JP4447498B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、レジストパターンの形成を伴う半導体装置およびその製造方法に関し、特に、半導体レーザ素子およびその製造方法に関する。
AlGaInN系半導体などの窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体レーザ素子は、サファイア基板やGaN基板等の透明な半導体基板上に形成される。
半導体レーザ素子の製造に必要な最小パターン寸法は2μm程度であるため、転写工程においては、KrFステッパなどの高価な露光装置は必要なく、水銀ランプを用いたg線(波長:436nm)またはi線(波長:365nm)を照射可能な安価な露光装置によりパターン転写を行うことができる。
しかし、サファイア基板やGaN基板を透過した露光光は、基板裏面にて反射し、裏面からの反射光がフォトレジストを感光させるために、レジストパターンの寸法精度が低下するという問題がある。下記特許文献1においては、この問題を解決するため、基板裏面に露光波長の1/10程度の凹凸を設けて露光し、フォトレジストへのパターン転写を行う方法が採用されている。このレジストパターン形成方法によれば、基板表面から入射した露光光が基板裏面の凹凸で乱反射され、反射光の基板表面における強度が減少し、高精度のレジストパターンが得られる、とのことである。
すなわち、特許文献1の図5に示されている通り、GaN基板100の裏面には、露光波長の1/10以上の段差を有する凸凹100aが設けられる。そして、GaN基板100上には、レジスト膜171が形成される。その後、水銀ランプのg線を光源とした露光光173により、レジスト膜171へのパターン転写が行われる。
この露光方法では、半導体基板1上の、遮光体で形成されたマスクパターンを有するフォトマスク172において、遮光されていない透過部172aを透過した露光光がレジスト膜171に照射される。露光光の一部はレジスト膜5に吸収され、残りの露光光のうち、レジスト膜5とGaN基板100を透過した光が基板裏面の凸凹100aによって乱反射され、反射光175が再びレジスト膜171を露光することになる。基板裏面で反射しなかった露光光は透過光174として基板裏面を透過する。
特許文献1の第0092段落によると、露光光が基板裏面の凹凸100aで乱反射することによって、基板表面での反射光の強度が減少するために高精度のレジストパターンが得られると説明されている。
特開2002−141283号公報
上記特許文献1に記載のレジストパターン形成方法において見出した新たな課題について説明する。
本願出願人は、半導体レーザ素子の光導波構造を半導体基板上に形成することを目的として、光導波構造となるリッジパターンのフォトレジストへの転写について、上記特許文献1に記載のレジストパターン形成方法を用いて実験を行った。リッジパターンとしては、幅1.5μm程度のストライプ状の透過部、その両脇に幅20μmの長方形状の遮光体、さらにその両側に周辺パターンとして幅180μmの長方形状の透過部を一組として、その繰り返しパターンとして構成されている直線状のマスクパターンが配置されているフォトマスクを用いて、パターン転写を実施した。すなわち、幅1.5μm程度のストライプ状の透過部下のレジスト部分、および、幅180μmの長方形状の透過部下のレジスト部分が、露光光が照射される露光部となり、幅20μmの長方形状の遮光体下のレジスト部分が非露光部となる。
このパターン転写においては、フォトレジスト膜としてネガ型レジストを用いた。マスクを透過した露光光によりレジスト膜へのパターン転写を行い、現像したところ、レジスト膜の非露光部(つまり、遮光体で光が遮られたリッジパターン両側の幅20μmの領域)にレジスト残渣が発生し、マスクパターンに対応したレジストパターンを形成することができないという課題が生じた。
なお、ネガ型レジストでは非露光部のレジスト膜が現像液に溶解するため、露光部のレジスト膜が現像後にレジストパターンとして残る。一方、ポジ型レジストでは、ネガ型レジストとは逆に露光部のレジスト膜が現像液に溶解するため、非露光部のレジスト膜が現像後にレジストパターンとして残る。
次に、露光量を様々に変化させて、上記と同様のパターン転写を実施した。露光量を十分に減少させてマスクパターンの転写を行うと、非露光部のレジスト残渣は消失した。その場合はしかし、レジストパターンの形成に必要な露光量が不足するため、レジスト膜の膜厚が減少したり、レジストパターン側壁の垂直性が低下したりするため、リッジパターンの解像性が制限されるという課題が生じた。
