JP4449096B2 - 光学素子および該光学素子を用いた送受光装置、送光装置 - Google Patents

光学素子および該光学素子を用いた送受光装置、送光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を用いて情報の送受信を行う光無線伝送システム等における情報の伝送速度を高速化し得るとともに十分な伝送距離を確保し得るようにレーザダイオード等のような光源から発生するコヒーレントな光を利用するために安全な光を発生し得る光学素子および該光学素子を用いた送受光装置、送光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光無線伝送システムに使用されている送受光装置は、図9に示すように、発光素子として発光ダイオード7を使用し、この発光ダイオード7から放出される光をレンズ8で指向角を絞って受光側に送光し、受光側において集光レンズ9で集光し、この集光された光をフォトダイオード10で受光して電気信号に変換している。
【0003】
図10は、このような送受光装置に対する送受信信号を処理する処理回路の構成を示すブロック図である。この処理回路では、コネクタ23からの入力信号を入出力インタフェース24を介してデジタル信号処理部25に供給し、このデジタル信号処理部25で変調処理等を施した後、光送信駆動回路27で図9の送受光装置の発光ダイオード7およびレンズ8等からなる送光部を駆動し、通信光として受光側に送光している。また、受光側では、光受信駆動回路28で駆動された図9の送受光装置のレンズ9およびフォトダイオード10等からなる受光部で通信光を受光して電気信号に変換し、この信号をデジタル信号処理部26で復調処理等を施した後、入出力インタフェース24を介してコネクタ23から出力している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の送受光装置では、発光ダイオード7を使用し、この発光ダイオードから送出される光を利用して情報を伝送しているが、情報の伝送速度が速い場合には、発光ダイオードを駆動する入力電流に対して発光ダイオードの発光が追いつかず、光の空間伝送の場合、100Mbps程度までしか高速化することができない。
【0005】
そこで、発光ダイオードの代わりに発光素子としてコヒーレントな光を発生するレーザダイオード(LD)を使用することが提案されている。レーザダイオードは情報の伝送速度の高速化が可能であるとともに、同等の発光量を得るための消費電力は発光ダイオードに比較して少ないという利点もある。
【0006】
しかしながら、レーザダイオードから放射されるコヒーレント光、特に所望の伝送距離を確保し、情報伝送し得るように大きな発光レベルのコヒーレント光は、人体に良い影響を与えないという問題がある。
【0007】
更に詳しくは、レーザ光は、人体に与える影響の中でも、特に眼に与える影響が非常に大きい。波長400〜1400nmのレーザ光は、万が一眼に入って眼底に到達すると、眼の角膜、水晶体の集光作用により眼底での光のエネルギ密度は角膜上の104 倍以上となる可能性がある。すなわち、レーザ光は、位相の揃ったコヒーレント光であるため、角膜、水晶体によって眼底に集光した場合、図11に示すように、眼球11の底部11aの一点に同位相のレーザ光線が集まり、この点における光のエネルギ密度が大きくなり、眼底に影響を与える可能性がある。なお、図11において、符号12は等位相面を示している。
【0008】
このように人体、特に眼に影響を与えるレーザダイオードから放射されるレーザ光から人体を保護するために、レーザ光による被爆放出限界、すなわち最大被爆放出レベルによってレーザ光の発光レベルはクラス1,2,3A,3B,4に分けられ、クラスによって異なる安全規格に従った管理が要求されている。クラス1のレーザ光は、合理的に予知可能な運転条件下で安全が確保されるレーザ光であり、IEC825による安全管理のための要求事項が免除されている。
【0009】
民生用光無線伝送システムにおいて発光素子としてコヒーレント光を発生するレーザダイオードを使用する場合には、レーザ光の放射強度はクラス1のレベルが望ましいが、レーザダイオードの発光レベルをクラス1に抑えた場合、発光レベルが低すぎて、従来の光無線伝送システムと同等の通信距離を確保することが困難となるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、情報の伝送速度を高速化し得るようにコヒーレント光を発生するコヒーレント光源を利用するも人体に影響を及ぼさない光を発生し得る光学素子および該光学素子を用いた送受光装置、送光装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項記載の本発明に係る送光装置は、コヒーレント光を発生し、ほぼ点光源とみなせる発光素子と、前記発光素子から発生するコヒーレント光を平行な光に変換するコリメートレンズと、第1の屈折率を有し空気を除く第1の物質と、前記第1の物質と接合されて、前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有し空気を除く第2の物質とを含み、前記第1の物質と前記第2の物質とが接合された境界面は波形状に連続的に変化している光学素子とを有することを要旨とする。
