JP4452357B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な図柄を表示する表示手段と、該表示手段を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えた遊技機(パチンコ遊技機、スロットマシンのほか、TVゲーム機を含む)に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、弾球遊技機の一種のパチンコ遊技機においては、所定の条件が成立すると図柄を変動表示する表示手段を設け、その変動表示が停止したときの停止態様が所定の図柄の組合せ(いわゆる「大当り」)となった場合に、遊技者に利益を与えるようにしたものが提供されている。このような表示手段として、近年では様々な演出が可能な液晶表示器等の電気的表示装置が多く用いられている。
【0003】
このような電気的表示装置では、例えば、変動表示が所定の図柄の組み合わせで停止して特別遊技状態に移行したとき、あるいは遊技者に有利な開成状態に変換される可変入賞装置の開成回数や、特定の図柄をあと一つ所定の停止態様で停止すれば特別遊技状態への移行を示す状態、いわゆる「リーチ状態」になったとき、それを通常の表示動作とは別の態様で表示することにより、遊技者に大当りが近づいていることを認識させたりする等、遊技者の興趣を高める表示(演出表示)を行うことが可能となった。
【0004】
特に、大当りとなる可能性の高いリーチ状態となったときに行う演出表示は、「リーチアクション」と呼ばれ、文字やキャラクタ図柄等による様々な表示態様を表示することにより、遊技者の遊技結果に対する期待感を高めることができる。
【0005】
ところが、このようなリーチアクションは、それまで表示されていた演出画像をリーチアクション用の演出画像に差し換えて表示するものであり、リーチ状態を演出する画面への切り換えが唐突である。このため、一連の表示により関連性を表現したい場合、例えば物語を構成しているような場合、遊技者は、リーチ状態となったとき、今まで表示されていた表示内容が途切れた感じを受けてしまうという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するため、特開平8−10409号では、所定の条件が成立した場合に、背景画像の表示データの読出領域として異なる所定の領域が順次定められることにより、画像表示装置に背景画像がスクロール表示される旨開示され、これによれば、リーチ前後の関連性についてのスムーズな表現可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の弾球遊技機では、所定の条件が成立した場合に、画像表示装置に背景画像がスクロール表示されるだけで、スクロール後の表示態様は、スクロール前の表示態様と然程違いはなく、リーチアクションとしての変化に乏しい。従って、単に背景画像のスクロール表示を行うだけでなく、そのスクロール表示自体によって遊技者の大当りに対する期待感を高めるものが求められる。
【0008】
本発明の目的は、リーチ状態前の演出画面からリーチ状態中の演出画面への移行を、違和感なく且つ表示内容の連続性を損なわずに行うと共に、この移行の際に、遊技者の遊技結果への期待感を高めることのできる遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、遊技に必要な図柄、図柄の背後で表示される背景画像、演出画像を含む画像を表示する表示手段と、所定の入力信号に基づいて遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かの判定を行う主制御部、及び、該判定結果に対応した表示態様を表示するように前記表示手段を制御する副制御部を有する制御手段と、前記判定の結果に応じた演出画像の表示態様、図柄の背後で表示される前記背景画像のスクロール表示態様、及び演出画像の表示態様と背景画像のスクロール表示態様の対応関係を記憶する記憶手段とを備え、前記背景画像は、通常演出画像と、当該通常演出画像に対して複数の方向に複数種類の演出背景画像が、連続してつなぎ合わせてなる1つの画像によって構成され、前記表示手段に表示される図柄の表示態様は、変動表示が所定の停止態様で停止したとき特別遊技状態への移行を示し、前記記憶手段に記憶されるスクロール表示態様として、前記判定の結果によって前記特別遊技状態に移行する場合、前記特別遊技状態に移行しない場合と比較して選択される確率の高い方向のスクロール方向を含む、前記判定の結果に応じた複数のスクロール方向が記憶され、前記制御手段は、前記所定の停止態様を構成する図柄の一つが欠けているリーチ状態となる場合、前記判定の結果に応じて演出画像の表示態様を選択し、前記リーチ状態で表示されるまでは、前記背景画像として前記通常演出画像を停止表示し、前記図柄がリーチ状態で表示されたとき、選択された前記演出画像の表示態様に対応した前記背景画像のスクロール表示態様によって前記背景画像をスクロール表示して、対応する前記演出背景画像で停止した後、選択された前記演出画像の表示態様によって演出画像を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする遊技機が提供される。
【0012】
本発明の第の態様は、記憶手段に記憶されるスクロール表示態様は、判定の結果に応じたスクロール表示の移動量が記憶され、制御手段は、判定の結果に応じた移動量で背景画像をスクロール表示するように表示手段を制御することを特徴とする。
【0013】
本発明の第の態様は、記憶手段に記憶される複数のスクロール移動量は、判定の結果によって特別遊技状態に移行する場合、特別遊技状態に移行しないときと比較して選択される確率の高い移動量のスクロール移動量を含み、制御手段は、判定の結果に応じた移動量で背景画像をスクロール表示するように表示手段を制御することを特徴とする。
【0015】
【作用及び効果】
本発明の第1の態様によれば、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かの判定結果に応じた演出画像を選択し、背景画像をスクロール表示した後、演出画像を表示する。このため、リーチ状態前とリーチ状態中の表示画面の表示内容に関連性を有する場合、その関連性を損なうことなくリーチ状態中の演出画面へとスムーズに移行することができ、また、その関連性に広がりを持たせた表示を行うことができる。更に、スクロール表示後は、特別遊技状態に移行するか否かの判定結果に応じた演出画像を表示するので、スクロール表示中、遊技者は、上記判定結果が有利なときに表示される演出画像が現れることを期待してスクロール表示を注目することとなる。すなわち、スクロール表示自体が遊技者の期待感を高める演出表示としての役割を果たす。
【0016】
さらに、本発明の第の態様によれば、スクロール画像は、特別図柄の背景として表示される背景画像であり、スクロール表示により背景の移り変わりを表現可能に構成されている。このため、背景の移り変わりを理解するだけで、リーチ状態への移行が容易に認識できる。また、このようなスクロール表示により、どのような背景画像へと移るのかが予測でき、ストーリー展開が予想し易くなる。また、遊技者は全ての背景画像を見たいと考え、続けて遊技を行うこととなり、遊技店側にとっては、遊技機の稼働率の向上を期待できる。
【0019】
本発明の第3、第4の態様によれば、スクロール表示の移動量により、特別遊技状態に移行するかどうかの信頼度の変化を示す。ここで、スクロール表示の移動量が多い程特別遊技状態に移行する信頼度が高いとすれば、遊技者は、できるだけ多くスクロールすることを願い、興味を持ってスクロール表示を見守ることとなる。すなわち、遊技者の遊技に対する興趣が高まる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例のパチンコ遊技機について説明する。
【0021】
図1は、パチンコ遊技機1の遊技盤面10を示す正面図である。遊技盤面10のほぼ中央には、遊技に関連する図柄を表示する表示手段として液晶表示装置3が配置されている。この液晶表示装置3は、画像で表現される複数の図柄を変動表示して、3列の回転リールを擬似的に表示する。この変動表示する図柄を「特別図柄」という。特別図柄は、その変動表示が停止した時に所定の停止態様(例えば、“7−7−7”のような停止態様で、これを「大当り停止態様」という。)となれば、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を示すものである。この特別遊技状態とは、後述の大入賞口5が有利な状態に変換される場合で、具体的には後述する。
【0022】
また、液晶表示装置3において、上記特別図柄の変動表示中は、様々な演出表示が行われる。この演出表示は、種々の映像で表現される。本実施例では、動画(アニメーション)で表示される。
【0023】
図2は、液晶表示装置3の表示画面3aにおける表示例を示す。この表示画面3aでは、特定の表示領域50L,50C,50Rに特別図柄が変動表示され、これと同時に、他の表示領域で遊技に関連した演出表示が行われる。図2に示す演出表示は、演出図柄としてのキャラクタ51が太鼓を叩く様子を示している。このような演出表示では、その表示内容を遊技結果によって異ならせている。すなわち、演出表示の表示内容は、上記特別遊技状態にどの位の可能性で移行するかという情報である「大当り信頼度」や、リーチ状態にどの位の可能性で移行するかという情報である「リーチ発展率」を報知或いは示唆するものである。具体的な表示内容については、後述する。
【0024】
再び図1において、液晶表示装置3の下方には、遊技球が入ると液晶表示装置3の特別図柄の変動表示を開始させる始動入賞口4が設けられている。この始動入賞口4は、遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能な可変入賞装置からなり、これに遊技球が入賞すると所定個数(例えば5個)の賞球を払い出されるように定められている。なお、始動入賞口4は、遊技者にとって不利な第1状態であっても、遊技球が1個程度入賞可能な空間を保持しているので、遊技球の入賞は発生し得る。
【0025】
液晶表示装置3の上方には、7セグメントのLED表示装置2が設けられている。このLED表示装置2は、遊技盤面10上の通過球ゲート6a,6bを遊技球が通過することにより、変動表示を開始する。このLED表示装置2の変動表示が予め定められた数字(例えば、“7”)で停止すると、始動入賞口4が遊技者にとって有利な第2状態に変換される。
【0026】
LED表示装置2の周辺には、LED作動記憶ランプ16が4個設けられている。このLED作動記憶ランプ16は、通過球ゲート6a,6bを遊技球が通過する度に1個ずつ点灯することにより、その時点でのLED表示装置2の変動可能な回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものである。5回目以降の通過はカウントされず、無効となる。
【0027】
また、液晶表示装置3の上方の左右両側には、始動入賞記憶ランプ15が4個設けられている。これは、液晶表示装置3で特別図柄の変動表示が行われている最中に始動入賞口4に入賞する度に1個ずつ点灯することにより、その時点での液晶表示装置3の変動表示可能な回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものである。従って、このランプ15が4個全て点灯している状態での始動入賞口4への入賞は、変動表示開始条件としては無効になる。
【0028】
始動入賞口4の下方には、遊技者にとって不利な閉鎖状態(又は閉状態)と遊技者にとって有利な開成状態(又は開状態)とに変換可能な可変入賞装置としての大入賞口(いわゆるアタッカ)5が設けられている。大入賞口5は、液晶表示装置3での特別図柄の変動表示が停止して大当り停止態様を表示したときに、遊技者にとって有利な開成状態に変換される扉開閉式の可変入賞装置からなり、これに遊技球が入賞すると所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるように定められている。前述の特別遊技状態は、この大入賞口5の開成状態が所定条件成立(例えば、この開成状態中の大入賞口5へ遊技球が10個入賞したこと、或いは開成してから30秒経過したこと)まで継続する大当り遊技を、所定回数(例えば16回(ラウンド))行える遊技状態である。ただし、1ラウンド目の大当り遊技が終了した後、次のラウンドを行うためには、一般的に、特別遊技中に特定条件であるV継続条件(以下、「V入賞」という)を成立させる必要がある。
【0029】
ここで、本実施例のパチンコ遊技機では、上記大入賞口5が開成状態となっているときの特定期間内に特定の入賞領域(ここでは、大入賞口5)に遊技球を入賞させることでV入賞が成立するように設定されている。V入賞を成立可能な特定期間(以下、「V入賞成立可能期間」という)は、大入賞口5が開成状態となった時点からの5秒間と、大入賞口5が開成状態となった時点から15秒経過後20秒経過するまでの5秒間である。以下、「V入賞成立可能期間」中の大入賞口5を「Vゾーン」と称する。
【0030】
更に、遊技盤面10上には、風車12a,12b、入賞球がある毎に15個の賞球を遊技者に払い出す一般入賞口13a,13b,13c,13d,13e,13f、盤面サイドランプ14a,14b等が設けられている。
【0031】
以下、表示画面3aにおける表示の流れについて、図3のタイムチャートを参照して説明する。
【0032】
