JP4453883B2 - 掘削方法及び装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボーリング孔の掘削作業において、水平断面形状が非円形の孔を穿孔する方法及び装置に関する。
より詳細に述べると、本発明は、例えば地盤等にボーリング孔を掘削する際に、水平断面形状が正N角形状(頂角数がN個で、各辺の長さが等しい形状)となる様に当該ボーリング孔を穿孔する掘削工法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
先ず、ボーリング孔の掘削作業に関連して説明すると、動力を用いて土を掘削するに際しては、掘削ビットを回転するのが最も有効な掘削方法の一つである。その際に、掘削孔の形状は当然円形となる。
しかし、掘削目的によっては円形でない方が望ましい場合もある。例えば、地下鉄その他の鉄道に利用するトンネルにおいては、四角形断面の方が掘削量に無駄がない(図41及び図42参照)。
【0003】
また、垂直ボーリングによって改良するべき地盤における施工部分の全面に亘って掘削を行い以って地盤改良を行う場合においては、図43に示す様に、円形掘削では重複する部分が多い。これに対して、例えば断面形状が六角形のボーリング孔掘削であれば、図44に示す様に、全く重複掘削をすること無く、施工するべき箇所の全面に亘って掘削をすることが可能である。そして、重複掘削による無駄なコストを削減する事が出来るので、施工コストを大幅に節減することが出来るのである。
【0004】
この様に、非円形断面の掘削には種々のメリットがある。しかし、非円形断面を有する掘削孔を穿孔するのに有効な技術は、現時点ではさほど提供されてはいない。
【0005】
ボーリング孔掘削における上述した様な問題と同様な問題が、母材に貫通孔或いは盲孔を切削加工或いは研削加工する場合においても存在する。
そして、非円形断面を有する貫通孔或いは盲孔を穿孔するのに有効な技術が現時点では提供されてはいない点も、同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した様な実状に鑑みて提案されたものであり、非円形の断面形状、特に正多角形の断面形状を有するボーリング孔の掘削することを可能とし、且つ、非円形の断面形状を有する貫通孔或いは盲孔を切削加工或いは研削加工により穿孔することを可能にした穿孔方法及び装置の提供を目的としている。
【0007】
【知見】
発明者は研究の結果、次の様な技術的事項を見出した。
(A) 半径(N−1) rの円に内接する正(N−1)角形を、その円の中心を軸に角速度ωで自転させつつ、半径rの円周上を角速度(1−N)ωで公転させる時、この正(N−1)角形の掃過範囲は、半径N(N−2)rの円に外接する正N角形状曲線に囲まれた範囲となる。
(B) 中央の第1の点、その周囲を回る第2の点、該第2の点の周囲を回る第3の点を、それぞれ、太陽S、地球E、月Mになぞらえた場合において、地球上Eから(N−1) r離れた場所の月Mが地球の周囲を角速度ωで回転し、地球Eは、そこから距離rだけ離れた太陽Sの周囲を角速度(1−N)ωで回転するときに、太陽Sを固定点としてみたならば、月Mの描く軌跡は、半径N(N−2)rの円に外接する正N角形状の曲線に近似する。
(C) 半径(N+1) rの円に内接する正(N+1)角形を、その円の中心を軸に角速度ωで自転させつつ、半径rの円周上を角速度(N+1)ωで公転させる時、この正(N+1)角形の掃過範囲は、半径N(N+2)rの円に外接する正N角形状曲線に囲まれた範囲となる。
なお、上記知見及び本明細書において、角速度に付された正負の符号は、正符号のついた角速度と負符号のついた角速度とは、回転方向が反対方向である事を示すために付されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した知見に基いて創作されたものである。
【0009】
本発明の掘削方法は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、正(N−1)角形状の輪郭を有する掘削ビットをボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転させつつ、角速度「ω」で自転せしめ、前記正(N−1)角形状の掘削ビットは半径(N−1) rの円に内接する輪郭を有しており、前記正(N−1)角形状の掘削ビットの公転角速度は「(1−N)ω」となり、前記正(N−1)角形状の輪郭を有する掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となることを特徴としている。
かかる構成を有する本発明の掘削方法によれば、上述した知見(A)に基いて、正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する事が出来る。掘削ビットの掃過範囲は、掘削ビットにより掘削される範囲と同意義であり、掘削ビットにより、半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲を掃過すれば、当該範囲が掘削されて、正N角形状のボーリング孔が掘削されるのである。
【0010】
また本発明の掘削方法は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドに設けた掘削用モニタが当該ボーリングロッドの周囲を回転し、掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転するノズルから地盤掘削用の流体(例えば、高圧水等)を噴射し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離を「r」である場合に、前記地盤掘削用の流体の到達距離は「(N−1) r」となり、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる事を特徴としている。
この様な構成を具備する本発明によれば、上述した知見(B)により正N角形状のボーリング孔が掘削される。すなわち、掘削するべきボーリング孔の中心線が知見(B)における太陽Sに相当し、前記モニタの周囲に設けられたノズルが地球Eに相当し、ノズルから噴射される前記地盤掘削用の流体の到達点が月Mに相当する。そして知見(B)で述べた様に、地盤掘削用の流体の到達点の軌跡が正N角形の輪郭となる結果、地盤掘削用の流体が掘削する範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる。
【0011】
ここで、前記ノズルは2個1対で設けられており、前記地盤掘削用の流体が所謂「交差噴流」を形成するのが好ましい。交差噴流であれば、地盤掘削用の流体の到達距離を極めて高精度に制御出来るからである。
なお、Nは4以外の整数を選択する事が可能である。勿論、N=4であっても良い。
【0012】
