JP4455035B2 - 位置特定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、位置特定方法に係り、特に電子回路パターンを半導体基板(ウエハ)上に投影露光する半導体露光装置において、ウエハ、レチクル(マスク)、露光装置基準、装置各部品等の各々の相対位置を精密に調整する場合に適用可能な位置特定方法に関する。本発明は、特にTISやWIS等の誤差要因を含む状況において、微分方式を用いて精密に位置特定を行う場合に好適である。
集積回路の高密度化に伴い、半導体製造用の投影露光装置ではレチクル上の回路パターンをウエハ上に高い解像力で投影露光することが要求されている。投影解像力を向上させる方法としては、露光光の波長を固定して投影光学系のNA(開口数)を大きくする方法や、露光光としてg線からi線、i線からエキシマレーザー発振波長、更にFレーザー発振波長やSR光へとより短い波長の光を使用して露光する方法等が提案、検討されている。
一方、回路パターンの微細化に伴い、電子回路パターンの形成されているレチクルとウエハをより高精度にアライメントすることも同時に要求されている。アライメントの要求精度は回路パターンの1/3以下と言われており、例えば1ギガビットDRAMの回路パターンのルールを0.18μmとすると、オーバーレイ精度は60nm以下の値が必要とされる。ここでオーバーレイとは露光領域全体のアライメントを意味するものとする。
上記のような半導体産業の現状において、露光装置を使用する上で実素子ウエハでの重ね合わせ精度を向上させることは、半導体素子の性能や、半導体素子製造の歩留まりを向上させるための必須課題と言える。アライメント精度を劣化させる要因のひとつとして、ウエハプロセスの影響によるアライメント信号の非対称に起因する検出信号の非対称性が位置検出結果に大きな誤差(WIS:Wafer Induced Shift)を生じさせる、ということが挙げられる。
WISの原因には、レジストパターンの非対称性、アライメントマークの段差のテーパー上の形状、左右の段差傾斜の相違、平坦度の部分的な変化等が考えられる。一方、装置要因(顕微鏡の光学系の収差、照明光の不均一性等)によるアライメント精度の低下(TIS:Tool Induced Shift)や、ウエハ要因(WIS)と装置要因(TIS)との相乗効果(TIS−WIS−Interaction)によるアライメント精度の低下なども要因として挙げることができる。
また、アライメント精度を左右するその他の要因としてアライメントの検出方式に起因するものがある。以下、最初にアライメント検出光学系(信号処理系も含む)の構成について説明し、次に、アライメントの検出方式の信号処理アルゴリズムについてのいくつかの例を説明する。
ステッパー、及びスキャナーなど半導体露光装置のアライメント検出方式は、明視野照明と画像処理を使用した方式が多く採用されている。図7は半導体露光装置における縮小投影光学系とアライメント検出光学系との関係を示す概略図である。露光装置1は、所定の回路パターンが形成されたレチクル10を縮小投影する縮小投影光学系11、ウエハ12を保持するウエハチャック13、ウエハ12を所定の位置に位置決めするウエハステージ14、ウエハ上のアライメントマークの位置を計測するアライメント検出光学系15、検出されたアライメント信号を信号処理するアライメント処理部16、アライメント処理部で計算処理されたデータを基にウエハステージ14を制御する中央処理装置17、半導体露光装置全体の動作シーケンスや動作パラメータ等の条件をオペレーターが入力するコンソール(不図示)等を有して大略構成されている。
図8〜図12を用いてアライメント検出光学系(信号処理系も含む)の構成について説明する。図8はアライメント検出光学系15の構成を示す概略図である。検出光源18からの検出光は、ビームスプリッタ19で反射し、レンズ20を通り、ウエハ12上のマーク(アライメントマーク)30を照明する。アライメントマーク30からの回折光はレンズ20、ビームスプリッタ19、レンズ21を通り、ビームスプリッタ22で分割され、それぞれ検出器としてのCCDセンサー等の光電変換素子23,24で受光される。ここで、アライメントマーク30は、レンズ20、21により100倍程度の結像倍率で拡大され、光電変換素子23、24に結像される。光電変換素子23、24はそれぞれ、アライメントマーク30のX方向のずれ計測用、アライメントマーク30のY方向のずれ計測用になっており、光軸に対して、90度回転させて設置している。
ここでX/Y方向の計測原理は同じなので、X方向の位置計測について説明する。アライメントマークとしては、図9または図10で表される形状のマークを用いている。図9において、計測方向であるX方向に4μm、非計測方向であるY方向に30μmの矩形のマークをX方向に20μmピッチで4本並べている。マーク部はエッチングにより、断面構造は凹形状を有している。なお、実際はそのマーク上にレジストが塗布されているが、図には示していない。
