JP4449831B2 - インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、及び記録装置 - Google Patents

インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、及び記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクを受容させて記録媒体に転写し、例えば画像やデータ等を記録するためのインク受容性粒子に関する。また、本発明は、このインク受容性粒子を利用した、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、記録装置に関する。
インクを利用した画像やデータ等を記録の一つとして、インクジェット記録方式がある。インクジェット記録方式の原理は、ノズル、スリット、或いは多孔質フィルム等から液体或いは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行うものである。インクを吐出する方法については、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわゆる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆるドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、高熱により気泡を形成、成長させることにより生じる圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提案されており、これらの方式により、極めて高精細の画像やデータの記録物を得ることができる。
このインクジェット記録方式も含め、インクを利用した記録方式では、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し高画質で記録を行うために、中間体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
例えば、特開2000−343808には、吸水性の異なるポリマー、サイズの異なる吸水ポリマー、架橋度の異なる吸水ポリマー等、複数種の粉末混合体を中間体上に供給しつつ記録を行う方式が提案されている。
また、特開2000−94654には、中間体上にインクとの接触でインクを増粘させる固体粒子(多糖高分子、アルギン酸、カラギーナン等の粒子)を供給しつつ記録を行う方式が提案されている。
また、特開2003−57967には、中間体上に疎水性樹脂粒子層を形成し、疎水性樹脂粒子層の空隙にインク(例はSD型染料インクスロードライ型(Slow Dry型))を保持させて記録媒体に転写する方式が提案されている。
また、特開2002−370347には、中間体(シート)に湿式で無機微粒子、親水性ポリマー等を塗布した空隙型インク吸収層を設け、そこに染料インクを噴射し、記録媒体に転写する方式が提案されている。
特開2000−343808 特開2000−94654 特開2003−57967 特開2002−370347
上記提案では、多様な記録媒体に対し高画質で記録を行うことができるが、顔料インクでは高画質化が困難であったり、高速記録するには未だ不十分であったりと、改善が望まれている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速且つ高画質で記録が可能となるインク受容性粒子を提供することである。また、本発明は、このインク受容性粒子を利用した、インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、及び記録装置を提供することを目的としている。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明のインク受容性粒子は、記録材を含むインクを受容するものであり、少なくとも前記インクの液体成分をトラップするトラップ構造を有し、且つ吸液性樹脂を含んで構成し、該吸液性樹脂の微粒子が集合した複合体粒子であることを特徴としている。
また、本発明のマーキング材料は、記録材を含むインクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を備えることを特徴としている。
また、本発明のインク受容方法は、上記本発明のインク受容性粒子にインクを受容する方法であって、
前記トラップ構造に、少なくとも前記インク液体成分をトラップするトラップ工程と、
前記トラップ構造にトラップされた前記インクの液体成分を前記吸液性樹脂に吸液する吸液工程と、
を有することを特徴としている。
また、本発明の記録方法は、記録材を含むインクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を用いた記録方法であって、
前記インクを、インク受容性粒子に受容する工程と、
前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する工程と、
を有することを特徴としている。
また、本発明の記録方法は、記録材を含むインクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を用いた記録装置であって、
前記インクを、インク受容性粒子に受容する吐出手段と、
前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する転写手段と、
を有することを特徴としている。
本発明によれば、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速且つ高画質で記録が可能となるインク受容性粒子を提供することができる。また、本発明は、このインク受容性粒子を利用した、インク受容性粒子、マーキング材料、インク受容方法、記録方法、及び記録装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(インク受容性粒子)
本発明のインク受容性粒子は、インクを受容するものである。ここで、インク受容性とは、インク成分の少なくとも1部(少なくとも液体成分)を保持することを示す。そして、本発明のインク受容性粒子は、少なくとも前記インクの液体成分をトラップするトラップ構造を有し、且つ吸液性樹脂を含んで構成され、該吸液性樹脂の微粒子が集合した複合体粒子である
本発明のインク受容性粒子は、インクを受容する際(インク受容方法)、まず、インクがインク受容性粒子に付着すると、少なくともインクの液体成分をトラップ構造によりトラップする。このとき、インクの成分のうち記録材は顔料や染料などを問わず、インク受容性粒子表面に付着又はトラップ構造によりトラップされる。その後、トラップしたインクの液体成分を吸液性樹脂により吸液する。このようにして、インク受容性粒子はインクを受容する。そして、インクを受容したインク受容性粒子を記録媒体に転写することで、記録が行われる。
このトラップ構造によるインク液体成分のトラップは、物理的な粒子壁構造による捕獲なので、吸液性樹脂による吸液に比べ遥かに早く、インクを受容したインク受容性粒子は浸透媒体や非浸透媒体など問わず多様な記録媒体へ短時間で転写が可能となる。しかも、トラップされたインクの液体成分は吸液性樹脂によりインクの液体成分が吸収されるので、その保持安定性が向上しており、転写の際、インクを受容したインク受容性粒子へ物理的な力が加わっても、液体成分が漏れ出すこともなく滲みなどが生じることない。
従って、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速且つ高画質で記録が可能となる。
また、インクの液体成分が完全にトラップされた状態で、インク受容性粒子は記録媒体に転写されるので、記録媒体のカール、カクル、さらには吸液による記録媒体強度低下も防止される。
また、インク受容性粒子の転写後、吸液性樹脂は、記録材の結着樹脂や被覆樹脂として機能するので、定着性や記録物の定着性(耐擦性)をも向上させ、記録物のグロス制御も可能となる。さらに、記録材として顔料や染料問わず、高発色が得られる。
なお、記録材として顔料等の不溶成分、分散粒子状物を用いたインク(例えば顔料インク)の定着性(耐擦性)を改善するためにはインクに多量のポリマー添加が必要だが、インク(その処理液含む)中に多量のポリマーを添加すると、インク吐出手段のノズル目詰り等の信頼性が悪化してしまう。これに対し、本発明では、吸液性樹脂が当該ポリマーの機能を果たすので、高画質・高定着とシステムの高信頼の両立が可能となる。
ここで、「トラップ構造」は、少なくとも液体を保持し得る物理的な粒子壁構造であり、具体的には、例えば、空隙構造、凹構造、毛管構造などのである。このため、上述のように、トラップ構造によるインク液体成分のトラップは、吸液性樹脂による吸液に比べ遥かに早い。これら構造の最大開口径は50nm以上5μm以下が好ましく、より好ましくは300nm以上1μm以下である。特に、最大開口径は、記録材、特に例えば体積平均粒径100nmの顔料をトラップし得る大きさであることがよい。但し、最大開口径が50nm未満の微細孔が同時に存在してもよい。また、吸液性向上の観点から、空隙や毛細管は粒子内部で連通していることがよい。
このように、トラップ構造は、インクの成分のうち液体成分のみならず、記録材もトラップすることがよい。インク液体成分と共に記録材、特に顔料をトラップ構造にトラップさせると、即ちインク受容性粒子内部に記録材が偏在することなく保持・固定され、高速記録と高画質化との両立が好適に図れる。なお、インクの液体成分は、主にインク溶媒(分散媒:ビヒクル液体)である。
本発明のインク受容性粒子は、上記トラップ構造を持たせるため、例えば、図8に示すような吸液性樹脂の微粒子102が集合した複合体粒子100である。また、本発明のンク受容性粒子は、インク液体成分の吸液性を向上させるため、図9に示すように、吸液性樹脂の微粒子102に加え、無機微粒子104が集合した複合粒子100であることが吸水性付与、帯電・導電性付与など種々の機能を付与可能となるため特に好適である。これら複合粒子は各粒子間の間隙により空隙構造が形成される。
ここで、吸液性樹脂の微粒子の粒径は、体積平均粒径で50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μm、さらに好ましくは0.2μm〜2μmである。また、無機微粒子の粒径は、体積平均粒径で10nm〜30μm、好ましくは50nm〜10μm、さらに好ましくは0.1μm〜5μmである。なお、吸液性樹脂の微粒子及び無機微粒子は一次粒子であってもよく、一次粒子を造粒した集合体であってもよい。
そして、これらの複合粒子は、例えば、微粒子が半焼結状態で造粒されることで得られる。半焼結状態とは、粒子形状がある程度の残っており、当該粒子間で空隙を保持している状態を示す。なお、複合粒子は、トラップ構造にインク液体成分がトラップされたとき、微粒子の一部が解離する、即ち複合粒子が解体され、これを構成する粒子がばらけてもよい。
なお、無機微粒子としては、無色、淡色或いは白色の粒子(例えば、コロイダル・シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ等)が挙げられる。これら無機微粒子は、表面処理(部分疎水化処理、特定官能基導入処理等)を施されてもよい。例えば、シリカの場合には、シリカの水酸基をトリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシランなどのシリル化剤で処理してアルキル基を導入する。シリル化剤によって脱塩酸が生じ、反応が進む。この際、アミンを添加すると塩酸を塩酸塩にして反応を促進することもできる。疎水性基としてアルキル基やフェニル基を有するシランカップリング剤やチタネート系、ジルコネート系等のカップリング剤の処理量や処理条件を制御することでコントロールできる。また、同様に脂肪族アルコール類や高級脂肪酸及び同誘導体類での表面処理も可能である。また、(置換)アミノ基や四級アンモニウム塩構造を有するシランカップリング剤等のカチオン性官能基を有するカップリング剤類、フルオロシランの様なフッ素系官能基を有するカップリング剤、その他カルボン酸等のアニオン性官能基を有するカップリング剤類での表面処理も可能である。特に、無機微粒子は多孔質であることが、インク受容性粒子への効果的な吸液性付与の観点からよい。
本発明のインク受容性粒子は、空隙構造、凹構造、毛管構造などのトラップ構造を有すれば、例えば、図10に示すように、ロストワックス法等により得られる、又は、ガス注入や発泡剤混入によって内部に気泡を含んだ溶融樹脂、溶解樹脂等を固化、粉砕することで得られる、表面に凹部106A(例えば、最大開口径100nm以上、好ましくは200nm〜2000nm))を有する吸液性樹脂の微粒子106で構成してもよい。しかし、上記造粒法による複合粒子が最も好適である。
本発明のインク受容性粒子の粒径は、球換算の平均直径が0.5μm〜60μmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜30μm、さらに好ましくは3μm〜15μmである。ここで、球換算の平均直径は次のように求められる。粒子サイズによって最適方法は異なるが、例えば粒子を液体中に分散し光散乱原理で粒径を求める、粒子の投影像を画像処理で求める等多種の方法が利用できる。汎用的に使用できる方法としては、マイクロトラックUPA法やコールターカウンター法が挙げられる。