レジスト残渣の発生について検討するに、非露光部のレジスト残渣は、最低露光量(現像後の露光部にレジスト膜が形成されるのに最低必要な露光量を指す。これをD0[mJ/cm2]とする)の1.67倍以上の露光量で露光部を照射したときに発生していた。すなわち、非露光部は基板裏面で乱反射された反射光によって露光され、このときの反射光は最低露光量と同じか、それを上回る強度を有していると考えられる。よって、非露光部のレジストには、露光部への露光量(D0×1.67)の約60%(=1/1.67×100%)に相当する光強度、あるいはそれ以上の光強度を持つ反射光が照射されたことになる。
上記特許文献1の第0091段落によれば、GaN基板の裏面が鏡面である場合には、基板裏面での露光光の反射率は約20%程度とされている。さらに、同じく上記特許文献1の第0091段落によると、GaN基板の裏面で乱反射が起こる場合には基板表面への反射光の強度は、裏面が鏡面の場合と比較して、減少すると説明されている。
つまり、非露光部のレジストに照射された反射光の強度は、従来考えられていた反射光の光強度よりも、少なくとも3倍程度(60%=20%×3)大きいことになる。つまり、従来考えられているよりも少ない露光量で、非露光部にレジスト残渣が発生していることがわかった。
次に、レジスト残渣の発生する露光量が著しく低下する原因について考察する。基板裏面の凹凸で乱反射された反射光は−90度〜+90度の範囲の様々な入射角度(基板表面の垂線と反射光とがなす角度)で再度、レジスト膜に入射する。露光波長におけるGaN基板とレジスト膜との屈折率が異なるため、レジスト膜への入射角度によってレジスト内の反射光の振る舞いが異なってくる。
臨界角φ(定義は後記する)よりも小さい入射角度の反射光(すなわち、基板表面の垂線に近い光路の反射光)は、GaN基板の表面とレジストとの界面で屈折してレジスト内に入射し、レジスト膜を感光させる。一方、臨界角φ以上の大きな入射角度の反射光(すなわち、基板表面に平行な線に近い光路の反射光)は、GaN基板の表面とレジスト膜との界面で全反射し、基板の裏面に向かい、再度基板裏面の凹凸によって乱反射され、このような反射を繰り返す。
レジスト膜は、レジスト膜に入射する臨界角φよりも小さい入射角度の反射光により感光するのは当然ながら、それのみならず、全反射される反射光によっても感光する。基板表面の全反射点では、反射光の一部がレジスト側に露光波長程度の長さだけエバネッセント光としてしみ出すことが知られているからである。
たとえば、g線波長の場合、全反射点における基板界面近傍の感光領域は、基板表面から波長分の距離、つまりレジスト内の0.436μmの範囲となる。レジスト膜厚を1μmとすると、レジスト膜厚の約40%程度に相当する範囲のレジスト膜がエバネッセント光によって感光されることになる。
臨界角φは、GaN基板の屈折率をn1、レジストの屈折率をn2として、sin(φ)=n2/n1(ただし、n1>n2)で定義される。例えばg線波長に対するGaN基板の屈折率を2.54、レジストの屈折率を1.65とすると、臨界角φは40.5度となる。つまり、−40.5度〜+40.5度までの入射角を持つ反射光は、レジストを透過し、+40.5度〜+90度と−40.5度〜−90度の範囲の入射角を持つ反射光は、全反射することになる。すなわち、全反射が起こる角度範囲は基板裏面での反射可能な角度範囲の50%以上に相当するため、広い角度範囲に乱反射されるほど全反射が起こりやすくなる。
特許文献1に記載の従来技術においては、基板表面とレジストとの界面で全反射される反射光によるレジストの感光が考慮されていなかったため、基板裏面で乱反射さえすれば基板表面の反射光が減少し、レジストパターンが高精度に形成できると考えられていた。しかし、全反射される反射光によるレジストの感光を考慮すると、むしろ乱反射させると基板表面で全反射する反射光の割合が増加するため、非露光部にレジスト残渣が発生する。これが、従来よりも低い露光量でレジスト残渣が生じた原因であると考えられる。
この発明は上記の事情に鑑み、レジスト残渣の発生する露光量が著しく低下する原因を詳細に検討して得られた知見に基づいてなされたものであって、基板裏面の反射光に起因する非露光部のレジスト残渣の発生という、従来には発見されていなかった課題を解決可能な半導体装置の製造方法を実現するものである。
