JP4443905B2 - ナットとその操作装置 - Google Patents
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Description
前記雌型係止部材の前進位置を保持して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材が、その軸方向へ移動することを阻止するようにロックしたり、
このロックを解除して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材の、その後方への移動のみを可能とするロック手段を設けたことを特徴とするナットである。
前記雌型係止部材の前進位置を保持して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材が、その軸方向へ移動することを阻止するようにロックしたり、
このロックを解除して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材の、その後方への移動のみを可能とするロック手段を設けたナットの操作装置であって、前記ロック手段におけるロック部材のロック操作と解除操作を自動的に行う操作手段を設けたことを特徴とするナットの操作装置である。
しかも、このように無回転で前進方向へ移動できるナットにおいて、このナットを、付勢手段によって常時前方へ付勢された状態で使用する場合に、ロック手段によってナット内の雌型係止部材をロックすることにより、そのナットを、これが前記の付勢力によっては前進移動しないように保持させることができる。
また、本発明のナットの操作装置によれば、前記のロック操作とその解除操作が自動的に行えて至便である。
ナット1を構成するケーシング2は筒状、例えば外周面が円形或いは多角形の筒状に形成されている。図の例では外周面が円形に形成されている。
前記テーパ穴6は前側Bから後側Cに向かって内径が徐々に拡大するテーパ面8に形成され、バネ室7は円筒状に形成されている。
なお、前記実施例では付勢手段としてコイルバネ16を使用したが、この付勢手段はコイルバネ以外にウレタン、ゴムなどの弾性体を用いてもよい。
前記雌型係止部材10、図の例では3個の雌型係止部材10のうちの1個の雌型係止部材10には、その外周面に係止溝17が形成されており、その前面が係止部17aになっている。
図4及び図5に示すように、ロック部材23がケーシング2に備えられ、かつ、そのロック部材23を上動してそのロック片24を係止溝17より離脱させた状態で、そのナット1を図8に示すように雄ねじ体であるボルト40に挿通設置する。なお、このナット1の挿入は、図8の固定端41がない状態のボルト40の右端から、ナット1を、その挿入口3側から挿入して左側(矢印A方向)へ移動させる。
また、本発明のナット1は、前記図8のような部材43,44の押圧保持のみに用いるものではなく、その他、種々な使用に用いることができるものである。例えば、ロック片24を係止溝17に嵌合して、雌型係止部材10とボルト40との螺合状態を保持することにより、ナット1をボルト40の所望の位置に停止させたり、また、通常のナットのように、ナット1を正逆に回転して前後に移動させることもできる。
例えば図8において、第1の部材43を取り除いた後にロック部材23のロック片24を係止溝17から離脱させると、バネ42の付勢力によりナット1が矢印A方向に移動する。このナット1が第2の部材44に当接する時点において、ロック部材23の第1操作片25を矢印D方向へ案内するテーパ面45を有するロック操作部材46からなるロック操作手段を設けることにより、ロック片24が自動的にケーシング2側へ移動し、自動的にロックされる。なお、停止したナット1に対してロック操作部材46側をナット1側へ移動させてもよく、相対的に移動すればよい。
本第2実施例は、前記第1実施例におけるロック部材とロック保持手段の変形例である。
本第2実施例において、図9に示すように、操作板53を、そのフック部55を溝56から外して一端54を中心として開くと、バネ52の付勢力によってロックピン51が係止溝17から離脱し、雌型係止部材10のロックが解除される。
本第3実施例は、前記第2実施例における操作板53の変形例である。
ロック保持手段を構成する操作板61の前側にはフック部62が形成され、後側にはフック部63が形成され、該操作板61を図12に示すように前進させると、後側のフック部63がケーシング2に形成した溝64に弾力的に嵌合し、操作板61を図13に示すように後退させると、前側のフック部62がケーシング2に形成した溝65に弾力的に嵌合するようになっている。
本第3実施例においても前記のように操作板61を操作してロックピン51によるロック操作とその解除操作を行うことにより、前記第1実施例と同様の作用、効果を発揮する。
本第4実施例は、前記第2実施例の操作板53の変形例である。
