JP4446672B2 - 一酸化炭素除去器の運転制御システム及び燃料電池システムの運転制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素除去触媒により構成される触媒層をその内部に形成した筐体を備え、前記一酸化炭素除去触媒上で一酸化炭素と水素とを含む改質ガスと酸化剤とを反応させ、前記改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器の運転制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の一酸化炭素除去器の運転制御システムは、例えば、燃料電池にアノードガスを供給するための燃料改質システムを構成する一酸化炭素除去器の運転を制御するために用いられていた。
【0003】
前記燃料改質システムには、天然ガス等の化石燃料を原燃料として水素を主成分とする改質ガス(水素を40体積%以上含むガス(ドライベース))を製造する燃料改質システムがあった。この種の燃料改質システムでは、原燃料を、連設した脱硫器、水蒸気改質器で、脱硫、水蒸気改質することで、水素を主成分とし、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、水分(H2O)等を含む改質ガスを得ていた。また、アルコール類、例えばメタノールを原燃料とする燃料改質システムもあり、この種の燃料改質システムにあっては、メタノール改質触媒を内装したメタノール改質器を備え、メタノールから、水素を主成分とし、一酸化炭素、二酸化炭素、水分等を含む改質ガスを得ていた。
【0004】
ここで、リン酸形燃料電池に供する改質ガスを製造する燃料改質システムにあっては、一酸化炭素の存在によって、燃料電池の電極触媒が被毒することが知られている。従って、電極触媒が被毒されることを防ぐために、水素を主成分とする改質ガスを一酸化炭素変成器に導入し、一酸化炭素変成反応によって、一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、ガス中の一酸化炭素濃度を所定値以下(例えば、0.5%)にした改質ガスを得ていた。
【0005】
しかし、固体高分子形燃料電池に供する改質ガスを製造する燃料改質システムにあっては、微量の一酸化炭素が含まれていても電極触媒が被毒されることから、改質ガス中に含まれる一酸化炭素を更に低減する必要があった。このため、前記一酸化炭素変成器の下流に、主に一酸化炭素除去触媒による一酸化炭素の酸化反応によって一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器を設けていた。尚、前記一酸化炭素除去触媒としては、例えば、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等をアルミナ等の担体に担持した貴金属触媒が用いられていた。
【0006】
従来の前記一酸化炭素除去器の運転状態を制御する運転制御システムが、前記一酸化炭素変成器から排出された改質ガス中の一酸化炭素濃度を更に低減するために実行する制御は多岐に亘る。例えば、前記一酸化炭素除去器の触媒層温度を測定し、その温度が一酸化炭素除去触媒の活性温度より高くなった場合に一酸化炭素除去器の一酸化炭素除去触媒層に直接水を供給し、その気化熱によって触媒層温度を低下させ、一酸化炭素除去触媒の温度を活性温度域に維持するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
このように、前記運転制御システムが前記一酸化炭素除去器を制御することによって、一酸化炭素濃度を所定濃度以下(例えば、100ppm以下)にまで低減した改質ガスが得られるとされていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−101303号公報(第4〜5頁、第1、3、7図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の一酸化炭素除去器の運転制御システムによれば、前記一酸化炭素除去触媒上で水分が凝縮して、一酸化炭素除去触媒の劣化を招くという問題点があった。又、ハンチング等によって前記触媒層の温度制御が不充分となって高温となることによって、一酸化炭素除去触媒にシンタリングが起こり、一酸化炭素除去触媒の損傷や寿命の短縮を招くという問題点があった。また、前記触媒層の温度が低すぎる場合、触媒反応が停滞していることが多く、前記一酸化炭素除去器から排出された改質ガスが所定の濃度を超える一酸化炭素を含む虞れがあるという問題点があった。特に、前記改質ガスが燃料電池のアノードガスとして供給される場合、前記燃料電池の前記電極触媒が高濃度の一酸化炭素によって被毒されると、性能が大幅に低下し、場合によっては回復が困難となって交換しなければならなくなる。この電極触媒は白金等の貴金属を含んでいるため高価であり、又、燃料電池システムを電極触媒の交換のために停止させた後
