JP4446426B2 - Thallium-containing liquid processing method and processing equipment - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はタリウム含有液処理方法と処理設備に関し、詳しくは、タリウムを吸着剤により選択吸着し、吸着されたタリウムからタリウムを溶離し回収するタリウム含有液処理方法と処理設備に関する。
【０００２】
【従来の技術】
タリウムは、近年のＯＡ機器や通信技術の発達から、光ファイバー、半導体、屈折率分布型レンズ等の光学レンズ、光学部品などに、酸化物、フッ化物、臭化物などとして少なくない量が使用されており、これらの製造工場からの廃液（排水）として、あるいは最終使用者からの廃棄物として廃棄されると、鉛、砒素などと同様にタリウムは有害重金属物質であるため、その処理が問題となる。その他としては、非鉄金属精錬工程において副産物として得られるカドミウム灰などにタリウムが含まれており、無害化処理が必要になる。
【０００３】
そこで、廃液あるいは廃棄物中のタリウムを回収すべく種々の方法が実施されている。例えば、蒸発固化する方法があるが、これは蒸発固化して得られた固形物からタリウムを分離せず、得られた固形物を溶出防止処理をした後、管理埋立処理を行うようにしている。
【０００４】
タリウム含有固形物からタリウムを回収する方法としては、例えば、次のような方法が行われている（特許文献１）。
（１）タリウム含有固形物を硫酸液中に溶離させる。
【０００５】
（２）溶離液から残渣を除去した後、ろ液にソーダ灰などのアルカリ剤を添加して固液分離する。
【０００６】
（３）このアルカリろ液に硫酸などを添加して、ｐＨ２〜５程度にしてから、亜鉛板にてセメンテーションを行い、スポンジタリウムを得る。
【０００７】
（４）得られたスポンジタリウムを還元雰囲気中で加熱・溶解し、鋳造することにより金属タリウムを得る。
【０００８】
しかしこの方法では、工程が複雑であることと、固液分離作業を複数回にわたって行わなければならず、使用する薬剤も多く、生産コストのかかるものであった。
【０００９】
そこで、本発明者らは、より工程を簡略化すると共に、タリウムを効率良く回収・除去する方法を提案した（未公開特許文献２）。この方法は、クラウンエーテルを坦持させたシリカゲルのような吸着剤を充填したカラム内にタリウム含有液を通液し、タリウムのみを選択的に吸着させ、次いで溶離液をカラムに通液することにより、吸着されているタリウムを回収する方法であり、従来一般に行われていなかった廃液中のタリウムを回収可能にする。
【００１０】
【特許文献１】
特開昭５６−１３６９４１号
【特許文献２】
特願２００２−１２４２８９号
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法では金属吸着剤の吸着量が被処理液中のタリウム濃度が低い場合には、多量の吸着剤を必要とする等、濃度依存性が高いという問題があった。
【００１１】
そこで、本発明の目的は、廃液中のタリウム濃度が低い場合であっても、効率よくタリウムを吸着除去でき、効率的に回収可能なタリウム含有液処理方法と処理設備を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係るタリウム含有液処理方法の特徴構成は、処理対象となるタリウム以外にスケールの原因となる物質を含むタリウム含有液に対し、予め該タリウム含有液をイオン交換樹脂槽あるいは活性炭吸着槽を通流させて前記原因物質を除去処理した後、タリウム含有液をＲＯ膜装置に送給してタリウムを含む金属イオンを分離濃縮し、この濃縮された液からタリウムをクラウンエーテルが坦持された坦体が充填されている吸着剤により選択的に吸着し、吸着されたタリウムに硫酸水素ナトリウム溶液あるいは硝酸ナトリウム溶液を溶離液として通流してタリウムを溶離し回収することにある。
【００１３】
この構成によれば、タリウム含有液中のタリウムを選択的に吸着して、分離除去するに際して、予めＲＯ膜へのスケール付着の原因となる物質を除去してＲＯ膜装置を適正に稼働させるとともに、ＲＯ膜装置を用いて予めタリウム濃度を高くするため、タリウム含有液中のタリウム含有量が少ない場合でも回収効率を高く、効率的なものとすることができる。したがって、多量の吸着剤を必要とせず、吸着設備を小形にすることができて省スペースにできると共に、設備コストや運転コストを低減できることになる。また、クラウンエーテルが坦持された坦体が充填されている吸着剤を用いることによって、廃液中に含まれる各種金属類の内、特にタリウムを効率的に選択吸着できる。したがって、後工程の溶離工程ではタリウムを高い濃度で回収でき、これらを有価金属として再利用でき都合がよい。
【００１４】
