JP4439447B2 - 異形断面銅合金板の製造方法 - Google Patents

異形断面銅合金板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リードフレームや端子・コネクタなどの電気・電子部品の製造に使用される、板幅方向に厚さの異なる異形断面銅合金板の製造方法に関する。
電子・電気機器の電源部や電流制御部などに使用する半導体は、高電流を流すため発熱量が多く、半導体を支えるリードフレーム材には、高い通電性・熱放散性が要求され、異形断面銅合金板が現在多く使用されている。また、半導体部品への組み立て工程で、さまざまな熱履歴を受けるため、高い耐熱性が要求され、さらに、実使用上において、プリント基板と半導体をつなぐリード部(端子部)においては、曲げ加工性も要求される。
そのため、異形断面銅合金板には、従来Cu−P系(例えばC1220合金:Cu−0.03P)や、Cu−P系より導電性、耐熱性に優れる、Cu−Fe−P系(例えばC19210合金:Cu−0.05〜0.15%Fe−0.025〜0.035%P)が代表的な合金として使用されている。また下記特許文献1では、Cu−(Fe,Ni,Co)−P系が提案されている。
異形断面銅合金板は、鋳塊から板幅方向に一定の厚さを有する平板を製造する平板加工工程と、その平板を用いて板幅方向に厚さの異なる異形断面板を製造する異形加工工程により製造される。平板加工工程は、鋳塊の均熱、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、続いて必要に応じて行われる冷間圧延の各工程からなる。異形加工工程は、平板加工工程によって製造された平板を最終製品形状に加工するにあたり、必要とされる幅にスリットした後に行われ、冷間加工、焼鈍、仕上げ冷間加工、必要に応じて行われる矯正の各工程からなる。冷間加工の中間で焼鈍を行わず、仕上げ冷間加工後、焼鈍を行うこともある。なお、異形加工工程における冷間加工は、異形ロールによる冷間圧延や異形金型による冷間鍛造などにより行われ、異なる加工方法が組み合わされることもある。
異形断面銅合金板には耐熱性が要求されることから、上記のように、異形加工工程の中間又は最終で焼鈍が施されることが通常であり、この焼鈍を行うことで、異形加工工程で導入された転位が開放され、耐熱性を保持することができる。しかし、この焼鈍工程を入れることで、焼鈍時に発生する酸化スケールを除去する酸洗・研磨工程も必要となり、大幅なコストアップとなっている。
このような状況から、下記特許文献2に記載されたように、焼鈍工程を含まない異形加工工程が提案されている。この特許文献2には、半導体素子製造プロセスで加熱されても再結晶化による軟化が生じにくいと記載されているが、その点は実証されていない。
特開2001−279348号公報 特開2003−136103号公報
一方、本発明者らが、Cu−0.10Fe−0.03P(数字は成分の質量%を表す、以下同じ)の組成を有する銅合金を用いて、異形加工工程における焼鈍工程の有無と耐熱性の関係を調べたところ、焼鈍工程を省略することにより耐熱性が大きく劣化することが分かった。
図1は、1つは後述する実施例1と同様の方法(平条加工工程+焼鈍抜き異形加工工程)で、もう1つは異形ロールによる冷間圧延途中で焼鈍を行い(焼鈍有り;従来工程)、それぞれ実施例1と同じ断面形状の異形断面条を製造し、各薄肉部から試料を切り出し、実施例1に示す耐熱性試験を行い、その結果をグラフ化したものである。ただし、焼鈍抜きのものは薄肉部の冷間加工率が80%、焼鈍有りのものは薄肉部の冷間加工率が25%(焼鈍後の冷間加工率)であった。図1をみると、耐熱温度(ビッカース硬さがHv100になる温度)が、焼鈍有りの異形断面条で500℃であるのに対し、焼鈍抜きの異形断面条は340℃に低下している。
