JP4449312B2 - 熱可塑性樹脂容器の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂容器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食料のための容器として好都合に使用することができるカップ形状熱可塑性樹脂容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、飲食料のための容器として、フランジ、このフランジの内縁から垂下する筒形状側壁及び側壁の下端を閉じる底壁を有するカップ形状熱可塑性樹脂容器が広く実用に供されている。かような容器は、一般に、熱可塑性樹脂シートを押出成形し、次いでシートを加熱し軟化せしめてシートの複数領域を同時に圧空及び/又は真空成形して所要カップ形状にせしめ、しかる後にカップ形状に成形された部分をこれを囲繞する部位で切断してシートから分離することによって製造されている。
【0003】
然るに、上述したとおりの製造方法においては、カップ形状に成形された部分を切り離したシートの残部(所謂スケルトン部)がシートの相当部分、通常40乃至60%、を占め、かかる残部が無駄に破棄され、従って材料歩留りが著しく低くなる。シートの残部は溶融して再使用することも意図されるが、再使用によって材料品質が低下せしめられ、材料品質の過剰低下を回避するためには再使用をシートの残部の全体ではなくてその一部のみに制限せざるを得ない。シート層が主層と共にガスバリアー層等の付加層を含有している多層シートである場合には、シートの残部を再使用することは実際上不可能である。また、容器の肉厚がシートの厚さに強く依存し、容器の肉厚分布を適宜に選定することが困難である。更に、製造工程の都合上、シートはロール状に巻き付けることができることが望まれ、それ故にシートの厚さは例えば1.2mm以下に制限され、これに起因して容器の底壁の厚さ、従って強度が過小になってしまう傾向がある。
【0004】
下記特許文献1には、熱成形主部とフランジ部とを有する熱可塑性樹脂前成形体(所謂プリフォーム)を射出成形によって成形し、次いでかかる前成形体の熱成形主部をプラグアシスト真空及び圧空成形してカップ形状熱可塑性樹脂容器を成形する製造方法が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、熱成形主部とフランジ部とを有する熱可塑性樹脂前成形体を射出成形によって成形し、次いでかかる前成形体の熱成形主部をマッチドモールド真空成形してカップ形状熱可塑性樹脂容器を製造する方法が開示されている。マッチドモールド真空成形の際に、一方の成形型部材は結晶開始温度よりも高温に加熱され、従ってカップ形状に成形された熱可塑性容器は熱固定される。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−69478号公報
【特許文献2】
特公平7−67737号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び上記特許文献2に開示されている製造方法においては、最初にシートを押出成形する製造方法における上述したとおりの問題はない。しかしながら、これらの製造方法も未だ充分に満足し得るものではなく、次のとおりの解決すべき問題を有する。上記特許文献1に開示されている製造方法においては、熱可塑性樹脂が熱固定されることがなく、それ故に製造された熱可塑性樹脂容器は耐熱性に劣る。上記特許文献2に開示されている製造方法によれば、熱可塑性樹脂が熱固定される故に耐熱性が向上せしめられるが、熱成形主部の熱成形が結晶化開始温度よりも高温に加熱された一方の成形型部材と結晶化開始温度以下である他方の成形型部材とを密接に嵌合せしめることに起因して、熱固定に要する時間及び熱成形された容器の冷却に要する時間が比較的長くなり、製造効率が低い。
【0008】
更に、上記特許文献1に開示されている製造方法及び上記特許文献2に開示されている製造方法のいずれにおいても、最終的に成形される熱可塑性樹脂容器のフランジには耐熱処理が施されておらず、フランジの耐熱性が不充分である場合が少なくない。