さらに本発明の掘削工法は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、正(N+1)角形状の輪郭を有する掘削ビットをボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転させつつ、角速度「ω」で自転せしめ、前記正(N+1)角形状の掘削ビットは半径「(N+1) r」の円に内接する輪郭を有しており、前記正(N+1)角形状の掘削ビットの公転角速度は「(N+1)ω」となり、前記正(N+1)角形状の輪郭を有する掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N+2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる事を特徴としている。
かかる構成を有する本発明の掘削工法によれば、上述した知見(C)に従って、前記正(N+1)角形状の輪郭を有する掘削ビットの掃過範囲、すなわち当該掘削ビットにより掘削される範囲が、半径「N(N+2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となるのである。
【0013】
これに加えて本発明の掘削工法は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットを用い、該ブレード状掘削ビットのロッドを掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドから半径方向に離隔して設け、ブレード状掘削ビットを自転しつつ前記ボーリングロッドの周囲を公転せしめ、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離が「r」である場合に、当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離は「(N−1) r」となり、当該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となることを特徴としている。
この様な構成を具備する本発明によれば、上述した知見(B)により正N角形状のボーリング孔が掘削される。すなわち、掘削するべきボーリング孔の中心線が知見(B)における太陽Sに相当し、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が地球Eに相当し、前記ブレード状掘削ビットの先端が月Mに相当する。そして知見(B)で述べた様に、前記ブレード状掘削ビットの先端の軌跡が正N角形の輪郭となる結果、当該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる。
【0014】
本発明において、掘削される掘削孔の断面形状は偏心回転によって創成される包絡線であって、その各頂角には丸みが付き、また、各辺は厳密な意味においては直線とは言い得ない。しかし、実用上、本発明により掘削される掘削孔の断面形状は、正N角形と考えて問題は無い。
【0015】
上述した本発明の掘削工法は、頂点を結ぶ辺が(実質的に)直線である正N角形の断面形状を有するボーリング孔を掘削するものである。ここで、例えば摩擦杭の様に断面積に比較して断面の周長(断面形状の輪郭の長さ)を長くしたい場合が存在する。
その様な要請に応えるために、発明者は種々研究の結果、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離(r)と前記地盤掘削用の流体の到達距離との比率、或いは、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離(r)と当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離との比率を、「(N−1) 」よりも小さくすることにより、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状あるいは前記掘削ビットの掃過範囲の断面形状が、N個の頂点を有し、且つ、曲線(ボーリング孔の中心線側に湾曲する湾曲線)から成る単一の閉じた領域から構成されている形状となることを見出した。
この様な知見に基き、本発明の掘削工法を以下に述べる様に構成すれば、頂点と頂点とを結ぶ辺が湾曲線(内側に湾曲する湾曲線)で構成されており、断面積に対して輪郭線の周長が長い形状の断面を有するボーリング孔を掘削することが出来る。
【0016】
すなわち、本発明の掘削工法において、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドに設けた掘削用モニタが当該ボーリングロッドの周囲を回転し、掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転するノズルから地盤掘削用の流体を噴射し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率を「(N−1) 」よりも小さくして、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状を、N個の頂点を有し、且つ、曲線(ボーリング孔の中心線側に湾曲する湾曲線)から成る単一の閉じた領域から構成されている形状にせしめれば良い。
或いは、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットを用い、該ブレード状掘削ビットのロッドを掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドから半径方向に離隔して設け、ブレード状掘削ビットを自転しつつ前記ボーリングロッドの周囲を公転せしめ、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率を「(N−1) 」よりも小さくして、前記掘削ビットの掃過範囲の断面形状を、N個の頂点を有し、曲線(ボーリング孔の中心線側に湾曲する湾曲線)から成る単一の閉じた領域から構成されている形状にせしめれば良い。
【0017】
さらに、発明者は研究の結果、上記比率をさらに小さくすれば、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な断面形状を有するボーリング孔を掘削出来ることを見出した。
かかる知見に基いて、本発明において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドに設けた掘削用モニタが当該ボーリングロッドの周囲を回転し、掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転するノズルから地盤掘削用の流体を噴射し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率を「(N−1) 」より(さらに)小さくして、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状を、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な形状にせしめることが可能なのである。