前記ケーシング2には弾性を有する板材からなる操作板71が、その一端72をケーシング2の前側に嵌合して備えられている。該操作片71の他端側には門形の係止板73,74が一体に形成され、その先部にフック部75,76が形成されている。また、ケーシング2の外面には軸方向に嵌合溝77,78が形成されている。
本第4実施例においても、前記のように操作板71を操作してロックピン51によるロック操作とその解除操作を行うことにより、前記第1実施例と同様の作用、効果を発揮することができる。
本第5実施例は、前記第1実施例におけるロック手段の変形例である。
前記ケーシング2には、軸方向X−Xに沿った長穴81が形成され、該長穴81の後側は開口され、前側には所定の位置から周方向に屈曲してなるストッパ溝82が連設されている。該所定位置とは、前記雌型係止部材10が前記のように雄ねじ体(ボルト)40と噛合した状態における雌型係止部材10の前面位置である。なお、この長穴81とストッパ溝82と同様の長穴81aとストッパ溝82aが、図20に示すように、ケーシング2の軸芯を中心として点対称的に形成されている。
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
また、前記の雌型係止部材10は1個でもよい。
2 ケーシング
5 挿通穴
6 テーパ穴
8,11 テーパ面
10 雌型係止部材
12 雌ねじ
16 付勢手段
17 係止溝
17a 係止部
18 挿入穴
23 ロック部材
46,58 ロック操作部材
47,59 ロック解除操作部材
51 ロックピン
53,61,71 ロック保持手段である操作板
81 長穴
82 ストッパ溝
83 環状の当接部
84 操作部
85 ロック部材
Claims (7)
- ケーシング内に雄ねじ体を挿通する挿通穴を形成するとともに該挿通穴の一部を後側が拡径するテーパ穴に形成し、該テーパ穴に、内面に雌ねじを形成した雌型係止部材を前後移動可能に備えるとともに該雌型係止部材を前方へ付勢し、雌型係止部材が、その前方への移動により挿入された雄ねじ体に噛合し、後方への移動により雄ねじ体と離間するようにしたナットにおいて、
前記雌型係止部材の前進位置を保持して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材が、その軸方向へ移動することを阻止するようにロックしたり、
このロックを解除して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材の、その後方への移動のみを可能とするロック手段を設けたことを特徴とするナット。 - 前記ロック手段を、前記雌型係止部材に係止部を形成し、雌型係止部材の前進状態においてその係止部が位置する部分のケーシングに挿入穴を形成し、該挿入穴を通じてロック部材を前記係止部に係合してロックしたり、係止部から離脱させてロックを解除するように構成した請求項1記載のナット。
- 前記ケーシングに、前記ロック部材のロック状態を保持したり解除できるロック保持手段を備えた請求項1又は2記載のナット。
- 雌型係止部材の前進状態において該雌型係止部材の後面が位置する部分のケーシングに、周方向に形成したストッパ溝と、該ストッパ溝の一端側からケーシングの軸方向に沿ってケーシングに形成した長穴と、ケーシング内において前記雌型係止部材の後面に当接する環状の当接部と、該当接部に固設されて前記長穴から外部へ突出するとともに長穴とストッパ溝に摺動可能な操作部を有するロック部材とによりロック手段を構成した請求項1記載のナット。
- ケーシング内に雄ねじ体を挿通する挿通穴を形成するとともに該挿通穴の一部を後側が拡径するテーパ穴に形成し、該テーパ穴に、内面に雌ねじを形成した雌型係止部材を前後移動可能に備えるとともに該雌型係止部材を前方へ付勢し、雌型係止部材が、その前方への移動により挿入された雄ねじ体に噛合し、後方への移動により雄ねじ体と離間するようにし、
前記雌型係止部材の前進位置を保持して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材が、その軸方向へ移動することを阻止するようにロックしたり、
このロックを解除して、雌型係止部材と雄ねじ体が相対的に無回転の状態において、雌型係止部材の、その後方への移動のみを可能とするロック手段を設けたナットの操作装置であって、前記ロック手段におけるロック部材のロック操作と解除操作を自動的に行う操作手段を設けたことを特徴とするナットの操作装置。 - 前記ロック手段におけるロック部材のロック操作を、ナットの前進側にロック操作部材を設け、ナットとロック操作部材との相対移動により、ロック操作部材によってロック部材をロック方向へ移動してロック操作を行うようにした請求項5記載のナットの操作装置。
- ナットの外部にロック解除操作部材を設け、前記ロック手段によるロック状態において、ロック解除操作部材をロック手段に係合させてロック手段の解除を行うようにした請求項5又は6記載のナットの操作装置。
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