一方、図10に示すマークは、図9に示すマークの輪郭部分を0.6μmの線幅で置換した形状をしている。図9、図10のどちらのアライメントマークを用いても、アライメント検出光学系15のレンズのNAに入らない角度のエッジ散乱光の発生やエッジ散乱光の干渉により、一般的に光電変換素子23、24で撮像される像(検出信号の信号波形)は、図12のようになる。図9のアライメントマークから得られるアライメント信号像はその輪郭部が暗く、図10のアライメントマークから得られるアライメント信号像は凹部が暗くなる。これは、明視野画像の特徴である。
図7に示すアライメント検出光学系15から、アライメント信号処理部16を通してアライメント信号処理が行われる。図11はアライメント検出光学系15及びアライメント信号処理部16の内部構成を示す概略ブロック図である。光電変換素子23、24からの信号はA/D変換器41を通してデジタル化される。デジタル化されたビデオ信号は記録装置42に内蔵される不図示の各種ビデオ信号処理回路によってノイズ成分が除去され、内蔵しているメモリに記録される。記録されたアライメント信号に対して、マーク位置特定部43がデジタル信号処理を行う。マーク位置特定部43は、デジタル信号用の演算素子によって、予めプログラムされたデジタル信号処理を行い、アライメントマークの位置を特定する。CPU44はA/D変換器41、記録装置42、マーク位置特定部43間のコントロール信号を出力して動作制御を行っている。通信部45は図7で示した中央処理装置17とデータ通信をおこない、必要なデータ、及びコントロールのための指令等のやり取りをおこなっている。マーク位置を特定する処理としては各種の信号処理が提案されている。以下位置特定アルゴリズムのいくつかの例に関して述べる。
検出されたアライメント信号を用いてアライメントマークの位置特定処理を行う方法は各種提案されている。例えば、検出したアライメント信号像の左右の対称性からアライメントマークの位置を検出する対称性マッチング法や、アライメント信号像のテンプレートデータと検出されたアライメント信号像の一致度とからアライメントマークの位置特定を行うテンプレートマッチング法が紹介されたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
また、その他の位置特定アルゴリズムとして、アライメント信号の画像信号の輝度の階調が急激に変化する点を複数検出してその複数点間の距離を画像計測し、その複数点間の位置情報を用いてアライメントマークの位置を特定する方法が紹介されたものもある(例えば、特許文献2,3を参照。)。この方法は、アライメントマークの位置を検出する際にアライメント信号の一次微分、あるいは二次微分を行った信号を得て、その微分信号から輝度傾斜の一番急峻な変化点をアライメントマークの位置情報として特定するものである。
この方法によれば、信号波形に高周波ノイズが混入している場合に、微分信号にノイズ成分が顕著に表れてしまうが、前処理としてフィルター等によってランダムノイズを除去すれば、信号ベースラインのノイズ変動、左右の信号レベル差の非対称性に影響を受けないため、マーク段差に対応したエッジ成分の位置を正確に特定できる。
特開平6−151274号公報 特開平9−148233 特開2001−267201
しかしながら、上記の位置特定アルゴリズムは、検出信号にランダムノイズや系統的なノイズ成分が重疊した場合にそれらのノイズの影響で位置特定の精度が悪化する場合がある。ノイズの発生要因はさまざまであり、検出信号には例えばウエハプロセスやアライメント信号の検出方法に起因する光学的ノイズ、電気的ノイズが常に含まれている。
従来は、半導体のウエハプロセスにおけるアライメントマークからの画像信号波形(以下略してアライメント信号と記す)の非対称変形による計測誤差は実用的に大きな問題となる量ではなかった。しかしながら、位置合わせ精度向上への要望が大きくなるにつれ、該アライメント信号の非対称変形による位置計測誤差を軽減する必要性が高まっている。従来の信号処理方式であるパターンマッチングはノイズに起因する精度劣化は少ない(ロバスト性がある)が、位置特定精度はエッジ位置を検出する方法よりも劣る。従来例で述べた微分信号を用いてアライメントマークの位置を特定する方法は位置特定精度は高いがノイズの影響を受けやすい。したがって、総合的にウエハプロセス要因、検出装置要因、又は両方の要因に起因するアライメント信号の非対称性による誤差(WIS、TISあるいはTIS−WIS interaction)に強い信号処理方式がなく、そのような信号処理方式の提案が要望されていた。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、ノイズや誤差の影響を受けにくく、高い位置特定精度を実現することができる位置特定方法を提供することを例示的目的とする。
