JP4452775B2 - 機能化繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機能化繊維の製造方法および機能化繊維に関する。さらに詳しくは、繊維表面に所定の化合物を付着せしめ、繊維表面を改質する機能化繊維の製造方法および機能化繊維に関する。
繊維は、衣料用のみならず、産業用としてその素材や諸性質をニーズに合わせて様々に変えることによって極めて広範に用いられているが、中でも高性能あるいは高付加価値が求められる領域においては、その表面性状の制御あるいは表面加工は重要な位置を占めている。例えば、衣料用のポリエステル繊維に、親水性を導入して吸湿性や吸水性あるいは防汚性や制電性を付与したり、低屈折率性を付与したり表面凹凸を付与したりして高発色性を発現させたりする等、多岐に及ぶ加工がなされているが、さらに高機能を付与することによる新たな用途への応用も期待されている。
また、産業用として、繊維を強化材とし、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などのマトリックス樹脂で固めた複合材料に用いる場合には、目的や用途に応じて様々な繊維とマトリックス樹脂が組み合わせられているが、いずれにしても複合材料として、繊維の弾性率や強度を有効に利用するために、マトリックス樹脂と強固に接着するための表面加工が施されている。例えば、比強度、比弾性率に優れた炭素繊維を用いた複合材料の場合、特にポリアクリロニトリル系前駆体繊維を出発原料とした炭素繊維の場合、炭素繊維の製造工程の仕上げとして酸化処理を施して炭素繊維表面に官能基を付与することが一般的である。しかしながら、炭化温度を高くして弾性率を上げていくと、炭素繊維と樹脂との接着が悪くなるという現象が認められる。この原因は炭化温度を上げるに従って、炭素繊維のグラファイト構造の結晶が大きくなり、酸化され難くなる。これに伴い、樹脂との接着に十分な官能基が付与されにくくなるためと推定される。このようなことから、弾性率の高い炭素繊維ほど、より強い酸化処理が必要となるが、酸化処理だけでは十分な樹脂との接着力が得られにくいという問題があった。
また、上記例のように、炭素繊維をそのまま複合材料に適用した場合は、マトリックス樹脂の耐熱性が上限となるためあまり問題にならないが、航空・宇宙用途等の温度面で厳しい環境下で使用される繊維またはその複合材料は、炭素繊維では充分ではなく、シリコンカーバイド繊維等が用いられることもあるが高コストであり、本質的には炭素繊維の表面に十分な耐熱性や耐酸化性と、複合材料として用いる場合は、マトリックスとなる金属やセラミックス等との接着性とが改善されれば、より低コストな炭素繊維を用いることも可能である。これに対して、特許文献1にはシラン誘導体を原料ガスとし、プラズマ気相合成法によりシリコンカーバイドを炭素繊維表面に形成させる方法が開示されている。しかしながら、マトリックスとのより高い接着性発現のためにはこれだけでは十分とは言えない。このように、繊維表面の特性を制御する技術は多岐にわたる応用が試みられているものの、これらを自在に制御できる技術は見いだされていないのが現状である。
特開平8−231287号公報
本発明の課題は、上記のような現状に鑑み、繊維表面に種々の化合物を付着せしめ、各種機能を有する機能化繊維を効率よく製造できる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る機能化繊維の製造方法は、繊維を液体に浸漬し、該液体中で気泡を発生させるとともに、該液体中に電磁波を照射することにより、前記液体に起因した化合物を繊維に付着せしめることを特徴とする方法からなる。
この機能化繊維の製造方法においては、上記液体中での気泡の発生は、例えば超音波照射により行うことができる。また、上記一連の処理を、減圧下で行うことができる。また、必要に応じて液体を加熱することが好ましい。さらに、必要に応じて液体に浸漬せしめる繊維も加熱することができる。
上記液体に浸漬せしめる繊維としては、例えば炭素繊維を用いることができる。液体としては、炭素を有する化合物を含む液体、有機化合物を含む液体、炭化水素またはアルコールを含む液体等を用いることができる。さらに、珪素を有する化合物を含む液体、シリコーンを含む液体等を用いることができる。これらの液体は、水を含むものであってもよい。
また、本発明に係る機能化繊維の製造方法においては、上記液体に浸漬した繊維を一定の速度で動かすことにより、繊維を連続処理するようにすることもできる。また、液体に起因した化合物を繊維に付着せしめた後、該繊維を必要に応じて酸化処理するようにすることもできる。