その結果、本発明によれば、廃液中のタリウム濃度が低い場合であっても、効率よくタリウムを吸着除去でき、効率的に回収可能なタリウム含有液処理方法を提供することができた。
【００１５】
本発明に係るタリウム含有液処理方法として、タリウム含有液を加熱濃縮してタリウムを蒸発濃縮した後、この残留物をその後段に配置したＲＯ膜装置に送給して濃縮し、この蒸発濃縮された液からタリウムをクラウンエーテルが坦持された坦体が充填されている吸着剤により選択的に吸着し、吸着されたタリウムに硫酸水素ナトリウム溶液あるいは硝酸ナトリウム溶液を溶離液として通流してタリウムを溶離し回収するようにしてもよい。
【００１６】
この構成によっても、タリウム含有液中のタリウム含有率がかなり低くても、効果的にタリウム回収率を高くすることができることから、廃液中のタリウム濃度が低い場合に、効率よくタリウムを吸着除去でき、効率的に回収可能なタリウム含有液処理方法を提供することができた。
【００１７】
また、前記タリウム含有液処理方法として、前記タリウムが濃縮された回収液中に亜鉛板を投入して、これにスポンジ状タリウムを析出させると共に、これを加熱脱水後、高温に加熱して溶融し、金属タリウムを得ることが好ましい。
【００１８】
この構成によれば、タリウムを高い濃度で回収でき、これらを有価金属として再利用でき都合がよい。つまり、タリウム塩から必要に応じて還元処理されて金属タリウムを回収することもでき、更に、これを精製して純度を上げることも可能である。
【００１９】
本発明に係るタリウム含有液処理設備の特徴構成は、予めタリウム含有液中のスケールの原因となる物質、例えば、シリカ、カルシウム、鉄、バリウム等を除去するイオン交換樹脂槽あるいは活性炭吸着槽と、タリウム含有液中のタリウムを含む金属イオンを分離濃縮するＲＯ膜装置と、このＲＯ膜装置によって濃縮された液からタリウムを選択的に吸着するクラウンエーテルが坦持された坦体が充填されている金属吸着剤充填槽と、この金属吸着剤充填槽により吸着されたタリウムを硫酸水素ナトリウム溶液あるいは硝酸ナトリウム溶液により溶離する溶離手段とを有することにある。
【００２０】
この構成によれば、廃液中のタリウム濃度が低い場合に、予めＲＯ膜へのスケール付着の原因となる物質を除去してＲＯ膜装置を適正に稼働させるとともに、ＲＯ膜装置を用いて予めタリウム濃度を高め、効率よくタリウムを吸着除去でき、特に廃液の量が多い場合でも、効率的に回収可能なタリウム含有液処理設備を提供することができる。また、クラウンエーテルが坦持された坦体が充填されている吸着剤を用いることによって、廃液中に含まれる各種金属類の内、特にタリウムを効率的に選択吸着できる。したがって、後工程の溶離工程ではタリウムを高い濃度で回収でき、これらを有価金属として再利用でき都合がよい。
【００２１】
又、本発明に係るタリウム含有液処理設備として、タリウム含有液を加熱してタリウムを蒸発濃縮する加熱濃縮装置と、この蒸発濃縮された液中のタリウムを含む金属イオンを分離濃縮するＲＯ膜装置と、このＲＯ膜装置によって濃縮された液からタリウムを選択的に吸着するクラウンエーテルが坦持された坦体が充填されている金属吸着剤充填槽と、この金属吸着剤充填槽に吸着したタリウムを硫酸水素ナトリウム溶液あるいは硝酸ナトリウム溶液により溶離し回収する溶離手段とを有する構成としてもよい。
【００２２】
この構成によっても、タリウム含有液中のタリウム含有率がかなり低くても、効果的にタリウム回収率を高くすることができることから、同様に廃液中のタリウム濃度が低い場合に、効率よくタリウムを吸着除去でき、効率的に回収可能なタリウム含有液処理設備を提供することができる。工場内などの廃熱を利用することで、コストをより低くすることもできる。
【００２３】
また、前記タリウム含有液処理設備として、前記タリウムが濃縮された回収液中に亜鉛板を投入して、これにスポンジ状タリウムを析出させると共に、これを加熱脱水後、高温に加熱して溶融し、金属タリウムを得ることが好ましい。タリウムを高い濃度で回収でき、これらを有価金属として再利用できる。
【００２４】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図１は、本実施形態に係るタリウム含有液処理装置の概略全体構成ブロック図を示し、図２は、本実施形態に係るタリウム含有液処理方法のフローチャートを示す。
【００２５】
このタリウム含有液処理装置は、タリウム含有廃液あるいはタリウム含有物溶解液（以下、単に「タリウム含有液」ということがある）を貯留する貯槽１と、この貯槽１から送給されタリウム含有液からタリウムを含む金属イオンを分離濃縮するＲＯ（逆浸透）膜を内蔵したＲＯ膜装置２と、分離濃縮されたタリウム含有液の中からタリウムのみを選択的に吸着する吸着剤を充填した金属吸着剤充填槽３と、この金属吸着剤充填槽３に吸着されているタリウムを溶離する溶離液を貯留する溶離液貯槽４と、溶離液によって溶離されたタリウムを回収するタリウム回収槽５と、金属吸着剤充填槽３を通液したタリウム除去液を貯留する廃液槽６と、更に金属吸着剤充填槽３を洗浄する洗浄液を貯留する洗浄液槽７と、洗浄した洗浄廃液を貯留する洗浄廃液貯槽８などを備えて構成されている。
