JP4449680B2 - シート装置を搭載した車両 - Google Patents

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Description

本発明は、シートクッションの位置やシートバックの傾きなどを変更できるシートが搭載された車両に関し、特にそれらを乗員の身体的特徴に応じて適切かつ容易に変更するための情報処理の技術分野に属する。
従来より、自動車のシートクッションの位置やシートバックの傾きなどについて、乗員の好みに関する情報をICカードなどの記録媒体に記録させておき、乗車時にそのICカードを読取装置に挿入するだけで、好みのポジションが得られるようにしたものは公知である。
例えば、特許文献1に記載の車載プロファイリングシステムでは、運転席以外のシートについてもそれぞれ前後位置や座面の高さ、或いは座面や背もたれの傾きなどについての情報を設定して、ICカードに記録させておき、この情報に応じて各シート毎に位置を自動で調整することで、運転者以外の乗員にも快適なシート環境を提供することができる。
また、近年、物品やその包装に種々の情報を記録した電子的乃至磁気的記録媒体(ICタグ、電子ラベル、電子レッテルなどと呼ばれている)を直接、張り付けたり、内蔵したりすることが行われており、このような記録媒体を交通安全のために利用するという提案もなされている。
すなわち、例えば特許文献2に開示される交通安全支援装置は、歩行者の携行品や自転車などの情報タグ(ICタグ)から送信される信号を道路側に設置した無線受信機により受信して、これにより歩行者などの位置や移動速度を検出し、その歩行者などの自動車との衝突を予測した場合には、自動車の乗員に警告を発したり、車外のエアバッグ装置を作動させたりするものである。
特開2002−104105号公報 特開2003−346297号公報
ところで、一般に、車両の乗員は、車室への乗り降りを容易に行える者だけではなく、例えば乳幼児や車椅子の利用者のように乗降時に介助を必要とする者や、高齢者のように必ずしも介助の必要はないが、状況に応じて介助をすることが望ましい者(以下、両者を併せて被介助者ともいう)も存在する。このような被介助者の場合は着座後の好みのポジションとは別に、乗車時にシートに着座するまでの動作を容易に行えるようにするための適切なシート位置(シートクッションの前後左右の位置や座面の高さ、シートバックの傾き、及び、それらを畳んで格納する場合の全体としての位置などを含む。以下、この明細書において同じ)というものがある。
この点について、前記前者の従来例(特許文献1)のシステムでは被介助者に対しては何も配慮されておらず、乳幼児や車椅子の利用者などの乗り降りを介助しやすいように、或いは小さな子供や高齢者などが乗り降りしやすいように、シートの位置を変更できるものではない。
また、前記のような被介助者に限らず、それ以外の乗員、即ち介助が不要で素早く行動できる乗員(以下、介助不要者とも言う)を対象とした場合、前記従来例のシステムでは、予め各シート毎に決まった乗員の好みのポジションを設定して、ICカードに記録させておく必要があり、煩雑であるが、こうした設定をしていない乗員には全く役に立たないものである。
尚、前記後者の従来例(特許文献2)は、歩行者などの検出にICタグを利用するだけのものであって、前記のような問題点に対応するためのものではない。
そして、本発明は、前記のような問題点を解決するために、位置の変更が可能なシートを搭載した車両において、乗員が被介助者か否かも含めた身体的特徴を自動的に判定し、これに応じてシート位置を容易に且つ適切に変更できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、携行物のICタグなどから得られる情報に基づいて乗員の身体的特徴を判定し、この判定結果に基づいてシート位置を自動で調整するか、その調整について報知するようにした。
尚、乗員の身体的特徴の判定というのは、乗員の体格や体型についての判定は勿論、前記の如く乗員が被介助者か否かの判定も含み、この被介助者の中には、例えば和服などのように動作の規制される服装であるが故に、介助することが好ましい者も含まれる。従って、身体的特徴というのは、必ずしも乗員の身体そのものの特徴だけを意味するのではなく、その動作を規制するような衣類や装備を着用していることなども含めた概念である。
具体的に、請求項1の発明は、シート位置を変更可能なシート装置を搭載した車両であって、乗員の携行物に関する情報が記録されている記録手段からその携行物情報を読み取る読取手段と、該読取手段により読み取られた携行物情報に基づいて、前記乗員の身体的特徴を判定する判定手段と、該判定手段により判定された身体的特徴に基づいて、前記シート装置のシート位置を自動で調整するか、又はそのシート位置の調整について乗員に報知するかの少なくとも一方の制御を行う制御手段と、を備えるものとする。
前記の構成により、まず、乗員の携行物に関する情報が読取手段によって記録手段(例えばICタグ、電子ラベルなどのように携行物に直接、又は間接的に取り付けられているものであり、ICカードのように携行物とは独立しているものは含まない)から読み取られる。そして、その携行物情報から判定される乗員の身体的特徴に基づいて、制御手段により、前記シート装置のシート位置が自動で調整されるか、又は、そのシート位置の調整について乗員への報知が行われ、これにより、容易に適切なシート位置とすることができるようになる。
