JP4447216B2 - 液体材料気化供給装置および液体材料気化供給方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体材料気化供給装置および液体材料気化供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般的に、化学気相成長法(CVD法:Chemical Vapour Deposition)のプロセス(以下、CVDプロセスという)において液体材料を気化する場合には、主に加熱により液体材料を気化させて減圧下で供給することにより、加工対象である対象基板上に薄膜を堆積していた。図5は従来の液体材料気化供給装置および薄膜堆積装置への液体材料気化供給方法を説明する図である。
【0003】
図5において、31は例えばヒータ31aによる加熱によって例えばTEOS(テトラエトキシシラン:Tetra Ethoxy Silane)などの液体材料LMを気化する気化器、32は気化された液体材料LM(以下、気化材料LMGという)を用いてシリコン基板などの対象基板上に薄膜を堆積する反応室、33は液体材料LMを気化器31に供給する配管、34は気化材料LMGを反応室32に供給する供給配管、35は反応室32の下流側に設けた真空ポンプである。
【0004】
前記反応室32は例えば前記供給配管34によって供給された気化材料LMGを充満させるシャワーヘッド36と、シャワーヘッド36の直下において加工対象の基板37を配置して内部を真空に近い状態に吸引するチャンバ38とを有し、シャワーヘッド36とチャンバ38の間は多数の小孔を形成したシャワーパネル39によって隔てられている。また、40は前記供給配管34およびシャワーヘッド36の部分を加熱するヒータ、41は気化器31に供給される液体材料LMの流量が一定流量になるように調整する定流量供給装置である。
【0005】
前記ヒータ31aは液体材料LMを気化するのに十分な熱量を供給するものであり、例えば100℃に加熱されると液体材料LMが気化し、気化材料LMGが供給配管34およびシャワーヘッド36を介して基板37上に均等に噴射されることにより、基板37を加工することができる。このとき、ヒータ40は供給配管34およびシャワーヘッド36内で結露が生じないように、前記ヒータ31aの温度より幾らか高温(本例の場合例えば110℃)になるように設定する必要がある。
【0006】
ところが、上述のようにヒータ31aを主体とする気化を行う場合には、液体材料LMの気化に伴って十分に高温になるまで加熱する熱が必要となり、これが液体材料LMの熱分解温度より高くなる可能性があった。また、気化器31内で材料の熱分解が発生することも考えられ、反応生成物が生じることにより、基板37の加工不良が生じることも懸念される。加えて、一旦気化した気化材料LMGが再び結露することがないようにヒータ40からの熱を加えているので、この熱によって供給配管34内で気化材料LMGから反応生成物が生じることも考えられる。つまり、気化材料LMGの最適蒸発条件を制御することが極めて困難であった。
【0007】
一方、液体材料LMの気化のために供給する熱を気化に最低限必要な程度に抑えるとすると、液体材料LMの熱分解温度より低く抑えることも可能ではあるが、ヒータ31aから供給される熱量が少ないので、液体材料LMの気化流量に限界が生じることがあった。また液体材料LMの気化を速やかに行うために供給する熱量を増やすと、気化器31から反応室38までの供給配管34の部分で、分解、再液化を生じることも考えられるので、膜質の低下や、供給配管34,シャワーヘッド36,シャワーパネル39などの定期的な保守点検が必要となることもあった。
【0008】
本発明は上述の事柄を考慮に入れて成されたものであって、その目的は、CVDプロセスにおいて液体材料を最低限の加熱により気化供給することができ、多くの材料を速やかに気化できる液体材料気化供給装置および液体材料気化供給方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液体材料気化供給装置は、反応室内に加圧された液体材料を減圧下に噴霧して圧力差を生じさせることで起こる減圧沸騰によって気化した液体材料を減圧下で供給することで加工対象上に薄膜を堆積する薄膜堆積装置に用いられ、気化前の液体材料に対して二相領域を形成できる添加液を所定割合混合することでその沸点を引き下げる沸点調節部を有することを特徴としている。(請求項1)
【0010】
