JP4443193B2 - 貼着用装飾体付シートの製造法、貼着用装飾体、及び貼着用装飾体付きシート - Google Patents

貼着用装飾体付シートの製造法、貼着用装飾体、及び貼着用装飾体付きシート Download PDF

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Description

本発明は、発光層を有する貼着用装飾体付きシート、該シートの製造法、及び発光層を有する貼着用装飾体に関するものである。本発明に係る貼着用装飾体は、一つの好ましい例では、身体貼着用装飾体であり、具体的には、装飾体は、爪あるいは付け爪に貼るネイルアート、肌に貼るボディーシール(ボディージュエリー)である。
従来から、蓄光層や蛍光層を設けることで発光機能を有するシート体は存在する。蓄光層は、蓄光顔料を含んだ蓄光インキをシート体に塗布することで形成される。蓄光顔料は、光照射によって光エネルギーを吸収し、暗所で発光する性質を持っている。蛍光層は、例えば、ブラックライト照射によって蛍光発光するいわゆるBL蛍光顔料を含んだBL蛍光インキをシート体に塗布することで形成される。BL蛍光顔料は、太陽光や蛍光灯の光では発光せずに、ブラックランプによりブラックライトを照射することで発光する性質を持っている。
繊維業界においても、生地に付着されるプリントに発光機能を付与することが行われている。プリントは、水性ウレタン樹脂及び、乾燥遅延剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤等の補助剤からなる捺染剤を生地に捺染することで形成される。プリントに発光機能を付与する場合には、粉末状あるいはペースト状の発光顔料を該捺染剤に混入させて捺染することでプリントを形成する手法が採られている。しかしながら、この手法によると、プリントを構成する樹脂内に発光顔料が混入されているので、該樹脂の膜によって発光顔料の光が遮られて光が鈍くなるという欠点があった。さらに、捺染剤の中の補助剤と発光顔料が反応を起こして酸化し、プリントが黒く変色する恐れがある等の不具合もあった。
本出願人は、繊維用のプリントが、耐水性、堅牢度に優れ、かつ、伸縮性を有することに着目して、シルクスクリーンプリントの技術を応用することで、貼着用装飾体を開発した。貼着用装飾体、特に、身体貼着用装飾体においては、発光機能を付与することで装飾体の装飾度を高めたいという要望があり、装飾体に発光層を形成することが検討された。しかしながら、従来の繊維業界の手法をそのまま採用するとすれば、上述のように、発光の度合いが低く、また、装飾体が変色してしまうといった問題があった。
ここで、発光機能を有するシート体を形成する場合には、シート体の最上層に有機溶剤系の蓄光インキやブラックライト用蛍光インキを塗布することで発光層を形成することが行われているが、この手法は、繊維業界におけるプリントには採用されていない。繊維用プリントでは常に洗濯堅牢度が要求され、発光層を表面に形成させたとしても、洗濯で発光層が脱落する等の問題があり、クレームの対象となる恐れがるからである。さらに、プリント用の捺染剤は、水性ウレタン樹脂を主材としており、水性ウレタン樹脂層の上に、有機溶剤系の発光インキを塗布すると、有機溶剤によって水性ウレタン樹脂層が溶解してしまうという問題があった。この問題は、捺染剤に発泡剤が混入されている場合には、顕著である。
実用新案登録第3029429号 実用新案登録第3034028号 特開平10−181996号
本発明の目的は、発光が良好な発光機能を備えた貼着用装飾体を提供することにある。本発明の他の目的は、発光層を有機溶剤系インキから形成する場合であっても、装飾体を構成する水性樹脂が溶解あるいは劣化することがない貼着用装飾体を提供することにある。
