JP4450342B2 - 放電ランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外面電極形の放電ランプを用いた放電ランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外面電極形の放電ランプは、例えば、特開平9−185954号公報に記載されているように、複写機やイメージスキャナなどの画像読取装置の光源として用いられている。この画像読取装置では、原稿などが載置される画像読取面の下側に沿って移動するキャリッジに、このキャリッジが移動する方向(以下、副走査方向という)に直交する方向(以下、主走査方向という)が長手方向となるように放電ランプを搭載し、キャリッジが副走査方向に移動する読取動作時において、放電ランプからの光を画像読取面に照射するとともに、その画像読取面で反射する光を光学系を通じてCCDなどの撮像素子に導いて読み取っている。
【0003】
外面電極形の放電ランプは、放電媒体が封入された円筒状の発光管を有し、この発光管の外面の略対向する位置で発光管の長手方向に沿って一対の電極が設けられ、これら電極間に発光管の内部での放電にて発光した光を外部に照射するアパーチャ部が形成されている。そして、一対の電極間に点灯回路から高周波電圧を印加することにより、発光管内で放電が生じ、放電にて発光した光をアパーチャ部を通じて外部に照射する。
【0004】
また、放電ランプの各電極には、各電極と点灯回路とを接続する電線を通じて点灯回路からの高周波電圧を印加している。電線には、2本の芯線を絶縁体で絶縁被覆した平行2芯線形電線などが用いられ、各芯線の周囲を絶縁被覆する被覆部間の距離は0.1mm程度であり、一方の芯線が点灯回路からの高電圧出力用、他方の芯線が点灯回路からの低電圧出力用としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カラー用や高速読取用の画像読取装置などでは、読取時の明るさが要求されるので、高照度の放電ランプが用いられるが、より高照度が要求される場合、複数の放電ランプを並列に配置して用いることが考えられる。しかし、複数の放電ランプを並列に配置して用いた場合、隣接する各放電ランプの互いに接近する側の各電極に印加される高周波電圧に電位差があると、それら電極間で漏れ電流が生じ、絶縁破壊に至るおそれがある。
【0006】
また、点灯回路から放電ランプに電線を通じて高周波電圧を印加するため、電線が平行2芯線形電線の場合、芯線間の距離が近く、芯線間での漏れ電流により、ランプ電流が減少し、ランプ光量が低下する問題を有している。
【0007】
また、画像読取装置において、キャリッジに搭載された放電ランプと、画像読取装置本体側に配設された点灯回路とを電線で接続した場合、キャリッジの移動に伴って、電線が動き、この電線が画像読取装置本体の金属製のフレームなどの導電部位に接離するなど、電線と導電部位との位置関係が変化するため、芯線と導電部位との間の浮遊容量が変化して漏れ電流が変化し、これに伴うランプ電流の変化により、ランプ光量が不安定になる問題を有している。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、隣り合う各放電ランプの互いに近接対向する側の各電極間での漏れ電流を防ぐとともに絶縁性を確保し、また、電線からの漏れ電流を低減し、さらに、電線と導電部位との接離の影響を低減できる放電ランプ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の放電ランプ装置は、放電媒体が封入された発光管、および発光管の外面の略対向する位置に設けられた一対の電極をそれぞれ有し、隣り合う発光管の外面が互いに対向するように並列に配置されるとともに、並列に配置される方向に発光管の外面の電極が配置されて隣り合う発光管の電極同士が近接対向される複数の放電ランプと;並列に配置される各放電ランプの互いに近接対向する側の各電極を同電位として各放電ランプを点灯させる点灯回路と;を具備しているものである。
【0010】
そして、複数の放電ランプを並列に配置した状態で点灯させる際、隣り合う各放電ランプの互いに近接対向する側の各電極を同電位として点灯させることで、それら電極間での漏れ電流を防ぐとともに絶縁性を確保する。
