JP4453077B2 - 無線タグ通信システムの質問器 - Google Patents

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本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグに対し情報の読み取り又は書き込みを行う無線タグ通信システムの質問器に関する。
応答器としての小型の無線タグに対し、質問器としてのリーダ/ライタより非接触で問い合わせの送信及び返答の受信を行うことで、無線タグの情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Ratio Frequency Identification)システムが知られている。
例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
上記の情報の読み取り/書き込みの際、リーダ/ライタは通信対象の無線タグと通信信号を送受するが、この通信信号は、例えばプリアンブルと、データ本体をなす無線タグ回路素子の識別情報(IDナンバー、以下適宜、タグ識別情報という)とを含んで構成されている。このとき、上記タグ識別情報の長さ(データ長)として、用途や規格に応じて複数種類のビット数が存在することが知られており、この結果、上記通信信号全体の長さも長短各種が存在している(例えば、非特許文献1参照)。
上述のように近年飛躍的に用途が広がり種々の分野で活用が進みつつある無線タグであるが、上記従来技術に記載のように、各種無線タグで多種多様なデータ長のタグ識別情報をばらばらに用いているのが現状である。
このため、質問器としてのリーダ/ライタから応答器としてのある無線タグへ問い合わせを行って返答を受信したとき、予め当該無線タグに対応するデータ長がわかっていれば正常にタグ識別情報を取得できるものの、データ長が不明な場合はタグ識別情報を取得することが困難であり、複数種類のデータ長に十分対応することができなかった。
本発明の目的は、通信対象の無線タグ回路素子のデータ長の種類に関係なく、その識別情報を確実に取得できる無線タグ情報通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、質問対象の無線タグ回路素子にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、非接触で前記無線タグ回路素子に送信し、アクセスを行う情報送信手段と、この情報送信手段による前記アクセス情報の送信後、この送信されたアクセス情報に応じて前記無線タグ回路素子より送信された返答信号を非接触で受信し、読み込みを行う情報受信手段と、この情報受信手段で読み込んだ返答信号より誤り検出符号を抽出し、この抽出した誤り検出符号に基づき前記読み込んだ返答信号中に含まれる前記無線タグ回路素子の識別情報のデータ長を特定するデータ長特定手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明においては、アクセス情報生成手段が生成したアクセス情報を情報送信手段が質問対象の無線タグ回路素子に送信し、その返答信号が送信されてくると、これを情報受信手段で受信して読み込む。そして、データ長特定手段が、その読み込んだ返答信号に含まれる誤り検出符号を抽出し、これを用いてデータ長の特定を行う。このように、識別情報と一対一に対応するという誤り検出符号の性質を利用し、無線タグ回路素子からのデータ長を特定することにより、複数種類の無線タグ回路素子からの多種多様なデータ長の返答信号に対応でき、タグ種類に関係なく確実に正しい識別情報を得ることができる。
第2の発明は、上記第1発明において、前記データ長特定手段によって特定されたデータ長に基づいて、前記無線タグ回路素子の識別情報を取得する情報識別手段を有することを特徴とする。
本願第2発明においては、アクセス情報生成手段が生成したアクセス情報を情報送信手段が質問対象の無線タグ回路素子に送信し、その返答信号が送信されてくると、これを情報受信手段で受信して読み込む。そして、データ長特定手段及び情報識別手段が、その読み込んだ返答信号に含まれる誤り検出符号を抽出し、これを用いてデータ長の特定及び無線タグ回路素子の識別情報の取得を行う。このように、識別情報と一対一に対応するという誤り検出符号の性質を利用し、無線タグ回路素子からのデータ長を特定しその識別情報を検出することにより、複数種類の無線タグ回路素子からの多種多様なデータ長の返答信号に対応でき、タグ種類に関係なく確実に正しい識別情報を得ることができる。
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記データ長特定手段は、前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号より前記誤り検出符号を抽出する抽出手段と、前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に基づき前記無線タグ回路素子の仮識別情報を設定し、その仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を算出する演算手段と、この演算手段で算出した前記仮誤り検出符号と前記抽出手段で抽出した前記誤り検出符号とが一致するかどうかを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
本願第3発明では、抽出手段が返答信号より誤り検出符号を検出する一方、演算手段が返答信号より仮識別情報を設定して仮誤り検出符号を算出する。そして、判定手段が、それら検出した誤り検出符号と算出した仮誤り検出符号を突き合わせて一致するかどうかを判定する。これにより、両者が一致すれば上記仮識別情報が実際の識別情報に等しいことになり、正しい識別情報が得られるとともにそのデータ長も特定される。
第4の発明は、上記第3発明において、前記演算手段は、前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に基づき前記無線タグ回路素子の識別情報の仮ビット長を設定する仮ビット長設定手段と、前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に、前記仮ビット長設定手段で設定した前記仮ビット長を対応させ、前記仮識別情報を設定する仮識別情報設定手段と、この仮情報設定手段で設定した前記仮識別情報に基づき前記仮誤り検出符号を決定する仮誤り検出符号決定手段とを備えることを特徴とする。
本願第4発明においては、仮ビット長設定手段が、返答信号に基づき無線タグ回路素子の識別情報の仮ビット長を設定し、仮識別情報設定手段が返答信号にその設定した仮ビット長をあてはめて仮識別情報を設定し、仮誤り検出符号決定手段がその設定した仮識別情報に基づいて仮誤り検出符号を決定する。このようにして、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づいて仮誤り検出符号を算出することができる。