【0018】
また本発明において、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットを用い、該ブレード状掘削ビットのロッドを掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドから半径方向に離隔して設け、ブレード状掘削ビットを自転しつつ前記ボーリングロッドの周囲を公転せしめ、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離をに対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率を「(N−1) 」より(さらに)小さくして、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状を、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な形状にせしめることが可能である。
ここで、前記「曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な形状」とは、「複数個の閉じた領域」がN個の場合は、図32−図37で示す様な複葉状の形状を意味している。そして、「複数個の閉じた領域」が(N+1)個の場合は、図45で示す様な複葉状の形状を意味している。
【0019】
上述した掘削工法を実施するため、本発明の掘削装置は、以下の様に構成されている。
本発明の掘削装置は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、正(N−1)角形状の掘削ビットを備え、該掘削ビットは半径(N−1) rの円に内接する輪郭を有しており、ボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転しつつ角速度「ω」で自転し、その公転角速度は「(1−N)ω」となる様に構成されており、該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴としている。
かかる構成を具備する本発明の掘削装置は、上記した知見(A)をボーリング孔等の掘削に適用したものである。
また本発明の掘削装置は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、該ボーリングロッドに設けられ且つその周囲を回転する様に構成された掘削用モニタと、該掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転しつつ地盤掘削用の流体を噴射するノズルとを有し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離を「r」である場合に、前記地盤掘削用の流体の到達距離は「(N−1) r」となり、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴としている。
かかる構成を具備する掘削装置は、上記知見(B)に基くものである。
ここで、前記ノズルは2個1対で設けられており、前記地盤掘削用の流体が所謂「交差噴流」を形成するのが好ましい。交差噴流であれば、地盤掘削用の流体の到達距離を極めて高精度に制御出来るからである。
なお、Nは4以外の整数を選択する事が可能である。勿論、N=4であっても良い。
【0020】
さらに本発明の掘削装置は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、正(N+1)角形状の掘削ビットを備え、該掘削ビットは半径「(N+1) r」の円に内接する輪郭を有しており、ボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転しつつ角速度「ω」で自転し、その公転角速度は「(N+1)ω」となる様に構成されており、該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N+2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴としている。
この様な掘削装置は、上記知見(C)によるものである。
【0021】
そして本発明の掘削装置は、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットとを有しており、該ブレード状掘削ビットのロッドは前記ボーリングロッドから半径方向に離隔して設けられ且つその周囲を自転しつつ公転する様に構成されており、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離を「r」である場合に、当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離は「(N−1) r」となり、当該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴としている。
この様な構成を具備する本発明によれば、上述した知見(B)により正N角形状のボーリング孔が掘削される。
【0022】
ここで、例えば摩擦杭の様に断面積に比較して断面の周長(断面形状の輪郭の長さ)を長くしたい場合には、本発明の掘削装置において、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、該ボーリングロッドに設けられ且つその周囲を回転する様に構成された掘削用モニタと、該掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転しつつ地盤掘削用の流体を噴射するノズルとを有し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率が「(N−1) 」より小さく成る様に構成され、以って、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状が、N個の頂点を有し、且つ、曲線から成る単一の閉じた領域から構成される形状となる様にすれば良い。
或いは、本発明の掘削装置において、頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットとを有しており、該ブレード状掘削ビットのロッドは前記ボーリングロッドから半径方向に離隔して設けられ且つその周囲を自転しつつ公転する様に構成されており、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率が「(N−1) 」より小さく成る様に構成され、以って、前記掘削ビットの掃過範囲の断面形状が、N個の頂点を有し、且つ、曲線から成る単一の閉じた領域から構成される形状となる様にすれば良い。
【0023】
さらに本発明によれば、曲線から成るN個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称な形状の断面を有するボーリング孔の削孔が可能である。