すなわち、液体材料に二相領域を形成できる添加液を所定割合混合することで、液体材料の沸点を引き下げることができるので、液体材料を少ないエネルギで容易に気化でき、また、気化された液体材料が再び結露することを防止できる。つまり、それだけ液体材料に対する熱などのエネルギの供給を抑えることができるので、省エネルギを達成できるとともに、液体材料が熱によって熱分解したり、何らかの反応生成物が生じることを防止できる。逆に、熱分解や化学反応が発生しない程度に多くの熱エネルギを供給することで、短時間に多量の液体材料を気化できる。
【0011】
なお、二相領域を形成できる添加液としては、液体材料と添加液が互いに極性のない溶液であり、相互に溶解可能なものである。また、添加液は臨界共溶温度、臨界共溶温度が低いことも必要である。すなわち、液体材料がTEOSの場合、二相領域を形成できる添加液として、n−Pentaneやジエチルエーテルなどを用いることができる。
【0012】
前記沸点調節部が、液体材料を収容する液体材料容器と、添加液を収容する添加液容器と、液体材料および添加液を所定割合で混合する混合器とを有する場合(請求項2)には、液体材料と添加液を分けて収容できるので、液体材料および添加液の追加を容易とすることができる。
【0013】
本発明の液体材料気化供給方法は、薄膜堆積装置の反応室内において液体材料を、加圧された液体材料を減圧下に噴霧して圧力差を生じさせることで起こる減圧沸騰によって気化し供給する方法であって、気化前の液体材料に対して二相領域を形成できる添加液を所定割合混合することでその沸点を引き下げて気化を促し、前記液体材料と添加液を別々に収容し、液体材料の供給に伴って所定割合で添加液を混合してなる混合液を気化することを特徴としている(請求項3)。
【0014】
前記液体材料と添加液を別々に収容し、液体材料の供給に伴って所定割合で添加液を混合してなる混合液を気化するので、液体材料および添加液の追加を容易として、管理が容易となる。
【0015】
一方、本発明の液体材料気化供給方法が、薄膜堆積装置の反応室内において液体材料を、加圧された液体材料を減圧下に噴霧して圧力差を生じさせることで起こる減圧沸騰によって気化し供給する方法であって、気化前の液体材料に対して二相領域を形成できる添加液を所定割合混合することでその沸点を引き下げて気化を促し、前記液体材料と添加液を所定割合で混合した状態で収容し、この混合液を気化するものである場合(請求項4)には、液体材料と添加液を長い時間をかけてムラなく混合してより完全な二相領域を形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の液体材料気化供給装置を用いたCVD法による薄膜堆積装置1の全体的な構成を示しており、2はこの薄膜堆積装置1の要部を構成する第1実施例の液体材料気化供給装置である。
【0017】
図1において、3は液体材料LMを収容した液体材料容器(以下、液体材料タンクという)、4は液体材料LMに添加される添加液LAを収容した添加液容器(以下、添加液タンクという)、5は切換弁(例えば、電磁弁)、6は液体材料LMを供給する供給配管、7は前記添加液LAを供給する供給配管、8は各供給配管6,7に接続されて両液LM,LAを所定の割合で混合することで二相領域を形成する混合器、9は混合液(以下、説明を簡略化するために、この二相領域を形成する混合液を液体材料LM+LAと表現する)を供給する供給配管、10は供給配管9を介して供給される液体材料LM+LAをヒータ10aによって加熱することで気化材料LMGを生成する気化器である。
【0018】
また、3a,4aはそれぞれ液体材料タンク3および添加液タンク4内にそれぞれ不活性ガスGasを送り込むことにより液体材料LMおよび添加液LAを加圧状態で送り出すための加圧手段、9aは気化器10に供給される液体材料LM+LAの流量が一定流量になるように調整する定流量供給装置である。
【0019】
11は加工対象であるシリコン基板などの対象基板12上に薄膜を堆積する反応室(チャンバ)、13はこの反応室11内を真空引きする吸引ポンプ、14は反応室11の上面部に形成されて供給配管14aなどによって供給された気化材料LMGを充満させるシャワーヘッド、15はシャワーヘッド14と反応室11との間に位置して多数の小孔を形成したシャワーパネルである。
【0020】
本発明の液体材料気化供給装置2は、上述した液体材料タンク3と添加液タンク4に加えて、液体材料LMを供給する供給配管6と添加液LAを供給する供給配管7と混合器8とからなる沸点調節部2Aを形成しているので、両液LM,LAを所定の割合で混合でき、混合された液体材料LM+LAが安定した二相領域を形成できる。