次に、吸液性樹脂について説明する。吸液性樹脂は、吸液したインク液体成分(例えば水、水性溶媒)が樹脂(ポリマー)の可塑剤として作用するため、軟化して定着性が向上する。このため、インク受容性粒子は記録媒体としての普通紙には加圧だけでも転写(定着)可能である(但し、記録物の高グロス化のためには加熱・加圧が有効である。)。一方、吸液しすぎて高膨潤してしまうと、滲みが生じたり定着性が低下してしまうため、吸液性樹脂は弱吸液性樹脂であることが好適である。この弱吸液性樹脂とは、例えば液体として水を吸収する場合、樹脂質量に対して数%(≒5%)からせいぜい数百%(≒500%)、好ましくは5%〜100%程度の吸液が可能な親液性樹脂を意味する。
ここで、吸液性が約5%を下回る場合は、空隙にトラップされた液体が転写(更には定着)時に空隙部から溢れ出たり、画像劣化させたりしやすくなることがある。また、樹脂の可塑化が不十分なため定着に高エネルギーが必要となる。逆に吸液能力が高すぎる場合は、吸液だけでなく吸湿も活発なため、インク受容性粒子のハンドリングの環境依存が大きくなり使用困難となることがある。例えば、樹脂を高度に架橋し吸湿しても粒子相互の融着が起こらない様にすることも可能である(例えば、市販の吸水性樹脂)。しかし、その場合は記録媒体に対して定着が困難となる。そして弱吸液性樹脂の場合、強吸液性樹脂よりも当然樹脂自体の吸液速度は遅くなるため、初期的に液体を空隙構造にトラップし次いで樹脂中に吸液する形でインク受容性粒子の構造と物性を設計することが重要なポイントとなる。
このような観点から、吸液性樹脂は、例えば、親水性モノマー単独重合体、或いは親水性モノマーと疎水性モノマーとの両モノマーから構成された共重合体で構成することができるが、弱吸水性樹脂とするためには当該共重合体が好ましい。なお、モノマーだけでなく、ポリマー/オリゴマー構造などのユニットをスタートに他のユニットを共重合させるグラフト共重合体やブロック共重合体でもよい。
ここで、親水性モノマーとしては、−OH、−EOユニット(エチレンオキサイド基)、−COOM(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等である。)、−SO3M(Mは例えば水素、Na、Li、K等のアルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等)、−NR3(Rは例えば、H、アルキル、フェニル等である。)、−NR4X(Rは例えば、H、アルキル、フェニル等であり、Xは例えば、ハロゲン、硫酸根、カルボン酸等の酸アニオン類、BF4、等々である。)等を含むモノマーが挙げられる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和カルボン酸、クロトン酸、マレイン酸等が挙げられる。また、親水性ユニットもしくはモノマーとしては、セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、でんぷん誘導体、単糖類・多糖類誘導体、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、等の重合性カルボン酸類やこれらの(部分)中和塩類、ビニルアルコール類、ビニルピロリドン、ビニルピリジンやアミノ(メタ)アクリレート及びジメチルアミノ(メタ)アクリレートの如き誘導体、更にはこれらのオニウム塩類、アクリルアミドやイソプロピルアクリルアミド等のアミド類、ポリエチレンオキサイド鎖含有ビニル化合物類、水酸基含有ビニル化合物類、多官能カルボン酸と多価アルコールから構成されるポリエステル類、特にトリメリット酸の如き3官能以上の酸を構成成分として含有し末端カルボン酸や水酸基を多く含む分岐ポリエステル、ポリエチレングリコール構造を含むポリエステル、等も挙げられる。
疎水性モノマーとしては、疎水性基を有するモノマーが挙げられ、具体的には、例えばオレフィン(チレン、ブタジエン等)、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。疎水性ユニットもしくはモノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニルやポリプロピレン等のポリオレフィン類等、及びこれらの誘導体も挙げられる。
このような親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体からなる吸液性樹脂として、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン/(メタ)アクリル酸/(無水)マレイン酸類共重合体、エチレン/プロピレン等のオレフィン系ポリマー(又はこの変性体、又は共重合によるカルボン酸ユニット導入物)、トリメリット酸等で酸価を向上した分岐ポリエステル、ポリアミド等が好適に挙げられる。
吸液性樹脂には、中和塩構造(例えばカルボン酸など)を含むことが好ましい。このカルボン酸などの中和塩構造は、カチオン(例えばNa,Li等の一価金属カチオン等)を含むインクを吸液したとき、当該カチオンとの相互作用で、アイオノマーを形成し、最終記録物の定着強度が向上する。また、カルボン酸などの中和塩構造は、アニオン基を有する記録材(例えば顔料や染料)の凝集を促進するので、画質も向上する。
吸液性樹脂には、置換或いは未置換アミノ基や、置換或いは未置換ピリジン基を含むことも好ましい。当該基は、殺菌効果や、アニオン基を有する記録材(例えば顔料や染料)との相互作用を及ぼすので、画質や定着性が向上する。
ここで、吸液性樹脂において、親水性ユニット(親水性モノマー)と疎水性ユニット(親水性モノマー)とのモル比(親水性モノマー:疎水性モノマー)は、5:95〜70:30が好ましく、より好ましくは7:93〜60:40、さらに好ましくは10:90〜50:50である。特に、親水性ユニットは全体に対し5〜70モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜50モル%であることが好ましい。親水性モノマーを上記範囲とすることで、インク受容性粒子が水性液体を吸液する場合の吸水速度の向上、吸水量の向上と高湿〜低湿環境での受容性粒子のハンドリング性、転写・定着性のバランスが鼎立可能となる。
また、吸液性樹脂は、直鎖構造でもよいが、分嵯構造がよい。また、吸液性樹脂は、非架橋もしくは低架橋であることが好ましい。また、吸液性樹脂は直鎖構造のランダム共重合体やブロック共重合体でも良いが、分岐構造の重合体(分岐構造のランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体を含む)が更に好適に使用できる。例えば、重縮合で合成されるポリエステルの場合、分岐構造で末端基を増加させると、親水性、吸水性と粒子ハンドリングや定着性の制御ラチチュードを拡張しやすくなる。付加重合系であれ重縮合系であれ、分岐部に例えばカルボン酸基を配置するとインクからカチオンを供給することで最終的にイオン架橋型の強固な定着画像形成が可能となりやすい。このような分岐構造は、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリレート類等のいわゆる架橋剤を合成時に微量添加したり(例えば1%未満の添加)、架橋剤と共に開始剤を多量添加することで合成することがポピュラーな手法の一つである。この時、注意すべきことは、いわゆる市販の吸水性樹脂の様に架橋度を高め3次元ネットワークが形成されると記録像の定着が困難になったり定着に要するエネルギーが増大してしまうことである。定着特性を確保するためには、架橋反応が起こってもそれは一部に留め、全体としては熱可塑性が十分維持されるように調製する必要がある。
また、吸収性樹脂は、インクから供給されるイオンによりイオン架橋してもよい。吸水性樹脂中が(メタ)アクリル酸やマレイン酸等のカルボン酸を含む共重合体やカルボン酸を有する(分岐)ポリエステル等、樹脂中にカルボン酸を含むユニットを存在させた場合、定着後の樹脂像の強度が高まる傾向がある。これは樹脂中のカルボン酸と水性インク等の液体から供給されるアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、有機アミン・オニウムカチオン等との間にイオン架橋や酸・塩基相互作用等が生じ、定着像が強化されるためだろう、と推測している。
また、吸液性樹脂は、極性基を含むことで、親水性、帯電・導電性を付与できる観点からよい。例えば、親水性を付与する極性基としては、親水性モノマーと同じで、例えば、水酸基、エチレンオキサイド基、カルボン酸、アミノ基、等が挙げられる。帯電・導電性を付与する極性基の導入は、正帯電性付与の場合、例えば(置換)アミノ基、(置換)ピリジン基やそのアミン塩、4級アンモニウム塩等の造塩化構造の導入、負帯電付与の場合、カルボン酸(塩)、スルホン酸(塩)等の有機酸(塩)構造の導入が有効である。更には低分子の4級アンモニウム塩類や有機ホウ酸塩類、サリチル酸誘導体の造塩化合物類等、電子写真トナー用帯電制御剤を吸液性樹脂に添加してもよい。導電性制御は酸化スズや酸化チタン等の導電性、半導電性の無機物質添加が有効である。
吸液性樹脂は、非結晶樹脂であることがよく、そのガラス転移温度(Tg)は、40℃〜90℃が好ましく、より好ましく50〜70℃である。ガラス転移温度を上記範囲とすることで、粒子ハンドリング性、画像ブロッキング性と画像定着性の両立が可能となる。ガラス転移温度(及び融点)は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
吸液性樹脂の重量平均分子量は、3000〜30万が好ましく、より好ましくは10000〜10万である。この重量平均分子量を上記範囲とすることで、速やかな吸液、低エネルギーでの定着実現と定着後の画像強度両立が可能となる。重量平均分子量は、以下の条件で行ったものである。例えば、GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
吸液性樹脂の酸価は、カルボン酸基(−COOH)換算で50〜1000であり、より好ましくは150〜500であり、さらに好ましくは50〜500であり、特に好ましくは100〜300である。酸価を上記範囲とすることで、粒子のハンドリング性と吸水性、定着性の制御が可能となる。このカルボン酸基(−COOH)換算での酸価の測定は次のように行った。
酸価は、JIS K0070に従って行い、中和滴定法を用いた測定で行った。即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が完全に溶けるまで充分に振り混ぜる。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が30秒間続いた時を終点とした。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出した。
次に、本発明のインク受容性粒子のその他添加剤について説明する。まず、本発明のインク受容性粒子には、インクの成分を凝集又は増粘させる成分を含むことが好ましい。当該成分を含むと、インクに含まれる記録材(例えば顔料や染料)が凝集したり、ポリマーなどが増粘するので、画質や定着性が向上する。
このような機能を有する成分は、上記吸水性樹脂の官能基として含んでもよいし、化合物として含んでもよい。当該官能基としては、例えば、カルボン酸、多価金属カチオン、ポリアミン類等などが挙げられる。
また、当該化合物としては、無機電解質、有機酸、無機酸、有機アミンなどの凝集剤が好適に挙げられる。
無機電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、及び、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等のアルカリ金属類の塩、及び、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等の多価金属類の塩等が挙げられる。
有機酸としては、具体的にはアルギニン酸、クエン酸、グリシン、グルタミン酸、コハク酸、酒石酸、システイン、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、マレイン酸、マロン酸、リシン、リンゴ酸、及び、一般式(1)で表される化合物、これら化合物の誘導体などが挙げられる。
ここで、式中、Xは、O、CO、NH、NR1、S、又はSO2を表す。R1はアルキル基を表し、R1として好ましくは、CH2,C25、C24OHである。Rはアルキル基を表し、Rとして好ましくは、CH2,C25、C24OHである。なお、Rは式中に含んでいてもよいし、含んでいなくても構わない。Xとして好ましくは、CO、NH、NR,Oであり、より好ましくは、CO、NH、Oである。Mは、水素原子、アルカリ金属又はアミン類を表す。Mとして好ましくは、H、Li、Na、K、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等であり、より好ましくは、H、Na,Kであり、更に好ましくは、水素原子である。nは、3〜7の整数である。nとして好ましくは、複素環が6員環又は5員環となる場合であり、より好ましくは、5員環の場合である。mは、1又は2である。一般式(1)で表される化合物は、複素環であれば、飽和環であっても不飽和環であってもよい。lは、1〜5の整数である。
