JP4452792B2 - 超音波を用いた酸化物微粒子の作製方法及び酸化物微粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波を利用した油分散系における微粒子作製技術に関するものであり、更に詳しくは、ナノサイズの酸化物微粒子を、凝集を抑制して油層中に安定して分散させた酸化物微粒子分散体、及び該微粒子分散体より油層成分を分離して得られる、粒成長や初期粒間の凝集が制御されたナノサイズの酸化物微粒子に関するものである。本発明は、複雑な装置、高温プロセス等を用いることなく、粒子の成長や粒子間の凝集性が制御された、ナノサイズないしマイクロサイズの酸化物微粒子を作製し、提供するものである。また、本発明の酸化物微粒子分散体及び酸化物微粒子は、例えば、電子材料、触媒、塗料用のナノサイズ酸化物微粒子材料等として有用である。
従来、微粒子の作製方法には各種のものが知られており、それらの方法は、蒸発を利用した気相法、沈殿反応を用いる液相法、固体の粉砕による固相法に大別される。液相法による微粒子の作製方法は、連続大量生産が可能であり、化学的に均質な粉体が得られること、また、反応系の制御により、ある程度の粒径分布を制御することが可能であること等の特徴を有しており、フェライトや顔料等の各種の機能性粉末の生産に利用されている。
しかし、液相法による微粒子の作製においては、沈殿反応を用いるため、生成粒子の精密な化学組成の制御が困難であったり、多成分無機酸化物における組成ずれ等が起こりやすいことが、液相法により生成可能な微粒子の組成を限定的なものにしている。更に、産業技術の高度化に伴って、微粒子の品質に対する要求が高くなり、ナノメートルに達する更なる微粒化や、単分散を含む均質な粒径分布が必要とされてきており、従来法では対応が困難な場合が目立つようになってきている(非特許文献1、2参照)。現在、最も広く行われている金属酸化物微粒子の工業的製造方法は、前記液相法での化学的製造方法によるものが主であるが、この方法は、生産性及び量産性は優れているものの、精密な化学組成の制御が困難であり、高温での焼成が必要であるため、凝集が起こりやすく、また、高温焼成のためにエネルギー的に不利である。
例えば、薄片状酸化亜鉛粉末の製造方法では、酸化亜鉛の焼結に、約850〜1000℃という高温を要しており(特許文献1参照)、酸化セリウム研磨剤の製造法では、酸化セリウムを400℃以上で焼成している(特許文献2参照)。また、液相法では、乾燥過程での2次凝集を必然的に伴い、乾燥時に粒子を固く凝集させてしまうと、分散には大きなエネルギーが必要になる。このように、従来の液相法では、どうしても粒子の凝集が生じ、これを分散して微粒子化させるためには多大なエネルギーを必要とするばかりか、分散自体も困難であり、コスト的に不利である。
また、他の微粒子作製法である固相法では、一般に、固相法によるナノ領域への微粒子化は極めて困難であるとともに、粒径もばらつきが大きくなってしまうことが多い。金属酸化物微粒子(粒径1μm以下)を製造する場合には、例えば、焼結体を粉砕して微粒子にする必要があり、その粉砕工程において多大なエネルギーを必要とするという問題が加重される。
更に、気相法においては、金属ナノ粒子をはじめとする微粒子の作製について、一部で商業化が進む等の進展はみられるものの、材料の蒸発、粒子の捕集に多くのエネルギーを必要とし、また、多成分系における粒子の化学組成を制御することが困難である等の問題があった(非特許文献3参照)。
一般に、金属酸化物微粒子の利用形態としては、大別すると、例えば、セラミックス分野等における焼結体(シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素等)として利用する場合と、ナノ複合化の原材料、触媒、研磨材(酸化セリウム等)、潤滑材、顔料(コバルトブルー、コバルトグリーン等)等のように、粒子をそのまま利用する場合と、粒子を他の分散媒中に分散させて利用する場合とがあるが、いずれの場合にも、二次凝集体が存在すると、機能発現、効率という点で不都合を生じることがある。従来の技術では、製造の過程で必然的に、乾燥及び高温焼結工程を伴うことが多く、まず、乾燥過程で凝集が起こり、次いで、高温焼結過程において粒子の二次凝集が生じ、更に、粒子の分散時においても二次凝集が起こることがある。したがって、このような性質を有する微粒子を、例えば、機能性複合体として用いるには、二次凝集体の粉砕、分散にエネルギーを要し、極めて効率が悪く、かつ高コストになるという問題があった。