【0011】
請求項2記載の放電ランプ装置は、請求項1記載の放電ランプ装置において、放電ランプに接続される複数の芯線と、各芯線を絶縁被覆する各被覆部を有し隣接する被覆部間の距離を0.12mm以上として複数の芯線を平行に保持した絶縁体とを備える電線を具備しているものである。
【0012】
そして、電線の各芯線を絶縁被覆する各被覆部間の距離を0.12mm以上としたことで、芯線間での漏れ電流を低減し、電線が長い場合でもランプ電流の減少を低減し、ランプ光量を向上させる。
【0013】
請求項3記載の放電ランプ装置は、請求項1記載の放電ランプ装置において、放電ランプに接続される複数の芯線、および各芯線を平行に保持して絶縁被覆する絶縁体を備え、絶縁体の外面が導電部位に接触したときのその導電部位と芯線との間のインピーダンスが、隣接する芯線間のインピーダンスより大きい電線を具備しているものである。
【0014】
そして、電線の絶縁体の外面が導電部位に接触したときのその導電部位と芯線との間のインピーダンスを、隣接する芯線間のインピーダンスより大きくしたことで、電線と導電部位とが接触しても芯線から導電部位への漏れ電流を少なくし、電線と導電部位との接離の影響を低減し、ランプ光量を安定させる。
【0015】
請求項4記載の放電ランプ装置は、請求項3記載の放電ランプ装置において、電線は、放電ランプに接続される高電圧出力用の芯線および低電圧出力用の芯線と、接地用の芯線との3本の芯線を有し、これら芯線を並列に配列するとともに高電圧出力用の芯線を中央に配置したものである。
【0016】
そして、高電圧出力用の芯線を中央として、低電圧出力用の芯線および接地用の芯線を並列に配列した電線により、中央の高電圧出力用の芯線から導電部位への漏れ電流を少なくする。
【0017】
請求項5記載の放電ランプ装置は、請求項3記載の放電ランプ装置において、電線は、放電ランプに接続される高電圧出力用の芯線および低電圧出力用の芯線と、接地用の芯線との3本の芯線を有し、これら芯線を並列に配列するとともに高電圧出力用の芯線を端部に配置したものである。
【0018】
そして、高電圧出力用の芯線を端部として、低電圧出力用の芯線および接地用の芯線を並列に配列した電線により、高電圧出力用の芯線を中央に配置する場合に比べて芯線間の漏れ電流を少なくし、給電効率を向上させる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1ないし図3に一実施の形態を示し、図1は放電ランプ装置の構成図、図2は放電ランプ装置の別の構成例を示す構成図、図3は放電ランプ装置のさらに別の構成例を示す構成図である。
【0021】
図1において、放電ランプ装置11は、複数の放電ランプ12、1つの点灯回路13、これら複数の放電ランプ12と1つの点灯回路13とを接続する電線14を有している。
【0022】
各放電ランプ12は、外面電極形放電ランプであり、管外径8mm、管長370mmの円筒状で放電媒体として例えばキセノンが12000Paの圧力で封入された発光管21を有し、この発光管21の外面の略対向する位置に発光管21の長手方向に沿って一対の電極22が設けられ、これら一対の電極22間に位置して発光管21の内部での放電にて発光した光を外部に照射するアパーチャ部23が形成され、発光管21の内面のアパーチャ部23を除いた部分に発光管12の内部での放電にて発生する紫外線を可視光に変換する蛍光体層24が形成されている。そして、これら放電ランプ12は、アパーチャ部23を同一方向に向けるとともに、互いに一方の電極22を近接対向する状態で、並列に配置される。
【0023】
点灯回路13は、インバータ、電線14を介して各放電ランプ12に並列に接続されており、ランプ電流を40mA、ランプ電圧を1.9kV、点灯周波数を30kHzとし、各放電ランプ12の一対の電極22間に高周波電圧を印加して点灯させる。
【0024】
電線14は、点灯回路13の高電圧出力(H)に接続される電線14H、点灯回路13の低電圧出力(L)に接続される電線14Lを有し、高電圧側出力の電線14Hが隣接する各放電ランプ12の互いに近接対向する側の各電極22にそれぞれ接続され、低電圧出力用の電線14Lが隣接する各放電ランプ12の互いに離反した側の各電極22にそれぞれ接続されている。