本発明は、(a)半導体基板上にレジスト膜を形成する工程と、(b)第1透過部を有する第1フォトマスクを用いて、前記レジスト膜に第1露光を行う工程と、(c)前記第1透過部に比して大面積の第2透過部を前記第1透過部に重複しない領域において有する第2フォトマスクを用いて、前記レジスト膜に第2露光を行う工程と、(d)前記レジスト膜を現像する工程とを備え、前記第1透過部の面積をS1、前記第2透過部の面積をS2、前記第1露光における露光量をD1、前記第2露光における露光量をD2、同一露光量で前記第1および第2露光を行った場合に、前記レジスト膜のうち非露光部にレジスト残渣が現像後に生じるときの露光光の最低露光量をD3として、
の関係を満たしつつ、前記露光量D1とD2とを異なった値とする半導体装置の製造方法である。
本発明によれば、レジスト膜への露光が、第1透過部を有する第1フォトマスクを用いた第1露光と、第1透過部に比して大面積の第2透過部を第1透過部に重複しない領域において有する第2フォトマスクを用いた第2露光とに分割され、かつ、第1露光における露光量D1と、第2露光における露光量D2とが所定の関係式を満たしつつ、露光量D1とD2とを異なった値とする。よって、露光量D1を増強して第1露光を行い、露光量D2を抑制して第2露光を行うことで、非露光部にレジスト残渣を発生させず、かつ、レジスト膜厚の減少やレジストパターン側壁の垂直性低下を抑制可能な半導体装置の製造方法が実現できる。
<原理>
本発明は、レジスト膜への露光を、第1透過部を有する第1フォトマスクを用いた第1露光と、第1透過部に比して大面積の第2透過部を第1透過部に重複しない領域において有する第2フォトマスクを用いた第2露光とに分割し、かつ、第1露光における露光量D1と、第2露光における露光量D2とが所定の関係式を満たしつつ、露光量D1とD2とを異なった値とした半導体装置の製造方法である。ここでは、本発明の原理について説明する。
図1および図3は、レジストパターンの形成を伴う本発明に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
まず、裏面に凸凹11を有する半導体基板たるGaN基板8上にネガレジストを塗布し、レジスト膜12を形成する。次に、波長436nmのg線を露光光1a,1bとして、レジスト膜12上の同一露光領域を、マスクパターンの異なる第1および第2フォトマスク5a,5bを用いて、異なる露光量でそれぞれ1回ずつ計2回露光する。
図2は、第1フォトマスク5aの平面図である。また、図4は、第2フォトマスク5bの平面図である。図1および図2に示すように、第1フォトマスク5aには、ガラス基板2a上に設けられた第1遮光部3aにより、半導体レーザ素子におけるリッジパターン形成用のストライプ状の第1透過部4aが規定されている。第1透過部4aのリッジ幅D1は例えば1.5μmである。また、第1透過部4aの開口面積をS1とする。
この第1フォトマスク5aを用いて、露光光1aによりレジスト膜12に第1露光が行われる。この第1露光により、レジスト膜12に露光部6が形成される。なお、レジスト膜12のそれ以外の部分は、非露光部7のままである。露光光1aは、GaN基板8の裏面にて透過光9と反射光10とに分かれる。
図3および図4に示すように、第2フォトマスク5bには、ガラス基板2b上に設けられた第2遮光部3bにより、リッジパターンの両脇の周辺パターンとなる長方形状の第2透過部4bが規定されている。第2透過部4bは第1透過部4aに比して大面積であり、第2フォトマスク5bは、第1透過部4aに重複しない領域(図4において第1透過部4aの対応箇所を破線にて明示)において第2透過部4bを有する。第2透過部4bの各々の開口幅D4は例えば180μmである。第2遮光部3bの遮光幅D2は例えば41.5μmである。露光部6の両脇の非露光部7の幅D3はそれぞれ20μmである。また、第2透過部4bの総開口面積をS2とする。
この第2フォトマスク5bを用いて、露光光1bによりレジスト膜12に第2露光が行われる。この第2露光により、レジスト膜12に露光部13が形成される。露光光1bは、GaN基板8の裏面にて透過光9と反射光10とに分かれる。
第2露光では、第1露光で露光された露光部6を第2フォトマスク5bの第2遮光部3bにより遮光することによって、露光部6が二重露光されないようにした。つまり、第1および第2露光において、レジスト膜12の同一箇所が重複して露光されることはない。
ここで、二重露光とは、レジスト膜12の同一箇所が露光光によって2回露光されることを指し、反射光10によるレジスト膜12への露光は、二重露光には含まれない。第1露光による露光部が、第2露光にて第2フォトマスク5bの第2遮光部3bで遮光されておれば、露光光によって二重露光されることはない。なお、本発明に係るレジストパターン形成方法では、二重露光によってパターンの解像性を改善しているわけではない。