まず、前述の始動入賞口4に遊技球が入賞すると、液晶表示装置3での遊技が開始する。すなわち、図2(A1)に示すように、表示画面3aの表示領域50L,50C,50Rで特別図柄の高速変動を開始すると共に演出表示を開始する(図3のt1)。
【0033】
この図2(A1)は、特別図柄の変動表示が開始した直後の表示態様を示している。演出表示として、キャラクタ51が太鼓を叩く準備をしている様子を表示する。その後、図2(A2)に示すように、キャラクタ51が太鼓を叩く表示へと変化する。そして、キャラクタ51が太鼓を叩く動作に合せて、“ドン・ドン・ドン”との効果音が音発生手段としてのスピーカから出力され、その効果音に合せて左側の表示領域50Lでの特別図柄(左図柄という)の変動表示が、コマ送り変動する(図3のt2〜t3)。具体的には、最初の“ドン”との音(第1音)で一つの特別図柄を一旦停止表示した後、低速変動し、次の“ドン”との音(第2音)で第1音で一旦停止表示した図柄の1コマ先の特別図柄を一旦停止表示した後、低速変動し、さらに、最後の“ドン”との音(第3音)で第2音で一旦停止表示した図柄の1コマ先の特別図柄を停止表示する。
【0034】
図4の例では、第1音で特別図柄“五”を一旦停止表示し、第2音で一コマ変動して特別図柄“六”を一旦停止表示し、そして第3音でさらに一コマ変動して特別図柄“七”を停止表示する。すなわち、上記効果音の出力タイミングは、特別図柄の停止時期に同期させたものとなっている。
【0035】
このように、第3音に合せて停止表示した左図柄は、その後、「揺れ表示」に変化する(図3のt3)。この「揺れ表示」は、一つの特別図柄のみを表示するため、一見、停止しているように見えるが、微妙に揺れている。これにより、まだ図柄が確定しておらず、再変動の可能性のあることを示唆する。
【0036】
また、上記「揺れ表示」に変化した時(図3のt3)、スピーカからは“タカタッタ”との効果音が出力され、図2(A3)に示すように、再びキャラクタ51が太鼓を叩く表示となる。そして、キャラクタ51が太鼓を叩く動作に合せて、後述の「予兆音」がスピーカより出力され、右側の表示領域50Rの特別図柄(右図柄という)は、その予兆音に合せて変動する(図3のt4〜t5)。そして、「予兆音」の終了と同時に右図柄も停止する(図3のt5)。そして、停止した右図柄は、左図柄と同様、「揺れ表示」へと変化する。
【0037】
ここで、この右図柄の停止は、遊技者が一つ一つの図柄を識別不可能に変動表示する高速変動から、遊技者が一つ一つの図柄を識別可能に変動表示する低速変動となった後、上記「予兆音」が出力されて、3コマの図柄変動後に停止される。また、特別図柄が低速変動となった後、再び高速変動となって(いわゆる「スベリ」を行って)停止表示する場合もある。
【0038】
ここで、右図柄が上記低速変動となったときに、停止表示されている左図柄と同一の図柄が右表示領域50R内を識別可能に通り過ぎてしまえば、その左図柄と同一の図柄を識別した時点で、遊技者はリーチ停止態様を構成する図柄が通り過ぎてしまったためリーチ状態にならないことを認識してしまう。すなわち、遊技者は、リーチ状態にすらならずに“ハズレ”になることを右図柄の低速変動中に察知してしまう。従って、特別遊技状態に移行してほしいとの期待感が、右図柄停止前の段階で途切れてしまう。このような状態が何回も続くとすれば、遊技者は、興ざめしてしまって短時間で遊技をやめてしまうこととなる。
【0039】
そこで、本実施例では、停止表示されている左図柄と同一の図柄が、遊技者に識別可能な低速変動で右表示領域50R内を通り過ぎることのないような右図柄の停止動作を行うこととする。詳細は、「同一図柄通り過ぎ禁止処理」で後述する。
【0040】
左図柄の停止後、図2(A3)に示すように、左右が同一図柄のリーチ状態であれば、リーチ状態となったことを報知する効果音がスピーカより出力されると共に、図2(A4)に示すように、“リーチ!!”の文字が表示画面3aに大きく表示される。その後、後述の図9に示すような「リーチ発展示唆表示」を行う(図3のt6)。尚、リーチ状態となった直後、中央の表示領域50Cの特別図柄(中図柄という)が左右と異なる図柄で停止表示され、上述のような“リーチ!!”の文字は表示されずに“ハズレ”になる場合もある。この場合は、図2(A5)に示すようなキャラクタ51の表示となる。
【0041】
「リーチ発展示唆表示」の後、演出表示は、その後行われる「リーチ演出」毎の背景画像へとスクロールする「スクロール表示」となり(図3のt7)、この「スクロール表示」が終了すると「リーチ演出」へ突入する(図3のt8)。そして、「リーチ演出」を開始すると、中図柄はリーチ別の変動動作(「リーチ演出」の種類に応じた変動表示)を行う。例えば、「リーチ演出」として表示されるキャラクタの動きに合せた中図柄の変動表示となる。そして、「リーチ演出」が終了し、その時点(図3のt9)から所定時間(0.561秒)後(図3のt10)に中図柄が停止する。
【0042】
ここで、遊技者の一番の興味は、変動表示が停止したときの特別図柄の組合せが大当り停止態様になるかどうかであるから、特別図柄の停止動作に注目するあまり「リーチ演出」等の演出表示に対する興味は薄れがちである。しかし、上述のように、「リーチ演出」の終了した時点(図3のt9)から所定時間後(図3のt10)に中図柄を停止表示するようにすれば、「リーチ演出」を完全に見終わった後、余裕を持って特別図柄の停止動作に注目できる。このため、「リーチ演出」を様々な趣向を凝らしたものとした場合でも、特別図柄の停止動作を気にかけることなく、その内容を十分楽しむことができ、長時間遊技していても遊技者は飽きることがない。
【0043】
上記図3のt10で停止表示された中図柄が左右図柄と同一である場合、すなわち特別遊技状態への移行を示す大当り停止態様が表示された場合は、その同一図柄を揃えた状態で一斉に変動表示を開始する(これを「再変動」という)。この「再変動」を所定時間行った後(図3のt11)、同一図柄を揃えた状態(ただし、「再変動」前の停止態様と同一とは限らない)で再び停止表示し、その後「揺れ表示」となり、所定時間後に停止図柄が確定する(図3のt12)。なお、「リーチ演出」は、「再変動」前の中図柄停止時(図3のt10)の所定時間手前(図3のt9)で終了しているため、その終了時の表示態様をこの停止図柄が確定する時点(t12)まで保持するものとする。
【0044】
ここで、リーチ状態となるまで(図3のt1〜t5)の演出表示を「通常演出」、リーチ状態の時の左右の停止図柄を各々「リーチ図柄」、左右の「リーチ図柄」による停止態様を「リーチ停止態様」、一遊技において最終的に確定した3つの停止図柄(“ハズレ”の場合はt10の時点で確定する停止図柄、“大当り”の場合はt12の時点で確定する停止図柄)を各々「確定図柄」、3つの確定図柄による停止態様を「確定停止態様」というものとする。
【0045】
ここで、確定停止態様が、特定図柄(“三”,“五”,“七”のいずれかで、いわゆる「確変図柄」)が3つ揃った大当り停止態様(以下、「特定停止態様」という)が表示されたときは、「特定遊技状態」への移行を示す“確変大当り”となる。「特定遊技状態」とは、始動入賞口4が高頻度で有利な第2状態に変換されると共に、液晶表示装置3での遊技が高確率で“大当り”の判定となる、遊技者にとって非常に有利な遊技状態である。
【0046】
そこで、「再変動」前の大当り停止態様が上記「特定停止態様」である場合、再変動後の確定停止態様も「特定停止態様」で必ず停止するものとする。これは、一旦「特定停止態様」が表示されたことにより遊技者が抱いた“確変大当り”への期待を裏切らないためである。一方、「再変動」前の大当り停止態様が上記「特定停止態様」でない場合(「非特定図柄態様」という)は、「再変動」後の確定停止態様は「特定停止態様」又は「非特定図柄態様」のどちらかで停止するものとする。これは、一旦表示された大当り停止態様が「非特定停止態様」であるため、遊技者は“確変大当り”に対する期待をそれほど抱いていないため、確定停止態様が「非特定図柄態様」であっても遊技者の期待は裏切らない。もちろん、確定停止態様が「特定図柄態様」であれば、遊技者の遊技に対する興趣はより増大する。
【0047】
更に、表示される「特定停止態様」の種類によって遊技者に与える利益を異ならせるようにした場合(例えば、特定図柄“三”が3つ揃ったときと,特定図柄“五”が3つ揃ったときとで、遊技者に与える利益を異ならせるようにした場合)、「再変動」前に「特定停止態様」を視認した遊技者は、その後の「再変動」中、どの特定図柄で「特定停止態様」が表示されるかどうかを注目し、遊技に対する興趣がさらに高まる。
【0048】
また、本実施例では、確定停止態様が大当り停止態様となる場合、「再変動」開始(図3のt9)以前のリーチ停止態様として、前回出現したリーチ停止態様を再度表示する。このように、遊技結果が大当り停止態様となる場合に同一のリーチ停止態様を連続させることで、遊技者に対して、“大当り”となる可能性が高いことを事前に報知することが可能となる。すなわち、事前に大当り判定をしていなくても、前回のリーチ停止態様出現時において既に大当り判定を行っていたかのような演出が可能となる。これによれば、前回のリーチ停止態様を認識している遊技者にとっては、再度同一のリーチ停止態様を認識することで、“大当り”になるのではないかという期待感が高まる。なお、「再変動」前のリーチ停止態様を前回のリーチ停止態様と同一とする処理については、後述の「リーチ図柄取得処理」で説明する。
【0049】
前述のように図3のt4で出力される予兆音は、特別遊技状態の一例の大当り状態及びリーチ状態に移行する可能性がどの位あるかという情報を示す。すなわち、大当り信頼度及びリーチ発展率の変化が、当該予兆音の変化で示される。このような予兆音は、具体的には上記第1音から第3音について予め定めた音(リズム)の組合せにより構成される。
【0050】
本実施例では、予兆音を構成する音(リズム)の組合せとして、4種類のリズムパターン(リズムA〜リズムD)が設定される。具体的には、図5に示すように、予兆音が“ドン・ドン・ドン”という音の組合せで出力される“リズムA”、“ド・ドン・ドドン”という音の組合せで出力される“リズムB”、“ドン・ドドン・ドドン”という音の組合せで出力される“リズムC”、“ドドドド・ドドドド・ドン”という音の組合せで出力される“リズムD”である。
【0051】
図6は、予兆音の各種リズムパターンの出現率と、各種リズムパターンの大当り信頼度及びリーチ発展率を示す。この図6では、“リズムD”,“リズムC”,“リズムB”,“リズムA”の順番で大当り信頼度が高い。“リズムD”は、リーチ発展率及び大当り信頼度が共に100%であることを示す。
【0052】
また、これらの予兆音の出力は、右図柄の停止と同期して終了する(図3のt5)。従って、この予兆音の出力に同期して行われる特別図柄の停止動作は、左図柄の停止動作と同様、予兆音の第1音で図柄を一旦停止し、次の第2音でさらに1コマ先の図柄を一旦停止し、そして、最後の第3音で、さらに1コマ先の図柄で停止を確定する。
【0053】
また、左図柄の停止動作が効果音に合わせて行われる時(図3のt2〜t3で、以下「左図柄停止動作時」という)及び右図柄の停止動作が予兆音に合わせて行われる時(図3のt4〜t5で、以下「右図柄停止動作時」という)に表示されるキャラクタ51の動作も、大当り状態及びリーチ状態に移行する可能性がどの位あるかという情報を示す。具体的には、左図柄停止動作時および右図柄停止動作時に表示されるキャラクタ51の動作の変化(動作パターン)によって、大当り信頼度及びリーチ発展率を異ならせて報知する。
【0054】
図7は、左図柄停止動作時および右図柄停止動作時に表示されるキャラクタ51の動作パターンを示す。ここでは、3種類の動作パターンが設定されている。キャラクタ51の太鼓の叩き方と、キャラクタ51の持つ撥(ばち)から発する光の色とで、“緑”、“赤”及び“青”に区別される。これら3種類の動作パターンによる演出表示を「叩き予兆」という。
【0055】
図8は、予兆音(リズムA〜D)と叩き予兆(緑,赤,青)との組合せ毎の出現率、大当り信頼度、及びリーチ発展率を示す。この図8に示すように、どの予兆音が出力される場合でも、左図柄停止動作時の「叩き予兆」及び右図柄停止動作時の「叩き予兆」が同一内容で表示された場合は、大当り信頼度が高く、リーチ発展率については100%である。従って、音予兆でリーチ発展率等が認識できなくても、このようなキャラクタの動作パターンで容易に認識できる場合もある。
【0056】
次に、前述の図3に示すように、右図柄が停止してリーチ状態となった場合、“リーチ!!”との表示の後、t6〜t7の間に表示される「リーチ発展示唆表示」について説明する。これは、図9(B1)に示すように、リーチ図柄が半透明となりキャラクタ51等の演出表示に代わって、“提灯”が表示される場合や、図9(B2)に示すように、“花火”が表示される場合がある。この「リーチ発展示唆表示」は、その後行われるリーチ演出がどのような演出パターンとなるのか、すなわち、その後行われるリーチ演出が大当り信頼度の高いものとなるかどうかを示唆するものである。
【0057】
具体的には、図9(B1)に示すように「リーチ発展示唆表示」として“提灯”が表示された場合は、その後、後述の図12に示す“神輿リーチ”、“男比べリーチ”或いは“盆踊りリーチ”に発展する。また、図9(B2)に示すように、「リーチ発展示唆表示」として“花火”が表示された場合は、その後、大当り信頼度の高い“金魚すくいリーチ”、“射的リーチ”或いは“たこ焼きリーチ”へと発展する。
【0058】