【0018】
請求項記載の本発明に係る送光装置にあっては、第1の屈折率を有する第1の物質と接合された第2の屈折率を有する第2の物質との境界面が波形状に連続的に変化していることから、ほぼ平行なコヒーレント光が入射すると、この平行光の位相が連続的に変化し、インコヒーレント光を生成し放出するため、このインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、すなわち眼の網膜上に集光することなく、かつ情報伝送に十分な発光レベルの光を発生することが可能である。
【0019】
また、請求項記載の本発明に係る送光装置は、光学素子がレンズであることを要旨とする。
【0020】
請求項記載の本発明に係る送光装置にあっては、光学素子がレンズであることから、小型化、経済化を図ることができる。
【0021】
更に、請求項記載の本発明に係る送受光装置は、コヒーレント光を発生し、ほぼ点光源とみなせる発光素子、および該発光素子から発生する光を平行な光に変換するとともに、前記光の位相を連続的に変化させて、インコヒーレント光を生成し送出する光学素子を有する送光装置と、該送光装置から送出される平行なインコヒーレント光が入射し、この入射したインコヒーレント光の位相を前記光学素子における位相の変化と逆に変化させて、コヒーレント光を生成するとともに前記光を集光するコヒーレント光生成手段、およびこの集光した光を受光する受光手段を有する受光装置とを有することを要旨とする。
【0022】
請求項記載の本発明に係る送受光装置にあっては、発光素子から発生するコヒーレント光を平行な光に変換するとともに、この光の位相を連続的に変化させて、インコヒーレント光を送光装置から生成し送出し、受光装置においては送光装置から送出されるインコヒーレント光の位相を逆相に変換させて、コヒーレント光を生成し、集光した光を受光するため、送光装置から送出されるインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、情報伝送に十分な発光レベルの光を発生することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光学素子を用いた送光装置の構成を示す図である。同図に示す送光装置29は、発光素子としてレーザダイオード5を使用し、このレーザダイオード5から発生するコヒーレント光をコリメートレンズ2で平行光にし、この平行なコヒーレント光は、光学素子1に入射される。
【0024】
光学素子1は、入射光の位相のみを連続的に変化させて放出させる機能を持っているため、平行なコヒーレント光は光学素子1を透過することにより、その光の位相が連続的に変化して、インコヒーレント光に変換され、このインコヒーレント光が光学素子1から送出されることになる。このインコヒーレント光は、位相が連続的に変化して揃っていないため、人間の眼に入っても、図2に示すように眼球11の底部11aの一点に集光することがなく、安全である。なお、図2において、12はコヒーレント光の等位相面を示し、14はインコヒーレント光を示している。
【0025】
次に、図3を参照して、図1に示した光学素子1の具体的な構成について説明する。光学素子1は、図3(a)に断面図で示すように、第1の屈折率n1 を有する第1の物質36と第2の屈折率n2 を有する第2の物質37を接合して構成され、この接合した両物質36,37の境界面35は波形状で連続的に変化している。
【0026】
このように構成される光学素子1に入射する平行なコヒーレント光41は、まず屈折率n2 の第2の物質37に入射し、境界面35を通過して、屈折率n1 の第1の物質36に入射する。この結果、コヒーレント光41は、境界面35から屈折率の異なる第1の物質36に入射した場合に、第1の物質36に入射する境界面35における入射角が境界面35に当たった位置によってそれぞれ異なるため、境界面35の位置によってそれぞれ異なった角度で第1の物質36に入射し、第1の物質36内を図3(a)に示すようにそれぞれ異なる光路長で透過し、これにより透過光の位相は境界面35の位置に応じて連続的に変化し、第1の物質36からインコヒーレント光43として放出されるのである。このインコヒーレント光は、位相が変化して揃っていないため、図2で説明したように、眼に入っても眼底11aの一点に集光することがない。
【0027】
図3(b)は、図3(a)における第2の物質37として空気38を使用した光学素子1の断面を示す図である。このように第2の物質37として空気38を使用した光学素子1であっても、図3(a)の場合と同様に空気38を通過し、境界面35から第1の物質36に入射するコヒーレント光41は境界面35から第1の物質36への入射角が境界面35に当たった位置によってそれぞれ異なり、第1の物質36内をそれぞれ異なる光路長で透過するため、透過光の位相は境界面35の位置に応じて連続的に変化し、第1の物質36からインコヒーレント光43として放出される。
