JP4443533B2 - サンプリング周波数変換装置における位相管理装置 - Google Patents

サンプリング周波数変換装置における位相管理装置 Download PDF

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本発明はサンプリング周波数変換装置における位相管理装置に関し、特にサンプリング周波数が異なる複数の変換対象の間において、雑音の発生を低減し且つ演算量や保持するデータ量が制約される用途に利用されるサンプリング周波数変換装置の位相管理装置に関するものである。
音声信号をデジタルデータ化する際、サンプリング周波数を上げで帯域を広げることで高音質化が可能であるが、その一方でサンプリングによるデータ量が増加する。そのため、例えば音楽用CDは44.1KHz、DATは48KHz、携帯電話の通話用音声コーデックは8KHzというように、それぞれの音声信号に要求される用途や品質等に応じてサンプリング周波数を変えることが一般的に行われている。
ところで、上記のような複数のサンプリング周波数の再生系を各別に用意することなく、一つの再生系で再生したり又は別の再生系に合わせたデータへ再編成するために、従来から「サンプリングレートコンバータ」と呼ばれる音声信号のサンプリング周波数変換装置が用いられてきた。
サンプリング周波数変換装置は、あるサンプリング周波数でデジタルデータ化された音声信号データ列を、再生側のサンプリング周波数の1/2の周波数(ナイキスト周波数)で帯域制限し、さらに補間や間引き(デシメーション)等の処理を行なって再生側のサンプリング周波数に応じた音声信号データ列を生成する装置である。
なお、サンプリング周波数変換装置は単体の装置としても実現されているが、他の機能を持つ装置の一機能として、例えばパーソナルコンピュータのアプリケーションプログラムの一部や音声録音機器の機能の一部としても実現されている。
サンプリング周波数の変換(以下「Fs変換」と言う)における基本的な手法としては、アップサンプリングの際にインターポーレータ等を用いて「0」値補間と平滑フィルタリングとによりm倍のサンプリング周波数に変換することや、ダウンサンプリングの際にはデシメータ等を用いた帯域制限及び間引き処理によってn分の1のサンプリング周波数に変換することが行なわれる。
例えば、入出力周波数の比が簡単な整数比(1:n)からなるアップサンプリングの場合には、各元データ(入力データ)の間にn−1個の「0」値を挿入した後に入力サンプリング周波数(Fs)のナイキスト周波数でローパスフィルタをかけることでFs変換を行なう。
一方、入出力周波数の比が簡単な整数比(n:1)からなるダウンサンプリングの場合には、ローパスフィルタをかけた後の入力データからn個おきにサンプルを採取することでFs変換が行なわれる。一例として、Fs=48KHzから24KHz への変換では帯域を1/2に制限するローパスフィルタをかけた後に1/2にデシメーションすればよい。
また、上記手法を多段に組み合わせることによってm:nの有理数比でサンプリング周波数の変換を行うことも可能である。この場合のフィルタとしては、一般に線形位相特性に優れることや間引きに対応するサンプルの演算を省略できるという特徴を備えたFIRフィルタが用いられる。
図1は、48KHzから44.1KHzへFs変換する一例を示したものである。
図1において、先ずインターポーレータ10によりサンプリング周波数を21倍にオーバーサンプリングして(48×21=1008KHz)、それをローパスフィルタ11及びデシメータ12によって20分の1にデシメーションする(1008÷20=50.4KHz)。
さらに、インターポーレータ13によりサンプリング周波数を7倍にオーバーサンプリングして(50.4×7=352.8KHz)、それをローパスフィルタ14及びデシメータ15によって8分の1にデシメーションする(352.8÷8=44.1KHz)ことで所望のサンプリング周波数44.1KHzのデータ列に変換される。
また、アップサンプリングの手法として、オーバーサンプリングしたFIRフィルタと直線補間とを用いる手法がある。図2には、その一例として64倍にオーバーサンプリングしたFIRフィルタと直線補間とを用いた場合を示している。図2の(a)の右側に示すように、入力データ列i4(n=0)の近傍を拡大すると、その前後にオーバーサンプリングされて入力サンプリング周期Tの64分の1の時間間隔を有する2つのFIR係数fk(k=64×4+x、k=64×4+x+1)が存在する。