本発明が採用した技術手段は、スクリーン型を用いた貼着用装飾体付きシートの製造法であって、以下の工程を含むものである。離型シートの離型面上に粘着剤を捺染して粘着層を形成する工程;水性伸縮性樹脂を含む捺染剤を該粘着層上に捺染することで本体層を形成する工程;水性伸縮性樹脂及び酸化チタンを含む捺染剤を該本体層上に捺染することで酸化チタン含有緩衝層を形成する工程;該酸化チタン含有緩衝層上に有機溶剤系発光インキを捺染することで発光層を形成する工程;そして、該本体層、該酸化チタン含有緩衝層、該発光層を蒸発乾燥処理することで、該離型面上に粘着層、本体層、酸化チタン含有緩衝層、発光層を含む貼着用装飾体が形成されたシートを得る。
また、本発明が採用した貼着用装飾体は、粘着層と、該粘着層上に形成した水性伸縮性樹脂から構成された本体層と、該本体層上に形成した酸化チタンを含む水性伸縮性樹脂から構成された酸化チタン含有緩衝層と、該緩衝層上に形成した有機溶剤系発光インキから構成された発光層とから構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明が使用した貼着用装飾体付きシートは、離型シートと該離型シートの離型面上に剥離可能に設けられた貼着用装飾体からなり、該装飾体は、粘着層と、該粘着層上に形成した水性伸縮性樹脂から構成された本体層と、該本体層上に形成した酸化チタンを含む水性伸縮性樹脂から構成された酸化チタン含有緩衝層と、該緩衝層上に形成した有機溶剤系発光インキから構成された発光層とから構成されていることを特徴とする。
有機溶剤系発光インキは、蓄光インキ、蛍光インキ、ブラックライト照射により発光する蛍光インキ、燐光インキ、フォトクロミックインキを含み、これらの発光インキから構成される発光層は、蓄光層、蛍光層、燐光層、ブラックライト照射によって発光する蛍光層、フォトクロミック層を含む。これらの発光層は、有機溶剤系の発光顔料含有インクを基材上に塗布することで形成される。好ましくは、発光層は、蓄光層、あるいは、ブラックライト照射によって発光する蛍光層である。蓄光顔料としては、硫化亜鉛タイプ(ZnS:Cu)、ストロンチウムアルミネート(SrAl:希土類元素(例えば、Eu))等が例示される。ブラックライト照射によって発光する蛍光顔料についても、種々の物質が知られている。蓄光顔料、ブラックライト照射用蛍光顔料は共に、有機溶剤系発光インキとして市販されている。
本体層は、一つの好ましい態様では、粘着層の上面の全体を覆うように形成した第1本体層(緩衝層として機能する予備本体層)と、第1本体層の上に形成した1層以上の第2本体層から構成され、第2本体層が実質的に装飾体の主体を形成する。捺染時において、第1本体層形成用の捺染剤は、第2本体層形成用の捺染剤よりも低い粘度を有する。捺染剤の粘度調整は、例えば、捺染剤に含有される増粘剤の量によって行われる。予備本体層を設けることの利点については後述する。
本体層用、緩衝層用の捺染剤に含まれる水性伸縮性樹脂は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴム)、アクリルウレタン、その他これらの任意の混合樹脂である。該捺染剤は助剤として、増粘剤、乾燥遅延剤等を含んでいても良い。
緩衝層用の捺染剤には、さらに、酸化チタンが混入されている。酸化チタンは粉末あるいはペーストとして用意され、捺染剤に混入される。酸化チタンは白色顔料であると共に、耐性に優れた物質であり、耐溶剤性も良好である。酸化チタン含有緩衝層は、発光層を形成する有機溶剤系発光インクの溶剤が、本体層を形成する水性伸縮性樹脂に浸透することを防止する機能と、発光層の直下に位置して光を反射する機能の二つの機能を備えている。尚、本体層用の捺染剤に、酸化チタンを混入してもよい。
本発明によれば、発光インキからなる単独の発光層が形成されるので、発光顔料を装飾体本体を形成する捺染剤に混入して捺染したような場合に比べて、発光が良好であり、また、補助剤と反応して装飾体本体が黒ずんだりすることもない。