【００２６】
ＲＯ膜装置２は、中空糸モジュール、スパイラルモジュール、平膜モジュール、プリーツモジュール等、種々のタイプのものを使用でき、処理液中のタリウム濃度が高い場合、あるいはタリウムを除去した液中のタリウム濃度をできるだけ低くしたい場合などには、膜モジュールの段数を多くすればよい。更に、被処理液中にＲＯ膜へのスケール付着の原因となる物質、例えば、シリカ、カルシウム、鉄、バリウム等が含まれている場合には、前処理としてイオン交換樹脂あるいは活性炭などを配置して、これらに被処理液を通流させることがＲＯ膜装置を適正に稼働される上で好ましい。このようにＲＯ膜装置２を用いて、廃液中のタリウム濃度を高くして処理することができるので、例えば、工場内で流れた雨水のように濃度が薄い廃液に対しても、タリウムを除去して回収することが容易になる。
【００２７】
金属吸着剤充填槽３は、タリウムを選択吸着するクラウンエーテルが固定・坦持された、シリカゲル坦体が充填されているカラムからなる。クラウンエーテルは、具体的には、ジシクロヘキサーノ−１８−クラウン−６−エーテル（例えば、ＩＢＣ Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｉｎｃ．社製の商品名：ＳｕｐｅｒＬｉｇ３３２）であることが好ましい。金属吸着剤充填槽３の構成として、前部カラムと後部カラムとが直列に配置された組み合わせからなるようにしてもよい。その場合、最初に溶離液を通流させてタリウムを溶離するのは、前部カラムに対して行うと共に、洗浄も前部カラムに対して行い、次の吸着工程では後部カラムに対して同様な通流を行うようにし、これらを交互に行うようにすると、処理能力が高められて好ましい。
【００２８】
溶離液としては、硫酸水素ナトリウム溶液などを使用できる。坦体は、シリカゲルに限定されるものではなく、ガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニア、砂などであってもよく、その形状もビーズ状、膜状など種々の形態が使用できる。
【００２９】
以下に、タリウム含有液処理方法を図２に基づいて説明する。まず、タリウム含有液を、その貯槽１からＲＯ膜を内蔵したＲＯ膜装置２に送給してＲＯ膜処理し、ここでタリウムを含む金属イオンを分離濃縮する（ＲＯ膜処理工程：Ａ）。そして、タリウムが除去された廃液はそのまま放流されるか、工場内で再利用される。廃液中のタリウム含有量をより低くしたいためには、必要に応じてＲＯ膜装置中のＲＯ膜の段数を増やしたり、更には、金属吸着剤をＲＯ膜装置の後段側に配置すればよい。このようにすると、廃液中のタリウム含有量を１ｐｐｂ未満にできる。また、処理対象となるタリウム含有液中に、ＲＯ膜へのスケールの原因となる物質、例えば、シリカ、カルシウム、鉄、バリウム等が含まれている場合には、ＲＯ膜装置にタリウム含有液を送給する前に、予めこれらを除去すべくイオン交換樹脂槽あるいは活性炭吸着槽を設けておき、これらにより処理してから、タリウム含有液をＲＯ膜装置に送給することが好ましい。
【００３０】
次いで、ＲＯ膜装置により濃縮された液を、タリウムを選択的に吸着する吸着剤を充填した金属吸着剤充填槽３に送給し、タリウムを選択吸着させる（選択吸着工程：Ｂ）。金属吸着剤としては、上記したクラウンエーテルが固定されたシリカゲル等を用いる。金属吸着剤充填槽３を通過した廃液には、タリウムがほとんど含まれていないが、より一層排出するタリウム濃度を低減するためには、金属吸着剤充填槽３を通過した廃液を再度ＲＯ膜装置２に送り込むようにする。
【００３１】
更に、金属吸着剤充填槽３を水で洗浄すると共に、その洗浄廃液を除去する。この洗浄液中に含まれる微量のタリウムについては、再度、洗浄廃液を貯槽１に戻すことによりタリウム回収率を高めるようにしてもよい。水洗浄に続いて、金属吸着剤充填槽３に対して０．１Ｍ程度のＮａＨＳＯ4 溶液を通流させ、金属吸着剤に吸着されているタリウムをタリウム塩（Ｔｌ2 ＳＯ4 ）として溶離し、溶離液をタリウム回収槽５に回収してタリウム濃縮液を得る（金属溶離工程：Ｃ）。この場合、タリウム除去率は、タリウム含有液中の９０〜９９％という高い値が得られる。
【００３２】
得られたタリウム塩からは、図示はしないが、必要に応じて還元処理されて金属タリウムを回収することもできる。例えば、タリウムが濃縮された回収液中に亜鉛板を投入して、これにスポンジ状タリウムを析出させると共に、これを加熱脱水後、高温に加熱して溶融し、金属タリウムを得る方法などである。更に、これを精製して純度を上げることも可能である。又、廃液槽６の貯留された廃液は、適宜排水処理されて放流させる。
