JP4444425B2 - ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種揮散性薬剤を大気中に徐々に揮散させるウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、寒天、ゼラチン、カラギーナンなどからなる水性ゲル基材に、香料を分散、保持させて、該香料を大気中に徐々に揮散させる水性ゲル薬剤揮散体組成物が知られており、室内、トイレなどの芳香消臭剤として使用されている。特に、親水性ウレタンプレポリマーを水性ゲル基材とするウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物は、その製造工程において加熱冷却する必要がなく、また、加熱による香料の蒸発や変質の防止を図ることができ、しかも多量の香料を保持できるなどの利点があるため広く使用されている。親水性ウレタンプレポリマーを使用したウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物としては、例えば、親水性ウレタンプレポリマーと溶剤からなるウレタンプレポリマー溶液に、香料水溶液を混合、撹拌して得られる組成物(特公昭61−34828号公報参照)や、親水性ウレタンプレポリマー、香料、界面活性剤、紫外線吸収剤、還元剤、及び水を含有した組成物(特開昭63−79661号公報参照)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物は、熱や光によって、ウレタン水性ゲルから水が分離する離水現象が生じるため、香料の揮散量が一定とならず、使用上の芳香持続性をもたないという問題があった。
また、上記組成物は、保存期間が経過するにつれて、ウレタン水性ゲルの強度低下や収縮といった劣化現象が生じるという問題もあった。
さらに、従来のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物は、その製造工程において、香料の揮散量を適宜調整した各種組成物を製造することは必ずしも容易ではなかった。
そこで、本発明は、熱や光によるウレタン水性ゲルの離水現象や劣化現象が発生せず、揮散性薬剤の揮散量を容易に調整することができるウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、親水性ウレタンプレポリマーを主とするウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物に、ポリオキシプロピレングリコール・モノエーテル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテル、及び、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールよりなる群から選択される1又は2以上のポリエーテル類を添加することにより上記課題を解決できることを見出し、かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)親水性ウレタンプレポリマー、(B)ポリオキシプロピレングリコール・モノエーテル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテル、及び、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールよりなる群から選択される1又は2以上のポリエーテル類、(C)揮散性薬剤、及び(D)水を含有することを特徴とするウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物を構成する(A)成分の親水性ウレタンプレポリマーは、分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有するプレポリマーであり、例えば、親水性ポリオールとポリイソシアネートを主成分とする組成物の反応生成物として得られる。
親水性ポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオール、二塩基酸とグリコールやトリオールとの縮合脱水反応によって得られる縮合系ポリエステルポリオール、ε−カプロラクタムの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール、グリコールとカーボネートとの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオールの1種又は2種以上が挙げられる。
かかる親水性ポリオールの平均分子量は、得られる(A)親水性ウレタンプレポリマーの水に対する溶解性とゲル強度の観点から、1,000〜10,000の範囲にあることが好ましい。
【0006】
次に、ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートの1種又は2種以上が挙げられる。
なお、上記親水性ポリオールとポリイソシアネートのOH/NCO比は、1/1.5〜1/4の範囲にあると、生成されたゲルの状態が良くなるので、好ましい。
【0007】
(A)成分の親水性ウレタンプレポリマーには、低臭気性、水溶性であって、該ウレタンプレポリマーと反応しない溶剤を加えることにより、該ウレタンプレポリマーの粘度を下げ、作業性、水分散性、ゲル質の均一性などを高めることができる。このような溶剤としては、ポリエチレングリコール、アセトニルアセトン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0008】
本発明では、(B)成分であるポリオキシプロピレングリコール・モノエーテル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテル、及び、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールよりなる群から選択される1又は2以上のポリエーテル類を添加することにより、熱や光によるウレタン水性ゲルの離水現象や劣化現象の発生を防止することができるという優れた効果が発揮される。(B)ポリエーテル類は、主鎖にエーテル結合をもち、平均分子量が200〜4000の高分子である。
また、ポリエーテル類の種類、添加量を適宜変えることにより、本発明組成物からの揮散性薬剤の揮散量を容易に調整することができる。
【0009】
(C)成分である揮散性薬剤は、ウレタンゲル中の水分の揮散に伴って大気中に揮散するものであればよく、アニス油、ベルガモット油、シトロネラ油、レモン油、ユーカリ油、ゲラニウム油、ラベンダー油、バラ油、ジャスミン油、ライラック油、オレンジ油、ネロリー油、ローズマリー油、ゼラニウム油などの天然香料、合成香料及びそれらの2種以上を混合した調合香料のほか、揮散性を有する各種の消臭剤、防虫剤、殺虫剤、除菌剤、忌避剤などが挙げられ、これらは1種でも2種以上でもよい。