【0025】
そして、点灯回路13から各放電ランプ12の一対の電極22間に高周波電圧を印加することにより、これら一対の電極22間で、発光管21の内部にある電子が電界へ引かれて移動し、放電する。この放電により流れる電子は発光管21内に封入されたキセノンの原子を励起し、紫外線を発生する。この紫外線により蛍光体層24の蛍光体物質を励起し、紫外線を可視光に変換する。可視光は、発光管21のアパーチャ部23を通じて外部に照射される。
【0026】
このように、複数の放電ランプ12を隣接した状態で点灯させる際、隣接する各放電ランプ12の互いに近接する側の各電極22を互いに近似した電位つまり同電位として点灯させるので、それら電極22間での電位差がなくなって漏れ電流を防ぐことができるとともに絶縁性を確保できる。
【0027】
1つの点灯回路13を複数の放電ランプ12に対して並列に接続したので、1つの点灯回路13を共用できる。
【0028】
隣接する各放電ランプ12の互いに近接対向する側の各電極22に高電圧出力側の電線14Hを接続することにより、隣接する各放電ランプ12の互いに離反した側の各電極22に接続する場合に比べて、高電圧出力側の電線14Hの長さを短くでき、電線14Hからの漏れ電流を低減できる。
【0029】
なお、隣接する各放電ランプ12の互いに近接対向する側の各電極22に低電圧出力側の電線14Lを接続するとともに、隣接する各放電ランプ12の互いに離反した側の各電極22に高電圧出力用の電線14Hを接続しても、それら電極22間での電位差がなくなって漏れ電流を防ぐことができるとともに絶縁性を確保できる。
【0030】
また、図2に示すように、点灯回路13を、各放電ランプ12毎に1つずつ組み合わせるようにしてもよい。この場合、各点灯回路13から各放電ランプ12の互いに近接する側の各電極22を互いに近似した電位となるように高周波電圧を印加するのに加えて、各点灯回路13から各放電ランプ12に対して同一位相の高周波電圧を印加する。
【0031】
この場合でも、複数の放電ランプ12を隣接した状態で点灯させる際、隣接する各放電ランプ12の互いに近接する側の各電極22を互いに近似した電位として点灯させるので、それら電極22間での電位差がなくなって漏れ電流を防ぐことができるとともに絶縁性を確保できる。
【0032】
そして、図1および図2に示す放電ランプ装置11は、複写機やイメージスキャナなどの画像読取装置の光源として用いることができ、例えばカラー用や高速読取用の画像読取装置などで高い照度が要求される場合でも対応できる。
【0033】
また、図3に示すように、例えば4本など複数の放電ランプ12を、各アパーチャ部23を同一方向に向けるとともに、互いに電極22を近接対向する状態で、並列に配置してもよい。この場合、各点灯回路13から各放電ランプ12の互いに近接する側の各電極22を互いに近似した電位となるように高周波電圧を印加するのに加えて、各点灯回路13から各放電ランプ12に対して同一位相の高周波電圧を印加する。
【0034】
この場合でも、複数の放電ランプ12を隣接した状態で点灯させる際、隣接する各放電ランプ12の互いに近接する側の各電極22を互いに近似した電位として点灯させるので、それら電極22間での電位差がなくなって漏れ電流を防ぐことができるとともに絶縁性を確保できる。
【0035】
そして、図3に示す放電ランプ装置11は、画像読取装置などに限らず、一般照明用として用いることができる。
【0036】
次に、図4および図5に他の実施の形態を示し、図4は放電ランプ装置の電線の断面図、図5は放電ランプ装置の構成図である。なお、図1ないし図3に示す実施の形態と同一構造については同一符号を用いてその説明を省略する。
【0037】
放電ランプ装置11に用いる電線14は、平行2芯線形電線であり、2本の導電性を有する単芯形の芯線31を有し、これら芯線31を絶縁体32で平行に保持して絶縁被覆している。絶縁体32は、例えば、低誘電率で、耐電圧10kV程度のポリエチレンやシリコーンなどで形成され、各芯線31を絶縁被覆する被覆部33、およびこれら被覆部33間を一体に連結する連結部34を有している。
【0038】