ここで、xは前記ずれτを64で除算した整数部の値であり、入力データ列i4に直接対応するFIR係数fk(k=64×4)からx番目のFIR係数fk(k=64×4+x)であることを示す。また、mは前記ずれτを64で除算した小数部の値(0m<1)である。
図示するように、入力データ列i4は、2つのFIR係数値fk(k=64×4+x、k=64×4+x+1)の間にあり、その正確な位置はそれらを内分する比(m:1−m)で与えられることから、入力データ列i4のFIR係数値(k4で示す)は前記2つのFIR係数値fkを値mに応じて直線補間することにより求められる。図2の(b)には、上記手法により入力データ列inと直線補間により求めた対応するFIR係数とを用いて正確な出力Qnを得る式を示している。
しかしながら、図1の手法によれば、48KHzから44.1KHzへ変換する際に、21倍→1/20倍→7倍→1/8倍というオーバーサンプリングとデシメーションが必要となり、ローパスフィルタもそれらの各段において用いなければならなかった。
その結果、変換比を多種類用意し、デシメートの間引き数やインターポレートの「0」値挿入個数を決定し、必要ならそれらの順序を変える、等の係数設計に要する時間が増大し、またそれを実現する回路規模も大きくなる等、処理コストが上昇するという問題があった。
この場合、1回のオーバーサンプリング(441倍)と1回のデシメーション(480分の1)で処理することも考えられるが、本例のように変換比が有理数であってその分子及び分母の値が大きくなると、処理の途中でFsが非常に高くなってそれを処理するDSP等の時間当たりの演算量が大幅に増大するという問題があった。これを回避するため、結局は図1の例で示したように多段階のインターポレートとデシメートの処理を繰り返す必要があった。
また、図2の手法によるFIRフィルタを用いた補間では、次数×オーバーサンプリング比だけの係数を必要とするため、非常に多くの係数メモリを必要とし、入出力Fs比が異なればそのたびに係数を計算しなおす必要がある等の問題があった。図2の例でいえば、FIRの点数が7でオーバーサンプリングが64倍であるため、448点もの係数を算出して保持する必要があった。
図8には、代表的なオーディオ信号のサンプリング周波数(Hz)とそれら任意の組合せによる入出力サンプリング周波数の変換比r=入力Fs/出力Fsを示している。例えば、入力サンプリング周波数が96000Hzで出力サンプリング周波数が48000Hzの場合の変換比はr=2である。なお、図中で各太線枠内の各々の変換比rの値は、隣接する斜め下方の太線枠内の各々の値と同じくなる。従って、変換を行わないr=1の場合を除いて全ての組合せにおいて48種類もの変換比rの値が存在する。
オーディオデータを処理し再生する際には、1種類のサンプリング周波数のみに対応して入力が固定されており、それに使用するDAコンバータも決まっているような場合には、従来のオーバーサンプリングとFIRフィルタを用いた処理で実行可能である。
すなわち、特定のサンプリング周波数に対応したDA変換器、帯域制限フィルタ等を用いてAD変換を行いアナログ信号を介してデータ変換を行うか、固定された係数を有するFIR型フィルタを用いて帯域制限及び補間を行うか、さらには直線補間を施す等の処理が可能である。
しかしながら、オーディオデータ再生処理を行うDSPなどでソフトウェア的に信号を処理する場合は、図8に示したように入力として受け付けるフォーマットを出来るだけ広範囲なものとし、入力データのサンプリング周波数を固定しない方が望ましい。特に、このようなDSPはMP3プレーヤや携帯電話等のさまざまな機器に搭載される場合がある。
このような機器では、一般に音質に対する要求の差や目的の差に応じて、さまざまなサンプリング周波数のDAコンバータが使用されており、上記DSPをこれらの機器に搭載できるようにするためにも、種々の入出力サンプリング周波数の比に対応でき、プログラムの構造や係数の変更が少なくて済むサンプリング周波数変換装置を低演算量で実現することが望ましい。