従って、本実施例のように、「リーチ演出」として複数の演出パターンが設定されている場合でも、この「リーチ発展示唆表示」を見るだけで、その後どの「リーチ演出」に発展するかについての大まかな予想ができる。また、「リーチ発展示唆表示」が、大当り信頼度の高い「リーチ演出」に発展することを示唆するもの(上記“花火”)であれば、遊技者は、その「リーチ発展示唆表示」を見た時点で大きな期待感を持ってその後の「リーチ演出」に注目することとなり、遊技の興趣が高まる。
【0059】
また、本実施例の「リーチ発展示唆表示」は、「通常演出」から「リーチ演出」へ移行するときの“つなぎ”としての役割もある。すなわち、“つなぎ”としての「リーチ演出示唆表示」によって、「通常演出」の終了と「リーチ演出」の開始を明確に遊技者に認識させることができる。また、図9に示す具体例のように、「リーチ発展示唆表示」の表示中は、背景が黒くかつリーチ図柄が半透明になることから、「通常演出」の終了画面をフェードアウトして上記「リーチ発展示唆表示」を表示した後「リーチ演出」の開始画面をフェードイン(又はカットイン)することで、映画の場面の移り変わりのような表現が可能となる。
【0060】
また、本実施例の場合、液晶表示装置での遊技の統一テーマを“祭り”に設定しているので、この「リーチ発展示唆表示」で表示される内容が“提灯”又は“花火”であることから、違和感のない“つなぎ”が実現され、また、その後のリーチ演出での表示内容に対する期待感を高めるという効果がより高められる。
【0061】
前述のt7〜t8(図3)の間で行われる「スクロール表示」は、「リーチ演出」への突入を盛り上げる演出である。具体的には、表示画面3aに映し出されている背景画像について、あたかもカメラの視点が左右方向に移動するような背景画像の変化で表される。
【0062】
図10(A)は、「スクロール表示」が行われるスクロール画像の全範囲を示している。領域60内に表示される画像は、表示画面3aに映し出される背景画像となる。この領域60がスクロール画像上を左右に移動して「スクロール表示」が行われる。
【0063】
図10(B)は、スクロール画像のうち「リーチ演出」における背景画像(以下、「リーチ演出背景画像」という)として表示される部分を示している。
【0064】
リーチ状態となるまでの「通常演出」中は、やぐらの組まれた“公園”を背景として表示しており、「リーチ演出」を開始すれば、その「リーチ演出」の種類に応じた背景画像となるまで「スクロール表示」が行われる。
【0065】
右方向に「スクロール表示」が行われた場合は、「リーチ演出背景画像」として“金魚すくい屋”、“射的場”又は“たこ焼き屋”が表示画面3aに表示される。後述の「リーチ演出」である“金魚すくいリーチ”、“射的リーチ”及び“たこ焼きリーチ”は、上記の各「リーチ演出背景画像」上でそれぞれ表示される。
【0066】
左方向に「スクロール表示」が行われた場合は、「リーチ演出背景画像」として“鳥居”又は“神社”が表示される。後述の“男比べリーチ”及び“神輿リーチ”は、上記の各「リーチ演出背景画像」上で表示される。
【0067】
なお、後述の“ノーマルリーチ”又は“盆踊りリーチ”に発展する場合は、「スクロール表示」は行われず、「通常演出」中の背景画像である“公園”をそのまま背景画像として演出表示が行われる。ここで、図10はスクロールが左右方向に行われる場合の例であるが、スクロールは上下方向に行うようにしてもよい。その場合の背景画像の例を図11に示す。
【0068】
この図11に示す背景画像は、上述の“祭り”を統一テーマとした遊技機とは別の遊技機の場合について示し、ここでは、オフィスビル内部を遊技者(観察者)側からの視点で表している。左右方向のスクロールでは、観察者がオフィスビル内のフロアを左右に眺めるような視点の移動で表わされ、上下方向のスクロールは、観察者がエレベータに乗ったときに視点に入ってくる背景の変化で表わされる。
【0069】
この図11に示す背景画像のうち、「リーチ演出」が行われる時の「リーチ演出背景画像」の種類によって、大当り信頼度を異ならせるものとする。また、上下階のどちらのフロアで「リーチ演出」が行われるかによって大当り信頼度を異ならせたり、左右方向の「スクロール表示」時には、視点が左右のどちらの方向に視点が移動するかによって大当り信頼度を異ならせるものとする。
【0070】
次に、図12は、各「リーチ演出」が表示画面3aに表示された場合の大当たり信頼度、背景画像とそのスクロール方向、及び各「リーチ演出」が行われる前の「リーチ発展示唆表示」の対応関係を示している。本実施例では、“ノーマルリーチ”、“神輿リーチ”、“男比べリーチ”、“盆踊りリーチ”、“金魚すくいリーチ”、“射的リーチ”、及び“たこ焼きリーチ”の7種類の「リーチ演出」が設定されている。
【0071】
大当り信頼度は、右方向にスクロールする場合、右端の“たこ焼き屋”をリーチ演出背景画像とする“たこ焼きリーチ”で20.59%と一番高く、続いて“射的場”をリーチ演出背景画像とする“射的リーチ”で10.73%、“金魚すくい屋”をリーチ演出背景画像とする“金魚すくいリーチ”で6.54%の順番である。また、左方向にスクロールする場合は、左端の“神社前”をリーチ演出背景画像とする“神輿リーチ”の大当り信頼度が、手前の“鳥居”をリーチ演出背景画像とする“男比べリーチ”よりも高く設定されている。また、「スクロール表示」が行われない“ノーマルリーチ”及び“盆踊りリーチ”の大当り信頼度は、「スクロール表示」が行われる場合よりも低く設定されている。
【0072】
すなわち、大当り信頼度は、「スクロール表示」のない場合に比べて「スクロール表示」のある方が高く、また、「スクロール表示」のある場合でも、左方向にスクロールする場合より、右方向にスクロールする方が大当り信頼度を高く設定している。さらに、左右いずれの方向に「スクロール表示」が行われた場合であっても、スクロールの移動量が多くなる程、大当たり信頼度が高設定している。例えば、右方向に「スクロール表示」が行われた場合には、スクロールの移動量が最大である“たこ焼き屋”をリーチ演出背景画像としたときの大当たり信頼度が高くなっている。
【0073】
従って、遊技者は、「リーチ演出」が行われる直前の「スクロール表示」の動向にも注目し、特に大当り信頼度が高くなる右方向への「スクロール表示」を期待し、さらには右端までの「スクロール表示」が行われることを期待する。このように、「スクロール表示」から大当り信頼度を把握可能とすることで、リーチ状態発生後、「リーチ演出」に発展するまでの間の表示画面3aの表示内容に対する興趣が高まる。
【0074】
以下、各「リーチ演出」のそれぞれの表示態様について説明する。
【0075】
“ノーマルリーチ”中の演出表示は、上述の通り、通常遊技中のやぐらの組まれた“公園”を背景としたまま行われる。この時、キャラクタ51は、中図柄が大当り停止態様を構成する図柄(以下、「大当り図柄」という)で停止するように狙って太鼓を叩くような動作を行い、その動作に合せた中図柄の変動後を行い、停止する。上述の通り、中図柄の停止表示は、この“ノーマルリーチ”の演出表示が終了した時点から所定時間後に行われる。具体的には、キャラクタ51が大きく太鼓を叩く演出表示によって“ノーマルリーチ”を終了した後、所定時間(0.056秒)後に中図柄が停止する。
【0076】
“盆踊りリーチ”は、“ノーマルリーチ”と同様に、“公園”を背景としたまま行われ、三人の女性キャラクタが“盆踊り”をする様子が表示される。この“盆踊りリーチ”では、変動表示を継続中の特定の表示領域内での図柄の動きが、演出表示の変化に応じて変化する。具体的には、中図柄の動きがその真下に表示される女性キャラクタの動きに合せて変化する。この“盆踊りリーチ”の表示画面を図13に示す。
【0077】
図13(C1)に示すように、“盆踊りリーチ”の開始時には、中央の女性キャラクタ52Cが正面を向いて手拍子を開始する。この手拍子に合せて、中図柄の変動表示が一旦停止して、正面で上下に弾むような動作を行う。
【0078】
次に図13(C2)に示すように、この女性キャラクタ52Cが右側に手を払うような動きをし、この動きに合せて中図柄は右側に半回転する。次に図13(C3)に示すように、女性キャラクタ52Cが左側に手を払うような動きをし、この動きに合せてその中図柄は左側に半回転する。
【0079】
さらに図13(C4)に示すように、女性キャラクタ52Cが右方向に体全体を回転させると、この動きに合せて中図柄も右方向に回転する。女性キャラクタ52Cが左方向に体全体を回転させると、この動きに合せて特別図柄も左方向に回転する。
【0080】
このようなキャラクタ52Cと中図柄の動きを繰り返し、最後に図13(C5)に示すように、キャラクタ52Cが“大きく両手を上げる”演出表示によって“盆踊りリーチ”が終了し、その後、変動表示中の中図柄が大当り停止態様となる図柄を停止する。上述の通り、中図柄の停止するタイミングは、この“盆踊りリーチ”の演出表示が終了した時点から所定時間後となる。具体的には、キャラクタ52Cが“大きく両手を上げる”演出表示を行って“盆踊りリーチ”を終了した後、所定時間(0.056秒)後に中図柄が停止する。なお、中図柄が大当り停止態様となる図柄で停止しない場合、すなわち“ハズレ”の場合は、上述のように、キャラクタ52Cが“大きく両手を上げる”演出表示は行われず“盆踊りリーチ”が終了する。
【0081】
次に、“男比べリーチ”は、背景が左側にスクロールされ、背景画像として“鳥居”が表示されたときに行われ、当該「リーチ演出」中は、中央位置に表示される女性キャラクタが、“左右の男性キャラクタのどちらをパートナーとするかについて迷っている様子”が表示され、最終的に、“主人公の男性キャラクタ(この液晶表示装置での遊技において主人公として設定されている男性キャラクタ)に抱きつく様子”が表示されれば、この“男比べリーチ”は終了し、その後(0.056秒後)、中図柄は大当り停止態様となる図柄で停止する。従って、女性キャラクタが、最終的に“主人公ではない男性キャラクタに抱きつく様子”が表示されれば、中図柄は大当り停止態様となる図柄では停止せず、“ハズレ”となる。
【0082】
なお、この“男比べリーチ”中は、図12に示すように特別図柄がハート型で表示され、そのハート型の特別図柄が心臓の鼓動を示すかのように拡縮変動するものとする。この図柄の拡縮変動は、女性キャラクタにパートナーとして選ばれることを期待する主人公の男性キャラクタの心境を表現しており、これは即ち、“大当り”を期待する遊技者の心境を反映したものである。
【0083】
“神輿リーチ”は、背景がスクロール範囲の左端までスクロールされ、背景画像として“神社”が表示されたときに行われ、演出表示として大勢のキャラクタによる“神輿振り”の様子が表示される。この“神輿リーチ”中は“神輿振り”によって上下に揺れる神輿の動きに合せて中図柄が変動する。そして、このような神輿の上下の動きに合せた図柄変動が繰り返され、所定回数目(4回目)の図柄変動によって“神輿リーチ”が終了し、その後(0.056秒後)中図柄が停止するものとする。この“神輿リーチ”の具体例については「変動図柄固定処理」として後述する。
【0084】
“金魚すくいリーチ”は、背景が右側にスクロールされ、背景画像として“金魚すくい屋”が表示されたときに行われ、当該「リーチ演出」中は、主人公の男性キャラクタが“金魚すくいを行う様子”が表示される。当該キャラクタが金魚をすくい上げ、その金魚をつかみとることができれば、“金魚すくいリーチ”の演出表示は終了し、その後(0.056秒後)、中図柄を大当り停止態様となる図柄で停止する。一方、主人公の男性キャラクタが金魚をつかみとることができずに“金魚すくいリーチ”の演出表示を終了すれば、その後(0.056秒後)、中図柄は大当り停止態様となる図柄では停止せず、“ハズレ”となる。
【0085】
“射的リーチ”は、背景が“金魚すくい屋”よりさらに右側にスクロールされ、背景画像として“射的場”が表示されたときに行われ、当該リーチ中は、主人公の男性キャラクタが“射的を行う様子”が表示され、最終的に的となる景品を倒すことができれば、“射的リーチ”の演出表示は終了し、その後(0.056秒後)、中図柄を大当り停止態様となる図柄で停止する。一方、主人公の男性キャラクタが、的となる景品を倒すことができずに“射的リーチ”の演出表示を終了すれば、その後(0.056秒後)、中図柄は大当り停止態様となる図柄では停止せず、“ハズレ”となる。
【0086】
“たこ焼きリーチ”は、背景が右側にスクロールされ、背景画像として“たこ焼き屋”が表示されたときに行われる。そして、この“たこ焼きリーチ”となれば、3つの左,右,中図柄はそれぞれ“たこ焼き”で表され、キャラクタ51が“たこ焼き”で表される特別図柄をひっくり返す様子で表示される。従って、“たこ焼き”がひっくり返される度に、図柄が変動するような表示となる。
【0087】
“たこ焼きリーチ”が行われた場合の図柄変動の具体例(大当り停止態様となる場合)について、図14のタイムチャートに示す。
【0088】
左,右図柄が、“確変大当り”となる特定図柄“三”で停止してリーチ停止態様を表示した後、中図柄が左右のリーチ図柄と異なる非特定図柄“二”を停止する。
【0089】
その後、キャラクタ51が、左→右→中の順番で左,右,中図柄を表す“たこ焼き”をひっくり返すことで左,右,中図柄がそれぞれ変動し、そして、左図柄→右図柄の順番で停止して非特定図柄“四”によるリーチ停止態様を表示した後、中図柄が左右と異なる特定図柄“三”を停止する。
【0090】
再び、キャラクタ51が、左→右→中の順番で左,右,中図柄を表す“たこ焼き”をひっくり返すことで左,右,中図柄がそれぞれ変動し、そして、左図柄→右図柄の順番で停止して特定図柄“五”によるリーチ停止態様を表示した後、中図柄が左右と異なる非特定図柄“四”を停止する。
