JP4454615B2 - 配管断熱装置 - Google Patents
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ところで、例えば、原子力発電所では、原子炉容器と、循環ポンプを備えるループ室との間で、冷却材管を介して原子炉冷却材を循環させており、原子炉容器内の核燃料(炉心)の熱によって原子炉冷却材を沸騰させて高温高圧の蒸気を発生させ、その蒸気を発電器タービンに送って発電している。
原子炉容器とループ室との間には、放射線を遮蔽するためのコンクリート壁(厚さ約1.2m〜1.8m)が設けられており、そのため、コンクリート壁に貫通孔を設けて、その中に冷却材管を貫通させている。
冷却材管と貫通孔の内壁との間に設けられる隙間は非常に狭く、さらにコンクリート壁の壁厚も厚いので、貫通孔の中に設けられている冷却材管については、上記配管断熱装置の設置作業が困難な場合が多い。
特に、その冷却材管が、カーブ状の貫通孔に合わせて設けられた曲がり配管である場合には、前記設置作業が一層困難となるので、上記配管断熱装置1による断熱ではなく、図18に示されるように、冷却材管9と貫通孔13の内壁との隙間にロックウール等の繊維質断熱材27を手作業で押し込んで充填することによって冷却材管9を被覆して、その放熱を低減させているというのが現状である。
尚、この様な従来技術に関しては、当業者の間で広く知られているものであり、詳しく言及した特許文献などが無いため、先行技術文献を開示できない。
前記曲がり配管の外周面に当接し得、且つ前記外周面の長手方向に回転可能な回転体を前記断熱パネルの内面に設けて、前記リング状筒体を前記曲がり配管の長手方向にスライド移動可能にし、
前記複数のリング状筒体の外周部において、前記曲がり配管の曲がり方向に沿った外側部分の長さを、内側部分の長さよりも大にすると共に、前記外側部分にのみ設けるヒンジ部材を介して、前記複数のリング状筒体同士を前記曲がり配管の曲がり方向に互いに揺動可能に連結してある配管断熱装置である点にある。
本発明によれば、カーブ状の貫通孔に合わせて配設された曲がり配管において、その曲がり配管の外周面と、貫通孔の内壁との間の隙間の大きさが、たとえヒトが中に入って作業し難いような非常に狭いものであったとしても、リング状筒体(断熱パネル)の厚み程度の大きさを有するものであれば、貫通孔の中の曲がり配管外周面を本発明の配管断熱装置で簡便且つ迅速に被覆することができる。
即ち、本発明の配管断熱装置において、その断熱パネルの内面には、曲がり配管の外周面に当接し得、且つその外周面の長手方向に回転可能な回転体を設けてあるので、その断熱パネルから構成されるリング状筒体は、曲がり配管の長手方向にスライド移動することができる。
従って、先ず、貫通孔外側の配管外周面において、複数の断熱パネルを管周方向に連結して、管外周面を全周にわたって被覆するリング状筒体を形成し、その作業を繰り返すことによって管長手方向に複数のリング状筒体を形成する。
次いで、その複数のリング状筒体を連結しながら、貫通孔に向けて押し込んでスライド移動させることによって、カーブ状の貫通孔内にある曲がり配管の外周面全体を、リング状筒体で簡便且つ迅速に被覆することができる。
さらに、本発明によれば、本発明の配管断熱装置と貫通孔の内壁との間に隙間を設けることも可能であり、曲がり配管からの貫通孔の内壁に対する熱の伝導をさらに効果的に防止し得る。従って、例えば、前記曲がり配管が、原子力発電所の冷却材管といった非常に高温の配管である場合、冷却材管からの熱が貫通孔の内壁に伝わり難く、その結果、熱による壁の強度低下を防止することができる。
尚、本発明の配管断熱装置は、前記複数のリング状筒体を、曲がり配管の曲がり方向に互いに揺動可能に連結してあるので、たとえ曲率が一定でない曲がり配管を被覆する場合においても、その曲がり配管の曲率に合わせて複数のリング状筒体が揺動し得るため、リング状筒体を貫通孔内に押し込む際、貫通孔内で引っ掛かることなくスムーズにスライド移動し得、そのような曲率精度の悪い曲がり配管をも確実に被覆することができる。
〔作用及び効果〕
ヒンジ部材が、枢支軸を介して互いに揺動自在な一対のヒンジ体に対し、枢支軸を抜き差し自在にして、一対のヒンジ体を連結分離自在に構成してあるので、一対のヒンジ体をそれぞれ異なるリング状筒体に設けることによって、枢支軸を抜き差しするだけで、複数のリング状筒体の連結分離を自在に行うことができる。