第5の発明は、上記第4発明において、前記仮ビット長設定手段は、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、所定回数の仮ビット長の再設定を行うことを特徴とする。
仮誤り検出符号と誤り検出符号とが一致するまで仮ビット長設定手段で仮ビット長を再設定しながら、その都度仮識別情報の設定及び仮誤り検出符号の決定を繰り返すことにより、最終的に両者を一致させ、正しい識別情報を得ることができる。
第6の発明は、上記第5発明において、前記抽出手段は、前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号のビット列を取得するビット列取得手段と、このビット列取得手段で取得した前記ビット列のうち所定数のビット分を前記誤り検出符号とする誤り検出符号決定手段とを備えることを特徴とする。
本願第6発明においては、ビット列取得手段で返答信号のビット列を取得し、誤り検出符号決定手段でその取得ビット列のうち所定数ビット分を誤り検出符号とする。このようにして、情報受信手段で読み込んだ返答信号より誤り検出符号を抽出することができる。
第7の発明は、上記第6発明において、前記仮ビット長設定手段は、最初の前記仮ビット長として、前記ビット列取得手段で取得した前記返答信号のビット列のうち、前記誤り検出符号決定手段で決定した前記誤り検出符号の所定数ビット分を差し引いたビット数又はその近傍の数を設定することを特徴とする。
読み込んだ返答信号が比較的正しく受信されたであろうことを前提として、本来備えるであろうビット数又はそれに近い数から仮ビット長の設定を開始することにより、無作為に設定を行う場合に比べ、仮誤り検出符号と誤り検出符号とが早く一致する可能性を高めて、より迅速に正しい識別情報を得ることができる。
第8の発明は、上記第5乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記仮ビット長設定手段は、少なくとも最初の前記仮ビット長を、予め定められたビット長リストの中から選択して設定することを特徴とする。
無線タグ通信システムにおいて使用される無線タグ回路素子の識別情報のビット長が予めいくつかの種類に限定されていること、あるいはその可能性が高いことがわかっている場合には、それら複数のビット長種類をリストアップし仮ビット長設定手段が少なくとも最初の設定時にこれを利用するようにすることで、無作為に設定を行う場合に比べ仮誤り検出符号と誤り検出符号とが早く一致する可能性を高め、より迅速に正しい識別情報を得ることができる。
第9の発明は、上記第5乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記仮ビット長設定手段は、少なくとも最初の前記仮ビット長を、64ビット若しくは96ビットのいずれかに設定することを特徴とする。
無線タグ通信システムにおいて使用される無線タグ回路素子の識別情報のビット長は、通常、64ビット又は96ビットであることが多い。そこで、本願第9発明においては、仮ビット長設定手段が少なくとも最初の設定時にそれらのいずれかに仮ビット長を設定するようにすることで、無作為に設定を行う場合に比べ仮誤り検出符号と誤り検出符号とが早く一致する可能性を高め、より迅速に正しい識別情報を得ることができる。
第10の発明は、上記第8発明において、前記仮ビット長設定手段は、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、前記ビット長リストの中から別の前記仮ビット長を選択し設定を行うことを特徴とする。
無線タグ通信システムにおいて使用される無線タグ回路素子の識別情報のビット長が予めいくつかの種類に限定されていることがわかっている場合には、それら複数のビット長種類をリストアップし仮ビット長設定手段がその中から仮ビット長を選択するようにすることで、仮誤り検出符号と誤り検出符号とを早く一致させ、迅速に正しい識別情報を得ることができる。
第11の発明は、上記第5乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記仮ビット長設定手段は、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、その都度前記仮ビット長を1ビットずつ増大又は減少させて新たな前記仮ビット長の設定を行うことを特徴とする。
仮誤り検出符号と誤り検出符号とが一致するまで、仮ビット長設定手段で仮ビット長を1ビットずつ増大又は減少させて再設定を行いその都度仮識別情報の設定及び仮誤り検出符号の決定を繰り返すことにより、最終的に両者を一致させ、正しい識別情報を得ることができる。
第12の発明は、上記第5乃至第11発明のいずれか1つにおいて、前記仮ビット長設定手段が前記所定回数の再設定を行っても、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、前記情報送信手段は再度前記アクセス情報の送信を行い、前記情報受信手段は再度前記読み込みを行うことを特徴とする。
所定回数仮ビット長設定手段で仮ビット長を再設定しても仮誤り検出符号と誤り検出符号とが一致しない場合は、再度情報受信手段で読み込みを行って再び仮識別情報の設定及び仮誤り検出符号の決定を行い同様の手順を繰り返すことにより、最終的に両者を一致させ、正しい識別情報を得ることができる。
本発明によれば、識別情報と一対一に対応するという誤り検出符号の性質を利用し、無線タグ回路素子からのデータ長を特定するので、通信対象の無線タグ回路素子のデータ長の種類に関係なく、その識別情報を確実に取得することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の適用対象である無線タグ通信システムの全体概略を表すシステム構成図である。
図1において、この無線タグ通信システムSは、本実施形態による質問器100と、これに対応する応答器としての無線タグTとから構成される。
無線タグTは、アンテナ51とIC回路部52とを備えた無線タグ回路素子Toを有している(詳細は後述)。
質問器100は、無線タグ回路素子Toの上記アンテナ51との間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ1と、上記アンテナ1を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部52へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路2と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路3と、制御回路4とを有する。
制御回路4は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