本体層と発光層との間には、耐溶剤性に優れる酸化チタンを含んだ緩衝層が形成されているので、酸化チタン含有緩衝層によって、発光層を形成する有機溶剤系インキが、本体層を形成する水性伸縮性樹脂に浸透して、該樹脂を溶解させてしまうことを防止する。水性タイプの捺染剤と有機溶剤タイプの捺染剤とを用いて積層構造を形成することは今までにはない新しい着想である。
酸化チタンが混入された捺染剤は、白色顔料でもある酸化チタンによって白色を有するので、白色の酸化チタン含有緩衝層が発光層の下層に位置することになり、酸化チタン含有緩衝層が反射層として機能することで、光の反射効果を高め、発光層からの発光を良好にする。
図1は、本発明に係る貼着用装飾体の断面図であって、装飾体1は、粘着層2と、粘着層2の上に形成した水性伸縮性樹脂から形成された本体層3,4と、本体層4の上に形成した酸化チタン含有緩衝層5と、酸化チタン含有層5の上に形成した有機溶剤系発光インキから形成された発光層6とから構成されており、装飾体1は、離型シート7の離型面上に剥離可能に付着されている。本体層3は粘着層2の上面全体を覆う予備本体層であり、装飾体1の柄は実質的に本体層4によって構成される。発光層6は図示のものでは、蓄光層である。
図2は、他の実施例に係る装飾体1が示してある。装飾体1は、全体として十字状の形状を有しており、十字形状を有する粘着層2と、粘着層2の上に設けられた十字形状を有する予備本体層3と、予備本体層3の上に設けられた十字形状を有する本体層4と、本体層4の上の所定部位に設けられた円形状の複数の酸化チタン含有緩衝層5と、酸化チタン含有層5の上に設けられた円形状の複数の発光層6とからなる。
本発明において、装飾体1は、好ましい例では、爪や肌等へ貼り付けるための身体貼着用装飾体であり、好ましくは、シルクスクリーン法によって製造される。シルクスクリーン法を用いた装飾体の製造法について説明する。爪や付け爪あるいは肌に貼着する装飾体のデザイン・柄に合わせて複数のスクリーン型を制作する。スクリーン型は、粘着層形成用のスクリーン型、予備本体層形成用のスクリーン型、本体層形成用の一つあるいは複数のスクリーン型、酸化チタン含有緩衝層形成用のスクリーン型、発光層形成用のスクリーン型とを含む。先ず、基台の上面に離型PETあるいは離型紙等の離型シート7を着脱自在に固定する。離型シート3の表面には剥離剤(例えば、シリコーン)が塗布されている。
装飾体1の全体形状に対応する透かし部を有する粘着層形成用スクリーン型を用いて離型シート7上に粘着剤を捺染して粘着層2を形成する。粘着層2を形成する粘着剤は、2液硬化型のアクリル系粘着剤(硬化剤:イソシアネート、粘度調整:酢酸エチル)である。粘着層2の厚みは、好ましくは、50μm〜400μmであり、さらに好ましくは、100μm〜200μmである。粘着剤としては、アクリル系粘着剤の他に、例えば、ウレタン系粘着剤 シリコーン系粘着剤が採用され得る。好ましくは、粘着剤は、パッチテスト(肌テスト)の基準を満たす、皮膚に対して低刺激性の医療用粘着剤である。粘着層2は、自然乾燥、熱風乾燥、あるいは加熱乾燥で乾燥硬化させる。遠赤ヒータによる1分〜10分の乾燥処理、あるいは、ドライヤー及び自然乾燥による2分〜30分の乾燥処理が例示される。
2層目として、装飾体の全体形状に対応する(すなわち、粘着層と同じ形状の透かし部を有する)スクリーン型を用いて、予備本体層用捺染剤を粘着層2の上に捺染して粘着層2の表面を覆うように予備本体層(第1本体層)3を形成する。予備本体層3の面積・形状は、粘着層2の面積・形状と略同じでよく、必ずしも完全に同じでなくてもよい。特に、予備本体層形成用の捺染剤を透明樹脂から形成する場合には、予備本体層3が粘着層2から若干はみ出していても問題ない。