また、本発明のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物には、上記(A)親水性ウレタンプレポリマー、(B)ポリエーテル類、(C)揮散性薬剤、及び(D)水のほかに、溶剤、界面活性剤、色素、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート材、酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で添加したものも含まれる。
【0010】
本発明のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物は、例えば、次のようにして製造される。(B)ポリエーテル類、(C)揮散性薬剤、及び(D)水を混合、撹拌した後、得られた液状混合物を(A)親水性ウレタンプレポリマーに混合、分散させる。そして、10分〜1日程度、常温で放置することにより、本発明のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物が得られる。該組成物中に占める(A)親水性ウレタンプレポリマー、(B)ポリエーテル類、(C)揮散性薬剤、及び(D)水の割合は、それらの総重量に対して、それぞれ3〜50重量%、1〜40重量%、0.01〜50重量%、10〜95重量%の範囲にあることが好ましい。かかる範囲以外のものにあっては、熱や光によるウレタン水性ゲルの離水現象や劣化現象の発生を有効に防止することが困難となる。
【0011】
【実施例】
次に、本発明について実施例により具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
下記表1に示した処方により、ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物を製造した。すなわち、(B)ポリエーテル類(下記▲1▼〜▲3▼をそれぞれ単独で使用)、(C)香料、(D)水、及び(E)溶剤を表1に示す処方により、混合、撹拌して液状混合物を得た。そして、(A)親水性ウレタンプレポリマーに、該液状混合物を分散させ、常温で2時間放置することにより、ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物を得た。
使用した各成分の明細は下記の通りである。
・(A)親水性ウレタンプレポリマー
I:ハイセルOH−8N(商品名、東邦化学社製)
II:ハイセルOH−822N(商品名、東邦化学社製)
・(B)ポリエーテル類
▲1▼ポリオキシプロピレングリコール・モノエーテル
ニューポール LB−625(商品名、三洋化成社製)
▲2▼ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテル
ニューポール 50HB−660(商品名、三洋化成社製)
▲3▼ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール
アデカプロニック L−42(商品名、旭電化社製)
・(C)香料
ラベンダー #9964(商品名、長谷川香料社製)
・(E)溶剤
ポリエチレングリコール200
【0012】
【表1】
【0013】
得られたウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物について、下記の試験を行った。
(安定性試験)
・40〜50℃の恒温槽に、2週間〜1ヶ月間、ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物を保存した後、観察を行い、ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物の熱安定性を評価した。
・フェードメータ(8400kJ/m2/40時間)にて、ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物に光を照射し、40時間照射後、観察を行い、ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物の光安定性を評価した。
(評価)
本発明に係る実施例では、いずれもウレタン水性ゲルから水が分離する離水現象や、ウレタン水性ゲルが収縮する劣化現象は認められず、本発明品は、熱安定性及び光安定性に優れることがわかった。一方、比較例では、いずれもウレタン水性ゲルから水がかなり分離し、また、ウレタン水性ゲルの収縮が起こり、激しい離水現象及び劣化現象が認められた。
【0014】
【発明の効果】
本発明のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物は、熱や光によるウレタン水性ゲルの離水現象や劣化現象の発生を防止することができる。
また、ウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物からの揮散性薬剤の揮散量を、添加するポリエーテル類の種類や量を変えることにより、容易に調整することができる。
Claims (2)
- (A)親水性ウレタンプレポリマー、(B)ポリオキシプロピレングリコール・モノエーテル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテル、及び、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールよりなる群から選択される1又は2以上のポリエーテル類、(C)揮散性薬剤、及び(D)水を含有することを特徴とするウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物。
- (A)親水性ウレタンプレポリマー、(B)ポリオキシプロピレングリコール・モノエーテル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテル、及び、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールよりなる群から選択される1又は2以上のポリエーテル類、(C)揮散性薬剤、及び(D)水の割合が、それらの総重量に対して、それぞれ3〜50重量%、1〜40重量%、0.01〜50重量%、10〜95重量%の範囲にある請求項1記載のウレタン水性ゲル薬剤揮散体組成物。
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