図2は、上記高周波回路2の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図2において、高周波回路2は、アンテナ1を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部11と、アンテナ1により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部12と、送受分離器13とから構成される。
送信部11は、無線タグ回路素子ToのIC回路部52(後述)の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子21、PLL(Phase Locked Loop)22、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)23と、上記信号処理回路3から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路3からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路24(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路24により変調された変調波を、制御回路4からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ25とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ25の出力は、送受分離器13を介してアンテナ1に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部52に供給される。
受信部12は、アンテナ1により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路31と、その受信第1乗算回路31の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ32と、この第1バンドパスフィルタ32の出力を増幅して第1リミッタ33に供給する受信第1アンプ34と、上記アンテナ1により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に位相が90°ずらされた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路35と、その受信第2乗算回路35の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ36と、この第2バンドパスフィルタ36の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ37に供給する受信第2アンプ38とを備えている。そして、上記第1リミッタ33から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ37から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路3に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ34及び受信第2アンプ38の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路39にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路3に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
図3は、上記無線タグTに備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図3において、無線タグ回路素子Toは、質問器100側のアンテナ1とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行うアンテナ51と、このアンテナ51に接続された上記IC回路部52とを有している。
IC回路部52は、アンテナ51により受信された搬送波を整流する整流部53と、この整流部53により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部54と、上記アンテナ51により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部55(後述)に供給するクロック抽出部56と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部57と、上記アンテナ51に接続された変復調部58と、上記整流部53、クロック抽出部56、及び変復調部58等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部55とを備えている。
変復調部58は、アンテナ51により受信された上記質問器100のアンテナ1からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部55からの応答信号に基づき、アンテナ51より受信された搬送波を変調反射する。
制御部55は、上記変復調部58により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部57において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部58により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
上記の基本構成において、質問器100の高周波回路2の送信部52で生成した問い合わせ(問いかけ)信号がアンテナ1を介して送信され、これに応じて無線タグ回路素子Toのアンテナ51から返答信号が送信(返信)され、質問器100のアンテナ1で受信され、これに基づいて情報の読み取り/書き込みが行われる。
このような無線通信では、通常、回線周囲環境等のノイズにより発生した情報通信エラーを機械的に検出するため種々のエラー制御が行われる。このとき、通信前の元データと通信後のデータとの誤りを検出する(データが壊れていないか調べる)方式の一つとして、CRC(Cyclic Redundancy Check;巡回冗長検査)があり、通信やデバイスなどの分野で広く利用されている。
CRCにおいては、送出データに対し特殊な計算式(生成多項式)を適用し、誤り検査用のビット列(誤り検出符号)を作成する。送信ビット列P(x)、生成多項式G(x)、生成多項式の最高次数をとした時、P(x)・x/ G(x)の余りがCRC符号となる。例えば、送信ビットが、
「01100100」(P(x)=x+x+x
で表され、生成多項式が
G(x)=x+x
である場合は、
P(x)・x / G(x) =x+x+x+x+x 余り x
となるため、CRC符号は「100000」となる。