予備本体層3を設ける目的について説明する。離型シート上の粘着層の上に、スクリーン型を用いて樹脂を捺染して積層していくことは次のような問題を有する。粘着剤を捺染して粘着層を形成した後は、粘着層が自然乾燥して硬化していく。そうすると、粘着層の表面が粘着性を呈して来る。一方、粘着層の裏面が直接離型シートの離型面上に付着しているため、粘着層の表面が何かに付着して持ち上げる方向の力が作用すると粘着層が離型シートから剥がれ易くなる。ここで、粘着層に直接本体層を捺染すると、スクリーン型上の本体層用の樹脂が時間経過と共に乾燥し始め、印圧を強めなければ透かし部から抜けなくなる現象が起こる。印圧が強くなるとスクリーン型の紗が粘着層を押し付ける現象が起き、圧力がかかるため粘着層が版の裏面に付着して来るという現象が起き、場合によっては粘着層が離型シートから剥がれてしまう。これを解決するために、装飾体の全体形状に対応するスクリーン型を用いて、粘着層2の表面全体を覆う予備本体層3を形成した。予備本体層3を形成する捺染剤は、捺染時には本体層4用の捺染剤の粘度以下の粘度を有しており、好ましくは、本体層の樹脂よりも低い粘度を有している。捺染剤の粘度が低いということは、それだけ低い印圧の捺染が可能であることを意味し、粘着層に圧力をかけないで捺染が可能となる。粘着層に圧力をかけないで捺染できるので、粘着層2がスクリーン型に付着することが防止される。緩衝層として機能する予備本体層3を設けることでその分装飾体の厚みが増し、予備本体層3と本体層4の層間接着性の良好なので、予備本体層3は、装飾体の強度を高める効果もある。
予備本体層3形成用の捺染剤は、水性ウレタン樹脂、乾燥遅延剤、増粘剤を含み、常温下の粘度は、50000cps以下であり、好ましくは、10000cps以上、さらに好ましくは20000cps〜50000cpsである。ウレタン樹脂に代えて、アクリル樹脂、あるいはウレタンアクリル混合樹脂を用いることが可能である。予備本体層3の厚みは、50μ〜200μであり、好ましくは、50μ〜100μである。予備本体層層形成用スクリーン型の紗のメッシュ(織密度)は、120以下であり、好ましくは、80以下、さらに好ましくは50以下(例えば、36〜50)である。予備本体層3はスクリーン版を用いた1回〜2回の捺染で形成される。捺染後、予備本体層3の中間乾燥を行なう。乾燥は、自然乾燥、あるいは熱風乾燥、あるいは加熱乾燥である。緩衝層形成用の捺染剤は、好ましい例では透明であるが、着色されていてもよい。
次に、装飾体の各部位に対応する本体層形成用スクリーン型を用いて、予備本体層3の上に、本体層用捺染剤を捺染して本体層(第2本体層)4を形成する。好ましくは、本体層用捺染剤に顔料を混入させることで、多色の捺染剤を用意する。本体層は、柄の色数に応じて多色刷りして行き、通常は複数のスクリーン型を用いて形成される。また、本体層用捺染剤に発泡剤等を混入して、熱をかけて該発泡剤を発泡させて立体的な柄を表現してもよい。図1、図2では、1層の予備本体層3と柄を構成する1層の本体層4を例示したが、本体層の層数は1層あるいは複数層であり、特に、多色の場合には、複数層から形成される。本体層用の捺染剤は、水性ウレタン樹脂、乾燥遅延剤、増粘剤を含み、常温下の粘度は、30000cps〜200000cpsであり、好ましくは、50000cps〜150000cpsである。ウレタン樹脂に代えて、アクリル樹脂、あるいはウレタンアクリル混合樹脂を用いることが可能である。本体層の厚みは、50μm以上であり、好ましくは、80μm〜600μmである。本体層形成用スクリーン型のスクリーン紗のメッシュ(織密度)は、150μm以下、好ましくは、24μm〜150μm、さらに好ましくは、36〜120である。捺染後、本体層4の中間乾燥を行なう。乾燥は、自然乾燥、あるいは熱風乾燥、あるいは加熱乾燥である。本体層4が複数層からなる場合には、1層毎に、ドライヤーや遠赤ヒータ等を用いて3秒〜12秒程度の中間乾燥を行う。