一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。具体的には、2−ピロリドン−5−カルボン酸、4−メチル−4−ペンタノリド−3−カルボン酸、フランカルボン酸、2−ベンゾフランカルボン酸、5−メチル−2−フランカルボン酸、2,5−ジメチル−3−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、4−ブタノリド−3−カルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、2−ピロン−6−カルボン酸、4−ピロン−2−カルボン酸、5−ヒドロキシ−4−ピロン−5−カルボン酸、4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、チオフェンカルボン酸、2−ピロールカルボン酸、2,3−ジメチルピロール−4−カルボン酸、2,4,5−トリメチルピロール−3−プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−インドールカルボン酸、2,5−ジオキソ−4−メチル−3−ピロリン−3−プロピオン酸、2−ピロリジンカルボン酸、4−ヒドロキシプロリン、1−メチルピロリジン−2−カルボン酸、5−カルボキシ−1−メチルピロリジン−2−酢酸、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンペンタカルボン酸、1,2,5,6−テトラヒドロ−1−メチルニコチン酸、2−キノリンカルボン酸、4−キノリンカルボン酸、2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、4−ヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸、6−メトキシ−4−キノリンカルボン酸等の化合物が挙げられる。
有機酸としては、好ましくは、クエン酸、グリシン、グルタミン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。より好ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。さらに好ましくは、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくは、これらの化合物誘導体、又は、これらの塩である。
有機アミン化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩のいずれであっても構わない。具体例としては、テトラアルキルアンモニウム、アルキルアミン、ベンザルコニウム、アルキルピリジウム、イミダゾリウム、ポリアミン、及び、それらの誘導体、又は、塩等が挙げられる。具体的には、アミルアミン、ブチルアミン、プロパノールアミン、プロピルアミン、エタノールアミン、エチルエタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチルメチルアミン、エチルベンジルアミン、エチレンジアミン、オクチルアミン、オレイルアミン、シクロオクチルアミン、シクロブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジ2−エチルヘキシルアミン、ジエチレントリアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジプロピルアミン、ジヘキシルアミン、ジペンチルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルエチレンジアミン、ジメチルオクチルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルヘキシルアミン、アミノ−ブタノール、アミノ−プロパノール、アミノ−プロパンジオール、N−アセチルアミノエタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)−エタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、セチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリイソペンチルアミン、トリエタノールアミン、トリオクチルアミン、トリチルアミン、ビス(2−アミノエチル)1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ビス(トリメチルシリル)アミン、ブチルアミン、ブチルイソプロピルアミン、プロパンジアミン、プロピルジアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、2−メチル−シクロヘキシルアミン、メチル−プロピルアミン、メチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、ラウリルアミン、ノニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレシジアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムク口ライド、ステアラミドメチルビリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体等が挙げられる。
より好ましくは、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、エタノールアミン、プロパンジアミン、プロピルアミンなどが使用される。
これら凝集剤の中でも、多価金属塩(Ca(NO3)、Mg(NO3)、Al(OH3)、ポリ塩化アルミニウム等)が好適に用いられる。
凝集剤は単独で使用しても、あるいは2種類以上を混合して使用しても構わない。また、凝集剤の含有量としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは、1質量%以上15質量%以下である。
本発明のインク受容性粒子には、離型剤が含まれていることがよい。これにより、インク受容性粒子の記録媒体への転写や定着をオイルレスで行うことが可能となる。離型剤は、上記吸液性樹脂に含ませてもよいし、吸液性樹脂の微粒子と共に離型剤の微粒子を複合化して含ませてもよい。
このような離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物などが挙げられる。これらの中でも結晶性化合物を適用することがよい。
本発明のインク受容性粒子には、外添剤を外添してもよい。外添剤を外添することで、インク受容性粒子の粉体流動性付与、帯電性・導電性制御、吸液性制御、等が行える。外添剤としては、無機微粒子(無色、淡色或いは白色の粒子、例えば、コロイダル・シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウム、カーボンブラック等)、樹脂微粒子(ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーン、等の粒子)が挙げられる。また、これら外添剤としての粒子は、疎水性、親水性のいずれでもよく、カップリング剤(例えばシランカップリング剤等)で表面処理して表面に特定の官能基(例えばアミノ基、フッ素系等)を導入していてもよい。また、外添剤としての粒径は、体積平均粒径で、5nm〜100nm、好ましくは10〜50nmであることがよい。
(マーキング材料)
本発明のマーキング材料は、少なくとも記録材を含むインクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を備える。マーキング材料は、インク受容性粒子にインクを受容させた後、当該インク受容性粒子を記録媒体に転写することで記録を行う材料である。
以下、インクについて詳細に説明する。インクは水性インク、油性インク共に使用することができるが、環境性の点で水性インクが使用される。水性インク(以下、単にインクと称する)は、記録材に加え、インク溶媒(例えば、水、水溶性有機溶媒)を含んでいる。また、必要に応じて、その他、添加剤を含んでいてもよい。
まず、記録材について説明する。記録材としては、主に色材が挙げられる。色材としては、染料、顔料のいずれも用いることができるが、顔料であることがよい。顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料ではネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用しても良い。また、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等を顔料として使用することも可能である。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
黄色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、色材として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用可能な顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーと疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーを適宜組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させてもよい。
上記高分子分散剤としては、顔料の分散性及びインク吐出性の両立の観点から、重量平均分子量で2000〜50000のものが好ましい。より好ましくは3000〜20000、さらに4000〜8000であるものがより好ましい。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1〜100質量%、好ましくは1〜70質量%、さらに好ましくは3〜50質量%の割合で添加されることが好ましい。
色材として水に自己分散可能な顔料を用いることもできる。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で安定に分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cabot260、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが好ましい。より好ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
更に、樹脂により被覆された顔料等を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等を使用することもできる。
また、高分子物質を上記顔料に化学的に結合させた樹脂分散型顔料を用いることもできる。
記録材としては、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトのような強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛のような半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料微粒子類などが挙げられる。
記録材の含有量(濃度)は、インクに対して5〜30質量%が好ましく、7〜25質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜20質量%である。含有量(濃度)が5質量%未満の場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、含有量が30質量%よりも多い場合には、インクの噴射特性が不安定となる場合が存在した。
記録材の体積平均粒径は、10nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以上250nm以下であり、さらに好ましくは50nm以上200nm以下であり、最も好ましくは60nm以上120nm以下である。体積平均粒径が小さすぎると、光学濃度が低くなる場合が存在し、一方、大きすぎると、保存安定性が確保できない場合が存在した。
記録材の体積平均粒径とは、記録材そのものの粒径、又は記録材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。本発明において、体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 ( Leeds&Northrup社製 )を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行った。なお、測定時に入力するパラメーターとして、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度には記録材の密度を入力した。
次に、水溶性有機溶媒について説明する。水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用することが好ましい。水溶性有機溶媒の含有量としては、1質量%以上70質量%以下、好ましくは、10質量%以上65質量%以下、更に好ましくは20質量%以上60質量%以下で使用される。インク中の水溶性有機溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、70質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、液体の噴射特性が不安定になる場合が存在した。