このように演算されたビット列を、CRC符号として送出データに付加して送信を行う。受信側では同じ計算式によりビット列を算出し、受信データに付加されていたビット列と比較する。このCRC符号は、同一のデータからは必ず同じ符号が生成され、1ビットでもデータが異なると別のCRC符号が生成されるため、上記の比較を行うことにより、送出データと受信データとが正しく一致しているかどうか(エラーが発生していないかどうか)を検出することができる。
本実施形態の要部は、質問器100の問い合わせ(問いかけ)に対する無線タグ回路素子Toからの応答信号中に含まれる上記CRC符号を利用して、無線タグ回路素子Toの識別情報(IDナンバー)を特定することにある。以下、その詳細を図4〜図7によって説明する。
前述したように、現在提唱されている各種無線タグのタグ識別情報の長さ(データ長)は用途や規格に応じて複数種のビット数が存在している。図4(a)〜(c)は、上記のような誤り検出符号(CRC符号)を含む、無線タグ回路素子ToのIC回路部52内での互いに異なるビット数の各種情報の格納状況を表す図である。なお、この例は、EPC gloval(流通コードの国際機関である国際EAN協会と米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人)が策定したAuto−IDClassI仕様に準拠した場合の例である。
図示のように、いずれの例も、CRC符号、タグ識別情報(ID)、パスワードで構成された情報が格納されており、図4(a)はID64ビットのタグ、図4(b)はID96ビットのタグ、図4(c)はID128ビットのタグの場合を表している。なお、いずれもCRC符号は16ビット、パスワードが8ビットの場合を例にとって表している。
図5(a)〜(f)は、質問器100への無線タグ回路素子Toの応答信号の例を表す図である。この例では、通信信号は、プリアンブルと、CRC符号(この例では16ビット)と、データ本体をなす無線タグ回路素子Toの識別情報(IDナンバー)とから構成され、この順序で配列されている。
図5(a)は、タグ識別情報が64ビットの無線タグTからの通常の応答信号の場合であり、16ビットのCRC符号とこれに続く64ビットのタグ識別情報が受信され、受信信号の合計は80ビットとなる。
図5(b)は、タグ識別情報が96ビットの無線タグTからの通常の応答信号の場合であり、16ビットのCRC符号及び96ビットのタグ識別情報が受信され、受信信号の合計は112ビットとなる。
図5(c)は、タグ識別情報の後に16ビットの0符号を付加するタイプの無線タグTで、タグ識別情報が64ビットである場合の応答信号を示しており、16ビットのCRC符号、64ビットのタグ識別情報、16ビットの0符号が受信され、受信信号の合計は96ビットとなる。
図5(d)は、上記図5(a)に示した無線タグT(ID64ビット)からの応答信号で、20ビット分のノイズが混入した場合であり、16ビットのCRC符号、64ビットのタグ識別情報、20ビットのノイズが受信され、受信信号の合計は100ビットとなる。
図5(e)は、上記図5(c)に示した無線タグT(ID64ビット)からの応答信号で、20ビット分のノイズが混入した場合であり、16ビットのCRC符号、64ビットのタグ識別情報、16ビットの0符号、20ビットのノイズが受信され、受信信号の合計は116ビットとなる。
図5(f)は、上記図5(b)に示した無線タグT(ID96ビット)からの応答信号のうち一部のみを受信した場合であり、16ビットのCRC符号、96ビットのタグ識別情報のうち72ビットが受信され、受信信号の合計は88ビットとなる。
なお、前述の図4及び図5中のCRC部分の値は、説明を容易にするための模式的な値であり、計算されたものではない。
以上のように、無線タグTのタグ識別情報のデータ長、あるいはタグメーカによる仕様(タイプ)、さらにはノイズ、一部受信等により、質問器100からの問い合わせ(問いかけ)に対する無線タグ回路素子Toからの応答信号のビット列の長さは種々様々である。このため、受信信号全長のうちどの部分からどの部分までがタグ識別情報(IDナンバー)であるのかがわからず、正確なタグ識別情報を取得困難な場合がある。本発明はこのような場合にも対応し、上記CRC符号を利用し無線タグ回路素子Toの識別情報(IDナンバー)を確実に特定するものである。
図6は、制御回路4により実行される制御手順を表すフローチャートである。
図6において、まず、ステップS10において、通信不良等が疑われるときのリトライ(再試行)の回数をカウントする変数Nを0に初期化する。
そして、ステップS20において、無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路3に出力する。これに基づき信号処理回路3でアクセス情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路2の送信部11を介し無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
次に、ステップS30において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス対象の無線タグ回路素子Toから送信された返答信号(=リプライ信号)をアンテナ1を介して受信し、高周波回路2の受信部12及び信号処理回路3を介し取り込む。
その後、ステップS40に移り、上記ステップS30で取り込んだアナログの受信データを、デジタルデータ(ビット列)に変換した後、ステップS50で、その変換したビット列のビット長をカウントし、取得する。
そして、ステップS60で、上記ステップS50で取得したビット長のうち、所定の長さ(この例では16ビット)をCRC符号(=CRC0;誤り検出符号)とする。ステップS60が終了したらステップS70に移る。
ここで、この例では、タグ識別情報が、先の図4(a)〜(c)に示したように、64ビット、96ビット、128ビットのいずれかであることが予めわかっており(あるいはそうである可能性が高いことが推測され)、制御装置3内の適宜の箇所(例えばRAM)にタグ識別情報のビット長リストとして、「64ビット」「96ビット」「128ビット」の3つが設定保持されている。まず、ステップS70では、今回ステップS30で受信した上記タグ識別情報のビット長「ID_lengh」を、上記3つのビット数のうち最も小さな64ビットであると仮定する(仮ビット長)。
そして、これに対応し、ステップS80では、上記ステップS30で受信されステップS40でデジタル変換されたビット列のうち、CRC符号16ビットに続く17ビット目から上記「ID_lengh」ビット分(この例では64ビット分)を、タグ識別情報であると仮定する(仮識別情報)。
その後、ステップS90で、その仮定した識別情報を用いて、前述のようにしてCRC符号(=CRC1;仮の誤り検出符号)を算出する。
そして、ステップS100に移り、前述のステップS60で実測したCRC符号(=CRC0)と、上記ステップS90で得られたCRC符号(=CRC1)とが一致するかどうかを判定する。
一致していれば、上述のCRC符号の性質より、CRC1の基になったID_length及びタグ識別情報はともに正しいこととなるため、ステップS110で仮ビット長ID_lengthを正しいタグ識別情報のビット長の値として決定し、さらにステップS120で上記仮識別情報を正しい識別情報として決定し、このフローを終了する。