従って、前記ヒンジ部材を使用することによって、リング状筒体の連結作業が非常に容易となり、複数のリング状筒体をより簡便且つ迅速に連結することができる。
〔作用及び効果〕
連結される複数のリング状筒体の間に伸縮自在な断熱材を介在させてあるため、リング状筒体同士の間に隙間が生じず、より確実に曲がり配管の外周面を熱漏れ少なく被覆(断熱)することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の配管断熱装置1(第1実施形態)を示している。本発明の配管断熱装置1は、カーブ状の貫通孔13に合わせて配設された曲がり配管9の外周面を被覆することが可能であり、管周方向に連結分離自在な後述の断熱パネル2A及び2Bを連結することによって、曲がり配管9の外周面を全周にわたって被覆し得、且つ、端面同士を当て付けて管長手方向に端部同士を当て付けて互いに連結分離自在なリング状筒体10を曲がり配管9の長手方向に複数設け、それら複数のリング状筒体10を順次連結していくことによって形成され得る。
図2及び図3は、本発明の配管断熱装置1(第1実施形態)を構成する断熱パネル2A及び2Bを示している(図2は、断熱パネル2A及び2Bの斜視図であり、図3は、断熱パネル2A及び2Bの平面図である)。
<断熱パネル2A>
図2に示されるように、断熱パネル2Aは、パネル本体3(ステンレス製の短板3a、長板3b、内板3c、及び外板3dからなる湾曲形状の矩形ケーシング)を備えている。
断熱パネル2Aのパネル本体3は、断熱すべき曲がり配管の外周面に沿うように湾曲しており、尚且つ、断熱パネル2Aを曲がり配管に配設した際、曲がり配管の長手方向に互いに隣接する断熱パネル2Aの端部同士(パネル本体3の長板3b同士)が接合し得るように、外板3d(内板3cも同様)の横幅Hが、短板3aに向かうほど幅広となり、図3に示されるように平面視にてその形状が台形となるように構成されている。
また、断熱パネル2Aの内板3c(断熱パネルの内面)には、回転体4a(ボールベアリング)を有する当接部分4(4箇所)が設けられており、外板3dには、断熱パネル2A及び2Bの組付け連結を行う際に使用するバックル式連結部5(雄部材5a及び雌部材5b)と、断熱パネル2A及び2Bを配管外周面に配設した際、配管周方向に互いに隣接する断熱パネル2A及び2B間の目地をパネル本体3の外側から被覆し得るオーバーラップ部材6とが設けられている。
図2に示されるように、断熱パネル2Bは、上記断熱パネル2Aと同様にパネル本体3(ステンレス製の短板3a、長板3b、内板3c、及び外板3dからなる湾曲形状の矩形ケーシング)を備えている。
断熱パネル2Bのパネル本体3は、断熱すべき曲がり配管の外周面に沿うように湾曲しており、尚且つ、断熱パネル2Bを曲がり配管に配設した際、曲がり配管の長手方向に互いに隣接する断熱パネル2Bの端部同士(パネル本体3の長板3b同士)が接合し得るように、外板3d(内板3cも同様)の横幅Hが、短板3aに向かうほど幅狭となり、図3に示されるように平面視にてその形状が台形となるように構成されている。
結局、隣接するリング状筒体10どうしを、曲がり配管の長手方向に並べて連結するために、断熱パネル2Aと2Bとで、リング状筒体10を曲がり配管9の曲がり方向に沿った外側部分の長さを、内側部分の長さより大に形成してある。
上記断熱パネル2Aと同様に、断熱パネル2Bの内板3c(断熱パネルの内面)にも、回転体4a(ボールベアリング)を有する当接部分4(4箇所)が設けられており、外板3dにも、断熱パネル2A及び2Bの組付け連結を行う際に使用するバックル式連結部5(雄部材5a及び雌部材5b)と、断熱パネル2A及び2Bを配管外周面に配設した際、配管周方向に互いに隣接する断熱パネル2A及び2B間の目地をパネル本体3の外側から被覆し得るオーバーラップ部材6とが設けられている。
尚、断熱パネル2Bの2つの長板3bには、ヒンジ部材7としてプルスタイルヒンジ7が設けられている。2つの長板3bにはそれぞれ、プルスタイルヒンジ7のヒンジ体7a及び7bがボルト8で固定されている。
図4は、上記断熱パネル2A及び2Bを曲がり配管9上に配設して形成したリング状筒体10を、曲がり配管9の軸心方向から見たときの断面図である。