なお、FIR型フィルタを用いて帯域制限と補間を行う方法は例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションでデータ変換を行う場合など、計算資源の制約が少ない場合や変換すべきサンプリング周波数の種類が少ない場合には依然有効である。
そこで本発明の目的は、上記種々の問題点に鑑み、異なるサンプリング周波数のデータ変換を全てDSP等を用いたデジタル形式で処理するサンプリング周波数変換装置における位相管理装置を提供することを目的とする。これにより、アナログ信号を介してデータ変換を行う場合の外来雑音の影響を除去し、複数のサンプリング周波数に対応させた場合の部品点数の増加が防止される。従って、携帯電話機等の小型化が要求される機器への組み込む用途にも適用し得る。
また本発明では、IIR型フィルタを用いて帯域制限を行い且つ多項式補間を行なうサンプリング周波数変換装置を提供する。これにより、FIR型フィルタと「0」値挿入とを用いた畳み込み演算による補間方式における演算量や係数データ数の増大が防止される。
さらに本発明の目的は、位相データが有限語長であるために生ずる変換前と変換後のサンプリング周波数比に基づく位相誤差の累積加算を防止したサンプリング周波数変換装置における位相管理装置を提供することを目的とする。これにより、位相加算を繰り返すことで発生するノイズが低減される。
本発明によれば、デジタル音響信号データのサンプリング周波数変換における位相管理装置であって、デジタル音響信号データのサンプリング周波数変換による入力位相と出力位相の間の対応関係を維持すべく、変換前のサンプリング周波数と変換後のサンプリング周波数とにより定まる所定周期毎に、前記入力位相の累積位相誤差であって所定値以下のものを初期化する位相管理装置が提供される。
位相管理装置は、前記所定周期毎に、累積加算される入力位相の位置データ誤差を出力巡回数に応じて初期化する。
本発明によれば、入出力周波数比が変更された場合でも、累積加算される入力位相の位置データ誤差が出力巡回数に応じて初期化されるため、小規模な回路と演算により各種製品へのサンプリング周波数変換器の導入が容易に実現される。
図3は、本発明によるサンプリング周波数変換装置の基本構成を示したものである。図3の(a)はダウンサンプリングの構成例を、そして図3の(b)はアップサンプリングの構成例をそれぞれ示している。
ダウンサンプリングとアップサンプリングとでは、IIRフィルタ20、23と2次多項式補間部21,23との位置が逆転している。これは前者が高いサンプリング周波数の入力データ列から事前に高周波雑音成分を除去することで、ダウンサンプリングの際に発生する折り返し雑音を未然に防止しておく必要があるからである。一方、後者は低いサンプリング周波数の入力データ列をアップサンプリングした後の高いサンプリング周波数の出力データ列により発生する折り返し雑音を防止する必要があるからである。
本発明によるサンプリング周波数変換装置では、IIR型フィルタ20、24を帯域制限フィルタとして使用し、且つ畳み込み演算ではなく2次多項式補間部21、23で多項式補間を行う。これにより、演算量や係数データの数が従来例に比して顕著に減少し、その結果携帯電話や玩具等の演算量や保持するデータ量に制約のある用途にも十分適用し得るサンプリング周波数変換装置が実現できる。
図4には、4次のバイカッド(Biquad)型フィルタで構成したIIRフィルタ20、24の例を示している。このように、IIRフィルタ20、24としては一般に2次のバイカッド型IIRフィルタを基本単位としてそれを多段に縦続接続(本例では2段縦続接続)することで任意の次数のIIRフィルタが構成される。一例として、従来のFIRフィルタで構成された7次のローパスフィルタと同等の特性を4次のIIRフィルタで構成することができる。なお、図示したIIRフィルタの構成自体は公知のものであり、ここではその動作について説明しない。
帯域制限にIIRフィルタを使用することで、比較的少ないフィルタの次数で急峻な帯域制限特性が得られ、また種々の用途に応じてフィルタの次数を容易に増減可能となる。なお、IIRフィルタは線形位相を有しないという理由から従来はサンプリングレートコンバータに用いられることは少なかったが、一般のユーザがオーディオデータを聴取する場合に、IIRフィルタによって信号波形に位相歪みが生じても、人間の聴覚は位相遅延に敏感でないため問題とならない場合が多い。また、電子楽器、携帯電話、玩具、簡易な音楽プレーヤ等には厳密な特性を要求しない商品も多数存在しており、それらにIIRフィルタを用いる実益は大きいと考えられる。