この後、レジスト膜12を現像液により現像する。これにより、非露光部7のレジスト膜が現像液に溶解し、露光部6および13のレジスト膜が現像後にレジストパターンとして残る。この後、ドライエッチング等を行えば、露光部6下に半導体レーザ素子におけるリッジパターンが形成される。
さて、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、上記の第1露光における露光光1aの露光量D1[mJ/cm2]と、第2露光における露光光1bの露光量D2[mJ/cm2]とを、異なる値に設定している。この点につき、以下に説明する。
一般に、GaN基板8の裏面で乱反射された反射光10は、広い角度範囲に反射されるため、GaN基板8表面における反射光10の平均強度は、露光量Dとフォトマスク内の透過部の総面積Sとの積を、レジスト膜12上の露光画角の面積Eで割った値に比例すると考えられる。なお、露光画角とは、ステッパにより基板の位置をずらしながら基板上のレジスト膜にマスクパターンを繰り返し転写する際の、一度の露光でマスクパターンが転写される基板上の最大露光領域のことを指す。
そして、非露光部7における反射光10の平均強度が、レジスト膜12におけるパターンの形成に必要な一定の露光量(レジスト膜12のうち露光部が現像後に残るために必要な最低露光量)D0[mJ/cm2]を越えた時に、非露光部7にレジスト残渣が生じると考えられる。
そこで、反射光10による非露光部7への最低露光量D0を、
と定義する。ここで、βはレジストの種類で決まる比例定数である。また、露光量D3[mJ/cm2]は、同一露光量で第1および第2露光を行った場合に、レジスト膜12のうち非露光部7にレジスト残渣が現像後に生じるときの、露光光1a,1bの最低露光量である。露光量D3を数2に導入したのは、第1露光における露光量D1の値と第2露光における露光量D2の値との間に差異を設ける基準を、同一露光量で第1および第2露光を行った場合とするためである。
ここで、リッジパターン形成用の第1フォトマスク5aと周辺パターン形成用の第2フォトマスク5bとを用いた2回の重ね露光によって、非露光部7にレジスト残渣が発生しないためには、2回の露光の際の非露光部7への反射光10の平均強度の和が、最低露光量D0を越えないことが必要である。
つまり、非露光部7にレジスト残渣が発生しない条件として、
を満たす必要がある。なお、S=S1+S2である。
数3の両辺からβ/Eを削除して整理すると、
と書き直すことができる。
第1露光における露光量D1と、第2露光における露光量D2とをともに露光量D3よりも小さくすると、上記の数4を満足するため、非露光部7のレジスト残渣は消失するが、レジストパターン側壁の垂直性が低下し、解像性が制限されるという課題がある。この課題を解決するために、数4の関係式を満たしつつ、第1および第2露光における露光量D1,D2をそれぞれ異なる値に設定して露光する。
すなわち、露光量D1を増強して第1露光を行い、露光量D2を抑制して第2露光を行う。これにより、非露光領域7にレジスト残渣を発生させず、かつ、レジスト膜厚の減少やレジストパターン側壁の垂直性低下を抑制可能な半導体装置の製造方法が実現できる。
さらに、第2フォトマスク5bを用いた第2露光における露光量D2をD3よりΔD2だけ減らし(すなわちD2=D3+ΔD2であって、ΔD2は負値)、第1フォトマスク5aを用いた第1露光における露光量D1をD3よりもΔD1だけ増やして(すなわちD1=D3+ΔD1であって、ΔD1は正値)、露光を行う場合について考察する。
この場合に、非露光部7にレジスト残渣が発生しないためには、数4の関係式よりD1およびD2の増分のみに着目して、ΔD1とΔD2とが、次の関係式を満たせば良い。
このように、第1露光における最低露光量D3からの露光量D1の増分ΔD1と、第2露光における最低露光量D3からの露光量D2の増分ΔD2とが数5の関係式を満たせば、増分ΔD1を増強して第1露光を行い、増分ΔD2を負値にして第2露光を行うことで、より非露光領域7にレジスト残渣を発生させにくく、かつ、レジスト膜厚の減少やレジストパターン側壁の垂直性低下をより抑制可能となる。
一般的に、半導体レーザを製造するために化合物半導体の加工に用いるレジストパターンは、光導波構造となるリッジパターンのような最小寸法をもつパターンと、その数百倍の寸法をもつ周辺パターンとに、分割することができる。例えば上記図1および図3の例の場合、第1フォトマスク5aの透過部4aの面積S1に対する、第2フォトマスク5bの透過部4bの面積S2の割合S2/S1は、約240倍である。