【００３３】
【実施例】
（実施例１）
タリウムを０．１ｍｇ／Ｌ含む廃液１００Ｌを、ポリアミド系スパイラルタイプのＲＯ膜装置に通流してタリウム濃度を濃縮して廃液中のタリウムを０．５ｍｇ／Ｌとすると共に、これを、クラウンエーテル（商品名：ＳｕｐｅｒＬｉｇ３３２）が固定・坦持されたシリカゲルの充填槽に通液し、次いで０．１ＭのＮａＨＳＯ4 溶液を通流させて、タリウムをＴｌ2 ＳＯ4 として回収した。タリウムを除去した廃液中のタリウム濃度を測定すると、０．００１ｍｇ／Ｌ未満になっていた（除去率９９％）。この場合、予めタリウム濃度を濃縮する工程を採用しているため、予めタリウム濃度を濃縮することなく従来の金属吸着剤槽を用いた場合に比べて、金属吸着剤槽中に必要な吸着剤量を約４０％にすることができた。尚、タリウムの回収率は、９９．０％であった。
【００３４】
（実施例２）
実施例１と同様な方法で、ＲＯ膜装置により液量を約１／５に濃縮した後、上記した吸着剤により０．０１ｍｇ／Ｌにまでタリウムを除去した。次いで、その液を再度ＲＯ膜装置に送給して、廃液中のタリウム濃度を０．００１ｍｇ／Ｌ未満にした。この場合、金属吸着剤槽中に必要な吸着剤量を、従来の方法に比べて約１／３に低減できた。尚、タリウムの回収率としては９９．０％が得られた。
【００３５】
〔別実施の形態〕
（１）上記実施形態では、タリウム含有液中のタリウムを分離濃縮する方法として、ＲＯ膜装置を用いた例を示したが、これに代えて以下の方法により、濃縮してもよい。すなわち、図３に示すように、タリウム含有液を加熱濃縮装置９に送給してタリウムを蒸発濃縮し（蒸発濃縮工程：Ａ’）、この蒸発濃縮された液を金属吸着剤充填槽３に送給してタリウムを吸着し（選択吸着工程：Ｂ）、タリウムを吸着した金属吸着剤充填槽３に溶離液を通流して、吸着したタリウムを溶離し（金属溶離工程：Ｃ）回収する方法である。この方法によっても、濃度の低いタリウム含有液に対して上記した方法と同様に高い回収率でタリウムを回収可能となる。タリウム含有液を加熱蒸発して得られる蒸留水は、カラムを洗浄する際に使用したり、工場内での各種用途に使用することができるのみならず、放流してもよい。尚、蒸発濃縮を行った際、固形物が析出する場合には、析出物を除去するための通常の固液分離処理を行えばよい。
【００３６】
（２）更に、タリウム含有液中のタリウムを分離濃縮する方法として、タリウム含有液を上記加熱濃縮装置に送給してタリウムを蒸発濃縮した後、この残留物を、上記加熱濃縮装置の後段に配置したＲＯ膜装置に送給して濃縮する方法を採用してもよい。その後は、上記実施形態に示した方法により処理する。このようにすると、タリウム含有液中のタリウム含有率がかなり低くても、効果的にタリウム回収率を高くすることができる。
【００３７】
（３）水洗浄に続いて行う溶離工程におけるタリウム溶離液として、ＮａＮＯ3 溶液を用いることにより、タリウムをＴｌＮＯ3 として回収してもよい。この場合、坦体としては耐酸性の高いアクリレート系などの樹脂性坦体を用いることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るタリウム含有液処理装置の概略全体構成ブロック図
【図２】本発明に係るタリウム含有液処理方法を示すフローチャート
【図３】他の実施形態に係るタリウム含有液処理方法を示すフローチャート
【符号の説明】
２ ＲＯ膜装置
３ 金属吸着剤充填槽[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a thallium-containing liquid processing method and processing equipment, and more particularly, to a thallium-containing liquid processing method and processing equipment for selectively adsorbing thallium with an adsorbent and eluting and recovering thallium from the adsorbed thallium.
[0002]
[Prior art]