次に、水について説明する。水としては、特に不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが好ましい。
次に、その他の添加剤について説明する。インクには、界面活性剤を添加することができる。
これら界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
これらの界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。また界面活性剤のHLBは、溶解安定性等を考慮すると3〜20の範囲であることが好ましい。
これらの界面活性剤の添加量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%が特に好ましい。
また、インクには、その他、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も添加することができる。
次に、インクの好適な特性について説明する。まず、インクの表面張力は、20〜45mN/mであることが好ましく、より好ましくは、25〜38mN/mである。表面張力が上記範囲であると、噴射安定性と受容性粒子に対する吸液性及び高画質形成の両立が可能となる。表面張力が低いと噴射不安定、高いと吸液性と高画質形成が悪化する場合がある。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
インクの粘度は、1.5〜30mPa・sであることが好ましく、より好ましくは3〜20mPa・sである。インクの粘度が上記範囲であると、噴射安定と吸液性・画質が両立できる。高粘度だと高速噴射、高速吸液共に困難となり、低粘度だと噴射が不安定化し、同時にインク受容性粒子上及び粒子中でのインク像が乱れやすくなることがある。
ここで、粘度としては、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s-1の条件で測定した値を採用した。
(記録方法、記録装置)
本発明の記録方法(記録装置)は、記録材を含むインクと、上記本発明のインク受容性粒子と、を用いた記録方法(記録装置)であり、インクをインク受容性粒子に受容する工程(受容手段)と、インクを受容したインク受容性粒子を記録媒体に転写する工程(転写手段)と、を有する。また、記録媒体上に転写されたインク受容性粒子を定着する工程(定着手段)をさらに有していてもよい。
具体的には、例えば、まず、供給手段により中間体にインク受容性粒子を層状に供給する。層状に供給されたインク受容性粒子(以下、インク受容性粒子層)に対して、インク吐出手段によりインクを吐出して受容させる。インクを受容したインク受容性粒子層を転写手段により中間体から記録媒体へ転写する。この転写は、インク受容性粒子層の全部或いは記録部(インク受容部)のみを選択的に行われる。その後、必要に応じて、記録媒体に転写されたインク受容性粒子層に対し、定着手段により加圧(或いは加熱・加圧)を施し、定着させる。このようにして、インクを受容したインク受容性粒子による記録が行われる。なお、転写と定着は同時に行ってもよい。
ここで、インク受容性粒子はインクを受容する際、例えば、層状に形成されるが、そのインク受容性粒子層の厚さは、1μm〜100μmが好ましく、より好ましくは3μm〜60μm、さらに好ましくは5μ〜30μmである。また、インク受容性粒子層中の空隙率(即ち、インク受容性粒子間空隙率+インク受容性粒子内空隙率(トラップ構造))は、10%〜80%であることが好ましく、より好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40%〜60%である。
また、本発明のインク受容性粒子は、吸液性樹脂が吸液(水)し、液体(水)等が樹脂の可塑剤として作用するため、低エネルギーで定着可能であり、かつ液体(水)が時間と共に蒸発するとインクから供給される金属カチオン(クラスター)と樹脂のカルボン酸間に形成されるイオン架橋により定着強度を向上させることができる。
また、中間体の表面には、インク受容性粒子供給前に予め、離型剤を塗布してもよい。これにより、インク受容性粒子層の転写性が向上する。このような離型剤としては、(変性)シリコーン・オイル、フッ素系オイル、炭化水素オイル、鉱物油、植物油、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカンジオール、溶融ワックス類などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、樹脂フィルムなど)、いずれも適用することができる。
以下、本発明の記録装置の実施形態ついて図面を参照しつつ説明する。図1には、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置が示されている。
図1に示すように、本発明の画像形成装置10は、無端ベルト状の中間転写体12、中間転写体12表面を帯電させる帯電装置28、中間転写体12上の帯電された領域にインク受容性粒子16を均一かつ一定厚に付着させ粒子層を形成する粒子塗布装置18、粒子層上にインク滴を吐出し画像を形成するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせ、圧力及び熱を加える事により記録媒体8上にインク受容性粒子層を転写及び定着する転写定着装置22を含んで構成されている。
帯電装置28の上流側には、中間転写体12表面から記録媒体8へインク受容性粒子層16Aの転写効率を向上させる為、中間転写体12表面よりインク受容性粒子層16Aを離形促進させる為の離形層14Aを形成する離形剤塗布装置14が配置される。
帯電装置28により表面に電荷を形成した中間転写体12の表面は粒子塗布装置18にてインク受容性粒子16を均一な層として形成され、粒子層上には各色ごとのインクジェット記録ヘッド20すなわち20K、20C、20M、20Yから各色のインク滴が吐出されカラー画像が形成される。
表面にカラー画像が形成された粒子層は転写ローラ22にて記録媒体8にカラー画像ごと転写される。転写定着装置22の下流には、中間転写体12表面に残留しているインク受容性粒子16の除去、粒子以外の異物(記録媒体8の紙粉等)の中間転写体付着物の除去を行うためのクリーニング装置24が配置されている。
カラー画像を転写された記録媒体8はそのまま搬出され、中間転写体12は再度帯電装置28で表面に電荷を形成される。このとき、記録媒体8に転写されたインク受容性粒子はインク滴20Aを吸収・保持するので速やかに搬出が可能であり、記録媒体8にインクを吸収させる従来の方法に比較して装置全体の生産性を高めることができる。
また、必要に応じて、クリーニング装置24と離形剤塗布装置14の間に、中間転写体12表面に残留する電荷を除去する為の除電器29を配置しても良い。
本実施形態においては、中間転写体12は、厚さ1mmからなるポリイミドフィルムからなるベース層の上に厚さ400μmのエチレンプロピレンゴム(EPDM)からなる表面層が形成されている。ここでは表面抵抗値が10^13Ω/□程度、体積抵抗値が10^12Ω・cm程度(半導電性)であることが望ましい。
中間転写体12が周動搬送され、まず離形剤塗布装置14により中間転写体12表面に離形層14Aが形成される。離形剤塗布装置14の塗布ローラー14Cにより中間転写体12表面に離形剤14Dが塗布され、ブレード14Bで層厚を規定する。
このとき、連続的に画像形成及びプリントを行えるようにするために、離形剤塗布装置14を中間転写体12に連続的に接触するようにしても良いし、中間転写体12から適宜離間するような構成としても良い。
塗布装置に、独立した液体供給システム(図示せず)より離形剤14Dを供給して、離形剤14Dの供給がとぎれないようにしてもよい。本実施例においては、アミノシリコーンオイルを離形剤14Dとして使用する。
次に、帯電装置28によって正の電荷を中間転写体12表面に付与する事により、中間転写体12表面に正の電荷が帯電される。ここでは、粒子塗布装置18の現像ロール18Aと中間転写体12表面とで形成しうる電界による静電力により、インク受容性粒子16が中間転写体12表面に供給/吸着可能な電位を形成すればよい。
本実施例においては、帯電装置28を用いて、帯電装置28と中間転写体12を挟んで配置されている従動ロール31(グラウンドに接続)間に電圧を印加し、中間転写体12表面を帯電させる構成としている。
帯電装置28は、ステンレスを材料とする棒状の外周面に、導電性付与材を分散させた弾性層(発泡ウレタン樹脂)を形成し、体積抵抗率10^6〜10^8Ω・cm程度に調整したロール形状の部材とする。さらに、弾性層の表面を厚さ5〜100μmの撥水撥油性のスキン層(PFA)で被覆する。これにより装置内の湿度変化や帯電層表面への離形剤の付着などによる特性変化(抵抗値変化)を抑えるのに効果がある。
帯電装置28にはDC電源が接続され、従動ロール31はフレームグランドに電気的に接続されている。帯電装置28は、従動ロール31との間で中間転写体12を挟みつつ従動し、押圧位置では、接地された従動ロール31との間に所定の電位差が生じるため、中間転写体12の表面に電荷を与えることができる。ここでは帯電装置28により中間転写体12表面に電圧1kv(定電圧制御)を印加し、中間体12表面を帯電させる。
また、帯電装置28をコロトロンやブラシで構成しても良い。この場合の印加電圧も上記とほぼ同様な条件で行う。特にコロトロンは中間転写体12に非接触で電荷を与える事が可能となる。
次に粒子塗布装置18により、中間転写体12表面にインク受容性粒子16が供給され、インク受容性粒子層16Aを形成する。粒子塗布装置18は、インク受容性粒子16が収容される容器の、中間転写体12と向合う部分に現像ロール18Aが配され、現像ロール18Aに押圧するように帯電ブレード18Bが配される。この帯電ブレード18Bは現像ロール18A表面に付着するインク受容性粒子16の層厚を規制する機能も併せ持つ。
現像ロール18A(導電性ロール)にインク受容性粒子16を供給し、帯電ブレード18Bでインク受容性粒子層16Aを規制するとともに中間転写体12表面の電荷と逆極性である負に帯電する。現像ロール18Aはアルミ製の中実ロール、帯電ブレード18Bは圧力をかけるために金属板(SUSなど)にウレタンゴムを獲り付けた物を用いることができる。帯電ブレード18Bはドクター方式で現像ロール18Aと接する。
帯電されたインク受容性粒子16は現像ロール18A表面に例えば略1層の粒子層を形成し、中間転写体12表面と対向する部位に搬送され、これと近接すると現像ロール18Aと中間転写体12表面との電位差により形成された電界により、帯電したインク受容性粒子16は静電力により中間転写体12表面に移動する。
この時、中間転写体12表面に略1層の粒子層を形成するように中間転写体12の移動速度と現像ロール18Aの回転速度を相対的に設定する(周速比)。この周速比は、中間転写体12の帯電量やインク受容性粒子16の帯電量、現像ロール18Aと中間転写体12の位置関係等、他のパラメータに依存する。
上記の、略1層のインク受容性粒子層16Aを形成する周速比を基準に、現像ロール18Aの周速を相対的に早くする事により、中間転写体12上に供給される粒子数を増加させる事が出来る。これによって中間転写体12上に形成されるインク受容性粒子層16Aの層厚をコントロールする事が可能となる。すなわち、転写される画像濃度が低い(インク打ち込み量が少ない)場合には、層厚を必要最小限の厚さとし、また、画像濃度が高い(インク打ち込み量が多い)場合には、インク溶媒を保持可能である充分な層厚となるように制御する事が好ましい。
例えば、インク打ち込み量が少ない文字画像等の場合、中間転写体上の略1層のインク受容性粒子層に対して像形成を行った場合、インク中の画像形成材(顔料)は中間転写体上のインク受容性粒子層表面近傍にトラップされ、深さ方向に対して分布が少なくなるように、インク受容性粒子を形成する多孔質粒子や定着性粒子の表面に固定される。その為、転写定着後の画像層表面に露出する画像形成材(顔料)は少なく、記録材料表面に直接画像を形成した場合と比較して(顔料の殆どが表面近傍に存在する)、擦過等に対して充分な定着性を発現する事が出来る。
たとえば、最終的な画像となる画像層16B(図3参照)の上に保護層となる層16Cを設けたい場合はインク受容性粒子層16Aを3層程度の厚みとし、最上層のみインクで像形成を行えば、像形成を行わない2層分の粒子層が転写定着後には保護層となり画像層16Bの上に形成される。
あるいは2次色や3次色の画像等、インク打ち込み量が高い画像を形成する場合には、インク受容性粒子層をインク溶媒を保持可能で、インク受容性粒子を形成する多孔質粒子や定着性粒子の表面に顔料がトラップされ、最下層まで到達しない充分な粒子数となるようにインク受容性粒子を積層させる。この場合、転写定着後の画像層表面に画像形成材(顔料)は露出せず、像形成を行わないインク受容性粒子が画像表面に保護層として形成してもよい。
次に、インクジェット記録ヘッド20がインク受容性粒子層16Aにインク滴20Aを付与する。インクジェット記録ヘッド20は所定の画像情報に基づき、所定の位置にインク滴20Aを付与する。
最後に、転写定着装置22により記録媒体8と中間転写体12を挟み込んで、インク受容性粒子層16Aに圧力と熱を加える事で、記録媒体8上にインク受容性粒子層16Aが転写される。
転写定着装置22は加熱源を内蔵する加熱ロール22Aと、中間転写体12を挟んで対向する加圧ロール22Bとから構成され、加熱ロール22A及び加圧ロール22Bは当接されてニップを形成する。加熱ロール22A及び加圧ロール22Bには、電子写真の定着器(フューザー)と同様、アルミコアの外表面にシリコーンゴムを被覆し、更にその上をPFAチューブにて被覆された物を使用することができる。