【0009】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その第一の技術的課題は、最初にシートを押出成形する製造方法における上述した問題がないことに加えて、フランジ部を含む全体が充分な耐熱性を備えた熱可塑性樹脂容器を高効率で製造することができる、新規且つ改良された製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の第二の技術的課題は、フランジ部を含む全体が充分な耐熱性を備えた熱可塑性樹脂容器を製造することができる新規且つ改良された製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の局面によれば、上記第一の技術的課題を達成する製造方法として、熱成形主部とフランジ部とを有する熱可塑性樹脂前成形体を射出成形する射出成形工程と、該前成形体を熱成形してカップ形状熱可塑性樹脂容器を成形する熱成形工程とを含む熱可塑性樹脂容器の製造方法において、
更に、該フランジ部をガラス転移点温度以上で且つ融点以下に加熱し加圧延伸して結晶化せしめるフランジ部結晶化工程を含み、該フランジ部結晶化工程は該熱成形工程の前に遂行され、該熱成形工程は、該前成形体を結晶化開始温度以上で且つ融点以下に加熱された雌成形型部材の成形形状に圧空及び/又は真空成形すると共に熱固定し、次いでプラグ部材の成形形状にシュリンクバックして賦形すると共に冷却することを含む、ことを特徴とする製造方法が提供される。
【0014】
本発明の第二の局面によれば、上記第二の技術的課題を達成する製造方法として、熱成形主部とフランジ部とから構成された前成形体における該熱成形主部を熱成形してカップ形状熱可塑性樹脂容器を成形する熱成形工程を含む熱可塑性樹脂容器の製造方法において、
該フランジ部をガラス転移点温度以上で且つ融点以下に加熱し加圧延伸して結晶化せしめるフランジ部結晶化工程を含み、該フランジ部結晶化工程は該熱成形工程の前に遂行される、ことを特徴とする製造方法が提供される。
【0015】
熱成形工程の後に該フランジ部を所要形状にトリミングするトリミング工程を含むのが好適である。フランジ部結晶化工程においては、該フランジ部を4.5乃至13MPaの圧力で加圧し、該フランジ部を延伸してその厚さを1/3乃至1/2に低減せしめるのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された熱可塑性樹脂容器の製造方法の好適実施形態について、更に詳細に説明する。
【0017】
本発明に従う製造方法の好適実施形態においては、最初に、適宜の熱可塑性樹脂を射出成形して、図1に図示するとおりの形態の前成形体2を成形する。射出成形様式自体は周知の形態でよい。図示の前成形体2は略円板形状の熱成形主部4とその周囲に位置する環状フランジ部6とから構成されている。フランジ部6は比較的肉厚であり、例えば1.8mm程度の肉厚を有する。
【0018】
前成形体2を射出成形するために好適に使用することができる熱可塑性樹脂としては、これに限定されるものではないが、例えばポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリカーボネート系樹脂を挙げることができる。
【0019】
本発明の製造方法においては、種々のポリエステル系樹脂を好適に使用することができるが、特に延伸によって優れた透明性及び耐衝撃性が得られ且つ熱固定が有効に作用するポリエステル樹脂が望ましく、ガラス転移点温度が室温以上で結晶性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸を主たる構成々分とするポリエステルが特に好適に使用することができる。殊に、経済性、成形性及び成形品物性の見地から、エチレンテレフタレート単位が80モル%以上、特に90モル%以上を占めるポリエチレンテレフタレートが好適である。かようなポリエチレンテレフタレートを用いた場合の共重合成分としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレートが最も好適であるが、これに限られるものではなく、ポリエチレン/ブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/2,6−ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレートや、これらとポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、或いはこれらの2種以上とのブレンド物等も使用することができる。