、再起動して安定した運転状態に復帰するまで、非常に手間と時間がかかるという問題点があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、上記問題点に鑑み、前記一酸化炭素除去器における一酸化炭素除去触媒の触媒反応の進行状態を簡便且つ的確に把握して、一酸化炭素除去器を制御可能な一酸化炭素除去器の運転制御システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明の一酸化炭素除去器の運転制御システムの特徴構成は、請求項1に記載されているように、一酸化炭素除去触媒により構成される触媒層をその内部に形成した筐体を備え、前記筐体に一酸化炭素と水素とを含む改質ガスと酸化剤とを流入させ、前記一酸化炭素除去触媒上で前記改質ガスと前記酸化剤とを反応させ、前記改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器の運転制御システムにおいて、
前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応に影響を与える前記一酸化炭素除去器の部位に設定される制御点の温度を、制御目標温度に調整する温度調整手段を備え、
前記触媒層に供給される酸化剤の供給条件を調整可能な酸化剤供給調整手段を備え、
前記酸化剤の流通方向で前記制御点よりも上流側の前記一酸化炭素除去器の部位に設定される対照点の温度を測定する温度測定手段を備え、
前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が予め取得された第1上限値より高くなった場合、前記酸化剤供給調整手段を働かせて、前記供給条件に規定された前記酸化剤の供給量より前記酸化剤の供給量を低下させ、
前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が予め取得された第1下限値より低くなった場合、前記酸化剤供給調整手段を働かせて、前記供給条件に規定された前記酸化剤の供給量より前記酸化剤の供給量を増加させて、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度と前記制御点の温度との間の温度差が所定範囲内に収まるように制御する制御手段を備えた点にある。
【0013】
又、この目的を達成するための本発明の燃料電池システムの運転制御システムの特徴構成は、請求項2に記載されているように、原燃料を改質して水素と一酸化炭素とを含む改質ガスを製造する改質器と、一酸化炭素除去触媒により構成される触媒層をその内部に形成した筐体を備え前記一酸化炭素除去触媒上で前記改質ガスと酸化剤とを反応させ前記改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器と、前記一酸化炭素除去器から排出された前記改質ガスをアノードガスとして利用する燃料電池とを備えた燃料電池システムの運転制御システムにおいて、請求項1に記載の一酸化炭素除去器の運転制御システムが、前記一酸化炭素除去器の運転を制御し、前記温度測定手段により測定された前記対照点が予め取得された第1下限値より更に低い予め取得された第2下限値を下回った場合、又は、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が予め取得された前記第1上限値より更に高い予め取得された第2上限値を上回った場合の少なくとも何れか一方の場合に、前記燃料電池システムの運転を停止する運転停止手段を備えた点にある。
そして、これらの作用効果は、以下の通りである。
【0014】
つまり、請求項1に記載されているように、一酸化炭素除去触媒により構成される触媒層をその内部に形成した筐体を備え、前記筐体に一酸化炭素と水素とを含む改質ガスと酸化剤とを流入させ、前記一酸化炭素除去触媒上で一酸化炭素と水素とを含む改質ガスと酸化剤とを反応させ、前記改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器の運転制御システムにおいて、前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応に影響を与える前記一酸化炭素除去器の部位である制御点の温度を、制御目標温度に調整する温度調整手段を備えることによって、前記触媒層全体の温度に関してある程度制御が可能となる。そして、前記温度調整手段による触媒層の温度調整が行われている条件下で、前記酸化剤供給調整手段が前記触媒層に供給される酸化剤の供給条件を調整することによって、前記一酸化炭素除去触媒による触媒反応の大まかな制御が可能となる。従来は、このような制御のみが行われることが多かった。
【0015】
ここで、更に、前記システムが温度測定手段を備えて、これが、前記制御点とは異なる前記一酸化炭素除去器の部位であって、前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応に伴って温度変化が生じる対照点の温度を測定することによって、前記制御点における温度から想定される前記触媒層における触媒反応の状態を補正することができる。
【0016】