加熱ロール22Aと加圧ロール22Bのニップ部において、ヒーターによりインク受容性粒子層16Aが加熱され、かつ圧力が加わる為、記録媒体8にインク受容性粒子層16Aが転写されると同時に定着される。
このとき、非画像部における樹脂粒子が軟化点(Tg)以上に加熱されることにより軟化し(あるいは溶融され)、圧力により中間転写体12表面に形成された離形層14Aからインク受容性粒子層16Aが離形され、記録媒体8上に転写定着される。また、インクが打ち込まれた画像部の弱吸水性樹脂粒子(定着性粒子16E)はインク溶媒を吸収する事により柔軟化しているため、圧力により中間転写体12表面に形成された離形層14Aからインク受容性粒子層16Aが離形され、記録媒体8上に転写される。この時、加熱によって転写定着性が向上する。本実施例では過熱ロール22Aの表面を160℃に制御している。この時、インク受容性粒子層16Aに保持されたインク溶媒は、転写後もそのままインク受容性粒子層16A内に保持され、定着される。また転写定着装置22より前に、中間転写体12に予備加熱を行う事で、転写定着の効率を向上させても良い。
図2には、本発明の第1実施形態に係る画像形成のプロセスが示されている。図2に示すように、中間転写体12の表面には転写時の離形性確保および表面への水分付着によるインク受容性粒子16の付着阻害を防止するために離形層塗布装置14にて離形層14Aを形成する。中間転写体12の素材がアルミやPETベースであれば特に離形層14Aの効果は大きい。あるいはフッ素樹脂・シリコーンゴム系の素材を用いて、中間転写体12の表面自体に離形性を持たせるようにしてもよい。
次に帯電装置28にて中間転写体12の表面をインク受容性粒子16と逆の極性に帯電させる。これにより、粒子塗布装置18の供給ローラ18Aにて供給されるインク受容性粒子16を静電的に吸着させ、中間転写体12の表面に一様なインク受容性粒子16の層を形成することができる。
次いで中間転写体12の表面に粒子塗布装置18の供給ローラ18Aにてインク受容性粒子16を均一な層として形成する。たとえば、形成されたインク受容性粒子層16Aはインク受容性粒子16が3層程度重なった厚みと成るように形成する。すなわち、上記のように帯電ブレード18Bと供給ローラ18Aの空隙によって粒子層16Aを所望の厚さに制御することで記録媒体8に転写される粒子層16Aの厚さを制御する。あるいは供給ローラ18Aと中間転写体12の周速比によって制御してもよい。
ここで、インク受容性粒子16の構造は例えば図2(b)のように定着性粒子16Eと多孔質粒子16Fとが空隙16Gをもって凝集・造粒された、望ましくは直径2〜3μmの2次粒子である。
形成された粒子層16A上に、圧電式(ピエゾ)、サーマル式などにより駆動される各色のインクジェット記録ヘッド20によってインク滴20Aが吐出され、粒子層16Aに画像層16Bが形成される。インクジェット記録ヘッド20から吐出されたインク滴20Aは、インク受容性粒子層16Aに打ち込まれ、インクはインク受容性粒子16に形成された空隙16Gにより速やかに吸収され、順次溶媒が多孔質粒子16Fの空隙及び定着性粒子16Eに吸収されるとともに、顔料(色材)がインク受容性粒子16を形成する1次粒子(定着性粒子16Eと多孔質粒子16F)表面にトラップされる。
このとき2次粒子を構成している1次粒子の空隙がフィルターの効果を発揮し、粒子層表面部近傍にインク中の顔料をトラップすると共に、1次粒子表面にトラップされ固定される事により、インク受容性粒子層16Aの表面近傍に多くの顔料をトラップすることができる。
また、インク受容性粒子層16Aの表面近傍および1次粒子表面に顔料を確実にトラップさせるために、インクとインク受容性粒子16とを反応させることにより、顔料を速やかに不溶化(凝集)させる方法を採用すればより好ましい。
顔料がトラップされた後のインク溶媒は粒子層深さ方向に浸透すると共に、多孔質粒子16Fの空隙及び定着性粒子16Eに吸収されると共に、粒子間の空隙16Gに保持される。またインク溶媒を吸収した定着性粒子16Eは軟化することによって転写定着に寄与する。
このため、次のインクジェット記録ヘッド20に進み次の色のインク滴20Aが吐出されても、インク同士が混じり合って滲む現象を抑えることができる。
このときインク滴20Aに含まれる溶媒又は分散媒は粒子層16Aに浸透するが、顔料等の記録材は粒子層16Aの表面近傍にトラップされる。すなわち、溶媒または分散媒は粒子層16Aの裏面まで浸透させても良いが、顔料等の記録材は粒子層16Aの裏面には浸透しない。これにより、記録媒体8に転写した際には顔料等の記録材が浸透していない粒子層16Cが画像層16Bの上に層を形成するため、この粒子層16Cが画像層16Bの表面を封じ込める保護層となり、表面に顔料などの色剤が露出しないので擦過などに強いタフな画像を形成することができる。使用されるインクは、望ましくは濃度10%以上の顔料インクがよいが、顔料インクに限らず染料インクでもよい。
次いで画像層16Bが形成された粒子層16Aを中間転写体12から記録媒体8上に転写/定着する事により、記録媒体8上にカラー画像が形成される。中間転写体12上の粒子層16Aはヒータなどの加熱手段にて加熱された転写定着ローラ22によって、加熱・加圧され記録媒体8上に転写される。定着性粒子16Fによる定着は、圧力かつ/又は熱により定着粒子16F同士、及び定着粒子16Fと記録媒体8とが結着する事で行われる。
このとき後述のように加熱・加圧を調節することで画像表面の凸凹を適宜調整し、光沢度を制御することもできる。また冷却剥離を行い同様の効果を得てもよい。
粒子層16Aが剥離した後の中間転写体12表面に残った残留粒子16Dは図1のクリーナ24にて回収され、中間転写体12の表面は再度帯電装置28にて帯電され、インク受容性粒子16が供給され粒子層16Aが形成される。
図3には、本発明に係る画像形成に用いられる粒子層が示されている。図3(a)に示すように、中間転写体12の表面には転写時の離形性確保および表面への水分付着によるインク受容性粒子16の付着阻害を防止するために離形層14Aが形成される。
次いで中間転写体12の表面に粒子塗布装置18にてインク受容性粒子16を均一な層として形成する。前述のように形成された粒子層16Aはインク受容性粒子16が3層程度重なった厚みが望ましい。粒子層16Aを所望の厚さに制御することで記録媒体8に転写される粒子層16Aの厚さを制御する。このとき粒子層16Aの表面はインク滴20Aの吐出による画像形成(画像層16Bの形成)に支障がない程度に均一に均されている。
また、吐出されたインク滴20Aに含まれる顔料等の記録材は図3(a)のように粒子層16Aの1/3〜半分程度まで浸透し、その下には顔料等の記録材の浸透していない粒子層16Cが残存している。
転写定着ローラ22による加熱・加圧転写で記録媒体8上に形成された粒子層16Aは図3(b)のように画像層16B上にインクを含まない粒子層16Cが存在するので、画像層16Bが直接表面に現れず一種の保護層としての働きをする。このため少なくとも定着後のインク受容性粒子16は透明である必要がある。
粒子層16Cは転写定着ローラ22によって加熱・加圧されるので表面を十分平滑にすることが可能であり、画像表面の光沢度を加熱・加圧によって制御することもできる。すなわち、転写定着時に印加される圧力/熱の何れか(または両方)を制御する事により、記録媒体8上に転写定着されたインク受容性粒子層16Aに画像層16Bが形成表面の状態を変化させる事が可能である。圧力/熱を増加させる事により、インク受容性粒子層16A表面の粗さが減少しグロス(光沢)が向上する。また、圧力/熱を減少させることで、インク受容性粒子層16A表面が平滑化されない(粗面)ため、グロスが低下し、マットな仕上がりとなる。
また加熱によってインク受容性粒子16内部にトラップされていた溶媒の乾燥を促進させるようにしてもよい。
インク受容性粒子層16Aに受容/保持されたインク溶媒は、転写定着後もインク受容性粒子層16A内に保持され、通常の水性インクジェット記録におけるインク溶媒の乾燥と同じく、自然乾燥にて除去される。その為、記録媒体8のインク浸透性の違いや、非浸透紙に対しても同じように、水性インクにより高速で高画質な画像を形成する事が可能となる。
上記の工程を経て、画像形成が終了する。中間転写体12については、インク受容性粒子16を記録媒体8に転写した後、中間転写体12上に残留した残留粒子16Dや、記録媒体8から離脱した紙粉のような異物が存在する場合には、クリーニング装置24により除去しても良い。
また、中間転写体12に帯電を繰り返した場合、帯電量が一定に保てなくなる場合がある。その場合、クリーニング装置24の下流に、除電器29を配置しても良い。帯電装置28と同様な導電性ロールを使用して、従動ロール31(接地)と挟み込んで、中間転写体12表面に±3kV、500Hz程度の交流電圧を印加する事により、中間転写体12表面を除電することが可能である。
上記の帯電電圧や、粒子層厚、定着温度等、その他の各種装置的条件は、インク受容性粒子16あるいはインクの組成、インクの吐出量等によって最適条件が決定される為、それぞれにおいて最適化すれば所望の結果を得ることができる。
図4には、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置が示されている。図4に示すように、本実施形態の画像形成装置11は、無端ベルト状の中間転写体12、中間転写体12表面を帯電させる帯電装置28、中間転写体12上の帯電された領域にインク受容性粒子16を均一かつ一定厚に付着させ粒子層を形成する粒子塗布装置18、粒子層上にインク滴を吐出し画像を形成するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせ、圧力及び熱を加える事により記録媒体8上にインク受容性粒子層16Aを転写する転写装置23、及び記録媒体8上にインク受容性粒子層16Aを定着する定着装置25を含んで構成されている。
本実施形態は、第1実施形態における転写定着プロセスを転写と定着に分離した構成である。すなわち中間転写体12上のインク受容性粒子層16Aを転写装置23の転写ローラ23Aと、中間転写体12を挟んで対向する位置にある従動ローラ23Bにてニップし、画像層16Bごと記録媒体8上に転写する。
次いで記録媒体8上に転写されたインク受容性粒子層16Aを、定着装置25と、記録媒体8を挟んで対向する位置にある従動ローラ25Bにてニップし、記録媒体8上に定着する。
上記のように画像転写動作及び定着動作を分離することにより、プリント速度を犠牲にすることなく、画像定着性をより向上できる。2次定着動作により、インク受容性粒子層16Aの転写処理時の圧力を下げることができるので、中間転写体12及び転写装置23の負荷も減らせる。
また画像転写動作及び定着動作を分離することにより、圧力及び加熱の制御が容易となり、記録媒体8上に転写した後のインク受容粒子層16A表面の特性の制御が容易となり、グロス(表面光沢性)の制御がより可能となる。
さらに定着装置25の構成として、図4(b)に示すようにニップ面積を拡大可能なベルトニップ方式等を選択することが容易となる。
図5には、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置が示されている。
図5に示すように、本発明の画像形成装置13は、無端ベルト状の中間転写体12、中間転写体12表面を帯電させる帯電装置28A、中間転写体12上の帯電された領域にインク受容性粒子16を均一かつ一定厚に付着させ粒子層を形成する粒子塗布装置18、粒子層上にインク滴を吐出し画像を形成するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8の裏側すなわち非画像形成面を帯電させる帯電装置28B、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせ、圧力及び熱を加える事により記録媒体8上にインク受容性粒子層16Aを転写する転写定着装置22を含んで構成されている。
本実施形態は、第1実施形態の転写定着プロセスの前に、記録媒体裏面(画像形成面と反対面)に帯電装置を備えた構成である。
インク受容性粒子層16Aの非画像部はインクが打ち込まれていない為、インク溶媒により定着性粒子16Fが軟化しておらず、第1実施形態では転写定着部22での記録媒体8への転写時に、圧力と共に過熱により転写を行っている。
本実施形態では、転写定着プロセスの前に中間転写体12表面に静電力により吸着している非画像部のインク受容性粒子16を、記録媒体8裏面より電圧を印加する事により、記録媒体8表面に静電的に転写させる事を特徴とする。
画像部16Bのインク受容性粒子16はインクを吸収しているため押圧すれば記録媒体8側に転写・定着するが、非画像部分の粒子層16Aは中間転写体12に静電吸着しているので、そのままでは転写しにくい。そこで非画像部の粒子層16Aを転写するために、中間転写体12表面上の粒子層16Aを被記録媒体を密着させ、被記録媒体と粒子間に電界を形成して静電力により転写させる。
具体的には導電性ロールを用いて、記録媒体8の裏面にインク受容性粒子16と逆極性の電荷を直接与えて記録媒体8に転写する。あるいはコロトロンにより電荷を付与しても良い。
さらに画像部16Bはインク中の水分を吸収することにより柔軟性を付与され、中間転写体12と記録媒体8を挟んで押圧することにより、記録媒体8に転写される。そこで画像部16Bの粒子を転写させる為に、加熱装置によりインク受容性粒子16をガラス転移点以上に加熱する事により転写を行っても良い。