【0028】
第1の物質36の屈折率n1 と第2の物質37の屈折率n2 の関係がn1 >n2 である場合、図3(c)に示すように、第1の物質36に対する入射角θ1 が大きくなる程、透過率は小さくなる。そして、入射角θ1 が臨界角(θc =sin- (n2 /n1 ))である場合には、透過率は0となり、全反射する。従って、入射角θ1 があまり大きくならないように屈折率および境界面35を設計する必要がある。
【0029】
なお、上述したように光の位相を連続的に変化させる光学素子1は、例えばホログラムで構成することも可能である。
【0030】
図4は、本発明の他の実施形態に係る光学素子を用いた送光装置の構成を示す図である。同図に示す送光装置30は、図1に示した送光装置29におけるコリメートレンズ2と光学素子1の代わりにコリメートレンズ2と光学素子1の両機能を有する光学素子3を用いた点が異なるものであり、その他の構成および作用は同じである。
【0031】
図4に示す送光装置30に使用されている光学素子3は、レーザダイオード5からのコヒーレント光を平行光に変換するとともに、該光の位相を連続的に変化させて、眼に安全なインコヒーレント光を生成して放出するように図1のコリメートレンズ2と光学素子1の両機能を備えているものである。
【0032】
また、このように構成される光学素子3が有する両機能のうち、図1に示した光学素子1の機能に対応する位相変化機能は、図3で説明したものと同じように、屈折率n1 を有する第1の物質36と屈折率n2 を有する第2の物質37を接合し、この接合した両物質36,37の境界面35が波形状で連続的に変化するように構成され、これによりコヒーレント光をインコヒーレント光に変換している。
【0033】
図5は、本発明の更に他の実施形態に係る送受光装置の構成を示す図である。同図に示す送受光装置は、送光装置29と受光装置32から構成され、送光装置29は、図1に示したと同様に、レーザダイオード5、コリメートレンズ2および光学素子1から構成され、受光装置32は、送光装置29から送出されて入射する平行なインコヒーレント光の位相を光学素子1における位相の変化と逆相に変化させて、元のコヒーレント光を生成する光学素子4、この光学素子4からのコヒーレント光を集光する集光レンズ31、およびこの集光されたコヒーレント光を受光するフォトダイオード6から構成されている。
【0034】
このように構成される送受光装置においては、送光装置29に使用されている光学素子1が図1と同様にレーザダイオード5からのコヒーレント光をコリメートレンズ2で集光して光学素子1に入射し、光学素子1でコヒーレント入射光の位相を連続的に変化させて、インコヒーレントな光として空間に放出するため、人間の眼に入っても、眼底に集光することがなく、十分大きな発光レベルの光を発生することができる。
【0035】
また、受光装置32においては、送光装置29から送出された平行なインコヒーレント光を光学素子4に入射し、この光学素子4において入射光の位相を光学素子1における位相の変化と逆相に変化させて、元のコヒーレント光を生成し、このコヒーレント光を集光レンズ31で集光し、フォトダイオード6で受光するため、送光装置29で発生した十分大きな発光レベルの光を受光装置32において再生することができる。
【0036】
なお、図5に示す送受光装置の送光装置29に使用されているコリメートレンズ2および光学素子1の代わりに図2に示した光学素子3を使用してもよいものである。
【0037】
図6は、本発明の別の実施形態に係る送光装置の構成を示す図である。同図に示す送光装置34は、図1に示した送光装置29に使用されているレーザダイオード5および光学素子1を使用するとともに、コリメートレンズ2の代わりにパラボラミラー33を使用するように構成した点が異なるものである。
【0038】
すなわち、図6に示す送光装置34は、レーザダイオード5から発生するコヒーレント光を光学素子1に入射し、光学素子1においてレーザダイオード5からのコヒーレント光の位相を連続的に変化させて、インコヒーレント光として光学素子1から放出し、この光学素子1からのインコヒーレント光をパラボラミラー33で平行光として反射し、この平行なインコヒーレント光をレーザダイオード5からの光の放射方向とは逆方向に放射するようにしているものである。
【0039】
図7(a),(b)は、それぞれ本発明の更に別の実施形態に係る送受光装置を用いた光無線伝送装置の概略構成および詳細構成を示す図である。
【0040】
図7(a)に示す光無線伝送装置は、送受光端末装置51と送受光端末装置53から構成され、送受光端末装置51から送出されるインコヒーレント光を送受光端末装置53で受光し、また送受光端末装置53から送出されるインコヒーレント光を送受光端末装置51で受信し、両端末装置間で双方向光無線伝送を行うようになっている。