ポリエステルは、プリフォームの成形性、容器成形での成形性、容器の機械的性質及び耐熱性の点で、溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定した固有粘度〔IV〕が0.5以上、特に0.6乃至1.5の範囲にあるものが好ましい。ポリエステルには、改質樹脂成分として、エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート、ポリカーボネートなどの少なくとも1種をブレンドすることができる。この改質樹脂成分は、一般にポリエステル100重量部当たり60重量部迄の量、特に好適には3乃至20重量部の量で用いるのが望ましい。
【0020】
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低−中−高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタチックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等を挙げることがきる。
【0021】
ポリカーボネート系樹脂としては、二環二価フェノール類とホスゲンとか誘導される炭酸エステル樹脂を挙げることができ、ビスフェノール類、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1, 2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)エタン等から誘導されたポリカーボネートが好適である。
【0022】
本発明の製造方法において使用される熱可塑性樹脂には、それ自体公知の配合剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、充填剤、滑剤、無機系乃至有機系の着色剤などを配合することができる。
【0023】
図2を参照して説明を続けると、射出成形装置(図示していない)から取り出された前成形体2は、所要熱成形温度に加熱され、しかる後に全体を番号8で示す熱成形装置に供給される。特にポリエステル形樹脂の如く前成形体2が実質上非晶状態で得られる場合には、前成形体2の加熱温度はガラス転移点温度(Tg)以上で且つ結晶化開始温度(Tic)以下であるのが好ましい。加熱温度がガラス転移点温度(Tg)より小さいと熱成形に過大な力を必要とする。一方、結晶化開始温度(Tic)を越えると球晶が形成されて透明性が損なわれる傾向がある。尚、明細書中で使用するガラス転移点温度(Tg)及び結晶化開始温度(Tic)は、測定対象とする成形体より任意に約10mgを採取して、示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素ガス雰囲気下において300℃で3分間ホールドした後室温まで急冷し、加熱速度毎分20℃で昇温して得たDSC曲線より求めたものに基づいている。
【0024】
図示の熱成形装置8は、雌成形型部材10、加圧・締付部材12及びプラグ部材14を含んでいる。雌成形型部材10にはその上面から下方に延びる成形空洞16が形成されている。この成形空洞16の内周面上部は円筒形状であり、内周面中間部及び下部は下方に向かって内径が漸次低減せしめられている逆円錐台筒形状であり、底面は実質上水平な円形である。雌成形型部材10には、その底壁を貫通する連通孔18も形成されている。加圧・締付部材12は環状であり、その中央に配設されている開口の内径は雌成形型部材10形成されている成形空洞16の上端の内径と実質上同一にせしめられている。プラグ部材14は円柱形状の上部と下方に向かって外径が漸次低減せしめられた逆円錐台柱形状の下部とを有する。プラグ部材14には軸線方向に貫通して延びる連通孔20が形成されている。
【0025】