これらの問題の改善策として、液相法において、水層におけるミセルの形成や、油層における逆ミセルの形成を利用したコロイド化学的微粒子作製法が開発され、精緻な粒子設計が可能な単分散微粒子の作製法が報告されている(特許文献3、4、5参照)。しかしながら、これらの方法では、ミセル形成に界面活性剤を必要とすること、また、基本的には沈殿反応を利用していることから、微粒子の化学組成における自由度が狭いこと等から適応範囲が限られるという問題があった。
特開平6−80421号公報 特開平9−270402号公報 特開2004−149738号公報 特開2004−149847号公報 特開平9−255331号公報 永長久彦著「溶液を反応場とする無機合成」 培風館 2000年 J. Jolivet, "Metal oxide chemistryand synthesis", John Wiley, 2000 日本化学会編 「超微粒子−科学と応用」 学会出版センター、1985年
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術の諸問題を解決することが可能な、酸化物微粒子作製技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、超音波の照射の下に、油層中に分散させた、微小水滴中に含まれる金属化合物を加水分解することにより、高温プロセスや複雑な装置を用いることなく、マイクロメートル以下の粒径を有する、粒径分散及び凝集性等が制御された酸化物微粒子を作製することが可能であり、また、微粒子の化学組成の精密な制御が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、従来の液相法等の製造法では成し得なかった、サブミクロン、あるいはナノサイズの超微細粒子径を有し、かつ粒子径分散が小さく、凝集性の小さい酸化物微粒子を、低温度で、簡便な装置を使用することにより作製し、提供することを目的とするものである。また、本発明は、粒成長や初期粒間の凝集を制御すること、精密に化学組成を制御すること等を可能としてナノサイズの酸化物微粒子を作製する方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、酸化物微粒子が油層中に安定に分散した微粒子分散体(サスペンジョン)を提供することを目的とするものである。また、本発明は、室温から250℃程度までの、比較的低温での化学反応により酸化物微粒子を合成することを目的とするものである。更に、本発明は、上記酸化物微粒子分散体、又は酸化物微粒子を構成要素として含む電子材料、研磨剤、触媒、塗料等を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
)出発原料の酸化物微粒子前駆体の水溶液及び油を含む反応溶液に、超音波を照射して、油層中に分散された微小体積の水滴を生成させて油中水型エマルジョンを形成させ、該エマルジョンを反応場として、該水滴中に含まれる上記酸化物微粒子前駆体を加水分解反応させることにより、酸化物微粒子に変換することにより、該酸化物微粒子が、油層中に分散された酸化物微粒子分散体を形成させることを特徴とする酸化物微粒子分散体の作製方法。
)超音波により、反応溶液のエマルジョン化と反応溶液の温度の上昇を行う上記()に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
)反応溶液の温度を100℃以上に維持して、水分を蒸散させる上記()に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
)酸化物微粒子が、酸化亜鉛、亜鉛フェライト、亜鉛マンガンフェライト、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、又は酸化スズである上記()に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
)油層が、低蒸気圧で、水と混和しない油又は有機化合物からなる上記()に記載の酸化物微粒子の作製方法。
)油層が、植物油である上記()に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