発明の側面としての位置特定方法は、基板に形成されたマークの位置を特定する位置特定方法であって、前記マークに光を照射し、その反射光を光学的に検出する検出ステップと、該検出された検出信号の信号波形を、隣接する極値間を単位とする複数のスロープ部に分割する分割ステップと、該複数のスロープ部の長さと傾斜とを演算する演算ステップと、該演算された長さと傾斜とに基づいて前記複数のスロープ部のうちから、該演算された長さ及び傾斜量が略一致し、かつ、傾斜の向きが逆の少なくとも1対のスロープ部を選択する選択ステップとを有し、選択された前記スロープ部を前記マークのエッジであると判断することを特徴とする。
本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施形態により明らかにされるであろう。
本発明によれば、位置特定処理に対する事前処理として検出信号の非対称性による誤差の影響を受けにくい位置特定処理エリアを選択し、その選択されたエリアに対して位置特定処理を行うことにより、位置検出信号に重畳するノイズや誤差成分の影響を受けにくくかつ精度の高い位置特定を行うことができる。例えば、この位置特定方法を半導体露光装置におけるアライメントマークの位置検出に適用すれば、ウエハプロセスや検出装置に起因するアライメント信号の非対称性により発生するアライメント誤差の影響を受けない高精度なアライメント位置特定が可能となる。したがって、高精度かつ高性能な半導体を歩留まりよく高速に製造することが可能となる。
[実施の形態1]
図1〜図3を用いて本発明の実施の形態1に係る位置特定方法について説明する。この位置特定方法は、上述の露光装置1に適用可能である。露光装置1においてウエハ12の露光を行う際に、本実施の形態1に係る位置特定方法を用いてアライメントマークの位置特定を行うと、ウエハ12やレチクル10の高精度な位置決めが実現できる。
図1(a)は、図10に示したアライメントマーク30を構成する1つのマークエレメント31の断面図である。図1(b)は、図8で示したアライメント検出光学系15によってマークエレメント31を検出した際の検出信号(アライメント信号)の信号波形(以下、アライメント信号波形という。)101を示した図である。図1(c)は、図1(b)のアライメント信号101を一次微分した一次微分信号波形102である。図1(b)及び図1(c)において、横軸は検出位置、すなわち図1(a)に示すマークエレメント31の位置である。図1(b)において縦軸は検出信号の強度、図1(c)において縦軸は検出強度の微分値である。まず、図1(a)〜(c)を用いて、本発明に係る本実施の形態1を説明する上での用語の説明をする。
アライメント信号波形101は、図1(b)に示すようにマークエレメント31の凹形状に対応して検出信号強度が上下する波形形状を呈している。さらに、様々なノイズ成分が重畳され、アライメント信号波形101は複数のスロープ部を有する波形形状となっている。ここでスロープ部とは、信号波形が右上がりに(すなわち正の傾きで)傾斜している部分や右下がりに(すなわち負の傾きで)傾斜している部分のそれぞれを指し、隣接する極値間を単位とする。より具体的には、アライメント信号波形101が呈する複数の極大値又は極小値のうち、極小値から図中右方向に隣接する極大値までを正の傾きを有するスロープ部とし、極大値から図中右方向に隣接する極小値までを負の傾きを有するスロープ部とする。
アライメント信号波形101を複数のスロープ部に分割して図1(b)に示すようにそれぞれスロープ部106〜スロープ部113とし、一次微分信号波形102の各ピーク波形部分を図1(c)に示すようにそれぞれピーク波形114〜ピーク波形121とする。
図1(b)の各スロープ部106〜113と図1(c)の各ピーク波形114〜121との関係は、スロープ部を一次微分した波形がそれぞれピーク波形に相当する。例えばスロープ部106を一次微分した波形がピーク波形114である。したがって、ピーク波形114は、微分値が0の値となる(すなわち検出信号強度が極値となる)位置p1−位置p2間での一次微分信号を表す。スロープ部107〜113とピーク波形115〜121についても同様の関係である。