断熱パネル2A及び2Bにおける当接部分4は、ボールベアリング4aに、適当な金属板を階段状に折り曲げて作製したスプリング部材11(付勢手段)を取り付け、そのスプリング部材11の一端を内板に設けた箱型の設置空間12にスポット溶接して固定したものである。このとき、ボールベアリング4aは、曲がり配管9の外周面に対する遠近方向に移動自在に、設置空間12から少し飛出るようにして支持される。
曲がり配管9の外周面に断熱パネル2A及び2Bを配設する際、何らかの設計誤差がある場合であっても、当接部分4のボールベアリング4aについては、スプリング部材11の働きによって、曲がり配管9外周面に向けて付勢されるので、常に曲がり配管9外周面に当接し得る。
即ち、ボールベアリング4aは、曲がり配管9の外周面に常に当接しながら、曲がり配管9の長手方向に限らず任意の方向に回転し得る。そのため、ボールベアリング4aを備える断熱パネル2A及び2Bを用いてリング状筒体10を形成することによって、リング状筒体10を曲がり配管9の長手方向にスライド移動させることも可能となる。
尚、図4に示されるように、パネル本体3の内部には、適当な断熱材15や、熱を反射する反射板16を収納することが可能であり、場合によっては、放射線を遮へいするための鉛板等を収容することもできる(図示せず)。尚、断熱材15としては、例えば、ガラスウール、ロックウール、シリカ粉末、ケイ酸カルシウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、そうした種々の断熱材15を必要に応じて任意に組み合わせて使用することもできる。
曲がり配管9の長手方向に互いに隣接する2つのリング状筒体10は、一方のリング状筒体10の断熱パネル2Bに設けられているヒンジ体7aと、隣接するもう一方のリング状筒体10の断熱パネル2Bに設けられているヒンジ体7bとの連結によって、曲がり配管9の曲がり方向に互いに揺動可能に連結される。
尚、本実施形態におけるリング状筒体10は、図6及び図7に示されるように、プルスタイルヒンジ(ヒンジ部材7)を介して連結される。
プルスタイルヒンジとは、一対のヒンジ体7a及び7bを、抜き指し自在な枢支軸7cを介して、互いに揺動可能且つ連結分離自在に構成してあるものである。即ち、図6に示されるように、ヒンジ体7a及び7bを分離する際は、ヒンジ体7aの2つの枢支軸7cを外側に引き出して、枢支軸7cの先端部をヒンジ体7bの軸受け孔7dから外すことによって、一対のヒンジ体7a及び7bを分離することができる。また、図7に示されるように、ヒンジ体7a及び7bを連結する際は、ヒンジ体7aの凹部17に、一方のヒンジ体7bの凸部18を嵌め込み、ヒンジ体7aの2つの枢支軸7cを内側に押し込んで、その先端部をヒンジ体7bの軸受け孔7dに挿入することによって、一対のヒンジ体7a及び7bを揺動可能に連結することができる。
尚、本実施形態に使用可能なヒンジ部材7としては、上記プルスタイルヒンジを使用することが望ましいが、他の市販のヒンジ部材を使用することも可能である。
次に、本発明の配管断熱装置1によって、カーブ状の貫通孔13に合わせて配設された曲がり配管9の外周面を被覆する手順について説明する。
図8は、曲がり配管9に断熱パネル2A及び2Bを配設する様子を示している。曲がり配管9は、所定の曲率を有しており、コンクリート壁14内に設けられたカーブ状の貫通孔13を貫通するように設置されている。尚、曲がり配管9の外周面と貫通孔13との間に設けられた隙間Sは、ヒトが中に入って作業することが困難な大きさであるが、断熱パネル2A及び2Bの厚さよりも大きい。
後は、図1に示されるように、上述の作業(リング状筒体10の形成、リング状筒体10の連結、及び押し込み移動)を繰り返すことによって、本発明の配管断熱装置1を形成し、貫通孔13の中の曲がり配管9外周面を被覆する。
配管断熱装置1(第2実施形態)は、上記第1実施形態と同様に、カーブ状の貫通孔13に合わせて配設された曲がり配管9の外周面を被覆することが可能であり、管周方向に連結分離自在な後述の断熱パネル2C及び2Dを連結することによって、曲がり配管9の外周面を全周にわたって被覆し得且つ管長手方向に互いに連結分離自在なリング状筒体10を曲がり配管の長手方向に複数設け、それら複数のリング状筒体10を順次連結していくことによって形成され得る。
図9は、配管断熱装置1(第2実施形態)を構成する断熱パネル2C及び2Dを示している。
<断熱パネル2C>