図2に図示する如く、所要熱成形温度に加熱された前成形体2は雌成形型部材10の上面上に載置され、その熱成形主部4が成形空洞16に対応して位置せしめられる。しかる後に、図3に図示する如く、加圧・締付部材12が下降せしめられ、雌成形型部材10の上面と加圧・締付部材12の下面との間で前成形体2のフランジ部6が加圧され締付けられる。そして、フランジ部6に耐熱性を付与する場合はフランジ部6を局部的に結晶化開始温度(Tic)〜融点(Tm)以下に加熱して結晶化する。また、本発明者等の経験によれば、ガラス転移点温度以上に加熱されているフランジ部6を相当な圧力、例えば4.5乃至13MPa程度の圧力、で加圧すると、フランジ部6が延伸せしめられてフランジ部6の厚さが例えば1/3乃至1/2程度に低減せしめられると共に、樹脂の流動に起因して配向されて結晶化せしめられる。更に、結晶化開始温度(Tic)〜融点(Tm)以下に加熱された雌成形型部材10の上面にフランジ部6を接触させることにより、上記樹脂の流動配向によって生じる成形ひずみの緩和と耐熱性を付与する、結晶化が行われる。そして、かかる結晶化と成形ひずみの緩和によってフランジ部6の耐熱性と強度が向上せしめられる。フランジ部6における樹脂の流動を促進するために、フランジ部6の加圧・締付に先立って、フランジ部6の上面、下面、加圧・締付部材12の下面或いは雌成形型部材10の上面のいずれかにシリコンオイルの如き適宜の潤滑剤を塗布するのが好適である。図示の実施形態においては、加圧・締付部材12を下降せしめてフランジ部6を加圧・締付するとフランジ部6が結晶化され、従って加圧・締付部材12の下降により、フランジ部6の締付工程が遂行せしめられると共に、フランジ部6の結晶化工程が遂行される。
【0026】
次いで、前成形体2の熱成形主部4の熱成形が遂行される。この熱成形は2段階で遂行、即ち圧空及び真空成形とこれに続くシュリンクバックによって遂行される。熱成形工程の第一段階においては、プラグ部材14が漸次下降せしめられる。図3と図4とを比較参照することによって理解される如く、プラグ部材14が漸次下降せしめられると、これに応じて前成形体2の熱成形主部4が漸次延伸せしめられる。更に、プラグ部材14の連通孔20が圧縮空気源(図示していない)に連通され、そしてまた雌成形型部材10の連通孔18が真空源(図示していない)に連通され、従って圧縮空気加圧による圧空成形と共に真空吸引による真空成形遂行され、前成形体2の熱成形主部4は雌成形型部材10の成形形状、即ち成形空洞16の内面に対応した形状に成形せしめられる。図示の実施形態において、プラグ部材14の連通孔20を圧縮空気源に連通せしめて圧空成形を遂行すると共に雌成形型部材10の連通孔18を真空源に連通せしめて真空成形を遂行しているが、所望ならば圧空成形と真空成形とのいずれか一方のみを遂行することもできる。圧空及び/又は真空成形は、プラグ部材14の下降を開始すると同時、プラグ部材14の下降途中或いはプラグ部材14の下降を終了した後のいずれの時点で開始してもよい。このとき、プラグ部材14の温度は成形体の品質に影響を与えない範囲であれば任意に設定可能である。例えば、前成形体2がポリエステル系樹脂から構成される場合、室温近傍から熱可塑性樹脂の結晶化開始温度(Tic)までの範囲が好ましい。これは室温より冷やすと、プラグ部材14の表面に結露することがあり、また、結晶化開始温度(Tic)を越えると、前成形体2が部分的に加熱され、延伸されすぎる場合が生じるからである。圧空及び/又は真空成形における延伸倍率は、耐衝撃性及び透明性を付与する点で加工前の肉厚toと加工後の肉厚tの比to/t(成形前後での比重の変化が小さい場合には面積延伸倍率に相当する)が3以上、特に4乃至10であるのが好ましい。3未満では延伸が不十分なため、球晶が発生しやすく、耐衝撃性や透明性が劣ってくる点で好ましくない。延伸倍率が10を越えると配向結晶化が強くなり過ぎ、後述する熱固定時の圧空を高圧力にしなければならない。
【0027】
上述した圧空及び/又は真空成形の際には、雌成形型部材10を電気抵抗加熱器の如き適宜の加熱手段(図示していない)によって加熱し、成形空洞16の内面を熱可塑性樹脂の結晶化開始温度以上で且つ融点以下、例えば180℃程度の温度、にせしめる。従って、圧空及び/又は真空成形された熱成形主部4は圧空及び/真空成形と実質上同時に雌成形型部材10の成形空洞16の内面に接触せしめられることによって加熱されて熱固定される。熱固定温度としては、熱可塑性樹脂の結晶化開始温度(Tic)より高温であるが融点(Tm)以下、特に融点(Tm)−10℃以下であるのが好ましい。熱固定温度が融点(Tm)を越えると熱成形主部4が雌成形型部材10に溶着してしまう傾向がある。
【0028】
圧空及び/又は真空成形並びに熱固定に続いて、熱成形工程における第二段階が遂行される。この第二段階においては、図5に図示する如く、雌成形型10の連通孔18が圧縮空気源に連通され、プラグ部材14の連通孔20が真空源に連通せしめられる。従って、圧縮空気加圧と真空吸引とによって熱成形主部4がプラグ部材14の成形形状、即ちプラグ部材14の外形状にシュリンクバックされ、最終形状即ち容器22に賦形され、そしてまたプラグ部材14に接触せしめられることによって冷却される。所望ならば、シュリンクバックの際にはプラグ部材14を積極的に冷却して容器22の冷却を促進することができる。