以下、上記に説明した用語を用いて、本実施の形態1について説明する。図1(b)に示すようなアライメント信号波形101を用いて、アライメントマークの位置を特定する場合、位置特定処理は、アライメント信号波形101の概略中心位置Cに対して対称な位置にあり、かつ傾斜の向きが互いに逆である少なくとも1対のスロープ部(以下、スロープ対という。)に対して適用される。そのために、複数のスロープ部が存在する場合、その中からどのスロープ対を用いて位置特定処理を行うかによって、アライメント信号波形101の非対称性に起因する誤差の影響度が変わってくる。経験的に、そのスロープ部の傾斜が急峻であり、かつ、スロープ部の長さが長いスロープ部を選択して用い、位置特定処理を行えば、高精度な位置特定を行うことができることが判明している。したがって、本実施の形態1においては、まず最適スロープ対の選択を行い、選択されたスロープ対を用いてアライメントマークの位置特定を行う。その位置特定の手順について図3に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、検出されたアライメント信号波形101に対して微分処理を行い、アライメント信号波形に対する一次微分信号波形102を作成する(S.1)。その一次微分信号波形102には、アライメント信号波形101に含まれる複数のスロープ部106〜113にそれぞれ対応するピーク波形114〜121が含まれている(図1(c)を参照。)。
ピーク波形114〜121に基づいて、対応する各スロープ部106〜113の最大傾斜量と傾斜の向きとを演算により求め、また、ピーク波形114〜121における所定範囲の積分値に基づいて、各スロープ106〜113の長さを演算により求める(S.2)。スロープ部の最大傾斜量と傾斜の向きは、対応するピーク波形の極値(縦軸の値)に基づいて算出される。例えば、ピーク波形114が負の値であることからスロープ部106の傾斜の向きは負の傾斜(すなわち右下がり)と判断でき、ピーク波形114の極小値の絶対値に基づいてスロープ部106の最大傾斜量(絶対値)が算出される。
また、ピーク波形114における所定範囲の積分値とは、ピーク波形114のゼロクロス点である位置p1から位置p2までの積分値、すなわちピーク波形114と微分値0の直線とで囲まれた面積のことである。この面積は、スロープ106の極小値から極大値までのアライメント信号強度の差分値を示し、スロープ部106の長さに対応する値である
以上の演算処理を、他のスロープ部107〜113についても同様に行う。これらの演算処理は、マーク位置特定部43によって行われるが、演算処理装置としてのCPU44で行ってもよい。
次に、各スロープ部106〜113が所定傾斜量以上である場合にそのスロープ部を選択するために、スロープ部の最大傾斜量に対する閾値を設定する(S.3)。また、各スロープ部106〜113が所定長さ以上である場合にそのスロープ部を選択するために、スロープ部の長さに対する閾値を設定する(S.3)。最大傾斜量及び長さがこれらの閾値以上となったときに、そのスロープ部を選択する(S.4)。この閾値設定及び選択により、ノイズ成分や誤差成分の影響を除去することが可能となる。
選択されたスロープ部の中から、傾斜の向きが互いに異なる少なくとも1組のスロープ部を選択する(S.5)。このとき、選択されたスロープ部とその長さ及び傾斜量が略一致し、かつ、傾斜の向きが逆のスロープ部を選択する。そして、(S.1)から(S.5)の処理によって選択されたアライメント信号波形101のスロープ部106〜113に対して、位置特定処理を適用する。
以下、アライメント信号波形101及びその一次微分信号波形102を用いて、上記手順についての詳細を説明する。図1(c)に示す一次微分信号波形102における各ピーク波形114〜121において、極大又は極小となる位置での微分値の大きさ及び符号は、各ピーク波形114〜121と対応するアライメント信号波形101のスロープ部106〜113の傾斜量、及び傾斜の向きを示している。また、各ピーク波形114〜121の積分値(積分領域は、各ピーク波形のゼロクロスをする2点間に挟まれる領域)の大きさは、各ピーク波形114〜121に対応するスロープ部106〜113の長さに相当している。
この関係を用いて、アライメント信号波形101の複数のスロープ部106〜113に対して順次スクリーニング処理をかけていき、位置特定に最適な1対のスロープ部(スロープ対)を少なくとも1つ選択する。まず、第1のスクリーニング処理として、一次微分信号波形102に対して、微分値のトレランス(閾値)を設定する。図1(c)におけるトレランスをT1、T2と設定し、ピーク波形が極大又は極小となる位置での微分値nがn>T1、あるいはn<T2であるピーク波形を選択する。この処理によりノイズ等によって発生したピーク波形を除外することができる。この段階で、第1のスクリーニング条件を通過したピーク波形対が1組であれば、このピーク波形対に相当するアライメント信号のスロープ部に対して位置特定のための処理をおこなう。