【0091】
そして、キャラクタ51が、中図柄を表す“たこ焼き”のみをひっくり返すことで中図柄が変動し、左,右図柄と同じ特定図柄“五”を停止する。すなわち、特定図柄“五”が揃った「特定停止態様」を表示する。
【0092】
その後、キャラクタ51が、左,右,中図柄を表す“たこ焼き”を一斉にひっくり返すことで左,右,中図柄がそれぞれ変動し、その後、特定図柄“三”を3つ揃えた「特定停止態様」で停止する。以上で、“たこ焼きリーチ”は終了となる。
【0093】
このように、“たこ焼きリーチ”では、「リーチ演出」中、中図柄だけでなく、左,右図柄についても変動表示が行われる。上記の例のように、「特定図柄」でリーチ状態となった場合でも、数回にわたる変動で、「非特定図柄」でリーチ停止態様を表示することもあるので、非常に変化の激しい演出となる。さらに、遊技者は、最終的な大当り停止態様(再変動前の大当り停止態様)が最初のリーチ停止態様どおり、「特定停止態様」となってくれるかどうかが気になり、最後まで変動表示に注目することとなる。
【0094】
従って、最初のリーチ停止態様を見た遊技者の期待感を裏切ることのない遊技結果となるように、最初のリーチ停止態様が「特定図柄」で構成されている場合は、最終的な大当り停止態様も「特定停止態様」とすることとしている。すなわち、最初のリーチ停止態様が「特定図柄」で構成されている場合は、最終的な大当り停止態様は「非特定停止態様」となるようなことのないようにする。
【0095】
次に、図15は、特別遊技状態中の表示画面3aでの演出表示及び効果音についての変化の流れを示すタイムチャートである。この特別遊技状態は、前述の通り、「再変動」後、確定停止態様が表示された後に移行される遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0096】
まず特別遊技状態に移行したことを報知する「大当り遊技開始画面」を表示画面3aに表示すると共に、効果音として“ファンファーレ”を流す(t13)。続いて、大当り遊技の“第1ラウンド”開始を報知する「ラウンド数報知画面」を表示画面3aに表示し(t14)、大入賞口5を開成状態とする(t15)。
【0097】
そして、大入賞口5が開成状態となった時点(t15)からV入賞が成立する時点(t16)までは、後述の「V誘導メッセージ」を表示画面3aに表示し、V入賞が成立した時点(t16)から、大入賞口5が閉鎖する(“第1ラウンド”終了)時点(t17)までは、各ラウンド用(ここでは、“第1ラウンド”用)に予め設定した演出画面(以下、「開放画面」という)を表示する。なお、各ラウンドの終了条件は、上述の通り、大入賞口5への10球入賞或いは大入賞口5の開成後30秒経過である。
【0098】
以上の「ラウンド数報知画面」、「V誘導メッセージ」、及び各ラウンド用の「開放画面」は“第16ラウンド”が終了する時点(t61)まで繰り返し行われる。“第16ラウンド”終了後は特別遊技状態の終了を報知する「大当り遊技終了画面」を表示画面3aに表示すると共に、特別遊技状態の終了を報知する効果音(大当り遊技終了音)を流す。
【0099】
また、特別遊技状態中の効果音としては、2種類の効果音(V入賞成立音1,V入賞成立音2)が設定されており、図15に示すように、V入賞成立(「Vゾーン」への遊技球入賞)毎にこれら2種類の効果音を相互に切り換える。すなわち、大入賞口5が開成状態となった後、「Vゾーン」となった大入賞口5への遊技球通過毎にスピーカから出力される音が変化する。このため、特別遊技状態中の効果音の単調さを解消することができる。また、V入賞成立毎に音が変化するので、遊技者はV入賞成立により特別遊技状態の継続が確定したことを確実に認識することができると共に、特別遊技状態中の効果音がバランスのよいタイミング変化するので、特別遊技状態中の大当り遊技がテンポよく行われ、遊技全体として興趣を高めることができる。
【0100】
また、本実施例では、遊技者に対し、現在の遊技状態が「V入賞成立可能期間」であるか否か、すなわち大入賞口5が「Vゾーン」となっているかどうかを確実に認識させ、V継続を確実に果たさせる操作を行わせるための案内表示(「V誘導メッセージ」という)を表示画面3aに表示する。ここで、前述の通り、「V入賞成立可能期間」は、大入賞口5が開成状態となった時点からの5秒間と、大入賞口5が開成状態となった時点から15秒経過後20秒経過するまでの5秒間である。
【0101】
「V誘導メッセージ」の表示内容とその表示タイミングを図16に示す。大入賞口5が開成状態となれば、表示画面3aには、“3人の女性による盆踊りの様子”を表わす演出表示と“○秒以内に玉を入れてね”との「V誘導メッセージ」が表示される(D1)。この「V誘導メッセージ」は、五秒以内に大入賞口5に遊技球を入賞させればV継続を果たすことができる旨を報知するものである。また、「V入賞成立可能期間」中、「V誘導メッセージ」は、「五秒以内に玉を入れてね」→「四秒以内に玉を入れてね」→「三秒以内に玉を入れてね」→「二秒以内に玉を入れてね」→「一秒以内に玉を入れてね」というようなカウントダウン表示を行い、遊技者が「V入賞成立可能期間」の残時間を確実に把握できるような報知を行う。なお、大入賞口5が開成状態となった時点から5秒以内に大入賞口5に遊技球の入賞を果たせた場合、その時点で、表示画面3aには、上記「V誘導メッセージ」を表示する画面に代えてV入賞の成立を遊技者に報知する「開放画面」(図示せず)が表示される。
【0102】
次に、大入賞口5が開成状態となった時点から五秒経過してもV入賞が成立していない場合、その後、再びV入賞成立可能期間となるまで(大入賞口5が開成状態となった時点から5秒経過後15秒経過するまでの10秒間)は、表示画面3aには、“3人の女性による盆踊りの様子”を表わす演出表示と“あと○秒待ってね!”という遊技球を発射せずに待機を促すメッセージ表示(以下、「待機メッセージ」という)が表示される(D2)。これは、V入賞を成立させるためには、あと○秒待つ必要があることを報知するものである。
【0103】
また、この「待機メッセージ」も、上記「V誘導メッセージ」と同様に、「あと十秒まってね!」→「あと九秒まってね!」→…→「あと二秒まってね!」→「あと一秒まってね!」というようなカウントダウン表示を行い、遊技者が、V入賞成立が不可能な期間を確実に把握できるような報知を行う。
【0104】
この「待機メッセージ」に従うことにより、遊技者は、「V入賞成立可能期間」外の期間に遊技球を発射してしまい、例えばその間に10個の遊技球が大入賞口5に入賞してしまい、V入賞が成立せずに特別遊技状態が終了してしまうという不利益を受けることがない。
【0105】
図17は、本発明のパチンコ遊技機における電気回路部を示すブロック図である。
【0106】
本発明のパチンコ遊技機における制御手段は、大きく主制御部と副制御部に分けられ、この図17に示すように、制御手段としての電気回路部は、主制御部を構成する主基板30と、副制御部を構成する、図柄制御基板31、音制御基板32、賞球制御基板33、および中継基板34とからなる。
【0107】
主基板30は、パチンコ遊技機の遊技状態を制御するための制御回路を内部に構成している。この制御回路には、制御用のプログラムを記憶している読み出し専用の記憶手段としてのROM(Read Only Memory)と、読み書き可能な記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)と、上記ROMに記憶されているプログラムに従って制御動作を実行する中央処理装置としてのCPU(Central Processor Unit)とが設けられている。ここで、主基板30内のCPU、ROM及びRAMを、後述の図柄制御基板31内のCPU等と区別するために、以下、メインCPU30a、メインROM30b及びメインRAM30cとする。このメインCPU30aは、リセット信号の入力により上記メインROM30bに記憶している制御用のプログラムの先頭からの処理を実行する。
【0108】
上記主基板30に接続された中継基板34には、遊技球の検知手段として、通過球ゲート6a,6bでの遊技球の通過を検出する通過球センサ20、始動入賞口4での遊技球の入賞を検出する始動入賞球センサ22、大入賞口5での遊技球の入賞を検出する大入賞球センサ25、一般入賞口13a,13b,13c,13d,13e,13fでの遊技球の入賞を検出する入賞球センサ21、図示しない球発射装置からの発射球を検出する発射球センサ23、及び発射されたが遊技盤面上に到達しないで戻ってきた遊技球を検出する戻り球センサ24が接続される。また中継基板34には、アクチュエータとして、LED表示装置2、盤面サイドランプ14a,14b等が接続されるランプ表示装置41、始動入賞口4、及び大入賞口5が接続されている。
【0109】
上記各センサが遊技球を検知すれば、その検知信号は上記主基板30内のメインCPU30aに入力され、その検知信号の入力に応じて上記の各種アクチュエータがそれぞれ駆動制御される。また、図柄制御基板31、音制御基板32、及び賞球制御基板33に対してもそれぞれ制御命令が送信される。
【0110】
遊技中、通過球センサ20が、通過球ゲート6a,6bでの遊技球通過による検知信号を出力すると、上記主基板30内のメインCPU30aは、この検知信号に応じ、LED表示装置2での遊技に関する入賞判定を行う。そして、その判定結果に基づいてLED表示装置2の表示を制御する。
【0111】
始動入賞球センサ22が、始動入賞口4での遊技球入賞による検知信号を出力すると、上記主基板30内のメインCPU30aは、この検知信号に基づいて生成した液晶表示装置3での遊技に関する各種制御実行命令(実行コマンド)を図柄制御基板31に送信する。そして、当該実行コマンドを受信した図柄制御基板31は、液晶表示装置3で表示すべき画像データを生成し、該画像データを基に表示制御を行う。
【0112】
図柄制御基板31は、上記主基板30から受信した実行コマンドを基に表示すべき画像データを生成し、該画像データの表示制御を実行するための制御回路を構成する。この図柄制御基板31内には、主基板30から受信した実行コマンドの解釈および後述のVDP31dのパラメータ設定を行うサブCPU31aと、図柄制御基板31内で実行する制御プログラムを格納するプログラムROM31bと、上記制御プログラムを実行するときの一時的な記憶手段としてのワークRAM31cと、画像を形成するためのドットデータを格納する画像ROM31eと、サブCPU31aで設定されたパラメータに応じて画像ROM31e内のドットデータを読み込み表示すべき画像データを生成するVDP(Video Display Processor)31dと、VDP31dで生成された画像データをRGB信号に変換するD/A変換器31gと、所定時間ごとに割込をかけるためのCTC( Counter Timer Circuit )31f、制御プログラムが異常な処理ルーチンに入った時にサブCPU31aおよびVDP31dを初期状態に戻すためのリセット命令を発生するリセットIC31hとが設けられている。
【0113】
更に、始動入賞球センサ22が始動入賞口4での遊技球入賞を検知したとき、主基板30内のメインCPU30aは、液晶表示装置3での遊技に関する入賞判定を行う。そして、その判定結果が入賞であれば、大入賞口5の扉を開いて遊技球が人賞しやすい上記開状態に変換する。
【0114】
また、音制御基板32は、遊技状況に応じて主基板30から出力される音発生指令信号に応じて、音データを生成し、生成した音データを音発生手段としてのスピーカ40に出力する。スピーカ40は、入力された音データにより音を発生する。
【0115】
賞球制御基板33は、各種入賞に応じて主基板30から出力される払い出し指令信号に応じて、賞球装置43を駆動させ、パチンコ球を払い出す。
【0116】
以下、主基板30及び図柄制御基板31で行われる制御処理について説明する。
【0117】
主基板30では、図18に示す「メイン遊技制御処理(ST1〜ST7)」を繰り返し行うとともに、「割込み許可フラグ」がセットされていることを条件に定期的(例えば3ms毎)に、図19に示す「割込み処理(ST10〜ST20)」を行う。
【0118】
図18に示す「メイン遊技制御処理」では、最初に「割込み許可フラグ」をセットし(ST1)、続いて「停止図柄選択用乱数カウンタ」及び「リーチ判定用乱数カウンタ」の更新処理を行う(ST2)。
【0119】
図20は、この制御処理で用いられる各種の乱数カウンタの更新範囲を示し、「停止図柄選択用乱数カウンタ」の更新範囲は“0〜13”で、「リーチ判定用乱数カウンタ」の更新範囲は“0〜9”となっている。
【0120】
「停止図柄選択用乱数カウンタ」は、“大当り”を発生させるか否かの大当り判定での判定結果が“ハズレ”のときに表示画面3aにどの図柄を停止表示するかの選択に用いられる。当該カウンタは、更新処理毎にカウントアップ(+1加算)され、0からその上限値13までカウントアップし、再度0からカウントアップしなおすように構成されている。なお、この「停止図柄選択用乱数カウンタ」は、「左停止図柄選択用乱数カウンタ」、「中停止図柄選択用乱数カウンタ」、及び「右停止図柄選択用乱数カウンタ」の3つのカウンタで構成され、それぞれ別個に更新処理を行う。
【0121】
「リーチ判定用乱数カウンタ」は、上記判定結果が“ハズレ”のとき、左,右図柄が停止したときにリーチ状態とするかどうかの判定に用いられ、0からその上限値9までカウントアップし、再度0からカウントアップしなおすように構成されている。
【0122】
