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、ジメチルスルホキシドを加えて
溶解し、さらにメタノールを加えた。生じた白色沈澱をろ取し、メタノールで洗浄し、N
−(N−Arg6−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド
(208mg, 0.136mmol, 85%)を得た(配列番号2)。
ミド(配列番号3)の合成)
Fmoc−Arg(Pmc)−OH(286mg, 0.432mmol)、PyBOP(225mg, 0.432
mmol)をDMFに溶解し、室温で時間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))6−
6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(900mg, 0.288mmol
)を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離し
た。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒
を減圧下留去し、未精製のN−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))7)−6−アミ
ノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))7)−6−アミノヘキシル)−
3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドをジクロロメタン(3ml)に溶解し、ピペリ
ジン(2ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex LH−
20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Arg(Pmc)
)7−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(950mg, 0.26
8mmol, 93%(2工程での収率))を得た。
02mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))
7−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(950mg, 0.268m
mol)を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分
離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、
溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2
)で精製し、N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))8)−6−アミノヘキシル)
−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.01g, 0.241mmol, 90%)を得た。
MALDI-TOFMS (Dithranol) 4192.80 ([M+H]+)。
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(350mg, 0.0835mmol)にトリフルオロ酢酸:水=9
:1(2ml)を加えて、3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下濃縮し、未精製
のN−(N−(Fmoc−Arg8)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロ
キシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−Arg8)−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(
ドデシロキシ)ベンズアミドをジクロロメタン(1ml)に溶解し、ピペリジン(0.5ml)を
加えて、30分撹拌した。反応溶液にメタノールを加え、生じた白色沈澱をろ取し、メタ
ノールで洗浄し、N−(N−Arg8−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロ
キシ)ベンズアミド(152mg, 0.0825mmol, 99%(2工程での収率))を得た(配列番号3
)。
ミド(配列番号4)の合成)
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))8)−6−アミノヘキシル)−3,5−
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.00g, 0.239mmol)をジクロロメタン(3ml)に溶
解し、ピペリジン(2ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephad
ex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製しN−(N−(Arg
(Pmc))8−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(9
26mg, 0.233mmol, 98%)を得た。
Fmoc−Arg(Pmc)−OH(230mg, 0.348mmol)、PyBOP(181mg, 0.348
mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))8
−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(920mg, 0.232mm
ol)を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離
した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶
媒を減圧下留去し、未精製のN−(N−(Fmoc−Arg(Pmc))9)−6−アミ
ノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))9)−6−アミノヘキシル)−
3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドをジクロロメタン(2ml)に溶解し、ピペリ
ジン(1ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex LH−
20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Arg(Pmc)
)9−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(922mg, 0.20
9mmol, 90%(2工程での収率))を得た。
Fmoc−Arg(Pmc)−OH(204mg, 0.307mmol)、PyBOP(160mg, 0.307
mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))9
−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(900mg, 0.205mm
ol)を加え、更に室温で5時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分
離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、
溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2
)で精製し、N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))10)−6−アミノヘキシル)
−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(982mg, 0.195mmol, 95%)を得た。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) 5036.4092 ([M+H]+)。
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(200mg, 0.0397mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶
解し、ピペリジン(1ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液はSephadex L
H−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)により、ピペリジンを除去し、未精製
のN−(N−(Arg(Pmc))10−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロ
キシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Arg(Pmc))10−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(
ドデシロキシ)ベンズアミドに、トリフルオロ酢酸:水=9:1(1ml)を加えて、5時
間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、ジメチルスルホキシドを加えて溶解し、さ
らにメタノールを加えた。生じた白色沈澱をろ取し、メタノールで洗浄し、N−(N−A