次に、前記第1のスクリーニングを通過したピーク波形に対し、第2のスクリーニング処理として、そのピーク波形の積分値の大きさを基準にスクリーニングをかける。そのスクリーニングの結果、予め設定した任意の基準積分値s1より積分値が大きいもののみ、第2のスクリーニング条件を通過できるピーク波形とする。この段階で、第2のスクリーニング条件を通過したピーク波形が1組だけであれば、そのピーク波形対に相当するスロープ対に対して位置特定処理を行う。
一方、第2のスクリーニングが終了した時点で、複数のピーク波形対が存在する場合は、複数のピーク波形対の中で微分値の絶対値(極値の絶対値)が大きい順、あるいは積分値が大きい順にピーク波形に対する順位付けを行い、極値の絶対値又は積分値の一番大きいピーク波形を選択し、その選択したピーク波形対に相当するスロープ対に対して、位置特定のための信号処理を適用する。
前記一連のピーク波形に対するスクリーニング処理を行うことにより、アライメント信号波形101に含まれる複数のスロープ部106〜113のうちから、最大の傾斜量を有し、かつ長さが最長のスロープ部を含むスロープ対を特定することができる。
ここで、図2を用いて位置特定のための信号処理の一例を説明する。図2(a),(b)に示す信号波形は、図1(b)に示したアライメント信号波形101、図1(c)に示した一次微分信号波形102と同じものである。前述した第1、第2のスクリーニング処理により、ピーク波形115とピーク波形120のピーク波形対が選択される。そのピーク波形対に相当するスロープ対は、スロープ部107とスロープ部112である。
ピーク波形115の極大となる位置に相当するスロープ部107のx位置、すなわち、スロープ部107の傾斜が最大となる位置をx1とする。同様に、ピーク波形120の極小となる位置に相当するスロープ部112におけるx位置、すなわち、スロープ部112の傾斜が最大となる位置をx2とする。そして、x1とx2の中点位置M1=(x1+x2)/2を、マークエレメント31のウエハ12上での位置と特定する。
また、x1とx2の間を特定の比率で分割した位置をマークエレメント31の位置としてもよい。これらと同様の処理を、図10に示すアライメントマーク30を構成するその他のマークエレメント32〜マークエレメント34に対しておこない、各マークエレメント31〜34の位置を平均化して、アライメントマーク30のウエハ12上における位置を特定する。これらの位置特定方法を、本発明では「微分処理法」と呼ぶ。
ここで、本実施形態の従来技術に対して優れている点を説明する。例えば、図13(a)
に示すようなアライメント信号があるとする。図13(a)は波形の一部にノイズが含まれたアライメント信号波形であり、図13(b)は、図13(a)のアライメント信号波形の微分値である。このアライメント信号に対して、位置検出を行なうための最適スロープ位置を決定する方法に、従来知られているような微分値の極値の絶対値の大きさを評価基準として選ぶ方法がある(例えば特開平09−148233号公報に開示がある)。この方法だと、図13(a)のようにノイズが含まれた信号の場合、そのノイズ部分に対する微分値の極値の絶対値(図13(b)参照)が、本来利用されるはずのスロープ位置の微分値の極値の絶対値に対して大きい値になる場合があり、ノイズ部分を最適スロープ位置と判断してしまう。本実施形態では、このような急峻なピークを持つノイズが含まれるアライメント信号でも、ノイズピークを誤検出することなく、アライメントマークの中心位置を決定することが可能である。
次に、図4及び図5を参照して、上述の露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図4は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ101(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ102(レチクル製作)では、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。ステップ103(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウェハ(基板)を製造する。ステップ104(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、レチクルとウェハを用いてリソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ105(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ104によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ106(検査)では、ステップ105で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ107)される。
