JP4443723B2 - 面光源素子およびそれを用いた表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータ、コンピュータ用モニタ、ビデオカメラ、テレビ受信機、カーナビゲーションシステム、広告用看板などに利用される面光源素子およびこれを用いた直視型の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネル、広告用看板等に代表される透過型表示装置は、面状に光を発する面光源素子(バックライト)と画像情報を与える表示パネルとで構成され、該表示パネルが与えた画像情報により光の透過率がコントロールされることによって文字および映像が表示される。バックライトとしては、ハロゲンランプ、反射板、レンズ等が組み合わされて出射光の輝度の分布が制御されるもの、蛍光管が導光体の端面に設けられ、蛍光管からの光が端面と垂直な面から出射されるもの、蛍光管が導光体の内部に設けられたもの(直下型)などが挙げられる。ハロゲンランプを利用したバックライトは、高輝度を必要とする液晶プロジェクタに主に用いられる。一方、導光体を利用したバックライトは薄型化が可能であるため、直視型の液晶TV、パーソナルコンピュータのディスプレイなどに用いられることが多い。また、直下型のバックライトは構造が単純なため大型の広告用看板などに用いられることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
液晶TV、ノートパソコンなどに用いられるバックライトでは、消費電力を軽減すること、および高輝度であることが要求されている。高輝度化を実現することは、冷陰極管などの光源を増やすことで可能であるが、この方法は消費電力の増加につながるため実用的ではない。
【0004】
そこで、光源、導光体、マイクロプリズムアレイを用いた面光源素子が提案されている(USP5,396,350号参照)。しかし、この面光源素子は、導光体内を伝播する光が伝播されるに従い光が出射されていくため、マイクロプリズムアレイ間隔が一定の場合には、光源から離れるに従い輝度が低下するという問題点を有している。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、面内の均一性を保つ高輝度な面光源素子を提供することを目的とする。また、本発明は、この面光源素子を利用した、高い輝度と均一な面内輝度を有する表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の面光源素子は、光源と、リフレクタと、リフレクタで反射された光源からの光が両端面から入射される導光体と、出射面からの光を出射面の正面方向に向かわせるための複数のストライプ状凸部が導光体と対向する面に設けられた出射光制御板とを備え、該出射光制御板が凸部の頂部で導光体の出射面と密着してなる面光源素子において、該凸部のピッチが中央部で小、入射端面側で大となるように略連続的に変化しており、導光体厚みをT、出射光制御板の光の進行方向の長さをL、中心部での凸部のピッチをP1、入射端面側での凸部のピッチをP2とすると、
10 ≦ (L/T)×(P1/P2) ≦ 30
であることを特徴とすることで得られる。これは、凸部の大きさが一定のため、凸部同士の間隙を中央部で小さく、端面側で大きくすることで実現される。ここで光の進行方向は、導光体の出射面に平行で、かつ光源の発光面(光源の発光面とは、例えば図1に示すような円筒状の蛍光管が光源の場合はその外周部である。)に垂直な方向である。
【0007】
また出射光制御板の中央から両端面方向への座標と凸部のピッチとの関係を表す関数が略下に凸であることがより均一な輝度分布が得られる点で望ましい。また出射光制御板の凸部のピッチが中央部寄りに一定である領域を有していてもよい。さらに、互いに隣接している凸部のピッチの変化量は出射光制御板中央部における凸部ピッチの4%以下であることが望ましい。
【0008】
これらの面光源素子の発光面上に透過型表示素子、印刷フィルムまたは散乱機能を有する成形体を設けることで高輝度で輝度が均一な表示装置を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の面光源素子の1例の概略構成図を示す。この面光源素子は、端面1側に光源2が設けられた導光体3と、導光体3から出射された光の出射角度の分布を制御する出射光制御板4から成っている。出射光制御板4は導光体3上に配置され、入射面5に入射した光が出射面6から出射される。出射光制御板4の入射面5には、図2に示すような多数の凸部7が形成されており、この凸部7の頂部と導光体3の出射面とが密着している。これら両者は、図示していない接着層または粘着層を介して密着させることができる。本発明における凸部は1次元パターンであり、光源が配置されている側の導光体端面1と平行になるように凸部の稜線が配置されている。光源2の周囲には、導光体端面側と反対方向に進む光を反射し、導光体端面側に進行させるリフレクタ8が設けられている。