再び図18において、ST2の後、「エラーチェック処理」についての実行コマンドが送信中であるかどうかを判別し(ST3)、送信中であれば、上記ST1に戻り、送信中でなければ、「エラーチェック処理」についての実行コマンドを生成し(ST4)、生成された実行コマンドに基づき「エラーチェック処理」を実行する(ST5)。そして、エラー発生中かどうかを判別し(ST6)、エラー発生中であれば、上記ST1に戻り、エラー発生中でなければ、後述の図21及び図22に示す「特別図柄ゲーム制御処理」を実行する(ST7)。
【0123】
図19に示す「割込み処理」では、まず、各レジスタを退避させる(ST10)。
【0124】
次に、「大当り判定用乱数カウンタ」、「大当り図柄選択用乱数カウンタ」、及び「第1演出表示選択用乱数カウンタ」の更新処理を行う(ST11)。
【0125】
「大当り判定用乱数カウンタ」は、液晶表示装置3での遊技結果を“大当り”とするか否かの判定(大当り判定)に用いられ,図20に示す“0〜334”の間で更新処理を行う。
【0126】
「大当り図柄選択用乱数カウンタ」は、上記大当り判定で“大当り”のときの液晶表示装置3に表示する大当り停止態様の選択時に用いられ、図20に示す“0〜13”の範囲で更新処理を行う。
【0127】
「第1演出表示選択用乱数カウンタ」は、後述の第1演出表示の選択時に用いられ、図20に示す“0〜1023”の範囲でカウント値の更新処理を行う。
【0128】
以上のカウンタの更新処理の後は、各種タイマの更新処理が実行され(ST12)、続いて各種入力信号の処理が実行される(ST13)。このST13の処理では、通過球センサ20,入賞球センサ21,始動入賞球センサ22等の各種センサからの入力信号に応じた処理が実行される。通過球センサ20からの入力信号がある場合は、後述の「普通図柄処理」を実行すべく制御命令を出力し、入賞球センサ21からの入力信号がある場合は、後述の「払出し処理」を実行すべく制御命令を出力する。始動入賞球センサ22からの入力信号がある場合は、「払出し処理」と共に液晶表示装置3での遊技開始条件である始動入賞記憶数の加算処理として、ST11で更新された「大当り判定用乱数カウンタ」等のカウント値を読み出し、その値をメインRAM30cの所定アドレスに転送する。
【0129】
次に、LED表示装置2での表示に関する処理(これを「普通図柄処理」という)を実行する(ST14)。この「普通図柄処理」では、LED表示装置2で行われる変動表示についての入賞判定が行われ、その判定結果に基づいてLED表示装置2の表示が制御される。
【0130】
次に、盤面サイドランプ14a,14b等の装飾装置についての制御処理である「装飾制御処理」を実行し(ST15)、続いてST13の処理により出された払出し要求に応じた入賞球(パチンコ球)の払出しを行う処理(「払出し処理」)を実行する(ST16)。次に、各種装置から発生されるエラー信号を処理する「エラー処理」を実行し(ST17)、そして各種の送信データを出力する処理(「送信データ出力処理」)を実行して(ST18)、ST10で退避した各レジスタを復帰させる(ST19)。
【0131】
そして、「割込み許可フラグ」をセットして(ST20)、「割込み処理」を終了する。
【0132】
「特別図柄ゲーム制御処理」について、図21及び図22のフローチャートを参照して説明する。
【0133】
始動入賞記憶があるかどうかを判別し(ST21)、始動入賞記憶がないとの判別であれば、以下の処理を行う。
【0134】
液晶表示装置3でのデモ表示と特別図柄の変動表示による遊技(以下、「通常遊技」という)との切換タイミングを管理する「デモ表示切換タイマ」が所定時間をカウントして、デモ表示への切換命令を出力しているかどうか判別し(ST22)、切換命令を出力していると判別すれば、続いて、デモ表示が表示中であるかどうか判別し(ST23)、デモ表示が表示中であれば通常遊技に切換え(ST24)、通常遊技中であればデモ表示に切換える(ST25)。
【0135】
上記ST21で、始動入賞記憶があるとの判別であれば、以下の処理を行う。
【0136】
前述のST13でメインRAM30cの所定アドレスに記憶された「大当り判定用乱数カウンタ」のカウント値を「大当り判定用乱数」として読み出し、メインROM30b内の「大当り判定テーブル」を参照して“大当り”か否かを判定する(ST26)。
【0137】
図23は、大当り判定テーブルを示す。読み出した「大当り判定用乱数」が、“7”の場合は“大当り”の判定となり、「大当り判定用乱数」が“0〜6”又は“8〜334”の場合は“ハズレ”の判定となる。
【0138】
ST26の判定が“大当り”であれば、前述のST11で更新された「大当り図柄選択用乱数カウンタ」のカウント値を「大当り図柄選択用乱数」として読み出す。そして、メインROM30b内の「大当り図柄選択テーブル」を参照して、予め定められた大当り停止態様の中から一つを選択する(ST32)。
【0139】
図24は、「大当り図柄選択テーブル」を示す。この図24に示すように、本実施例では1種類の特別図柄を備え、大当り停止態様はそれらの各特別図柄が3つ揃った停止態様である。なお、この大当り停止態様を液晶表示装置3に表示するための画像データは、図柄制御基板31の画像ROM31e内に記憶されている。
【0140】
大当り停止態様が選択されれば、続いて、前述のST11で更新された「第1演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値を「第1演出表示選択用乱数」として読み出し、メインROM30b内の「大当り用演出表示選択テーブル(図25▲3▼)」を参照し、表示すべき第1演出表示を選択する(ST33)。
【0141】
図25に示すとおり、「演出表示選択テーブル」は、予兆音の種類及びリーチ演出の種類の組合せ毎に各々乱数値範囲が割り当てられている。例えば、図25▲3▼に示す「大当り用演出表示選択テーブル」の場合、読み出された「第1演出表示選択用乱数」が“0〜16”であれば、予兆音として“リズムA”が、リーチ演出として“ノーマルリーチ”が選択される。ここで、予兆音の“リズムD”については、この図25▲3▼に示す「大当り用演出表示選択テーブル」にのみ設定されているので、予兆音として“リズムD”が選択された場合は、大当り信頼度が100%となる。また、この図25▲3▼において、“リズムC”と“射的リーチ”の組合せ、及び“リズムC”と“たこ焼きリーチ”の組合せについては、乱数幅が広く設定されていることから、これら2つの組合せのいずれかが演出された場合は大当たり信頼度が高い。
【0142】
ST26で“ハズレ”の判定がされた場合は、前述のST2の処理で更新した「リーチ判定用乱数カウンタ」のカウント値をリーチ判定用乱数として読み出し、メインROM30b内の「リーチ判定テーブル」を参照して、リーチの有無(変動表示をリーチ状態にするか否か)を判定する(ST27)。
【0143】
図26は、「リーチ判定テーブル」を示す。読み出した「リーチ判定用乱数」が“0”であれば“リーチ有”と判定され、「リーチ判定用乱数」が“1〜9”の場合は“リーチ無”と判定される。
【0144】
ST27で、“リーチ有”と判定された場合は、前述のST2で更新した「左停止図柄選択用乱数カウンタ」、「中停止図柄選択用乱数カウンタ」及び「右停止図柄選択用乱数カウンタ」のカウント値を「左停止図柄選択用乱数」、「中停止図柄選択用乱数」及び「右停止図柄選択用乱数」としてそれぞれ読み出し、メインROM30b内の「左停止図柄選択テーブル」、「中停止図柄選択テーブル」及び「右停止図柄選択テーブル」を参照して、左停止図柄,中停止図柄,及び右停止図柄をそれぞれ選択する(ST30)。ここで、「左停止図柄選択テーブル」、「中停止図柄選択テーブル」及び「右停止図柄選択テーブル」を図27に示す。
【0145】
このST30の停止図柄選択処理では、まず、読み出した「左停止図柄選択用乱数」を基に「左停止図柄選択テーブル」より左停止図柄を選択する。ここで、このST30の停止図柄選択処理は“リーチ有”の場合であるので、右停止図柄は左停止図柄と同一の図柄を選択する。そして、読み出した「中停止図柄選択用乱数」を基に「中停止図柄選択テーブル」より中停止図柄を選択する。ここで、このST30の停止図柄選択処理は“ハズレ”の場合であるので、選択された中停止図柄が左,右停止図柄と同一であれば一コマずらした図柄を中停止図柄とする。
【0146】
このような図柄選択処理によって“リーチ有ハズレ”の場合の停止態様が決定すれば、続いて、前述のST11で更新された「第1演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値を「第1演出表示選択用乱数」として読み出し、メインROM30b内の「リーチ有ハズレ用演出表示選択テーブル(図25▲2▼)」を参照して、表示すべき第1演出表示を選択する(ST31)。このST31で選択される第1演出表示は、図25▲2▼に示すとおり、予兆音の種類及びリーチ演出の種類の組合せ毎に各々乱数値範囲が割り当てて構成される。
【0147】
ST27で、“リーチ無”の判定がされた場合は、上記ST30と同様、前述のST2の処理で「左停止図柄選択用乱数カウンタ」、「中停止図柄選択用乱数カウンタ」及び「右停止図柄選択用乱数カウンタ」のカウント値を「左停止図柄選択用乱数」、「中停止図柄選択用乱数」及び「右停止図柄選択用乱数」としてそれぞれ読み出し、メインROM30b内の「左停止図柄選択テーブル」、「中停止図柄選択テーブル」及び「右停止図柄選択テーブル」を参照して、左停止図柄,中停止図柄,及び右停止図柄をそれぞれ選択する。ここでは、上記ST30での図柄選択処理とは異なり、まず、読み出した「左停止図柄選択用乱数」及び「中停止図柄選択用乱数」を基に左停止図柄及び中停止図柄を選択し、続いて、読み出した「右停止図柄選択用乱数」を基に右停止図柄を選択し、該右停止図柄が左停止図柄と同一であれば、一コマずらした図柄を右停止図柄として選択する(ST28)。
【0148】
“リーチ無ハズレ”の場合の停止態様選択すれば、続いて、前述のST11で更新された「第1演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値を「第1演出表示選択用乱数」として読み出し、メインROM30b内の「リーチ無ハズレ用演出表示選択テーブル(図25▲1▼)」を参照して、表示すべき第1演出表示を選択する(ST29)。
【0149】
このST29で選択される第1演出表示は、図25▲1▼に示すとおり、予兆音の種類のみで構成され、各予兆音毎に各々乱数値範囲が割り当てられている。
【0150】
以上のように、特別図柄の停止態様と予兆音及びリーチ演出の組合せからなる第1演出表示とが決定すれば、この選択に基づいて液晶表示装置3での表示を制御するための実行コマンドである「図柄変動コマンド」及びスピーカでの音出力を制御するための実行コマンドである「音出力コマンド」を生成し(ST34)、「図柄変動コマンド」を図柄制御基板31に、「音出力コマンド」を音制御基板32にそれぞれ送信する(ST35)。
【0151】
次に、図22のフローチャートに移行し、“大当り”の判定がされているかどうか判別し(ST36)、“ハズレ”の判定であれば後述のST45に移行し、大当り判定であれば、続いて、“大当り”を報知する音(ファンファーレ)をスピーカ40から出力すべく音制御基板32を制御すると同時に、特別遊技状態に移行したことを報知する「大当り遊技開始画面」を液晶表示装置3に表示すべく図柄制御基板31を制御する「大当りファンファーレ処理」を実行する(ST37)。
【0152】
そして、上記「大当り遊技開始画面」から第1ラウンドの開始を報知する「ラウンド数報知画面」の表示への切換タイミングを管理する「ラウンド表示切換タイマ」の所定時間カウントし、当該「ラウンド表示切換タイマ」の所定時間経過確認により「大当り遊技開始画面」から「ラウンド数報知画面」への切換えを実行する処理(ラウンド表示切換時間チェック処理)を行う(ST38)。
【0153】
1ラウンド目に入った後は、大当り遊技1ラウンド当りの実行時間(30s)、「ラウンド数報知画面」の表示実行時間、「V入賞可能期間」等の大当り遊技に関する時間管理処理(大当り遊技時間チェック処理)を実行する(ST39)。この処理により、大当り遊技1ラウンド当りの実行時間の経過を確認したときは、大入賞口5の扉を閉鎖し、「ラウンド数報知画面」の表示実行時間の経過を確認したときは、大入賞口5の扉を開成する処理(大入賞口開閉処理)を行う(ST40)。なお、大当り遊技1ラウンド当りの実行時間の経過を確認する前であっても、大入賞口5に10個の遊技球が入賞すれば大入賞口5を閉鎖する。
【0154】
ST40で大入賞口5の扉を閉鎖したときは、次に行われる大当り遊技のラウンド数を報知する「ラウンド数報知画面」を表示し、ST40で大入賞口5の扉を開放したときは、ST39の「大当り遊技時間チェック処理」に応じて、前述の「V誘導メッセージ」、「待機メッセージ」又は「開放画面」を表示する処理(大当り遊技表示処理)を実行する(ST41)。
【0155】
ST41の後、大入賞口5が開放中かどうか判別し(ST42)、開放中であれば、上記ST39の処理に戻って大当り遊技を継続し、開放中でなければ、「V入賞可能期間」中に大入賞口5への遊技球の入賞がありV入賞が成立したかどうか判別し(ST43)、V入賞が成立していれば、上記ST39の処理に戻って大当り遊技を継続する。V入賞が成立していなければ、大当り遊技を終了する(ST44)。
【0156】
本実施例では、前述の通り、V入賞成立毎にV入賞成立音の種類が切り換えられるが、これは、上記ST43の「V入賞信号チェック処理」により実行される。この「V入賞信号チェック処理」を図28のフローチャートに示す。