【0021】
前記沸点調節部2Aは前記液体材料LMに添加液LAを混合することでその沸点を調節する部分である。例えば本例の液体材料LMが、半導体製造プロセスに一般的に使用されているTEOSであるとすると、添加液LAはn−Pentane(ノルマルペンタン)である。つまり、両液LM,LAは二相領域を形成する液体であるから、両液LM,LAを混合することにより、液体材料LMの沸点を引き下げることができる。より具体的には、沸点調節部2A(とりわけ混合器8)によって液体材料LM(TEOS)に対して60%のn−Pentaneを添加液LAとして混合させることにより、その沸点を100℃低下させることができる。
【0022】
なお、液体材料LMとしてTEOSを用いた場合は、n−Pentaneのみならず、ジエチルエーテルなどを添加液LAとして用いることも可能である。
【0023】
したがって、沸点調節部2Aが設けられた液体材料気化供給装置2は気化器10のヒータ10aによってより少ない熱エネルギを供給するだけで、液体材料LM+LAを気化できるので、省エネルギを達成できるだけでなく、過剰な熱エネルギを加えることによる熱分解や化学反応の発生を防止できる。また、沸点が低くなるように調整しているので配管14aやシャワーヘッド14内における結露の発生も抑えることができる。
【0024】
なお、本例では液体材料LM+LAの沸点を十分に下げているので、気化材料LMGの結露防止のためにシャワーヘッド14や配管14aを加熱するための後述するヒータ16(図5のヒータ40も参照)を省略した例を示しているが、この部分にヒータ16を設けて幾らか加熱することで結露の発生を完全に防止することも可能となる。何れにしても本発明では沸点調節部2Aを設けているので、従来のように結露防止のために加えられる熱によって液体材料LMの熱分解や化学反応が発生することがないように制御できる。
【0025】
加えて、本発明の液体材料気化供給装置2によれば、液体材料LM+LAにより少ない熱エネルギを与えるだけでこれを気化できるが、ヒータ10aによって液体材料LMの熱分解や化学反応が発生することがない程度に降温の熱を発生させることも可能である。この場合、気化器10によって気化できる気化材料LMGの流量を多くすることができ、それだけ後述する反応室11内での加工を高速に行うことが可能となる。
【0026】
また、本例の沸点調節部2Aは液体材料タンク3と添加液タンク4を別々の容器としているので、両液LM,LAはそれぞれ別々に補充することが可能となり、使用者は両液LM,LAの管理を容易に行うことができる。
【0027】
本例の薄膜堆積装置1では、前記シャワーヘッド14の直下において加工対象の基板12を配置した状態で吸引ポンプ13を駆動すると、反応室11内部を真空に近い状態に吸引できる。また、定流量供給装置9aによって一定流量になるように調整された液体材料LM+LAが気化器10によって気化されて気化材料LMGとなり、この気化材料LMGがシャワーヘッド14内に充満する。そして、シャワーパネル15に形成された小孔を介してほゞ真空に近い状態に吸引された反応室11内の対象基板12上に均一に散布できる。
【0028】
図2は本発明の第2実施例の液体材料気化供給装置および液体材料気化供給方法を示す図である。図2において、図1と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その詳細な説明を省略する。
【0029】
本例の液体材料気化供給装置2’は液体材料容器3’および添加液容器4’からそれぞれ液体材料LMおよび添加液LAを所定の割合で混合する混合液タンク8’(すなわち、混合器)を設けている。すなわち、本例の液体材料気化供給装置2’においては、沸点調節部2Bとして前記液体材料タンク3の代わりに液体材料容器3’、添加液タンク4の代わりに添加液容器4’、そして、混合器8の代わりに混合液タンク8’を設けることで、液体材料LMと添加液LAを所定割合で混合した状態で収容できるように構成している。また、8aは混合液タンク8’内に不活性ガスGasを送り込むことにより液体材料LM+LAを加圧状態で送り出すための加圧手段である。
【0030】
本例のように、液体材料LMと添加液LAを所定割合で混合した状態で、液体材料LM+LAの二相領域を形成することで、より均一な混合を行うことができ、それだけ安定した気化を行なうことができる。