所定の形状の透かし部を備えたスクリーン型を用いて、本体層4の上に酸化チタン含有緩衝層5を形成する。緩衝層5を形成するための捺染剤は、水性ウレタン樹脂及び、乾燥遅延剤、増粘剤等の補助剤に加えて、酸化チタンを含んでいる。酸化チタンは、粉末状あるいはペースト状であり、捺染剤全体の重量に対して、10重量%から60重量%混入される。酸化チタンの効果を考慮すると、緩衝層形成用の捺染剤における酸化チタンの量は多い方が望ましいが、スクリーン型を用いた捺染が可能な程度に粘度調整される。好ましくは、緩衝層5用の捺染剤は酸化チタン混入前の状態では透明であり、酸化チタンが混入された捺染剤を捺染して緩衝層5を形成することで、白色の緩衝層5が形成され、酸化チタン含有緩衝層5が光の反射層を構成する。緩衝層5の形成用の捺染剤に顔料を混入して着色してもよいが、反射層としての緩衝層5の機能を考慮すると、薄色、淡色にととどめておくことが望ましい。酸化チタン含有緩衝層5を形成するための捺染剤の基本的な構成要素は、酸化チタンを除いて、本体層3,4を形成するための捺染剤と同じであり、捺染に用いるスクリーン型のメッシュも使用される捺染剤に対応して、本体層3,4用のスクリーン型のメッシュの範囲から適宜選択される。捺染剤において、ウレタン樹脂に代えて、アクリル樹脂、あるいはウレタンアクリル混合樹脂を用いることが可能である。酸化チタン含有緩衝層5の厚みは、好ましくは、50μm〜200μmであり、一つの態様では、150μmである。酸化チタン含有緩衝層5は、少なくとも、その上に形成される発光層6の下面全体を被覆するものであればよく、必ずしも、本体層4の上面全体を覆うものである必要はない。具体的には、図1では、装飾体の全体形状に対応する透かし部を備えたスクリーン型を用いて、緩衝層5を形成することで本体層4の上面の略全体を覆うように緩衝層5が形成されている。図2では、発光層6を形成するスクリーン版と同じ形状の型を用いて、緩衝層5を形成することで、発光層6が設けられる部位に対応する部位のみを覆うように緩衝層5が形成されている。
酸化チタン含有緩衝層5の上には、所定形状の透かし部を有するスクリーン型を用いて、有機溶剤系蓄光インキを捺染することで蓄光層からなる発光層6を形成する。有機溶剤系蓄光インキは、一つの好ましい例では、溶剤蒸発型、あるいは/および二液反応型である。有機溶剤タイプの発光インキは、スクリーンプロセス用インキとして市販されており、これらの発光インキを、スクリーン型を用いて、酸化チタン含有緩衝層5上に捺染して、発光層6を形成する。発光層6の厚さは、好ましくは、50μm〜200μmである。発光層6は装飾体1の図柄・デザインの一部を構成するものであるが、必ずしも、本体層4の上面全体に発光層6を設けなくてもよい。具体的には、図1では、装飾体1の全体形状に対応する透かし部を備えたスクリーン型を用いて、酸化チタン含有緩衝層5の上面の略全体を覆うように発光層6が形成されている。図2では、十字状の装飾体1の上の所定部位に位置するように平面視小円状の透かし部を有するスクリーン型を用いて、酸化チタン含有緩衝層5の上に発光層6が形成されている。
装飾体1の蒸発乾燥処理について説明する。各層を構成する工程で、中間乾燥が行われるが、中間乾燥のみでは不十分である。装飾体1を構成する水性伸縮性樹脂を乾燥・硬化させることで、装飾体1に弾性、耐水性、堅牢度が付与される。先ず、第1乾燥処理(予備乾燥)を行なう。予備乾燥の温度や処理時間は、季節や外気温によっても異なるが、好ましい範囲では、50℃〜120℃の温度範囲(さらに好ましくは、70℃〜100度)で、5分〜30分の乾燥処理を行なう。次いで、第2乾燥処理を行なう。第2乾燥処理の温度、好ましくは、120℃〜200℃の範囲(さらに好ましくは、120℃〜150℃)であり、処理時間は、1分〜5分である。乾燥処理手段は、好ましい例では、遠赤ヒータであるが、手段はこれには限定されない。本体層に発泡剤を使用している場合には、本体層の厚みによっても異なるが、第2乾燥処理を複数回行なったり、処理時間を延ばしたりすることが望ましい。特に、本体層に発泡剤が混入されている場合には、本体層が水分を保水したままでは 発泡した表面がむらに成りやすいので、第1乾燥処理と第2乾燥処理の2段階乾燥が好ましい。蒸発乾燥処理は、必ずしも2段階で行うものに限定されない。例えば、50℃〜200℃の間で、選択した温度によって時間を調整して装飾体を乾燥させることができる。