すなわち、携行物のICタグなどから得られる情報に基づいて、例えば乗員が被介助者であるか介助不要者であるか、乗員の体格は大きいか小さいか、などの身体的特徴を自動で且つ正確に判定することができ、この判定結果に基づいて、乗員に適したシート位置を決定することができる。このため、予め自らの好みを設定した乗員でなくでも適切なポジションを得ることができる。また、乗員が被介助者であっても車室への乗り降りがしやすいように、或いはその乗り降りを介助しやすいように、シート位置を適切に変更することができる。
好ましくは、前記判定手段は、予め設定した携行物の情報に基づいて乗員の身体的特徴を判定するものとすればよい(請求項2の発明)。すなわち、乗員の身体的特徴を全ての携行物の情報に基づいて判定するのではなく、その判定に適した主要な携行物の情報、即ち例えば乗員の衣類のサイズ(S,M,Lなど)や種類(裾の長いドレス、和服など)、或いは杖、老眼鏡、補聴器、車椅子や記録手段が付加されたギブス等を所持乃至装着しているか否か、などの情報に基づいて判定することで、より適切な判定が行える。
また、好ましくは、前記シート装置にシート位置を変更するためのアクチュエータが設けられている場合には、前記制御手段は、前記アクチュエータを駆動してシート位置を調整する駆動制御部と、そのシート位置の調整内容を報知器により乗員に報知する報知制御部と、を備えるものとすればよい(請求項3の発明)。
こうすれば、制御手段の駆動制御部によりアクチュエータが駆動されて、シート位置が自動で調整されるとともに、その調整の内容が報知されるので、乗員がシート位置の変化を認識でき、非常に利便性が高い。
より好ましくは、シート位置の自動調整を許容するための所定操作が行われる操作手段をさらに備え、前記判定手段は、乗員の身体的特徴を予め設定されている類型の中から選択するものとし、また、前記報知制御部は、前記判定手段によって互いに不整合な複数の類型が選択されたときに、そのうちの少なくとも1つの類型に基づくシート位置の調整内容を報知するものとする。そして、前記駆動制御部は、前記判定手段によって互いに不整合な複数の類型が選択されたときには前記報知制御部による調整内容の報知後に前記操作手段に対し所定操作が行われたときにのみ、シート装置のアクチュエータを駆動する一方、前記判定手段によって選択された身体的特徴の類型が整合するときには前記所定操作の有無に拘わらず、アクチュエータを駆動開始するものとする(請求項4の発明)。
すなわち、例えば携行物情報の中に被介助者のものと介助不要者のものとが含まれているときや、大小、異なるサイズの衣類のものが含まれているときなど、乗員の身体的特徴を1つの類型に特定できないときでも、そのうちの少なくとも1つに基づくシート位置の調整内容を報知して、乗員が確認した後に実行することにより、誤った調整が行われることを防止できる。
また、前記のように判定手段が、携行物情報に基づく乗員の身体的特徴として、車室への乗降時に介助することが望ましい所定の被介助者であるか、或いはそれ以外の介助不要者であるかを判定可能なものである場合に、当該判定手段を、前記携行物情報に前記被介助者及び介助不要者の双方にそれぞれ対応するものが含まれているときには、乗員が被介助者であると判定するものとしてもよい(請求項7の発明)。
すなわち、乗員の携行物の情報に被介助者及び介助不要者の双方にそれぞれ対応するものが含まれているときには、被介助者と介助不要者との両方が居ると考えることもでき、この場合には、実際に車室に乗り降り使用としているのは被介助者であって、介助不要者はその介助をしていると考えられるからである。
さらに、乗員の身体的特徴の判定精度を高めるために、前記判定手段は、車室に関する情報を加味して乗員の身体的特徴を判定するものとすることもできる(請求項5の発明)。その車室に関する情報というのは、例えば、車室が車椅子を搭載可能なレイアウトになっているかどうかという車両に固有の情報であってもよいし、いずれかのシートの上に乳幼児用乃至子供用シートや介護用具などが設置してあるかどうかという情報であってもよい(請求項6の発明)。
前記の構成に加えて、前記判定手段が、携行物情報に基づく乗員の身体的特徴として、少なくとも、車室への乗降時に介助することが望ましい所定の被介助者か、或いはそれ以外の介助不要者かを判定するものである場合には、前記制御手段は、前記判定手段によって乗員が被介助者であると判定されたときにのみ、制御を行うようにしてもよいし(請求項8の発明)、その反対に、乗員が介助不要者であると判定されたときにのみ、制御を行うようにしてもよい(請求項9の発明)。
すなわち、乗員が被介助者であるときにのみ、シート位置の自動調整などの制御を行うようにすれば、被介助者に対しては車室への乗り降りを容易にすることができる一方で、介助不要者に対して誤って余計な制御が行われる虞れがなく、利便性が高い。また、反対に、乗員が介助不要者であるときにのみ、シート位置の自動調整などの制御を行うようにすれば、シートの作動によって被介助者が不安を感じる虞れがなく、安心感が高い。そして、いずれの方がより相応しいかは、車両の用途の他、シートの種類やシート位置の調整内容によっても異なるので、それらに応じて適宜、設定するようにすればよい。
以上、説明したように、本願発明によると、位置の変更が可能なシートを搭載した車両において、携行物のICタグなどから得られる情報に基づいて乗員の身体的特徴を判定し、この判定結果に基づいて決定した適切なシート位置になるように、制御手段によって、シート位置を自動で調整するか、そのシート位置の調整について乗員に報知するようにしたので、予め好みを設定した乗員でなくでも適切なポジションを得ることができるし、乗員が被介助者の場合には乗り降りのしやすい適切なシート位置とすることができる。