)上記()から()のいずれかに記載の方法により作製された酸化物分散体より、油層成分を分離して酸化物微粒子を単離することを特徴とする粒成長及び粒子間の凝集が制御された酸化物微粒子の作製方法。
)酸化物微粒子分散体より、遠心分離により、油層成分を分離する上記()に記載の粒成長及び粒子間の凝集が制御された酸化物微粒子の作製方法。
)上記(1)から()のいずれかに記載の方法により作製した酸化物微粒子分散体、又は該分散体から油層成分を分離して単離した酸化物微粒子からなることを特徴とする電子材料、研磨剤、触媒又は塗料用ナノサイズ又はマイクロサイズの酸化物微粒子材料。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、ナノサイズ又はマイクロサイズの酸化物微粒子を、凝集を抑制して油層中に安定に分散させた酸化物微粒子分散体、該分散体から油層成分を分離して得られる核成長や初期粒間の凝集が制御されたナノサイズないしマイクロサイズの酸化物微粒子、それらの作製方法、及び酸化物微粒子を構成要素とする電子材料等のナノサイズ酸化物微粒子材料を提供することを特徴とするものである。本発明において、酸化物微粒子を、凝集を抑制して油層中に安定に分散させた酸化物微粒子分散体とは、上記酸化物微粒子を、凝集しないように油層中にエマルション化して安定に分散させた分散体(サスペンジョン)を意味するものとして定義される。
本発明において、上記酸化物微粒子分散体は、例えば、植物油等の油層に金属イオンを含んだ水を所定量添加した反応液を、温度制御が可能な反応容器中に保持し、この油水混合反応液に、超音波ホーンから強力な超音波を照射することにより、油中水型エマルションを形成させ、超音波振動による発熱あるいは外部からの熱の供給により反応槽を所定の温度に維持しながら、継続して超音波を照射して、エマルションから水分を揮散させるとともに、金属イオンを、加水分解反応により所望の金属酸化物微粒子に変換することにより、作製される。
本発明は、油と金属イオンを含む水溶液の混合系に、強力超音波を照射することにより形成される微細なエマルションを反応場として酸化物微粒子を生成するものであり、エマルションの作製時に界面活性剤を用いる必要がない。更に、金属イオンを加水分解するにあたり、沈殿剤等の薬剤を添加する必要がなく、超音波による熱エネルギーや、外部加熱によってのみ反応を進行させることにより酸化物微粒子を得ることを可能とするものである。
本発明における超音波を用いたエマルションの生成は、油水界面が振動により不安定化すること、超音波による液相内での極めて大きな加速度運動(1×104−6G:Gは重力加速度)により水滴が微細化すること、更には、水滴が超音波キャビテーションにより生じる衝撃波や、マイクロジェットにより離散すること等の作用により、エマルションが形成される。特に、加速度の作用は、超音波周波数への依存性が顕著であり、生成する水滴の大きさは周波数のマイナス1/2乗に比例する( K. Kamogawa, G. Okudaira,
M. Matsumoto, T. Sakai, H. Sakai, and M. Abe, Langmuir,
20 (2004) 2043-2047参照)。
本発明では、このような加速度の周波数への依存性を利用することにより、微小水滴の大きさ、ひいては生成する酸化物微粒子の大きさを制御することが可能となる。エマルションの形成のような物理的作用の大きさは、低い周波数の超音波において顕著であることが知られており、また、低い周波数の超音波発生にはホーン型振動子の使用が可能であること、及びホーンを用いることによって、振動振幅を1桁程度増幅することが可能であること等を考慮すると、エマルション形成には、20−50kHz程度の低い周波数の超音波が好適となる。本発明で用いる超音波の周波数は、20kHzから50kHzが好適であるが、形成されるエマルションのサイズを、超音波の周波数に応じて変化させることが可能であり、例えば、20kHzから2MHzの範囲の周波数の超音波の照射によって、平均粒径50nm〜1μmの水滴を含むエマルションを形成することができる。