【0041】
図7(b)は、図7(a)に示す光無線伝送装置の詳細構成を示す図である。図7(b)に示すように、図7(a)の光無線伝送装置を構成している送受光端末装置51と送受光端末装置53の各々は、レーザダイオード5、コリメートレンズ2、光学素子1からなる図1に示した送光装置29と光学素子4、集光レンズ31、フォトダイオード6からなる図5に示した受光装置32とを有して、同じように構成され、送受光端末装置51は送受光駆動処理回路21に接続され、また送受光端末装置53は送受光駆動処理回路22に接続されている。
【0042】
このように構成される光無線伝送装置において、送受光駆動処理回路21で変調処理等を施された送信信号は送受光端末装置51の送光装置29のレーザダイオード5に供給され、レーザダイオード5からコヒーレント光を発生し、このコヒーレント光はコリメートレンズ2で平行光にされてから、光学素子1でインコヒーレント光81に変換されて送受光端末装置53に送出される。
【0043】
この送出されるインコヒーレント光81は、送受光端末装置53の受光装置32の光学素子4で元のコヒーレント光に変換され、集光レンズ31で集光され、フォトダイオード6で受光されて電気信号に変換される。この電気信号はフォトダイオード6から送受光駆動処理回路22に供給され、復調処理等を施されて、図示しないデジタル信号処理回路等に供給される。
【0044】
また、送受光駆動処理回路22で変調処理等を施された送信信号は、送受光端末装置53の送光装置29のレーザダイオード5に供給され、レーザダイオード5からコヒーレント光を発生し、このコヒーレント光はコリメートレンズ2で平行光にされてから、光学素子1でインコヒーレント光83に変換されて送受光端末装置51に送出される。
【0045】
送受光端末装置51は、このインコヒーレント光83を受光装置32の光学素子4で元のコヒーレント光に変換し、集光レンズ31で集光し、フォトダイオード6で電気信号に変換する。この電気信号はフォトダイオード6から送受光駆動処理回路21に供給され、復調処理等を施されて、図示しないデジタル信号処理回路等に供給される。
【0046】
このように構成される送受光端末装置51と送受光端末装置53の間では、所望の伝送距離を確保し得る発光レベルのレーザ光をレーザダイオード5から発生し、このレーザ光を光学素子1で眼に安全なインコヒーレント光に変換して空間に送出している。また、この空間に送出されたインコヒーレント光は、光学素子4で再び十分大きなレベルの元のコヒーレント光に戻され、フォトダイオード6で受光され、送受光端末装置51,53の両端末装置間において双方向の高速伝送を行うことができる。
【0047】
図8は、図7に示した光無線伝送装置における送受光端末装置51,53の別の構成を示す図である。図8の送受光端末装置51,53は、図7における送受光端末装置51,53の送光装置29の代わりに図4に示したレーザダイオード5、光学素子3からなる送光装置30を使用するようにした点が異なるものであり、その他の構成および作用は図7のものと同じである。このように送光装置29の代わりにレーザダイオード5と光学素子3からなる送光装置30を使用することにより、光学素子3に平行光に変換する機能と光の位相を連続的に変化させる機能の両方を持たせることができ、小型化、経済化を図ることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る光学素子によれば、ほぼ平行なコヒーレント光が入射すると、位相変化手段により入射光の位相は連続的に変化して、コヒーレント性が失われ、インコヒーレント光を生成し放出するので、このインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、すなわち眼の網膜上に集光することなく、かつ十分な伝送距離を確保し得るとともに情報伝送に十分大きな発光レベルの光を発生することが可能である。
【0049】
また、請求項2記載の本発明に係る光学素子によれば、コヒーレント光が入射すると、入射光を平行な光に変換するとともにその位相は連続的に変化して、コヒーレント性が失われ、インコヒーレント光を生成し放出するので、このインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、所望の伝送距離を確保し得るとともに情報伝送に十分な発光レベルの光を発生することが可能であるとともに、また入射光を平行光線に変換するので、コリメートレンズが不要となり、小型化、経済化を図ることができる。
【0050】
更に、請求項3記載の本発明に係る光学素子によれば、屈折率の異なる2つの物質で構成され、光が一方の物質を透過し、他方の物質との境界面に至り、この境界面から他方の物質に入ると、光は到達した境界面の位置により異なる角度で屈折して透過光に光路差が生じることで、光の位相が連続的に変化し、コヒーレント性が失われたインコヒーレント光を生成し放出するので、このインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、所望の伝送距離を確保し得るとともに情報伝送に十分な発光レベルの光を発生することが可能である。
