JP4452884B2 - 抗体およびその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、抗体、およびその利用に関するものであり、特に、ヒトを対象とする医薬品、例えば治療薬および診断薬に好適に用いることのできる抗体、その製造方法、及びその抗体を含む医薬品に関するものである。
抗体分子は、大きくV領域(可変領域、variable region)と定常領域(C領域、constant region)に分けられる。また、V領域は、CDR(相補性決定領域、complementarity determining region)及びFR(枠組み構造領域、framework region)がモザイク状に配置した構造となっている。このうちCDRは、抗原分子と相補的な立体構造を形成する領域であり、抗体の特異性を決める領域である。また、FRは、CDRの立体構造を保持することでCDRの抗原への親和性を保持する領域である。
近年、抗体を治療薬または診断薬として用いる、いわゆる抗体医薬品が注目を集めている。
しかし、非ヒト抗体(ヒト以外の生物、つまり異種生物由来の抗体)を治療薬としてヒトに投与する場合、免疫原性が大きな問題となる。つまり、非ヒト抗体をヒトに投与すると、この非ヒト抗体に対してヒトの体内で免疫系が働く。その結果、抗体が不活性化されてしまうという問題を生じる。
そこで、免疫原性を減じるために、非ヒト抗体のヒト化が試みられている。「非ヒト抗体のヒト化」とは、CDRが非ヒト生物由来であり、それ以外の部分がヒト由来である抗体を作製することを意味する。ヒト化抗体では、非ヒト生物由来の領域が小さいので、ヒト化する前の抗体(親抗体)よりも、免疫原性は低いと考えられている。これまでに、マウス等由来の哺乳類抗体がいくつかヒト化されている。
しかしながら、哺乳類抗体には以下に述べるような問題があった。
第一に、哺乳類とヒトとは系統学的に近い。そのため、哺乳類からヒト抗原に対する抗体を得ようとすると、免疫寛容のために抗体ができにくい場合がある。
第二に、例えばヒト抗原に対するマウス抗体を得ても、このマウス抗体がヒト抗原のマウスホモログと反応しないことがよくある。これは、抗体を医療の分野で応用するには大きな問題である。なぜなら、医薬用の抗体は、臨床試験でヒトに投与する前に、実験動物(主にマウス)を用いて治療効果を評価しなければならないので、抗体は実験動物(主にマウス)のホモログを認識する必要があるためである。
本発明は、上記従来の課題に鑑みたものであり、その目的は、哺乳類動物の抗原に対して反応し、かつ免疫原性の小さい抗体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ヒト由来の定常領域と、ニワトリ由来の相補性決定領域とヒト由来の枠組み構造領域とを含む可変領域と、を含む抗体を創製することに成功し、当該ヒト化ニワトリ抗体がヒト化されていないニワトリ抗体と同等の抗原認識活性を有することを見出し、それゆえ、少なくとも抗体を利用した治療薬、および診断薬として有用であるという知見を見出し、本願発明を完成させるに至った。本発明は、かかる新規知見に基づいて完成されたものであり、以下の発明を包含する。
(1)ヒト由来の定常領域と、ニワトリ由来の相補性決定領域とヒト由来の枠組み構造領域とを含む可変領域と、を含む抗体。
(2)上記枠組み構造領域中の補助アミノ酸が最適化された(1)に記載の抗体。
(3)配列番号57に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖と、配列番号58に示されるアミノ酸配列を有する重鎖と、を有する抗体。
(4)配列番号59〜64のいずれかに示されるアミノ酸配列を有する軽鎖を有する抗体。
(5)配列番号65〜70のいずれかに示されるアミノ酸配列を有する重鎖を有する抗体。
(6)ヒト由来の抗体中の相補性決定領域をニワトリ由来の相補性決定領域に置換する相補性決定領域置換工程を含む抗体の製造方法。
(7)さらに、上記ヒト由来の抗体中の枠組み構造領域に含まれる補助アミノ酸を最適化するアミノ酸最適化工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のヒト化ニワトリ抗体の製造方法。
(8)上記アミノ酸最適化工程は、上記補助アミノ酸をランダム化するランダム化工程と、上記ランダム化工程によってランダム化されたアミノ酸を含む抗体のうち、抗原認識活性を有する抗体を選択する選択工程とをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のヒト化ニワトリ抗体の製造方法。
(9)(1)〜(5)のいずれかに記載の抗体を含む医薬品。
本発明の抗体は、ヒト由来の定常領域と、ニワトリ由来の相補性決定領域とヒト由来の枠組み構造領域とを含む可変領域と、を含む。
つまり、本発明の抗体は、ヒトと系統学的に遠いニワトリ由来の相補性決定領域を含むので、ヒトおよびヒト以外の哺乳類の抗原に対して広く抗原認識活性を有するという効果を相する。
また、本発明の抗体は、定常領域および可変領域中の枠組み構造領域がヒト由来であるので、その免疫原性が小さいという効果を奏する。
従って、本発明の抗体は、医薬品として非常に好適に用いることができる。
本発明の抗体の製造方法は、ヒト由来の抗体の相補性決定領域をニワトリ由来の相補性決定領域に置換する相補性決定領域置換工程を含む。
本発明の抗体の製造方法によると、免疫原性が小さく、抗原認識活性の高い抗体を容易に製造することができる。
本発明は、医薬品に好適に用いることの出来る抗体、その製造方法、およびその利用に関するものである。そこで、以下では、まず本発明にかかる抗体について説明し、次いで、その製造方法、最後にその利用法について説明する。
<1.本発明にかかる抗体>
本発明にかかる抗体は、ヒト由来の定常領域(C領域)と、ニワトリ由来の相補性決定領域(CDR)とヒト由来の枠組み構造領域(FR)とを含む可変領域(V領域)と、を含む抗体であればよい。
この抗体は、哺乳類と系統学的に遠いニワトリ由来の相補性決定領域を含むので、ヒトおよびヒト以外の哺乳類の抗原に対して広く抗原認識活性を有するという効果を奏する。この効果について以下に詳しく述べる。
例えば、ヒト抗原が哺乳類間で高度に保存された分子である場合等、免疫寛容によって、哺乳類では抗体が産生されにくい場合がある。