【0031】
16は前記供給配管14aおよびシャワーヘッド14の部分を加熱するヒータである。すなわち、気化器10によって一旦気化した気化材料LMGが再び結露することがないように構成している。しかしながら、ヒータ16によって加熱する温度が、液体材料LM+LAの沸点よりも幾らか高い程度で十分であるから、ヒータ16は気化材料LMGが熱分解したり化学反応を起こすことがない程度の熱を加えるように制御される。
【0032】
なお、本例では説明が容易なように沸点調節部2Bが液体材料容器3’および添加液容器4’を有するとして説明しているが、これらの部材3’,4’を液体材料気化供給装置2’内に組み込む必要はない。すなわち、液体材料容器3’および添加液容器4’を液体材料気化供給装置2’とは全く別の場所に保管していてもよい。
【0033】
図3,4は本発明の第3実施例の液体材料気化供給装置2”および液体材料気化供給方法を説明する図であって、図3は全体図、図4は部分拡大図である。図3,4において、図1,2と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるので、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図3,4において、17は気化器10の変形例である減圧気化弁であって、この減圧気化弁17は反応室11の上面部に取り付けられて、反応室11内の対象基板12の直上(直近)に配置されるものである。そして、前記加圧手段3a,4aなどによって加圧された液体材料LM+LAはヒータ16によって室温よりも幾らか高温に加熱させながら圧力下で減圧気化弁17に供給される。
【0035】
図4に示す減圧気化弁17は例えばほゞ円筒状のインジェクタ本体18と、開閉弁19と、この開閉弁19を電気的に摺動するソレノイド20と、ソレノイド20を用いて開閉弁19を操作する制御回路21とを有している。また、本例の場合、インジェクタ本体18に供給される液体材料LM+LAの圧力Pを測定する圧力計22と、電熱を用いたヒータ23とを有している。
【0036】
前記開閉弁19はインジェクタ本体18の内部空間18aに位置し、スプリング19sの押圧によって噴射口18bの先端をせき止めるピストンであって、その先端部19aに傘状のフランジ19bと環状溝19cとを形成している。なお、先端部19aの構成は噴射口18bから噴射する液体材料LM+LAが所定の角度α(図3参照)を形成しながら均等に噴霧できるように、液体材料LM+LAの粘性および圧力Pに合わせてその形状を調整してある。
【0037】
前記制御回路21は、圧力計22を用いて液体材料LM+LAの圧力Pを監視しながら、所定量の液体材料LMを噴霧するために必要な時間だけソレノイド20を駆動することで噴射口18bを開放するように制御すると共に、ヒータ23を用いてインジェクタ本体18の噴射口18bの近傍を例えば数十℃程度(液体材料LM+LAが熱分解や化学反応を起こさない範囲内で高温)に加熱する。
【0038】
なお、上述の減圧気化弁17の構成は、単なる一例を示すものであるから本発明を限定するものではない。
【0039】
図3,4に示した本例の液体材料気化供給装置2”の動作について説明すると、減圧気化弁17に供給される液体材料LM+LAはヒータ16によって室温よりも幾らか高温に加熱させながら圧力下で供給され、制御回路21がヒータ23を用いて噴射口18b近傍の温度をさらに加熱すると共に、ソレノイド20を用いて噴射口18bを開放すると、液体材料LM+LAはヒータ23からの熱でさらに昇温した後に、ほゞ真空状態に減圧された反応室11内に角度αを形成しながら均等に噴霧される。
【0040】
このとき、液体材料LM+LAは加圧状態から一気に減圧状態に発散するので、噴霧された液体材料LM+LAには減圧沸騰現象が起きて、その全量が一気に気化する。なお、ヒータ23による最終的な加熱は液体材料LM+LAが熱分解や化学反応を起こさない範囲内に抑えられていると共に、気化する寸前に加熱されるものであるから液体材料LMの熱分解や化学反応などが発生することがなく、その全量が確実に対象基板12の加工に用いられる。
【0041】