反応温度としては、例えば、室温から250℃程度までの、酸化物微粒子の合成としては比較的低温での化学反応が用いられる。化学反応の速度が、温度の上昇により増加することはよく知られていることであるが、一般に、水溶液中の陽イオンと陰イオンの間の会合傾向も温度とともに上昇する。即ち、温度の上昇とともに熱加水分解反応が優勢となり、溶液中の金属イオンは、水酸化物あるいは酸化物として析出する。また、金属塩として有機酸塩を用いた場合には、有機酸は高温で分解し、錯体として安定に溶解していた金属イオンは不安定となり、加水分解反応が進行する。
このような本発明の反応は、従来、水熱反応として利用されるものと、温度範囲等において類似点を見出すことができるが、本発明は、通常の水熱反応系とは異なり、反応が大気開放系で進むことに特徴を有する。即ち、水溶液として系内に存在していた水分は、温度上昇とともに蒸発し、例えば、100℃を超える温度域では、「乾燥した」状態の水酸化物、酸化物あるいは錯体となるように、脱水反応や残留有機基の分解反応が進行する。これらの効果により、出発原料としては、多くの水溶性有機酸塩、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、カプリル酸塩、乳酸塩、酪酸塩、カプリン酸塩等が使用可能であり、特に、酢酸塩においては良好な結果を得ることができる。
また、本発明では、反応系の水分がすべて蒸散してしまうことにより、通常の水溶液系の反応で問題となる分別沈殿の影響を抑えることができる。実際には、量論比の出発金属塩を添加することにより、目的とする複合金属酸化物の化学組成を精密に制御することが可能である。例えば、亜鉛マンガンフェライト(Mn0.5Zn0.5Fe)を作製するには、その組成比に正確に対応した重量比となるように秤量した、酢酸亜鉛2水和物、酢酸鉄(II)、酢酸マンガン4水和物を原料として配合し、超音波の照射の下に反応させれば、正確に上記組成を有する亜鉛マンガンフェライトを作製することができる。このように、生成する酸化物微粒子の化学組成は、精密に制御することが可能である。また、本発明の酸化物微粒子は、高結晶性の微粒子として作製することが可能であり、例えば、図2、図4、図6に示されるように、X線回折パターンにおいて、鋭いピークを示す結晶性の酸化物微粒子が得られる。
一般に、酸化物表面に残存する水分は、微粒子間の凝集を招く主因であるので、合成過程において、水分が蒸発、揮散する本発明によれば、直接に酸化物粒子が油層に分散した状態で得られる。そのため、これらの微粒子間の会合による影響を最小限に留めることが可能であり、凝集状態にない、サブミクロン、あるいはナノサイズの超微粒子を作製することができるので、例えば、本発明の酸化物微粒子を、ナノサイズ材料として好適に様々な産業に応用することが可能である。
本発明における酸化物には、金属酸化物、金属水酸化物、それらの混合物、及び複数の酸化物、水酸化物の複合体を含み、例えば、酸化亜鉛等の金属酸化物、亜鉛マンガンフェライト等の複合金属酸化物等が例示される。本発明の酸化物微粒子を構成する金属イオンとしては、特に制限はないが、好適には、例えば、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Y、Si、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、As、Sb、Bi、V、Nb、Ta、Se、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、La、Ce、Sm等から選ばれる一種又はそれ以上のイオンが挙げられる。
このような金属イオンを含む酸化物微粒子前駆体の水溶液が、本発明の酸化物微粒子の出発原料として好適であり、例えば、金属錯体、有機金属錯体、金属塩等が挙げられる。更に具体的には、例えば、無機金属塩、水溶性有機酸塩、錯塩、アルコキシド等が挙げられるが、特に、熱加水分解を起こしやすい水溶性有機酸塩、例えば、酢酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩が好適であり、中でも、酢酸塩が最も好適である。更に、アセチルアセトン錯塩、EDTA錯塩、アミン錯塩等の有機配位子錯体が挙げられる。無機金属塩としては、例えば、金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。これらの材料は、単独又はそれ以上を組み合わせて用いることができる。