rg10−6−アミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(51.2 mg,
0.0238 mmol, 60% 2工程での収率)を得た(配列番号4)。
アミド(配列番号1)の合成)
3,5−ビス(ドデシロキシ)安息香酸(1.00g, 2.04mmol)、水溶性カルボジイミド
(480mg, 2.50mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(383mg, 2.50mmol)をDMF
に溶解し、室温で1時間撹拌した後、ジアミノポリエチレングリコール(ジアミノPEG
2000)(5.00g, 2.50mmol)を加え、更に室温で一夜撹拌した。反応終了後、クロロ
ホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。
硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロ
ホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−アミノPEG2000−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.16g, 1.02mmol, 50%)を得た。
ol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−アミノPEG2000−3,5−
ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.00g, 0.808mmol)を加え、更に室温で一夜撹拌し
た。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネ
シウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカ
ゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−
Arg(Pmc))−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズア
ミド(2.46g, 0.789mmol, 98%)を得た。
N−(N−(Fmoc−Arg(Pmc))−アミノPEG2000)−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.45g, 0.785mmol)をジクロロメタン(3ml)に溶解し
、ピペリジン(2ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex
LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−Arg(P
mc)−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.23g,
0.770mmol, 98%)を得た。
ol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−Arg(Pmc)−アミノ
PEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.20g, 0.759mmol)を
加え、更に室温で3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した
。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を
減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精
製し、N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))2)−アミノPEG2000)−3
,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.47g, 0.698mmol, 92%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))2)−アミノPEG2000)−3,5
−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.40g, 0.678mmol)をジクロロメタン(3ml)に
溶解し、ピペリジン(2ml)を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sepha
dex LH−20(ジクロロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(A
rg(Pmc))2−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズア
ミド(2.26g, 0.678mmol, quant)を得た。
ol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))2−
アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.20mg, 0.663m
mol)を加え、更に室温で5時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を
分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し
、溶媒を減圧下留去し、未精製のN−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))3)−ア
ミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))3)−アミノPEG2000)
−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(3ml)に溶解し、ピペリジン(2ml)を加
えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex LH−20(ジクロロメ
タン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−(Arg(Pmc))3−アミノPE
G2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.28g, 0.610mmol, 92%(
2工程での収率))を得た。
ol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後、N−(N−(Arg(Pmc))3−
アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(2.00g, 0.535mm
ol)を加え、更に室温で3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分
離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、
溶媒を減圧下留去し、N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))4)−アミノPEG
2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(1.95g, 0.446mmol, 83%)を
粗生成物として得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pmc))4)−アミノPEG2000)−3,5
−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(200mg, 0.0456mmol)にトリフルオロ酢酸:水=
9:1(1ml)を加えて、3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下濃縮し、未精
製のN−(N−(Fmoc−Arg4)−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデ
シロキシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−Arg4)−アミノPEG2000)−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミドをジクロロメタン(2ml)に溶解し、ピペリジン(1ml)を
加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex LH−20(ジクロロ
メタン:メタノール=2:1)で精製しN−(N−Arg4−アミノPEG2000)−
3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(102mg, 0.0326mmol, 68%(2工程での収率
))を得た(配列番号1)。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) m/z 3096.13, 3140.03, 3184.71 ([
M+H]+)。
アミド(配列番号2)の合成)
ペプチド研究所から購入したFmoc−(Arg(Pbf))6−OH(100mg, 0.0372
mmol)、PyBOP(19.0mg, 0.0372mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後
、N−アミノPEG2000−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(77.0mg, 0.