このように、半導体レーザ素子製造用のレジストパターンでは、S2/S1を非常に大きくすることができるため、ΔD1をΔD2に対して、S2/S1倍、すなわち、100〜400倍の露光量まで増加させても、レジスト残渣が発生しないことになる。これは、周辺パターンの面積に対して、高い解像性が必要なリッジパターンの面積の割合が非常に小さいことに起因する。
例えば、第2露光における露光量D2を最低露光量D3から5%(つまり0.05×D3)だけ減らし、D2=0.95×D3にして露光した場合、第1露光における露光量D1の増分ΔD1は、S2/S1=240として数5より、−240×(−0.05)×D3=12×D3となる。つまり、リッジパターン形成用の第1露光における露光量D1は、最低露光量D3の12倍まで増やしても、非露光部7にレジスト残渣が生じることはない。
すなわち、微小なリッジパターン形成用の第1露光時には、強度の高い露光を行って十分な露光量を供給することによりパターンを明瞭に形成し、一方、広大な周辺パターン形成用の第2露光時には、強度を弱めた露光を行って、レジスト残渣を発生させにくくするのである。
なお、上記においては半導体基板としてGaN基板8を採用したが、GaN基板だけではなく、露光光が基板裏面で乱反射されうるサファイア基板やSiC基板に対しても、本発明は有効である。
また、上記においては、レジスト膜12としてネガレジストを採用した。このレジスト膜12には、レジスト膜12のうち半導体基板との界面近傍の露光感度が、レジスト膜12の他の部分の露光感度よりも低いものを採用することが望ましい。
そうすれば、反射光10に起因する半導体基板表面におけるエバネッセント光のしみ出しによる非露光部7への露光を、有効に抑制することができる。
また、ネガレジスト以外にも、半導体基板との界面近傍の露光感度が他の部分よりも低いレジスト膜12として、イメージリバーサル可能なポジレジストを採用しても良い。すなわち、露光後のレジスト膜を加熱することによって、レジスト膜の露光部のみがネガ化し(レジスト膜の露光部が現像液に対して不溶化する)、非露光部はネガ化せずポジレジストの性質を保ったままとすることが可能なポジレジストを採用しても良い。このような特性を持つポジレジストとしては、例えばクラリアント社製商品AZ5214Eがある。
イメージリバーサル可能なポジレジストを採用する場合は、上記の第1および第2露光後であって現像の前に、イメージリバーサルを行い、レジスト膜12の全面に第3露光を行う必要がある。
レジスト膜12の全面に第3露光を行うことにより、ポジレジストのままであった非露光部7が、現像液に溶解するようになり、現像後に露光部6および13のみが残置して、リッジパターンおよび周辺パターンが形成可能となる。イメージリバーサル可能なポジレジストを採用しても、レジスト膜12のうち半導体基板との界面近傍の露光感度がレジスト膜12の他の部分の露光感度よりも低くなることを、実験写真にて示す。
図5は、イメージリバーサル可能なポジレジストを用いて上記発明により現像した場合の、レジスト膜12のパターンを示す実験写真である。この写真から分かるように、レジスト膜12の露光部6と半導体基板との界面において、くびれが生じている。このくびれは、レジスト膜12のうち半導体基板との界面近傍の露光感度が低いために、露光が不十分となって生じたものと考えられる。
このように、イメージリバーサル可能なポジレジストにおいては、レジスト膜12のうち半導体基板との界面近傍の露光感度が、レジスト膜の他の部分の露光感度よりも低いので、エバネッセント光のしみ出しによる非露光部7への露光を、有効に抑制することができる。
なお、本願発明の射程は、上記の半導体装置の製造方法にとどまらず、その方法により製造された半導体装置にまで及ぶ。
<実施例>
本実施例は、上記<原理>にて述べた本願発明の、窒化物系半導体レーザの実際の製造への適用例である。
図6は、本実施例に係る窒化物系半導体レーザの製造方法の一工程を示す断面図であり、共振器の共振方向に対して垂直方向の断面図である。まず、裏面に凸凹11が設けられた、厚さ400μmのn型GaN基板8の表面をあらかじめサーマルクリーニングなどにより清浄化する。その後、基板表面に有機化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により、例えば1000℃の成長温度でn型GaNバッファ層20を成長させる。その後、同じくMOCVD法により、n型AlGaNクラッド層21、n型GaN光ガイド層22、およびアンドープトInGaN光ガイド層23、アンドープトInxGa1-xN/InyGa1-yN多重量子井戸活性層24、アンドープトInGaN光導波層25、p型AlGaN電子障壁層26およびp型GaN光ガイド層27、p型AlGaNクラッド層28およびp型GaNコンタクト層29を順次、成膜する。