【0029】
容器22が充分に冷却された後に、熱成形装置8から容器22を取り出す。取り出した容器22は環状フランジ24、このフランジ24の内周縁から垂下する側壁26及び側壁26の下端を閉じる底壁28を有する。図示の実施形態においては、更に、図6に図示する如く、加圧延伸せしめられたフランジ24をトリミングして所要外径にせしめる。フランジ24のトリミングは周知の様式によって遂行することができる。
【0030】
以上、添付図面を参照して本発明に従って構成された製造方法の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることが理解されるべきである。例えば、上述した実施形態においては単一熱可塑性樹脂から形成された前成形体2を射出成形し、次いでかかる前成形体2を熱成形しているが、所望ならば主熱可塑性樹脂とこの主熱可塑性樹脂内に包み込まれた付加熱可塑性樹脂とから成る多層構造の前成形体を射出成形し、かかる前成形体を熱成形して容器を製造するこもできる。付加熱可塑性樹脂としてはガスバリアー性に優れた樹脂、リサイクル樹脂、酸素吸収性樹脂及び耐湿性樹脂等を挙げることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の第一の局面においては、最初にシートを押出成形する製造方法における上述した問題がないことに加えて、フランジ部を含む全体が充分な耐熱性を備えた熱可塑性樹脂容器を高効率で製造することができる。
【0032】
本発明の第二の局面においては、フランジ部を含む全体が充分な耐熱性を備えた熱可塑性樹脂容器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形された前成形体を示す断面図。
【図2】熱成形装置に前成形体を供給した状態を示す断面図。
【図3】前成形体のフランジ部を加圧延伸する様式を示す断面図。
【図4】前成形体の熱成形主部を圧空及び真空成形する様式を示す断面図。
【図5】前成形体の熱成形主部をシュリンクバックする様式を示す断面図。
【図6】フランジをトリミングして完成された容器を示す断面図。
【符号の説明】
2:前成形体
4:熱成形主部
6:フランジ部
8:熱成形装置
10:雌成形型部材
12:加圧・締付部材
14:プラグ部材
22:容器

Claims (4)

  1. 熱成形主部とフランジ部とを有する熱可塑性樹脂前成形体を射出成形する射出成形工程と、該前成形体を熱成形してカップ形状熱可塑性樹脂容器を成形する熱成形工程とを含む熱可塑性樹脂容器の製造方法において、
    更に、該フランジ部をガラス転移点温度以上で且つ融点以下に加熱し加圧延伸して結晶化せしめるフランジ部結晶化工程を含み、該フランジ部結晶化工程は該熱成形工程の前に遂行され、該熱成形工程は、該前成形体を結晶化開始温度以上で且つ融点以下に加熱された雌成形型部材の成形形状に圧空及び/又は真空成形すると共に熱固定し、次いでプラグ部材の成形形状にシュリンクバックして賦形すると共に冷却することを含む、ことを特徴とする製造方法。
  2. 熱成形主部とフランジ部とから構成された前成形体における該熱成形主部を熱成形してカップ形状熱可塑性樹脂容器を成形する熱成形工程を含む熱可塑性樹脂容器の製造方法において、
    該フランジ部をガラス転移点温度以上で且つ融点以下に加熱し加圧延伸して結晶化せしめるフランジ部結晶化工程を含み、該フランジ部結晶化工程は該熱成形工程の前に遂行される、ことを特徴とする製造方法。
  3. 該熱成形工程の後に該フランジ部を所要形状にトリミングするトリミング工程を含む、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 該フランジ部結晶化工程においては、該フランジ部を4.5乃至13MPaの圧力で加圧し、該フランジ部を延伸してその厚さを1/3乃至1/2に低減せしめる請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
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