ここでは電子写真の静電転写技術を応用し、導電性ローラー(本実施形態の帯電装置28B)により、インク受容性粒子16の帯電極性と逆極性の電圧を印加する事で、記録媒体8表面に転写させる。その際、中間転写体12表面に静電的に吸着されているインク受容性粒子16を引き剥がすのに充分な電界を形成するような電圧を印加することができる。
また、印加電圧や、その他の各種装置的条件は、インク受容性粒子や中間転写体等によって決定される為、それぞれにおいて最適化すれば所望の結果を得ることができる。上記の構成とする事で、非画像部のインク受容性粒子の転写効率を高める事が可能となる。
図6には、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置が示されている。図6に示すように、本実施形態の画像形成装置15は、ドラム状の中間転写体12、中間転写体12表面を帯電させる帯電装置28、中間転写体12上の帯電された領域にインク受容性粒子16を均一かつ一定厚に付着させ粒子層を形成する粒子塗布装置18、粒子層上にインク滴を吐出し画像を形成するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせ、圧力及び熱を加える事により記録媒体8上にインク受容性粒子層を転写及び定着する転写定着装置22を含んで構成されている。
本実施形態は、第1実施形態におけるベルト状中間転写体12を中間転写ドラムとした構成である。
本実施形態の中間転写体12には、表面を陽極酸化処理したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性基体が使用される。アルミニウム合金としては、アルミニウム/マグネシウム合金、アルミニウム/チタニウム合金等が使用される。これら原材料の表面は、均一な陽極酸化被膜を形成するために、鏡面加工されていることが好ましい。
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸などの酸性浴中で、電圧5〜500V、電流密度0.1〜5A/dm2 の条件で行うのが好まし。陽極酸化被膜の厚さは、2〜50μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。陽極酸化処理された表面は、多孔質であることが多いが、多孔質表面は化学的に不安定なので、沸騰水や、水蒸気を用いた水和封孔処理を施すことが好ましい。
本実施形態では、アルミニウムパイプの表面を鏡面加工したものを硫酸中、電流密度1.5A/dm2 の条件で陽極酸化処理を行い、7μmの陽極酸化被膜を形成し、続いて沸騰水による封孔処理を行っている。
中間転写体12として、ベルトと比較してドラムの方が剛体であるため、インクジェット記録ヘッド20のノズル面に対する中間転写体12表面の距離を一定に保つ事が容易である。また、記録画像を複数回に分割して画質を向上させるインクジェット特有のマルチパス記録を行う場合、ベルトと比較してドラムの方が繰返し記録位置精度の確保等が容易である利点がある。
図7には、本発明の第5実施形態に係る画像形成装置が示されている。図7に示すように、本実施形態の画像形成装置17は、無端ベルト状の中間転写体12、中間転写体12表面を帯電させる帯電装置28、中間転写体12上の帯電された領域にインク受容性粒子16を均一かつ一定厚に付着させ粒子層を形成する粒子塗布装置18、粒子層上にインク滴を吐出し画像を形成するインクジェット記録ヘッド20、記録媒体8を中間転写体12と重ね合わせ、圧力及び熱を加える事により記録媒体8上にインク受容性粒子層を転写及び定着する転写定着装置22を含んで構成され、第1実施形態(図1)から離形剤塗布装置14を省略した構成となっている。
本実施例は、中間転写体12表面を離形層(離形性材料)とした構成である。中間転写体12として、厚さ2ミリのウレタン材からなるベース層上に厚さ400μmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる表面層が形成されている
表面層がインク受容性粒子16に対して離形性を有する為、転写定着時にインク受容性粒子層が中間転写体から記録媒体へ効率よく転写される。また表面層が離形性を有すると共に撥水性を有する為、インク受容性粒子層に浸透したインク溶媒が中間転写体12表面に付着することなく、インク受容性粒子16に保持され、記録媒体8へ転写される。すなわち、中間転写体12表面にインク溶媒が残留する事は無く、インク受容性粒子16の供給等に影響を与えることは無い。よって、離形剤を塗布する事で離形層を形成する必要がなく、簡略化/小型化/低コスト化が可能である。
<各構成要素>
次に、第1実施形態乃至第5実施形態の各ステップの構成要素について詳しく説明する。
第1実施形態乃至第5実施形態において特に言及しない場合は、以下の構成要素を用いることができる。
<インク受容性粒子>
上記各実施形態において用いられるインク受容性粒子とは、以下のようなものが考えられる。
インク受容性粒子16は、インク滴20Aを吸収/保持可能な多孔質粒子16Fと、弱インク吸収性と定着性を備えた樹脂粒子16Eとを、弱凝集させた2次粒子であり、多孔質粒子及び樹脂粒子間の空隙16Gをもつ。
インク受容性粒子16による粒子層16Aを形成する方法が、インク受容性粒子16を帯電させて中間転写体12表面に電界により供給する方式すなわちゼログラフィ方式の場合、インク受容性粒子16には帯電性が必要となる。このためトナーの帯電制御剤をインク受容性粒子16に内添するようにしてもよい。また、インク中の色材(特に顔料)を多孔質粒子及び定着性粒子16E(1次粒子)表面に固定(トラップ)する為に、インク中の顔料及び水溶性高分子と反応し、顔料及び水溶性高分子を不溶性とする事が望ましい。
さらにインク受容性粒子16は記録媒体8に転写される際、又は転写後に画像を定着する機能を有する。定着を発揮させる為には転写定着ローラ22による圧力、熱、または圧力及び熱による転写定着処理を行う。加えてインク受容性粒子16は画像形成後のインクの発色性を得る為(画像層16B上に形成された層16Cを通して画像を視認するため)、少なくとも定着後には透明となる必要がある。
<中間転写体>
インク受容性粒子層が形成される中間転写体12は第1実施形態のようにベルト状でも、あるいは第4実施形態のように円筒状(ドラム状)でもよい。 中間転写体表面にインク受容性粒子を静電力により供給保持する為には、中間転写体外周面が半導電性あるいは絶縁性の粒子保持特性を有する必要がある。中間転写体表面の電気的特性として、半導電性の場合は表面抵抗が10^10〜14Ω/□、体積抵抗値が10^9〜13Ω・cm、絶縁性の場合には10^14Ω/□、体積抵抗値が10^13Ω・cm以上の部材を用いる。
ベルト形状の場合、基材としては、装置内におけるベルト回転駆動が可能で、必要な機械強度を持ち、特に転写/定着時に熱を使用する場合には、必要な耐熱性を持つものであれば良い。具体的には、 ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ステンレス等が使用される。
ドラム形状の場合、基材としてはアルミやステンレス等が考えられる。
インク受容性粒子16の転写効率を向上させる(中間転写体12から記録媒体8への効率的な転写)ためには、中間転写体12の表面には離形層14Aが形成されている事が望ましい。離形層14Aは中間転写体12表面(材質)として形成されていても、外添する事により中間転写体12の表面にオン・プロセスで離形層14Aを形成しても良い。
すなわち中間転写体12の表面を離形層14Aとする場合、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂や、 弾性体としてはシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムなどが好ましい。
外添により離形層14Aを形成する場合、ドラム形状の場合には、アルミの表面を陽極酸化した物、ベルト形状の場合には上記ベルト基材その物、また弾性体を形成する場合には(ドラム形状、ベルト形状のどちらでも)、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等が使用される。
転写定着ローラ22における定着工程において電磁誘導による加熱方式を発揮するためには、転写定着ローラ22ではなく中間転写体12に発熱層を形成しても良い。発熱層には電磁誘導作用を生じる金属が用いられる。例えばニッケル、鉄、銅、アルミニウム、クロム等が選択可能である。
<粒子供給プロセス>
中間転写体12の表面にインク受容性粒子16の粒子層16Aを形成する。このときインク受容性粒子16の粒子層16Aを形成する方法は一般的な電子写真のトナーを感光体に供給する方法を応用できる。すなわち、予め中間転写体12表面に一般的な電子写真の帯電方式(帯電装置28による帯電など)により、電荷を供給する。インク受容性粒子16は中間転写体12表面の電荷と逆極性に摩擦帯電(1成分摩擦帯電方式や、2成分方式)させる。
図2(a)の供給ローラ18Aに保持されたインク受容性粒子16は中間転写体12の表面と電界を形成し、静電力により中間転写体12上に移動/供給され、保持される。このとき、インク受容性粒子16の粒子層16Aに形成される画像層16Bの厚みにより(打ち込まれるインク量に合わせて)インク受容性粒子16の粒子層16Aの厚さをコントロールする事も可能である。この際インク受容性粒子16の帯電量としては、5μc/g〜50μc/gの範囲が望ましい。
以下、1成分現像方式相当の粒子供給プロセスについて説明する。
現像ロール18Aにインク受容性粒子16を供給し、導電ブレード18Bで粒子層の厚みを規制するとともに帯電する。
帯電ブレード18Bは現像ロール18A表面におけるインク受容性粒子16の層厚を規制する働きを持ち、現像ロール18Aへの圧力を変化させることで、現像ロール18A表面のインク受容性粒子16の層厚を変化させることが可能である。現像ロール18A表面上のインク受容性粒子16層厚を概1層とすることで、中間転写体12の表面上に形成されるインク受容性粒子16層厚を概1層に形成することが可能である。また、帯電ブレード18Bの押圧力を低く制御することで現像ロール18A表面上に形成されるインク受容性粒子16層厚を増加させ、中間転写体12表面上に形成されるインク受容性粒子16の粒子層16A厚を増加させることが可能となる。
他の方法として、中間転写体12表面上に概1層の粒子層を形成する現像ロール18Aと中間転写体12の周速を1とした場合、現像ロール18Aの周速を速くすることにより中間転写体12上に供給されるインク受容性粒子16の数を増加させることができ、中間転写体12上の粒子層16A厚を増加させることが可能となるよう制御することができる。また上記方法を組み合わせて制御することも可能である。上記構成では例えばインク受容性粒子16を負に帯電し、中間転写体12の表面を正に帯電させている。
このようにインク受容性粒子層の層厚を制御することにより、インク受容性粒子層の消費量を抑えつつ、常に表面が保護層で覆われたパターンを形成することができる。
帯電装置における帯電ロール18としてはアルミニウム、ステンレススチール等を材料とする棒状またはパイプ状部材の外周面に導電性付与材を分散させた弾性層を形成し、体積抵抗率10^6〜10^8Ω・cm程度に調整したφ10〜25mmのロールなどが使用できる。
弾性層は、ウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマー、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、シリコン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ポリノルボーネンゴム等の樹脂材料が単独または二種以上の混合物として使用され、望ましい材料としては発泡ウレタン樹脂がある。
上記発泡ウレタン樹脂としては、ウレタン系樹脂に中空ガラスビーズや熱膨張型マイクロカプセル等の中空体を混合分散して独立気泡構造を付与したものが望ましく、このような発泡ウレタン樹脂は帯電装置として望ましい低硬度弾性を有し、搬送ベルトに対する高い接触安定性が得られるとともに、ニップ形成性も良好になる。
さらに、弾性層の表面を厚さ5〜100μmの撥水性のスキン層で被覆しても良く、その場合には装置内の湿度変化や帯電層表面へのインクミストの付着などによる特性変化(抵抗値変化)を抑えるのに効果がある。
帯電装置28にはDC電源が接続され、従動ロール31はフレームグランドに電気的に接続されている。帯電装置28は、従動ロール31との間で中間転写体12を挟みつつ従動し、押圧位置では、接地された従動ロール31との間に所定の電位差が生じるため、電荷を与えることができる。
<マーキングプロセス>
中間転写体12の表面に形成されたインク受容性粒子16の層(粒子層16A)に、画像信号に基づいてインクジェット記録ヘッド20からインク滴20Aが吐出され、画像が形成される。インクジェット記録ヘッド20から吐出されたインク滴20Aは、インク受容性粒子16の粒子層16Aに打ち込まれ、インク滴20Aはインク受容性粒子16内に形成された空隙16Gにより速やかに吸収され、順次溶媒が多孔質粒子16Fの空隙に及び定着性粒子16Eに吸収されるとともに、顔料(色材)がインク受容性粒子16を形成する1次粒子(多孔質粒子16F・定着性粒子16E)の表面にトラップされる。