一方、ステップS100でCRC0とCRC1とが一致しなかった場合は、判定が満たされず、ステップS129に移る。ステップS129では、返答ビット列の長さが検査され、112ビット(=96ビット+16ビット)以上かどうかが判定される。112ビット以上であれば判定が満たされ、ステップS130に移る。112ビット未満であれば判定が満たされず、後述のステップS210に移る(詳細は後述)。
ステップS130では、ステップS30で受信した上記タグ識別情報のビット長「ID_lengh」を、上記リストアップされた3つのビット数のうち、64ビットの次に小さな96ビットであると仮定する(仮ビット長の再設定)。
そして、これに対応し、次のステップS140で、上記ステップS80と同様、CRC符号16ビットに続く17ビット目から上記「ID_lengh」ビット分(この例では96ビット分)を、タグ識別情報であると仮定する(仮識別情報の再設定)。
その後、ステップS150で、上記ステップS90と同様、その仮定した識別情報を用いて、CRC符号CRC1を再び算出する。
そして、ステップS160に移り、前述のステップS60で実測したCRC符号(=CRC0)と、上記ステップS150で再び算出された新たなCRC符号(=CRC1)とが一致するかどうかを判定する。
一致していれば、前述同様、ステップS110及びステップS120で仮ビット長ID_length及び仮識別情報をともに正しい値として決定し、このフローを終了する。
上記ステップS160でCRC0とCRC1とが再度一致しなかった場合は、判定が満たされず、ステップS169に移る。ステップS169では、返答ビット列の長さが検査され、144ビット(=128ビット+16ビット)以上かどうかが判定される。144ビット以上であれば判定が満たされ、ステップS170に移る。144ビット未満であれば判定が満たされず、後述のステップS210に移る(詳細は後述)。
ステップS170では、上記ステップS130同様、上記タグ識別情報のビット長「ID_lengh」を、上記リストアップされた3つのビット数のうち、残りの128ビットであると仮定する(仮ビット長の再々設定)。
そして、次のステップS180で、上記同様、CRC符号16ビットに続く17ビット目から上記128ビット分をタグ識別情報であると仮定する(仮識別情報の再々設定)。
その後、ステップS190で、上記同様、その仮定した識別情報を用いて、CRC符号CRC1を再び算出する。
そして、ステップS200に移り、CRC符号CRC0と、ステップS190で再び算出された新たなCRC符号CRC1とが一致するかどうかを判定する。
一致していれば、前述同様、ステップS110及びステップS120で仮ビット長ID_length及び仮識別情報をともに正しい値として決定し、このフローを終了する。
上記ステップS160でCRC0とCRC1とが再度一致しなかった場合は、ステップS210に移る。
ステップS210では、上述した変数Nに1を加え、さらにステップS220においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS20に戻り、「Scroll All ID」信号の再送信から同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS230に移り、エラー表示信号を出力し、質問器100に備えられた図示しない表示手段(あるいはさらに質問器100よりネットワーク接続を介した外部端末等でもよい)に、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、このフローを終了する。このようにして無線タグ情報の読み取りが不調でも5回までは再試行が行われる。
図7は、以上の識別情報の特定手順の要点を、わかりやすく示した図である。前述したように、CRC符号を抽出した後のビット列から仮のビット長、仮のタグ識別情報を設定して仮のCRC符号を算出して突き合わせ、一致するまで繰り返す。
以上において、信号処理回路3が質問対象の無線タグ回路素子にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段を構成し、高周波回路2の送信部11及びアンテナ1が、アクセス情報生成手段で生成したアクセス情報を非接触で無線タグ回路素子に送信しアクセスを行う情報送信手段を構成し、アンテナ1及び高周波回路2の受信部12が、情報送信手段によるアクセス情報の送信後、この送信されたアクセス情報に応じて無線タグ回路素子より送信された返答信号を非接触で受信し、読み込みを行う情報受信手段を構成する。
また、制御回路4が実行する図6に示すフローのステップS40〜ステップS100、ステップS130〜ステップS200、及びステップS110が、情報受信手段で読み込んだ返答信号より誤り検出符号を抽出し、この抽出した誤り検出符号に基づき読み込んだ返答信号中に含まれる無線タグ回路素子の識別情報のデータ長を特定するデータ長特定手段を構成し、ステップS120が、データ長特定手段によって特定されたデータ長に基づいて、無線タグ回路素子の識別情報を取得する情報識別手段を構成する。
またこれらのうちステップS40〜ステップS60が、情報受信手段で読み込んだ返答信号より誤り検出符号を抽出する抽出手段を構成し、ステップS70〜ステップS90、ステップS130〜ステップS150、ステップS170〜ステップS190が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づき無線タグ回路素子の仮識別情報を設定し、その仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を算出する演算手段を構成し、ステップS100、ステップS160、ステップS200が、 演算手段で算出した仮誤り検出符号と抽出手段で抽出した誤り検出符号とが一致するかどうかを判定する判定手段を構成する。
さらに、上記のうち、ステップS40及びステップS50が、情報受信手段で読み込んだ返答信号のビット列を取得するビット列取得手段を構成し、ステップS60が、ビット列取得手段で取得したビット列のうち所定数のビット分を誤り検出符号とする誤り検出符号決定手段を構成する。
またステップS70、ステップS130、ステップS170が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づき無線タグ回路素子の識別情報の仮ビット長を設定する仮ビット長設定手段を構成し、ステップS80、ステップS140、ステップS180が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に、仮ビット長設定手段で設定した仮ビット長を対応させ、仮識別情報を設定する仮識別情報設定手段を構成し、ステップS90、ステップS150、ステップS190は、仮情報設定手段で設定した仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を決定する仮誤り検出符号決定手段を構成する。