詳述すると、前記制御点における温度が同じであったとしても、前記改質ガスに含まれる各種成分(例えば、水素、一酸化炭素、二酸化炭素等)の分圧や前記改質ガスの流速等の条件が変化することによって、前記触媒層各所における触媒反応の種類や進行度合いは変化するので、前記制御点とは異なる部分である対照点における温度はその触媒反応の変化に伴って変化することになる。例えば、前記一酸化炭素除去器5内の前記混合ガス流路の入口側から出口側への温度分布を模式的に表わした図2を参照にして、前記対照点として触媒層の最高温度が反映される点を選択した場合を挙げて説明すると、図2(a)、(b)に示すように、前記改質ガスが前記触媒層52に流入して間もない前記酸化剤が豊富に含まれる領域に前記触媒層52の最高温度があることが経験的にわかっている。前記対照点の温度は、前記酸化剤の供給条件及び前記制御温度との関連において予測可能であり、例えば、過去の運転実績から推定したり、前記触媒層の触媒充填状態や前記改質ガス及び酸化剤の流量(流速)、前記制御点と対照点との位置関係等のパラメータを用いて演算して導き出したりすることもできる。ここで、前記対照点の温度を先に述べたような手段を用いて予測した結果、前記改質ガスに含まれる一酸化炭素に対する酸化剤の添加比([O2]/[CO])が適正である場合に図2(b)にAとして示される温度分布をとると仮定すると、前記改質ガスに含まれる一酸化炭素に対する酸化剤の添加比が必要以上に高い場合、図2(b)にBとして示される温度分布のように、余計な酸化反応が起こることによって、予想された温度に比べて最高温度が高くなる。又、前記改質ガスに含まれる一酸化炭素に対する酸化剤の混合比が少ない場合、図2(b)にCとして示される温度分布のように、一酸化炭素の酸化反応や水素の燃焼反応のような酸化剤を消費する触媒反応が起こりにくくなって、予想された温度に比べて最高温度が低くなる。これらを考慮して、従来のように前記制御点(1点)の温度のみを指標に前記触媒層における触媒反応を制御するのではなく、前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応に伴って温度変化が生じ得る前記対照点の温度を参照し、対照点における触媒反応の状態を考慮に入れることによって、従来と比べて的確な触媒反応の把握が可能となる。尚、これらの現象は、前記制御点における温度制御が許容範囲内で行われているという前提において、前記制御点の温度と前記対象点の温度との差をみることによっても把握することができる。
【0017】
又、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度と前記制御点の温度との間の温度差は、前記改質ガスに含まれる一酸化炭素と酸化剤との存在比([O2]/[CO])が当初想定していた比率からずれている場合、例えば、前記酸化剤供給調整手段が酸化剤(空気)を所定の制御値に従って供給するエアポンプ等であり、これを構成する部品が劣化したような場合に生じやすいことを本願発明者らは見出した。前記酸化剤供給調整手段を点検したり交換したりするためには前記燃料改質システムや燃料電池システムをわざわざ止めなければならない場合が多いので非効率的であり、現実的には前記両システムを停止させることなく前記制御手段による酸化剤供給の適正化が行われることが好ましい。この点で、前記制御手段は、前記制御点と前記対照点の温度差が所定範囲内に収まるように前記酸化剤供給調整手段を働かせて前記酸化剤の供給条件を制御するという簡単な操作で前記酸化剤供給の適正化を実行可能であるという格別の効果を有する。その他にも、前記改質システムや燃料電池システムを構成する装置の何れかを制御する制御システムがトラブルによって正常に作動しなくなった場合等にも、本発明に係る制御システムの働きによって、前記改質システムや燃料電池システムの運転を正常に保つことができる。
【0018】
又、本願発明者らは、ルテニウム系触媒のような貴金属系一酸化炭素除去触媒では、一酸化炭素の酸化反応のみならず、一酸化炭素や二酸化炭素のメタン化反応も促進するので、改質ガスのように二酸化炭素濃度が高いガスと接触させる環境で、一酸化炭素除去触媒の温度が一定の温度(各触媒や一酸化炭素除去器の構造により異なる)を超えると、発熱反応である二酸化炭素のメタン化反応が連鎖的に進行して温度が急上昇し、前記一酸化炭素除去器の温度制御が不能となること(メタン化反応の暴走)を見出した。そして、このような現象は、前記一酸化炭素除去器に導入される酸化剤の量(比率)を正確に制御し、前記一酸化炭素除去触媒による酸化剤の消費を伴う発熱反応を適切な範囲に制御することによって回避し得ることも見出した。よって、本法を採用することによって、酸化剤供給条件の制御が正確になり、上記メタン化の暴走を抑制することができる。従って、前記一酸化炭素除去器の安定運転の実現が容易となる。
【0019】
つまり、上述した本発明に係る運転制御システムを用いて前記一酸化炭素除去器を制御することによって、特殊な装置や高価な装置(例えば、一酸化炭素等の改質ガスを構成する各種ガスの濃度を測定するガスセンサ等)を用いることなく、簡便に且つ適切に前記酸化剤の供給量調整を実行することができる。これによって、前記一酸化炭素除去器やこれを含む燃料改質システム、さらには、これらを含む燃料電池システムのメンテナンスが容易となる。更に、前記酸化剤の供給過剰による一酸化炭素除去触媒のシンタリングやメタン化反応の暴走、前記酸化剤の供給不足による一酸化炭素の除去不足を防止することによっても、前記一酸化炭素除去器やこれを含む燃料改質システム、さらには、これらを含む燃料電池システムの安定運転を長期に亘って維持することができる。