隣接する被覆部33間の距離Lは0.12mm以上とされ、かつ、絶縁体32の外面が導電部位(金属)に接触したときのその導電部位と芯線31との間のインピーダンスが、隣接する芯線31間のインピーダンスより大きくなるように形成されている。
【0039】
電線14の一方の芯線31(図1ないし図3の電線14Hに対応する)は、点灯回路13の高電圧出力(H)に接続され、また、電線14の他方の芯線31(図1ないし図3の電線14Lに対応する)は、点灯回路13の低電圧出力(L)に接続されている。
【0040】
このような放電ランプ装置11は、例えば複写機やイメージスキャナなどの画像読取装置の光源として用いられる。この画像読取装置では、原稿などが載置される画像読取面の下側に沿って移動するキャリッジ41に、このキャリッジ41が移動する方向(以下、副走査方向という)に直交する方向(以下、主走査方向という)が長手方向となるように放電ランプ12を搭載し、キャリッジ41が副走査方向に移動する読取動作時において、放電ランプ12からの光を画像読取面に照射するとともに、その画像読取面で反射する光を光学系を通じてCCDなどの撮像素子に導いて読み取るように構成されている。点灯回路13は、画像読取装置本体側に配設され、放電ランプ12とは電線14を介して接続されている。
【0041】
そして、電線14の各芯線31を絶縁被覆する絶縁体32の各被覆部33間の距離Lを0.12mm以上としたので、芯線31間での漏れ電流を低減し、電線14が長い場合でもランプ電流の減少を低減し、ランプ光量を向上できる。
【0042】
また、キャリッジ31の移動に伴って、電線14が動き、この電線14が画像読取装置本体の金属製のフレームなどの導電部位に接離し、電線14と導電部位との位置関係が変化するが、電線14の絶縁体32の外面が導電部位に接触したときのその導電部位と芯線31との間のインピーダンスを、隣接する芯線31間のインピーダンスより大きくしたので、電線14と導電部位とが接触しても芯線31から導電部位への漏れ電流を少なくでき、電線14と導電部位との接離の影響を低減でき、ランプ光量を安定させることができる。
【0043】
そして、電線14と導電部位との位置関係に応じたランプ電流および照度の測定を行なった結果を表1および表2に示す。表1および表2に示す試験品aは、単芯電線を2本使用し、これら2本の単芯電線の間隔をあけて試験したもので、試験品bは、単芯電線を2本使用し、これら2本の単芯電線を接着テープで止めて密着させた状態で試験したもので、試験品cは、図4および図5に示す実施の形態の電線14を使用して試験したものである。各試験品a〜cの各単芯電線および電線14は、長さは500mmで同一長さとし、材質も同一としており、組み合わされる放電ランプ12および点灯回路13も同一条件とする。
【0044】
表1に示す測定結果は、各試験品a〜cの各単芯電線および電線14を絶縁板上に配置した状態で、ランプ電流および照度を測定した。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示す測定結果では、単芯線を離した試験品a、単芯線を密着させた試験品b、電線14を用いた試験品cの順に、ランプ電流および照度とも小さくなり、つまり、電線14を用いた試験品cが、芯線31間のインピーダンスが最も小さく、漏れ電流が大きい結果が確認された。
【0047】
また、表2に示す測定結果は、各試験品a〜cの各単芯電線および電線14を絶縁板に代えて金属板上に配置した状態で、ランプ電流および照度を測定した。
【0048】
【表2】
【0049】
表2に示す測定結果では、単芯線を離した試験品aおよび単芯線を密着させた試験品bは、ランプ電流および照度とも表1の測定結果に比べて大きく低下し、単芯線と導電部位との位置関係に大きく影響を受けていることがわかる。
【0050】
電線14を用いた試験品cは、ランプ電流および照度とも表1の測定結果とあまり変わりがなく、電線14と導電部位との位置関係に影響を受けないことがわかる。これは、芯線31間のインピーダンスが小さく、電線14と導電部位との間のインピーダンスが大きいことにより、電線14と導電部位とが接触しても芯線31から導電部位への漏れ電流が少ないためである。
【0051】