その際に携行物の情報だけでなく、車室内の装備や介護用具などの情報も加味して乗員の身体的特徴を判定するようにすれば、判定精度を向上できる(請求項2の効果)。
さらに、それらの情報に基づいて適切なシート位置を特定できないときには、シート位置の調整に付いて乗員に報知し、これに対し所定の操作が行われたときにのみ、シート位置の自動調整を行うようにすれば、誤作動を防止することができる(請求項3、4の効果)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車V(車両)の主にシートレイアウトを模式的に示し、この自動車Vには、車室最前部のインストゥルメントパネル1を臨む前部シートとして、右側(車体の右側であり、以下、特に断らない限り同様とする)に運転席2が、また左側に助手席3が互いに並んで配置されている。その前部シート2,3の後方にそれぞれ配置されている後部シート4,5は、この実施形態では左右独立のキャプテンシートであるが、2人乃至3人掛けのベンチタイプの単一のシートであってもよい。また、後部シート4,5の後方は荷室6とされているが、ここには取り外したり、床下に収納したりすることのできる3列目シートが配置されていてもよい。
前記前部シート2,3は、それぞれシートクッションを前後及び上下に移動させたり、シートバックの傾きを調整したりすることができる。後部シート4,5はさらにシートクッションを左右にも移動可能になっている。この後部シート4,5は、それぞれ、シートバックをシートクッション上に重ねて、両者を一体に前方へ向かって回動させることにより、前部シート2,3の背後に折り畳んで格納することもでき、こうすれば、荷室6が非常に広くなる。尚、前部シート2,3のシートバック背面には、それぞれアシストグリップ2a,3aが取り付けられている。
前記のようなシート位置の調整を自動的に行えるように、この実施形態では、各シート2〜5にそれぞれ対応して電気モータなどのアクチュエータ19,19,…(図1には示さず)が配設されており、図2に示すように、それらの各アクチュエータ19の作動は、コントローラ20によって制御されるようになっている。言い換えると、自動車Vには、各シート2〜5毎にアクチュエータ19の作動によって、シートの前後左右の位置や座面の高さ、シートバックの傾きなどを調整し、さらにそれらを折り畳んで格納するといったシートアレンジが自動で行える自動シートアレンジ装置Aが搭載されている。
この自動シートアレンジ装置Aの構成は前記図2に示されており、コントローラ20には、前記各シート2〜5のシークッションにそれぞれ配設されて、乗員の着座などを検出する重量センサ等からなる着座センサ21(着座判定手段)が接続されている。また、図2にのみ示すが、コントローラ20には、自動車Vのドア7〜10及びハッチゲート11にそれぞれ配設されて、その開閉状態を検出するドアセンサ22が接続されているとともに、自動車Vに搭載されたキーレスエントリシステムの車載機23も接続されていて、相互に信号を授受可能になっている。
さらに、コントローラ20には、後述の如く、車室内の物品や乗員の携行物に付いているICタグ(記録手段)から無線通信により所定の情報を読み取るためのリーダ装置24(読取手段)が接続されている。このリーダ装置24は、図1に示すように各ドア7〜10及びハッチゲート11に対応して、例えば天井部やピラーなどに配設されるとともに、荷室6に対応してその天井部などにも配置されていて、車内外の携行物の情報を入手可能に設けられている。
また、図2のみに示すが、コントローラ20には、各シート2〜5毎に配設され、後述の如くシート位置の自動調整を許容する所定操作が行われる操作ボタン25(操作手段)が接続されているとともに、シート位置の調整について乗員に報知するための報知器26が接続されている。この報知器26は、例えば、シート位置調整の音声ガイドを行うスピーカーや、単にアクチュエータが作動中であることを報知するブザーなどでもよく、それ以外に、シート位置の調整手順を表示するLCDやELなどのディスプレイ装置でもよい。
尚、この実施形態では、前部シート2,3に隣接する左右のフロントドア7,8が前側のヒンジを中心に回動して開閉されるヒンジ式のものであり、一方、後部シート4,5に隣接する左右のリヤドア9,10は、車体外側面に沿って前後にスライドして開閉されるスライド式のものであるが、これに限らず、ドアは全てヒンジドアであってもよいし、全てスライドドアであってもよい。また、ハッチゲート11も上ヒンジに限らず、横ヒンジのものであってもよい。
(自動シートアレンジ装置)
本発明の特徴として、この実施形態の自動シートアレンジ装置Aは、乗員の身体的特徴をその携行物の情報などから自動で判定し、これに応じて自動でシート位置を調整するようになっている。すなわち、近年、物品やその包装に種々の情報(例えば物品の種類、大きさ、重さなど)を記録したICタグ(電子ラベル、電子レッテルなどとも呼ばれる)を直接、張り付けたり、内蔵したりすることが実用化されつつあり、自動車Vに搭載したリーダ装置24によってそれらICタグの情報を読み取れば、この情報に基づいて乗員の体格や衣服の種類などを推定することができる。