【0157】
「V入賞成立可能期間」中に大入賞口5への遊技球入賞(V入賞成立)があり、この遊技球入賞についての検知信号(「V入賞信号」)の入力を確認すれば(ST46)、V入賞成立音を切り換える処理(「V入賞成立音切換処理」)を実行する(ST47)。ここで、「V入賞成立音切換処理」は、上記「V入賞信号」の入力があるまでのV入賞成立音が“V入賞成立音1”であれば“V入賞成立音2”に切り換え、上記「V入賞信号」の入力があるまでのV入賞成立音が“V入賞成立音2”であれば“V入賞成立音1”に切り換える。さらに、上記「V入賞信号」の入力により、それまで液晶表示装置3に表示されていた「V誘導メッセージ」又は「待機メッセージ」を、「開放画面」に切り換える(ST48)。そして、次の「V入賞信号」の入力を監視するV入賞信号入力待機状態とする(ST49)。
【0158】
図29のフローチャートは、図柄制御基板31で行われるメイン処理(図柄制御基板メイン処理)を示し、その処理フローについて、以下に説明する。
【0159】
電源が投入されれば、サブCPU31aの動作の初期設定(ST50)、ワークRAM31c内の記憶データのクリア(ST51)、VDP31dの動作の初期設定(ST52)をそれぞれ実行する。
【0160】
次に、サブCPU31aにおいて、ワークRAM31cに格納されているコマンドデータを読み出し分析処理(「受信コマンド分析処理」)を実行する(ST53)。この「受信コマンド分析処理」では、読み出したコマンドデータの解釈およびVDP31dのパラメータ設定を行う。ここで、サブCPU31aは、図30に示す「コマンド割込管理処理」によって主基板30から送られてくるコマンドデータを常時監視している。
【0161】
図30に示す「コマンド割込管理処理」では、コマンドデータの受信を確認すれば(ST58)、随時、図柄制御基板31内のワークRAM31cにその受信したコマンドデータを格納し(ST59)、その後、コマンドデータの受信待機状態とする(ST60)。このコマンドデータは、前述のST34で生成された「図柄変動コマンド」で、特別図柄の変動表示を制御するための「特別図柄変動実行コマンド」と、演出表示としてのアニメーションの表示を制御するための「アニメーション表示実行コマンド」とで構成される。
【0162】
再び図29を参照し、上記ST53の「受信コマンド分析処理」で設定されたパラメータに応じた画像データをVDP31dで生成し、その生成した画像データを基に液晶表示装置3で行う特別図柄の変動表示に関する制御処理(「特別図柄制御処理」)を実行する(ST54)。続いて、演出表示としてのアニメーション表示を制御する処理(「アニメーション表示制御処理」)を実行する(ST55)。
【0163】
次に、後述の「第2演出表示選択用乱数」を抽出するための「第2演出表示選択用乱数カウンタ」、及び、後述の「第3演出表示選択用乱数」を抽出するための「第3演出表示選択用乱数カウンタ」の更新処理を実行する(ST56)。ここで、「第2演出表示選択用乱数カウンタ」は“0〜127”の範囲(図20)で、「第3演出表示選択用乱数カウンタ」は“0〜255”の範囲(図20)でそれぞれ更新処理が行われる。
【0164】
そして、液晶表示装置3での表示が1フレーム終了したことを示す「1フレーム処理フラグ」がセットされているかどうか判別し、“YES”であれば、上記ST53の処理に戻り、“NO”であれば、上記ST56の処理に戻る(ST57)。
【0165】
図31のフローチャートは、上記ST54で行われる「特別図柄制御処理」について示す。
【0166】
この「特別図柄制御処理」では、後述の「特別図柄変動シーケンス管理処理」(ST61)で設定された各種設定に基づき、表示画面3aの各表示領域50L〜50Rにおける特別図柄の変動表示についての制御処理(「特別図柄変動処理」)を実行する(ST62〜ST64)。
【0167】
図32のフローチャートは、上記ST61で行われる「特別図柄変動シーケンス管理処理」について示す。
【0168】
この「特別図柄変動シーケンス管理処理」では、プログラムROM31bで定義されているコマンドデータのうちの「特別図柄変動実行コマンド」を読み出し、そのコマンドデータに応じた処理を実行する。
【0169】
ここで、上記「特別図柄変動実行コマンド」の例を図33に示す。この図33に示すように「特別図柄変動実行コマンド」は複数の実行コマンドで構成され、各実行コマンドはシーケンスアドレスの順番に処理される。
【0170】
すなわち、図32に示す「特別図柄変動シーケンス管理処理」では、毎回、実行コマンド“WAIT”で設定された「特別図柄変動シーケンス管理タイマ」を減算し(ST70)、当該タイマが0になった時(ST71で“YES”)、セットされているシーケンスアドレスの実行コマンドを読み出して(ST72)、当該実行コマンドに応じた処理を行うことにより上記「特別図柄変動処理」についての各種設定を行う(ST73)。
【0171】
そして、次の実行コマンドが格納されているシーケンスアドレスをセットする(ST74)。
【0172】
ここで、上記シーケンスアドレス毎に格納される各実行コマンドについて図34に示す。
【0173】
実行コマンド“WAIT”を読み出したときは、その実行コマンド“WAIT”の設定値(n)に基づき、「特別図柄変動シーケンス管理タイマ」を設定する。
【0174】
実行コマンド“FREEZE”を読み出したときは、特別図柄の変動表示を現在の状態を保持するように設定する。
【0175】
実行コマンド“CHANGE_1st”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値(n)に基づき、第1停止図柄としての左図柄を所定の図柄に書き換える。具体的には、実行コマンド“CHANGE_1st”を読み出した瞬間に左図柄(図21のST28、ST30、又はST32のいずれかの処理で選択された左停止図柄)からnコマ手前の図柄に書き換える。また、“CHANGE_2nd”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値(n)に基づき、第2停止図柄としての右図柄を所定の図柄に書き換え、“CHANGE_3rd” を読み出したときは、その実行コマンドの設定値(n)に基づき、第3停止図柄としての中図柄を所定の図柄に書き換える。
【0176】
実行コマンド“CHANGE_REACH”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値(n)に基づき、第3停止図柄としての中図柄をリーチ図柄からnコマ手前の図柄に書き換える。
【0177】
実行コマンド“SET_1st”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値(n)に基づき、左図柄の変動パターンを設定し、実行コマンド“SET_2nd”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値(n)に基づき、右図柄の変動パターンを設定し、実行コマンド“SET_3rd”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値に基づき、中図柄の変動パターンを設定する。
【0178】
実行コマンド“POSITION_RESET”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値に基づき、特別図柄の配置パターンについての変更処理を行う。
【0179】
実行コマンド“POSITION_3rd”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値に基づき、中図柄の配置パターンについての変更処理を行う。
【0180】
実行コマンド“OBJECT_SELECT_3rd”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値に基づき、リーチ演出に応じた中図柄の変動パターンについての選択処理を行う。例えば、上記“盆踊りリーチ”の場合、リーチ演出中に中図柄が左右に半回転したり、回転するといった変動パターンの選択処理を行う。
【0181】
次に、実行コマンド“REACH_SYMBOL_GET”を読み出したときは、「確定図柄」が大当り図柄となる場合、「再変動」開始(図3のt10)前のリーチ図柄を前回出現したリーチ図柄とする「リーチ図柄取得処理」が実行される。なお、この実行コマンド“REACH_SYMBOL_GET”は、前述の大当り判別が“大当り”であるとき(図21のST26で“YES”)、又は“リーチ有ハズレ”であるとき(図21のST27の処理で“YES”)にのみ処理される実行コマンドである。
【0182】
この「リーチ図柄取得処理」によれば、リーチ停止態様を前回出現したリーチ停止態様と同一とすることで大当り信頼度の高いことを報知するが、「再変動」後の確定停止態様が「特定停止態様」であるか否かでその処理は異なる。例えば、前回出現したリーチ停止態様と今回の遊技におけるリーチ停止態様とを同一にするとき、「再変動」後の確定停止態様が「特定停止態様」である場合は、前回のリーチ停止態様が「特定図柄」の組合せ又は「非特定図柄」の組合せのどちらであっても、「再変動」前のリーチ停止態様を前回のリーチ停止態様と同一とする。一方、「再変動」後の確定停止態様が「特定停止態様」でない場合(すなわち、「非特定停止態様」である場合)は、前回のリーチ停止態様が「非特定図柄」の組合せであれば「再変動」前のリーチ停止態様を前回のリーチ停止態様と同一とするが、前回のリーチ停止態様が「特定図柄」の組合せである場合は「再変動」前のリーチ停止態様を「非特定図柄」の組合せに変更する。
【0183】
図35は、この「リーチ図柄取得処理」のフローチャートについて示す。
【0184】
ワークRAM31c内に既に記憶された(前回のリーチ図柄取得処理において記憶された)リーチ停止態様を読み出し(ST100)、該リーチ停止態様を「リーチ停止態様(旧)」としてワークRAM31c内に記憶する(ST101)。
【0185】
次に前述の図21のST30又はST32の処理において選択され、ワークRAM31c内に記憶された今回の遊技における確定停止態様を読み出し(ST102)、該確定停止態様を「リーチ停止態様(新)」としてワークRAM31c内に記憶する(ST103)。
【0186】
続いて、前述のST26(図21)の処理において、“大当り”の判別がされているかどうかを判別し(ST104)、“大当り”であれば、続いて、上記ST56(図29)で更新された「第3演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値を読み出し(ST106)、そのカウント値が“180”より大きいか否かを判別する(ST107)。この判別で“NO”の場合、すなわちカウント値が“0〜180”の範囲に属する場合は、前回出現したリーチ停止態様を今回の遊技における「再変動」前のリーチ停止態様として再表示する処理(ただし、今回の確定停止態様が「特定停止態様」でなく、かつ前回のリーチ停止態様が「特定停止態様」である場合を除く)を行うためにST108の処理へと移行する。一方、ST107の判別で“YES”の場合、すなわちカウント値が181〜255の範囲に属する場合は、「再変動」前のリーチ停止態様として前回のリーチ停止態様を再表示しない場合で、ST111の処理へと移行する。すなわち、“大当り”の判別がされても、必ずしも前回のリーチ停止態様を再表示するものではない。
【0187】
ST107の処理において、“NO”と判別された場合、前述のST32(図21)の処理で選択されワークRAM31cに記憶された確定停止態様が「特定停止態様」であるかどうかを判別する(ST108)。確定停止態様が「特定停止態様」であれば(ST108の判別で“YES”の場合)、「リーチ停止態様(旧)」を読み出し(ST110)、該「リーチ停止態様(旧)」を「再変動」前のリーチ停止態様として格納する(ST116)。すなわち、確定停止態様が「特定停止態様」であれば、前回のリーチ停止態様である「リーチ停止態様(旧)」が「特定停止態様」又は「非特定停止態様」のどちらでもよいから、無条件で「リーチ停止態様(旧)」を「再変動」前のリーチ停止態様として採用する。
【0188】
一方、確定停止態様が「特定停止態様」でない場合(ST108の判別で“NO”の場合)は、「リーチ停止態様(旧)」が「特定停止態様」を構成するものか否かを判別する(ST109)。この判別が“YES”である場合、すなわち、前回のリーチ停止態様である「リーチ停止態様(旧)」が「特定停止態様」を構成する場合は、前回のリーチ停止態様を「再変動」前のリーチ停止態様としては採用せず、ST111の処理に移行する。これは、今回の確定停止態様が「特定停止態様」でないため、今回のリーチ停止態様として前回のリーチ停止態様と同一の「特定停止態様」を表示することは、遊技者にリーチ状態で“確変大当り”を期待させておきながら、確定停止態様が「非特定停止態様」で“確変大当り”とならないという状況を発生させないためである。すなわち、確定停止態様が「非特定停止態様」である場合に、遊技者に“確変大当り”への期待を抱かせないためである。
【0189】
上記ST109の判別(「リーチ停止態様(旧)」が「特定停止態様」を構成するものか否かの判別)で“NO”の場合、すなわち前回のリーチ停止態様が「特定停止態様」を構成するものでない場合、その前回のリーチ停止態様である「リーチ停止態様(旧)」を読み出す(ST110)。そして、この「リーチ停止態様(旧)」を「再変動」前のリーチ停止態様として保存する(ST116)。