また、半導体を支えるリードフレーム材は、はんだ濡れ性と、半導体素子との接合性(ワイヤボンディング性)が必要であり、ニッケルめっきが施されることが多い。このニッケルめっきは、異形断面銅合金板からリードフレーム形状に成型加工される前に施されることが多く、リードフレーム成型加工時にニッケルめっき付きの銅合金廃棄物が生じる。この廃棄物は回収されリサイクルされるが、その際にニッケルと銅を分けて回収するために電気分解法を使用することから、高い費用が生じている。
本発明は、異形加工工程の中間又は最終で一度も焼鈍を行わずに異形断面銅合金板を製造するに当たり、高耐熱性を有し、併せて高導電性及び優れた曲げ加工性を有する異形断面銅合金板を得ることを目的とする。また、半導体用リードフレーム材等の製造時に発生する廃棄物から得られるニッケルめっき付き銅合金を、異形断面銅合金板用の原料としてそのままリサイクル使用できるようにすることを目的とする。
本発明に係る異形断面銅合金板の製造方法は、銅合金鋳塊から板幅方向に一定の厚さを有する銅合金平板を製造する平板加工工程と、その銅合金平板を冷間加工して板幅方向に厚さの異なる異形断面銅合金板を製造する異形加工工程からなり、前記銅合金の組成が、Ni:0.03〜0.5%、P:0.01〜0.2%を含有し、NiとPの質量比率であるNi/Pが2〜10であり、残部銅及び不可避不純物からなり、前記異形加工工程において、一度も焼鈍することなく異形断面銅合金板を得ることを特徴とする。
前記異形加工工程において、異形断面銅合金板の薄肉部の冷間加工率は30〜90%とすることが望ましい。また、前記銅合金は、さらにFe:0.005〜0.20%、Sn:0.005〜0.5%及びZn:0.005〜0.5%のいずれか1種又は2種以上を適宜含有する。
なお、本発明でいう銅合金板とはコイル形状のもの(いわゆる条)を含む。
本発明によれば、異形加工工程の中間又は最終で一度も焼鈍を行わずに、高耐熱性と、高導電性及び曲げ加工性を併せもつ異形断面銅合金板を安価に製造することができる。また、半導体用リードフレーム材等の製造時に発生する廃棄物(ニッケルめっき付き銅合金板)を、原料としてそのままリサイクル使用できる利点がある。
以下、本発明に係る異形断面銅合金板の製造方法について、具体的に説明する。
まず、本発明に係る銅合金の組成を上記のように限定した理由を説明する。
(Ni:0.03〜0.5%)
Niは、後述するPとの金属間化合物を析出することで、銅合金を高強度化し、耐熱性を向上させる。Ni含有量が0.03%未満では、金属間化合物の析出量が少ないため、所望の強度及び耐熱性が得られない。一方、0.5%を越えて過剰に含有させると、高導電率が達成できない。従って、Niの含有量は、0.03〜0.5%の範囲とする。高耐熱性及び高導電率を追求するには、0.1%〜0.3%の範囲がより好ましい。なお、半導体用リードフレーム材を製造するときに発生する廃棄物は、おおよそ0.2%のNiを含有しており、この廃棄物を有効利用するという観点からも、Niの含有量は0.1〜0.3%であることが好ましい。
(P:0.01〜0.2%)
Pは、溶解時の脱酸作用を有する他、上記Ni及び後述するFeとの金属間化合物を形成し、これらはCuの母相に析出して銅合金の強度及び耐熱性を向上させる。しかし、0.01%未満の含有では、Ni−P金属間化合物及びFe−P金属間化合物の析出量が不足し、所望の強度及び耐熱性が得られない。また、0.2%を超えて含有させると、導電率が低下し、高導電率が達成できない。従って、Pの含有量は、0.01〜0.2%の範囲とする。高導電率及び高耐熱性を追求するには、0.015〜0.1%の範囲がより好ましい。
(Ni/P比:2〜10)
微細な析出物粒子を有効に析出させ、高導電率化と高耐熱性を実現するためには、NiとPの個々の含有範囲だけでなく、NiとPとの質量比であるNi/P比も併せて規定する必要がある。Ni/P比が2未満では、相対的にNiが不足してNi−Pの析出強化による耐熱性向上効果が少なく、かつ過剰のPがCuの母相に固溶し導電率を低下させるとともに、はんだ耐熱性が低下する。一方、Ni/P比が10を超えた場合、相対的にPが不足してNi−Pの析出強化による耐熱性向上効果が少なく、かつ過剰のNiがCuの母相に固溶し導電率を低下させる。さらに高導電率及び高耐熱性を追求するには、Ni/P比を3〜6.7の範囲とすることが好ましい。