ここで、これらの層の成長温度はたとえばn型AlGaNクラッド21およびn型GaN光ガイド層22は1000℃、アンドープトInGaN光ガイド層23からアンドープトInGaN光導波層25までは740℃、p型AlGaN電子障壁層26からp型GaNコンタクト層29は1000℃とする。
次に、結晶成長が終了した基板全面にレジスト膜12を塗布し、リソグラフィによりリッジ構造に対応した所定形状のレジストパターンを形成する。ここで、リソグラフィは以下の手順で実施した。
基板全面にポジレジストを塗布しレジスト膜12を形成する。次いで、波長365nmのi線を露光光として、レジスト上の同一露光領域を、<原理>で述べたように、マスクパターンの異なる2枚のマスクを用いて、露光光によって二重露光せずにそれぞれ異なる露光量で1回ずつ計2回露光した。
ここでは、本来必要とするレジストパターンに対応したマスクパターンを、リッジパターンなど最小寸法のパターンを含むリッジパターンマスク(第1フォトマスク5aに相当)と、それ以外の周辺パターンなどを含む周辺パターンマスク(第2フォトマスク5bに相当)に分割して配置した。
リッジパターンマスクの透過部(第1透過部4aに相当)の面積S1に対する周辺パターンマスクの透過部(第2透過部4bに相当)の面積S2の割合をS2/S1と定義すると、S2/S1は100倍から400倍の範囲に設定された。1回目の露光ではリッジパターンマスクを用いて露光し、2回目の露光では周辺パターンマスクを用いて露光した。1回目と2回目の露光において、レジスト膜の同一場所が重複して露光されることはない。
ここで、1回目と2回目の露光を同じ露光量で実施した際に、露光していない非露光部にレジスト残渣が発生する最低露光量をD3とすると、リッジパターンマスクを用いた1回目の露光量D1と周辺パターンマスクを用いた2回目の露光量D2は、<原理>で述べた数4および数5の関係式を満たす範囲で異なる露光量である。
次いで、露光後のレジスト膜12を加熱することによって、イメージリバーサルを行い、レジスト膜12の露光部6,13をネガ化する。つまり、レジスト膜12の露光部6,13が現像液に対して不溶化する。また、非露光部はネガ化せずポジレジストの性質を保ったままである。そして、レジスト膜12の全面を露光し、非露光部を感光させる。次いで、現像液でレジスト膜12を現像することによって、非露光部は溶解し、露光部6,13のみがレジストパターンとして残る。
従来は、非露光部に発生するレジスト残渣を防止するため、露光量を増加することができなかったため、微細な2μm以下のレジストパターンを形成することができなかった。本発明に係る半導体装置の製造方法によって、非露光部にレジスト残渣が発生することなく、リッジパターンとして寸法1.5μmのレジストパターンを基板上に形成することができた。
次に、このレジストパターンをマスクとして、例えばRIE(Reactive Ion Etching)法により、図7に示すように、p型AlGaNクラッド層28の層内までドライエッチングを行う。このエッチングにより、光導波構造となるリッジ30を作製する。このRIEのエッチングガスとしては例えば塩素系ガスを用いる。
次に、マスクとして用いたレジストパターンを残したまま、再び基板全面に例えばCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより、図8に示すように、例えば厚さ0.2μmの絶縁膜たるSiO2膜31を形成する。そして、図9に示すように、レジスト除去と同時に、リッジ30上のSiO2膜を除去する、いわゆるリフトオフを行う。
さらに、図10に示すように、リソグラフィによりリッジ上部のみにレジストパターン33を形成し、その後、基板全面に絶縁膜たるSiO2膜32を形成する。そして、図11に示すように、レジストパターン33の除去と同時に、リッジ30上のSiO2膜32を除去する。これにより、リッジ30上に開口部32aが形成される。
次に、図12に示すように、p型電極34の形成を行う。このp型電極34は、例えばPtおよびAu膜を順次積層した構造となっている。図11の基板全面に、例えば真空蒸着法によりPtおよびAu膜を順次形成した後、レジスト塗布およびリソグラフィおよび、ウエットエッチングあるいはドライエッチングにより、表面にp型電極34のパターンを形成する。p型電極34は、リッジ30上のp型GaNコンタクト層29と接触している。