図5は、ステップ104のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ111(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ112(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ113(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ114(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ115(レジスト処理)ではウェハに感光剤を塗布する。ステップ116(露光)では、露光装置1によってレチクルの回路パターンをウェハに露光する。ステップ117(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ118(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ119(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。この製造方法によれば従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。 [実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る位置特定方法について説明する。
図6(a)は、複数のスロープ部121〜128を含むアライメント信号波形130を示したグラフであり、図1(b)のアライメント信号波形101に比べると波形対称度が低下している。このような非対称性は、ウエハプロセス等の影響によりウエハ12上のアライメントマークの断面形状の非対称性や、位置検出用の光学系が有する収差等の影響により生じる。図6(b)は、アライメント信号波形130に対する一次微分信号波形131を示したグラフであり、スロープ部121〜128に対応するピーク波形132〜139を含んでいる。上記実施の形態1において説明した微分処理法を用い、アライメント信号波形130の一次微分信号波形131に基づいて以下のような手順により最適なスロープ対の選択を行う。
まず、第1のスクリーニング処理として、一次微分信号波形131の微分値に対して、トレランス値(閾値)T3とT4とを設定する。このトレランス値に対して、一次微分信号波形131のピーク波形132〜139の極大又は極小となる位置における微分値mが、m>T3、あるいは、m<T4の条件を満たすピーク波形を選択する。この処理によりノイズ等によって発生したピーク信号波形を除外することができる。さらに、ノイズ以外のマークエレメントに起因するピーク信号波形であっても、そのスロープの傾きが小さいものは除外される。よって、図6(b)において、この第1スクリーニングによって、ピーク波形134が除外され、それに連動してピーク波形137も位置特定処理の演算対象から除外される。アライメント信号波形130による位置特定処理においては、アライメント信号波形130の概略中心位置Cに対して互いに対称位置に存在するスロープ対を用いて位置特定処理を行うため、スロープ対の一方を位置特定の演算対象から除外すると、対称位置にある他方のスロープ部も演算対象とはならないからである。ここで対称位置にある他方のスロープは、一方のスロープ部とその長さ及び傾斜量が略一致し、傾斜の向きが逆である。
よって、図6(b)においては、第1のスクリーニング処理を通過するピーク波形は、ピーク波形132、133、135、136、137、139となる。これらのピーク波形の所定範囲(ゼロクロス点からゼロクロス点まで)における積分値と予め設定した任意の基準積分値s2との比較判断を行い、s2より大きな積分値を有するピーク波形を第2のスクリーニング処理を通過できるピーク波形とする。
ここで、例えば第2のスクリーニング処理を通過したピーク波形が図6(b)においてピーク波形132、135、136、139であった場合、これらのピーク波形に対して、第3のスクリーニング処理として、対となるピーク波形対の、極大又は極小となる位置での積分値の相対比率の算出、又は対となるピーク波形の積分値の相対比率の算出を行い、相対比率が最も1:1に近いピーク波形対を選択する。
このように第1〜第3のスクリーニング処理により選択されたピーク波形対に相当するアライメント信号波形130のスロープ対に対して、上記実施の形態1で説明した微分処理法を適用し、アライメントマークの位置特定処理を行えば、WIS、TIS、TIS−WIS interactionに対するロバスト性の高いマーク位置特定が可能となる。