上記液体に起因した化合物としては、例えば、アモルファス性炭素やシリコンカーバイドを挙げることができる。
本発明に係る機能化繊維は、上記のような方法によって製造されたものである。この機能化繊維は、とくに、表面に凹凸を有することが好ましい。
より具体的な本発明に係る機能化繊維は、例えば、アモルファス性炭素が付着してなり、表面が凹凸を有する機能化繊維からなる。この機能化繊維においては、ラマン分光法により求められるラマンスペクトルのGバンドに対するDバンドの強度比が0.2以上であることが好ましい。
また、本発明に係る機能化繊維は、例えば、X線光電子分光法から求められる炭素原子数に対する硅素原子数の比が0.3〜3の範囲内にあり、表面が凹凸を有する機能化繊維からなる。
また、本発明に係る機能化繊維は、例えば、シリコンカーバイドが付着してなり、表面が凹凸を有する機能化繊維からなる。
さらに、本発明に係る機能化繊維は、例えば、X線光電子分光法から求められる炭素原子数に対する酸素原子数の比が0.01〜1の範囲内にあり、表面が凹凸を有する機能化繊維からなる。
本発明によれば、以下に詳述するように、繊維に炭素性物質や耐熱性物質等を効率良く付着または蒸着でき、その表面が凹凸であるため、表面積を大きくすることも可能である。また、そのような表面積の大きい繊維は、例えば繊維強化複合材料にした場合に、良好な接着性が得られ、ひいては複合材料の力学物性が向上する。さらに、付着せしめる化合物を選択することにより吸着能を付与することもできる。このように、要求機能に応じた機能化繊維が確実に得られるようになる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面も参照しながら実施例とともに説明する。
本発明に係る機能化繊維の製造方法は、繊維を液体に浸漬し、該液体中で気泡を発生させるとともに、該液体中に電磁波を照射することにより、前記液体に起因した化合物を繊維に付着せしめるものである。ここで用いる液体は、特に限定されないが、目的に応じて炭素を有する化合物、珪素を有する化合物、水または水溶液をそれぞれ単独もしくは混合して用いるのが好ましい。それぞれの液体の詳細については後述するが、いずれの液体においても、本発明では、液体中で気泡を発生させるとともに、該液体中に電磁波を照射することにより、該液体に起因した化合物を繊維に付着せしめる。例えば液体として炭素を有する化合物を用いた場合、炭素性物質が繊維に付着または蒸着されることになる。この際、公知のCVD法などの気相プラズマで得られる炭素性物質の膜は実質的に平滑であるのに対し、本発明による炭素性物質の付着または蒸着の形態は、凹凸を有する特異的なものとなるため、マトリックス樹脂との接触面積が増大し、更にはマトリックス樹脂の炭素性物質へのアンカー効果も発現し、接着力が非常に向上する。使用する液体が珪素を有する化合物では、繊維に耐酸化性及び/または耐熱性物質が付着または蒸着されることになるが、炭素を有する化合物の場合と同様に凹凸を有する特異的な表面となり、セラミックスや金属への接着が強固になる。使用する液体が水単独の場合は、繊維に付着または蒸着されるものはないが、繊維がエッチングされて凹凸を有する表面になると共に親水性官能基が導入されるので、やはりマトリックス樹脂との接着性は高くなる。なお、本発明で言う凹凸を有する表面としては、凸部の頂点と凹部の底との高低差が0.01〜500μmの範囲内であるのが好ましく、0.05〜200μmの範囲内であるのがより好ましく、0.1〜100μmの範囲内であるのが更に好ましい。0.01μm以下では、凹凸による接着性向上や比表面積増大による各種分子等の高吸着性等があまり発現せず、500μm以上にしても効果は飽和する。接着性向上の場合については、むしろ50μm以下が好ましく、10μm以下が更に好ましい。これらは、数十倍〜数万倍程度の拡大倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)や、試料の断面をミクロトーム等で超薄切片化して切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することによって、容易に判別できる。TEMによる断面観察の場合は、少なくとも2つの凸部の頂点に接する外接円の半径と、少なくとも2つの凹部の底に接する内接円の半径との差から、凹凸の高低差を求めることができる。
以下、本発明の機能化繊維の製造方法に用いる各液体について更に詳しく説明する。