【0051】
請求項4記載の本発明に係る送光装置によれば、発光素子から発生するコヒーレント光を平行な光に変換し、この平行光が光学素子に入射することで、この平行光の位相が連続的に変化し、インコヒーレント光を生成し放出するので、このインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、情報伝送に十分な発光レベルの光を発生することが可能である。
【0052】
また、請求項5記載の本発明に係る送光装置によれば、発光素子から発生するコヒーレント光を平行な光に変換するとともに、この光の位相を連続的に変化し、インコヒーレント光を生成し放出するので、このインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、所望の伝送距離を確保し得るとともに情報伝送に十分な発光レベルの光を発生することが可能である。
【0053】
更に、請求項6記載の本発明に係る送受光装置によれば、発光素子から発生するコヒーレント光を平行な光に変換するとともに、この光の位相を連続的に変化させて、インコヒーレント光を送光装置から生成し送出し、受光装置においては送光装置から送出されるインコヒーレント光の位相を逆相に変化させて、コヒーレント光を生成し、集光した光を受光するので、送光装置から送出されるインコヒーレント光が人の目に入っても、同位相の光が眼底の一点に集まってエネルギ密度が大きくなることはなく、所望の伝送距離を確保し得るとともに情報伝送に十分な発光レベルの光を発生することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光学素子を用いた送光装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した送光装置から送出されるインコヒーレント光が眼球に入って、眼底に到達する様子を示す図である。
【図3】図1に示した光学素子の具体的な構成を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る光学素子を用いた送光装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態に係る送受光装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る送光装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の更に別の実施形態に係る送受光装置を用いた光無線伝送装置の概略構成および詳細構成を示す図である。
【図8】図7に示した光無線伝送装置における送受光端末装置の別の構成を示す図である。
【図9】従来の光無線伝送システムに使用されている送受光装置の構成を概略的に示す図である。
【図10】図9に示した送受光装置に対する送受信信号を処理する処理回路の構成を示すブロック図である。
【図11】コヒーレント光が人間の眼球に入って、眼底の一点に集光する様子を示す図である。
【符号の説明】
1,3,4 光学素子
2 コリメートレンズ
5 レーザダイオード
6 フォトダイオード
29,30 送光装置
31 集光レンズ
32 受光装置
35 境界面
36 第1の物質
37 第2の物質
51,53 送受光端末装置

Claims (3)

  1. コヒーレント光を発生し、ほぼ点光源とみなせる発光素子と、
    前記発光素子から発生するコヒーレント光を平行な光に変換するコリメートレンズと、
    第1の屈折率を有し空気を除く第1の物質と、前記第1の物質と接合されて、前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有し空気を除く第2の物質とを含み、前記第1の物質と前記第2の物質とが接合された境界面は波形状に連続的に変化している光学素子と
    を有することを特徴とする送光装置。
  2. 前記光学素子はレンズであることを特徴とする請求項記載の送光装置。
  3. コヒーレント光を発生し、ほぼ点光源とみなせる発光素子、および該発光素子から発生する光を平行な光に変換するとともに、前記光の位相を連続的に変化させて、インコヒーレント光を生成し送出する光学素子を有する送光装置と、該送光装置から送出される平行なインコヒーレント光が入射し、この入射したインコヒーレント光の位相を前記光学素子における位相の変化と逆に変化させて、コヒーレント光を生成するとともに前記光を集光するコヒーレント光生成手段、およびこの集光した光を受光する受光手段を有する受光装置と
    を有することを特徴とする送受光装置。
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