すなわち、本発明の掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、該ボーリングロッドに設けられ且つその周囲を回転する様に構成された掘削用モニタと、該掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転しつつ地盤掘削用の流体を噴射するノズルとを有し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率が「(N−1) 」よりも小さく成る様に構成され、以って、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状が、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称な形状となる様に構成することが可能である。
或いは、本発明の掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットとを有しており、該ブレード状掘削ビットのロッドは前記ボーリングロッドから半径方向に離隔して設けられ且つその周囲を自転しつつ公転する様に構成されており、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率が「(N−1) 」より小さく成る様に構成され、以って、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状が、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称な形状となる様に構成することが出来る。
ここで、前記「曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な形状」とは、「複数個の閉じた領域」がN個の場合は、図32−図37で示す様な複葉状の形状を意味している。そして、「複数個の閉じた領域」が(N+1)個の場合は、図45で示す様な複葉状の形状を意味している。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0025】
図1−図16は、上記知見(A)に基く実施形態を示している。
図1には、各頂点を符号A、B、C、Dで示す正方形のボーリング孔Hをその正方形に内接する正三角形状のカッタ(掘削ビット)Tを回転して掘削する実施形態が示されている。そして、図2〜図7を参照し、その正三角形状のカッタTによってボーリング孔Hが正方形状に創成される態様を説明する。
【0026】
図において、正三角形状のカッタT(正(N−1)角形状の輪郭を有する掘削ビット)は、1辺が2aの正方形状のボーリング孔Hに内接し、その重心(図心)Gがボーリング孔Hの中心Oから半径rの軌道Rを反時計回りに公転しており、その回転角(公転する角度)をθで示している。そして、カッタTは時計回りに公転速度の1/3の速度で自転しており、その回転角(自転する角度)をφで示している。
また、三角形Tの重心Gから頂点Pまでの距離Lは、L=2・3−0.5aであるから、正方形Hと三角形Tの重心(O、G)間距離rは、r=(2・3−0.5−3)a/3であり、このrが軌道Rの半径となっている。
【0027】
図2は、三角形Tの頂点Pと重心Gとを結ぶ線分LがX軸と重なった状態であって、この状態を回転角θ=0°とする。
以下、図3および図4はそれぞれθ=45°および90°の回転時を示し、三角形カッタTはφ=15°および30°逆方向に回転し、その頂点Pの軌跡がボーリング孔Hの一辺を形成している。そして、図5のθ=135°での頂角部は丸みを形成して、図6および図7のθ=180°および270°で次の辺が形成されている。同様にして三角形Tの図示しない他の頂点で各辺が形成され、ボーリング孔Hが正方形状に形成される。
【0028】
図8は、図1−図7で説明した様なカッタ(掘削ビット)Tを回転した際における(3角形のカッタTの)頂点Pの軌跡を包絡線で表現したものである。そして、頂点Pの軌跡がボーリング孔Hの断面形状、すなわち正方形である旨が明示されている。なお図8において、正三角形状のカッタTの重心Gの軌跡が、符号G−Tで示されている。
ここで、図8で示されているボーリング孔Hの断面形状は偏心回転によって創成される包絡線であり、その各頂角には丸みが付き、また、各辺は厳密な意味においては直線とは言い得ない。しかし、図8で示すボーリング孔Hの断面形状は、実用上、正方形(正4角形)と考えて問題は無い。
【0029】
また、図9には、正方形のカッタT4で正五角形のボーリング孔H5が、そして、図10には正五角形のカッタT5で正六角形のボーリング孔H6が創成される実施形態が示されている。
この場合、軌道円半径rは、両多角形重心間距離(OG)であり、
r=a{sec(π/N)−1}/2 となる。
ただし、aはN角形の中心Oと一辺間の距離である(図9参照)。
【0030】
図11〜図16は、正三角形状(図11)から正八角形状(図16)までのボーリング孔H3〜H8およびカッタの軌道R3〜R8を、それぞれ示している。
【0031】
次に、上記知見(B)に基く実施形態について、図17−図21を参照して説明する。
図17において、交差噴流を構成するジェットJ1、J2は単一の矢印Jで表現しており、ノズルN1、N2も点Nで表現して、図示を簡略化している。
【0032】
正方形断面を有する改良体10の造成の1過程を模式的に示す断面図である図17において、ノズルNの軌跡(公転軌跡)TLが構成する円の半径寸法を「r」とすれば、ノズルNの初期位置(図17で示す位置)の座標(x、y)は(r、0)となり、一般化すると次式(2)、(3)の通りになる。
x=rcosωt ・・・・ (2)
y=rsinωt ・・・・ (3)
この式(2)、(3)において、符号ωはノズルNが図示しないモニタの周囲を回転する角速度(公転角速度)である。
なお、図17で示す初期位置において、ノズルNからのジェットJはX軸上を左方向に噴射されており、その先端は符号J−Eで示されている。
【0033】
図17において、ノズルNの公転軌跡は、1辺の長さがaの正三角形が正方形10(1辺の長さがaの正方形)に常に内接する様に移動している場合における当該正三角形の重心の軌跡に一致する。
【0034】
図18−図21は、ジェットJによる切削の進捗を図示したものであり、符号θはノズルNの公転した角度を示している。
図18は、ノズルNが図17で示す位置(初期位置)に対して反時計方向にπ/2(rad)だけ公転した状態を示している。ノズルNは、公転速度(−3ω=(1−N)ω:N=4)の1/3の角速度ωで自転するので、そこから噴射されるジェットJは、X軸に対して平行とはならず、図18で示す様な角度(自転による回転角度)を有している。そして、ノズルNの公転及び自転により、ジェットJも移動し、その先端J−Eも移動する。その結果、図18においてハッチングを付して示す領域が切削され、地盤改良材と混合される。ここで、当該改良された領域の断面形状は、従来の円形断面を有する改良体では形成し得なかった断面形状となっている。