本発明に使用できる前記炭素性物質の原料となる液体は、炭素原子を含む化合物、好ましくは有機化合物を含んでいれば、その種類は特に限定されない。炭素原子を含む化合物として、好ましくは、炭素原子と水素分子のみからなる脂肪族系及び芳香族系の飽和炭化水素、不飽和炭化水素や、それらの1つ以上の水素を水酸基に置換したアルコール類が用いることができるが、カルボニル基やエーテル結合、エステル結合、カルボキシル基、アミノ基、4級アミン、アミド結合、スルホン酸基等が含まれていても構わない。これらは、液体として単独で用いる場合には、液体として存在できる温度、即ち融点より高く、かつ沸点より低い温度領域で本発明に利用できるが、より簡便に本発明を実施するためには常温(15〜25℃)で液体状であるのが好ましい。従って、より好ましい一例として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキシルベンゼン、シクロオクタテトラエン、イソプレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルトルエン、ジエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジメチルビフェニル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、ヘプタノール、オクタノール、o−エチルフェノール、シクロペンタノール、アリルアルコール、ウルシオール、ウンデカノール、スチレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリルアミド、ポリオキシエチレンを親水部とし、アルキル基に代表される炭化水素類やポリオキシアルキレン(ポリオキシ(メ)エチレンを除く)を疎水部とする界面活性剤、等が挙げられる。
これらの中でも、炭素収率が高い炭化水素類や、電磁波や超音波の減衰が抑制されるように、使用する温度における粘度が低いものは特に好ましく用いられる。この一例としては、ドデカンやベンゼン、メタノール、エタノールが挙げられる。これらの炭素を含む化合物は、単独または混合で用いるのが、プラズマに対して原料供給濃度が最も高い状態となり好ましいが、上記例のように炭素を有する化合物自体が液体である場合に加え、炭素を有する化合物が個体または気体である場合には、各種液状媒体に溶解した溶液や水溶液、各種液状媒体に乳化または分散させた乳化液、分散液、水系乳化液、水系分散液も用いることができる。上記で発生する炭素性物質は、プラズマの諸条件によって、ダイアモンドや黒鉛等の結晶性炭素や、実質的に完全なアモルファスやダイアモンド状炭素(DLC;Diamond Like Carbon)等のアモルファス性炭素、それらの混合物が得られ、繊維上に不均一に付着し、凹凸表面を形成したものとなる。マトリックス樹脂との接着性を高めるため、及び酸化処理するためには、アモルファス性炭素の方が好ましい。アモルファス性炭素として好ましい状態は、ラマン分光法により求められるラマンスペクトルのGバンドに対するDバンドの比(以下、D/G比という)が0.2以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.7以上であることが更に好ましい。上限は特に限定されず、実質的にGバンドの強度が0の場合には、理想的なアモルファス状態でありD/G比は∞となる。ここでD/G比とは、1350cm-1付近のDバンドピークと1580cm-1付近のGバンドピークとを波形解析し、それぞれの面積の比から算出することができる。なお、ラマン分光測定及びD/G比の測定は、例えば日本電子(株)製JRS−SYSTEM 1000を用い、Arレーザー、波長514nm、スポット径1μm、露光時間10秒、ラマンスペクトル測定領域0〜2000cm-1、の条件で測定することができ、得られたラマンスペクトルにおいて、DバンドピークとGバンドピークの間に存在する1450〜1500cm-1付近の最低強度部と1000〜1300cm-1の間にフィッティング良くベースラインを引き、そのベースラインとDバンドピークで囲まれた領域の面積を、前記DバンドピークとGバンドピークの間の最低強度部と1650〜1700cm-1の間にフィッティング良くベースラインを引き、そのベースラインとGバンドピークで囲まれた領域の面積で割ることによってD/G比を算出できる。
一方、ダイアモンドが主となる皮膜が所望の場合は、炭化水素、例えばドデカンを用いると、アモルファスやグラファイトを還元して排除できるため、好ましく用いることができる。