(Sn:0.005〜0.5%)
SnはCuの母相に固溶し、銅合金の耐熱性を向上させるのに必要な元素であり、この効果を有効に発揮させるには0.005%以上含有することが好ましい、しかし、0.5%を超えて過剰に含有すると、導電率が著しく低下し、高導電率化が達成できない。従って、Snの含有量は0.005〜0.5%の範囲とする。さらに高導電率化を追求するには、Snの含有量は0.025%以下とすることが好ましい。なお、Snは、特にCu−Ni−Fe−P系合金中のFe−Pと共存することで、極微量で大きく耐熱性の向上効果を有するので、Feと共に添加することが望ましい。
(Fe:0.005〜0.20%)
Feは、上述したようにPとの金属間化合物を析出することで、銅合金に高強度と高耐熱性を両立させる。Feの含有量が0.005%以下では、Fe−P金属間化合物の析出量が不十分で強度、耐熱性向上に寄与できない。また、0.20%を超えると、Fe−Pによる高強度化の効果が過剰となり、本発明の目的の1つである良好な曲げ加工性が得られなくなる。従って、Feの含有量は0.005%〜0.20%と規定する。さらに、高耐熱性を追求するには、Feの含有量は0.01%以上、良好な曲げ加工性を追及するには、0.04%以下とすることが好ましい。
(FeとSnの関係)
後述する実施例1に示すように、Cu−Ni−P、Cu−Ni−P−Sn、Cu−Ni−P−Feでも、従来のCu−P系、Cu−Fe−P系合金に比べて良好な耐熱性を有しているが、前記のとおり、SnとFeが共に添加されてCu−Ni−P−Sn−Feとなると、さらに耐熱性が向上し、かつ高強度化されるにも関わらず曲げ加工性が劣化しない。
(Zn:0.005以上0.5%以下)
Znは電子部品の接合に用いられるはんだや、電気接点の信頼性確保に用いられるSnめっきの耐熱密着性を改善し、熱剥離を抑制するのに有効な元素である。この効果を有効に発揮させるには、0.005%以上含有することが望ましい。しかし、0.5%を超えて過剰に含有すると、却ってはんだや溶融Snの濡れ拡がり性を劣化させるだけでなく、導電率を低下させる。従って、Znは0.005%〜0.5%の範囲で用途に応じて選択的に含有させる。さらに高導電率を追求するためには、Znの含有量は0.2%以下であることがより好ましい。
その他の、例えば、Co,Mn,Mg,Cr,Ti,Zrなどの元素は不純物元素であり、粗大な晶出物、析出物が生成し易くなる他、導電率の低下も引き起こしやすくなる。従って、総量で0.5%以下の極力少ない含有量にすることが好ましい。この他、銅合金中に微量に含まれるB,C,Na,S,Ca,As,Se,Cd,In,Sb,Pb,Bi,Si,Al,MM(ミッシュメタル)等の元素も、導電率の低下を引き起こしやすくなるので、これらの総量で、0.1%以下の極力少ない含有量に抑えることが好ましい。特に、As,Cd,Pbは環境面において有害な元素であることから、それぞれ単独で0.005%以下とすることが好ましく、さらには0.001%以下とすることがより好ましい。
次に、本発明に係る異形断面銅合金板の製造方法について説明する。この製造方法は、鋳塊から板幅方向に一定の厚さを有する平板を製造する平板加工工程と、その平板を用いて板幅方向に厚さの異なる異形断面板を製造する異形加工工程からなる。
平板加工工程では、前記組成を有する銅合金鋳塊を加熱又は均質加熱処理した後に熱間圧延し、熱間圧延後の板を水冷する。その後、冷間圧延を行い、板幅方向に一定の厚さを有する銅合金平板を製作し、焼鈍を行う。この焼鈍は、再結晶を伴うものと伴わないもののいずれでも良い。