【0020】
上記特徴構成において、前記制御手段が、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が予め取得された第1上限値より高くなった場合、即ち、前記酸化剤の供給が過剰となった場合に、前記酸化剤供給調整手段を働かせて前記供給条件に規定された前記酸化剤の供給量より前記酸化剤の供給量を低下させる制御を行うと、前記一酸化炭素除去触媒のシンタリングが抑制される。
【0021】
逆に、上記特徴構成において、前記制御手段が、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が予め取得された第1下限値より低くなった場合、即ち、前記酸化剤の供給が不足した場合に、前記酸化剤供給調整手段を働かせて前記供給条件に規定された前記酸化剤の供給量より前記酸化剤の供給量を増加させる制御を行うと、前記一酸化炭素除去器における一酸化炭素除去が十分に行われ、非常に一酸化炭素濃度の低い改質ガスが得られる。これを燃料電池のアノードガスとして用いると、一酸化炭素による電極触媒の被毒が起こりにくくなる。
【0022】
ここで、上述したように、前記温度調整手段による温度調整が適切に行なわれ前記制御点の温度が所定の温度に保たれている状態であっても、触媒層の前記温度調整手段から離れた位置では温度調整が十分に行なわれず、前記制御点における測定温度と異なる温度を示すことがある。又、前記改質ガスと酸化剤との混合ガスが前記触媒層を通過する際に入口側で触媒反応が活発に行なわれて、前記一酸化炭素除去触媒による一酸化炭素の酸化反応や水素の燃焼反応等の酸化反応によって酸化剤が大量に消費され大量に発熱することがあるが、このような場合に、前記対照点を、酸化剤の流通方向で制御点よりも上流側の一酸化炭素除去器の部位とすると、酸化剤消費を伴う発熱の程度が前記対照点の測定温度によく反映されることになる。従って、前記制御点における温度調整によって前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応の制御が行なわれている状態で、前記対照点における測定温度が予測された温度より高い場合、即ち、前記対照点の温度と前記制御点の温度との間の温度差が所定範囲を超えている場合、前記前記触媒層への酸化剤の供給が過剰気味であるということが判る。逆に、前記対照点における測定温度が予測された温度より低い場合、即ち、前記対照点の温度と前記制御点の温度との間の温度差が所定範囲より小さい場合、前記触媒層への酸化剤の供給が欠乏気味であるということが判る。これに基づいて、前記制御手段が、前者の場合に対しては前記酸化剤供給調整手段を働かせて前記酸化剤の供給を増やし、後者の場合に対しては前記酸化剤供給調整手段を働かせて前記酸化剤の供給を減らすことによって、よりきめ細かく酸化剤供給条件を制御することができる。
【0023】
【0026】
又、原燃料を改質して水素と一酸化炭素とを含む改質ガスを製造する改質器と、一酸化炭素除去触媒により構成される触媒層をその内部に形成した筐体を備え前記一酸化炭素除去触媒上で前記改質ガスと酸化剤とを反応させ前記改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器と、前記一酸化炭素除去器から排出された前記改質ガスをアノードガスとして利用する燃料電池とを備えた燃料電池システムの運転制御システムにおいて、請求項1に記載の一酸化炭素除去器の運転制御システムが、前記一酸化炭素除去器の運転を制御することによって、上述したように、特殊な装置や高価な装置(例えば、一酸化炭素等の改質ガスを構成する各種ガスの濃度を測定するガスセンサ等)を用いることなく、簡便に且つ適切に前記酸化剤の供給量調整を実行することができる。これによって、前記一酸化炭素除去器やこれを含む燃料改質システム、さらには、これらを含む燃料電池システムのメンテナンスが容易となる。更に、前記酸化剤の供給過剰による一酸化炭素除去触媒のシンタリングや前記酸化剤の供給不足による一酸化炭素の除去不足を防止することによっても、前記一酸化炭素除去器やこれを含む燃料改質システム、さらには、これらを含む燃料電池システムの安定運転を長期に亘って維持することができる。
【0027】