前記ICタグは、一般的に無線通信用のアンテナを有しており、リーダ装置からの電波を受信して電磁誘導により起動されて、記録している情報をリーダ装置に対して送信するようになっている。従って、ICタグは、電池などを必要とせず、リーダ装置から所定の距離内であれば非接触で情報を提供することができる。そして、前記携行物の情報などに基づいて、乗員が例えば乳幼児や車椅子の利用者のように乗降時に介助を必要とする者や、高齢者のように必ずしも介助の必要はないが、行動が比較的緩慢で状況に応じて介助をすることが望ましい者、即ち被介助者であると判定したときには、車室への乗り降りがしやすくなるように、或いはその乗り降りを介助しやすいように、シート位置の変更(アレンジ)を行う。
以下、前記自動シートアレンジ装置Aの動作を主に図3のフローチャートに基づいて具体的に説明すると、まず、スタート後のステップS1において、自動シートアレンジ装置Aの制御に用いる種々のデータを入力する。これは例えば、各シート2〜5の現在位置や乗員の着座状況を確認したり、シートにチャイルドシートが装着されているかどうか確認したり、或いはドアが開いているかどうか確認するためのものである。そして、続くステップS2では、例えば運転席2などの所定シートに乗員が着座しており、自動車Vが走行中であると考えられる状況かどうか判別して、YESであればリターンする一方、NOであればステップS3に進む。
ステップS3では、自動シートアレンジ装置Aの起動を選択する起動操作があったかどうか判別する。これは、例えばキーレスエントリシステムのリモコンの解錠ボタンが所定時間内に続けて2回、押されたときや、或いは、自動車Vのドアノブの付近に設けられているエントリボタンが押されたときなど、予め設定されている起動操作が行われたときに、起動操作あり(YES)と判別してステップS4に進む(この際、リモコンなどに設けた装置Aの起動ランプを点灯させるようにしてもよい)。一方、YESと判別されるまではステップS1に戻る。
ステップS4では、リーダ装置24を作動させてICタグの情報を読み込み、この情報(携行物情報)をメモリする。これは、例えば、自動車Vのドア7〜10のうちのアンロックされたもののリーダ装置24のみを所定時間、作動させるようにしてもよいし、或いは、全てのリーダ装置2をそれぞれ所定時間、作動させるようにしてもよい。また、読み取った携行物情報の全てをメモリするのではなく、乗員の身体的特徴を判定するのに適した主要な携行物を予め設定しておき、この情報(例えば乗員の衣類のサイズや種類、或いは杖、老眼鏡、補聴器、高齢者用IDカード、身体に装着したギブスなどの情報)のみをメモリする。判定に不適な小物(アクセサリ、時計、文具など)の情報は読み込んでも、メモリしない。
続くステップS5では、例えばベビーシート(乳児用シート)やチャイルドシート(幼児用シート、子供用シート)、或いはターンクッション等の介護用具が装着されているかどうかなど、シートに関する取付装備の情報を読み込んでメモリする。尚、ターンクッションというのは、シートクッション上に載置される回転台のことで、乗員が乗り降りしやすいようにその身体の向きを前方から左右方向に回動させて変更できるものである。
前記シートの取付装備の情報は、予めコントローラ20に設定入力して、記憶させておいてもよいし、前記リーダ装置24やこれとは別に車室内に設置したリーダ装置によって読み取るようにすることもできる。また、シートの取付装備の情報だけでなく、例えば車室が車椅子を搭載可能なレイアウトになっているかどうかなど、その自動車に固有の情報も参照することが望ましい。
続いて、ステップS6では、前記ステップS4,S5にて取得した情報に基づいて、最適なシートアレンジ(シート位置)を決定する。この最適シートアレンジは、乗員が被介助者であるか介助不要者であるかによって大きく異なり、介助不要者に対しては、主にその体格や体型に対応した快適なシートポジションを提供することを目的とする一方、被介助者に対しては、車室への乗り降りがしやすくなる(或いは乗り降りを介助しやすくなる)ようなシートアレンジを主目的とする。
この実施形態では、前記のように携行物の情報に車室の情報を加味して、まず乗員の身体的特徴を予め設定されている類型(大柄か小柄か、被介助者か介助不要者か、等々)の中から選択し、それからこの類型毎に予め設定されているシートアレンジを採用する。
より具体的には、例えば、乗員の携行物に、被介助者と判定するためのものが何も含まれておらず、また、シート2〜5上にもチャイルドシートや介護用具などが何も装着されていなければ、乗員は介助不要者であると判定する。そして、例えば乗員の衣服のサイズに基づいて大柄であると判定すればシートクッションを後ろに移動させ、小柄であると判定すれば前に移動させる。
一方、乗員が老眼鏡や杖を携行していて高齢の被介助者であると判定したときや、乗員がギブスをしていたり、裾の長いドレスや和服を着ていて、その動作が規制されると判定したきには、当該乗員の乗り降りがしやすいように、シートバックを略垂直状態に起こすとともに、後部シート4,5であれば、乗員が前部シート2,3のアシストグリップ2a,3aを掴めるようシートクッションを所定量、前に移動させる(図5の仮想線参照)。これらは乗員の着座後に、車室内に設けた操作ボタンなどの操作に応じて元に戻すことが好ましい。また、仮にアシストグリップ2a,3aがない自動車Vであれば、前部シート2,3との間の間隔を広げ足下を広くするために、後部シート4,5のシートクッションを後ろに下げるようにしてもよい。
また、例えば、シートクッションの上にベビーシートやチャイルドシート或いはターンクッションなどの介護用具が装着されている場合でも、携行物情報には、乳幼児や高齢者などの被介助者のものがなく、介助不要者のものだけであったり、或いは、それら被介助者のものと介助不要者のものとが両方、含まれていることもあるが、被介助者の携行物にICタグなどが付いていないケースもあるので、このときには乳幼児や高齢者など被介助者の乗り降りを介助不要者が介助していると考えられる。
