JP4440596B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に、モータ駆動回路に関する電圧検出、或いは電流検出のためのセンサの故障検出を確実にする電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものである。
自動車のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。このような電動パワーステアリング装置の簡単な構成を図8を参照して説明する。操向ハンドル101の軸102は減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオンラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に結合されている。軸102には,操向ハンドル101の操舵トルクを検出するトルクセンサ107が設けられており、操向ハンドル101の操舵力を補助するモータ108が、減速ギア103を介して軸102に連結されている。
このような構成の電動パワーステアリング装置のモータ108が運転手のハンドル操作に対応した所望のトルクを出力するようにモータ108の制御を正しく実行する必要がある。そして、モータ108を正しく制御するためには、各種のセンサを利用して電動パワーステアリング装置の種々の状態を検出する必要がある。センサから得られる検出信号は電動パワーステアリング装置の制御、保護にとって非常に重要なものであるから、センサの故障を速やかに検出して、それに対応した制御、保護を実行する必要がある。しかし、センサの故障検出は非常に検出が困難であり、従来から種々検出方法が考えられてきた。例えば、特許文献1の検出方法を図9を参照して以下説明する。
図9において、モータに電流が通電している場合は、モータの端子電圧Vm1と端子電圧Vm2の合算値がバッテリー電圧Vdに等しくなること即ち、Vd=Vm1+Vm2となることを利用して異常を検出するものである。また、モータに電流が通電していない場合は、モータの端子電圧Vm1と端子電圧Vm2の合算値がほぼ0であるか否かを利用して異常を検出するものである。図9の検出方法を用いれば、モータ配線の天絡、地絡、モータ端子電圧検出回路の故障検出を可能とするものである。
特許第3292179号公報
上述した従来の故障検出方法を用いれば、電動パワーステアリング装置の故障のうち、モータ配線の天絡、地絡の検出、およびモータの端子電圧の電圧検出回路の故障検出が可能である。しかし、上述した従来の故障検出方法では、モータが回転中すると逆起電圧が発生して、Vd=Vm1+Vm2の関係が成立しなくなるので前記故障検出が不可能になる問題がある。また、電動パワーステアリング装置のその他の故障として、モータの電流検出回路、モータの中性点電圧の電圧検出回路、或いはモータ端子電圧がバッテリー電圧とアース電圧との中間電圧となる中間故障なども考えられるが、従来の故障検出方法では、それらの故障を検出することはできなかった。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装置のモータ配線の天絡、地絡の検出、およびモータの端子電圧の電圧検出回路の故障検出の他に、モータの電流検出回路、或いはモータの中性点電圧を検出するための電圧検出回路の故障も検出できる、より幅広い故障検出ができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記モータの各相電圧を検出する電圧検出回路と、前記モータの各相電流を検出する電流検出回路と、前記各相電圧と前記各相電流とを用いて前記モータの各相逆起電圧の大きさを算出する逆起電圧算出回路と、前記モータの回転位置を検出する位相検出回路と、前記回転位置によって特定される2相の逆起電圧の大きさの差が判定値以上か否かを判定する判定回路とを備え、前記回転位置によって特定される2つの相の逆起電圧の大きさを比較することによって、前記電圧検出回路、或いは前記電流検出回路の故障を検出できることによって達成される。さらに、本発明の上記目的は、前記電圧検出回路が、前記モータの入力端子とアース間の電圧を検出する電圧検出回路、及び前記モータの中性点とアース間の電圧を検出する電圧検出回路からなることによって達成される。さらに、本発明の上記目的は、前記電圧検出回路が、前記モータの入力端子間の線間電圧を検出する電圧検出回路からなることによって達成される。さらに、本発明の上記目的は、前記判定回路が、前記回転位置によって特定される2相の逆起電圧の大きさの差が判定値以上で、かつ設定時間以上であるか否かを判定することによって達成される。
