JP4454124B2 - 気密性異材継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空、常圧、及び、加圧用途において、耐気密性を求める冷凍装置、熱交換機器、及び、他産業用等に利用する構造用や配管用等の異材継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来異種金属の接合において、接合性が悪い材質どうしを組み合わせる場合は、中間材を用いて接合性を向上させる方法が用いられているが、気密性まで要求される場合には、中間材を用いないでチタンと銅を直接接合したものが使用されている。しかし、チタンと銅を直接接合したものは、しばしば漏れやハクリの問題を生じ、大きな損失を生じている。
【0003】
このチタンと銅を直接接合した異材継手は、爆着接合、拡散接合、圧延接合等により作成されているが、著しいものは異材継手として機械加工した後の溶接前の気密検査でも漏れを生じ、異材継手を入れ替え補充しなければならないロスがあった。更に、機器への溶接取り付け後も、例えば、半年から3年後に内容物である冷媒ガスが漏れ、機器そのものが廃棄され多大な損害を生じることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、これらの原因として、異材継手の接合時の品質の不安定や、機器取り付け時の熱影響、使用時の振動や熱疲労からくる接合面の品質低下であることを検査により確認した。
本発明は、異材継手の接合面の品質を向上させ、更に、溶接時や使用時の接合面からの漏れを防止し、多大な損失を生じさせない異材継手を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するため従来品の検査を行ったところ、爆着接合品の接合面は、爆着特有の接合波形の巻き込み部分にチタンと銅の硬くてもろい合金が形成されており、内ガスの漏れは、その合金部分が機械加工、熱応力、振動等の外力によりクラックを生じる原因となり、そのすき間より生じたことを突き止めた。また、拡散接合の場合では、爆着と異なり接合面が比較的平滑であることから、異材継手取り付け溶接時の熱により、チタンと銅の膨張係数の差によって生じる接合面でのせん断応力に絶えきれずハクリを生じたり、使用中の振動や熱疲労によりハクリを生じて漏れに至ったことを突き止めた。
【0006】
これら従来品の共通する問題点は、チタンと銅の直接接合は、例えば、ステンレスと鋼のように被覆ア−クやTIG溶接で簡単に接合できる組み合わせとは異なり、それらの溶接法では全く接合出来ない、すなはち、接合相性の悪い組み合わせであることである。そこで、本発明者は、接合方法として最も優れている爆着接合で、接合波形を小さくし、巻き込み部に形成される硬くて脆い合金の形成を極少にするように爆着接合条件等を改善工夫してみたが、直接接合では形成される合金の径が約0.02mm程度の極少となるように抑えても、形成された合金は脆く、前記の種々の問題を生じることが判明した。そこで、本発明者等は、中間材として、チタンと接合の相性が良く、銅とも接合の相性が良く、かつ、接合波形の巻き込み部に生じる合金が少なくて軟らかいものとなるものを用いれば、それらの問題を解決し得ることを見出し本発明をなすに至った。特に、中間材を用いた接合は、爆着法によって行われるとき優れた接合性能を実現し、そのとき中間材の板厚および接合面の接合波形の大きさは、得られる異材継手の性能を左右することを見出したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、気密性が求められる異材継手において、チタン系金属と銅系金属の間に中間材を用いて接合されたことを特徴とする異材継手である。本発明は、爆着法により接合されたものであるとき特に優れた接合性能を実現する。更に中間材の板厚が0.01-3.0mmであり、両接合面の接合波形の振幅が0.002-0.18mmであるとき特に優れた性能を実現する。
中間材は、接合波形の巻き込み部に生じる合金が少なくて軟らかいものとするためにニッケル、ニッケル合金、ニオブ等が挙げられるが、中でもニッケル、ニオブが最も優れている。
【0008】
中間材の厚みは、薄すぎると接合しにくく、厚いと経済的な無駄を生じるため0.01mmから3.0mmであること必要であり、好ましくは0.5mmから2.0mm、より好ましくは0.8mmから1.5mmである。
異材継手のチタンは、純チタンの他チタン系の合金金属でも良く、銅も、純銅の他銅系の合金金属でも良い。
異材継手のチタンと中間材、中間材と銅の冶金的接合は、爆発接合、圧延接合、拡散接合等があるが、爆着法を用いた爆発接合は、接合時に生じる接合面の波形が熱応力等の負荷時にせん断応力に対して優れており最も望ましい。