Due to the recent development of OA equipment and communication technology, thallium is used in a large amount as oxide, fluoride, bromide, etc. in optical lenses and optical components such as optical fibers, semiconductors, gradient index lenses, etc. When discarded as waste liquid (drainage) from these manufacturing factories or as waste from the end user, thallium is a hazardous heavy metal substance like lead and arsenic, and its treatment becomes a problem. In addition, thallium is contained in cadmium ash obtained as a by-product in the non-ferrous metal refining process, and detoxification treatment is necessary.
[0003]
Therefore, various methods have been implemented to recover thallium in waste liquid or waste. For example, there is a method of evaporating and solidifying, but this does not separate thallium from the solid material obtained by evaporating and solidifying the obtained solid material and then carrying out a management landfill treatment. .
[0004]
As a method for recovering thallium from a thallium-containing solid material, for example, the following method is performed (Patent Document 1).
(1) The thallium-containing solid is eluted in the sulfuric acid solution.
[0005]
(2) After removing the residue from the eluent, an alkaline agent such as soda ash is added to the filtrate for solid-liquid separation.
[0006]
(3) Sulfuric acid or the like is added to the alkaline filtrate to adjust the pH to about 2 to 5, and cementation is performed with a zinc plate to obtain sponge thallium.
[0007]
(4) The obtained sponge thallium is heated and dissolved in a reducing atmosphere and cast to obtain metal thallium.
[0008]
However, in this method, the process is complicated, and the solid-liquid separation operation has to be performed a plurality of times, and there are many chemicals to be used, resulting in high production costs.
[0009]
Therefore, the present inventors have proposed a method for further simplifying the process and efficiently recovering and removing thallium (unpublished Patent Document 2). In this method, a thallium-containing liquid is passed through a column packed with an adsorbent such as silica gel carrying crown ether, only thallium is selectively adsorbed, and then the eluent is passed through the column. Thus, the adsorbed thallium is recovered, and the thallium in the waste liquid, which has not been conventionally performed, can be recovered.