なお、本明細書における減圧沸騰または減圧沸騰現象とは、開放された液体の外圧がその蒸気圧よりも小さくなるときに液体が沸騰して気化する現象を指しており、本例の液体材料気化供給装置2”はこの減圧沸騰現象を利用して、加圧状態の液体材料LM+LAを真空吸引によって減圧した反応室11内に噴霧することにより、必要最小限の熱量で所定量の液体材料を瞬間的に気化するものである。すなわち、本例に示した減圧沸騰現象を用いた液体材料気化供給装置2”を用いることにより、液体材料LMを迅速に気化できると共に、気化した液体材料LMの供給量をより正確に制御することができる。
【0042】
また、液体材料LM+LAは既に詳述したようにその沸点が低く抑えられているので、減圧沸騰現象による完全な気化を行うことができる。本例ではヒータ16,23によって最終的な加熱を行うことで、気化可能な流量を可及的に引き上げているが、本発明の液体材料気化供給装置2”はヒータ16,23を設けることを限定するものではない。
【0043】
なお、本例の液体材料気化供給装置2”では、液体材料タンク3と添加液タンク4を個別に設けて両液LM,LAを所定割合で混合する沸点調節部2Aを有する例を示しているが、予め両液LM,LAを混合する混合液タンク8を設けた沸点調節部2B(図2参照)を有するものであってもよい。この場合は減圧沸騰に必要な圧力Pの印加が加圧手段8aによって行われる。
【0044】
また、加圧手段として、図3に仮想線に示すような加圧ポンプ9bを別途設けて段階的な加圧を可能としてもよい。さらに、加圧ポンプ9bによって両液LM,LAを吸い出すように構成する場合は前記加圧手段3a,4a,8aなどを省略することも可能である。
【0045】
上述した各例における本発明の液体材料気化供給装置2,2’,2”は、何れも従来の薄膜堆積装置に生じていたような液体材料LMの無駄や熱エネルギの無駄をなくして最適化を達成できる。また、不用意に熱を加えることによる液体材料LMの変質などを確実に無くすことで、プロセスをさらに正確に管理できる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、CVDプロセスにおいて液体材料を必要最低限の加熱によって気化供給でき、短い時間内で多くの材料を速やかに気化できるだけでなく、気化する液体材料の量および加工時間を正確に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液体材料気化供給装置の第1実施例を示す全体図である。
【図2】 本発明の液体材料気化供給装置の第2実施例を示す全体図である。
【図3】 本発明の液体材料気化供給装置の第3実施例を示す全体図である。
【図4】 図3に示した液体材料気化供給装置の要部を拡大して示す図である。
【図5】 従来の薄膜堆積装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…薄膜堆積装置、2,2’,2”…液体材料気化供給装置、2A,2B…沸点調節部、3,3’…液体材料容器、4,4’…添加液容器、8,8’…混合器、11…反応室、12…加工対象、LA…添加液、LM…液体材料。
Claims (4)
- 反応室内に加圧された液体材料を減圧下に噴霧して圧力差を生じさせることで起こる減圧沸騰によって気化した液体材料を減圧下で供給することで加工対象上に薄膜を堆積する薄膜堆積装置に用いられ、
気化前の液体材料に対して二相領域を形成できる添加液を所定割合混合することでその沸点を引き下げる沸点調節部を有することを特徴とする液体材料気化供給装置。 - 前記沸点調節部が、液体材料を収容する液体材料容器と、添加液を収容する添加液容器と、液体材料および添加液を所定割合で混合する混合器とを有する請求項1に記載の液体材料気化供給装置。
- 薄膜堆積装置の反応室内において液体材料を、加圧された液体材料を減圧下に噴霧して圧力差を生じさせることで起こる減圧沸騰によって気化し供給する方法であって、
気化前の液体材料に対して二相領域を形成できる添加液を所定割合混合することでその沸点を引き下げて気化を促し、
前記液体材料と添加液を別々に収容し、液体材料の供給に伴って所定割合で添加液を混合してなる混合液を気化することを特徴とする液体材料気化供給方法。 - 薄膜堆積装置の反応室内において液体材料を、加圧された液体材料を減圧下に噴霧して圧力差を生じさせることで起こる減圧沸騰によって気化し供給する方法であって、
気化前の液体材料に対して二相領域を形成できる添加液を所定割合混合することでその沸点を引き下げて気化を促し、
前記液体材料と添加液を所定割合で混合した状態で収容し、この混合液を気化することを特徴とする液体材料気化供給方法。
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