そこで、乗員は被介助者であると判定して、シート上にベビーシートがあれば、乳児を後ろ向きに乗せると考えて、その乗せ降ろしがしやすいようにシートクッションを所定量、前に移動させる。一方、シート上にチャイルドシートがあれば、これに幼児が着座しやすいように足下を広げるために、シートクッションは後ろに下げるようにする。
以上のように設定した最適シートアレンジに対して、続くステップS7では現在のシートアレンジを判定する。この現在のシートアレンジが前記最適シートアレンジと同じであれば、シートアレンジの変更は不要であり、この場合は続くステップS8においてNOと判定して、後述のステップS14に進む一方、現在のシートアレンジが最適シートアレンジと異なっていれば、ステップS8において変更要(YES)と判定してステップS9に進む。このステップS9では、前記ステップS6における乗員の身体的特徴の判定結果から、乗員が被介助者であるか、それ以外の介助不要者であるか判別する。
そして、乗員が被介助者であると判別すれば(YES)、続くステップS10においてドアセンサ22からの信号によりドア7〜10が開いているかどうか判別し、ドアが閉じていれば(NO)、開くまで待ってからステップS12に進んで、シート2〜5のアクチュエータ19に駆動信号を出力して、前記最適シートアレンジとなるようにシート位置を変更するとともに、報知器26によりシートアレンジの変更動作について乗員に報知する。続いてステップS13においてドアが閉じられれば、制御を終了してリターンする。
つまり、この実施形態では、乗員が被介助者である場合、その乗り降りがしやすいように(或いは乗り降りを介助しやすいように)、シート2〜5に着座するよりも前にシート位置を変更すべく、ドア7〜10の開放を契機としてシートアレンジのための制御を行うようにしている。そして、そのために、乗員がドアから所定範囲内に接近して自動シートアレンジ装置の起動操作を行うと、これにより乗車を予測して直ちにICタグ情報などを読み込み、この情報に基づいて乗員の身体的特徴を判定する。
また、ドアが開いているときにのみシート位置の変更作動を行うことで、その作動状況を乗員やその介護者が目視にて確認することができ、安全性も高い。尚、作動状況に応じてシート位置の変更を中止できるように、シート近傍の所定箇所(例えばピラートリムなど)にキャンセルスイッチを設けてもよい。
一方、前記ステップS9において被介助者でないNOと判定して進んだステップS11では、着座センサ21からの信号に基づいて乗員の着座を検出した後、所定時間(例えば60〜120秒)内にそのシートの操作ボタン25が押されたかどうか判定して(所定操作あり?)、この操作があれば前記ステップS12に進み、前記と同様にシートアレンジの変更動作及び報知を行う一方、所定時間が経過しても操作ボタン25が押されなければ、ステップS14に進んで報知器26を作動させ、シートアレンジを行わない(非動作)ことを報知した後に、前記ステップS13に進む。
すなわち、乗員が介助不要者であれば、シート2〜5に着座するよりも前にシート位置を変更する必要はないので、乗員を立ったまま待たせることがないように、着座検出後にシートアレンジを行うようにしている。しかも、その際に余計なシートアレンジが行われないように、乗員により操作ボタン25が押されてシートアレンジが許容された後に限って、シート位置を変更するようにしている。
尚、そのように乗員の判断でシートアレンジが許容されたときでも、自動車Vの走行中はシートアレンジを禁止することが好ましい。また、前記ステップS12におけるシート位置の変更動作速度は、乗員が被介助者である場合には介助不要者の場合と比べて遅くすることが好ましい。これは安全を十分に確認できるようにするためである。さらに、前記ステップS14においてはシートアレンジを行わないことを報知するだけでなく、その理由も報知するようにしてもよい。
前記図3に示すフローにおいて、ステップS3の制御手順が、乗員がドアから所定範囲内接近したことを検出して、その乗車を予測する予測手段20aを構成しており、ステップS4〜S6の制御手順が、前記予測手段20aによる乗車予測時に、リーダ装置24によって読み取った携行物情報に基づき、これに車室の情報を加味して乗員の身体的特徴を判定する判定手段20bを構成している。
前記判定手段20bは、乗員が、車室への乗降時に介助することが望ましい所定の被介助者であるか、或いはそれ以外の介助不要者であるかを判定可能なものであって、この実施形態では、携行物情報に前記被介助者及び介助不要者の双方にそれぞれ対応するものが含まれているときには、乗員が被介助者であると判定するようになっている。
また、前記フローのステップS6〜S12の制御手順が、前記判定手段20bにより判定された乗員の身体的特徴に基づいて、各シート2〜5のシート位置を自動で調整するとともに、そのシート位置の調整について乗員に報知するための制御を行う制御手段20cを構成している。つまり、制御手段20cは、各シート2〜5のアクチュエータ19を駆動してシート位置を調整する駆動制御部と、そのシート位置の調整内容を報知器26により乗員に報知する報知制御部と、を備えている。