【0035】
この際に、切削・改良された領域(ハッチングを付して示す領域)において、点Fと点J−Eとを結ぶ線分は、Y軸と平行な直線となっている。換言すれば、ジェットJの先端は、Y軸と平行に図中上方に移動している。
なお、符号TLは公転軌跡を示している。この段階においても、点Fと点J−Eとを結ぶ線分は、Y軸と平行な直線となっている。なお図示の簡略化のため、図19−図21においては、改良された領域にハッチングを付していない。
【0036】
図19は、ノズルNが初期位置に対して左回転方向にπ(rad)だけ公転移動した状態を示している。この段階においては、ジェットJの先端J−Eは、Y軸に平行に移動した後に、X軸と平行に図中右方向に移動している。図20で示す段階、すなわちノズルNが初期位置に対して5π/4だけ公転移動した段階では、ジェットJの先端J−Eは、X軸と平行に図中右方向へ、さらに移動している。そして、ノズルNが2π(rad)だけ公転移動すると(換言すれば公転軌跡TL上を1回転すると)、ジェットJの先端J−Eは図21で示す様な位置に到達する。
【0037】
図示は省略したが、ノズルNが初期位置に対して6πだけ公転移動すると、すなわち公転軌跡TL上を3回転すると、ジェットJの先端J−Eは初期位置Fまで戻り(すなわち、自転を1回転行い)、正方形断面すなわち正4角形状の断面を有する領域の切削が為される。
また、図17−図21において、掘削された正方形断面10の角部には若干のアールがつくが、直角な角部とアールのついた角部との差異は、実際の施工に際しては無視出来る程度の小さなものである。
【0038】
次に、上記知見(C)に基く実施形態について、図22−図25を参照して説明する。
ここで、図22−図25の実施形態においては、ボーリング孔の断面形状(正N角形状)は4角形である。すなわち、N=4である。
【0039】
図22−図25において、正5角形状(正「N+1」角形状)のカッタP(正(N+1)角形状の輪郭を有する掘削ビット)は、その重心(図心)Gがボーリング孔Hの中心Oから半径rの円周軌道Rを時計回りに移動(公転)しており、その回転角(公転する角度)が符号「θ」で示されている。
ここで、カッタPの重心が描く軌跡の半径rは、カッタPに外接する円(図22−図25では図示せず)の半径の1/25(1/(N+1))である。換言すれば、正5角形状のカッタPは、半径25r(すなわち、「(N+1) r」)の円(図22−図25では図示せず)に内接する輪郭を有している。
一方、カッタPは公転すると共に自転をしており、その自転速度は前記公転速度の1/5(すなわち「1/(N+1)」)の速度で自転しており、その回転角(自転する角度)は符号「ψ」で示されている。
【0040】
図22−図25の5角形カッタPの掘削ビットの掃過範囲を考察するに際して、以下、5角形カッタPの頂点PE−1の軌跡のみを考慮する。
なお図22−図25において、符号「IS」で示すのは、完全に正方形をしたボーリング孔が掘削可能であると仮定した場合における断面形状であり、換言すれば、理想的な断面形状を示している。
【0041】
図22には、カッタPは当初の状態に対して270゜公転し、且つ、54゜自転した状態が示されている。これにより、カッタPの1つの頂点PE−1は、原点P−Oから符号「TR−21」で示す軌跡を描く。
【0042】
図23の状態では、カッタPは630゜公転し、且つ、126゜自転している。これにより、カッタPの頂点PE−1は、符号「TR−22」で示す軌跡を描いている。
【0043】
図24の状態では、カッタPは1260゜公転し、且つ、252゜自転している。これにより、カッタPの頂点PE−1は、符号「TR−23」で示す軌跡を描いている。
【0044】
図25の状態では、カッタPは1800゜公転し、且つ、360゜自転している。すなわち、カッタPは自転により一回転をしているので、その頂点PE−1は、符号「TR−24」で示す様な閉じた形状の軌跡を描く。この軌跡TR−24と、理想的な断面形状ISとを比較すると、軌跡TR−24(すなわち、カッタPにより掘削される領域の断面形状)は、その4隅部が円弧状になっている。しかしながら概略4角形状の軌跡を描いており、実用的には、四角形断面のボーリング孔を掘削したものと考えて差し支えない。
【0045】
上述した通り、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離rと、前記地盤掘削用の流体の到達距離Lとの比率を、或いは、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離と、当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離との比率を、(N−1)より小さくすれば、掘削ビットT、Pの掃過範囲の断面形状を、N個の頂点を有し、且つ、頂点と頂点とを結ぶ辺が湾曲線で構成されている形状にせしめることが出来る。
図26−図31は、前記比率を(N−1)とした場合において、図17−図21の実施形態により掘削されたボーリング孔の断面形状を示している。
ここで、図26はN=3、図27はN=4、図28はN=5、図29はN=6、図30はN=7、図31はN=8の場合をそれぞれ示している。
【0046】
なお、前記比率(「前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離rと、前記地盤掘削用の流体の到達距離Lとの比率」、或いは、「前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離と、当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離との比率」)を「N」とした場合については、図46で示されている。
【0047】
上述した通り、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離rと、前記地盤掘削用の流体の到達距離Lとの比率を、或いは、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離と、当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離との比率を、(N−1)よりもさらに小さくすれば、掘削ビットT、Pの掃過範囲の断面形状を、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な形状にせしめることが可能である。
図32−図37は、当該「複数個の閉じた領域」がN個であり、且つ、前記比率を「1」にした場合において、図17−図21の実施形態により掘削されたボーリング孔の断面形状を示している。
ここで、図32はN=3、図33はN=4、図34はN=5、図35はN=6、図36はN=7、図37はN=8の場合をそれぞれ示している。
【0048】
また、図45は、「複数個の閉じた領域」が(N+1)個であり、且つ、前記比率を「N−2」にした場合におけるボーリング孔の断面形状を示している。