0310mmol)を加え、更に室温で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、有機
層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ
別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN60(クロロホルム:メタノール=9
8:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−(Arg(Pbf))6)−アミノPEG2
000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(112mg, 0.0218mmol, 70%)を得
た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pbf))6)−アミノPEG2000)−3,5
−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(110mg, 0.0214mmol)にトリフルオロ酢酸:水=
9:1(1ml)を加えて、5時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下濃縮し、未精
製のN−(N−(Fmoc−Arg6)−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデ
シロキシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−Arg6)−アミノPEG2000)−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミドをジクロロメタン(2ml)に溶解し、ピペリジン(1ml)を
加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex LH−20(ジクロロ
メタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−Arg6−アミノPEG2000)
−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(70.2mg, 0.0205mmol, 96%(2工程での収
率))を得た(配列番号2)。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) m/z 3584.62, 3628.17, 3672.29 ([
M+H]+)。
アミド(配列番号3)の合成)
ペプチド研究所から購入したFmoc−(Arg(Pbf))6−OH(100mg, 0.0372
mmol)、PyBOP(19.0mg, 0.0372mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌した後
、N−(N−(Arg(Pmc))2−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシ
ロキシ)ベンズアミド(103mg, 0.0310mmol)を加え、更に室温で2時間撹拌した。反応
終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで
乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルN6
0(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−(Arg
(Pbf))6−(Arg(Pmc))2)−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ド
デシロキシ)ベンズアミド(97.0mg, 0.0161mmol, 52%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pbf))6−(Arg(Pmc))2)−アミノP
EG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(95.0mg, 0.0158mmol)に
トリフルオロ酢酸:水=9:1(1ml)を加えて、3時間撹拌した。反応終了後、反応溶
液を減圧下濃縮し、未精製のN−(N−(Fmoc−Arg8)−アミノPEG2000
)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−Arg8)−アミノPEG2000)−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミドをジクロロメタン(1ml)に溶解し、ピペリジン(0.5ml)
を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex LH−20(ジクロ
ロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−Arg8−アミノPEG2000
)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(55.2mg, 0.0147mmol, 93%(2工程で
の収率))を得た(配列番号3)。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) m/z 3670.02, 3714.17, 3757.87 ([
M+H]+)。
アミド(配列番号4)の合成)
ペプチド研究所から購入したFmoc−(Arg(Pbf))6−OH(100 mg, 0.037
2 mmol)、PyBOP(23.0mg, 0.0442mmol)をDMFに溶解し、室温で1時間撹拌し
た後、N−(N−(Arg(Pmc))4−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ド
デシロキシ)ベンズアミド(129 mg, 0.0310 mmol)を加え、更に室温で3時間撹拌した。
反応終了後、クロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲル
N60(クロロホルム:メタノール=98:2)で精製し、N−(N−(Fmoc−(A
rg(Pbf))6−(Arg(Pmc))4)−アミノPEG2000)−3,5−ビ
ス(ドデシロキシ)ベンズアミド(148mg, 0.0220mmol, 71%)を得た。
N−(N−(Fmoc−(Arg(Pbf))6−(Arg(Pmc))4)−アミノP