しかし、ニワトリは哺乳類と進化上離れているので、哺乳類間で高度に保存された分子に対しても、抗体を産生しやすい(Song C. S., et al., 1985 J. Immunol. 135, 3354-3359, Matsushita K., et al., J. Vet. Med. Sci. 60 (1998) 777-779, Matsuda H., et al., 1999. FEMS Immunol. Med. Microbiol. 23,189-194, Nakamura et al., 2000. Cytotechnology 32, 191-198)。
また、哺乳類の抗体、例えばマウス抗体では、ヒト抗原は認識できても、そのヒト抗原のマウスホモログは認識できないという問題が生じることがある(Klohs and Hamby, 1999)。
しかし、ニワトリ抗体は、ヒト抗原もマウスホモログも認識できる可能性が高い。実際、プリオンに対するニワトリ抗体phAb4-3、phAb4-12、およびphAb4-19は、ヒト、マウス、ヒツジ、およびウシのプリオンと反応する(Nakamura N., et al., 2004. Cytotechnology 32, 191-198)。
このように、広く哺乳類のホモログを認識できることは、抗体を治療薬として用いるためには重要である。なぜなら、臨床試験の前には必ず実験動物を用いて治療効果を評価しなければならないので、抗体は実験動物のホモログを認識する必要があるためである。
また、治療薬として抗体を用いる場合、問題になるのが免疫原性である。
免疫原性を減じるためには、抗体のアミノ酸のうち、抗原認識に必要な領域以外が可能な限りヒトのアミノ酸配列になっていることが好ましい。
これまでに、可変領域全体がニワトリ由来で、定常領域がヒト由来である抗体(ニワトリ‐ヒトキメラ抗体)を作製したとの報告はある(Andris-Widhopf, et al., J. Immunol. Methods 242 (2000) 159-181、Nishibori N., et al., Biologocals. (2004) 32, 213-218)。
しかし、ニワトリ抗体を実際にヒトに投与するには、その安全性および有効性を確実なものにするために、ヒト由来の領域がさらに大きい抗体を作製することが求められている。
本発明の抗体は、定常領域に加え、可変領域中の枠組み構造領域もヒト由来になっているので、その免疫原性は非常に小さくなる。このような抗体の作製はこれまでに報告されていない。
なお、本発明の「抗体」は、抗体全長であってもよく、Fab、およびF(ab')2等の部分長であってもよい。
また、本発明の抗体は、ヒト由来である枠組み構造領域中の補助アミノ酸が、最適化されていることが好ましい。
本発明の抗体は、この構成を有することで、さらに抗原認識活性が高くなるという効果を奏する。「補助アミノ酸の最適化」については、次の<2>欄で詳しく述べる。
なお、本発明の抗体は、CDRに合わせて補助アミノ酸が最適化されていればよく、その他のアミノ酸配列は、特に限定されない。つまり、定常領域、およびFR領域の補助アミノ酸以外の部分のアミノ酸配列は、特に限定されるものではない。
<2.本発明にかかる製造方法>
本発明にかかる抗体の製造方法は、上記<1>欄に記載の本発明の抗体の製造方法の一例である。
本発明にかかる抗体の製造方法は、ヒト由来の抗体の相補性決定領域をニワトリ由来の相補性決定領域に置換する相補性決定領域置換工程を含めばよい。
〔相補性決定領域(CDR)置換工程〕
上記相補性決定領域置換工程としては、ヒト由来の抗体中のCDRをニワトリ由来のCDRに置換できればよく、その方法は限定されない。
つまり、公知の遺伝子組換え手技を好適に用いることができる。また、一般的にCDRグラフティング法(CDR grafting)として用いられる方法を利用すればよい。さらに具体的には、重複伸長PCR(overlap extension PCR)を用いることもできる。
このようにして製造された抗体は、上記<1>欄で述べたように、ニワトリ由来のCDRを有するので、哺乳類抗原を広く認識することができる。また、ヒト由来のC領域およびFRを有するので、ヒトに対する免疫原性が小さい。そのため、本発明の製造方法によって製造された抗体は特に医薬品に好適に用いることができる。
〔アミノ酸最適化工程〕
また、上記ヒト由来の抗体中の枠組み構造領域中の補助アミノ酸を最適化するアミノ酸最適化工程をさらに含むことが好ましい。
この構成によって、本発明の製造方法は、さらに抗原認識活性の高い抗原を製造することができる。この構成および効果について以下に詳しく述べる。
既に述べたように、免疫原性を小さくするためには、抗体中のヒト由来の領域を出来るだけ大きくすることが望ましい。そのために、抗原と相互作用する領域(CDR)のみをニワトリ由来とし、他の部分をヒト由来とすることが有効である。
しかし、ヒト抗体のCDRをニワトリのCDRに置換すると(CDR置換工程)、元のニワトリ抗体と比較して、その抗原認識活性が低くなったり、失われたりすることがある。これは、FR中の一部のアミノ酸が、抗原認識に重要な役割を担っているためである。このように抗原認識に寄与するFR中のアミノ酸を、本明細書中では、「補助アミノ酸」とよぶ。
「アミノ酸を最適化する」とは、このように補助アミノ酸を他のアミノ酸に置換することで抗原認識活性を回復させることを意味する。なお、「抗原認識活性を回復させる」とは、本発明の抗体が、そのCDRの由来となるニワトリ抗体の全長とほぼ同等の結合認識活性を有するようにすることを意味する。
これまでに、マウス抗体でいくつかのアミノ酸残基(バーニヤ残基、およびパッケージング残基)が、抗原認識に重要であると予測されている(Foote J., and Winter G., 1992. J. Mol. Biol. 224, 487-499、Paldon E. A., 1991. Mol. Immunol. 28, 489-498)。
「補助アミノ酸」とは、特に、これらのアミノ酸残基、つまりバーニヤ残基および/またはパッケージング残基であることが好ましい。また、バーニヤ残基およびパッケージング残基の他にも、CDRの抗原認識に関与するアミノ酸残基を広く含むものとする。
また、特に、CDR置換工程を経た後の抗体の軽鎖のN末端から4, 36、46、47、64、66、68、69、71番目のアミノ酸(L4、L36、L46、L47、L64、L66、L68、L69、L71)、および重鎖のN末端から28、29、30、47、48、49、67、73、75、76、78番目のアミノ酸(H28、H29、H30、H47H48、H49、H67、H73、H75、H76、H78)のうちの少なくとも1つが他のアミノ酸、特に好ましくはニワトリ抗体のアミノ酸(ニワトリ型)に置換されることが好ましい。ここで用いたアミノ酸残基の番号はKabat et al. (1991)に従った.