上記前駆体水溶液の調製方法としては、特に制限はないが、例えば、金属元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種を、水に分散及び/又は溶解する方法が例示される。このときの水溶液中には、10〜100g/Lの金属化合物を含むのが好適である。
本発明において、油層を形成するのに用いられる物質としては、低蒸気圧で、水と混和しない油状物が好適であり、例えば、植物油、デカリン等が例示される。これらの物質は、室温から約250℃の範囲の反応温度下において液状であり、反応を遂行する過程において、蒸発して過度に減量することがなく、反応を維持することが可能なエマルション状態を保持することができる蒸気圧を有するものであり、また、上記前駆体の水溶液が、油層中で微小体積のエマルションとして存在するに十分な程度の、水との非混和性を有するものである。
本発明で用いられる油層を形成する物質の具体例としては、例えば、デカン、ドデカン、デカリン、流動パラフィン等の炭化水素類、菜種油、ゴマ油、オリーブ油、大豆油、綿実油、ヤシ油等の植物油脂類を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。油層としては、環境への負荷が少ない植物油脂類が好適であるが、デカリン等の蒸気圧が低く、水と混和しない各種の有機溶媒が使用できる。本発明に用いる油層形成物質としては、低蒸気圧で水と混和しないことが選定条件を満たす、菜種油等の植物油が最も好適であり、これらの植物油は、バイオ起源であり環境負荷が少ないという優れた特徴を有する。例えば、植物油を用いることにより、大気圧下で加圧することなく、250℃程度までの高温域における化学反応を利用して、酸化物微粒子を作製することができる。デカリン等の石油系有機溶媒を利用することが可能であるが、油層を形成する有機化合物としては、高純度である必要はないために、特に、これらの有機溶媒を用いるメリットは少ない。上記前駆体水溶液と油層を形成する物質の配合割合は、1:10〜1:100の重量比であるのが好適である。
次に、図1に基づいて本発明を説明すると、本発明の金属酸化物微粒子分散体は、例えば、植物油等の油層(3)に金属イオンを含んだ水(4)を所定量添加し、温度制御が可能な反応槽(2)中に保持する。次いで、超音波ホーン(1)から強力な超音波を、油水混合相に照射することによりエマルションを形成させるとともに、超音波振動による発熱あるいは外部からの熱供給により反応槽(2)を所定の温度に維持しながら超音波の照射を継続し、エマルションから水分を揮散させつつ所望の反応を完結させることにより作製される。次に、この微粒子分散体から、遠心分離法等により、酸化物微粒子を分離することにより、酸化物微粒子が製造される。本発明により作製された酸化物微粒子は、平均粒子径が、10nm〜10μmの範囲にあり、更に、10〜100nmの範囲にあるのが好適である。また、酸化物微粒子の粒子径は、超音波の周波数等の作製条件を制御することによって、調整することが可能である。尚、図1に、本発明の製造装置の一例を示す。
本発明の、酸化物微粒子が油層中に分散した酸化物微粒子分散体は、分散媒としての油と酸化物微粒子の双方の特性を生かして、微粒子分散体自体を様々な用途に用いることが可能である。例えば、研磨液を油層として、研磨材、例えば、酸化セリウムの微粒子を研磨液中に分散した分散体は、研磨材の濃度、研磨液の種類等を調整するだけで、研磨組成物として使用することが可能である。また、塗料の製造においても、ベヒクル中に分散した顔料微粒子の分散体を作製し、これを塗料の原料として使用することが可能である。このように、酸化物微粒子分散体自体を原料として使用することにより、特に、本発明の酸化物微粒子の有する特性を損なうことなく利用することが可能となる。
本発明の上記酸化物微粒子分散体に、従来の固液分離手段、例えば、遠心分離等を適宜適用して、酸化物微粒子を分離することにより、粒成長や初期粒間の凝集が制御された酸化物微粒子を得ることができる。得られた酸化物微粒子は、平均粒径10〜100nmの、凝集していない、分散性の良好な微粒子であり、その化学組成は、原料配合組成に正確に一致しているため、精密な粒子の化学組成の制御が可能となり、所望の化学組成を正確に有する複合酸化物の作製に適している。また、本発明では、結晶性の酸化物微粒子を作製し、提供することが可能である。