本発明を用いれば、電動パワーステアリング装置のモータの電圧及び電流を用いてモータの逆起電圧を算出し当該逆起電圧同士を比較するので、モータの電圧検出回路の故障だけでなく、電流検出回路の故障も検出可能であり、また、検出できる故障の種類も電圧検出回路や電流検出回路の出力値が、バッテリー電圧やアース電圧、或いは零電流などの最大値、最小値を取る故障だけでなく、その中間値を出力する中間故障に対しても故障検出が可能である。さらに、モータの電圧検出にモータの中性点電圧を利用すれば、中性点電圧の異常、或いは中性点電圧を検出する電圧検出回路の故障も検出することが可能となる。
まず、本発明の基本的な考えを示し、その後で実施例について説明する。
本発明はモータに発生する逆起電圧を利用してモータ駆動回路に関係するセンサ、即ち電圧検出回路、および電流検出回路の故障を検出するものである。
図1は3相BLDCモータ駆動回路を含む本発明の全体構成図である。ここで、EMFa,EMFb,EMFcはそれぞれモータのa相の逆起電圧、b相の逆起電圧、c相の逆起電圧を示す。また、ia,ib,icはモータのa、b、c相の電流を示す。また、Vae、Vbe,Vce,Vnはモータのa相、b相、c相の端子、中性点とアース間の電圧を示す。また、モータの巻線抵抗R,モータのインダクタンスLを示す。なお、モータの駆動回路はFET111−1、111−2,111−3,111−4,111−5,111−6から構成される3相インバータとバッテリー110とから構成されている。
図2は、逆起電圧の波形が矩形波である3相BLDCモータが正常動作をしている場合の3相BLDCモータに発生する各相の逆起電圧の関係を示した図である。電動パワーステアリング装置が正常であれば、モータの回転位置の区間を特定すると、3相の逆起電圧の内、2相の逆起電圧の絶対値が等しいことが分かる。例えば、区間5では、a相逆起電圧EMFaとc相逆起電圧EMFcの大きさは等しい。この現象を利用して、電圧および電流から逆起電圧を算出して、本来2相の逆起電圧が等しいはずの区間で、当該2相の算出された逆起電圧が異なれば、その原因として、モータ駆動回路に地絡故障や天絡故障などの発生、或いは、逆起電圧を算出するための電圧検出回路或いは電流検出回路の故障の発生が考えられる。即ち、本来2相の逆起電圧が等しいはずの区間で、当該2相の算出された逆起電圧が異なることを利用して、電圧検出回路、或いは電流検出回路の故障を検出できる。
この基本的な考えを、以下数式を用いて説明する。
まず、逆起電圧EMF、電圧V、電流i、モータの巻線抵抗R,モータのインダクタンスLの関係は数1のようになる。
(数1)
V=EMF+R・i+L・(di/dt)
数1をラプラス変換して、各相ごとに表記すると数2のように示すことができる。
(数2)
EMFa=Va−(Ra+s・La)・ia
EMFb=Vb−(Rb+s・Lb)・ib
EMFc=Vc−(Rc+s・Lc)・ic
ここで、EMFa,EMFb,EMFcはそれぞれモータのa相の逆起電圧、b相の逆起電圧、c相の逆起電圧を示す。また、ia,ib,icはモータのa、b、c相の電流を示す。また、Va、Vb,Vcはモータのa相、b相、c相の相電圧(モータの中性点と各相端子との間の電圧)を示す。sは微分演算子を示す。
このようして算出された逆起電圧EMFa,EMFb,EMFcの大きさは、モータが正常に回転し、電圧検出回路および電流検出回路が正常であれば、モータの回転位置(電気角θ)によって、3相の逆起電圧のうち各2相の逆起電圧の大きさが等しい。
具体的には、例えば、4ポールの3相BLDC(ブラシレスDCモータ)モータについて、本発明の考えを適用すると、図2を参照して、
区間4:30°<θ<90°では、|EMFa|=|EMFb|
区間5:90°<θ<150°では、|EMFa|=|EMFc|
区間1:150°<θ<210°では、|EMFb|=|EMFc|
区間3:210°<θ<270°では、|EMFb|=|EMFa|
区間2:270°<θ<330°では、|EMFc|=|EMFa|
区間6:330°<θ<390°では、|EMFc|=|EMFb|
となる。纏めると
区間3、区間4では、|EMFa|=|EMFb|
区間1、区間6では、|EMFb|=|EMFc|
区間2、区間5では、|EMFa|=|EMFc|
となる。
しかし、図3に示すように、例えば、区間5でc相電流検出回路が故障を発生した場合、その算出逆起電圧は正常であれば、区間5なので|EMFa|=|EMFc|であるはずのものが、故障のために、|EMFa|=|EMFc|ではなくなっている。なお、算出した逆起電圧が正常の場合でも、厳密には検出誤差などが存在するので、完全には|EMFa|=|EMFc|は成立しない。よって、正常であるか異常であるかの判定は、比較する2つの逆起電圧の大きさが相当違っている、具体的には、比較する2つの逆起電圧の大きさの差(ΔEMF)が判定値(ERR)以上である場合を異常と判定する。逆に判定値以下である場合を正常とする。