【0049】
図26−図31の実施形態、図32−図37の実施形態、図45の実施形態における、その他の構成等については、図17−図21の実施形態と概略同様である。
【0050】
次に、図38−図40を参照して、ブレード状掘削ビットを用いて正N角形(例えば正方形:正4角形)の断面形状を有するボーリング孔を掘削する実施形態について説明する。
【0051】
図38、図39は、(特に図38で示す様な)中央で連結された3本のブレードR1、R2、R3を有するカッタ或いは掘削ビットT−1を、図1−図8で説明した様に自転及び公転して、図1−図8の実施形態で用いられたカッタ(正三角形状のカッタ:図1−図8の符号「T」)と同様に、正方形(正四角形)状のボーリング孔を掘削する実施形態を説明している。
【0052】
図38において、全体を符号T−1で示すブレード状掘削ビットは、自転中心V−Oを中心として対称に配置された3本のブレードR1、R2、R3を有しており、ブレードR1、R2、R3の各々には、掘削用のチップBBCが複数設けられている。
ここで、ブレード状掘削ビットT−1の自転中心V−Oは、ブレードR1の頂点R1−P、ブレードR2の頂点R2−P、ブレードR3の頂点R3−Pを結んで出来る正3角形の重心の位置に等しい。
【0053】
前記自転中心V−Oは、ブレード状掘削ビットT−1により掘削されるボーリング孔Hの中心Oに対して、距離「r」だけ偏心している。ボーリング孔Hの中心Oは、図39において符号100で示すボーリングマシンのボーリングロッド60の中心軸と一致している。
換言すれば、ブレード状掘削ビットT−1は、その自転中心V−Oが、図39において符号100で示すボーリングマシンのボーリングロッド60の中心軸Oから距離rだけ離れた円周上を公転しつつ、自転するのである。
【0054】
図38、図39の実施形態において、ブレード状掘削ビットT−1が自転する角速度が「ω」である場合に、前記ボーリングロッド60(或いは、ボーリング孔Hの中心O)の周囲をブレード状掘削ビットT−1が公転する角速度は「(1−N)ω」である。
また、前述した様に、ブレード状掘削ビットT−1の自転中心V−Oがボーリング孔Hの中心O(或いは、ボーリングロッド60の中心軸)から離隔する半径方向距離は「r」であるが、ブレード状掘削ビットT−1の自転中心V−Oから各ブレードR1、R2、R3の先端R1−P、R2−P、R3−Pまでの距離は「(N−1) r」となる様に設定されている。
その結果、ブレード状掘削ビットT−1の掃過範囲、すなわち当該掘削ビットT−1で掘削されるボーリング孔Hの断面形状は、半径「N(N−2)r」の円に外接する正4角形状となる。
【0055】
図38、図39の実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図1−図8の実施形態と同様である。
【0056】
さらに、図38、図39と同様に、図40で示す様な中央で連結された5本のロッドから成る断面形状を有するカッタ或いは掘削ビットP−1を、図22−図25で説明した様に自転及び公転すれば、図40において点線で示す形状のカッタ(正三角形状のカッタ:図22−25の符号「P」)と同様に、正方形(正四角形)状のボーリング孔が掘削出来るのである。
【0057】
図示の実施形態は例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
例えば、図示の実施形態においては、主として4角形断面或いは5角形断面を有するボーリング孔を地盤に掘削する場合に関して説明されているが、所望の正N角形状の断面形状を有する孔を掘削する場合についても、本発明は広く適用可能である。また、地盤のみならず、非常に硬い岩盤にボーリング孔を掘削する場合にも、本発明を適用することが出来る。
そして、本発明は、その他にも種々の変形、変更が可能である旨を付記する。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように構成された本発明によれば、正N角形状のボーリング孔を掘削するという、従来は不可能であった要請に応える事が出来て、しかも、実施或いは施工が容易である。そして本発明は、地盤に対する孔の掘削にとどまらず、岩盤その他に対する掘削にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図。
【図2】図1の掘削孔の創成を説明する図。(θ=0°)
【図3】図2から回転した状態(θ=45°)を説明する図。
【図4】図3から回転した状態(θ=90°)を説明する図。
【図5】図4から回転した状態(θ=135°)を説明する図。
【図6】図5から回転した状態(θ=180°)を説明する図。
【図7】図6から回転した状態(θ=270°)を説明する図。
【図8】図1−図7において、掘削ビットの軌跡を包括線で示す図。
【図9】別の実施形態(五角形状孔)を示す平面図。
【図10】さらに別の実施形態(六角形状孔)を示す平面図。
【図11】本発明による三角形状孔の例を示す平面図。
【図12】本発明による四角形状孔の例を示す平面図。
【図13】本発明による五角形状孔の例を示す平面図。
【図14】本発明による六角形状孔の例を示す平面図。
【図15】本発明による七角形状孔の例を示す平面図。
【図16】本発明による八角形状孔の例を示す平面図。
【図17】本発明の他の実施形態による切削の1過程を模式的に示す断面図。
【図18】図17の実施形態により地盤を切削する1過程を模式的に示す断面図。
【図19】地盤を切削する1過程を模式的に示す断面図。
【図20】地盤を切削する1過程を模式的に示す断面図。
【図21】地盤を切削する1過程を模式的に示す断面図。
【図22】本発明のさらに別の実施形態による地盤切削の1過程を模式的に示す断面図。
【図23】地盤を切削する1過程を模式的に示す断面図。
【図24】地盤を切削する1過程を模式的に示す断面図。
【図25】地盤を切削する1過程を模式的に示す断面図。
【図26】本発明の他の実施形態による三角形状孔の例を示す平面図。
【図27】本発明の他の実施形態による四角形状孔の例を示す平面図。
【図28】本発明の他の実施形態による五角形状孔の例を示す平面図。
【図29】本発明の他の実施形態による六角形状孔の例を示す平面図。
【図30】本発明の他の実施形態による七角形状孔の例を示す平面図。
【図31】本発明の他の実施形態による八角形状孔の例を示す平面図。
【図32】本発明のさらに別の実施形態による三角形状孔の例を示す平面図。
【図33】本発明のさらに別の実施形態による四角形状孔の例を示す平面図。
【図34】本発明のさらに別の実施形態による五角形状孔の例を示す平面図。
【図35】本発明のさらに別の実施形態による六角形状孔の例を示す平面図。
【図36】本発明のさらに別の実施形態による七角形状孔の例を示す平面図。
【図37】本発明のさらに別の実施形態による八角形状孔の例を示す平面図。
【図38】本発明のさらにその他の実施形態で用いられるブレード状掘削ビットを示す平面図。