さて、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が前述した予め取得された第1下限値より更に低い予め取得された第2下限値を下回った場合には、前記触媒層への酸化剤の供給が過度に欠乏していることが想定される。このような場合には、前記一酸化炭素除去器から排出された改質ガス中の一酸化炭素濃度が燃料電池(特に固体高分子形燃料電池)のアノードガスとして要求される上限値(例えば、10ppm)を上回る虞れがある。前記電極触媒が一酸化炭素で被毒すると、発電効率が非常に悪くなり、またその被毒から回復することは困難である。従って、電極触媒が被毒すると場合によっては触媒の交換が必要となるが、この種の電極触媒は白金等の貴金属を含むので高価である。ここで、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が前記第2下限値を下回った場合に、前記運転停止手段が前記燃料電池システムの運転を停止すると、一酸化炭素濃度が高いアノードガスが前記燃料電池に流入することを防止し、前記燃料電池を構成する電極触媒の被毒を防止することができる。逆に、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が前記第2上限値を上回った場合にも、前記運転停止手段が前記燃料電池システムの運転を停止すると、温度が非常に高いアノードガスが前記燃料電池に流入することを防止し、前記燃料電池を構成する電極触媒のシンタリングを防止することができる。これにより、本発明に係る燃料電池システムにおいては、電極触媒の交換に伴うコストや手間を削減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る一酸化炭素除去器の運転制御システムを備えた燃料電池システムの概略を示す図である。前記運転制御システムは、制御手段1を備え、この制御手段1が以下詳述する各種情報に基づいて前記一酸化炭素除去器5の運転状態を制御する。前記制御手段1には、例えば、コンピュータ(CPU)等の公知の演算手段を採用することができる。
【0029】
前記燃料電池システムは、燃料電池7とこの燃料電池7にアノードガス(改質ガス)を供給する燃料改質システムとを備える。前記改質ガスは、水素を主成分とするガスであって、その原料(原燃料)としては、例えば、天然ガス、ナフサ、灯油等の炭化水素類や、メタノール等のアルコール類を使用することできる。ここでは、天然ガスを原燃料とした燃料改質ガスを例示する。
【0030】
前記燃料改質システムは前記燃料電池7の前段に設けられ、例えば、図1に示すように、原燃料供給調整手段2、改質器3、一酸化炭素変成器4、一酸化炭素除去器5が記載順に連設され、酸化剤供給調整手段6が前記一酸化炭素除去器5に対して酸化剤を供給可能に設けられている。尚、前記天然ガスには含硫化合物が添加されている場合があり、このような場合には、前記改質器3の上流側に脱硫触媒を内装した脱硫器(図示せず)を設けて、前記含硫化合物を前記原燃料から除去することが好ましい。
【0031】
水蒸気改質法を採用した場合、前記改質器3には、前記原燃料と水蒸気とが供給される。前記原燃料の前記改質器3への供給条件(流量等)は、例えば流量調整弁やポンプ等により構成される前記原燃料供給調整手段2によって調整される。前記水蒸気の前記改質器3への供給条件(流量等)は、例えば流量調整弁やポンプ等により構成される水蒸気供給調整手段8によって調整される。前記原燃料と水蒸気とが前記改質器3に内装した改質触媒と接触することによって、前記原燃料中のメタンをはじめとする炭化水素が改質され水素が生じる。また、同時に副産物として一酸化炭素と二酸化炭素とが生じる。同時に、未反応の水蒸気も前記改質器3から排出される。
【0032】
このようにして生じた、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気等を含有する改質ガスは、次いで前記一酸化炭素変成器4に導入される。前記一酸化変成器4には、鉄−クロム系、銅−亜鉛系の一酸化炭素変成触媒が内装されており、この一酸化炭素変成触媒に前記改質ガスを接触させることによって、一酸化炭素を二酸化炭素に変成し、改質ガス中の一酸化炭素の濃度を0.5〜1.0%にまで削減する。
【0033】
前記一酸化炭素変成器4から排出された前記改質ガスは、更に、前記一酸化炭素除去器5に導入される。前記一酸化炭素除去器5は筐体51を備え、一酸化炭素除去触媒(例えば、アルミナにルテニウム等の貴金属を担持したルテニウム系触媒)により構成される触媒層52を前記筐体51内部に形成してある。
【0034】
前記触媒層52には、酸化剤供給調整手段6(例えば、エアポンプ、電磁弁等)によって流量調整された酸化剤(例えば、酸素を含む空気)が供給される。前記一酸化炭素除去触媒上で前記改質ガスと酸化剤とが接触し、主に化1に示す一酸化炭素の酸化反応や化3に示すメタン化反応によって、前記改質ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素やメタンに変換して除去する。前記一酸化炭素除去触媒がルテニウム系触媒である場合、前記触媒層52において、主反応として化1に示す一酸化炭素の酸化反応が起こり、副反応として、水素の燃焼反応、一酸化炭素のメタン化反応、二酸化炭素のメタン化反応、二酸化炭素の逆シフト反応が起こる場合がある(記載順に、夫々化2〜5に示す)。ここで、一酸化炭素の酸化反応と水素の燃焼反応とは、酸素(酸化剤)を消費する発熱反応である。
【0035】
【化1】
CO + 1/2O2 → CO2 + 283.0kJ/mol
【0036】
【化2】
H2 + 1/2O2 → H2O + 241.8kJ/mol
【0037】
【化3】
CO + 3H2 → CH4 + H2O + 205.7kJ/mol
【0038】
【化4】
CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2O
【0039】
【化5】
CO2 + H2 → CO + H2O
【0040】
先ず、前記触媒層52の温度は、温度調整手段53(例えば、冷却ファンや熱交換器等)によって大まかに調整される。これら温度調節手段53は、前記触媒層52に対する前記温度調整手段53の冷却/加熱効率を考慮すると、前記筐体51内を流れる改質ガスの流路の中間点付近の前記筐体の外面に沿って或いはその付近に設置することが好ましい。前記温度調整手段53が前記触媒層52の温度を調整するにあたって、前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応に影響を与える制御点の温度を所定の温度に維持するように構成されている。好ましくは、前記制御点は、前記温度調整手段53による前記筐体51の冷却の影響を最もよく受ける点とされ、例えば、前記温度調整手段53付近の前記筐体51の外面とすることができる。前記制御点の温度(第2測定温度)は温度センサ(第2温度測定手段55)によって測定される。前記制御手段1は、この第2測定温度の値が所定の制御温度より高いと判断した場合、前記第2測定温度が前記制御温度に低下するまで、前記触媒層52を冷却するという制御情報を前記温度調整手段53に送り、前記温度調整手段53がこのような操作を実行する。逆に、前記制御手段1は、この第2測定温度の値が所定の制御温度より低いと判断した場合、前記第2測定温度が前記制御温度に上昇するまで、前記触媒層52を加熱する又は前記ファンの出力を落として運転したり運転を停止したりするという制御情報を前記温度調整手段53に送り、前記温度調整手段53がこのような操作を実行する。
【0041】
前記一酸化炭素除去器5の前記触媒層52における触媒反応の進行を適正に保ち、前記一酸化炭素除去器5から排出される改質ガスの二酸化炭素濃度を所定の濃度以下(例えば100ppm、より好ましくは10ppm以下)に安定して維持するために、本発明に係る一酸化炭素除去器の運転制御システムは、更に、前記温度測定手段としての温度センサ(第1温度測定手段54)を備え、前記制御点とは異なる部位であって前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応に伴って温度変化が生じ得る点(対照点)においても温度(第1測定温度)を測定する。例えば、前記対照点は、前記触媒層52の最高温度を反映する点とすることができる。前記対照点の温度は、経験的に又はシミュレーションによって、前記酸化剤の供給条件及び前記制御温度等との関連において予測することができる。
【0042】
前記制御手段1は、前記制御点の温度と、前記第1温度測定手段54によって測定された前記対照点の温度(第1測定温度)とを比較し、これらの温度差が所定範囲内に収まるように前記酸化剤供給調整手段6を働かせる。即ち、前記制御手段1は、前記制御点の温度と前記第1温度測定手段54によって測定された前記対照点の温度との差が所定範囲より大きいと判断した場合、前記第1測定温度を予想された温度にまで低下させ前記温度差を所定範囲内に収めるため、現行の酸化剤の供給量より酸化剤の供給量を下げるように前記制御情報を更新して前記酸化剤供給調整手段6に伝達する。前記酸化剤供給調整手段6は、この制御情報に基づいて、ポンプの吐出量を低下させたり弁の開度を下げたりする等の操作を実行する。すると、一酸化炭素に対する酸化剤の添加比が低下するので前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応の進行が抑制され、触媒層52の最高温度が低下する。このようすると、温度上昇に伴う触媒のシンタリングが抑制され、又、水素の燃焼反応を抑制されるので、燃料電池7に供給されるアノードガス中の水素含有率を高めることができる。逆に、前記制御手段1は、前記制御点の温度と前記第1温度測定手段54によって測定された前記対照点の温度との差が所定範囲より小さいと判断した場合、前記第1測定温度を予想された温度にまで上昇させ前記温度差を所定範囲内に収めるため、現行の酸化剤の供給量より酸化剤の供給量を高めるように前記制御情報を更新して前記酸化剤供給調整手段6に伝達する。前記酸化剤供給調整手段6は、この制御情報に基づいて、ポンプの吐出量を増加させたり弁の開度を上げたりする等の操作を実行する。すると、一酸化炭素に対する酸化剤の添加比が増加するので前記一酸化炭素除去触媒による一酸化炭素の酸化反応が活発になり前記触媒層52の最高温度が上昇する。このようにすると、燃料電池7に供給されるアノードガス中の一酸化炭素含有率を低下するので、前記燃料電池7の電極触媒の被毒を抑制することができる。
【0043】
ここで、前記酸化剤の供給量と前記第1測定温度とを関連付けるデータを予め取得しておいて、前記第1測定温度が予め取得された上限値(第1上限値)を上回った場合に、前記制御手段1が前記酸化剤供給調整手段6に対して前記酸化剤の供給量を減少させるような制御情報を送るようにし、前記第1測定温度が予め取得された下限値(第1下限値)を下回った場合に、前記制御手段1が前記酸化剤供給調整手段6に対して前記酸化剤の供給量を増加させるような制御情報を送るようにすることができ、このように前記制御手段1が前記酸化剤供給調整手段6を働かせることによって、前記一酸化炭素除去器5の制御を簡便に行なうことができる。尚、前記第1上限値、第1下限値は、前記一酸化炭素除去器5の形状や構造、前記一酸化炭素除去触媒の種類や充填量、前記改質ガスや前記混合ガスの組成、前記一酸化炭素除去器5の運転負荷状況等を考慮して、適切な温度を選択することができる。