図5は、本発明による2次多項式補間部21、23の動作説明図である。
図5において、入力タイミングがn、n+1、及びn+2番目の3つのサンプル値をそれぞれA,B,Cとした場合に、出力すべきタイミングが入力タイミングnとn+1番目の間でそれをm:1−mに内分する2次多項式補間の例を示している。この時の出力値Yは、下記に示すmに関する2次式多項式で求まる。
Y=A+(B−A)m+(A/2−B+C/2)(m−1)m
図6には、直線補間、2次補間、及び3次補間の各周波数特性の比較例を示している。Fsの変換に際しては元のサンプルになかった点が補間されるため、それによる周波数成分の折り返し雑音が発生する。以下では、1次補間(直線補間)、2次補間、及び3次補間の各周波数特性を比較する。
図6において、従来の直線補間を用いる1次補間(点線で示す)では、ナイキスト周波数のかなり手前から減衰が開始され、通過帯域の平坦特性が満足できない。また、3次補間(細い実線で示す)の場合には、ナイキスト周波数までの周波数特性はフラットに近く原音を損なわないが、図中の10ラジアン近傍特性のようにナイキスト周波数以上での減衰が十分とれなくなり、折り返し雑音に対して不利となる。さらに、図からは明確でないが通過帯域の肩近傍でゲインが1以上のオーバーシュートが生ずる点にも注意する必要がある。
これらに対して、本発明による2次補間(太い実線で示す)では、ナイキスト周波数付近の肩特性は1次補間と3次補間との中間値となるが、3次補間と比較してナイキスト周波数以上での減衰量(例えば、10ラジアン近傍の減衰特性、等)が最も大きく、全体としては原音の周波数特性を損なうことなく、折り返し雑音を最小に設定することができる。また、当然に2次補間処理に要するハードウェア資源や演算量は3次補間処理のものより有利である。
このように、2次補間によれば、1次補間及び3次補間よりも望ましい結果が得られる。すなわち、2次多項式を用いたインターポレートを用いることで、折り返し雑音の発生を最小限に押さえることができ、しかも原音の周波数特性を損なう程度が少ないという効果が得られる。さらに、以降で説明する本発明の位相管理を併用することで、多項式補間により任意の有理数比の入出力サンプルレートに容易に対応できるという顕著な効果も生ずる。
図7は、本発明による位相管理部22、25の動作原理を説明したものである。
一般に、出力しようとするサンプルの値を算出するためには、現在の出力が入力サンプルのどの位置を補間して得られるのかを常に把握しておく必要がある。そのため、本例では算出すべき出力サンプルが処理の開始から何番めであるかを「出力位相」と、そして入力サンプルが開始から何番めであるかを「入力位相」と呼ぶ。
出力位相は整数を考えればよいが、ある出力位相に対応する入力位相はサンプル周波数比によっては小数となり得る。ここでは、入力位相が小数になった場合にその整数部を「入力インデクス」、小数部を「内分比」と呼ぶことにする。さらに、サンプリング周波数変換比「r」をr=入力Fs/出力Fsと定義する。これにより、入力位相は出力位相から入力位相=出力位相×rで求まり、出力位相が1づつインクリメントして行くに連れて、入力位相も単純な掛け算又は出力位相までのrの累積加算で求まることになる。
しかしながら、実際にはハードウェア資源の制限等からサンプリング周波数変換比rは有限語長となり、出力位相の累積値が大きくなるにつれてrの誤差が出力位相の値分だけ拡大される場合が生じ得る。後述する出力巡回数が大きい場合の入力位相の算出においては、この誤差が累積して行くと入力サンプル位置と出力サンプル位置との間の正しい対応関係が取れなくなる場合が生じる。
このような場合を回避するため、一般に入力サンプリング周期と出力サンプリング周期の最小公倍数(LCM)から成る周期毎に入出力位相値をリセットする。それに対して本発明の位相管理では、前記最小公倍数から成る周期を用いるよりも出力サンプル数によってリセット時刻を管理する方が容易であるため、次の通り「入力巡回数」と「出力巡回数」という概念を新に導入する。
すなわち、入力Fsと出力Fsの最大公約数(GCM)を求め、それにより入力巡回数=入力Fs/GCM、そして出力巡回数=出力Fs/GCMと定義する。この定義により、ある入力と出力のサンプルが同時刻にスタートしたならば、出力サンプルが出力巡回数に達した時点で入力サンプルが入力巡回数に達することになる。