この場合、インク受容性粒子16による粒子層16Aの表面近傍に多くの顔料をトラップすることが望ましい。これは2次粒子を構成している1次粒子空隙がフィルターの効果を発揮し、粒子層16A表面部近傍に顔料をトラップすると共に、1次粒子表面にトラップされ固定される事により発現される。
粒子層16Aの表面近傍および1次粒子の表面に顔料を確実にトラップさせるために、インクとインク受容性粒子16を反応させることにより、顔料を速やかに不溶化(凝集)させる方法を採用しても良い。具体的には、上記反応はインクと多価金属塩との反応や、pH反応型を応用することが可能である。
また、高速で画像を書き込むためには、紙幅のライン型インクジェット記録ヘッド(FWA)が望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いて、中間転写体上に形成された粒子層に順次画像を形成しても良い。インクジェット記録ヘッド20のインク吐出手段は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク吐出可能な手段であれば制限はない。インク自体も従来の染料を色材としたインクを用いることができるが、顔料インクが好ましい。
インク受容性粒子16をインクと反応させる場合は、インク受容性粒子16をインクと反応して顔料を凝集させる効果を与える凝集剤(例えば多価金属塩)を含む水溶液にて処理を行い、乾燥させたものを使用する。
<転写プロセス>
インク滴20Aを受容し、画像が形成された粒子層16Aは、記録媒体8に転写及び定着される事により、記録媒体8上に画像を形成する。上記転写と定着は別のプロセスにて行われても良いが、好ましくは転写と定着を同時に行う方式が良い。定着は粒子層16Aを加熱あるいは加圧する事のいずれかの方法、あるいは加熱と加圧の両方を用いる方法等あるが、好ましくは加熱/加圧を同時に行う方式が良い。
上記加熱/加圧を行う方法としては、例えば図4(b)のような電子写真の加熱定着器(フューザー)を応用する事が可能である。また加熱/加圧を制御する事で、粒子層16Aの表面物性を制御し、グロス(光沢度)を制御する事が可能である。また加熱/加圧した後、画像(粒子層16A)が転写された記録媒体8を中間転写体12から剥離するときに、粒子層16Aが冷却された後に剥離されても良い。冷却方法は、自然冷却や空冷等の強制冷却などが考えられる。これらのプロセスに対しては、中間転写体12としてはベルト形状が好ましい。
インク画像は中間転写体12上に形成されたインク受容性粒子16層の表層部に形成され(顔料が粒子層16Aの表面近傍にトラップされる)、記録媒体8に転写される事により、インク画像がインク受容性粒子16からなる層16Cにより保護されるように形成される。つまり、顔料(色材)が記録媒体8上に転写された粒子層16Aの最上層に多数存在しない為、擦り等による画像乱れの影響を防止する事が可能となる。
インク受容性粒子16層に受容/保持されたインク溶媒は、転写定着後もインク受容性粒子16層内に保持され、通常の水性インクジェット記録におけるインク溶媒の乾燥と同じく、自然乾燥にて除去される。
<離形層>
転写効率を向上させるために、インク受容性粒子16供給前に、中間転写体12表面にシリコーンオイル等の離形層14Aを形成する工程を設けることも可能である。
離形層としてはシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、フッ素系オイル、炭化水素系オイル、鉱物油、植物油、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカンジオール、溶融ワックス等が考えられる。
弾性体の材質としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどを用いることができる。ここで、シリコーンゴムを採用する場合には、潤滑剤としてシリコーンオイルを使用するとシリコーンゴムが膨潤するので、これを防ぐためにその表面をフッ素樹脂またはフッ素ゴムのコート層を設けることが好ましい。
離形層14の供給方法は、オイルタンクを内蔵しオイル塗布部材にオイルを供給し、塗布部材により中間転写体12表面にオイルを供給することで離形層14Aを形成する方法や、オイルを含浸した塗布部材により中間転写体12表面に離形層14Aを形成する方法等が使用される。
<クリーニングプロセス>
中間転写体12表面をリフレッシュして繰返し使用を可能にするために表面をクリーニング装置24でクリーニングする工程が必要である。クリーニング装置24はクリーニング部と粒子搬送回収部(図示せず)から成り立っており、上記クリーニングにより、中間転写体12表面に残留しているインク受容性粒子16(残留粒子16D)の除去、粒子以外の異物(記録媒体8の紙粉等)といった中間転写体12の表面に付着した付着物の除去を行う。また、回収した残留粒子16Dは再利用してもよい。
<除電プロセス>
温度や湿度の条件によっては中間転写体12の表面抵抗が適切でない値になる場合が考えられる。中間転写体12の表面が高抵抗である場合には、粒子供給動作を繰り返し行う間に、中間転写体12の表面に電荷が蓄積されて電位が上がり、粒子層の形成に影響を与える場合がある。
そこで離形層14Aを形成する前に除電装置29を用いて中間転写体12の表面を除電するようにしてもよい。これにより中間転写体12の表面に蓄積された電荷を除き、インク受容性粒子層16Aの形成への影響を抑えることができる。
<他の形態>
以上、各実施形態においては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド20から画像データに基づいて選択的にインク滴20Aが吐出されてフルカラーの画像が記録媒体8に記録されるようになっているが、本発明は記録媒体上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、工業的に用いられる液滴吐出(噴射)装置全般に対して、本発明に係る液滴吐出装置を適用することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は「質量部」を示す。
(インク受容性粒子A−1)
・スチレン/nブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体粒子(体積平均粒径0.2μm、酸価=240、水酸化ナトリウムにより部分中和、Tg≒60℃): 100部
・非晶質シリカ粒子(Aerosil OX50(体積平均粒径≒40nm)とAerosil TT600(体積平均粒径≒40nm)の1:1混合物): 30部
上記粒子を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)を添加し、攪拌混合(サンプルミルにて約30秒間)した後、メカノフュージョンシステムにて断続的に処理し複合粒子化した。断続駆動条件毎に粒径を測定し、約5μmとなった段階で取り出した。このようにして造粒を行い、球換算平均直径5μmの凝集複合粒子(ベース粒子a1)を作製した。
この凝集複合粒子(ベース粒子a1)に対して、表面疎水化処理(表面疎水化処理したシリカ微粒子Aerosil R972(日本アエロジル社製、体積平均粒径≒16nm)を1.0質量%と未処理の親水性シリカAerosil 130(日本アエロジル社製、体積平均粒径≒16nm)を0.5質量%外部添加して、粒子A−1を作製した。
(インク受容性粒子A−2)
上記ベース粒子a1の造粒条件を変え、球換算平均直径10μmの凝集複合粒子(ベース粒子a2)を作製した。この凝集複合粒子(ベース粒子a2)に対し、表面疎水化処理Aerosil R972を0.6質量%、Aerosil 130を0.4質量%外部添加して、粒子A−2を作製した。
(インク受容性粒子A−3)
上記ベース粒子a1の造粒条件を変え、球換算平均直径20μmの凝集複合粒子(ベース粒子a3)を作製した。この凝集複合粒子(ベース粒子a3)に対し、表面疎水化処理Aerosil R972を0.4質量%とAerosil 130を0.3質量%外部添加し、粒子A−3を作製した。
(インク受容性粒子A−4)
上記ベース粒子a1の造粒条件を変え、球換算平均直径50μmの凝集複合粒子(ベース粒子a4)を作製した。この凝集複合粒子(ベース粒子a4)に対し、Aerosil R972を0.3質量%とAerosil 130を0.2質量%外部添加し、粒子A−4を作製した。
(インク受容性粒子B−1)
・スチレン/nブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体粒子(体積平均粒径0.2μm、酸価=240、水酸化ナトリウムにより部分中和、Tg≒60℃): 100部
・非晶質シリカ粒子(Aerosil OX50(体積平均粒径≒40nm)とAerosil TT600(体積平均粒径≒40nm)の1:1混合物): 10部
上記粒子を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)と微量ポリアクリル酸のアルカリ水溶液を添加し、攪拌混合(サンプルミルで約30秒)した後、メカノフュージョンシステムにて断続的に処理し複合粒子化した。断続駆動条件毎に粒径を測定し、約5μmとなった段階で取り出した。このようにして造粒を行い、球換算平均直径5μmの凝集複合粒子(ベース粒子b1)を作製した。
この凝集複合粒子(ベース粒子b1)に対して、表面疎水化処理したシリカ微粒子Aerosil R972(日本アエロジル社製、体積平均粒径≒16nm)を1.0質量%と未処理の親水性シリカAerosil 130(日本アエロジル社製、体積平均粒径≒16nm)を0.5質量%外部添加し、粒子B−1を調整した。
(インク受容性粒子B−2)
上記ベース粒子b1の造粒条件を変え、球換算平均直径0.5μmの凝集複合粒子(ベース粒子b2)を作製した。この凝集複合粒子(ベース粒子b2)に対し、表面疎水化処理Aerosil R972を1.5質量%とAerosil 130を0.5質量%外部添加し、粒子B−2を作製した。
(インク受容性粒子C−1)
・分岐ポリエステル粒子(体積平均粒径2μm、酸価=170、水酸化ナトリムにより部分中和、Tg≒65℃): 100部
・非晶質シリカ粒子(Aerosil OX50(体積平均粒径≒40nm)とAerosil TT600(体積平均粒径≒40nm)の1:1混合物): 15部
・アルミナ粒子(体積平均粒径0.1〜1μm:体積平均粒径10〜20nmのアルミナを微量のポリビニルアルコールを添加し凝集・造粒): 15部
上記粒子を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)と微量のポリアクリル酸のアルカリ水溶液を添加し、攪拌混合(サンプルミルで約30秒)した後、メカノフュージョンシステムにて断続的に処理し複合粒子化した。断続駆動条件毎に粒径を測定し、約5μmとなった段階で取り出した。このようにして造粒を行い、球換算平均直径5μmの凝集複合粒子(ベース粒子c1)を作製した。
この凝集複合粒子(ベース粒子c1)に対して、表面疎水化処理したシリカ微粒子Aerosil R972(日本アエロジル社製、体積平均粒径≒16nm)を1.0質量%と未処理の親水性シリカAerosil 130(日本アエロジル社製、体積平均粒径≒16nm)を0.5質量%外部添加し、粒子C−1を調整した。
(インク受容性粒子D−1)
・エチレン酢酸ビニル共重合体/カルボン酸変性ポリエチレンワックス混合物粒子(、体積平均粒径2μm:: 50部
・メチルメタクリレート/ラウリルメタクリレート/アクリル酸共重合体粒子(体積平均粒径0.2μm、酸価=150、水酸化ナトリムにより部分中和、Tg=50℃): 50部
・非晶質シリカ粒子(Aerosil OX50(体積平均粒径≒40nm)とAerosil TT600(体積平均粒径≒40nm)の1:1混合物): 20部
上記粒子を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)と微量のポリアクリル酸のアルカリ水溶液を添加し、攪拌混合(サンプルミルで約30秒)した後、メカノフュージョンシステムにて断続的に処理し複合粒子化した。断続駆動条件毎に粒径を測定し、約5μmとなった段階で取り出した。このようにして造粒を行い、球換算平均直径5μmの凝集複合粒子(ベース粒子d1)を作製した。
この凝集複合粒子(ベース粒子d1)に対して、表面をアミノシランで処理した非晶質シリカ(体積平均粒径10〜20nm)0.5質量%、表面疎水化処理した酸化チタン粒子T805(体積平均粒径20nm)1.0質量%を、外部添加し、粒子D−1を作製した。
(インク受容性粒子E−1)
インク受容性粒子A−1の内添非晶質シリカ粒子を酸化スズ微粒子(体積平均粒径約10〜30nm)に替え、外添非晶質シリカ粒子を酸化スズ微粒子(体積平均粒子径約10〜30nm)に替え、その他はA−1と同様にして、球換算平均直径5μmの凝集複合流水を得た後、粒子E−1を作製した。
(インク受容性粒子F−1)
・ジメチルアミノエチルメタクリレートのベタイン化物/nブチルメタクリレート/スチレン共重合体粒子(体積平均粒子径0.2μm): 30部
・スチレン/nブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体粒子(体積平均粒径0.2μm、酸価=240、水酸化ナトリウムにより部分中和、Tg≒60℃): 70部
・非晶質シリカ粒子(Aerosil OX50(体積平均粒径≒40nm)とAerosil TT600(体積平均粒径≒40nm)の1:1混合物) :30部