EG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(140mg, 0.0208mmol)に
トリフルオロ酢酸:水=9:1(1ml)を加えて、5時間撹拌した。反応終了後、反応溶
液を減圧下濃縮し、未精製のN−(N−(Fmoc−Arg10)−アミノPEG2000
)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを得た。
未精製のN−(N−(Fmoc−Arg10)−アミノPEG2000)−3,5−ビス
(ドデシロキシ)ベンズアミドをジクロロメタン(1ml)に溶解し、ピペリジン(0.5ml)
を加えて、30分撹拌した。反応溶液を、直接、Sephadex LH−20(ジクロ
ロメタン:メタノール=2:1)で精製し、N−(N−Arg10−アミノPEG2000
)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド(70.0mg, 0.0166mmol, 80%(2工程で
の収率))を得た(配列番号4)。
MALDI-TOFMS (α-cyano-4-hydroxycinnamic acid) m/z 4123.36, 4166.18, 4209.92 ([
M+H]+)。
リポソームの調製は、ドライフィルム法によって行った。N−(N−Arg6−6−ア
ミノヘキシル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを、EPC:Chol:オ
リゴアルギニン脂質=7:3:0.05(モル比)となるように、クロロホルム溶液とし
、ロータリーエバポレーターで溶媒を蒸発させて、乾燥したフィルムを作成した。これに
20mMカルセイン水溶液を加えて水和し、超音波処理によって、リポソームを作成した
(L−Arg6と略記する)。対照として、オリゴアルギニン脂質を含まないリポソーム
を、EPC:Chol=7:3(モル比)を用いて同様に調製した(L−NonArgと
略記する)。
レーザーゼータ電位計(ELS-800、大塚電子製)を用いて平均粒子径およびζポテンシャ
ルを測定すると、L−NonArgは、それぞれ、483nm、−12.8mV、L−A
rg6は、それぞれ、116nm、−7.51mVであった。
ーム溶液をHeLa細胞と1時間接触させた後、水洗してから共焦点レーザー顕微鏡で観
察した。対照のL−NonArgにはほとんど蛍光が観察されなかったのに対し、L−A
rg6では、全ての濃度で、また、37℃でも4℃でも、ほぼ全ての細胞で蛍光が観察さ
れ、L−Arg6が細胞膜を透過することが確認された。また、4℃でも膜透過が観察さ
れることから、その膜透過機構はエンドサイトーシスによらないものであることが示唆さ
れた。
実施例9と同様の方法によって、L−Arg6、L−NonArg、および、N−(N
−Arg6−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミド、ま
たは、N−(N−Arg8−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベ
ンズアミドを含有するリポソーム(それぞれ、L−PEG−Arg6、L−PEG−Ar
g8と略記する。)を調製した。さらに、赤色蛍光色素DiIを含むエタノール溶液を全
脂質量に対し、0.04mol%となるように添加して、カルセインとDiIで2重に染
色されたリポソームとした。
平均粒子径は、L−NonArgが129nm、L−Arg6が291nm、L−PE
G−Arg6が579nm、L−PEG−Arg8が223nmであった。
各リポソームの総脂質量2μg/mlの濃度の溶液を、1ml/ウエルずつHeLa細
胞と接触させた。3時間の接触の後、リポソーム溶液を除き、リン酸バッファーで洗浄し
た。細胞を0.5ml/ウエルのフローサイトメトリー用バッファーに懸濁させ、フロー
サイトメトリーで解析した結果を図1に示す。この結果から、L−Arg6>L−PEG
−Arg8>L−PEG−Arg6の順に取り込み効率が高くなり、L−Arg6が最も
高い取り込み効率を示すことが判った。
N−(N−Arg6−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズ
アミド、または、N−(N−Arg8−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシ
ロキシ)ベンズアミド、または、PEG2000−DSPEを含有するナノパーティクル
を、Chol:Tween80:PEG脂質誘導体=90:5:5(モル比)として、改
良エタノール注入法によって調製した(それぞれ、NP−PEG−Arg6、NP−PE
G−Arg8、NP−PEGと略記する。)。例えば、NP−PEG−Arg6は、10
mgのChol、1.9mgのTween80、4.9mgのN−(N−Arg6−アミ
ノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを、NP−PEG−A
rg8は、10mgのChol、1.9mgのTween80、5.4mgのN−(N−
Arg8−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドを、N
P−PEGは10mgのChol、1.9mgのTween80、3.9mgのPEG2
000−DSPEをエタノールに溶解後、改良エタノール注入法によって10mlの溶液
として調製する。
調製直後および6日後の平均粒子径は、NP−PEG−Arg6が、それぞれ、136
.7nm、162.8nm、NP−PEG−Arg8が、それぞれ、123.1nm、1
44.1nm、NP−PEGが、それぞれ、174.6nm、136.6nmであった。
それぞれのナノパーティクル溶液10μlあたり2μgのプラスミドDNAを混合して
、ナノパーティクルとDNAの複合体を形成させた。DNA混合後の平均粒子径は、NP
−PEG−Arg6が396.3nm、NP−PEG−Arg8が641.1nm、NP
−PEGが114.2nmであり、NP−PEG−Arg6とNP−PEG−Arg8は
DNAとの複合体を形成したが、NP−PEGはDNAとの複合体を形成しないことが明
らかになった。
gのFITC標識オリゴDNA(30mer)と各ナノパーティクル溶液20μlを混合
して、10分間放置した。この溶液に1mlの無血清MEM培地を加え、35mmディッ
シュに培養したHeLa細胞に添加した。添加後、1時間後あるいは3時間後に、トリプ
シン/EDTAを用いて細胞を回収し、洗浄の後、フローサイトメトリーによってFIT
C標識オリゴDNAの細胞内取り込みを調べた結果を図2に示した。