アミノ酸を最適化する方法としては、特に限定されない。例えば一部のアミノ酸を置換した変異体を複数作製し、それらの抗原認識活性を調べ、抗原認識活性が回復していなければ別のアミノ酸を置換して抗原認識活性を調べる、ということを繰り返してもよい。
また、アミノ酸最適化工程は、枠組み構造領域中のアミノ酸をランダム化するランダム化工程と、ランダム化されたアミノ酸を含む抗体のうち、抗原認識活性を有する抗体を選択する選択工程とを含むことが好ましい。
この構成によって、アミノ酸最適化が効率よく、かつ容易に行えるという効果を奏する。
「アミノ酸をランダム化する」とは、補助アミノ酸を他のアミノ酸に置換したあらゆる組み合わせの抗体を作製することである。
アミノ酸をランダム化する方法としては、ファージディスプレイ法が好適に用いられる。
(選択工程)
選択工程は、上記ランダム化工程によってランダム化された抗体から、目的の抗原に結合する抗体を選択する工程である。
なお、「抗体を選択する」とは、抗体そのもの、抗体の遺伝子、この遺伝子を含むベクター、並びに、抗体を発現するファージ、菌類、および細胞等、抗体の配列情報を有するものを選択することを意味する。
選択方法としては特に限定されず、公知の方法を好適に利用することができる。例えば、バイオパニングと呼ばれる方法を用いてもよい。
例えばファージライブラリを用いてランダム化を行った場合には、バイオパニングとして次のような操作を行えば、目的の抗原に反応する抗体を発現するファージを濃縮することができる。固定化した抗原に、抗体ファージライブラリを反応させる。次に、結合しなかったファージを洗浄により除去した後に、結合したファージを溶出させる。この溶出させたファージを大腸菌に感染させて増殖させる。以上の操作を数回行うことで抗原に特異的なファージを濃縮することができる。
抗原は、イムノチューブなどのプラスチック表面に抗原を直接吸着させてもよい。また、抗原をビオチン化し、固定化されたストレプトアビジンを介して固定化することで抗原の性質に関係なく、またその構造に影響を与えずに固定することができる。
また、このようにして選択された抗体の抗原認識活性を、さらに詳しく解析し、目的の認識活性を有する抗体を選択してもよい。この場合、解析方法としては、ELISA、ウエスタンブロッティング、免疫沈降、表面プラズモン共鳴等を用いることができる。
<3.本発明にかかる利用>
以上に述べたように、本発明の抗体は、医薬品として非常に適した性質を備えている。「医薬品」とは、治療を目的としてヒトに投与する治療薬、および病気、障害等を診断する診断薬等を含む。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、特に明記しない場合は、一般的に用いられる公知の手技を用いたものとする。また、試薬および機器は添付のプロトコールに従って使用した。
なお、以下で作製した抗体のH鎖は、すべてC末端に、6つのHis(ヒスチジン)タグが付いていてもよい。
(1)CDR置換工程
(1−1)ファージミドベクターpHPDSの構築
ファージミドベクターpHPDSの構造を図1に示す。pHPDSは、バックボーンとしてpBluescriptを有するベクターであり、図1に示すように、Plac(lacプロモータ)の下流に、2つのgIII leader(M13 geneIII リーダー配列)と、6xHis(6つのヒスチジン繰り返し配列)と、Amber(アンバーストップコドン(TAG))と、gIII(249-406)(M13 geneIII タンパク質の249-406残基をコードする遺伝子)とを、この順に含んでいる。また、抗生物質耐性遺伝子として、Amp(アンピシリン耐性遺伝子)を含んでいる。
pHPDSの2つのgIII leaderの間にはNheI部位およびBamHI部位があり、これら制限部位間にVLCL(軽鎖遺伝子)が挿入されるようになっている。また、下流側のgIII leaderと6xHisとの間には、SacII部位およびHindIII部位があり、これら制限部位間にVHCH1(重鎖遺伝子)が挿入されるようになっている。
pHPDSの作製方法は以下の通りである。
gIII leaderおよびgIII(249-406)を、pPDS(Yamanaka et al., 1996. J. Immunol. 157, 1156-1162)を鋳型としたPCRによって増幅し、pBluescriptに挿入した。また、NheI部位、SacII部位、および6xHisを部位特異的変異誘発法(site-direct mutation)によって導入することで、pHPDSを作製した。
(1−2)ヒト鋳型遺伝子の調製
実施例で用いたヒトの抗体遺伝子(ヒト鋳型遺伝子)は、以下のようにして調製した。
まず、ヒト抹梢血リンパ球から総RNAを調製した。このヒト抹梢血リンパ球は、健康な提供者から採取し、ISOGEN‐LSでヘパリン処理した血液(ニッポンジーン社)から分離した。この総RNAを鋳型としoligo-(dT)12-18プライマー(Rche Diagnostic社)およびSuperscript II Synthesis cDNA Kit (GIBCO BRL社)を用いたRT−PCRによってcDNAを合成した。
すべてのヒト鋳型遺伝子は、このcDNAから、KOD Plus DNA ポリメラーゼ(TOYOBO社)を用いたPCRによって増幅した。
本実施例では、ニワトリFRと相同性の高いヒトFRを用いた方が、抗体の抗原認識活性が高くなると考え、phAb4-31(ニワトリ抗体)のアミノ酸配列と、VBASE(ヒト抗体遺伝子のデータベース)のヒトの可変部の配列とを比較し、最も相同性の高いい電子をPCRの鋳型に用いた。
phAb4-31の重鎖FR残基は、ヒトのVH3-23(DP-47)およびJH4遺伝子に対して70%の相同性を示した。また、phAb4-31の軽鎖FR残基はヒトのVL3m(3m.102D1)及びJL2遺伝子 配列に72%の相同性を示した。
ニワトリFRと最も相同性の高いヒトFR(H鎖FRはVH3-23、L鎖FRはVL3m)を含むV領域が増幅するようにプライマーを設定した。以下に、ヒト抗体遺伝子の増幅に用いたプライマーセットを示す。
(H鎖V領域増幅用プライマー)
VH3F:5'-GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGA-3'(配列番号1)