以上のように構成した本実施形態においては、質問器100の信号処理回路3で生成された問い合わせ信号(「Scroll All ID」信号)が送信部11及びアンテナ1を介し質問対象の無線タグ回路素子Toに送信され、その返答信号がアンテナ1及び受信部12で受信され読み込まれる。そして、制御回路4がステップS40〜ステップS60で、その読み込んだ返答信号に含まれる誤り検出符号(CRC0)を抽出し、これを用いてステップS70、ステップS130、ステップS170で仮のデータ長(ID_length;ビット長)を定めるとともにステップS80、ステップS140、ステップS180で仮のタグ識別情報(仮ID)を定め、さらにステップS90、ステップS150、ステップS190で仮の誤り検出符号(CRC1)を求める。そして、上記抽出したCRC0と仮に定めたCRC1を突き合わせ、等しくなった場合に仮のデータ長を正しいデータ長とすることで特定を行う。このように、識別情報(ID)と一対一に対応するという誤り検出符号(CRC)の性質を利用して無線タグ回路素子Toからのデータ長を特定しタグ識別情報を取得することにより、複数種類の無線タグ回路素子Toからの多種多様なデータ長の返答信号に対応でき、未知の無線タグTについてその種類のいかんにかかわらず確実に正しい識別情報を得ることができる。
また、無線タグ通信システムにおいて使用される無線タグ回路素子Toの識別情報のビット長が予めいくつかの種類に限定されている場合、本実施形態のようにそれら複数のビット長種類をリストアップしその中から仮ビット長ID_lengthを選択するようにすることで、仮の誤り検出符号CRC1と抽出した誤り検出符号CRC0とを早く一致させ、迅速に正しい識別情報を得られる効果もある。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、その技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)受信信号のビット長に近い仮定ビット長として計算を開始する場合
図8は、この変形例における制御回路4による制御手順を表すフローチャートであり、前述の図6に対応する図である。
図8に示すフローにおいて、ステップS10〜ステップS60は上記図6と同様であり、問いかけ信号送信→返答信号受信の後、ビット長をカウントした後16ビット分をCRC0とする。その後、ステップS70に代えて設けたステップS70Aに移る。
ここで、上記実施形態ではタグ識別情報の長さ(ビット長)のリストとして「64ビット」「96ビット」「128ビット」の3つが設定され、仮のビット長(ID_length)の設定にあたっては無条件にリスト中のビット数の小さい順に64ビット→96ビット→128ビットの順で仮定しCRC1によってその検算を行った。これに対して本変形例では、タグ識別情報の長さのリストとして、上記3つに限られず、さらに多数種類が設定されている。そしてステップS70Aでは、そのリストアップされたビット長の中から、返答信号ビット長から16ビット(CRC分のビット数に相当)だけ差し引いたビット数より小さく最も近い値をピックアップする(例えば受信信号のビット数が140ビットであれば16ビット差し引くと124ビットであるから上記リストよりID_length=96ビットとなり、受信信号のビット数が144ビットであれば16ビット差し引くと128ビットであるから上記リストよりID_length=128ビットとなる)。そしてステップS80でそのピックアップしたビット数を用い、返信信号ビット列の17ビット目よりそのピックアップしたビット数分をタグ識別情報とし、同様にステップS90でCRC1を算出してステップS100でCRC0と比較する。
ステップS100で判定が満たされなかった場合、ステップS130に代えて設けたステップS130Aに移り、仮の識別情報ビット長ID_lengthを、上記ステップS70Aで設定したものの次に小さい値と仮定する(例えば前述した受信信号のビット数が140ビットであって当初仮定ビット長ID_length=96ビットであった場合は、今度はID_length=128ビットとなる)。
その後、新たに設けたステップS240に移り、ステップS130Aで仮に設定したID_lengthがステップS50で取得した返答信号のビット長自体を越えていないかどうかを判定する。ID_lengthが取得した返答信号のビット長を越えていればそのような仮定自体が意味をなさなくなる(受信信号長よりもタグ識別情報データ長が長くなることはありえない)ので、この判定が満たされてステップS210以降に移り、前述と同様、5回までは送受信のリトライを行う。
ID_lengthが取得した返答信号のビット長以下であったら、ステップS240の判定が満たされず、ステップS80に戻り、新たなID_lengthで同様の手順を繰り返す。
以上において、図8に示すフローのステップS40〜ステップS110、ステップS130A、ステップS240が、情報受信手段で読み込んだ返答信号より誤り検出符号を抽出し、この抽出した誤り検出符号に基づき読み込んだ返答信号中に含まれる無線タグ回路素子の識別情報のデータ長を特定するデータ長特定手段を構成し、ステップS120が、データ長特定手段によって特定されたデータ長に基づいて、無線タグ回路素子の識別情報を取得する情報識別手段を構成する。
またこれらのうちステップS70〜ステップS90、ステップS130Aが、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づき無線タグ回路素子の仮識別情報を設定し、その仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を算出する演算手段を構成し、ステップS100が、演算手段で算出した仮誤り検出符号と抽出手段で抽出した誤り検出符号とが一致するかどうかを判定する判定手段を構成する。
さらに、ステップS70A、ステップS130Aが、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づき無線タグ回路素子の識別情報の仮ビット長を設定する仮ビット長設定手段を構成し、ステップS80が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に、仮ビット長設定手段で設定した仮ビット長を対応させ、仮識別情報を設定する仮識別情報設定手段を構成し、ステップS90が、仮情報設定手段で設定した仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を決定する仮誤り検出符号決定手段を構成する。
本変形例によれば、ステップS70Aで、最初の仮ビット長ID_lengthとして、ステップS50で取得した返答信号のビット列のうち、CRC0のビット数(=16)分を差し引いたビット数(又はその近傍の数)を設定する。すなわち、読み込んだ返答信号が比較的正しく受信されたであろうことを前提として、本来備えるであろうビット数又はそれに近い数から仮ビット長ID_lengthの設定を開始することにより、無作為に設定を行う場合に比べ、CRC1とCRCとが早く一致する可能性を高め、より迅速に正しい識別情報を得られる効果がある。