また、前記制御手段20cは、前記判定手段20bによって乗員が介助不要者であると判定されたときには、着座センサ21による乗員の着座検出後であって且つ操作ボタン25が押された後にシートアレンジなどの制御を行う一方、乗員が被介助者であると判定されたときには、ドア7〜10が開かれたときなど、乗員がシート2〜5に着座するよりも前に制御を行うように構成されている。
次に、自動車Vに乗員が乗車する際の自動シートアレンジ装置の一連の作動を、乗員が被介助者の場合と介助不要者の場合とに分けて図4のタイムチャートにより説明すると、まず、時刻t1に自動シートアレンジ装置の起動を選択する操作が行われて(図3のフローのステップS3に対応する。以下、同様)、車載機23からコントローラ20に起動操作信号が入力すると、これに応じて携行物情報とシートに関する取付装備情報とが読み込まれて(ステップS4,S5)情報読取信号が入力し、その後、直ちに最適シートレイアウトの設定などが行われる(ステップS6〜S9)。
そして、乗員が被介助者であれば、時刻t2にドア7〜10のいずれかが開かれてドアセンサ信号が入力すると(ステップS10)、その開かれたドア7〜10に隣接するシート2〜5のアクチュエータ19に駆動信号が出力されて、シート位置が変更されるとともに、報知器26により報知が行われる。例えば、高齢の被介助者が後部シート5に乗り込むときには、図5に仮想線で示すようにシートバックが起こされて、シートクッションが前進する。これにより、後部シート5全体がドア開口部D内に現れ、乗員は、前部シート3のアシストグリップ3aを掴んで、容易に後部シート5に腰を下ろせるようになる。そうして、シート位置の変更が時刻t3に終了した後、時刻t5にドア7〜10が閉じられると(ステップS13)、制御終了となる。
尚、仮に乗員がドア7〜10を開いた後に自動シートアレンジ装置の起動操作を行った場合には、図4に破線で示すように、情報の読み込みが終わった時点で既にドア7〜10が開いているので、直ちにシート2〜5のアクチュエータ19に駆動信号が出力されて、シートアレンジが行われることになる。
一方、乗員が介助不要者であれば、前記のように携行物やシートの取付装備の情報に基づいて最適シートレイアウトが設定された後、時刻t4に乗員がシート2〜5のいずれかに着座して、着座センサ信号が入力すると、それから所定時間のタイマカウントが行われる。この所定時間が経過する前の時刻t6にそのシート2〜5の操作ボタン25が操作されて、作動操作信号が入力すると(ステップS11)、そのシート2〜5のアクチュエータ19に駆動信号が出力されて、シート位置が変更されるとともに、報知器26により報知が行われる。そして、時刻t7にシート位置の変更が終了すれば、この時点で既にドア7〜10が閉じられているので(ステップS13)、制御終了となる。
したがって、この実施形態に係る自動シートアレンジ装置Aによれば、乗員の携行物のICタグなどから得られる情報に基づいて当該乗員の身体的特徴を自動判定し、この判定結果に基づいて決定した適切シートアレンジになるように、アクチュエータ19を作動させて、シート位置を自動調整するようにしたので、予め好みを設定した乗員でなくでも、その体格や服装などに応じた適切なポジションを極めて容易に得ることができる。
その際、乗員の携行物全ての情報を用いるのではなく、その身体的特徴を判定するのに適した主要な携行物(予め設定しておく)の情報に基づき、さらに、シート2〜5にチャイルドシートやターンクッションなどの介護用具が装着されているかどうかも加味して、判定を行うようにしているので、精度の高い判定により適切なシートアレンジを決定できる。
また、前記シートアレンジなどは、乗員の身体的特徴に対応して設定されている所定の作動時期に行われる。すなわち、被介助者が自動車Vに乗り込むときには、ドア7〜10が開かれると同時にシートアレンジを行うことで、被介助者がシート2〜5に着座する前にシートの位置を変更して、乗り降りがしやすい(或いはその介助がしやすい)ようにすることができる。
しかも、そのようにドア7〜10が開いているときにシートアレンジを行うことで、シート位置の変更作動を乗員や介助者が目視にて確認することができ、さらに、その変更作動についての報知が行われるので、利便性だけでなく安全性も極めて高い。
但し、そのように早いタイミングでシートアレンジを行うためには、それよりも前に乗員の身体的特徴を判定しなくてはならない。この点について、この実施形態では、乗員がドアから所定範囲以内に接近して自動シートアレンジ装置Aの起動操作を行ったときに当該乗員が乗車すると予測し、このとき直ちに携行物情報などの読み込みを行うようにしているので、その後、ドア7〜10が開かれるまでの間に乗員の身体的特徴を判定することができる。
一方、乗員が介助不要者であれば、シート2〜5に着座して所定の操作を行ったときにのみ、シートアレンジを行うようにしており、当該乗員はシートアレンジが終わるまで立って待つ必要がなく、また、余計なシートアレンジが行われる虞れもないから、利便性は非常に高い。
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、上述した実施形態ものに限定されることなく、その他の種々の構成をも包含するものである。すなわち、前記実施形態では、図3のフローのステップS4〜S6に示すように、乗員の身体的特徴を、ICタグなどから読み取った携行物情報だけでなく、チャイルドシートなど車室に関する情報も加味して判定するようにしているが、これに限らず、携行物情報だけで判定するようにしてもよい。