【図39】図38で示すブレード状掘削ビットを用いてボーリング孔を掘削する状態を示す正面断面図。
【図40】ブレード状掘削ビットの変形例を示す図。
【図41】円形断面のトンネルを示す図。
【図42】四角形断面のトンネルを示す図。
【図43】従来の地盤全面掘削を円形掘削で施工した場合を示す図。
【図44】地盤全面掘削を六角形掘削で施工した場合を示す図。
【図45】本発明のその他の実施形態により掘削されたボーリング孔の断面形状を示す平面図。
【図46】本発明の別の実施形態により掘削されたボーリング孔の断面形状を示す平面図。
【符号の説明】
H・・・掘削孔
O・・・掘削孔中心
R・・・軌道円
T、P、T−1・・・カッタ(掘削ビット)
G・・・掘削手段重心
r・・・軌道円半径
θ・・・(公転)回転角
φ、ψ・・・掘削手段(自転)回転角

Claims (16)

  1. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、正(N−1)角形状の輪郭を有する掘削ビットをボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転させつつ、角速度「ω」で自転せしめ、前記正(N−1)角形状の掘削ビットは半径(N−1) rの円に内接する輪郭を有しており、前記正(N−1)角形状の掘削ビットの公転角速度は「(1−N)ω」となり、前記正(N−1)角形状の輪郭を有する掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となることを特徴とする掘削工法。
  2. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドに設けた掘削用モニタが当該ボーリングロッドの周囲を回転し、掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転するノズルから地盤掘削用の流体を噴射し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離を「r」である場合に、前記地盤掘削用の流体の到達距離は「(N−1) r」となり、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となることを特徴とする掘削工法。
  3. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、正(N+1)角形状の輪郭を有する掘削ビットをボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転させつつ、角速度「ω」で自転せしめ、前記正(N+1)角形状の掘削ビットは半径「(N+1) r」の円に内接する輪郭を有しており、前記正(N+1)角形状の掘削ビットの公転角速度は「(N+1)ω」となり、前記正(N+1)角形状の輪郭を有する掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N+2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となることを特徴とする掘削工法。
  4. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットを用い、該ブレード状掘削ビットのロッドを掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドから半径方向に離隔して設け、ブレード状掘削ビットを自転しつつ前記ボーリングロッドの周囲を公転せしめ、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離が「r」である場合に、当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離は「(N−1) r」となり、当該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となることを特徴とする掘削工法。
  5. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドに設けた掘削用モニタが当該ボーリングロッドの周囲を回転し、掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転するノズルから地盤掘削用の流体を噴射し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率を「(N−1)」より小さくして、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状を、N個の頂点を有し、且つ、曲線から成る単一の閉じた領域から構成されている形状にせしめたことを特徴とする掘削工法。
  6. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削工法において、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットを用い、該ブレード状掘削ビットのロッドを掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドから半径方向に離隔して設け、ブレード状掘削ビットを自転しつつ前記ボーリングロッドの周囲を公転せしめ、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率を「(N−1) 」より小さくして、前記掘削ビットの掃過範囲の断面形状を、N個の頂点を有し、且つ、曲線から成る単一の閉じた領域から構成されていることを特徴とする掘削工法。
  7. 掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドに設けた掘削用モニタが当該ボーリングロッドの周囲を回転し、掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転するノズルから地盤掘削用の流体を噴射し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率を「(N−1) 」より小さくして、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状を、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な形状にせしめたことを特徴とする掘削工法。
  8. ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットを用い、該ブレード状掘削ビットのロッドを掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドから半径方向に離隔して設け、ブレード状掘削ビットを自転しつつ前記ボーリングロッドの周囲を公転せしめ、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率を「(N−1) 」より小さくして、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状を、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称となる様な形状にせしめたことを特徴とする掘削工法。