NP−PEG−Arg6およびNP−PEG−Arg8によるFITC標識DNAの細
胞内移行量の増加は3時間後において観察された。
N−(N−Arg6−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズ
アミド、または、N−(N−Arg8−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシ
ロキシ)ベンズアミド、または、PEG2000−DSPEを水に溶解させて20mg/
mlのミセル溶液とした(それぞれ、M−PEG−Arg6、M−PEG−Arg8、M
−PEGと略記する。)。
4μgのFITC標識オリゴDNA(30mer)と各ミセル溶液10μlを混合して
、10分間放置した。この溶液に1mlの無血清MEM培地を加え、35mmディッシュ
に培養したHeLa細胞に添加した。添加後、1時間後あるいは3時間後に、トリプシン
/EDTAを用いて細胞を回収し、洗浄の後、フローサイトメトリーによってFITC標
識オリゴDNAの細胞内取り込みを調べた結果を図3に示した。
M−PEG−Arg6およびM−PEG−Arg8によるFITC標識DNAの細胞内
移行は1時間後には観測され、細胞内移行量は、添加後1時間より3時間後の方が高かった
。
実施例12と同様に調製したM−PEG−Arg6またはM−PEG−Arg8の溶液
を、4μgFITC標識オリゴDNA(30mer)に対して各ミセル溶液10μlを混
合して、10分間放置することにより、DNAとの複合体を調製した。これに1ml無血
清MEM培地を加え、35mmディッシュに培養したHeLa細胞に添加した。添加後3
時間目にHeLa細胞をPBS(pH7.4)にて洗浄し、10%ホルマリンにて細胞を
固定した後、共焦点レーザー顕微鏡でDNAの細胞内移行を観察した結果を図4に示した
。
M−PEG−Arg6とM−PEG−Arg8、どちらを用いた場合においても、細胞
内に広くDNAの存在を示す蛍光が観察された。
N−(N−Arg8−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズ
アミド、または、N−(N−Arg10−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシ
ロキシ)ベンズアミドを水に溶解させて20mg/mlのミセル溶液とした(それぞれ、
M−PEG−Arg8、M−PEG−Arg10と略記する。)。
2μgのFITC標識オリゴDNA(30mer)と各ミセル溶液5μlを混合して、
10分間放置した。この溶液に1mlの無血清MEM培地を加え、35mmディッシュに
培養したHeLa細胞に添加した。添加後3時間後に、トリプシン/EDTAを用いて細
胞を回収し、洗浄の後、フローサイトメトリーによってFITC標識オリゴDNAの細胞
内取り込みを調べた結果を図5に示した。
M−PEG−Arg8およびM−PEG−Arg10によるFITC標識DNAの細胞
内移行が観測された。
N−(N−Arg4−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズ
アミド、N−(N−Arg6−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)
ベンズアミド、N−(N−Arg8−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロ
キシ)ベンズアミド、N−(N−Arg10−アミノPEG2000)−3,5−ビス(
ドデシロキシ)ベンズアミドを水に溶解させて20mg/mlのミセル溶液を調製した。
(それぞれ、M−PEG−Arg4、M−PEG−Arg6、M−PEG−Arg8、M
−PEG−Arg10と略記する。)
サイトメガロウイルスのプロモーターの下流にルシフェラーゼ遺伝子を挿入したpCMV-l
ucプラスミドと各ミセル溶液を、プラスミド2μgに対し、ミセル溶液5μl、チューブ
内で混合させ、10分間室温にて放置した。
その後、チューブに1ml血清不含MEM培地を加え混合させた後、6穴プレートにて
培養したHeLa細胞に添加した。3時間後に1mlの5%血清含有MEM培地を添加し
、さらに21時間放置した。HeLa細胞をPBS(pH7.4)にて洗浄後、細胞溶解
液にて細胞を溶解させた。その後凍結融解を1回行い、15,000rpm、 5秒間、
遠心分離を行った。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、その上清を採取し、ピッカジーン(
東洋インキ製造株式会社製)を用いてルシフェラーゼ活性を測定することにより確認した
。各溶液の蛋白質濃度を測定し、ルシフェラーゼ値を、count per sec(c
ps)/μg蛋白質に換算した結果を図6に示す。
M−PEG−Arg4、M−PEG−Arg6、M−PEG−Arg8、M−PEG−
Arg10のいずれを用いた場合もルシフェラーゼ活性が観測された。特に、M−PEG
−Arg8、M−PEG−Arg10を用いた場合に高いルシフェラーゼ活性が得られた
。
N−(N−Arg10−アミノPEG2000)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベンズ
アミドを水に溶解させて20mg/mlのミセル溶液とした(M−PEG−Arg10と
略記する。)。
サイトメガロウイルスのプロモーターの下流にGFP遺伝子を挿入したpEGFPプラスミ
ド(Clonetech社製)2μgに対し、ミセル溶液5μlをチューブ内で混合させ
、10分間室温にて放置した。
その後、チューブに1ml血清不含MEM培地を加え混合させた後、6穴プレートにて
培養したHeLa細胞に添加した。3時間後に1mlの5%血清含有MEM培地を添加し
、さらに21時間放置した。
培地を除いて、HeLa細胞をPBS(pH7.4)にて洗浄し、10%ホルマリンに
て細胞を固定した後、共焦点レーザー顕微鏡でGFPの細胞内での発現を観察した結果を
図7に示した。また、トリプシン/EDTAを用いて細胞を回収し、洗浄の後、フローサ
イトメトリーによってGFPが発現した細胞を解析した結果を図8に示した。
上記2種の解析手法によって、M−PEG−Arg10によって、細胞内にGFP遺伝
子が導入され、蛋白質として発現されることが明らかになった。
(N−(8−アミノ−3,6−ジオキサオクチル)−3,5−ビス(ドデシロキシ)ベ
ンズアミドの合成)
3,5−ビス(ドデシロキシ)安息香酸(0.50g, 1.02mmol)をジクロロメタン(20ml)
に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.