以上の考えを式として表現すると数3のように表現できる。
(数3)
ΔEMFij=|EMFi|―|EMFj|
ただし、i,j=a,b,cで、i=jではない。そして、ΔEMFijの大きさが判定値以上か以下かで異常を判定する。つまり、
|ΔEMFij|>ERR:異常
|ΔEMFij|<ERR:正常
と判定する。
さらに、ノイズのような瞬間的外乱による誤検出を防止するために、ΔEMF>ERRの状態が設定時間(Te)以上継続した場合を異常と判定しても良い。
本発明の一実施例を図1および図4を参照して説明する。
まず、図1において、電圧センサとしては、アースとモータ108のa相端子間の電圧を検出するための電圧検出回路21、アースとモータ108のb相端子間の電圧を検出するための電圧検出回路22、アースとモータ108のc相端子間の電圧を検出するための電圧検出回路23、アースとモータ108の中性点間の電圧を検出するための電圧検出回路24、が配置されている。
次に、電流センサとして、モータ108のa相電流を検出するための電流検出回路31とc相電流を検出するための電流検出回路32が配置されている。さらに、モータ108の回転位置を検出するためのホールセンサ50がモータに配されており、例えば、ホールセンサ50はモータ108の固定子に120度間隔で3個配置される。
そして、各電圧検出回路、各電流検出回及びホールセンサからそれぞれ出力される電圧値Vae,Vbe,Vce,Vn、電流値ia,ic及びホールセンサ信号が演算処理回路200に入力される。演算処理回路200はマイコンなどで構成される。演算処理回路200の中の詳細なブロック図を図4に示す。
まず、電圧検出回路21,22,23,24によって検出された電圧Vae,Vbe,Vce,Vnが演算処理回路200に入力される。ここで、電圧Vae,Vbe,Vce,Vnはアースとモータ108の各相の端子電圧なので、モータ108の各相電圧を算出するため、数4の演算処理をする必要がある。
(数4)
Va=Vae−Vn
Vb=Vbe−Vn
Vc=Vce−Vn
具体的には、数4の演算は、減算回路30−1,30−2,30−3で実行される。
次に、電流検出回路31、32で検出された電流ia,icが演算処理回路に入力される。なお、b相電流ibは、3相電流がバランスしていることを前提として、負の加算回路30−4にてib=―ia―icとして算出することができる。
つぎに算出された各相電圧Va,Vb,Vc及び各相電流ia,ib,icは、各相逆起電圧を算出するための逆起電圧算出回路41,42,43にそれぞれ入力される。その結果、逆起電圧算出回路41,42,43からは、それぞれa相逆起電圧EMFa、b相逆起電圧EMFbおよびc相逆起電圧EMFcの大きさが出力される。
各相の逆起電圧算出の具体的内容をa相を例にとって説明する。逆起電圧算出回路41において、電圧Va,電流iaに対して、数2の演算を実行してa相逆起電圧EMFaが算出されるのであるが、実際の回路では、検出回路にノイズ除去のためのローパスフィルターが挿入されている場合が多い。そこで、一次遅れのフィルター(1+s・T)を経由して数2の演算が実行されるように、伝達関数回路41−1,伝達関数回路41−2および減算回路41−3が配され、減算回路41−3の出力として数2の逆起電圧EMFaが算出される。そして、本発明では、逆起電圧の大きさの比較をするので、絶対値回路41−4でa相の逆起電圧EMFaの大きさ(|EMFa|)が算出される。
同様にして、逆起電圧算出回路42には、それぞれ、伝達関数回路42−1,伝達関数回路42−2、減算回路42−3、および絶対値回路42−4が配され、逆起電圧算出回路42の出力としてb相逆起電圧の大きさ|EMFb|が算出される。また、逆起電圧算出回路43には、それぞれ、伝達関数回路43−1,伝達関数回路43−2、減算回路43−3、および絶対値回路43−4が配され、逆起電圧算出回路43の出力としてc相逆起電圧の大きさ|EMFc|が算出される。
一方、モータ108に設置されたホールセンサ50の出力であるホールセンサ信号が演算処理回路200に入力される。このホールセンサ50のホールセンサ信号を入力として位相検出回路51でモータ108の回転位置を示す電気角θが算出される。
次に、各相の逆起電圧の大きさ|EMFa|、|EMFb|、|ENFc|およびモータ108の回転位置を示す電気角θが判定回路60に入力される。
判定回路60では、まず、各相逆起電圧の大きさ同士の差を求める。つまり、減算回路61−1,61−2,61−3でそれぞれ数5で示す各相逆起電圧の大きさ同士の差ΔEMFab、ΔEMFbc、ΔEMFcaが算出される。
(数5)
ΔEMFab=|EMFa|―|EMFb|
ΔEMFbc=|EMFb|―|EMFc|
ΔEMFca=|EMFc|―|EMFa|