【0044】
更に、前記燃料電池システムは運転停止手段(図示せず)を備え、前記第1測定温度が前記第1下限値より更に低い予め取得された第2下限値を下回った場合、又は、前記第1測定温度が前記第1上限値より更に高い予め取得された第2上限値を上回った場合に、前記運転停止手段が前記燃料電池システムの運転を停止するように制御されるものとすることができる。前記第2下限値は、前記電極触媒がアノードガスに含まれる一酸化炭素によって過度に被毒する虞れがある程度にまで前記一酸化炭素除去器5における一酸化炭素除去が不十分になる又はこのような状態を回避する限界と予想される前記触媒層52の最高温度とすることが好ましい。又、前記第2上限値は、前記一酸化炭素除去器5から前記燃料電池7に供給される改質ガスの温度が、前記燃料電池7を劣化させる虞れが高いと予想される程度又は前記一酸化炭素除去器5の温度制御が二酸化炭素のメタン化の暴走によって制御不能となると予想される程度の前記触媒層52の最高温度とすることが好ましい。
【0045】
前記燃料電池システムの運転を停止するためには、例えば、前記原燃料の供給を停止すると共に、前記改質器3を窒素等の不活性ガスでパージして改質反応を停止させる等の操作を実行する。前記運転停止手段が上記操作を実行する場合としては、前記酸化剤供給調整手段6の制御に何らかの異変が生じて、前記酸化剤の供給条件の制御が正常に行なわれなくなった場合等が想定される。
【0046】
尚、前記制御手段1が前記改質ガスに含まれる一酸化炭素に対する酸化剤の混合比([O2]/[CO])を適切な範囲に調整するにあたって、前記酸化剤供給調整手段6を制御するのに代えて、又は同時に、前記原燃料供給調整手段2による原燃料供給条件を変更する制御を行なうこともできる。前記制御手段1による制御によって、前記原燃料の供給量が前記酸化剤の供給量に対して増加すれば、前記改質ガスに含まれる一酸化炭素に対する酸化剤の供給比率は相対的に減少することになり、逆に、前記原燃料の供給量が前記酸化剤の供給量に対して低下すれば、前記改質ガスに含まれる一酸化炭素に対する酸化剤の供給比率は相対的に増加することになる。
【0047】
又、前記第1、第2温度測定手段54,55として前記筐体51外面の温度を測定する温度センサを例示したが、前記触媒層52の外周又は内部に前記制御点及び対照点を定め、これらの温度を測定可能に熱電対を挿入し、前記第1、第2温度測定手段54,55を構成することができる。好ましくは、前記制御点は、筐体51外周部の前記温度調整手段53による温度調整の影響を最も顕著に受ける部位に定められ、前記対照点は、前記触媒層52内の前記一酸化炭素除去触媒の反応熱が最も多く発生する部位に定められる。
【0048】
又、前記温度調整手段53が、前記制御点における温度制御を前記第2温度測定手段55を設けないでも実行することができる場合、あえて、前記第2温度測定手段55を設ける必要はない。又は、第2温度測定手段55が設けられている場合であっても、必ずしも前記制御手段1の制御情報に基づいて働くものでなくてよく、他の制御系統が存在し、それによって制御されるものであってもよい。これらの場合、前記制御手段1が前記酸化剤調整手段6を働かせるために参照にする「制御点の温度」は、前記温度調節手段53が前記制御点の温度を調整するために設定された「制御温度」と読み替えることができる。
【0049】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
SUS製反応管(筐体51)にルテニウムを担持したアルミナ球(一酸化炭素除去触媒)を充填して触媒層52を形成し、改質ガスが流入してくる方向(上流側)の上流側に前記触媒層52の最高温度を測定する第1温度測定手段54としての熱電対を挿入した。前記筐体51の外側面には前記触媒層52の温度を調整可能に熱交換器(温度調整手段)53を設置した。前記改質ガスの流通方向からみて筐体51の中央付近の部位の外側面を、前記熱交換器53による前記触媒層52の温度制御の指標となる制御点と定め、この部位の温度を測定可能に前記筐体51の外側面に第2温度測定手段55としての温度センサを設置した。制御手段1としてのパーソナルコンピュータに対して、前記熱電対54及び前記温度センサ55から、夫々、第2、第1測定温度についての情報が送られるように構成した。
【0050】