[0010]
[Patent Document 1]
JP 56-136941 A [Patent Document 2]
Japanese Patent Application No. 2002-124289 [Problems to be Solved by the Invention]
However, the above method has a problem that concentration dependency is high, such as requiring a large amount of adsorbent when the adsorption amount of the metal adsorbent is low and the thallium concentration in the liquid to be treated is low.
[0011]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a thallium-containing liquid processing method and processing equipment that can efficiently adsorb and remove thallium even when the concentration of thallium in the waste liquid is low.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The above object can be achieved by the inventions described in the claims. That is, the characteristic configuration of the thallium-containing liquid treatment method according to the present invention is that the thallium-containing liquid is preliminarily adsorbed to an ion exchange resin tank or activated carbon with respect to a thallium-containing liquid containing a substance that causes scale in addition to thallium to be treated. After removing the causative substance by flowing through the tank, the thallium-containing liquid is fed to the RO membrane device to separate and concentrate thallium-containing metal ions, and crown ether is supported by thallium from this concentrated liquid. been carrier is selectively adsorbed by the adsorbent is filled, is to elute was collected thallium flows through the eluent sodium hydrogen sulfate solution or nitrate solution of sodium in adsorbed thallium.
[0013]
According to this configuration, when the thallium in the thallium-containing liquid is selectively adsorbed and separated and removed, a substance that causes scale adhesion to the RO membrane is removed in advance, and the RO membrane apparatus is properly operated. Since the thallium concentration is increased using the RO membrane device in advance, the recovery efficiency can be high and efficient even when the thallium content in the thallium-containing liquid is small. Therefore, a large amount of adsorbent is not required, and the adsorption facility can be reduced in size to save space, and the facility cost and operation cost can be reduced. In addition, by using an adsorbent filled with a carrier on which crown ether is supported, among various metals contained in the waste liquid, particularly thallium can be selectively adsorbed efficiently. Therefore, thallium can be recovered at a high concentration in the subsequent elution step, which can be reused as valuable metals.
[0014]
As a result, according to the present invention, even when the thallium concentration in the waste liquid is low, thallium can be efficiently adsorbed and removed, and a thallium-containing liquid treatment method that can be efficiently recovered can be provided.
[0015]
In the thallium-containing liquid treatment method according to the present invention, after thallium-containing liquid is heated and concentrated to evaporate and concentrate thallium, this residue is fed to an RO membrane device disposed in the subsequent stage and concentrated, and this evaporatively concentrated and carrier which thallium crown ether is carrying is selectively adsorbed by the adsorbent is filled from a liquid, thallium flows through the eluent sodium hydrogen sulfate solution or nitrate solution of sodium in adsorbed thallium Elution may be performed.
[0016]
Even with this configuration, even if the thallium content in the thallium-containing liquid is quite low, the thallium recovery rate can be effectively increased, so that thallium can be efficiently adsorbed and removed when the thallium concentration in the waste liquid is low. Thus, a thallium-containing liquid treatment method that can be efficiently recovered can be provided.
[0017]
In addition, as the thallium-containing liquid treatment method, a zinc plate is put into the recovered liquid in which the thallium is concentrated, and spongy thallium is deposited on the zinc plate. It is preferable to obtain metal thallium .
[0018]
According to this configuration , thallium can be recovered at a high concentration, and these can be reused as valuable metals, which is convenient. In other words, metal thallium can be recovered from thallium salt as necessary to recover metal thallium, and it can be further purified to increase purity.
[0019]
The characteristic configuration of the thallium-containing liquid treatment facility according to the present invention is a material that causes scale in the thallium-containing liquid in advance, such as an ion exchange resin tank or an activated carbon adsorption tank that removes silica, calcium, iron, barium, and the like, RO membrane device for separating and concentrating thallium-containing metal ions in a thallium-containing liquid, and a carrier on which crown ether that selectively adsorbs thallium from the liquid concentrated by this RO membrane device is loaded. a metal adsorbent filling tank, there thallium adsorbed by the metal adsorbent filling tank having a elution means for eluting the sodium bisulfate solution or sodium nitrate solution.