語長制限の無い有理数のサンプル周波数変換比rを用いた場合には、この時点で入力位相の値も整数になる。しかしながら、実際にはサンプル周波数変換比rの語長制限によって端数が生じるため、本発明では入力位相の小数部が0.5を越えていなければこれを四捨五入することにより誤差を排除する。
以降では、図7を参照して上述した本発明による位相管理の一例について説明する。
先ず、同時に出力位相と入力位相を0にリセットして入出力位相を同時刻にスタートさせる。ここでは、サンプル周波数変換比r=0.666・・・、そして入力巡回数=、及び出力巡回数=の場合を示している。
この場合、入力位相の誤差±αが最大になるのは出力が出力巡回数に達する時である。従って、誤差の最大値|α|はサンプル周波数変換比rに含まれる誤差×出力巡回数で与えられ、この場合の最大誤差は|α|となる。この誤差の値の絶対値が入力位相において0.5未満であれば、入力サンプル位置と出力サンプル位置との間の対応関係が崩れることはなく、それ以前のリセットによって誤差の蓄積が回避できる。
例えば、先に示した図8のFs変換比の中で、出力巡回数が最も大きいのは入力Fs=11025Hz及び出力Fs=32000Hzのときである。この時には前述した定義式からGCM=25、r=441/1280であり、出力巡回数は1280となる。ここで、サンプル周波数変換比rを16ビット符号無し固定小数点で表すと、その最下位ビットが誤差範囲となる。一方、210<1280<211という関係から、誤差は最下位から12ビット目までに収まることになる。
その結果、サンプル周波数変換比rを累積加算して行く場合に、各小数部と整数部とをそれぞれ別の変数として保持して各々の加算を16ビットの演算精度で行い、且つそれに本発明によるリセット処理を併用することによって、誤差の無い補間演算が保証される。従って、出力巡回数が1280以下のFs変換、すなわち図8の全てのFs変換、について、入出力バッファのサイズの制約等や演算誤差の累積を考慮する必要がなくなる。
このように、本発明による位相管理を用いれば、サンプリング周波数変換前後のサンプリング周波数に応じた周期で、位相データのうち少なくとも下位ビットをリセットする機能によりノイズの発生が抑制され、入出力巡回数という概念の導入により入出力バッファのサイズによる制約のすくない位相管理が可能になる。
以上述べたように、本発明によれば、入出力周波数比が変更された場合でも、累積加算される入力位相の位置データ誤差が出力巡回数に応じて初期化されるため、小規模な回路と演算により各種製品へのサンプリング周波数変換器の導入が容易に実現される。
従来のFs変換の一例を示した図である。 従来の別のFs変換の一例を示した図である。 本発明によるサンプリング周波数変換器の基本構成を示した図である。 本発明によるIIRフィルタの一構成例を示した図である。 本発明による2次多項式補間の説明図である。 1次補間、2次補間及び3次補間の各周波数特性比較を示した図である。 本発明による位相管理の動作説明図である。 代表的なオーディオ信号の入出力サンプリング周波数の変換比を示した図である。
符号の説明
10、13 インターポーレータ
12、15 デシメータ
11、14 ローパスフィルタ
20、24 IIRフィルタ
21、23 2次多項式補間部
22、25 位相管理部

Claims (2)

  1. デジタル音響信号データのサンプリング周波数変換における位相管理装置であって、
    変換前のサンプリング周波数と変換後のサンプリング周波数との最大公約数で変換後のサンプリング周波数を除したものを出力巡回数と定義し、変換前および変換後のデータが処理の開始から何番目のデータであるかをそれぞれ入力位相および出力位相と定義するとき、
    出力位相の値が前記出力巡回数の倍数となるごとに入力位相の値の少数部を四捨五入することを特徴とする位相管理装置。
  2. 前記入力位相の値は、前記出力位相の値が1ずつインクリメントするごとに、変換後のサンプリング周波数に対する変換前のサンプリング周波数の比を累積加算することにより算出される請求項1記載の位相管理装置。
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