23g, 1.22mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.17g, 1.22mmol)を加え
、室温で1時間撹拌した。その後、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン(0.24ml
, 2.04mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応液をクロロホルムで抽出
した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。硫
酸ナトリウムをろ別した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:メタノール=5:1)により精製し、目的物(0.25g, 39%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 600MHz) δ 6.91 (s, 2H)、6.54 (d, 1H, J = 2.1Hz)、3.94 (t, 4H,
J = 7.2Hz)、3.68 (m, 12H)、3.11 (s, 2H)、1.74 (m, 4H)、1.41 (m, 4H)、1.26 (m, 32
H)、0.88 (t, 6H, J = 7.2Hz)。
MALDI-TOFMS (2,5-Dihydroxybenzoic acid) m/z 622 ([M+H]+)。
(N−(8−アミノ−3,6−ジオキサオクチル)−3,4,5−トリス(ドデシロキ
シ)ベンズアミドの合成)
3,4,5−トリス(ドデシロキシ)安息香酸(1.10g, 1.63mmol)をジクロロメタン
(100ml)に溶解し、水溶性カルボジイミド(0.381g, 1.96mmol)、1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール(0.261g, 1.96mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、1,8−
ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン(1.21 g, 8.15 mmol)を加え、室温でさらに1時
間撹拌した。反応溶液は飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで脱水した。硫酸ナトリウムをろ別し、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)により精製し、目的物(922mg,
1.14mmol, 70%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 600MHz) δ 6.99 (2H, s)、6.72 (1H, brs)、4.01 (4H, t, J = 6.5Hz
)、3.98 (2H, t, J = 6.5Hz)、3.66 (8H, m)、3.50 (2H, t, J = 5.5Hz)、2.84 (2H, t,
J = 5.5Hz)、1.80 (4H, quint, J = 6.8Hz)、1.73 (2H, quint, J = 6.8Hz), 1.34-1.26
(54H, m), 0.88 (9H, t, J = 6.8Hz)。
MALDI-TOFMS (Dithranol) calcd m/z 806.08 ([M+H]+)。
(N−(17−アミノ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデシル)−3,
5−ビス(ドデシロキシ)ベンズアミドの合成)
3,5−ビス(ドデシロキシ)安息香酸(0.58g, 1.19mmol)をジクロロメタン(30ml)
に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.
29g, 1.55mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.21g, 1.55mmol)を加え
、室温で1時間撹拌した。その後、1,17−ジアミノ−3,69,12,15−ペンタオキ
サヘプタデカン(2.33g, 3.09mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応
液をクロロホルムで抽出した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで脱水した。硫酸ナトリウムをろ別した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)により精製し、目的物(
0.33g, 37%)を得た。
1H-NMR (CD3OD, 600MHz) δ 6.96 (d, 2H, J = 2.1Hz)、6.62 (t, 1H, J = 2.1Hz)、3.