【0190】
次に、ST107及びST109の処理で“YES”と判別された場合の処理について説明する。
【0191】
初めに、確定停止態様が「特定停止態様」であるか否かを判別し(ST111)、確定停止態様が「特定停止態様」であれば(ST111で“YES”)、ST112の処理に移り、確定停止態様が「非特定停止態様」であれば(ST111で“NO”)であればST113の処理に移る。
【0192】
ST112の処理では、「特定停止態様テーブル」よりリーチ停止態様を選択し、続いてこの選択したリーチ停止態様を「再変動」前のリーチ停止態様としてRAM31cに格納する(ST116)。すなわち、確定停止態様が「特定停止態様」である場合は、リーチ停止態様は、特定停止態様及び非特定停止態様の両者から選ぶことができる。
【0193】
ST113の処理では、「非特定停止態様テーブル」よりリーチ停止態様を選択し、続いて選択したリーチ停止態様が確定停止態様と同一であるか否かを判別する(ST114)。選択したリーチ停止態様が確定停止態様と同一で(ST114の判別で“YES”)であれば、選択したリーチ停止態様と確定停止態様とが同一にならないように修正し(ST115)、「再変動」前のリーチ停止態様として格納する(ST116)。すなわち、確定停止態様が「非特定停止態様」である場合は、「再変動」前のリーチ停止態様は、特定停止態様の中から選ばれることはなく、必ず非特定停止態様の中から選ばれる。
【0194】
また、実行コマンド“SELECT_2nd”を読み出したときは、右図柄が低速変動となったときに、この低速変動中に左図柄として停止した図柄と同一の図柄が識別可能に通り過ぎて停止することのないように制御するための処理(「同一図柄通り過ぎ禁止処理」)が実行される。
【0195】
図36のフローチャートは、この「同一図柄通り過ぎ禁止処理」の処理フローについて示す。
【0196】
ワークRAM31cに記憶している左停止図柄(以下、「第1停止図柄」という)を読み出す(ST120)。続いて、右停止図柄(以下、「第2停止図柄」という)を読み出し(ST121)、第1停止図柄との「ズレ数」を算出する(ST122)。ここで、各表示領域50L〜50Rで変動表示される複数種類の特別図柄は、図27に示すように、それぞれにコードナンバーが付されており、該コードナンバーの順番で変動表示される。従って、上記「ズレ数」は、第2停止図柄のコードナンバーと第1停止図柄のコードナンバーの「ズレ数」で、第2停止図柄が第1停止図柄の幾つ手前の図柄であるかで算出される。
【0197】
そして、図37に示すような「第2停止図柄変動パターン選択テーブル」の中から上記「ズレ数」に応じた一つのテーブルを選択し(ST123)、さらに、図29のST56で更新した「第2演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値を読み出し(ST124)、該カウント値を基に、第2停止図柄の「スベリコマ数」および「差し換え図柄」を取得する(ST125)。そして、「第2停止図柄差し換え処理」を実行する(ST126)。
【0198】
ここで、「スベリコマ数」は、右図柄の低速変動時に行う“スベリ変動”でスベリの対象となる特別図柄のコマ数で、「差し換え図柄」は、右図柄の低速変動開始図柄として強制的に差し換えられる図柄である。尚、“スベリ変動”は、低速変動中、複数の特別図柄の変動を一瞬のうちに完了させる、複数の特別図柄が一塊となってすべったかのように見える変動表示で、そのスベリの対象となる特別図柄の一つ一つについては識別不可能である。
【0199】
例えば、図38の▲1▼は、第1停止図柄が“七”、第2停止図柄が“四”の場合で、読み出された「第2演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値が“0〜117”の間に属する場合の変動表示される特別図柄の表示の遷移を示す。この場合、第1停止図柄と第2停止図柄とのズレ数は3コマであることから、図37の「第2停止図柄変動パターン選択テーブル」より、「スベリコマ数」は“0”で、「差し換え図柄」は第2停止図柄の“4コマ手前の図柄”となる(図37で★印をつけたもの)。ここで、第2停止図柄が“四”であることから、「差し換え図柄」はこの第2停止図柄が“四”より4コマ手前の図柄“鈴”となる(図27参照)。
【0200】
なお、本実施例における図柄の停止動作は、高速変動から低速変動に切り換った後、2つの図柄をゆっくりコマ送り表示した後、3つ目の図柄を停止図柄として確定表示する。従って、図38の▲1▼の場合は、右図柄の低速変動開始時に変動図柄が“鈴”に差し換えられ、その後、“二”、“三”とコマ送り表示した後、第2停止図柄として図柄“四”を確定表示する。
【0201】
図38の▲2▼は、第1停止図柄が図柄“七”、第2停止図柄が図柄“八”の場合で、読み出された「第2演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値が“80〜107”の間に属する場合の変動表示される特別図柄の表示の遷移を示す。この場合、第1停止図柄と第2停止図柄とのズレ数は“13コマ”であることから、図37の「第2停止図柄変動パターン選択テーブル」より、「スベリコマ数」は“3コマ以上”で、「差し換え図柄」は第2停止図柄の“8コマ手前の図柄”となる(図37で★印をつけたもの)。ここで、第2停止図柄が図柄“八”であることから、「差し換え図柄」は図柄“八”より8コマ手前の図柄“鈴”となる(図27参照)。
【0202】
従って、図38の▲2▼の場合は、右図柄の低速変動開始時に変動図柄が図柄“鈴”に差し換えられ、その後、“二”、“三”とコマ送り表示した後、“四”から“七”は識別不可能な“スベリ変動”を行い、第2停止図柄“八”を確定表示する。
【0203】
このように、左図柄と同一の図柄が、遊技者に識別可能な低速変動で右表示領域50R内を通り過ぎることのないような右図柄の停止動作となるように「第2停止図柄変動パターン選択テーブル」を構成する。
【0204】
また、実行コマンド“SELECT_HENDO”を読み出したときは、「変動回数固定処理」が実行される。この実行コマンド“SELECT_HENDO”は、リーチ演出として“神輿リーチ”が選択された場合のみ設定される実行コマンドである。
【0205】
この「変動回数固定処理」は、リーチ状態となった後の中図柄の変動パターンを選択する処理の一つで、中図柄の変動表示が、少なくとも1図柄移動する変動表示を遊技者が識別可能な程度の停止表示を挟んで所定回数繰り返した後、リーチ停止態様を構成している左,右図柄と同一の図柄が通過することなく停止して大当り停止態様となるように制御するための処理である。
【0206】
例えば、図41では、左右のリーチ図柄が“七”の場合で、中図柄の変動表示が4回の変動で左,右図柄と同じ図柄を停止する場合の「変動回数固定処理」に基づく変動パターンを示す。すなわち、低速変動が停止した後、少なくとも1図柄移動する変動表示を遊技者が識別可能な程度の停止表示を挟んで4回行った後、左,右図柄と同じ図柄“七”を停止する。
【0207】
図39のフローチャートは、この「変動回数固定処理」の処理フローについて示す。
【0208】
“大当り”の判定であれば(ST130で“YES”)、図40に示す「大当り用第3停止図柄変動パターン選択テーブル」を選択し(ST131)、“ハズレ”の判定であれば(ST130で“NO”)、図40に示す「ハズレ用第3停止図柄変動パターン選択テーブル」を選択(ST132)する。
【0209】
そして、図29のST56で更新した「第2演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値を読み出し(ST133)、該カウント値を基に、選択した「第3停止図柄変動パターン選択テーブル」から第3停止図柄の「変動パターン」(変動時のスベリコマ数)と「差し換え図柄」(変動直前に差し換える図柄)のコードナンバーを取得し(ST134)、この「変動パターン」と「差し換え図柄」のコードナンバーをワークRAM31cに記憶する(ST135)。
【0210】
例えば、“大当り”の判定で、かつ読み出した「第2演出表示選択用乱数カウンタ」のカウント値が“64〜95”に属する場合は、「大当り用第3停止図柄変動パターン選択テーブル」(図40)を参照し、変動パターン▲2▼が選択される。この変動パターン▲2▼が選択された場合の、中図柄の表示の遷移を図41に示す。なお、この「変動回数固定処理」は、前述の通り、リーチ演出として“神輿リーチ”が選択された場合のみ実行され、図41に示す(a)〜(i)は、上記変動パターン▲2▼が選択された場合の“神輿リーチ”中の表示画面での具体的表示態様で示す。
【0211】
ここで、この「変動回数固定処理」は、中図柄をリーチ図柄(左,右停止図柄と同一図柄)に差し換えた後実行される。従って、左停止図柄及び右停止図柄がそれぞれ“七”であるとき、低速変動中の中図柄がリーチ図柄の“七”に差し換えられ、表示画面3a上では“八”が表示される(図41(a),(b))。その後、変動パターン▲2▼の1回目の変動を開始する。
【0212】
変動パターン▲2▼の1回目の変動時には3コマ以上(ここでは6コマ)のスベリ変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の7コマ手前の図柄である“鈴”(図27参照)に差し換えられ、表示画面には“一”を表示する(図41(c),(d))。
【0213】
2回目の変動時には2コマのスベリ変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の4コマ手前の図柄“三”(図27参照)に差し換えられて、表示画面には“四”を表示する(図41(e),(f))。
【0214】
3回目の変動時には1コマのスベリ変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の2コマ手前の図柄“五”に差し換えられて、表示画面には“六”を表示する(図41(g),(h))。
【0215】
そして、最後の4回目の変動時にはスベリ無しでの変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の1コマ手前の図柄“六”に差し換えられて、リーチ図柄“七”を停止表示する(図41(i))。
【0216】
以上のような「変動回数固定処理」に基づく中図柄の変動パターンがなされる場合の“神輿リーチ”の表示の流れを以下説明する。
【0217】
“神輿リーチ”の表示を開始すれば、中図柄の変動表示が低速変動となり、表示画面には“八”を表示してゆっくりとしたスクロール変動を行う(図41(a))。そして、神輿の上に乗った女性キャラクタが上方に担ぎ上げられる神輿の動きに伴って飛び跳ねる様子が表示され、この女性キャラクタの飛び跳ねる動きに合せて、下方向にスクロール変動していた中図柄が反対方向の上方向にスクロール変動する(図41(b))。そして、女性キャラクタが飛び跳ねた状態から元の状態に戻る様子が表示され、その女性キャラクタの動きに合せて、上方向にスクロールしていた中図柄が下方向にスクロール変動する。この下方向にスクロール変動するときに、3コマ以上(ここでは6コマ)のスベリ変動がなされる。以上が図40に示す「1回目変動時」の表示態様である。
【0218】
上記スベリ変動後は、“一”を表示してゆっくりとしたスクロール変動を行う(図41(c))。そして、1回目の変動同様、神輿の動きに合せて飛び跳ねる女性キャラクタの動きに合せて、下方向にスクロール変動していた中図柄が反対方向の上方向にスクロール変動し(図41(d))、そして、女性キャラクタが元の状態に戻る動きに合せて、上方向にスクロールしていた中図柄が下方向にスクロール変動する。この下方向にスクロール変動するときに、2コマのスベリ変動がなされる。以上が図40に示す「2回目変動時」の表示態様である。
【0219】
上記スベリ変動後は、“四”を表示してゆっくりとしたスクロール変動を行う(図41(e))。そして、再び、神輿の動きに合せて飛び跳ねる女性キャラクタの動きに合せて、下方向にスクロール変動していた中図柄が反対方向の上方向にスクロール変動し(図41(f))、そして、女性キャラクタが元の状態に戻る動きに合せて、上方向にスクロールしていた中図柄が下方向にスクロール変動する。この下方向にスクロール変動するときに、1コマのスベリ変動がなされる。以上が図40に示す「3回目変動時」の表示態様である。
【0220】
上記スベリ変動後は、“六”を表示してゆっくりとしたスクロール変動を行う(図41(g))。そして、再び、神輿の動きに合せて飛び跳ねる女性キャラクタの動きに合せて、下方向にスクロール変動していた中図柄が反対方向の上方向にスクロール変動し(図41(h))、そして、女性キャラクタが元の状態に戻る動きに合せて、上方向にスクロールしていた中図柄が下方向にスクロール変動する。この下方向にスクロール変動するときには、スベリ無しで変動がなされ、以上が図40に示す「4回目変動時」の表示態様である。そして、この4回目の変動の後、リーチ図柄“七”を停止表示する(図41(i))。
【0221】
また、変動パターンの別の例として、変動パターン▲1▼が選択された場合の、中図柄の表示の遷移を図42に示し、この変動パターン▲1▼でも、前述の図41で示した演出表示と同様の表示がなされ、神輿の上に乗った女性キャラクタの飛び跳ねる動きに合せて、中央の表示領域50C内の特別図柄が上下方向にスクロール変動を繰り返し行い、4回目のスクロール変動の後、リーチ図柄“七”を停止表示する。
【0222】