  9. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、正(N−1)角形状の掘削ビットを備え、該掘削ビットは半径(N−1) rの円に内接する輪郭を有しており、ボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転しつつ角速度「ω」で自転し、その公転角速度は「(1−N)ω」となる様に構成されており、該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴とする掘削装置。
  10. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、該ボーリングロッドに設けられ且つその周囲を回転する様に構成された掘削用モニタと、該掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転しつつ地盤掘削用の流体を噴射するノズルとを有し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離を「r」である場合に、前記地盤掘削用の流体の到達距離は「(N−1) r」となり、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴とする掘削装置。
  11. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、正(N+1)角形状の掘削ビットを備え、該掘削ビットは半径「(N+1) r」の円に内接する輪郭を有しており、ボーリング孔の中心と同心で半径「r」の円周上を公転しつつ角速度「ω」で自転し、その公転角速度は「(N+1)ω」となる様に構成されており、該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N+2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴とする掘削装置。
  12. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットとを有しており、該ブレード状掘削ビットのロッドは前記ボーリングロッドから半径方向に離隔して設けられ且つその周囲を自転しつつ公転する様に構成されており、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離を「r」である場合に、当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離は「(N−1) r」となり、当該掘削ビットの掃過範囲は半径「N(N−2)r」の円に外接する正N角形状の範囲となる様に構成されている事を特徴とする掘削装置。
  13. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、該ボーリングロッドに設けられ且つその周囲を回転する様に構成された掘削用モニタと、該掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転しつつ地盤掘削用の流体を噴射するノズルとを有し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率が「(N−1) 」より小さく成る様に構成され、以って、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状が、N個の頂点を有し、且つ、曲線から成る単一の閉じた領域から構成されていることを特徴とする掘削装置。
  14. 頂角数がN個の正N角形状の水平断面形状を有するボーリング孔を掘削する掘削装置において、掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットとを有しており、該ブレード状掘削ビットのロッドは前記ボーリングロッドから半径方向に離隔して設けられ且つその周囲を自転しつつ公転する様に構成されており、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率が「(N−1) 」より小さく成る様に構成され、以って、前記掘削ビットの掃過範囲の断面形状が、N個の頂点を有し、且つ、曲線から成る単一の閉じた領域から構成されていることを特徴とする掘削装置。
  15. 掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、該ボーリングロッドに設けられ且つその周囲を回転する様に構成された掘削用モニタと、該掘削用モニタの周縁部に設けられ且つ該モニタの周囲を回転しつつ地盤掘削用の流体を噴射するノズルとを有し、前記ノズルが前記モニタの周囲を回転する角速度が「ω」である場合に、前記モニタが前記ボーリングロッドの周囲を回転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記モニタが前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する前記地盤掘削用の流体の到達距離の比率が「(N−1) 」よりも小さく成る様に構成され、以って、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状が、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称な形状となる様に構成されていることを特徴とする掘削装置。
  16. 掘削するべきボーリング孔の中心線と同軸のボーリングロッドと、ロッドにN本のブレードを円周方向に等間隔に配置して構成したブレード状掘削ビットとを有しており、該ブレード状掘削ビットのロッドは前記ボーリングロッドから半径方向に離隔して設けられ且つその周囲を自転しつつ公転する様に構成されており、前記ブレード状掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲で自転する角速度が「ω」である場合に、当該掘削ビットが前記ボーリングロッドの周囲を公転する角速度は「(1−N)ω」となり、前記ブレード状掘削ビットの自転中心が前記ボーリング孔の中心線から離隔する半径方向距離に対する当該掘削ビットの自転中心から先端までの距離の比率が「(N−1) 」より小さく成る様に構成され、以って、前記地盤掘削用の流体が掘削する範囲の断面形状が、曲線から成る複数個の閉じた領域から構成され且つ前記ボーリング孔の中心に対して対称な形状となる様に構成されていることを特徴とする掘削装置。
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