本発明に使用できる前記耐酸化性及び/または耐熱性物質の原料となる液体は、珪素原子を含む化合物、好ましくは珪素原子と炭素原子を含んでいれば、その種類は特に限定されない。その例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサンやジメチルポリシロキサン等のジオルガノポリシロキサンやそれらのアミノ変性やエポキシ変性やポリエーテル変性等の各種変性物に代表されるシロキサン骨格を有するシリコーン類、各種シラン等が挙げられる。これらを原料としてプラズマ処理すると、繊維上に凹凸表面のシリコンカーバイド等の耐酸化性及び/または耐熱性物質が得られる。ここで、本発明の機能化繊維は、X線光電子分光法(ESCAまたはXPS)により求められる炭素原子数に対する硅素原子数の比(以下、Si/C比という)が0.3〜3の範囲内にあることが好ましく、0.5〜2の間がより好ましく、0.7〜1.5の間が更に好ましい。また、シリコンカーバイドが機能化繊維の表層を形成していることがなかんずく好ましい。Si/C比が0.3未満であると、シリコンカーバイド等の耐酸化性及び/または耐熱性物質による被覆が十分ではなく、耐熱性向上等の機能化効果が不十分な場合がある。一方、Si/C比が3を超えると、硅素原子が多くなりすぎて、かえって耐熱性が低下する場合がある。
ここでSi/C比はX線光電子分光法により、X線源として、AlKα1,2あるいはMgKα1,2を用いて測定することができる。尚、測定時の帯電に伴うピークの補正は、C1sの主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eVに合わせることで実施できる。次いで、C1sピーク面積[C1s]は、280〜290eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、Si2pピーク面積[Si2p]は94〜110eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
したがって、Si/C比は、上記Si2pピーク面積[Si2p]、C1sピーク面積[C1s]の比、及び装置固有の感度補正値より、次式により求めることができる。
Si/C=([Si2p]/[C1s])/(感度補正値)
なお、測定する機能化繊維にサイジング剤等の後処理剤が付着している場合は、塩化メチレン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノールなどの溶媒で洗浄し、蒸留水で洗い流し、必要に応じて超音波洗浄するなどしてサイジング剤などを除去後、適当な長さにカットしてステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後、上記条件にて測定できるものである。また、バインダーなどと混合されている機能化繊維について測定する場合は、塩化メチレン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノールなどの溶媒で樹脂を除去して機能化繊維を取り出し同様の方法で測定できるものである。
本発明に使用できる前記耐酸化性及び/または耐熱性物質の原料となる液体は、単独または混合で用いるのが、原料供給濃度が最も高い状態となり好ましいが、上記例のように化合物自体が液体である場合に加え、珪素を有する化合物が個体または気体である場合には、各種液状媒体に溶解した溶液や水溶液、各種液状媒体に乳化または分散させた乳化液、分散液、水系乳化液、水系分散液も用いることができる。
本発明における液体に水を用いた場合には、繊維のエッチング及び/または水酸基やカルボニル基、カルボキシル基、過算基等の親水性官能基の付与が行え、マトリックス樹脂との向上に寄与する。上述したように、炭素を有する化合物が水に溶解または乳化または分散させた場合には、繊維に炭素性物質が生成されると共にその表面に親水性官能基も導入されるので、マトリックス樹脂との接着性は非常に高くなる。衣料用繊維に適用した場合には、吸湿性や吸水性、制電性、SR(Soil Release)性等が発現し、エッチング状態が凹凸を有する形態であれば、黒や有彩色でも高発色化が可能になる。また、水溶液の媒質として、銅や鉄やチタンやアルミニウム等の種々の金属化合物がイオンとして溶解していたり、乳化または分散していても、それぞれに応じた金属を有する皮膜が繊維に形成される。例えば、硫酸銅水溶液を用いた場合には、銅の被膜が繊維に形成され、導電性に優れた繊維を製造できる。液体として水を用いた場合には、X線光電子分光法により求められる炭素原子数に対する酸素原子数の比(以下、O/C比という)が0.01〜1の範囲内にあることが好ましく、0.1〜1がより好ましい。かかるO/Cが0.01未満であると、接着性が充分に向上しない場合があり、1を超えても接着性向上は飽和しており、場合によっては水分保持を起こして接着不良や加水分解等の悪影響を及ぼす場合がある。