VH3R:5'-TCTCGCACAGTAATACACAGCCGTGTCCTCRGCTCT-3'(配列番号2)
(H鎖C領域増幅用プライマー)
JH4F:5'-TTGGATCCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGT-3'(配列番号3)
CH1R:5'-ATATATAAGCTTCTTGTCCACCTTGGTGTTGC-3'(配列番号4)
(L鎖V領域増幅用プライマー)
VL3F:5'-TCCTATGAGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCA-3'(配列番号5)
VL3mR:5'-ACAGTAATAGTCAGCCTCATCTTCTGCCTGGAC-3'(配列番号6)
(L鎖C領域増幅用プライマー)
JLF:5'-TTCGGCGGAGGGACCAAGCTGACCGT-3'(配列番号7)
CLR:5'-AAGGATCCTTATGAACATTCTGTAGGGGCCAC-3'(配列番号8)
なお、V領域とはFRおよびCDRであり、C領域とは、ここでは結合領域(J領域、junction region)を含む定常領域を意味する。
また、VH3FおよびVL3Fは、上記配列に加えて、5'末端側に制限部位(例えばGAATTC)を有していてもよい。また、制限部位の5'末端側にさらに配列(例えばTT)を有していてもよい。
こうして得られたPCR産物をpBluescriptに挿入し、配列を決定した。
(1−3)ヒト抗体CDRのニワトリ抗体(B4)CDRへの置換
上記(1−2)欄で得られたヒト抗体遺伝子のCDRをニワトリ抗体B4のCDRに置換した抗体(huB4)を重複伸長PCRによって作製した。B4は、抗DNP(ハプテン)抗体であり、本実施例ではscFv(一本鎖抗体)を用いた。
図2に、huB4作製時の重複伸長PCRの概略を示す。図2(a)、(b)に、それぞれヒト抗体L鎖・H鎖、およびB4H鎖の構造と、その増幅に用いたプライマーとを示し、図2(c)にはCDR置換工程によって得られた抗体の構造を示す。図2中、矢印はプライマーを設定した位置を示し、矢印に付加した番号は、下記のプライマーの番号を示す。
以下に、各領域の増幅に用いたプライマーセットについて、図2中に示すプライマーの番号、プライマー名、および配列を順に記す。
ただし、以下のプライマーのうち、1-1(HuB4VH-FR1F)は、5'端側にさらに制限部位(例えばCCGCGG)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えばATATAT)を有してもよい。また1-10(CH1R)は、5'端側にさらに制限部位(例えばAAGCTT)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えばATATAT)を有してもよい。また2-2は、5'端側にさらに制限部位(例えばGCTAGC)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えばCTACTA)を有してもよい。また2-8は、5'端側にさらに制限部位(例えばGGATCC)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えばAA)を有してもよい。
(ヒトH鎖FR1増幅用プライマー)
1-1. HuB4VH-FR1F:5'-AGGTGCAGCTGTTGGAGTCTGGG-3'(配列番号9)
1-2. HuB4VH-FR1R:5'-GTAACTGCTGAAGTCGAATCCAGAGGCTGCAC-3'(配列番号10)
(ヒトH鎖FR3増幅用プライマー)
1-5. HuVH-FR3F:5'-CGTTTCACCATCTCCAGAGACAAT-3'(配列番号11)
1-6. HuVH-FR3R:5'-TTTGGCGCAGTAATACACAGCCGT-3'(配列番号12)
(ヒトH鎖FR4およびCH1増幅用プライマー)
1-9. HuVH-FR4F:5'-TGGGGCCAGGGGACCCTGGTCACC-3'(配列番号13)
1-10. CH1R:5'-CTTGTCCACCTTGGTGTTGC-3'(配列番号14)
(ヒトL鎖FR1増幅用プライマー)
2-1. HuVL-FR1F:5'-TATGAGCTGACTCAGCCACCCTCA-3'(配列番号15)
2-2. HuB4VL-FR1R:5'-ATAGTAGCTTCCACCACCTCCAGAGCAGGTGATCCTGGCCGT-3'(配列番号16)
(ヒトL鎖FR2増幅用プライマー)
2-3. HuB4VL-FR2F:5'-GGTGGTGGAAGCTACTATGGTTGGTACCAGCAGAAGCCAGGC-3'(配列番号17)
2-4. HuB4VL-FR2R:5'-CCTCTTGTCGTTGTAATATATCACCAGCACAGGGGCCTG-3'(配列番号18)
(ヒトL鎖FR3増幅用プライマー)
2-5. HuB4VL-FR3F:5'-ATATATTACAACGACAAGAGGCCTTCAGGAATCCCTGAG-3'(配列番号19)
2-6. HuB4VL-FR3R:5'-GATGTTGTTGTTGTCTCTACTACCACAGTAATAGTCAGCCTCATC-3'(配列番号20)
(ヒトL鎖FR4およびCL増幅用プライマー)
2-7. HuB4VL-FR4F:5'-AGAGACAACAACAACATCGGTATATTCGGCGGAGGGACCAAGCTG-3'(配列番号21)
2-8. CLR:5'-TTATGAACATTCTGTAGGGGCCAC-3'(配列番号22)
(B4のVHFR2およびVHCDR2増幅用プライマー)
1-3. HuB4VH-FR2F:5'-GGATTCGACTTCAGCAGTTACACC-3'(配列番号23)
1-4. HuB4VH-FR2R:5'-GTCTCTGGAGATGGTGAAACGGCCATCCACCGC-3'(配列番号24)
(B4のHCDR3増幅用プライマー)
1-7. HuB4VH-CDR3F:5'-GCTGTGTATTACTGCGCCAAAAGTGCTGAT-3'(配列番号25)
1-8. HuB4VH-CDR3R:5'-GACCAGGGTCCCCTGGCCCCATGCGTCGAT-3'(配列番号26)
以上のプライマーセットで各々の領域を増幅し、得られたPCR産物を鋳型として重複伸長PCRを行った。