図9に示されるように、断熱パネル2Cは、板状のパネル本体3(ステンレス製)に布団状保温材19(ロックウール等をガラスクロス等で包み、縫製したもので、保温断熱用に使用可能)を取り付けたものであり、パネル本体3の大きさは、布団状保温材19よりも少し小さく構成されている。
パネル本体3は、断熱すべき曲がり配管の外周面に沿うように湾曲しており、その両端部には、外側に折り曲げられた係合凸部20と、断面がコの字状に折り曲げられている係合凹部21とが設けられている。また、図10に示されるように、パネル本体3(点線部分)は台形(係合凹部21の横幅Xの長さ>係合凸部20の横幅Yの長さ)を有しており、断熱パネル2Cを曲がり配管に配設した際、曲がり配管の長手方向に互いに隣接する断熱パネル2Cの側面同士(布団状保温材19の側面同士)が接合し得るように構成されている。
パネル本体3の裏側には、上記第1実施形態と同様に、ボールベアリング4aを有する当接部分4(4箇所)が設けられており、一方、布団状保温材19には、断熱パネル同士の組付け連結を行う際に使用する面ファスナー22(接続ファスナー22aと受けファスナー22b)が設けられている。
図9に示されるように、断熱パネル2Dは、上記断熱パネル2Cと同様に板状のパネル本体3(ステンレス製)に布団状保温材19(ロックウール等をガラスクロス等で包み、縫製したもので、保温・断熱用に使用可能)を取り付けたものであり、パネル本体3の大きさは、布団状保温材19よりも少し小さく構成されている。
パネル本体3は、断熱すべき曲がり配管の外周面に沿うように湾曲しており、その両端部には、外側に折り曲げられた係合凸部20と、断面がコの字状に折り曲げられている係合凹部21とが設けられている。また、図10(括弧書き)に示されるように、パネル本体3(点線部分)は台形(係合凹部21の横幅Yの長さ<係合凸部20の横幅Xの長さ)を有しており、断熱パネル2Dを曲がり配管に配設した際、曲がり配管の長手方向に互いに隣接する断熱パネル2Dの側面同士(布団状保温材19の側面同士)が接合し得るように構成されている。
パネル本体3の裏側には、上記第1実施形態と同様に、ボールベアリング4aを有する当接部分4(4箇所)が設けられており、一方、布団状保温材19には、断熱パネル同士の組付け連結を行う際に使用する面ファスナー22(接続ファスナー22aと受けファスナー22b)が設けられている。
図11は、上記断熱パネル2C及び2Dを曲がり配管9上に配設してリング状筒体10を形成し、曲がり配管9の軸心方向から見たときの断面図である。
断熱パネル2C及び2Dにおける当接部分4は、ボールベアリング4aに、適当な金属板を階段状に折り曲げて作製したスプリング部材11(付勢手段)を取り付け、そのスプリング部材11の一端をパネル本体3にスポット溶接して固定したものである。このとき、ボールベアリング4aは、曲がり配管9の外周面に対する遠近方向に移動自在に支持される。
曲がり配管9の外周面に断熱パネル2C及び2Dを配設する際、何らかの設計誤差がある場合であっても、当接部分4のボールベアリング4aについては、スプリング部材11の働きによって、曲がり配管9外周面に向けて付勢されるので、常に曲がり配管9外周面に当接し得る。
即ち、ボールベアリング4aは、曲がり配管9の外周面に常に当接しながら、曲がり配管9の長手方向に限らず任意の方向に回転し得る。そのため、ボールベアリング4aを備える断熱パネル2C及び2Dを用いてリング状筒体10を形成することによって、リング状筒体10を曲がり配管9の長手方向にスライド移動させることが可能となる。
図12及び図13に示されるように、曲がり配管9において、断熱パネル2C及び2Dを、それぞれ曲がり配管9の内側及び外側に配置し、断熱パネル2Dの係合凸部20及び係合凹部21をそれぞれ、断熱パネル2Cの係合凹部21及び係合凸部20に挿入して(断熱パネル2Cの係合凸部20の横幅Yの長さ=断熱パネル2Dの係合凹部21の横幅Yの長さ、断熱パネル2Cの係合凹部21の横幅Xの長さ=断熱パネル2Dの係合凸部20の横幅Xの長さ)、2つの断熱パネル2C及び2Dを曲がり配管9の周方向に連結した後、各断熱パネル2C及び2Dの布団状保温材19に設けられている面ファスナー22(接続ファスナー22a及び受けファスナー22b)を介して固定し、1つのリング状筒体10を形成する。
次に、上述の断熱パネル2C及び2Dを使用して、カーブ状の貫通孔に合わせて配設された曲がり配管の外周面を被覆する手順について説明する。