本実施の形態2においては、ピーク波形に対して第1〜第3のスクリーニング条件の設定をして順次スクリーニング処理を行ったが、第1又は第2のスクリーニング処理を終了した時点で選択されたピーク対が1組のみであれば、そのピーク対を最適ピーク対としてマーク位置特定処理に用いてもよい。
また、実施の形態1及び2において、スクリーニング処理を行って選択されたスロープ対に対して微分処理法を用いてマーク位置特定を行ったが、位置特定処理はこの方法に限らない。例えば、選択されたスロープ対の各スロープ部の信号強度に対して任意のスライスレベルをそれぞれ設定し、そのスライスレベルとスロープ部の信号がクロスする点におけるアライメント信号の位置を用いてアライメントマークの位置を特定するスライスレベル法を用いてもよい。また、選択されたスロープ対の、相互の波形対称度を用いた対称性マッチング法や予め用意されたスロープ波形に対するテンプレートとの相関度によりマーク位置特定を行うテンプレートマッチング法を用いてマーク位置特定を行ってもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
本発明の実施の形態1に係る位置特定方法を説明するための図であって、(a)は位置特定に用いるマークエレメントの断面図であり、(b)はアライメント検出光学系によって検出されたマークエレメントの検出信号波形を示すグラフであり、(c)はその検出信号波形を一次微分した一次微分信号波形を示すグラフである。 位置特定のための信号処理の一例を説明するための図であって、(a)はアライメント検出光学系によって検出されたマークエレメントの検出信号波形を示すグラフであり、(b)はその検出信号波形を一次微分した一次微分信号波形を示すグラフである。 位置特定の手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る位置特定方法を適用した露光装置によるデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。 図4に示すステップ104の詳細なフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る位置特定方法を説明するための図であって、(a)はアライメント検出光学系によって検出されたマークエレメントの検出信号波形を示すグラフであり、(b)はその検出信号波形を一次微分した一次微分信号波形を示すグラフである。 図7は半導体露光装置における縮小投影光学系とアライメント検出光学系との関係を示す概略図である。 図7に示すアライメント検出光学系の構成を示す概略図である。 ウエハに形成されたアライメントマークの構成を示す上面図及び断面図である。 ウエハに形成されたアライメントマークの構成を示す上面図及び断面図である。 図7に示すアライメント検出光学系及びアライメント信号処理部の内部構成を示す概略ブロック図である アライメント検出光学系の撮像素子により検出された検出信号の例を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る位置特定方法と従来の位置特定方法を比較するための図であって、(a)はノイズが含まれた生波形としてのアライメント信号波形を示すグラフであり、(b)は(a)に示すアライメント信号波形を微分した微分波形を示すグラフである。
符号の説明
1:露光装置
12:ウエハ
15:アライメント検出光学系
16:アライメント信号処理部
17:中央処理装置
18:光源
23,24:光電変換素子
30:アライメントマーク
31〜34:マークエレメント
43:マーク位置特定部
44:CPU
101,130:アライメント信号波形(検出信号の信号波形)
102,131:一次微分信号波形
106〜113:スロープ部
114〜121,132〜139:ピーク波形
C:概略中心位置
M1:中心位置
s1,s2:基準積分値

Claims (1)

  1. 基板に形成されたマークの位置を特定する位置特定方法であって、
    前記マークに光を照射し、その反射光を光学的に検出する検出ステップと、
    該検出された検出信号の信号波形を、隣接する極値間を単位とする複数のスロープ部に分割する分割ステップと、
    該複数のスロープ部の長さと傾斜とを演算する演算ステップと、
    該演算された長さと傾斜とに基づいて前記複数のスロープ部のうちから、該演算された長さ及び傾斜量が略一致し、かつ、傾斜の向きが逆の少なくとも1対のスロープ部を選択する選択ステップとを有し、
    選択された前記スロープ部を前記マークのエッジであると判断することを特徴とする位置特定方法。
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