L鎖は2-1から2-8のプライマーですべての領域が合成される。1-3l1-4、1-7、1-8でH鎖が増幅される。また、B4とヒトのFR2はほとんど同じなのでこれらを用いてFR1、FR3、FR4と共にPCRで全長を増幅すると、CDRのみニワトリであるヒト化抗体が作製できる。
図2(a)(b)に示すように、ヒト抗体H鎖のFR領域(FR1、FR3、FR4)およびC領域(CH1領域、CH1 region)と、B4H鎖のFR2、CDR2、およびCDR3とをPCRによって増幅した。これらのPCR産物はその末端に21bpの重複領域をもっているので、これらPCR産物を鋳型としてプライマー1-1および1-10によるPCRを行うことで、図2(c)に示す抗体huB4(実施例1)のH鎖遺伝子を得た。なお、ヒトFR2とB4FR2はほとんど同じ配列である。
また、同様にしてヒト抗体L鎖のFR領域(FR1、FR2、FR3、FR4)およびC領域(CL)とをPCRで増幅し、2-1と2-8とをプライマーとするPCRを行うことで、図2(c)に示すhuB4のL鎖遺伝子を得た。
さらに、L鎖はNheI/BamHI、H鎖は SacII/HindIIIサイトを用いてpHPDSに導入した。
(1−4)ヒト抗体CDRのニワトリ抗体(phAb4-31)CDRへの置換
上記(1−2)欄で得られたヒト抗体遺伝子のCDRを、ニワトリ抗体pHAb4-31のCDRに置換した抗体(hu4.00)を作製した。ニワトリ抗体phAb4-31は、組換えマウスプリオンタンパク質に特異的に結合する抗体である。
(1−3)で得られたhuB4を鋳型にし、以下に示すプライマーセットを用いて抗体遺伝子断片を作製した。ただし、FR2、CDR2およびCDR3については、phAb4-31を鋳型とした。これらPCR産物を(1−3)で述べたように重複伸張PCRにて連結し、L鎖およびH鎖の遺伝子を得た。このL鎖およびH鎖をNheI/HindIII サイトを用いてpHPDSに導入した。
なお、B4およびphAb4-31はscFV(一本鎖抗体)だが、実施例(huB4、hu4.00、hu4.15, hu4.17, hu4.06, hu4.29, hu4.32 , hu4.44)、コントロールは共にFab型(H鎖とL鎖からなる抗体)である。
(hu4.00のH鎖FR1増幅用プライマー)
3-1. Hu-FR1-overlap:5'-GAATGTTCATAACAAGGGAACAAAAGCGGCTC-3'(配列番号27)
3-2. Hu412VH-FR1R:5'-ATAATCGCTGAAGGTGAATCCAGAGGCTGCACA-3'(配列番号28)
(phAb4-12のFR2およびCDR2増幅用プライマー)
3-3. Hu412VH-FR2F:5'-GGATTCACCTTCAGCGATTATGGC-3'(配列番号29)
3-4. Hu412VH-FR2R:5'-TGAGGGCCTGTTGGTGTTGTCATATATCACCAGCACAGGGGC-3'(配列番号30)
(hu4.00のH鎖FR3増幅用プライマー)
1-5. HuVH-FR3F:5'-CGTTTCACCATCTCCAGAGACAAT-3'(配列番号31)
1-6. HuVH-FR3R:5'-TTTGGCGCAGTAATACACAGCCGT-3'(配列番号32)
(phAb4-12のH鎖CDR3増幅用プライマー)
3-7. Hu412VH-CDR3F:5'-GCTGTGTATTACTGCGCCAAAACTGCTGGC-3'(配列番号33)
3-8. Hu412VH-CDR3R:5'-GACCAGGGTTCCCTGGCCCCATGTGTCGAT-3'(配列番号34)
(hu4.00のH鎖FR4およびC領域増幅用プライマー)
3-9. HuVH-FR4F:5'-TGGGGCCAGGGGACCCTGGTCACC-3'(配列番号35)
1-10.CH1R: 5'-CTTGTCCACCTTGGTGTTGC-3'(配列番号36)
(hu4.00のL鎖FR1増幅用プライマー)
4.1. Full-F:5'-TCCTTTCTATTCTCACTCCGCTAGCTATGAGCT-3'(配列番号37)
4.2.Hu412VL-FR1R:5'-GTAACTTCCAGCATAGGTGCCACCCCCGGAGCAGGTGATCCTGGCCGT-3'(配列番号38)
(hu4.00のL鎖FR2増幅用プライマー)
4.3. Hu412Vl-FR2F:5'-ACCTATGCTGGAAGTTACTATTATGGCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGC-3'(配列番号39)
4.4. Hu412Vl-FR2R:5'-TGAGGGCCTGTTGGTGTTGTCATATATCACCAGCACAGGGGC-3'(配列番号40)
(hu4.00のL鎖FR3増幅用プライマー)
4.5. Hu412VL-FR3F:5'-GACAACACCAACAGGCCCTCAGGAATCCCTGAGCGA-3'(配列番号41)
4.6. Hu412VL-FR3R:5'-AACATCGATGCTGTCTGCACTCCCACAGTAATAGTCAGCCTCATC-3'(配列番号42)
(hu4.00のL鎖FR4およびC領域増幅用プライマー)
4.7. Hu412VL-FR4F:5'-GCAGACAGCATCGATGTTGGTATATTCGGCGGAGGGACCAAGCTG-3'(配列番号43)
4.8. HuCL-overlap:5'-TGAGCCGCTTTTGTTCCCTTGTTATGAACATTCTGTAGGGGCCAC-3'(配列番号44)
このようにして得たhu4.00のアミノ酸配列をL鎖は配列番号71に、H鎖は配列番号72に示す。
(2)コントロール抗体遺伝子の作製
ヒト化抗体の評価の対照であるコントロール抗体として、phAb4-31の可変部とヒトの定常部とを連結したニワトリ−ヒトキメラ(chimera)抗体(ch4.12)を作製した。
作製方法を図3に基づいて説明すると以下の通りである。
図3は、コントロール抗体の作製方法を示す図である。図3に示すように、V領域(VL、VH)はニワトリ抗体、C領域(CL、CH1)はヒト抗体を鋳型とし、VLおよびCL、VHおよびCH1を、重複伸長PCRにて結合させてL鎖遺伝子およびH鎖遺伝子を作製した。さらに、L鎖はNheI/BamHI、H鎖はSacII/HindIII部位を用いてpHPDSに導入し、配列を確認した。