次に、電動パワーステアリング装置の動作が正常であれば、大きさが等しいはずの2相の逆起電圧を特定して、その2相の逆起電圧の大きさの差ΔEMFを選択する。本実施例では、この選択は選択回路62で実行される。
つまり、2相の逆起電圧の大きさの差ΔEMFとして、区間3、区間4では、|EMFa|=|EMFb|のはずなので、ΔEMFabが選択され、区間1、区間6では、|EMFb|=|EMFc|のはずなので、ΔEMFbcが選択され、区間2、区間5では、|EMFa|=|EMFc|のはずなので、ΔEMFcaが選択される。
次に、2相の逆起電圧の大きさの差ΔEMFの大きさが判定値以上であるかどうかを検出する。本実施例では、2相の逆起電圧の大きさの差ΔEMFの絶対値を絶対値回路63でとり、ΔEMFの絶対値と判定値設定回路65が示す判定値ERRとを比較回路64で比較して異常、正常を判定する。
本実施例を用いて、電流検出回路が故障した場合のシミュレーション例について説明する。上述したように、図3はc相の電流検出回路32で故障が発生して、検出値の半分の量しか出力できなくなった場合のシミュレーションの例である。
区間5において、c相電流検出回路32が故障したため、電流icが異常となり、電流ibもib=―ia−icより算出するため異常な電流となる。区間5では、正常であれば、|EMFa|=|EMFc|のはずである。そこで、選択回路62では、、ΔEMFcaが選択される。図3において、|EMFa|は、値が2.2V程度を示しているが、|EMFc|は、値が4.2程度まで上昇している。よって、ΔEMFca=|EMFc|―|EMFa|の値である減算回路61−3の出力は、(−2.0)となるので、絶対値回路63の出力は2.0となる。判定値を、例えば0.1と判定値設定回路65で設定しておけば、比較回路63で2相の逆起電圧のの大きさの差である|ΔEMFca|は判定値以上なので、異常と判定する。
よって、本実施例を用いれば、a相、又はc相の電圧検出回路、電流検出回路の故障、或いはa相、又はc相の天絡、地絡、さらにモータの中性点電圧の異常なども検出することができる。中性点電圧Vnの異常、或いは中性点電圧の電圧検出回路の異常を検出できる理由は、各相の逆起電圧を算出するための各相電圧Va,Vb,Vcを算出するときに、数4に示すように中性点電圧Vnを使用するので、中性点電圧Vnの異常、或いは中性点電圧の電圧検出回路の異常を検出できるからである。
また、例えば、c相の電流検出回路が故障をして、その出力が制御電源の最大電圧値、或いは0Vなどの最大値、或いは最小値を出力する故障でなく、その中間値を出力するような故障モードであっても、|EMFa|=|EMFc|の関係は成立しなくなるので、本発明を用いれば、電圧検出回路の出力の中間値故障も検出可能である。この効果は、他の電圧検出回路、或いは電流検出回路が中間値を出力する中間故障となっても故障検出が可能である。
以上の説明では、c相の電流検出回路に異常が発生した場合について説明したが、a相の電流検出回路やa相、b相、c相の電圧検出回路に異常が発生しても本実施例を用いて、a相の電流検出回路やa相、b相、c相の電圧検出回路の故障を検出することができる。
なお、本実施例を用いれば、各検出回路の故障だけでなく、モータの駆動回路で天絡、地絡が発生した場合も、それらの故障を検出することができる。
実施例1は、モータの逆起電圧をモータの相電圧を用いて算出した場合の実施例であるが、逆起電圧はモータの線間電圧を用いて算出することも可能である。図5において、Vab,Vbc,Vcaは、それぞれモータ入力端子ab間,bc間,ca間の線間電圧を表わす。線間電圧は線間に設置した電圧検出回路によっても検出可能であるが、相電圧を検出した電圧検出回路21,22,23で検出された電圧と数6の関係を用いて算出することも可能である。
(数6)
Vab=Vae−Vbe
Vbc=Vbe−Vce
Vca=Vce−Vae
実施例1においては、数2は相の観点から相逆起電圧、相電圧、電流の関係が表現されており、線間の観点から同じく線間の逆起電圧、線間電圧、電流を式に表現すると数7ようになる。
(数7)
EMFab=Vab―[(Ra+s・La)・ia―(Rb+s・Lb)・ib]
EMFbc=Vbc―[(Rb+s・Lb)・ib―(Rc+s・Lc)・ic]
EMFca=Vca―[(Rc+s・Lc)・ic―(Ra+s・La)・ia]
ここで、EMFab,EMFbc,EMFcaは、それぞれ線間の逆起電圧を表わす。
数7の逆起電圧の算出に対応する制御ブロック図を図6に示す。図6の破線Aで囲まれた部分(線間逆起電圧算出)は図4の破線Aで囲まれた部分(相逆起電圧算出)に相当する。
図6の線間電圧は、線間に電圧検出回路を設置して直接線間電圧Vab,Vbc,Vcaを検出した場合の実施例である。実施例1のように電圧検出回路で電圧Vae,Vbe,Vceを検出した場合は、数6の演算から各線間電圧Vab,Vbc,Vcaを算出してから図6の制御ブロック図の演算を実行すれば良い。