[0020]
According to this configuration, when the thallium concentration in the waste liquid is low, the RO membrane device is properly operated by removing substances that cause scale adhesion to the RO membrane in advance, and using the RO membrane device in advance. It is possible to provide a thallium-containing liquid treatment facility that can increase the concentration and adsorb and remove thallium efficiently, and can be efficiently recovered even when the amount of waste liquid is particularly large. In addition, by using an adsorbent filled with a carrier on which crown ether is supported, among various metals contained in the waste liquid, particularly thallium can be selectively adsorbed efficiently. Therefore, thallium can be recovered at a high concentration in the subsequent elution step, which can be reused as valuable metals.
[0021]
Further, as a thallium-containing liquid processing facility according to the present invention, a heating and concentration apparatus that evaporates and concentrates thallium by heating a thallium-containing liquid, and an RO membrane apparatus that separates and concentrates metal ions containing thallium in the evaporated and concentrated liquid A metal adsorbent filling tank filled with a carrier carrying a crown ether that selectively adsorbs thallium from the liquid concentrated by the RO membrane device, and thallium adsorbed in the metal adsorbent filling tank It is good also as a structure which has an elution means to elute and collect | recover by a sodium hydrogensulfate solution or a sodium nitrate solution.
[0022]
Even with this configuration, even if the thallium content in the thallium-containing liquid is considerably low, the thallium recovery rate can be effectively increased, so that when thallium concentration in the waste liquid is also low, thallium is efficiently adsorbed. A thallium-containing liquid treatment facility that can be removed and recovered efficiently can be provided. Costs can be further reduced by using waste heat in factories.
[0023]
In addition, as the thallium-containing liquid treatment facility, a zinc plate is put into the collected liquid in which the thallium is concentrated, and spongy thallium is deposited on this, and after heating and dehydrating, it is heated to a high temperature and melted. It is preferable to obtain metal thallium . Thallium can be recovered at a high concentration, and these can be reused as valuable metals.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a block diagram showing a schematic overall configuration of a thallium-containing liquid processing apparatus according to this embodiment, and FIG. 2 is a flowchart of a thallium-containing liquid processing method according to this embodiment.
[0025]
The thallium-containing liquid treatment apparatus includes a
[0026]
The RO membrane device 2 can use various types such as a hollow fiber module, a spiral module, a flat membrane module, and a pleat module. When the thallium concentration in the processing liquid is high or the thallium concentration in the liquid from which thallium is removed For example, when it is desired to make the thickness as low as possible, the number of stages of the membrane module may be increased. Furthermore, if the liquid to be treated contains substances that cause scale adhesion to the RO membrane, such as silica, calcium, iron, barium, etc., an ion exchange resin or activated carbon is disposed as a pretreatment. In order to properly operate the RO membrane apparatus, it is preferable to flow the liquid to be processed through them. Since the RO membrane device 2 can be used to increase the concentration of thallium in the waste liquid, for example, thallium can be removed even from waste liquid that has a low concentration, such as rainwater that flows in the factory. And it becomes easy to collect.
[0027]
The metal adsorbent filling tank 3 is composed of a column filled with a silica gel carrier on which crown ether for selectively adsorbing thallium is fixed and supported. Specifically, the crown ether is preferably dicyclohexano-18-crown-6-ether (for example, trade name: SuperLig 332 manufactured by IBC Advanced Inc.). The configuration of the metal adsorbent filling tank 3 may be a combination of a front column and a rear column arranged in series. In that case, the eluent is first passed to elute thallium with respect to the front column, and the washing is also performed with respect to the front column. It is preferable that the flow is performed and these are alternately performed because the processing capability is enhanced.
[0028]
As an eluent, a sodium hydrogen sulfate solution or the like can be used. The carrier is not limited to silica gel, and may be glass, alumina, titania, zirconia, sand or the like, and various shapes such as beads and membranes can be used.
[0029]
Below, the thallium containing liquid processing method is demonstrated based on FIG. First, the thallium-containing liquid is fed from the
[0030]
Next, the liquid concentrated by the RO membrane device is fed to the metal adsorbent filling tank 3 filled with an adsorbent that selectively adsorbs thallium to selectively adsorb thallium (selective adsorption step: B). As the metal adsorbent, silica gel or the like on which the crown ether is fixed is used. The waste liquid that has passed through the metal adsorbent filling tank 3 contains almost no thallium. However, in order to further reduce the thallium concentration to be discharged, the waste liquid that has passed through the metal adsorbent fill tank 3 is again used as an RO membrane device. Send to 2.