99 (t, 4H, J = 6.5 Hz)、3.70 (t, 2H, J = 5.2 Hz)、3.62 (m, 20H)、3.56 (t, 2H, J
= 5.5 Hz)、3.09 (t, 2H, J = 5.2 Hz)、1.77 (m, 4H)、1.48 (m, 4H)、1.34 (m, 32H)、
0.89 (t, 6H, J = 7.2 Hz)。
MALDI-TOFMS (2,5-Dihydroxybenzoic acid) m/z 754 ([M+H]+)。
(N−(17−アミノ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデシル)−3,
4,5−トリス(ドデシロキシ)ベンズアミドの合成)
3,4,5−トリス(ドデシロキシ)安息香酸(250mg, 0.371mmol)をジクロロメタン
(20ml)に溶解し、 水溶性カルボジイミド(84.4mg, 0.440mmol)、1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール(60.0mg, 0.440mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、1,
17−ジアミノ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン(415mg, 1.48mmo
l)を加え、室温でさらに1時間撹拌した。反応溶液は飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗
浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。硫酸ナトリウムをろ別し、溶媒を留去し
、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)
により精製し、目的物(184mg, 0.196mmol, 53%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 600MHz)δ7.01 (2H, s)、6.99 (1H, brs)、4.01 (4H, t, J = 6.5Hz)
、3.98 (2H, J = 6.5Hz)、3.75-3.60 (22H, m), 3.49 (2H, t, J = 5.1Hz)、2.84 (2H, t
, J = 5.1Hz)、1.80 (4H, quint, J = 6.8Hz)、1.73 (2H, quint, J = 6.8Hz)、1.29 (6H
, m)、1.28-1.26 (48H, m)、0.88 (9H, t, J = 7.2Hz)。
MALDI-TOFMS (Dithranol) m/z 938.85 ([M+H]+)。
(N−(アミノPEG1000)−3,4,5−トリス(ドデシロキシ)ベンズアミドの
合成)
3,4,5−トリス(ドデシロキシ)安息香酸(1.60g, 2.37mmol)をジクロロメタン
(100ml)に溶解し、水溶性カルボジイミド(736mg, 38.4mmol)、1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール(519mg, 38.4mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ジアミノP
EG1000(8.29g, 8.31mmol)を加え、室温でさらに1時間撹拌した。反応溶液は飽
和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。硫酸ナト
リウムをろ別し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム:メタノール=50:1)により精製し、目的物(373mg, 0.231mmol, 9%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 600MHz)δ7.00 (2H, s)、6.73 (1H, brs)、4.01 (4H, t, J = 6.5Hz)
、3.98 (2H, t, J = 6.5Hz)、3.72-3.58 (m)、3.23 (2H, brs)、1.80 (4H, quint, J = 6
.8Hz)、1.72 (2H, quint, J = 6.8Hz)、1.46 (6H, quint, J = 6.8Hz)、1.35-1.26 (48H,
m)、0.88 (9H, t , J = 6.9Hz)。
MALDI-TOFMS (Dithranol) m/z 1333.30、1377.25、1422.30、1466.25、1509.25、1553.
20、1598.20、1642.23、1686.18 ([M+H]+)。
薬、再生医療における細胞治療、細胞を用いた実験用試薬等としての利用が期待される。
また、1は細胞の自家蛍光、2はL−NonArg、3はL−PEG−Arg6、4はL
−PEG−Arg8、5はL−Arg6と反応させた結果を示す。
図2:Aは1時間後の、Bは3時間後の結果を示す。
図3:Aは1時間後の、Bは3時間後の結果を示す。
図7:Aはコントロール、BはM−PEG−Arg10を3時間作用させた結果を示す。
Claims (6)
- 式(2)で示される化合物。
(ただし、式中で、Argはアルギニンを、LはX(CH2)yまたはXCH2(CH2OCH2)zCH2を、RはHまたはO(CH2)nCH3を、mは4から12の整数を、nは11から17の整数を表し、XはN、OまたはSを、yは2から6までの整数を、zは1から100までの整数を表す。) - 請求項1記載の化合物を有効成分とするナノパーティクル。
- 請求項1記載の化合物を有効成分とするリポソーム。
- 請求項1記載の化合物を有効成分とするミセル。
- 請求項1記載の化合物、または、請求項2記載のナノパーティクル、または、請求項3記載のリポソーム、または、請求項4記載のミセルを構成要素とする遺伝子導入ベクター。
- 請求項5記載の遺伝子導入ベクターを用いた細胞内への遺伝子導入法。
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