(2)リストを用いず仮定ビット長をずらしながら計算を繰り返す場合
図9は、この変形例における制御回路4による制御手順を表すフローチャートであり、前述の実施形態の図6及び上記(1)の変形例の図8に対応する図である。
図9に示すフローにおいて、ステップS10〜ステップS60は上記図6と同様であり、問いかけ信号送信→返答信号受信の後、ビット長をカウントした後16ビット分をCRC0とする。その後、ステップS70に代えて設けたステップS70Bに移る。
ここで、上記実施形態ではタグ識別情報の長さ(ビット長)のリストとして「64ビット」「96ビット」「128ビット」の3つが設定され、仮のビット長(ID_length)の設定にあたっては無条件にリスト中のビット数の小さい順に64ビット→96ビット→128ビットの順で仮定しCRC1によってその検算を行った。これに対して本変形例では、同様にまずステップS70Bで64ビットとして仮定を行うが、リストは特に用意されない(なお、これに限られず、想定される無線タグの種類の範囲、用途等に応じて、このステップS70Bで最初に仮定するビット長は96ビット、128ビット、あるいはその他のビット数でも良い)。
そして同様にステップS80でその仮のビット長(この例ではID_length=64)を用い、返信信号ビット列の17ビット目よりそのビット数分をタグ識別情報とし、ステップS90でCRC1を算出してステップS100でCRC0と比較する。
ステップS100で判定が満たされなかった場合、ステップS130やステップS130Aに代えて新たに設けたステップS130Bに移り、仮の識別情報ビット長ID_lengthを、これまでの値より1つだけ大きい値に再設定(再仮定)する(なお、前述と同様、この増大させる値は適宜設定可能であり、1でなく2以上の値でも良い。また逆に適宜の値ずつ減少させても良い)。
その後、上記(1)の変形例と同様のステップS240に移り、設定したID_lengthが返答信号ビット長自体を越えていないかどうかを判定し、越えていればステップS210以降に移り、前述と同様、5回までは送受信のリトライを行う。ID_lengthが取得した返答信号のビット長以下であったら、ステップS80に戻り、新たなID_lengthで同様の手順を繰り返す。
以上において、制御回路4が実行する図9に示すフローのステップS40〜ステップS110、ステップS250、及びステップS240が、情報受信手段で読み込んだ返答信号より誤り検出符号を抽出し、この抽出した誤り検出符号に基づき読み込んだ返答信号中に含まれる無線タグ回路素子の識別情報のデータ長を特定するデータ長特定手段を構成し、ステップS120が、データ長特定手段によって特定されたデータ長に基づいて、無線タグ回路素子の識別情報を取得する情報識別手段を構成する。
またステップS70B、ステップS80、ステップS90、ステップS250が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づき無線タグ回路素子の仮識別情報を設定し、その仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を算出する演算手段を構成し、ステップS100が、演算手段で算出した仮誤り検出符号と抽出手段で抽出した誤り検出符号とが一致するかどうかを判定する判定手段を構成する。
さらに、ステップS70B、ステップS250が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づき無線タグ回路素子の識別情報の仮ビット長を設定する仮ビット長設定手段を構成し、ステップS80が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に、仮ビット長設定手段で設定した仮ビット長を対応させ、仮識別情報を設定する仮識別情報設定手段を構成し、ステップS90は、仮情報設定手段で設定した仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を決定する仮誤り検出符号決定手段を構成する。
本変形例によれば、仮に設定したCRC1と抽出したCRC0とが一致するまで、ステップS250でタグ識別情報の仮ビット長ID_lengthを1ビットずつ増大(又は減少)させて再設定を行い、その都度ステップS80で仮識別情報の設定及びステップS90でCRC1の決定を繰り返すことにより、最終的に両者を一致させ、正しい識別情報を得ることができる。この結果、予期しない全てのビット長のタグ識別情報を備えた無線タグTに対応することができる。
なお、この変形例では、図6や図8のように仮に設定するタグ識別情報のビット長リストを用いなかったが、同様のリストを用いて、ステップS70Bの最初のビット長の初期値設定のときだけそのリストからピックアップして用いるようにしても良い。またそのときに、図8のステップS70Aのように返信信号のビット長からCRCビット数分に相当するビット数だけ差し引いたものに最も近い値をピックアップするようにしてもよい。あるいはリストを全く用いず、単にその返信信号ビット長からCRCビット数を差し引いた値そのもの(あるいはその近傍の数)を初期値とするようにしてもよい。
また、以上の実施形態及び(1)(2)の変形例においては、「Scroll
All ID信号」等、EPC glovalが策定したAuto−IDClassI仕様に準拠した場合を例にとって説明したが、これに限られず、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであれば適用可能である。この場合も同様の効果を得る。
本発明の一実施形態の質問器を備えた無線タグ通信システムの全体概略を表すシステム構成図である。 図1に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。 図1に示した無線タグに備えられた無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。 無線タグ回路素子のIC回路部内における、誤り検出符号を含む情報の格納状況を表す図である。 質問器への無線タグ回路素子の応答信号の例を表す図である。 図1に示した制御回路により実行される制御手順を表すフローチャートである。 識別情報の特定手順の要点を示した説明図である。 受信信号のビット長に近い仮定ビット長として計算を開始する変形例における、制御回路による制御手順を表すフローチャートである。 リストを用いず仮定ビット長をずらしながら計算を繰り返す変形例における、制御回路による制御手順を表すフローチャートである。
符号の説明
1 アンテナ(情報送信手段、情報受信手段)
2 高周波回路
3 信号処理回路(アクセス情報生成手段)
4 制御回路(データ長特定手段、情報識別手段、抽出手段、演算手