ただし、以下のプライマーのうち、6-1(ChickenVLF)は、5'端側にさらに制限部位(例えばGCTAGC)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えばCTACTA)を有してもよい。また6-3(ChickenVH)は、5'端側にさらに制限部位(例えばCCGCGG)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えば TCCTCC)を有してもよい。また6-6は、5'端側にさらに制限部位(例えばGGATCC)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えばAA)を有してもよい。また6-8は、5'端側にさらに制限部位(例えばAAGCTT)を有してもよく、この制限部位の5'端側にさらに配列(例えばATATAT)を有してもよい。
(phAb4-31のVL増幅用プライマー)
6-1. ChickenVLF:5'-CTGACTCAGCCGGCCTCGGTGTC-3'(配列番号45)
6-2. ChickenVLR:5'-TAGGACGGTCAGGGTTGTCCCGGC-3'(配列番号46)
(phAb4-31のVH増幅用プライマー)
6-3. ChickenVH:5'-CCGTGACGTTGGACGAGTC-3'(配列番号47)
6-4. ChickenVHR:5'-TGTCGACACGATGACTTCGGTCCCG-3'(配列番号48)
(ヒトのCL増幅用プライマー)
6-5. ChickenVL-CL overlapF:5'-GGACAACCCTGACCGTCCTAGGTCAGCCCAAGGCTGCCCCCT-3'(配列番号49)
6-6. CLR:5'-TTATGAACATTCTGTAGGGGCCAC-3'(配列番号50)
(ヒトのCH増幅用プライマー)
6-7. ChickenVH-CH1-overlapF:5'-CGAAGTCATCGTGTCGACAGCCTCCACCAAGGGCCCATCG-3'(配列番号51)
6-8. CH1R:5'-CTTGTCCACCTTGGTGTTGC-3'(配列番号52)
(1−3)〜(1−5)で得られた抗体の抗原結合活性をELISAにて調べたところ、図5に示すように、huB4はB4(chB4)と同等の抗原結合能を有していた。しかし、hu4.00は抗原結合能を失っていた。また、ch4.12は、phAb4-31と同等の抗原結合活性を有していた(データ不図示)。なお、huB4のL鎖・H鎖のアミノ酸配列を配列番号57・58にそれぞれ示す。
ELISA法は、以下のようにして行なった。ELISAプレートに抗原であるリコンビナントマウスプリオンプロテイン2.5ug/mlを4℃、一晩の条件で固相化した。25% Block Ace (雪印乳業社製)入りPBSで、37℃・1時間でブロッキングを行なった。洗浄後、ファージ液を加えて37℃・1時間インキュベートした。さらに洗浄後、二次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgl(Southern Biotech社製))を加え、37℃・1時間インキュベートした。洗浄後、o-フェニレンジアミンを用いて発色し、490nmの吸収を測定した。
(3)アミノ酸最適化工程
(3−1)ヒト化Fabライブラリの構築
(1−4)で述べたように、hu4.00は抗原結合能を失っていた。そこで、ch4.12およびhu4.00のアミノ酸配列を比較したのが図6である。図6中、配列番号はKabat et al.(1991)によるもので、ch4.12のアミノ酸番号を示す。コロンは同一の残基、アスタリスクはバーニヤ残基、またはパッケージ残基である。
なお、図6には、VLドメイン(VL domain)およびVHドメイン(VH domain)のみを示す。図6で、CDRとFRとはスペースで区切られており、VL・VH共に、N末端側から、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4がこの順に並んでいる。
なお、hu4.00のアミノ酸配列を、L鎖は配列番号71に、H鎖は配列番号72にそれぞれ示す。
この比較結果から、ランダム化のターゲットとなるアミノ酸残基は、hu4.00の軽鎖ではL46、66、69、及び71であり、重鎖ではH47、49、67、75、76、及び78とした。軽鎖のコドンをランダム化するために、各々の3'末端が互いに相補的な2つのオリゴヌクレオチドとVL90及びVL91を用いた。下線部はランダム化した部分である。
(L鎖ランダム化用プライマー)
VL90:5'-TGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTGWYGGTGATATATGACAACACCAACAGGCCCTCAGGAATCCCTGAGCGATTCTCTGGC-3'(配列番号45)
VL91:5'-ATCTTCTGCCTGGACTCCACTGATGGTCAACGTGRYTGTABTCCCTGAGKHGGAGCCAGAGAATCGCTCAGGGATTCCTGAGGGCCTGTT-3'(配列番号46)
VL90及びVL91を3’末端でハイブリダイズさせ、KOD Plus DNA polymerase(TOYOBO社製)によって互いを鋳型として伸張させた。こうして得られた144bpの産物は、VL領域の中央部分L34-82をコードしていた。軽鎖の他の領域(L1-44及びL73からCλの3’末端まで)は、hu4.00を鋳型として用いたPCRによって増幅した。
重鎖は、2つのヌクレオチドVH99及びVH96を用いて、同様にPCRを行い、重鎖のV領域の中央(H36-86)をコードする165bpの産物を得た。下線部はランダム化した部分である。
(重鎖ランダム化用プライマー)
VH99:5'-TGGGTGCGCCAGGCGCCCGGCAAGGGGCTGGAGTkkGTCrsTCAAATTAGCAGCACTGGTAGTAGCacatggtacgcgccggcagtgaagggccgt-3'(配列番号47)
VH96:5'-GTCCTCAGCTCTCAGGCTGTTCATTTGCAGATACASCGTGYTCTKGGAATTGTCTCTGGAGATGGTGRMACGGCCCTTCACTGCCGGCGCGTACCATGT-3'(配列番号48)