【0009】
接合面の波形は、両接合面の接合部とも接合波形の巻き込み部の合金の形成を気密性を有する0.05mm径以下の大きさに抑えるために、波形の振幅が0.18mm以下である必要があり、好ましくは0.13mm以下、より好ましくは0.07mm以下である。また、波形の振幅は、0.002mm以上あることが望ましく、更に望ましくは0.005mm以上であり、更に望ましくは0.01mm以上である。
中間材の平均厚みは、接合面の波形の振幅の1倍以上であることが必要であり、好ましくは2倍以上、より好ましくは5倍以上である。
【0010】
異材継手用の接合形状は、パイプ及びロッド状に接合しても良いが、形状の異なる場合が多いため、汎用性をもたせるため板状で接合しておくのが良く、その板からノコ切断やくり抜き方式等で必要寸法を切り出し、必要とされる例えば、リング状や角状等の異材継手形状に加工して使用するのが最も経済的である。
最終形状に加工されたチタン/中間材/銅の異材継手は、チタン側の場合チタンどうしをTIGやプラズマ溶接等で、銅側の場合銅どうしをロウ付けやTIG溶接法等で溶接接合し用いることができる。
異材継手の接合状況は、JIS-Z-2343の浸透探傷試験やJIS-Z-2331ヘリウム漏れ試験により予め検査を行い、欠陥のないことを確認して用いるとよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
【0012】
【実施例1】
純チタン板の厚さ10mm幅1000mm長さ1000mm、中間材純ニッケル板の厚さ1mm幅1000mm長さ1000mm、及び、純銅板の厚さ10mm幅1000mm長さ1000mmを爆着接合し、厚さ(10+1+10)mm幅1000mm長さ1000mmのクラッド板を製作した。クラッド板の品質を確認するため10mm角の顕微鏡観察用の試験片を切り出し、接合面の顕微鏡観察を行い、純チタンと純ニッケルの接合界面で振幅0.05mm及び純ニッケルと純銅の接合界面で振幅0.06mmの爆着接合特有の波形を確認し、また、その両接合部分の巻き込み部にほとんど合金のないことを確認した。次ぎに、クラッド板より厚さ(10+1+10)mmのままの原厚で60mm角のブロックを50個切り出し、外形55mm内径45mmのリング加工を行ない異材継手を作成した。
【0013】
結果は、50個の接合面の内外に対し、JIS-Z-2343の浸透探傷試験で検査を行ったが欠陥は見られず、また、JIS-Z-2331ヘリウム漏れ試験により接合面を1×10-7atm・cc/sの条件で気密試験を行なったが漏れは発生しなかった。更に、この50個を構造材側の純チタンと純銅に対し、同じ材料どうしをTIG溶接し、同様に浸透探傷試験及びヘリウムガスで気密試験を行ったが、欠陥及び漏れは全く見られなかった。
【0014】
【比較例1】
純チタン板の厚さ10mm幅1000mm長さ1000mm、純銅板の厚さ10mm幅1000mm長さ1000mmを直接爆着接合し、厚さ(10+10)mm幅1000mm長さ1000mmのクラッド板を製作した。クラッド板の品質を確認するため10mm角の顕微鏡観察用の試験片を切り出し、接合面の顕微鏡観察を行った。純チタンと純銅の接合界面には、爆着接合特有の波形振幅0.06mmを有し、かつ、その部分の巻き込み部に円状の硬くて脆い合金を約0.02mmを確認した。次ぎに、クラッド板より厚さ(10+10)mmのままの原厚で60mm角のブロックを50個切り出し、外形55mm内径45mmのリング加工を行ない異材継手を作成した。
【0015】
結果は、50個の接合面の内外に対し実施例1同様の浸透探傷試験で検査を行い、8個の欠陥品を確認し、また、残り42個をヘリウム漏れ試験を用い接合面を1×10-7atm・cc/sの条件で気密試験を行なったところ2個の漏れ品を確認した。更に、良品40個を構造材側の純チタンと純銅に対し、同じ材料どうしをTIG溶接し、同様に浸透探傷試験及びヘリウムガスで気密試験を行ったところが、欠陥及び漏れが更に3個見られ、合計で13個もの不良品となった。
【0016】
【発明の効果】
本発明の中間材を用いたチタン/中間材/銅による異材継手を用いれば、接合部分における漏れが全くないため、材料ロス及び使用機器での異材継手や機器本体の交換もなく、顕著な歩留まり向上と安定操業を提供できる効果がある。
Claims (1)
- 気密性が求められる異材継手において、チタン系金属と銅系金属の間にニオブ又はニッケルからなる板厚が0.5mm〜2.0mmの中間材を用い爆着法により接合されたことを特徴とする異材継手。
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