ここでO/C比は、前記Si/C比と同様の手法により求められる。なお、O1sピーク面積[O1s]は528〜540eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O/C比は、上記O1sピーク面積[O1s]、C1sピーク面積[C1s]の比、及び装置固有の感度補正値より、次式により求めることができる。
O/C=([O1s]/[C1s])/(感度補正値)
本発明に用いられる繊維は、特に限定されず、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン−6やナイロン−6,6等のポリアミド、アラミド系、ポリイミド系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール等のポリベンズアゾール、ガラス、シリコンカーバイド系、ボロン系、アルミナ系、各種金属、各種ウィスカー、等の素材からなる各種繊維、ポリアクリロニトリル系ポリマーやピッチ等を主な原料とする炭素繊維、各種の気相中または固相中で合成されるナノ炭素繊維やカーボンナノチューブ等、木綿や絹や獣毛等の天然繊維、アセテートやレーヨン等の半合成繊維、等の各種素材を用いることができる。これらの中で、炭素との親和性または接着性が高いものは特に好ましく用いられる。その一例としては、炭化水素系繊維、炭素繊維、ナノ炭素繊維、カーボンナノチューブが挙げられる。この中でも、比強度、比弾性率に優れており、かつ取扱性にも優れるという総合的なバランスが取れているポリアクリロニトリル系ポリマーを原料とする炭素繊維は好適に使用できる。また、本発明に使用する繊維の形態は限定されず、単繊維、それらが束になった繊維束、単繊維または繊維束からなる不織布、織物、編物等の布帛またはシートまたはフィルム状、3次元以上の織物、編物等が適用し得る。この中で、プロセス性として特に好ましいのは、繊維束状のものである。
本発明において、液体中で気泡を発生させる方法は特に限定されないが、超音波を液体中に照射する方法、少なくとも液体の存在する場を減圧する方法、液体を加熱する方法、および繊維を加熱する方法、のいずれか1つ、または2つ以上を組み合わせることによって達成できる。超音波を照射する場合、その出力は100W以上が好ましく、500W以上がより好ましい。上限は基本的には大出力の方が気泡の多量発生のために好ましいが、あまり大出力過ぎると、繊維の分子や構造を破壊することもあるので、2000W以下、より好ましくは1500W以下がバランスが取れており好ましい。周波数は、特に限定されないが、18〜50kHzのものが好ましい。減圧する場合、その好ましい減圧度は液体によって異なるため一慨には言えないが、必ずしも超高真空領域にする必要はなく、液体が処理を実施する温度領域で沸騰を始めれば充分である。おおまかではあるが、具体的には10〜5×104Paが好ましく、1×102〜2×104Paがより好ましい。超音波による気泡の内部は、超高圧高温でプラズマを生成して液体を加熱する場合、使用する液体の沸点まで加熱すれば充分である。繊維を加熱する場合、繊維は、導電性ではあるが、適度な比抵抗を示すと、通電することによって発熱させることができるので、炭素繊維等は好ましく用いられる一例である。この場合においても、その目的とするところは、確実に繊維付近で液体から気泡を発生させて高効率に炭素性物質を繊維に付着または蒸着させることにあるので、繊維の発熱温度は、液体を加熱する場合に準ずる。
本発明の機能化繊維の製造方法では、気泡が発生したところに電磁波を照射することにより液体に起因した化合物を原材料繊維に付着せしめるものである。ここでその機構は定かではないが、気泡が発生したところに電磁波を照射することによりプラズマが発生し、このような化合物の繊維への付着が起こるものと思われる。なお、照射する電磁波の周波数は、目的や繊維、液体に応じて適宜決めれば良いが、13M〜300GHzが好ましく、100M〜30GHzがより好ましく、1G〜3GHzがさらに好ましい。最も手近な電磁波発生装置としては、2.45GHzを発生するマグネトロンが挙げられる。電磁波の出力は、10〜5000Wが好ましく、50〜3000Wがより好ましい。なお、水系を液体とする場合には、2.4〜2.6GHzでは液体も発熱するため、それを目的とする場合は好ましく用いられるが、液体全体を常温に保ち、気泡だけを発生させ、その中でプラズマを発生させることを目的とする場合には、前記周波数帯は避けた方が良く、2GHz以下が好ましい。