したがって、キャリッジ31の移動に伴って、電線14が動き、電線14が導電部位に接触しても、芯線31から導電部位への漏れ電流が少なく、電線14と導電部位との接離の影響を低減でき、ランプ光量を安定させることができる。
【0052】
次に、図6ないし図8にさらに他の実施の形態を示し、図6は放電ランプ装置の構成図、図7は放電ランプ装置の別の接続状態を示す構成図、図8は放電ランプ装置の配置を示す構成図である。なお、図4および図5に示す実施の形態と同一構造については同一符号を用いてその説明を省略する。
【0053】
図6において、放電ランプ装置11に用いる電線14は、平行3芯線形電線であり、点灯回路13の高電圧出力用に接続される芯線31、点灯回路13の低電圧出力用に接続される芯線31、接地用の芯線31を有し、これら3本の芯線31が並列に配列されるとともに、点灯回路13の高電圧出力用に接続される芯線31が中央に配置される。
【0054】
また、図7において、点灯回路13の高電圧出力用に接続される芯線31が端部に配置されるとともに、点灯回路13の低電圧出力用に接続される芯線31が中央に配置される電線14を示す。
【0055】
接地用の芯線31は、図8に示すように、一端をキャリッジ31の導電部位に接続し、他端を画像読取装置本体の導電部位に接続し、これらキャリッジ31の導電部位と画像読取装置本体の導電部位とを同電位にする。
【0056】
そして、図6に示すように、高電圧出力用の芯線31を中央として、低電圧出力用の芯線31および接地用の芯線31を並列に配列した電線14では、キャリッジ14の移動に伴って、電線14が動き、この電線14が画像読取装置本体の導電部位に接離したときでも、両側に他の芯線31が位置することで中央の高電圧出力用の芯線31から画像読取装置本体の導電部位までの距離を確保することが可能となり、中央の高電圧出力用の芯線31から画像読取装置本体の導電部位への漏れ電流を少なくできる。
【0057】
また、図7に示すように、高電圧出力用の芯線31を端部として、低電圧出力用の芯線31および接地用の芯線31を並列に配列した電線14では、高電圧出力用の芯線31を中央に配置する場合に比べて各芯線31間の漏れ電流を少なくでき、給電効率を向上できる。
【0058】
そして、平行3芯線形の電線14における芯線31の位置に応じたランプ電流および照度の測定を行なった結果を表3に示す。表3に示す試験品dは、図6示す高電圧出力用の芯線31を中央に配置した電線14であり、試験品eは、図7示す高電圧出力用の芯線31を端部に配置した電線14である。各試験品d,eの各電線14は、長さは500mmで同一長さとし、材質も同一としており、組み合わされる放電ランプ12および点灯回路13も同一条件とする。
【0059】
表3に示す測定結果は、各試験品d,eの各電線14を絶縁板上に配置した状態で、ランプ電流および照度を測定した。
【0060】
【表3】
【0061】
表3に示す測定結果では、高電圧出力用の芯線31を中央に配置した電線14である試験品dが、高電圧出力用の芯線31を端部に配置した電線14である試験品eより、ランプ電流および照度とも小さくなり、つまり、試験品dのように高電圧出力用の芯線31を中央に配置した電線14の方が、芯線31間のインピーダンスが小さくて漏れ電流が大きく、逆に、試験品eのように高電圧出力用の芯線31を端部に配置した電線14の方が、芯線31間のインピーダンスが大きくて漏れ電流が少ない結果が確認された。
【0062】
したがって、高電圧出力用の芯線31を中央には位置した電線14では、中央の高電圧出力用の芯線31から画像読取装置本体の導電部位への漏れ電流を少なくできる。また、高電圧出力用の芯線31を端部に配置した電線14では、高電圧出力用の芯線31を中央に配置する場合に比べて各芯線31間の漏れ電流を少なくでき、給電効率を向上できる。
【0063】
また、図9に示すように、電線14は、各芯線31を各被覆部33で覆った複数本の単芯電線を被覆部35で一体に覆った構成とし、上述した各実施の形態に適用しても、同様の作用効果が得られる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の放電ランプ装置によれば、複数の放電ランプを並列に配置した状態で点灯させる際、隣り合う各放電ランプの互いに近接対向する側の各電極を同電位として点灯させるので、それら電極間での漏れ電流を防ぐとともに絶縁性を確保できる。