段、判定手段、ビット列取得手段、誤り検出符号決定手段、仮ビ
ット長設定手段、仮識別情報設定手段、仮誤り検出符号決定手段)
11 送信部(情報送信手段)
12 受信部(情報受信手段)
100 質問器
S 無線タグ通信システム
To 無線タグ回路素子

Claims (12)

  1. 質問対象の無線タグ回路素子にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、
    このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、非接触で前記無線タグ回路素子に送信し、アクセスを行う情報送信手段と、
    この情報送信手段による前記アクセス情報の送信後、この送信されたアクセス情報に応じて前記無線タグ回路素子より送信された返答信号を非接触で受信し、読み込みを行う情報受信手段と、
    この情報受信手段で読み込んだ返答信号より誤り検出符号を抽出し、この抽出した誤り検出符号に基づき前記読み込んだ返答信号中に含まれる前記無線タグ回路素子の識別情報のデータ長を特定するデータ長特定手段とを有することを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  2. 請求項1記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記データ長特定手段によって特定されたデータ長に基づいて、前記無線タグ回路素子の識別情報を取得する情報識別手段を有することを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  3. 請求項1又は2記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記データ長特定手段は、
    前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号より前記誤り検出符号を抽出する抽出手段と、
    前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に基づき前記無線タグ回路素子の仮識別情報を設定し、その仮識別情報に基づき仮誤り検出符号を算出する演算手段と、
    この演算手段で算出した前記仮誤り検出符号と前記抽出手段で抽出した前記誤り検出符号とが一致するかどうかを判定する判定手段とを備えることを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  4. 請求項3記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記演算手段は、
    前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に基づき前記無線タグ回路素子の識別情報の仮ビット長を設定する仮ビット長設定手段と、
    前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に、前記仮ビット長設定手段で設定した前記仮ビット長を対応させ、前記仮識別情報を設定する仮識別情報設定手段と、
    この仮情報設定手段で設定した前記仮識別情報に基づき前記仮誤り検出符号を決定する仮誤り検出符号決定手段とを備えることを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  5. 請求項4記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記仮ビット長設定手段は、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、所定回数の仮ビット長の再設定を行うことを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  6. 請求項5記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記抽出手段は、
    前記情報受信手段で読み込んだ前記返答信号のビット列を取得するビット列取得手段と、
    このビット列取得手段で取得した前記ビット列のうち所定数のビット分を前記誤り検出符号とする誤り検出符号決定手段とを備えることを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  7. 請求項6記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記仮ビット長設定手段は、最初の前記仮ビット長として、前記ビット列取得手段で取得した前記返答信号のビット列のうち、前記誤り検出符号決定手段で決定した前記誤り検出符号の所定数ビット分を差し引いたビット数又はその近傍の数を設定することを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記仮ビット長設定手段は、少なくとも最初の前記仮ビット長を、予め定められたビット長リストの中から選択して設定することを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記仮ビット長設定手段は、少なくとも最初の前記仮ビット長を、64ビット若しくは96ビットのいずれかに設定することを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  10. 請求項8記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記仮ビット長設定手段は、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、前記ビット長リストの中から別の前記仮ビット長を選択し設定を行うことを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  11. 請求項5乃至9のいずれか1項記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記仮ビット長設定手段は、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、その都度前記仮ビット長を1ビットずつ増大又は減少させて新たな前記仮ビット長の設定を行うことを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
  12. 請求項5乃至11のいずれか1項記載の無線タグ通信システムの質問器において、
    前記仮ビット長設定手段が前記所定回数の再設定を行っても、前記判定手段で前記仮誤り検出符号と前記誤り検出符号とが一致しないと判定された場合には、前記情報送信手段は再度前記アクセス情報の送信を行い、前記情報受信手段は再度前記読み込みを行うことを特徴とする無線タグ通信システムの質問器。
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