繊維に液体から起因する化合物を付着せしめる処理は、バッチ法でも連続処理法でも構わないが、工業的により有効なのは、連続処理であり、実質的に繊維を液体中で一定の速度で動かすことが好ましい。その速度は、目的や処理液体などの諸条件によって適宜変わるので一慨に言えないが、基本的には、高い効率及び速度で炭素性物質を生成させて繊維に付着または蒸着させられる程、連続処理の速度は上げられる。この処理の後、更に、マトリックス樹脂との接着性を高めるため、繊維を酸化処理するのも好ましい。酸化処理方法は、特に限定されず、いずれの公知の方法も用いることができる。例えば特開2003−13330号公報に記載の方法なども好ましく用いることができる。
以上のようにして得られた機能化繊維は、繊維強化複合材料に好適に用いられるが、有害物質の吸着除去や所望する物質の分離回収、水素等の気体の吸蔵等に用いる吸着/吸蔵材、酵素や抗体等の有用タンパク質の固定化・分離、微生物の培地、電磁波遮蔽材等にも好ましく用いられる。繊維が炭素繊維の場合には、通常炭素繊維を賦活処理することによって製造される活性炭素繊維の代替にもなる。これらは、特に比表面積が大きいアモルファス性炭素の場合に好ましく適用できる例である。
また、本発明においては、繊維を微粒子やフィルムや各種成形体に置き換えることも可能であり、その効果は上述と同様であるため、用途や目的に応じて微粒子やフィルムや各種成形体の繊維に準ずる素材や形状等を適宜選択することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、実施例によって本発明が制限されることはない。
なお、繊維強化複合材料の強さは、圧縮強度で評価した。その概略は、実施例及び比較例で得られた各繊維束を用い、プリプレグ及び繊維強化複合材料を作製し、ASTMD695の評価方法に従って、繊維複合複合材料の圧縮強度を測定した。本発明において用いた評価方法の詳細及びプリプレグ及び繊維強化複合材料の作製方法は次の通りである。
(繊維表面凹凸の測定方法)
後述でも明らかになるが、以下の実施例ではSEMで充分に凹凸を認識できるものであったので、(株)日立製作所製S−4000を用い、加速電圧20kVにて、5千〜1万倍の倍率で撮影した画像から評価した。
(ラマン分光法)
ラマンスペクトルは、日本電子(株)製JRS−SYSTEM 1000を用い、Arレーザー、波長514nm、スポット径1μm、露光時間10秒、ラマンスペクトル測定領域0〜2000cm-1、の条件で測定した。得られたラマンスペクトルにおいて、DバンドピークとGバンドピークの間に存在する1450〜1500cm-1付近の最低強度部と1000〜1300cm-1の間にフィッティング良くベースラインを引き、そのベースラインとDバンドピークで囲まれた領域の面積を、前記DバンドピークとGバンドピークの間の最低強度部と1650〜1700cm-1の間にフィッティング良くベースラインを引き、そのベースラインとGバンドピークで囲まれた領域の面積で割ることによってD/G比を算出した。
(X線光電子分光法)
XPSにおけるC1s、Si2p、O1sの各スペクトルは、米国Surface Science社製SSX−100を用い、励起X線単色AlKα1,2線(1486.6eV)、X線径1mm、X線出力10kV、20mA、真空度2.8×10-10 Torrの条件で、測定を行った。測定範囲は、C1sでは278〜290eV、Si2pでは94〜110eV、O1sでは524〜538eVとした。得られた各ピークの面積は、測定範囲の中で適切なベースラインを引き、ガウシアン分布を用いて良好なフィッティングカーブを得、ピーク面積を求めた。得られた各ピーク面積の比及び感度補正値を用いて、Si/C比またはO/C比を算出した。
(プリプレグ及び繊維強化複合材料の作製方法)
A.次に示す原料樹脂を混合し、30分攪拌して樹脂組成物を得た。
・ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂(”エピコート”(登録商標)1001、ジャパンエポキシレジン(株)製)、30重量%
・ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂(”エピコート”828、ジャパンエポキシレジン(株)製)、30重量%
・フェノールノボラックポリグリシジルエーテル樹脂(”エピクロン”(登録商標)−N740、大日本インキ化学工業(株)製)、27重量%