なお、この段階で焼鈍を行う理由は2点ある。1点目は、固溶状態にあるNi、Fe、Pを微細なNi−P及びFe−P析出物として析出させ、高導電性と高耐熱性を達成させるためである。2点目は、異形加工工程の前に焼鈍することにより、異形断面板となった後の耐熱性を保持すると同時に、曲げ加工性を確保するためである。耐熱性と曲げ加工性は材料に加えられた冷間加工率が高くなるほど低下することから、この時点で焼鈍を行わない場合は耐熱性と曲げ加工性が大きく低下することとなる。焼鈍後の時点での結晶粒の大きさ(板幅方向に測定した平均結晶粒径)は50μm以下であることが好ましく、さらには20μm以下であることがより好ましい。結晶粒の大きさが50μmを超えると異形断面板となった後の曲げ加工性が低下するとともに、耐熱性の低下要因にもなる。
異形断面加工工程では、焼鈍後の平板を冷間加工することにより、板幅方向に厚さの異なる異形断面銅合金板を成形する。この冷間加工は、異形ロールによる冷間圧延や、異形金型による冷間鍛造等、種々の加工方法で行うことができ、異なる加工方法を組み合わせて加工することも可能である。異形断面加工においては、薄肉部の冷間加工率を90%以下とすることが好ましく、さらには85%以下とすることがより好ましい。これは、焼鈍後の冷間加工率が高くなるほど、耐熱性と曲げ加工性が次第に低下するためである。また、薄肉部の冷間加工率は30%以上望ましくは50%以上である。これは、30%以下では従来のFe−P系合金でも耐熱性に不足はなく、50%以上で本発明合金による耐熱性改善効果が大きくなるからである。なお、電気・電子部品用の異形断面銅合金板の薄肉部と厚肉部の板厚比は、ほぼ1:1.5〜1:6程度が一般的である。
以下、本発明の実施例を説明する。この実施例では、Cu−0.1Ni−0.03P(Ni/P=3.33)の組成を基準に、Cu−Ni−Pのみのもの、さらにFe:0.03%を添加したもの、Sn:0.025%を添加したもの、及びFe:0.03%+Sn:0.025%を添加した4種類の組成の銅合金を用いて、板幅方向に一定の厚さを有する銅合金平条を製作し、この平条に対し異形断面加工を行い、得られた各異形断面銅合金条の薄肉部の耐熱性試験を行った。
具体的には、溶解炉にて上記組成の銅合金鋳塊を製作し、970℃で均熱処理した後熱間圧延し、厚さが15mmで水冷した。その後、この圧延板表面を面削して酸化スケールを除去した後、厚さ1.5mmまで冷間圧延して板幅方向に一定の厚さを有する銅合金平条を製作し、再結晶焼鈍を行った後、異形ロールによる冷間圧延により、厚肉部の板厚:1.3mm、薄肉部の板厚:0.38mmの異形断面銅合金条を製造した。異形断面加工途中及び加工後に焼鈍は行っていない。
耐熱性試験は、各異形断面銅合金条の薄肉部から試料を切り出し、種々の異なる温度で5分間の加熱を行い、その前後でビッカース硬さ(Hv)を測定した。ビッカース硬さの測定は、マイクロビッカース硬度計にて、4.9N(0.5kgf)の加重を加えて行った。
図2は耐熱性試験の結果をグラフ化したものである。図2からわかるように、従来のCu−Fe−P系合金では、350℃×5分加熱後、ビッカース硬度がHv100以下に低下している。これに対し、Cu−0.1Ni−0.03Pは、400℃×5分加熱後でもビッカース硬度Hv110以上を有しており、約75℃耐熱性が向上している。Cu−0.1Ni−0.03P−0.03Fe及びCu−0.1Ni−0.03P−0.025Snは、Cu−0.1Ni−0.03Pより耐熱性が若干改善している。また、Cu−0.1Ni−0.03P−0.03Fe−0.025Snは、425℃×5分加熱後、ビッカース硬度Hv120以上を有しており、FeとSnを両方添加することで、Cu−Ni−P合金に比べて25℃、Cu−Fe−P系合金に比べて、耐熱温度が100℃向上している。