本体層の乾燥は時間をかければ自然乾燥も可能であるが、乾燥までにはそれだけ長時間を要するので、実用的ではない。さらに、捺染剤に含まれる水分は常温下の自然乾燥でも蒸発するが、捺染剤に含まれる助剤(例えば、乾燥遅延剤)には自然乾燥では蒸発しないものもあり、助剤を蒸発させるためには、蒸発乾燥処理は、常温より高い加熱処理を含むことが有利である。また、加熱処理によって、発光層6の溶剤成分を蒸発させ、蓄光顔料を酸化チタン含有緩衝層5の上に残すことができる。水性伸縮性樹脂と有機溶剤系発光インキとの積層であっても、加熱処理によって、溶剤、水分を除去することで、両者は良好に接着される。
このようにして、粘着層2、予備本体層3、本体層4、酸化チタン含有緩衝層5、発光層6から構成された装飾体1を離型面上に着脱可能に有するシート7が形成される。装飾体1を離型シート7から剥がして、付け爪や本物の爪、あるいは肌に貼りファッションとして楽しむことができる。装飾体1のトップ層として蓄光層からなる発光層6が設けてあるので、暗所において身体に貼着した装飾体1が発光することになる。
本発明の実施例を示す、貼着用装飾体付きシートの側断面図である。 他の実施例を示す、貼着用装飾体の平面図及び側断面図である。
符号の説明
1 装飾体
2 粘着層
3 予備本体層
4 水性伸縮性樹脂から形成される本体層
5 酸化チタン含有緩衝層
6 有機溶剤系発光インクから形成される発光層
7 離型シート

Claims (7)

  1. スクリーン型を用いた貼着用装飾体付きシートの製造法であって、該製造法は以下の工程を含む。
    (a)離型シートの離型面上に粘着剤を捺染して粘着層を形成する。
    (b)水性伸縮性樹脂を含む捺染剤を該粘着層上に捺染することで本体層を形成する。
    (c)水性伸縮性樹脂及び酸化チタンを含む捺染剤を該本体層上に捺染することで酸化チタン含有緩衝層を形成する。
    (d)該酸化チタン含有緩衝層上に有機溶剤系発光インキを捺染することで発光層を形成する。
    (e)該本体層、該酸化チタン含有緩衝層、該発光層を蒸発乾燥処理することで、該離型面上に粘着層、本体層、酸化チタン含有緩衝層、発光層を含む貼着用装飾体が形成されたシートを得る。
  2. 請求項1において、該発光インキは、蓄光インキ、あるいは、ブラックライト照射により発光する蛍光インキであることを特徴とする貼着用装飾体付きシートの製造法。
  3. 請求項1,2いずれかにおいて、該本体層を形成する工程は、該粘着層上に粘着層の上面全体を覆うように第1本体層を形成する工程と、該第1本体層の上に1層以上の第2本体層を形成する工程とを有し、捺染時において、第1本体層形成用の捺染剤は、第2本体層形成用の捺染剤よりも低い粘度を有することを特徴とする貼着用装飾体付きシートの製造法。
  4. 粘着層と、該粘着層上に形成した水性伸縮性樹脂から構成された本体層と、該本体層上に形成した酸化チタンを含む水性伸縮性樹脂から構成された酸化チタン含有緩衝層と、該緩衝層上に形成した有機溶剤系発光インキから構成された発光層とから構成されていることを特徴とする貼着用装飾体。
  5. 請求項4において、該発光インキは、蓄光インキ、あるいは、ブラックライト照射により発光する蛍光インキであることを特徴とする貼着用装飾体。
  6. 離型シートと該離型シートの離型面上に剥離可能に設けられた貼着用装飾体からなる貼着用装飾体付きシートであって、該装飾体は、粘着層と、該粘着層上に形成した水性伸縮性樹脂から構成された本体層と、該本体層上に形成した酸化チタンを含む水性伸縮性樹脂から構成された酸化チタン含有緩衝層と、該緩衝層上に形成した有機溶剤系発光インキから構成された発光層とから構成されていることを特徴とする貼着用装飾体付きシート。
  7. 請求項6において、該発光インキは、蓄光インキ、あるいは、ブラックライト照射により発光する蛍光インキであることを特徴とする貼着用装飾体付きシート。
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