また、同ステップS4,S5において取得した情報に不整合があったとき、例えば、携行物情報に、乳幼児のものと高齢者などのものと介助不要者のものとが含まれていたり、大小、様々なサイズの衣服の情報が含まれていたりするときには、同ステップS6において乗員の身体的特徴の類型を1つだけ選択することができず、従って、最適シートアレンジを特定できないことも考えられる。このときには前記取得した情報に基づいて選択した複数の類型のうちから、少なくとも1つの類型に基づいて最適シートアレンジを決定し、これを報知して、乗員が確認した上でシート位置を変更するようにすればよい。
具体的には、図6及び図7に示すように、前記図3のフローのステップS3〜S5において、起動操作信号の入力(図7の時刻t1)に応じて携行物や車内の情報を読み込んだ後に、図6のフローのステップS51において情報に不整合があるかどうか判別して、不整合がなければ(NO)図3のフローのステップS6に進む一方、例えば前記のように携行物情報などに不整合があってYESと判定すれば、ステップS52に進んで、予め設定した優先度に基づいて情報に重み付けをして、即ち優先度の高い情報に基づいて、最適シートレイアウトを決定する。
続いて、ステップS53において、前記の最適シートレイアウトを報知器26により所定時間、乗員に報知し(時刻t2〜)、その所定時間(例えば60〜120秒)の間に操作ボタン25が押されれば、作動操作信号の入力に応じて(時刻t3)ステップS54においてYESと判別して図3のステップS7に進み、前記実施形態と同じくドア7〜10の開放を契機として自動シートアレンジを実行する(時刻t4〜t5)一方、所定時間内に操作ボタン25が押されなければ、ステップS54においてNOと判別して、図3のステップS14に進む。
こうして、携行物情報などに不整合があるときでも、一旦、シートアレンジを報知して、乗員が確認した上で自動シートアレンジを行うことにより、誤ったシートアレンジが行われることを防止できる。尚、携行物情報などに不整合がなくても、念のため乗員に報知して確認した上で、自動シートアレンジを行うようにしてもよい。
前記図6のステップS51〜S54の制御手順を付加することで、制御手段20cの報知制御部は、判定手段20bによって互いに不整合な身体的特徴の複数の類型が選択されたときに、そのうちの少なくとも1つの類型に基づくシート位置の調整内容を報知するものとなり、また、制御手段20cの駆動制御部は、前記判定手段20bによって互いに不整合な複数の類型が選択されたときは、前記報知制御部による調整内容の報知後に操作ボタン25が押されたときにのみシートアレンジを行う一方、判定手段20bによって選択された身体的特徴の類型が整合するときは、操作ボタン25が押されなくてもシートアレンジを行うものとなる。
さらに、前記実施形態では、図3のフローのステップS9〜S11に示すように、乗員が被介助者か介助不要者かでシートアレンジを行う時期を異ならせているが、これに限るものではなく、例えば図8のフローに示すように、乗員の身体的特徴によらずドア7〜10の開放を契機として、シートアレンジを行うようにしてもよい。こうすると、乗員が介助不要者であってもシート2〜5に着座する前にシート位置が変更されることになる。
また、前記実施形態では、シートアレンジの自動調整とそれについての報知との両方を行うようにしているが、これに限らず、例えば報知はせずに、シートアレンジの自動調整だけを行うようにしてもよい。反対に、最適シートアレンジを乗員に報知するだけに留めることもでき、この場合には乗員の介助者などが手動でシート位置を変更することで、適切なシートアレンジを実現できる。
さらにまた、前記実施形態では、乗員が介助不要者であるか被介助者であるかによって、シートアレンジの内容や時期を変えるようにしているが、これに限らず、乗員が介助不要者のときはシートアレンジなどを行わず、被介助者のときにのみ行うようにしてもよいし、その反対に、乗員が介助不要者のときにのみ、シートアレンジなどを行うようにしてもよい。
すなわち、被介助者に対してのみシートアレンジなどを行うようにすれば、介助不要者には煩わしい余計なシートアレンジなどが誤って行われる心配がなく、利便性が高い。一方、介助不要者に対してのみシートアレンジなどを行うようにすれば、被介助者がシート位置の変更作動に不安を感じる虞れがなく、安心感が高い。そして、いずれの方がより相応しいかは自動車Vの用途の他、シートの種類やシート位置の調整内容によっても異なるので、それらに応じて適宜、設定するようにすればよい。
また、前記実施形態では、各シート2〜5毎に対応して操作ボタン25を配設し、これにより乗員などが自動シートアレンジを許容するかどうか決定できるようにしているが、これに限らず、例えばキーレスエントリシステムのリモコンに操作ボタンを配設してもよいし、或いは、そのリモコンの解錠ボタンやドアノブ付近のエントリボタンなどを通常の操作とは異なる態様で操作したときに、自動シートアレンジが許容されるようにしてもよい。
加えて、本発明は、図1に示す自動車VのようなRV車やハッチバック車などに限らず、4ドアのセダンや3ドアのコンパクトカーは勿論、オープンカーやトラック、バスなどにも適用可能である。
以上、説明したように、本発明は、乗員の身体的特徴を自動判定し、これに応じて最適なシートアレンジを容易に行えるようにしたものなので、自動車のシート装置に有用であり、特にシートアレンジの種類が豊富なRV車などに好適なものである。