次に、基板裏面を研削し、薄板化した後、n型電極35が形成される。このn型電極35は、TiおよびAl膜を順次積層した構造となっている。基板裏面の全面に真空蒸着法により、TiおよびAl膜を順次形成する。その後、n型電極35をオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。
この後、この基板を劈開などによりバー状に加工して共振器の両端面を形成し、更にこれらの共振器端面に端面コーティングを施した後、このバーを劈開などによりチップ化する。以上より、窒化物系半導体レーザが製造される。
本実施例に記載のレジストパターン形成方法を用いることによって、リッジ30の微細加工が実現できた結果、光出力が電流値に比例しなくなる最大の光出力値(キンクレベル)が向上し、光出力の高い窒化物系半導体レーザ素子が実現できる。
本発明に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 第1フォトマスクを示す平面図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 第2フォトマスクを示す平面図である。 イメージリバーサル可能なポジレジストを用いて現像した場合の、レジストのパターンを示す実験写真である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の実施例の一工程を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の実施例の一工程を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の実施例の一工程を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の実施例の一工程を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の実施例の一工程を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の実施例の一工程を示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の製造方法の実施例の一工程を示す断面図である。
符号の説明
1a,1b 露光光、3a,3b 遮光部、4a,4b 透過部、5a,5b フォトマスク、6,13 露光部、7 非露光部、8 GaN基板。

Claims (4)

  1. (a)半導体基板上にレジスト膜を形成する工程と、
    (b)第1透過部を有する第1フォトマスクを用いて、前記レジスト膜に第1露光を行う工程と、
    (c)前記第1透過部に比して大面積の第2透過部を前記第1透過部に重複しない領域において有する第2フォトマスクを用いて、前記レジスト膜に第2露光を行う工程と、
    (d)前記レジスト膜を現像する工程と
    を備え、
    前記第1透過部の面積をS1、前記第2透過部の面積をS2、前記第1露光における露光量をD1、前記第2露光における露光量をD2、同一露光量で前記第1および第2露光を行った場合に、前記レジスト膜のうち非露光部にレジスト残渣が現像後に生じるときの露光光の最低露光量をD3として、
    の関係を満たしつつ、前記露光量D1とD2とを異なった値とする
    半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、
    D1=D3+ΔD1、D2=D3+ΔD2として、
    の関係も満たす
    半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記レジスト膜のうち前記半導体基板との界面近傍の露光感度は、前記レジスト膜の他の部分の露光感度よりも低い
    半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記レジスト膜はイメージリバーサル可能なポジレジストであって、
    (e)前記第1および第2露光後であって前記現像の前に、イメージリバーサルを行い、前記レジスト膜の全面に第3露光を行う工程
    をさらに備える半導体装置の製造方法。
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