本発明の酸化物微粒子及びその分散体は、微粉体としての優れた特性、例えば、粒度分布、凝集性、表面特性、粒子組成等を有し、例えば、電子材料、触媒、塗料、研磨剤等として有用である。これらの材料は、例えば、導電性材料(酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ等)、光学材料(酸化亜鉛、酸化チタン等)、焼結材料(シリカ、ジルコニア等)、触媒(酸化チタン、酸化亜鉛等)、顔料(コバルトブルー等)、圧電材料(チタン酸バリウム等)、抗菌剤(酸化チタン等)等の用途において好適に用いられる。
本発明により、(1)ナノサイズないしマイクロサイズの酸化物微粒子を、凝集を抑制して油層中に安定に分散させた酸化物微粒子分散体を作製し、提供することができる、(2)上記分散体から油層成分を分離して得られる、粒成長や初期粒子間の凝集を制御した酸化物微粒子を提供することができる、(3)多成分系の金属酸化物微粒子(複合酸化物)の化学組成比を精密に制御した酸化物微粒子が得られる、(4)微粒子間の会合による影響を最小限に制御したサブミクロン、あるいはナノサイズの超微粒子の酸化物微粒子を作製し、提供することができる、(5)室温から250℃程度までの比較的低温での化学反応により酸化物微粒子を合成することができる、(6)反応を大気開放系で進めることにより、100℃を超える反応温度域では、「乾燥した」状態の酸化物微粒子を作製することができる、という格別の効果が奏される。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によってなんら限定されるものではない。
本実施例では、酸化物微粒子の例として、酸化亜鉛が油層中に安定に分散したサスペンジョン、及び酸化亜鉛微粒子を作製した。4mlの蒸留水に、酢酸亜鉛2水和物0.176gを溶解した。この水溶液を100mlの菜種油に添加して反応液とした。1.27cmの先端径を持つ超音波ホーンを、反応液の表面から5mm下まで挿入し、20kHz、70Wの超音波を照射した。はじめの30分間は、水溶液のエマルション分散を目的として、液温を室温から30℃程度に保持した。エマルション化した後、冷却をやめることにより反応液の温度を上昇させた。超音波を30分間照射した後には、液温は125℃に達し、エマルション中に存在した水分は蒸散し、酸化亜鉛微粒子が油層に分散した状態となったナノサイズ酸化物の安定なサスペンジョンが得られた。これを遠心分離することにより、平均粒径が、30nm以下で、凝集のない酸化亜鉛微粒子を得た。図2に、生成物のX線回折パターを、また、図3に、透過電子顕微鏡像をそれぞれ示す。
本実施例では、複合酸化物微粒子の例として、亜鉛フェライト(ZnFe)微粒子が油層中に安定に分散したサスペンジョン及び亜鉛フェライト微粒子を作製した。4mlの蒸留水に、酢酸亜鉛2水和物0.176gと酢酸鉄(II)0.2784gを溶解した。この水溶液を、100mlの菜種油に添加して反応液とした。次に、反応液を冷却しながら、超音波ホーンにより、20kHz、70Wの超音波を照射した。30分間照射してエマルション化した後、冷却をやめて、更に照射を30分間継続することにより亜鉛フェライト微粒子が油層に分散した状態となったナノサイズ複合酸化物の安定したサスペンジョンが得られた。これを遠心分離することにより、平均粒径が、20nm以下の亜鉛フェライト微粒子を得た。図4に、生成物のX線回折パターンを、図5に、透過電子顕微鏡像をそれぞれ示す。
本実施例は、更に複雑な組成の複合酸化物微粒子の例として、亜鉛マンガンフェライト(Mn0.5Zn0.5Fe)微粒子が油層中に安定に分散したサスペンジョン及び亜鉛マンガンフェライト微粒子を作製した。4mlの蒸留水に、酢酸亜鉛2水和物0.176g、酢酸鉄(II)0.5568g、酢酸マンガン4水和物0.197gを溶解した。この水溶液を100mlの菜種油に添加して反応液とした。実施例1と同様の超音波照射処理をすることにより、亜鉛マンガンフェライト微粒子が、油層に分散した状態となったナノサイズ複合酸化物が得られた。図6に、生成物のX線回折パターを、図7に、透過電子顕微鏡像をそれぞれ示す。