まず、低速変動中の図柄がリーチ図柄の“七”に差し換えられて、表示画面には“八”を表示し、そして、変動パターン▲1▼の1回目の変動を開始する(図42(k),(m))。
【0223】
変動パターン▲1▼の1回目の変動時には3コマ以上(ここでは3コマ)のスベリ変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の4コマ手前の図柄である“三”に差し換えられ、表示画面には“四”を表示する(図42(n),(p))。
【0224】
2回目の変動時にはスベリ無しで変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の3コマ手前の図柄“四”に差し換えられて、表示画面には“五”を表示する(図42(r),(s))。
【0225】
3回目の変動時においてもスベリ無しで変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の2コマ手前の図柄“五”に差し換えられ、表示画面には“六”を表示する(図42(t),(u))。
【0226】
そして、最後の4回目の変動時においてもスベリ無しでの変動がなされ、続いて、リーチ図柄“七”の1コマ手前の図柄“六”に差し換えられ、リーチ図柄“七”を停止表示する(図42(v))。
【0227】
図42の(k)〜(v)は、上記変動パターン▲1▼が選択された場合の“神輿リーチ”中の表示画面での具体的表示態様を示す。この変動パターン▲1▼でも、前述の図41で示した演出表示と同様の表示がなされ、神輿の上に乗った女性キャラクタの飛び跳ねる動きに合せて、中央の表示領域50C内の特別図柄が上下方向にスクロール変動を繰り返し行い、4回目のスクロール変動の後、リーチ図柄“七”を停止表示する(図42(v))。
【0228】
図43は、前述の図29のST55で実行される「アニメーション表示制御処理」についての処理フローを示す。
【0229】
「アニメーション表示制御処理」では、毎回、実行コマンド“sqWait”で設定した「アニメーション表示シーケンス管理タイマ」を減算し(ST140)、当該タイマが“0”になった時(ST141で“YES”)、プログラムROM31bで定義されているコマンドデータのうちの「アニメーション表示実行コマンド」を読み出す(ST142)。ここでプログラムROM31bで定義されている「アニメーション表示実行コマンド」は、図44に示すように、複数の実行コマンドで構成され、それらの実行コマンドはシーケンスアドレスの順番でセットされる。
【0230】
次に、読み出した「アニメーション表示実行コマンド」に基づいた処理を実行し(ST143)、ST143での処理結果を基に「アニメーション表示初期化処理」を行う(ST144)。
【0231】
図44は、アニメーション表示実行コマンドの一例で、“大当り”の判定で、「リーチ演出」として“盆踊りリーチ”が選択された場合の一例を示す。これらの実行コマンドはシーケンスアドレスの順番で読み出し、処理される。
【0232】
実行コマンド“sqWait”を読み出したときは、その実行コマンドの設定値n(図44の例では“63”,“182”,“126”)に基づき、「アニメーション表示シーケンス管理タイマ」を設定する。
【0233】
実行コマンド“sqFreeze”を読み出したときは、現在のアニメーション表示を保持するように設定する。
【0234】
実行コマンド“sqAnimeData”を読み出したときは、指定されたアドレス(図44の例では、実行コマンド“Start_Disp”,“Chotin”)のアニメーションを表示すべく設定する。ここで、画像ROM31e内には、独自のアドレスが各々割り当てられた複数のアニメーションパターンが格納されており、上記実行コマンドでアドレスを指定することにより特定のアニメーションパターンを表示する。例えば、図44において、実行コマンド“Start_Disp”は液晶表示装置での遊技開始時に表示されるアニメーションを指定しており、実行コマンド“Chotin”は、「リーチ発展示唆表示」として“提灯”(図9(B1))を表示するように指定している。
【0235】
実行コマンド“sqAnimeRnd”を読み出したときは、指定されたアドレス(図44の例では“Disp_Slct_01”,“Am_Bon_H”)の「アニメーション選択テーブル」(図45)を参照し、「第2演出表示選択用乱数」に基づき表示するアニメーションについてのデータを格納した「アニメーションテーブルアドレス」を選択する。例えば、図44において、“Disp_Slct_01”は図45に示す「叩き予兆選択テーブル」を指定しており、“Am_Bon_H”は図45に示す「盆踊りリーチアニメーション選択テーブル」を指定している。
【0236】
実行コマンド“sqWorkramSet”を読み出したときは、指定されたワークRAM31cのアドレス(図44の例では“Rireki”)に設定値(図44の例では“2”)を格納する。
【0237】
図46は、上記実行コマンド“sqAnimeRnd”を読み出したときに実行される「sqAnimeRnd処理」の処理フローを示す。
【0238】
指定されたアドレスに応じた「アニメーション選択テーブル」をセットし(ST145)、続いて「第2演出表示選択用乱数」を読み出す(ST146)。そして、読み出した「第2演出表示選択用乱数値」に基づき、表示するアニメーションについてのデータを格納した「アニメーションテーブルアドレス」を取得する。
【0239】
例えば、アドレス“Disp_Slct_01”により「叩き予兆選択テーブル」をセットされた場合は、図45に示すように、叩き予兆についてのアニメーションパターンについてのデータが格納されている「アニメーションテーブルアドレス」が選択される。叩き予兆のアニメーションパターンは、前述の図7に示す、左図柄停止時および右図柄停止時に表示されるキャラクタ51の動作態様(太鼓の叩き方及びキャラクタ51の持つ撥から発する光の色)で、“緑”、“赤”及び“青”に区別される。
【0240】
アドレス“Am_Bon_H”により「盆踊りリーチアニメーション選択テーブル」がセットされた場合は、図45に示すように、“盆踊りリーチ”中のアニメーションパターンについてのデータが格納されている「アニメーションテーブルアドレス」が選択される。“盆踊りリーチ”の「アニメーションテーブルアドレス」では、当該リーチ中に表示される女性キャラクタが上手く踊るアニメーションパターンと下手に踊るアニメーションパターンの2パターンが予め設定されている。
【0241】
本実施例において、表示手段には液晶表示装置を用いたが、そのほかの表示手段、例えば、多数のLEDを配列して構成した表示器、CRT、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等の電気的表示器も使用できる。
【0242】
以上の例は、パチンコ遊技機における場合であるが、本発明は、他の遊技機、例えば、電気的表示装置や他の映像装置を備えた遊技機に適用できる。また、上述のパチンコ遊技機での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図。
【図2】表示画面での表示態様の変化を示す図。
【図3】表示画面での表示の流れを示すタイムチャート。
【図4】効果音に合せて変動する特別図柄の例を示す図。
【図5】予兆音に合せて変動する特別図柄の例を示す図。
【図6】各予兆音の出現率、リーチ発展率、及び大当り信頼度を示す図。
【図7】左図柄停止時及び右図柄停止時に表示されるキャラクタの動作態様を示す図。
【図8】予兆音と叩き予兆との組合せ毎の出現率、大当り信頼度、及びリーチ発展率を示す図。
【図9】「リーチ発展示唆表示」の具体的態様を示す表。
【図10】「スクロール表示」が行われる背景画像の範囲を示す図。
【図11】「スクロール表示」が行われる背景画像の別の例を示す図。
【図12】「リーチ演出」の種類を示す表。
【図13】「盆踊りリーチ」の表示態様を示す表。
【図14】「たこ焼きリーチ」が行われた場合の図柄変動を示すタイムチャート。
【図15】特別遊技状態中の演出表示及び効果音の変化の流れを示すタイムチャート。
【図16】「V誘導メッセージ」の表示内容とその表示タイミングを示す図。
【図17】本発明のパチンコ遊技機における電気回路部を示すブロック図。
【図18】「メイン遊技制御処理」を示すフローチャート。
【図19】「割込み処理」を示すフローチャート。
【図20】各種乱数カウンタの更新範囲を示す図。
【図21】「特別図柄ゲーム制御処理」を示すフローチャート。
【図22】図21の続きを示すフローチャート。
【図23】「大当り判定テーブル」を示す図。
【図24】「大当り図柄選択テーブル」を示す図。
【図25】「演出表示選択テーブル」を示す図。
【図26】「リーチ判定テーブル」を示す図。
【図27】「停止図柄選択テーブル」を示す図。
【図28】「V入賞信号チェック処理」を示すフローチャート。
【図29】「図柄制御基板メイン処理」を示すフローチャート。
【図30】「コマンド割込管理処理」を示すフローチャート。
【図31】「特別図柄制御処理」を示すフローチャート。
【図32】「特別図柄変動シーケンス管理処理」を示すフローチャート。
【図33】「特別図柄変動実行コマンド」の一例を示す図。
【図34】「特別図柄変動実行コマンド」に格納される各実行コマンドを示す図。
【図35】「リーチ図柄取得処理」を示すフローチャート。
【図36】「同一図柄通り過ぎ禁止処理」を示すフローチャート。
【図37】「第2停止図柄変動パターン選択テーブル」を示す図。
【図38】「同一図柄通り過ぎ禁止処理」に基づく変動表示の例を示す図。
【図39】「変動回数固定処理」を示すフローチャート。
【図40】「第3停止図柄変動パターン選択テーブル」を示す図。
【図41】「変動回数固定処理」に基づく変動表示の例を示すフローチャート。
【図42】「変動回数固定処理」に基づく変動表示の別の例を示すフローチャート。
【図43】「アニメーション表示制御処理」を示すフローチャート。
【図44】「アニメーション表示実行コマンド」の例を示す図。
【図45】「アニメーション選択テーブル」を示す図。
【図46】「sqAnimeRnd処理」を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…パチンコ遊技機、2…LED表示装置、3…液晶表示装置、3a…表示画面、4…始動入賞口、5…大入賞口、6a,6b…通過球ゲート、10…遊技盤面、12a,12b…風車、13a,13b,13c,13d,13e,13f…一般入賞口、14a,14b…盤面サイドランプ、15…始動入賞記憶ランプ、16…LED作動記憶ランプ、30…主基板、31…図柄制御基板。

Claims (3)

  1. 遊技に必要な図柄、図柄の背後で表示される背景画像、演出画像を含む画像を表示する表示手段と、
    所定の入力信号に基づいて遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かの判定を行う主制御部、及び、該判定結果に対応した表示態様を表示するように前記表示手段を制御する副制御部を有する制御手段と、
    前記判定の結果に応じた演出画像の表示態様、図柄の背後で表示される前記背景画像のスクロール表示態様、及び演出画像の表示態様と前記背景画像のスクロール表示態様の対応関係を記憶する記憶手段とを備え、
    前記背景画像は、通常演出画像と、当該通常演出画像に対して複数の方向に複数種類の演出背景画像が、連続してつなぎ合わせてなる1つの画像によって構成され、
    前記表示手段に表示される図柄の表示態様は、変動表示が所定の停止態様で停止したとき特別遊技状態への移行を示し、
    前記記憶手段に記憶されるスクロール表示態様として、前記判定の結果によって前記特別遊技状態に移行する場合、前記特別遊技状態に移行しない場合と比較して選択される確率の高い方向のスクロール方向を含む、前記判定の結果に応じた複数のスクロール方向が記憶され、
    前記制御手段は、
    前記所定の停止態様を構成する図柄の一つが欠けているリーチ状態となる場合、前記判定の結果に応じて演出画像の表示態様を選択し、
    前記リーチ状態で表示されるまでは、前記背景画像として前記通常演出画像を停止表示し、前記図柄がリーチ状態で表示されたとき、選択された前記演出画像の表示態様に対応した前記背景画像のスクロール表示態様によって前記背景画像をスクロール表示して、対応する前記演出背景画像で停止した後、選択された前記演出画像の表示態様によって演出画像を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1記載の遊技機において、
    前記記憶手段に記憶されるスクロール表示態様は、前記判定の結果に応じたスクロール表示の移動量が記憶され、
    前記制御手段は、前記判定の結果に応じた移動量で前記背景画像をスクロール表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2記載の遊技機において、
    前記記憶手段に記憶される複数のスクロール移動量は、前記判定の結果によって前記特別遊技状態に移行する場合、前記特別遊技状態に移行しないときと比較して選択される確率の高い移動量のスクロール移動量を含み、
    前記制御手段は、前記判定の結果に応じた移動量で前記背景画像をスクロール表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする遊技機。
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