【0010】
光源から導光板端部へ入射した光は導光体内を全反射を繰り返し伝播していく。この伝搬光が導光板の出射面と出射光制御板の凸部との密着部から出射光制御板に取り込まれる。これにより、導光体内を伝搬する光は密着部から順次、出射光制御板に取り出され、取り出された光は出射光制御板の凸部内で全反射されながら出射される。このため光源から離れるに従い導光体内の伝搬光は減少していく。輝度の面内分布を均一化するためには、全面積に対する密着部の面積の割合を光源付近で小さく、中央部で大きく、つまり出射光制御板の凸部のピッチを中央部で小さく、周辺部で大きくする必要がある。ここで凸部のピッチが過度に不連続に変化した場合には、輝度も不連続に変化するため、外観品位が低下する。このため凸部のピッチを略連続して変化させることで、外観品位を向上させることができる。
【0011】
図3に本発明に係る出射光制御板の中央から端面方向への座標と凸部のピッチとの望ましい関係を示す。この図に示すように、出射光制御板の中央からの座標と凸部のピッチの関係を表す関数が略下に凸(関数の2階微分が負の値を持つことを意味する。)であることがより均一な輝度分布が得られる点で望ましい。凸部のピッチの変化量が大きい場合には、その部分がライン状の輝度むらとなって見えるため、該変化量は小さいほどよい。本発明者らが検討した結果、該変化量は出射光制御板中央部における凸部ピッチの4%以下であることが望ましいことが判った。
【0012】
さらに本発明者らは、凸部のピッチを様々に変えた出射光制御板に対して各種導光体と組合わせたときの特性について検討した。この結果、導光体厚みをT、出射光制御板の光の進行方向の長さをL、中心部での凸部のピッチをP1、入射端面側での凸部のピッチをP2とすると、
10 ≦ (L/T)×(P1/P2) ≦ 30 (1)
を満たした場合、特に良好な結果が得らることを見出した。
【0013】
また、光を効率よく取出し輝度を高めるためには、出射光制御板の凸部が多いほど、つまり凸部のピッチは小さいほど良い。このため図4に示すように、とりうる最小のピッチで一定となる領域を中央部付近に設け、それにあわせて端面側のピッチを決めることが有効である。すなわち、凸部底部の幅がP1に等しく凸部間同士の間隙がない領域があるのがよい。
【0014】
本発明の面光源素子に用いる導光体としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等の透明性に優れた樹脂またはガラスを所定の形状に加工したものを用いることができる。なかでもアクリル樹脂を用いるのが軽量性、透明性の点で好ましい。加工方法としては、押出し板またはキャスト板から切り出す方法、加熱プレス、射出成形等の溶融成形法などが好適に用いられる。
【0015】
また、出射光制御板の表面形状は、スタンパまたは雌金型などを用いて、熱プレス法、紫外線硬化による2P法、熱硬化によるキャスト法、射出成形法、押出し成形等によって透明な基材上に形成することができる。該透明な基材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂ポリスチレン樹脂等の樹脂またはガラスが用いられる。出射光制御板の作製に用いるスタンパは、例えばガラス基板上にネガ型あるいはポジ型の感光性樹脂をコーティングし、この感光性樹脂をフォトマスクを介して露光し、現像後、電鋳を行うことまたは金属板に直接切削加工することにより作製することができる。出射光制御板は板状である必要はなく、フィルム状であってもよい。ここで凸部の断面は台形、放物線、楕円、またはこれらの組合わせからなる形状を用いることができる。
【0016】
上記の出射光制御板と導光体の貼付けには、紫外線硬化型接着剤、ホットメルト接着剤等の接着剤、粘着材および両面テープなどから透明性に優れるものを選択して用いることができる。
【0017】