本発明の実施形態に係るシート装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。 自動シートアレンジ装置の構成を示す図である。 自動シートアレンジ装置の制御手順を示すフローチャート図である。 自動シートアレンジ装置の動作を示すタイムチャート図である。 シートアレンジの一例を示す説明図である。 携行物などの情報に不整合があることを報知するようにした他の実施形態に係る制御手順の一部を示すフローチャート図である。 図6の他の実施形態に係る図4相当図である。 介助不要者、被介助者に拘わらず、ドアの開放を契機にシートアレンジを行うようにした他の実施形態に係る図3相当図である。
符号の説明
V 自動車(車両)
2,3 前部シート(シート装置)
4,5 後部シート(シート装置)
7〜10 ドア
19 アクチュエータ
20 コントローラ
20a 予測手段
20b 判定手段
20c 制御手段
21 着座センサ(着座判定手段)
24 リーダ装置(読取手段)
25 操作ボタン(操作手段)
26 報知器

Claims (9)

  1. シート位置を変更可能なシート装置と、
    乗員の携行物に関する情報が記録されている記録手段から、その携行物情報を読み取る読取手段と、
    前記読取手段により読み取られた携行物情報に基づいて、前記乗員の身体的特徴を判定する判定手段と、
    前記判定手段により判定された身体的特徴に基づいて、前記シート装置のシート位置を自動で調整するか、又はそのシート位置の調整について乗員に報知するか、の少なくとも一方の制御を行う制御手段と、
    を備えていることを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  2. 請求項1のシート装置を搭載した車両において、
    前記判定手段は、予め設定された携行物の情報に基づいて、乗員の身体的特徴を判定するように構成されていることを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  3. 請求項1のシート装置を搭載した車両において、
    前記シート装置には、シート位置を変更するためのアクチュエータが設けられ、
    前記制御手段は、前記アクチュエータを駆動してシート位置を調整する駆動制御部と、そのシート位置の調整内容を報知器により乗員に報知する報知制御部と、を備えていることを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  4. 請求項3のシート装置を搭載した車両において、
    シート位置の自動調整を許容するための所定操作が行われる操作手段をさらに備え、
    前記判定手段は、乗員の身体的特徴を予め設定されている類型の中から選択するものであり、
    前記報知制御部は、前記判定手段によって互いに不整合な複数の類型が選択されたときに、そのうちの少なくとも1つの類型に基づくシート位置の調整内容を報知するものであり、
    前記駆動制御部は、前記判定手段によって互いに不整合な複数の類型が選択されたときには、前記報知制御部による調整内容の報知後に前記操作手段に対し所定操作が行われたときにのみ、前記シート装置のアクチュエータを駆動する一方、前記判定手段によって選択された身体的特徴の類型が整合するときには前記所定操作の有無に拘わらず、前記アクチュエータを駆動開始するように構成されている
    ことを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  5. 請求項1のシート装置を搭載した車両において、
    前記判定手段は、車室に関する情報を加味して、乗員の身体的特徴を判定するものであることを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  6. 請求項5のシート装置を搭載した車両において、
    前記車室に関する情報が、乳幼児用乃至子供用シートの情報を含むことを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  7. 請求項1のシート装置を搭載した車両において、
    前記判定手段は、携行物情報に基づく乗員の身体的特徴として、車室への乗降時に介助することが望ましい所定の被介助者であるか、或いはそれ以外の介助不要者であるかを判定可能なものであって、且つ前記携行物情報に前記被介助者及び介助不要者の双方にそれぞれ対応するものが含まれているときには、乗員が被介助者であると判定するように構成されていることを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  8. 請求項1のシート装置を搭載した車両において、
    前記判定手段は、携行物情報に基づく乗員の身体的特徴として、少なくとも、車室への乗降時に介助することが望ましい所定の被介助者か、或いはそれ以外の介助不要者かを判定するものであり、
    前記制御手段は、前記判定手段によって乗員が被介助者であると判定されたときにのみ、制御を行うように構成されていることを特徴とするシート装置を搭載した車両。
  9. 請求項1のシート装置を搭載した車両において、
    前記判定手段は、携行物情報に基づく乗員の身体的特徴として、少なくとも、車室への乗降時に介助することが望ましい所定の被介助者か、或いはそれ以外の介助不要者かを判定するものであり、
    前記制御手段は、前記判定手段によって乗員が介助不要者であると判定されたときにのみ、制御を行うように構成されていることを特徴とするシート装置を搭載した車両。
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