ランダム化した位置のヒト型残基、ニワトリ型残基、ランダム化によって置換された後のアミノ酸残基、およびランダム化後に選択したアミノ酸残基を、表1に示す。表1中、選択後のアミノ酸で太字表記したものは、多くのクローンで選択されていたアミノ酸である。
Figure 0004452884
重鎖の他の領域(第2のgeneIIIリーダー配列及びH1-26、並びにH76からCH1の3’末端まで)は、hu4.00を鋳型としたPCRによって増幅した。プライマーを以下に示す。ただし、7-4については、5'側にさらに制限部位(例えばAAGCTT)を有してもよく、この制限部位の5'側にさらに配列(例えばATATAT)を有してもよい。
(VH1-26増幅用プライマー)
7-1. Hu-VHFR1-overlap:5'-GAATGTTCATAACAAGGGAACAAAAGCGGCTC-3'(配列番号49)
7-2. RaVH-FR1R:5'-CAGCCCCTTGCCGGGCGCCTGGCGCACCCA-3'(配列番号50)
(VH76〜CH1増幅用プライマー)
7-3. RaVHFR4F:5'-CTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCTGAGGAC-3'(配列番号51)
7-4. CH1R:5'-CTTGTCCACCTTGGTGTTGC-3'(配列番号52)
(VL1-44増幅用プライマー)
7-5. Full-F:5'-TCCTTTCTATTCTCACTCCGCTAGCTATGAGCT-3'(配列番号53)
7-6. RaVL1R:5'-AGGGGCCTGGCCTGGCTTCT GCTGGTACCA-3'(配列番号54)
(L73〜CL増幅用プライマー)
7-7. RaF4:5'-TTGACCATCAGTGGAGTCCA GGCAGAAGAT-3'(配列番号55)
7-8. HuCL-overlap:5'-TGAGCCGCTTTTGTTCCCTTGTTATGAACATTCTGTAGGGGCCAC-3'(配列番号56)
30bpの重複を有するこれら6つの産物は、重複伸長PCRによって連結され(図4)、pHPDSの NheI/HindIII に挿入され、ヒト化ライブラリを構築するのに用いられた。このライブラリは、E.coli XL1-Blue cells(Strategene社)にエレクトロポレーションによって導入された。形質転換体の数は、約2.8×108個であった。
形質転換後、ライブラリを50μg/mlカルベニシリン、25μl/mlカナマイシン、及び10μl/mlテトラサイクリンを含む2xYT液体培地を用い、37oCで培養し、ヘルパーファージVCSM13を感染させた。この培養液にポリエチレングリコール(PEG)8000(終濃度4% w/w)、およびNaCl(終濃度3% w/w)を加えることで、上清からファージ粒子を沈殿させた。このファージ粒子を1% BSAを含むTBS (50 mM Tris-HCl pH7.5, 150 mM NaCl)で再懸濁した。
(3−2)ライブラリからの抗原結合ファージの選択
ELISAプレートを、50 μl の rPrP(組換えプリオンタンパク質) (Prionics社) (1〜4サイクルまでは10 μg/ml、5〜7サイクルまでは1 μg/ml) 4oC オーバーナイトでコーティングした。
このプレートは、350 μl of TBS containing 3% BSA で、37oC、1時間ブロッキングした。各ウェルにファージ懸濁液(1x1011〜1012cfu)を加え、4℃で一晩静置した。その後、各ウェルをPBSにて洗浄した後、結合したファージを、100 mM glycine-HCl(pH 2.2)で溶出し,2M Tris baseで中和した.。溶出されたファージは、次のセレクションサイクルで使うために増殖させた。最終的には48クローンについてELISAでその抗原結合活性を測定し、さらに塩基配列を決定した。
(3−3)抗体の発現
選択した抗体(Fab)、およびキメラ抗体(ch4.12)を、発現ベクターに挿入し、大腸菌内で発現させた。ペリプラズム画分をamicon Ultra-15 (Millipore, USA)によって回収、濃縮した。各種可溶化抗体の濃度は、受容体として抗ヒトIgg鎖抗体(BD Biosciences社)を用い、パーオキシダーゼラベルされた抗ヒトIgλ鎖抗体(Southern Biotech社)を用いたspecific quantitative ELISAで測定した。なお、精製ヒトFab(λ)(BETHYL社)をスタンダードとした。
(3−4)抗原への親和性の測定
それぞれの抗原への親和性は、Biacore 2000 (Biacore AB社)を用いた表面プラズモン共鳴によって測定した。測定に用いたセンサーチップCM5と、N-hydroxysuccinimide、N-ethyl-N’-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide hydrochloride 、およびethanolamine hydrochlorideを含有したAmine coupling kitと、はBiacore AB社から入手した。
rPrP は、センサーチップに、coupling kit(Biacore AB社)をその使用書の通りに用いることで固定した。
結合アッセイは、濃度を変えた60μlの抗体を用い、20μl/minの流速で行った。
各々の試料について、結合測定後、残った抗体は20μlの10 mM Glycine-HCl(pH 1.5)によって、流速 20 μl/minで洗浄・除去した。各データセットは、BIAevaluation software ver. 3.0 (Biacore AB社)によって解析した。平衡解離定数KDは、kd/kaの値から算出した。結果を表3に示す。
本発明者らは、パッケージング残基、バーニヤ残基、およびH 75・76をランダム化した。これは、H75・76は、CDR-H1とCDR-H2に隣接したループ中に存在し、抗原への接触によって直接または間接的に抗原への結合に影響を与え得るからである。表1に示すように、ランダム化した残基は、L46、L66、L69、L71、H47、H49、H67、H75、H76、H78であった。