前記制御手段1からの制御情報によって操作可能にされた酸化剤供給調整手段(エアポンプ)6を用いて、前記筐体51の一端側から他端側に向かって改質ガスと酸化剤との混合ガスを模したガスを導入した。このときの空間速度(GHSV)は7500h−1、前記混合ガスの組成は、一酸化炭素 0.42体積%、メタン 0.42体積%、酸素 0.63体積%、窒素 2.52体積%、二酸化炭素 16.67体積%、水 16.67体積%、水素バランス(ウエットベース)であって、[O2]/[CO]=1.5の条件で酸素を含む空気(酸化剤)が混合されていた。前記制御手段1は、前記第2測定温度が100℃となるように前記熱交換器53を制御しており、前記熱交換器53が定格出力で前記筐体51を冷却しながら前記一酸化炭素除去触媒による一酸化炭素の除去を行なったとき、前記第1測定温度の方が前記第2測定温度より20℃高かった。
【0051】
人為的に空気の添加比率を上記の2倍([O2]/[CO]=3.0)とし、前記熱交換器53が定格出力で前記筐体51を冷却しながら前記一酸化炭素除去触媒による一酸化炭素の除去を行なったとき、前記触媒層52の最高温度が上昇して前記第1測定温度と前記第2測定温度との差は40℃に拡大した。このとき、前記筐体51から排出された混合ガス中の水素濃度は[O2]/[CO]=1.5のときと比べて減少していた。
【0052】
そこで、前記第1測定温度が前記第2測定温度より20℃以上高くなった場合に、前記制御手段1から前記エアポンプに対して、空気供給量を減少させる制御情報を送るようにした。又、前記第1測定温度が前記第2測定温度より20℃以上低くなった場合に、前記制御手段1から前記エアポンプに対して、空気供給量を増加させる制御情報を送るようにした。このように、前記制御手段1が前記エアポンプ6をフィードバック制御した。
【0053】
この結果、前記混合ガス中の一酸化炭素と酸素との混合比が適切な範囲に保たれ、前記筐体51から排出された混合ガス中の水素濃度は高く、又、一酸化炭素濃度は低く保たれたまま、長期にわたって前記一酸化炭素除去器を運転することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一酸化炭素除去器の運転制御システムを備えた燃料電池システムのブロック図。
【図2】 一酸化炭素除去器に内装された触媒層における温度分布を示す概略図。
【符号の説明】
1 制御手段
2 原燃料供給調整手段
3 改質器
4 一酸化炭素変成器
5 一酸化炭素除去器
6 酸化剤供給調整手段
7 燃料電池
8 水蒸気供給調整手段
51 筐体
52 触媒層
53 温度調整手段
54 第1温度測定手段
55 第2温度測定手段
Claims (2)
- 一酸化炭素除去触媒により構成される触媒層をその内部に形成した筐体を備え、前記筐体に一酸化炭素と水素とを含む改質ガスと酸化剤とを流入させ、前記一酸化炭素除去触媒上で前記改質ガスと前記酸化剤とを反応させ、前記改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器の運転制御システムにおいて、
前記一酸化炭素除去触媒の触媒反応に影響を与える前記一酸化炭素除去器の部位に設定される制御点の温度を、制御目標温度に調整する温度調整手段を備え、
前記触媒層に供給される酸化剤の供給条件を調整可能な酸化剤供給調整手段を備え、
前記酸化剤の流通方向で前記制御点よりも上流側の前記一酸化炭素除去器の部位に設定される対照点の温度を測定する温度測定手段を備え、
前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が予め取得された第1上限値より高くなった場合、前記酸化剤供給調整手段を働かせて、前記供給条件に規定された前記酸化剤の供給量より前記酸化剤の供給量を低下させ、
前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が予め取得された第1下限値より低くなった場合、前記酸化剤供給調整手段を働かせて、前記供給条件に規定された前記酸化剤の供給量より前記酸化剤の供給量を増加させて、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度と前記制御点の温度との間の温度差が所定範囲内に収まるように制御する制御手段を備えた一酸化炭素除去器の運転制御システム。 - 原燃料を改質して水素と一酸化炭素とを含む改質ガスを製造する改質器と、一酸化炭素除去触媒により構成される触媒層をその内部に形成した筐体を備え前記一酸化炭素除去触媒上で前記改質ガスと酸化剤とを反応させ前記改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器と、前記一酸化炭素除去器から排出された前記改質ガスをアノードガスとして利用する燃料電池とを備えた燃料電池システムの運転制御システムにおいて、
請求項1に記載の一酸化炭素除去器の運転制御システムが、前記一酸化炭素除去器の運転を制御し、
前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が前記予め取得された第1下限値より更に低い予め取得された第2下限値を下回った場合、又は、前記温度測定手段により測定された前記対照点の温度が前記予め取得された第1上限値より更に高い予め取得された第2上限値を上回った場合の少なくとも何れか一方の場合に、前記燃料電池システムの運転を停止する運転停止手段を備えた燃料電池システムの運転制御システム。
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