・ポリビニルホルマール樹脂(”ビニレック”(登録商標)K、チッソ(株)製、登録商標)、5重量%
・ジシアンジアミド(DICY7、ジャパンエポキシレジン(株)製)、4重量%
・3,4ジクロロフェノール−1ジメチルウレア(DCMU−99、保土ヶ谷化学(株)製、硬化剤)、4重量%
次に、前記樹脂組成物をシリコーンを塗布した離型紙にコーティングして得られた樹脂フィルムを円周約2.7mの60〜70℃に温調した鋼製ドラムに巻き付けた。
この上に炭素繊維をクリールから巻きだしトラバースを介して配列する。更にその上から、前期樹脂フィルムで再度覆い、ロールで回転しながら、加圧し樹脂を繊維束内に含浸せしめ、幅300mm、長さ2.7mの一方向プリプレグを作製した。ここで、プリプレグの繊維目付はドラムの回転数とトラバースの送り速度を変化させ、190g/m2とした。またプリプレグの樹脂含有率は約35重量%とした。
このプリプレグを繊維方向を一方向に揃えて積層し、温度130℃、圧力0.3MPaで2時間硬化させ、厚さが1mmの積層板(繊維強化複合材料)を成形した。
(圧縮強度の測定)
前記積層板から被破壊部分が中心になるように、厚さ1±0.1mm、幅12.7±0.13mm、長さ80±0.013mm、ゲージ部長さ5±0.13mmの試験片を切り出した。
この試験片よりASTM D695に示される圧縮治具を使用し、歪み速度を1.27mm/分の条件で測定し、繊維体積分率60%に換算して繊維強化複合材料の圧縮強度を得た。
実施例1
図1に、繊維を連続処理するための装置の概略構成を示す。繊維1は、図示を省略した送り出しリールから送り出され、フリーローラーからなるガイドローラー6によって図の左方向から右方向に一定速度で導かれ、図示を省略した巻き取りリールに巻き取られる。液体2に浸った繊維1は、超音波発生装置4によって液体2中で発生した気泡5に、電磁波発生装置3から電磁波を照射し、気泡5中にプラズマを発生させる。繊維1はそのプラズマ中をくぐり抜け、連続処理されるようになっている。超音波発生装置4と電磁波発生装置3の各先端間の距離は4mmで、繊維1はその中央を通過するようにしてある。本実施例では、繊維1には12,000本の束からなる引張弾性率が370GPaのポリアクリロニトリル系炭素繊維を用い、糸速0.1m/分で、液体2にドデカンを用いた。超音波発生装置4の出力は19.5kHz、600W、電磁波発生装置3の出力は2.54GHz、120Wである。
得られた繊維は、凹凸表面を有し、炭素性物質が付着していた。図2に走査型電子顕微鏡で観察した繊維の表面を示す。図より、凸部の頂点と凹部の底との差は、少なく見積もっても0.3μmを下回らないことは明らかであった。続いて、得られた繊維を濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を電解液として電解表面処理し、水洗、150℃で乾燥処理した後、サイジング剤を付与した。この繊維を用いた繊維強化複合材料の圧縮強度を評価した結果、1.6GPaと高い値を示した。
実施例2
実施例1において気泡発生手段として用いた超音波発生装置の代わりに、繊維を処理する系を減圧できるよう、図3に概略を示すように、系全体を真空チャンバー7で囲って真空装置8で減圧できる状態にした。繊維の入口と出口は、フリーローラー6とニップローラー6’で減圧効果が極力失われないようにしてある。真空チャンバー7内の圧力を真空装置8で10000Paまで減圧した他は、繊維1、糸速、液体2、電磁波発生装置3の出力は、実施例1に準じた。気泡5、5’は、液体2のいたるところで発生するが、プラズマが発生するのは電磁波発生装置3の先端部付近のみ(気泡5部分のみ)であった。
得られた繊維は、凹凸表面を有し、炭素性物質が付着しており、図2と示したのと実質的に同等の様態であった。この繊維を実施例1と同様に電解処理及びサイジング剤処理し、得られた繊維を用いた繊維強化複合材料の圧縮強度を評価した結果、1.6GPaであった。
実施例3
実施例2と同様に気泡発生手段として10000Paに減圧すると同時に、実施例1で用いた条件で超音波発生装置も併用した上で、液体としてメチルハイドロジェンポリシロキサン(東レ・ダウ・コーニング(株)製SH1107)を用い、電磁波出力を2.54GHz、200Wとして繊維の処理を行った。
得られた繊維は、図2に示したものと実質的に同様な形態の凹凸表面を有するものであった。得られた繊維のXPSによるSi/C比は、0.95であった。
実施例4