図6において、数7のEMFabを算出するには、まず電流ibを負の加算回路30−4で算出し、電流ia,ibをそれぞれ伝達関数回路41−2,42−2に入力した後で、それらの出力を減算回路41−5にて減算すれば、[(Ra+s・La)・ia―(Rb+s・Lb)・ib]の項が算出される。なお、伝達関数回路41−2,42−2,43−2にはノイズ吸収のためのローパスフィルタが設置されている。
一方、線間電圧Vabには、まずノイズフィルタとしての伝達関数回路41−1に入力され、その出力と減算回路41−5の出力を減算回路41−3で減算すれば、EMFab=Vab―[(Ra+s・La)・ia―(Rb+s・Lb)・ib]が算出される。最後に、EMFabが絶対値回路41−4に入力され、出力として|EMFab|が出力される。
同様にして、|EMFbc|および|EMFca|も算出することができる。その後の処理は、算出された各線間逆起電圧の絶対値|EMFab|、|EMFbc|および|EMFca|が判定回路60に入力されて、|EMFab|、|EMFbc|および|EMFca|の内の2つの値の差を求めて、その値が判定値より大きければ故障と判定するのは実施例1と同じである。
なお、本実施例の線間の逆起電圧を用いた故障検出の場合は中性点電圧Vnを用いていないので中性点電圧の電圧検出回路の故障は検出することはできない。
図7の実施例では、判定回路60の中の比較回路63の後に、時間遅れ回路66を配している。これは、判定回路60の判定がノイズのような入力信号に対して誤動作を防止するためのもので、異常判定が時間遅れ回路65の設定する設定時間Te、例えば1ms以上継続した場合、異常と判定する。
実施例3を用いれば、実施例1や実施例2に比較してノイズなどに対する誤動作を防止できる効果が強化できる。
本発明の全体構成を示す図である。 3相BLDCモータが正常動作時の各相逆起電圧の関係を示す図である。 c相電流検出回路異常時の各相逆起電圧の関係を示す図である。 実施例1の構成図である。 実施例2を説明するための全体構成を示す図である。 実施例2の構成図である。 実施例3の構成図である。 電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 従来の故障検出技術を説明する図である。
符号の説明
21,22,23,24・・・電圧検出回路
31,32・・・・・電流検出回路
50・・・・・ホールセンサ
30−1,30−2,30−3・・・・減算回路
30−4・・・・加算回路
41,42,43・・・逆起電圧算出回路
41−1,42−1・・伝達関数回路
42−1,42−2・・・伝達関数回路
43−1,43−2・・・伝達関数回路
41−3,42−3,43−3・・減算回路
41−4,42−4、43−4・・絶対値回路
41−5,42−5、43−5・・・・減算回路
51・・・位相検出回路
60・・・判定回路
61・・・減算回路
62・・・選択回路
63・・・絶対値回路
200・・演算処理回路

Claims (4)

  1. 車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータの各相電圧を検出する電圧検出回路と、前記モータの各相電流を検出する電流検出回路と、前記各相電圧と前記各相電流とを用いて前記モータの各相逆起電圧の大きさを算出する逆起電圧算出回路と、前記モータの回転位置を検出する位相検出回路と、前記回転位置によって特定される2相の逆起電圧の大きさの差が判定値以上か否かを判定する判定回路とを備え、前記回転位置によって特定される2つの相の逆起電圧の大きさを比較することによって、前記電圧検出回路、或いは前記電流検出回路の故障を検出できることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記電圧検出回路が、前記モータの入力端子とアース間の電圧を検出する電圧検出回路、及び前記モータの中性点とアース間の電圧を検出する電圧検出回路からなる請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記電圧検出回路が、前記モータの入力端子間の線間電圧を検出する電圧検出回路からなる請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記判定回路が、前記回転位置によって特定される2相の逆起電圧の大きさの差が判定値以上で、かつ設定時間以上であるか否かを判定する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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