[0031]
Further, the metal adsorbent filling tank 3 is washed with water and the washing waste liquid is removed. For a very small amount of thallium contained in the cleaning liquid, the thallium recovery rate may be increased by returning the cleaning waste liquid to the
[0032]
Although not shown, from the obtained thallium salt, metal thallium can be recovered by reduction treatment as necessary. For example, there is a method in which a zinc plate is put into a recovered liquid in which thallium is concentrated, and spongy thallium is deposited on the zinc plate, and is heated and dehydrated and then heated to a high temperature to be melted to obtain metal thallium. . Further, it can be purified to increase the purity. Further, the waste liquid stored in the waste liquid tank 6 is appropriately drained and discharged.
[0033]
【Example】
Example 1
The waste liquid 100L containing 0.1 mg / L of thallium is passed through a polyamide spiral RO membrane device to concentrate the thallium concentration to 0.5 mg / L of thallium in the waste liquid. The product name: SuperLig 332) was passed through a silica gel filling tank fixed and supported, and then a 0.1 M NaHSO 4 solution was passed through to recover thallium as Tl 2 SO 4 . When the thallium concentration in the waste liquid from which thallium was removed was measured, it was less than 0.001 mg / L (removal rate 99%). In this case, since the process of concentrating the thallium concentration is adopted in advance, the amount of adsorbent required in the metal adsorbent tank is compared with the case where the conventional metal adsorbent tank is used without concentrating the thallium concentration in advance. Can be reduced to about 40%. The recovery rate of thallium was 99.0%.
[0034]
(Example 2)
In the same manner as in Example 1, the liquid volume was concentrated to about 1/5 by the RO membrane device, and then thallium was removed to 0.01 mg / L with the above-mentioned adsorbent. Subsequently, the liquid was fed again to the RO membrane device, so that the thallium concentration in the waste liquid was less than 0.001 mg / L. In this case, the amount of adsorbent required in the metal adsorbent tank could be reduced to about 1/3 compared with the conventional method. The thallium recovery rate was 99.0%.
[0035]
[Another embodiment]
(1) In the above embodiment, an example in which an RO membrane device is used as a method for separating and concentrating thallium in a thallium-containing solution has been shown, but instead, it may be concentrated by the following method. That is, as shown in FIG. 3, the thallium-containing liquid is fed to the heating and concentrating device 9 to evaporate and concentrate the thallium (evaporation concentration step: A ′), and this evaporated and concentrated liquid is supplied to the metal adsorbent filling tank 3. Method of feeding and adsorbing thallium (selective adsorption step: B), and passing the eluent through the metal adsorbent filling tank 3 that adsorbs thallium to elute the adsorbed thallium (metal elution step: C) It is. Also by this method, thallium can be recovered at a high recovery rate as in the above-described method with respect to a thallium-containing liquid having a low concentration. Distilled water obtained by heating and evaporating the thallium-containing liquid can be used not only for washing the column, but also for various uses in the factory, and may be discharged. In addition, what is necessary is just to perform the normal solid-liquid separation process for removing a deposit, when a solid precipitates when performing evaporation concentration.
[0036]
(2) Further, as a method for separating and concentrating thallium in the thallium-containing liquid, the thallium-containing liquid is fed to the heating and concentrating device to evaporate and concentrate the thallium, and then this residue is placed in the subsequent stage of the heating and concentrating device. You may employ | adopt the method of supplying and concentrating to the arrange | positioned RO membrane apparatus. Thereafter, processing is performed by the method described in the above embodiment. In this way, even if the thallium content in the thallium-containing liquid is considerably low, the thallium recovery rate can be effectively increased.
[0037]
(3) The thallium may be recovered as TlNO 3 by using a NaNO 3 solution as the thallium eluent in the elution step performed after water washing. In this case, it is preferable to use an acrylate-based resinous carrier having high acid resistance as the carrier.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a schematic overall configuration of a thallium-containing liquid processing apparatus according to the present invention. FIG. 2 is a flowchart showing a thallium-containing liquid processing method according to the present invention. Flowchart showing explanation
2 RO membrane device 3 Metal adsorbent filling tank
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