実施例1において、液体として東レ(株)製トレピュアLV−10Tにより製造した比抵抗18MΩ・cmの超純水を用い、電磁波出力を2.00GHz、200Wとし、図1における2個の金属製フリーローラー6を介して繊維に10Wの直流電流が流れるようにして処理を行った。
得られた繊維は、SEM観察の結果、図2によく似た不均一な凹凸が生じており、凸部頂点と凹部の底との差は、少なくとも0.1μmを下回らなかった。この繊維のXPSによるO/C比は0.7であった。
比較例1
実施例1において、超音波も電磁波も与えずに繊維を処理し、実質的に処理を施さない状態の繊維を得た。この繊維を用いて繊維強化複合材料を作製し、圧縮強度を測定した結果、1.3GPaであり、これは実施例1の装置を通す前の繊維から作製した繊維強化複合材料が示す圧縮強度と同じ値であった。
本発明は、各種機能が求められるあらゆる機能化繊維の製造に適用でき、例えば、繊維強化複合材料用強化繊維、衣料用繊維のみならず、あらゆる用途の機能化繊維に適用可能である。また、本発明に係る技術思想は、繊維だけでなく、微粒子、フィルム、成形体などにも応用することが可能であり、さらにその応用範囲を、これらに限定することなく、さらに広い範囲にまで展開可能である。
本発明に係る機能化繊維の製造方法の一例を示す、実施例1で用いた装置の概略構成図である。 実施例1で得られた機能化繊維の走査型電子顕微鏡で観察した表面外観図である。 本発明に係る機能化繊維の製造方法の別の例を示す、実施例2で用いた装置の概略構成図である。
符号の説明
1 繊維
2 液体
3 電磁波発生装置
4 超音波発生装置
5 気泡及びプラズマ
5’ 気泡
6 フリーローラーからなるガイドローラー
6’ ニップローラー
7 真空チャンバー
8 真空装置

Claims (16)

  1. 繊維を液体に浸漬し、該液体中で気泡を発生させるとともに、該液体中に電磁波を照射することにより、前記液体に起因した化合物を繊維に付着せしめることを特徴とする、機能化繊維の製造方法。
  2. 超音波照射により前記液体中で気泡を発生させる、請求項1に記載の機能化繊維の製造方法。
  3. 前記液体中で気泡を発生させる方法として少なくとも液体の存在する場を減圧する、請求項1または2に記載の機能化繊維の製造方法。
  4. 前記液体中で気泡を発生させる方法として前記液体を加熱する、請求項1〜3のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  5. 前記液体に浸漬せしめる繊維を加熱する、請求項1〜4のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  6. 前記液体に浸漬せしめる繊維が炭素繊維である、請求項1〜5のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  7. 前記液体が炭素を有する化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  8. 前記液体が有機化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  9. 前記液体が炭化水素またはアルコールを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  10. 前記液体が珪素を有する化合物を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  11. 前記液体がシリコーンを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  12. 前記液体が水を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  13. 前記液体に浸漬した繊維を一定の速度で動かすことにより、繊維を連続処理する、請求項1〜12のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  14. 前記液体に起因した化合物を繊維に付着せしめた後、該繊維を酸化処理する、請求項1〜13のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
  15. 前記液体に起因した化合物がアモルファス性炭素である、請求項1〜9のいずれかに記載
    の機能化繊維の製造方法。
  16. 前記液体に起因した化合物がシリコンカーバイドである、請求項1〜6、10、11のいずれかに記載の機能化繊維の製造方法。
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