【0065】
請求項2記載の放電ランプ装置によれば、請求項1記載の放電ランプ装置の効果に加えて、電線の各芯線を絶縁被覆する各被覆部間の距離を0.12mm以上としたので、芯線間での漏れ電流を低減し、電線が長い場合でもランプ電流の減少を低減し、ランプ光量を向上できる。
【0066】
請求項3記載の放電ランプ装置によれば、請求項1記載の放電ランプ装置の効果に加えて、電線の絶縁体の外面が導電部位に接触したときのその導電部位と芯線との間のインピーダンスを、隣接する芯線間のインピーダンスより大きくしたので、電線と導電部位とが接触しても芯線から導電部位への漏れ電流を少なくでき、電線と導電部位との接離の影響を低減でき、ランプ光量を安定させることができる。
【0067】
請求項4記載の放電ランプ装置によれば、請求項3記載の放電ランプ装置の効果に加えて、高電圧出力用の芯線を中央として、低電圧出力用の芯線および接地用の芯線を並列に配列した電線であるので、中央の高電圧出力用の芯線から導電部位への漏れ電流を少なくできる。
【0068】
請求項5記載の放電ランプ装置によれば、請求項3記載の放電ランプ装置の効果に加えて、高電圧出力用の芯線を端部として、低電圧出力用の芯線および接地用の芯線を並列に配列した電線であるので、高電圧出力用の芯線を中央に配置する場合に比べて芯線間の漏れ電流を少なくでき、給電効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す放電ランプ装置の構成図である。
【図2】 同上放電ランプ装置の別の構成例を示す構成図である。
【図3】 同上放電ランプ装置のさらに別の構成例を構成図である。
【図4】 本発明の放電ランプ装置の他の実施の形態を示す電線の断面図である。
【図5】 同上放電ランプ装置の配置を示す構成図である。
【図6】 本発明の放電ランプ装置のさらに他の実施の形態を示す構成図である。
【図7】 同上放電ランプ装置の別の接続状態を示す構成図である。
【図8】 同上放電ランプ装置の配置を示す構成図である。
【図9】 本発明の放電ランプ装置のさらに他の実施の形態を示す電線の断面図である。
【符号の説明】
11 放電ランプ装置
12 放電ランプ
13 点灯回路
14 電線
21 発光管
22 電極
31 芯線
32 絶縁体
33 被覆部
Claims (5)
- 放電媒体が封入された発光管、および発光管の外面の略対向する位置に設けられた一対の電極をそれぞれ有し、隣り合う発光管の外面が互いに対向するように並列に配置されるとともに、並列に配置される方向に発光管の外面の電極が配置されて隣り合う発光管の電極同士が近接対向される複数の放電ランプと;
並列に配置される各放電ランプの互いに近接対向する側の各電極を同電位として各放電ランプを点灯させる点灯回路と;
を具備していることを特徴とする放電ランプ装置。 - 放電ランプに接続される複数の芯線と、各芯線を絶縁被覆する各被覆部を有し隣接する被覆部間の距離を0.12mm以上として複数の芯線を平行に保持した絶縁体とを備える電線を具備している
ことを特徴とする請求項1記載の放電ランプ装置。 - 放電ランプに接続される複数の芯線、および各芯線を平行に保持して絶縁被覆する絶縁体を備え、絶縁体の外面が導電部位に接触したときのその導電部位と芯線との間のインピーダンスが、隣接する芯線間のインピーダンスより大きい電線を具備している
ことを特徴とする請求項1記載の放電ランプ装置。 - 電線は、放電ランプに接続される高電圧出力用の芯線および低電圧出力用の芯線と、接地用の芯線との3本の芯線を有し、これら芯線を並列に配列するとともに高電圧出力用の芯線を中央に配置した
ことを特徴とする請求項3記載の放電ランプ装置。 - 電線は、放電ランプに接続される高電圧出力用の芯線および低電圧出力用の芯線と、接地用の芯線との3本の芯線を有し、これら芯線を並列に配列するとともに高電圧出力用の芯線を端部に配置した
ことを特徴とする請求項3記載の放電ランプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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