図14は、曲がり配管9に断熱パネルを配設する様子を示している。曲がり配管9は、所定の曲率を有しており、コンクリート壁14内に設けられたカーブ状の貫通孔13を貫通するように設置されている。尚、曲がり配管9の外周面と貫通孔13との間に設けられた隙間Sは、ヒトが中に入って作業することが困難な大きさであるが、断熱パネル2C及び2Dの厚さよりも大きい。
後は、上述の作業(リング状筒体10の形成、リング状筒体10の連結、及び押し込み移動)を繰り返すことによって、本発明の配管断熱装置1を形成し、貫通孔13の中の曲がり配管9外周面を被覆する(図示せず)。
上記第2実施形態において、配管周方向に隣接する断熱パネル2C及び2Dを連結するために、係合凸部20及び係合凹部21を用い、また隣接するリング状筒体10を連結するために、面ファスナー22を用いる構成を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図15に示されるように、布団状保温材19に複数のフック部材25を設けて、そのフック部材25に適当なワイヤー(鋼線等)26を引っ掛けることによって、配管周方向に隣接する断熱パネル2C及び2D、並びに互いに隣接するリング状筒体10を連結するようにしても良い。このとき、連結した2つのリング状筒体10は、互いに揺動可能に連結されており、曲がり配管9の曲がり方向にも揺動することができる。
尚、図16及び図17に示されるように、フック部材25は、ピン部材28と止め板29によって布団状保温材19上に固定されている。即ち、ピン部材28は、断熱パネル2C又は2Dをその厚み方向に貫通しており、その両端部にそれぞれ、フック部材25(布団状保温材19側)と止め板29(パネル本体3側)が設けられている。
1.その他の実施形態においては、連結される複数のリング状筒体の間に、伸縮自在な断熱材を介在させるような構成とすることもできる。
2.一つのリング状筒体を構成する断熱パネル数は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明を構成し得る範囲において、任意の数を設定することができる。
3.本発明の配管断熱装置を適用可能な配管としては、例えば、原子力発電所における各種原子炉配管(冷却材管等)、一般的な工場設備等に配設され得る各種配管(給湯配管や空調配管等)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
2 断熱パネル
3 パネル本体
4 当接部分
4a 回転体
5 バックル式連結部
5a 雄部材
5b 雌部材
6 オーバーラップ部材
7 ヒンジ部材
8 ボルト
9 曲がり配管
10 リング状筒体
11 スプリング部材
12 設置空間
13 貫通孔
14 コンクリート壁
15 断熱材
16 反射板
17 ヒンジ体の凹部
18 ヒンジ体の凸部
19 布団状保温材
20 係合凸部
21 係合凹部
22 面ファスナー
25 フック部材
26 ワイヤー
27 繊維質保温材
28 ピン部材
29 止め板
Claims (3)
- 壁に設けられたカーブ状の貫通孔を貫通する曲がり配管の外周面を、互いに連結分離自在に管長手方向の端部同士を当て付けて全周にわたって被覆する複数のリング状筒体を設け、そのリング状筒体を、管周方向に連結分離自在な複数の断熱パネルから構成し、
前記曲がり配管の外周面に当接し得、且つ前記外周面の長手方向に回転可能な回転体を前記断熱パネルの内面に設けて、前記リング状筒体を前記曲がり配管の長手方向にスライド移動可能にし、
前記複数のリング状筒体の外周部において、前記曲がり配管の曲がり方向に沿った外側部分の長さを、内側部分の長さよりも大にすると共に、前記外側部分にのみ設けるヒンジ部材を介して、前記複数のリング状筒体同士を前記曲がり配管の曲がり方向に互いに揺動可能に連結してある配管断熱装置。 - 前記ヒンジ部材において、枢支軸を介して互いに揺動可能な一対のヒンジ体に対し、前記枢支軸を抜き差し自在にして、前記一対のヒンジ体を連結分離自在に構成してある請求項1に記載の配管断熱装置。
- 連結される前記複数のリング状筒体の間に伸縮自在な断熱材を介在させてある請求項1または2に記載の配管断熱装置。
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