以上詳述したように、本発明は、超音波を利用した油水分散系における微粒子作製方法に係るものであり、本発明により、ナノサイズないしマイクロサイズの酸化物微粒子を、凝集を抑制して油層中に分散させた酸化物微粒子分散体、該微粒子分散体より油層成分を分離して得られる酸化物微粒子、酸化物微粒子が、油層中に分散されている金属酸化物微粒子分散体を形成させ、次いで、上記酸化物微粒子分散体及び該微粒子を分離して得られるナノサイズないしマイクロサイズの酸化物微粒子の作製方法、並びに該酸化物微粒子を構成要素とする製品を提供することができる。本発明により、従来の酸化物微粒子の合成で必要とされる、高温プロセス、複雑な装置を用いることなく、マイクロメートル以下の、サブミクロン、あるいはナノサイズの粒径を有し、粒径分散、凝集性が制御された酸化物微粒子を作製し、提供することが可能となる。
また、本発明は、従来の液相法による微粒子の作製でしばしば問題となる、分別沈殿形成等の影響を受けにくいため、原料物質として2種類以上の金属イオンを含む溶液を用いて、多成分系の金属酸化物微粒子を、精密に化学組成を制御して作製することを可能とするものである。また、本発明では、酸化物微粒子は油層中に分散した状態で生成するため、粒子間の凝集を起こしにくく、ナノサイズの酸化物微粒子の安定したサスペンジョンとして利用することが可能であり、また、サスペンジョン中の酸化物微粒子は分離・回収して利用することができる。本発明の酸化物微粒子は、例えば、電子材料、研磨剤、触媒、塗料等を構成するナノサイズの酸化物微粒子材料として、また、例えば、導電性材料、光学材料、焼結材料、顔料、圧電材料、抗菌剤等の材料として、好適に利用することができる。
本発明の、超音波の照射により金属酸化物微粒子を作製するための装置の概略を示す。 実施例1で作製した、酸化亜鉛微粒子のX線回折パターンを示す。 実施例1で作製した、酸化亜鉛微粒子の透過電子顕微鏡像を示す。 実施例2で作製した、亜鉛フェライト微粒子のX線回折パターンを示す。 実施例2で作製した、亜鉛フェライト微粒子の透過電子顕微鏡像を示す。 実施例3で作製した、亜鉛マンガンフェライト微粒子のX線回折パターンを示す。 実施例3で作製した、亜鉛マンガンフェライト微粒子の透過電子顕微鏡像を示す。
符号の説明
1 超音波ホーン
2 反応槽
3 油層
4 水層
5 超音波発生用電力供給並びに制御装置

Claims (9)

  1. 出発原料の酸化物微粒子前駆体の水溶液及び油を含む反応溶液に、超音波を照射して、油層中に分散された微小体積の水滴を生成させて油中水型エマルジョンを形成させ、該エマルジョンを反応場として、該水滴中に含まれる上記酸化物微粒子前駆体を加水分解反応させることにより、酸化物微粒子に変換することにより、該酸化物微粒子が、油層中に分散された酸化物微粒子分散体を形成させることを特徴とする酸化物微粒子分散体の作製方法。
  2. 超音波により、反応溶液のエマルジョン化と反応溶液の温度の上昇を行う請求項に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
  3. 反応溶液の温度を100℃以上に維持して、水分を蒸散させる請求項に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
  4. 酸化物微粒子が、酸化亜鉛、亜鉛フェライト、亜鉛マンガンフェライト、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、又は酸化スズである請求項に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
  5. 油層が、低蒸気圧で、水と混和しない油又は有機化合物からなる請求項に記載の酸化物微粒子の作製方法。
  6. 油層が、植物油である請求項に記載の酸化物微粒子分散体の作製方法。
  7. 請求項からのいずれかに記載の方法により作製された酸化物分散体より、油層成分を分離して酸化物微粒子を単離することを特徴とする粒成長及び粒子間の凝集が制御された酸化物微粒子の作製方法。
  8. 酸化物微粒子分散体より、遠心分離により、油層成分を分離する請求項に記載の粒成長及び粒子間の凝集が制御された酸化物微粒子の作製方法。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の方法により作製した酸化物微粒子分散体、又は該分散体から油層成分を分離して単離した酸化物微粒子からなることを特徴とする電子材料、研磨剤、触媒又は塗料用ナノサイズ又はマイクロサイズの酸化物微粒子材料。
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