ヒト化phAb4-31Fabライブラリから得られたファージから、rPrPに対する結合能を有するクローンをパニング(選抜)した。7回パニングした後、48クローンが無作為に選ばれ、結合活性をELISAによって解析した。すべてのクローンはrPrPに対する結合能を有していた。選択されたクローンのVL及びVH鎖をコードする塩基配列を決定した。選択されたクローンのランダム化された部位のアミノ酸配列を、同じく表1に示す。ランダム化されたFRで、保存配列が見出された。48クローンのうち、46クローンで、H47、 H78のポジションは、それぞれ元のニワトリの残基Phe、Valであった。すべてのクローンで、L46のポジションは、ニワトリ残基のThr または Ser (Thrはニワトリ)であった。48クローンのうちの40は、H75ポジションは、ヒト残基Lysであった。この他のポジション L66、L69、L71、H49、H67、H76では、特によく保存された配列はなかった。しかし、優先的に選択される残基もあった。例えば、L66はTyr、L71はAla、H49はSer、そしてH76はAsnであることが多かった。興味深いことに、L66とL71は、ヒト残基を持ったクローンでは、ヒト鋳型のVL3m (SerとVal)はないものの、ヒトVL3ファミリー(L66はAsnとThr、L71はAla and Thr)で一般的に見られる残基を持っていることが分かった。
よくヒト化された抗体の方が免疫原性が低いと考えられるので、(3−4)で得られたクローンのうち、最もヒト化されていた抗体6つを選択して、その親和性を調べた。
選択した抗体は、hu4.15, hu4.17, hu4.06, hu4.29, hu4.32 , hu4.44 (表2・表3)である。hu4.15 及び hu4.17は、ニワトリの3つの残基(L46, H47、H78)を有していた。他のクローンhu4.06、hu4.29、hu4.32は、さらに1つ のニワトリ残基を有しており、hu4.44は、2つの残基ニワトリ残基をさらに有していた(表2)。
Figure 0004452884
Figure 0004452884
なお、hu4.15, hu4.17, hu4.06, hu4.29, hu4.32 , hu4.44 のL鎖のアミノ酸配列を、配列番号59〜64にそれぞれ示し、H鎖のアミノ酸配列を配列番号65〜70にそれぞれ示す。
これらのクローンおよびニワトリ抗体(ch4.12)の抗原結合親和性は、表面プラズモン共鳴を利用して、BIAcore instrument によって測定した(表3)。アミノ酸置換は、結合・解離速度定数にわずかに影響を与えた。算出されたヒト化抗体のKDは、15 pMから61 pMの範囲であり、親抗体のそれは 63 pMであった。これらの結果は、アミノ酸を最適化した抗体が、親抗体(phAb4-31)と同等の結合親和性を有していることを示す。
現在、mAbは、有効な治療薬として注目されている。ヒト抗体自体を製造する新たな方法も開発されてきている。現在、ファージディスプレイを利用して、ヒトの抗体ライブラリからmAbを選択すること、ヒトの免疫グロブリン遺伝子座を有するトランスジェニックマウスを用いて産出すること等が検討されている。
しかし、従来用いられている免疫学的な宿主(マウス、ラット、ウサギ)と比較してニワトリは、いくつかの利点を有している。
まず、ニワトリは哺乳類と進化上、つまり遺伝子配列上離れているので、哺乳類間で高度に保存された分子に対しても、抗体を産生しうる。
次に、ヒト抗原に対するニワトリの抗体は、マウスのホモログに対しても反応しうる。実際、抗プリオン抗体であるphAb4-3,phAb4-19は、ヒト、マウス、羊、牛の PrP(プリオンタンパク質)に結合する(Nakamura et al., 2004)。これは、既に述べたように、抗体医薬の開発には重要なことである。
3つ目に、ニワトリのmAbsは、ハイブリド−マ、またはファージディスプレイを利用して産生しやすいことが挙げられる。
最後に、本発明者らが明らかにしたことだが、ニワトリの抗体は、ヒト化しやすく、親抗体と同等の高い親和性及び特異性を示す。
ニワトリのFRのアミノ酸残基の多様性はげっ歯類よりもかなり小さい。そのため、我々が今回選択したヒトFR配列を用いて、すべてのニワトリの抗体をヒト化することが可能である。
本発明の抗体は、治療薬および診断薬等の医薬品に好適に用いることができる。
本発明の実施例で構築したベクターの構造を示す図面である。 実施例のhuB4を作製した際の重複伸長PCRにおけるプライマーの位置を示す図面であり、(a)は、ヒト抗体遺伝子の構造およびプライマーの位置、(b)はB4遺伝子の構造およびプライマーの位置、(c)はPCRによって得られたhuB4遺伝子の構造を示す。 比較例の抗体ch4.12作製時のプライマーの位置を示す図面である。 アミノ酸のランダム化に用いたプライマーの位置を示す図面である。 本発明の実施例および比較例のELISA反応の結果を示すグラフである。白はDNP‐KLHに対する反応を、斜線はマウスPrPに対する反応を示す。 ch4.12(Ch4.12)とhu4.00(Hu4.00)のアミノ酸配列を比較した図面である。

Claims (1)

  1. 以下の(1)ないし(4)からなる群より選ばれる1以上の抗体であることを特徴とする抗体。
    (1)配列番号59に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖と、配列番号65に示されるアミノ酸配列を有する重鎖とを有する抗体。
    (2)配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖と、配列番号68に示されるアミノ酸配列を有する重鎖とを有する抗体。
    (3)配列番号63に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖と、配列番号69に示されるアミノ酸配列を有する重鎖とを有する抗体。
    (4)配列番号64に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖と、配列番号70に示されるアミノ酸配列を有する重鎖とを有する抗体。
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