上記粒子を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)と微量のポリアクリル酸のアルカリ水溶液を添加し、攪拌混合(サンプルミルで約30秒)した後、メカノフュージョンシステムにて断続的に処理し複合粒子化した。断続駆動条件毎に粒径を測定し、約5μmとなった段階で取り出した。このようにして造粒を行い、球換算平均直径5μmの凝集複合粒子(ベース粒子f1)を作製した。
この凝集複合粒子(ベース粒子f1)に対して、アミノシランで表面処理したAerosil 130を1.5質量%外部添加し、粒子F−1を作製した。
(インク受容性粒子R−1)
・スチレン/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合体粒子(体積平均粒径0.2μm、酸価0、水酸化ナトリウムにより部分中和、Tg=50℃、): 100部
・非晶質シリカ粒子(Aerosil OX50(体積平均粒径≒40nm)とAerosil TT600(体積平均粒径≒40nm)の1:1混合物): 10部
上記粒子を混合し、さらに微量の殺菌剤水溶液(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製)を添加し、攪拌混合(サンプルミルで約30秒)した後、メカノフュージョンシステムにて断続的に処理し複合粒子化した。断続駆動条件毎に粒径を測定し、約5μmとなった段階で取り出した。このようにして造粒を行い、球換算平均直径5μmの凝集複合粒子(ベース粒子r1)を作製した。
この凝集複合粒子(ベース粒子r1)に対して非晶質シリカ(体積平均粒径10〜20nm)1.0質量%を外部添加し、粒子R−1を作製した。
(インク受容性粒子R−2)
架橋ポリアクリル酸粒子(粒径25μm)を作製した。これを粒子R−2とした。
(インク受容性粒子R−3)
・多孔質セルロース粒子(粒径≒10μm): 100部
・ポリアクリル酸粒子(粒径≒2μ)): 2部
・非晶質シリカ粒子(Aerosil OX50(体積平均粒径≒40nm)とAerosil TT600(体積平均粒径≒40nm)の1:1混合物): 1部
上記粒子を混合し、粒径≒20μmの複合粒子を作製した。これを粒子R−3とした。
(インク受容性粒子R−4)
インク受容性粒子A−1の受容性粒子を更に約80℃に加熱した状態で混合を継続し造粒を進行させた。これ以外はA−1と同様にして、粒子R−4を作製した。この粒子はSEM観察でもはや複合粒子構造(図9参照)は顕著ではなく、より凹凸感の無い丸みを帯びた形状(粒子構造)となった。また、シリカを外添混合した後の粉体流動性はA−1よりも良好であった。
(インクA)
下記インク成分を混合し、攪拌した後、ポアサイズ5μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを調製した。
−インク成分−
・シアン顔料(Pig.Blue 15−3)(体積平均粒径80nm)/分散剤樹脂(酸価=150、カルボン酸を含む(分散剤の化合物名)スチレン/アクリル酸を含む酸価200の高分子分散剤を2部): 12部
・ブチルカルビトール: 5部
・ジエチレングリコール: 10部
・グリセロール: 25部
・ノニオン界面活性剤(アセチレングリコール誘導体): 1部
・pH調整剤、殺菌剤(プロクセルGXL(S) アーチケミカルズジャパン製): 微量
・純水: 60部
得られたインクは、表面張力=33mN/m、粘度=9.1mPa・s、pH=7.8であった。
(インクB)
顔料/分散剤樹脂に代えて、自己分散型シアン顔料(CABOT社製Cabojet250、体積平均粒径≒40nm)を添加量10部で用いた以外は、インクAと同様にしてインクBを作製した。得られたインクは、表面張力=33mN/m、粘度=7.8mPa・s、pH=7.5、であった。
(インクC)
顔料の代わりにシアン染料(ダイレクト・ブルー199)を3部、純水を69部に増量、ジエチルグリコール(DEG)を5部に減量した以外は、インクAと同様にしてインクCを作製した。得られたインクは、表面張力=31mN/m、粘度=3.8mPas、pH=8.3であった。
<評価1>
上記インク受容性粒子、及びインクAを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
−インク受容性粒子の構造−
各インク受容性粒子を次のようにして観察した。走査型電子顕微鏡で観察した結果、複合粒子構造(図8及び図9参照)か否かを確認した。
−インク受容性粒子の吸液特性−
膜厚100μmのPETフィルムに離型剤としてシリコーンオイルを塗布した後、その上にインク受容性粒子を散粉し、粒子層を形成した。そこに試作ピエゾIJヘッドでインクを噴射(ドロップ量=6〜8pl;600×1200dpiでベタ印字)して、インク受容性粒子層にインクを受容させた。このときの粒子層の吸液速度、吸液量、液体保持安定性を観察した。また、マイクロシリンジやキャピラリーでインクを量数μlから数ml滴下し、同様に観察した。評価基準は以下の通りである。
○:インク吸収が0.3s以下で完了し、かつ液体保持が安定。
△:インク吸収が0.3s〜2sで完了、液体保持もほぼ安定。
×:インク吸収が2s以上で完了
−インク受容性粒子の色材トラップ特性−
上記吸液特性で、粒子層上の顔料の状態を肉眼、顕微鏡で実施し、色材の偏在凝集、ムラ、色の濁りを観察した。判断が難しいケースは、ビーカーにインク受容性粒子を約1cm厚で充填し、そこにインクを滴下し、色材とビヒクル成分がどう粒子層に浸透するかの観察も併用した。評価基準は以下の通りである。
○:顔料による着色状態にムラがなく均一(顔料が粒子内部を含め均一にトラップされていると推定)。
△:顔料による着色状態等ややムラあり(顔料は粒子内部を含め比較的良好にトラップされているが不十分)。
×:顔料の偏在や凝集、ムラが目立つ(粒子内部にトラップされていないと推定)
−定着性−1−
膜厚100μmのPETフィルムに離型剤としてシリコーンオイルを塗布した後、その上にインク受容性粒子を散粉し、厚み約10〜60μmの粒子層を形成した。そこに試作ピエゾIJヘッドでインクを噴射(ドロップ量=6〜8pl;600×1200dpiでベタ印字)して、インク受容性粒子層にインクを受容させた。この粒子層と普通紙(FXOSのC2用紙)を重ねた状態で、線圧約10kg/cmで加圧ロールにより圧接し、粒子層を普通紙へ転写・定着した。そして、定着画像部に同じ用紙を人差し指の力で重ねてこすり、画像強度の官能評価を行った。評価基準は以下の通りである。
○:レーザー・プリンターと同等レベル
△:○と×の中間
×:新聞印刷並に定着画像部(顔料)が脱落するもしくは周辺を汚染する。
−定着性−2−
膜厚100μmのPETフィルムに離型剤としてシリコーンオイルを塗布した後、その上にインク受容性粒子を散粉し、厚み約10〜60μmの粒子層を形成した。そこに試作ピエゾIJヘッドでインクを噴射(ドロップ量=6〜8pl;600×1200dpiでベタ印字)して、インク受容性粒子層にインクを受容させた。この粒子層と印刷用アート紙(王子製紙社製 OK金藤)を重ねた状態で、線圧約10kg/cmでシリコーンゴム表面を有するヒートロールにより圧接し、粒子層を刷用アート紙へ転写・定着した。画像の発色・光沢状況観察と定着画像部に同じ用紙を重ねてこすり、画像強度の官能評価を行った。評価基準は以下の通りである。
○:レーザー・プリンター同等レベルの発色、光沢、画像強度がある
△:○と×の中間
×:新聞印刷並に顔料画像が脱落するもしくは周辺を汚染する、もしくは低発色、低光沢。
<評価2>
粒子A−1とE−1については、加圧成型しバルク抵抗を測定し、導電性評価を行った。粒子A−1は1012Ωm以上であり、粒子E−1:約107Ωmであった。
表1の結果から、本実施例のインク受容性粒子は、空隙構造(トラップ構造)により素早くインク液体成分を吸液し、次いで吸液性樹脂により吸液しているので、吸液速度、吸液量共に多いと共にその保持安定性が高いことがわかる。また、インクの顔料も空隙構造(トラップ構造)でトラップ(保持・固定)しており、高画質化も図れることもわかる。そして、普通紙やアート紙問わず、定着性に優れることもわかる。これから、種々のインクを利用しても、多様な記録媒体に対して高速且つ高画質で記録が可能であることがわかる。
また、インク受容性粒子F−1を使用した場合、インク受容性粒子上のインク画像の広がりがやや減少し、その分吸液が遅くなる傾向があった。これはインク受容性粒子がカチオン性、インクがアニオン性のため、両者間の相互作用により、画像が締まる傾向になった、と推定される。
また、インクAの代わりに、インクB〜Cを用いても同様の結果が得られた。これにより、顔料、色材問わず、本実施例のインク受容性粒子はトラップ構造によりトラップし、均一に保持し、高画質化が図れることがわかる。
本発明の第1形態に係る画像形成装置を示す図である。 本発明の第1形態に係る画像形成装置を示す図である。 本発明に係るインク受容性粒子層を示す図である。 本発明の第2形態に係る画像形成装置を示す図である。 本発明の第3形態に係る画像形成装置を示す図である。 本発明の第4形態に係る画像形成装置を示す図である。 本発明の第5形態に係る画像形成装置を示す図である。 本発明のインク受容性粒子の一例を示す概念図である。 本発明のインク受容性粒子の他の一例を示す概念図である。 本発明のインク受容性粒子の他の一例を示す概念図である。
符号の説明
10 画像形成装置
12 中間転写体
14 離形剤塗布装置14
16 インク受容性粒子16
18 粒子塗布装置
20 インクジェット記録ヘッド
22 転写定着装置
24 クリーニング装置
28 帯電装置
29 除電装置

Claims (20)

  1. 記録材を含むインクを受容するインク受容性粒子であって、
    少なくとも前記インクの液体成分をトラップするトラップ構造を有し、
    且つ吸液性樹脂を含んで構成し、該吸液性樹脂の微粒子が集合した複合体粒子であるインク受容性粒子。
  2. 前記液体成分は、インク溶媒である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  3. 前記トラップ構造は、さらに前記記録材をトラップする構造である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  4. 前記トラップ構造は、空隙構造である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  5. 前記トラップ構造は、凹構造である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  6. 前記複合体粒子は、前記吸液性樹脂の微粒子に加え、さらに無機微粒子が集合した複合体粒子である請求項に記載のインク受容性粒子。
  7. 前記吸液性樹脂は、弱吸液性樹脂である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  8. 前記吸液性樹脂は、カルボン酸基(−COOH)換算での酸価が50〜1000である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  9. 前記吸液性樹脂は、架橋成分を含有する請求項1に記載のインク受容性粒子。
  10. 前記架橋成分は、モノマー成分として含有する請求項に記載のインク受容性粒子。
  11. 前記吸液性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃〜90℃以下である請求項1に記載のインク受容性粒子。
  12. 前記インク受容性粒子は、前記インクの成分を凝集又は増粘させる成分を含む請求項1に記載のインク受容性粒子。
  13. 記録材を含むインクと、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインク受容性粒子と、を備えるマーキング材料。
  14. 前記記録材の濃度は、インクに対し5〜30質量%である請求項13に記載のマーキング材料。
  15. 求項1〜12のいずれか1項に記載のインク受容性粒子にインクを受容する方法であって、
    前記トラップ構造に、少なくとも前記インクの液体成分をトラップするトラップ工程と、
    前記トラップ構造にトラップされた前記インクの液体成分を前記吸液性樹脂に吸液する吸液工程と、
    を有するインク受容方法。
  16. 前記トラップ工程は、前記トラップ構造により前記記録材もトラップする工程である請求項15に記載のインク受容方法。
  17. 記録材を含むインクと、請求項1〜12に記載のインク受容性粒子と、を用いた記録方法であって、
    前記インクを、インク受容性粒子に受容する工程と、
    前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する工程と、
    を有する記録方法。
  18. 前記記録媒体上に転写された前記インク受容性粒子を定着する工程を、さらに有する請求項17に記載の記録方法。
  19. 記録材を含むインクと、請求項1〜12に記載のインク受容性粒子と、を用いた記録装置であって、
    前記インクを、インク受容性粒子に受容する吐出手段と、
    前記インクを受容した前記インク受容性粒子を記録媒体に転写する転写手段と、
    を有する記録装置。
  20. 前記記録媒体上に転写された前記インク受容性粒子を定着する定着手段を、さらに有する請求項19に記載の記録装置。
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