上記の通り説明した面光源素子を用い、その出射面に透過型の表示素子を設けることで、直視型の表示装置を構成することができる。この透過型表示素子としては、STN、TFT、MINIなどの液晶パネルが挙げられる。また、透過型の表示素子の代わりに、透明または乳半フィルム上に印刷を施した印刷フィルム、あるいは着色プラスチックの成形品等を用いて、広告看板、情報掲示板等の直視型の表示装置を構成することができる。
【0018】
【実施例】
まず、切削加工により表1に示す各種出射光制御板の金型を作製した。厚さ200μmのポリカーボネートフィルムを基材として、その上にアクリル系の紫外線硬化樹脂を100μm塗布し、金型に押し当てた後、フィルム側から紫外線を照射することにより、出射光制御板を得た。凸部のピッチが表1に示すように配された6種の出射光制御板を以下の評価に用いた。
【0019】
【表1】
【0020】
アクリル板を所定の大きさに切り出して導光体とした。導光体の入射側端面の長さは300mmで、図5に示す厚さ(T)と光の進行方向の長さ(L)の関係は表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
上記の導光板の片面に紫外線硬化型接着剤を塗布し、表2の組み合わせで出射光制御板を凸部の頂部が導光体と接触するように貼り合わせた。これに図1のごとく冷陰極管およびリフレクタを取り付けて面光源素子を得た。この面光源素子の面内輝度均一性を目視により評価した結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
この結果から、P1/P2=1つまり出射光制御板の凸部のピッチに変化がない場合は輝度ムラが目視で認識でき外観上不良であった。また、出射光制御板の凸部のピッチを変化させた場合においては、(1)式を満たす組合わせのときに、輝度ムラを目視で認識することがなく、特に優れた面内輝度均一性が得られた。
【0025】
【発明の効果】
本発明の面光源素子によれば、面内の輝度均一性が良好で高輝度な面光源素子を得ることができる。また、この面光源素子を利用した表示装置は高い輝度と均一な面内輝度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面光源素子の概略構成図である。
【図2】本発明の出射光制御板における凸部の拡大断面図である。
【図3】本発明の出射光制御板における中央から端面方向への座標と凸部のピッチとの関係を示すグラフである。
【図4】本発明の出射光制御板において中央部の凸部のピッチを一定とした場合の中央から中央から端面方向への座標と凸部のピッチとの関係を示すグラフである。
【図5】導光体厚み、出射光制御板の長さを示す図である。
【符号の説明】
2…光源、3…導光体、4…出射光制御板、7…凸部、8…リフレクタ
Claims (8)
- 光源と、リフレクタと、リフレクタで反射された光源からの光が両端面から入射される導光体と、出射面からの光を出射面の正面方向に向かわせるための複数のストライプ状凸部が導光体と対向する面に設けられた出射光制御板とを備え、該出射光制御板が凸部の頂部で導光体の出射面と密着してなる面光源素子において、該凸部のピッチが中央部で小、入射端面側で大となるように略連続的に変化しており、導光体厚みをT、出射光制御板の光の進行方向の長さをL、中心部での凸部のピッチをP1、入射端面側での凸部のピッチをP2とすると、
10 ≦ (L/T)×(P1/P2) ≦ 30
である面光源素子。 - 出射光制御板の中央から両端面方向への座標と凸部のピッチとの関係を表す関数が略下に凸である請求項1に記載の面光源素子。
- 上記凸部のピッチが中央部寄りに一定である領域を有する請求項1または2に記載の面光源素子。
- 互いに隣接している上記凸部のピッチの変化量が出射光制御板中央部における凸部ピッチの4%以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の面光源素子。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の面光源素子の発光面上に透過型表示素子を設けた表示装置。
- 透過型表示素子が液晶表示素子である請求項5に記載の表示装置。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の面光源素子の発光面上に印刷フィルムを設けた表示装置。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の面光源素子の発光面上に散乱機能を有する成形体を設けた表示装置。
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