この実施例では、表1及び表2に示す各組成の銅合金を用いて、実施例1と同じプロセスで異形断面銅合金条を製造し、実施例1の要領で薄肉部の耐熱性試験を25℃ごとに行い、耐熱温度(5分間加熱後にビッカース硬度がHv100以下に低下する加熱温度の最低値を耐熱温度とした)を求めた。さらに、下記要領で、導電率の測定、及び曲げ加工性、はんだ耐熱密着性の試験を行った。これらの結果を表1及び表2にあわせて示す。
Figure 0004439447
Figure 0004439447
導電率は、ミーリングにより、幅10mm×長さ300mmの短冊状の試験片を加工し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定し、平均断面積法により算出した。
曲げ加工性は、伸銅協会標準JBMA−T307に規定されるW曲げ試験「R(曲げ半径)/t(板厚)=1,曲げ軸が圧延方向に平行」を行い、曲げ部表面を50倍の金属顕微鏡により観察し、5段階(A:しわ無し,B:しわ小,C:しわ大,D:割れ小,E:割れ大)で評価した。A〜Cが合格レベルで、D〜Eが不合格レベルである。
はんだ耐熱密着性は、試料をSn−40%Pbはんだに245℃×5秒間浸漬して試料表面にはんだを接合し、本試料を150℃×500及び1000時間加熱した後、180°曲げ戻し(曲げ半径:2mm)を行い、曲げの内側のはんだの密着性を3段階(○:剥離無し,△:微小剥離,×:全面剥離)で評価した。500時間加熱後、○(剥離無し)で合格レベルである。
表1に示すように、本発明例のNo.1〜10(Cu−Ni−P合金)は、表2に示すNo.30(Cu−Fe−P合金)や、Ni量の不足するNo.24に比べて耐熱性が優れている。
No.11〜19は、Cu−Ni−P系にFeとSnの一方又は双方を添加したものである。特にFe及びSnを併せて添加したNo.13,18,19は耐熱性が向上している。Feを添加したものについては、はんだ耐熱密着性の向上も見られる。
No.20〜23は、Cu−Ni−P系(No.4相当)にZnを添加したもので、150℃×1000hr加熱後のはんだ耐熱密着性が向上している。
表2に示すNo.24〜30はいずれかの成分又はNi/P比が本発明の規定を外れ、いずれかの特定が劣っている。
従来組成の異形断面銅合金条を用いた耐熱性試験の結果を示すグラフである。 本発明の組成の異形断面銅合金条を用いた耐熱性試験の結果を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 銅合金鋳塊から板幅方向に一定の厚さを有する銅合金平板を製造する平板加工工程と、その銅合金平板を冷間加工して板幅方向に厚さの異なる異形断面銅合金板を製造する異形加工工程からなり、前記銅合金の組成が、Ni:0.03〜0.5質量%(以下、単に%と記述)、P:0.01〜0.2%を含有し、NiとPの質量比率であるNi/Pが2〜10であり、残部銅及び不可避不純物からなり、前記異形加工工程において、一度も焼鈍することなく異形断面銅合金板を得ることを特徴とする異形断面銅合金板の製造方法。
  2. 前記銅合金鋳塊が、さらにFe:0.005〜0.20%を含有することを特徴とする請求項1に記載された異形断面銅合金板の製造方法。
  3. 前記銅合金鋳塊が、さらにSn:0.005〜0.5%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載された異形断面銅合金板の製造方法。
  4. さらにZn:0.005〜0.5%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された異形断面銅合金板の製造方法。
  5. 前記異形加工工程において、異形断面銅合金板の薄肉部の冷間加工率を30〜90%とすることを特徴とする請求項1〜4に記載された異形断面銅合金板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載された方法により製造されたことを特徴とする異形断面銅合金板。
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